JP2008038309A - 抗ピル性アクリル系繊維とその製造方法 - Google Patents

抗ピル性アクリル系繊維とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた風合いと抗ピル性を有し、良好な品質および性能の繊維製品が得られる抗ピル性アクリル系繊維とその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも92%以上のアクリロニトリルと、該アクリロニトリルと共重合性を有するビニル系モノマーを3質量%以上、6質量%未満、およびスルホン酸基含有ビニルモノマーを0.2質量%以上、2質量%未満からなるアクリロニトリル系ポリマーによる繊維で、単繊維繊度が0.7〜3.3dtexで、引っ張り強度が1.8cN/dtex以上、結節強度が1.8cN/dtex以下、結節伸度が20%以下、結節強度と結節伸度の積が30以下である抗ピル性アクリル系繊維及びその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた風合いと抗ピル性を有し、良好な品質および性能の繊維製品が得られる抗ピル性アクリル系繊維とその製造方法に関する。
アクリル系繊維は他の合成繊維に比べ最も羊毛に類似した柔軟な風合い、保温性、嵩高性ならびに優れた染色性を有し、衣料用またはインテリア分野に多く利用されている。しかしながらアクリル系繊維の編織物は、着用中にその表面に毛羽、短毛等の絡まりあったピリングと呼ばれる毛玉が発生しやすく、編織物の外観を著しく損ない商品価値を低下させるという実用上の欠点がある。かかる状況を背景としてピリングの発生を防止するためにこれまでに多くの提案がなされている。
例えば特許文献1には、繊維の断面形状を真円化し特定の熱処理条件下で抗ピル性を向上させる方法が開示されている。また、特許文献2には繊維の引っ張り強度、結節強伸度を特定の範囲におさえることによって抗ピル性を向上させる方法が開示されている。また、特許文献3には溶媒の洗浄と延伸処理を施した糸条の膨潤度を200%〜220%に制御することで強度3g/d以上、結節強度と結節伸度の積が20以下であるアクリル系繊維の得る方法が開示されており、特許文献4には、繊維の引っ張り強度、結節強度を特定の範囲におさえ、さらに特定の繊維断面に賦形することによって抗ピル性を向上させる方法が開示されている。しかしながら、これらの文献に示される抗ピル性アクリル系繊維の抗ピル性能は、いずれも高度化する製品の要求水準を満たすためには不十分である。特に、近年ではアクリル系繊維を天然繊維や抗ピル性以外の機能を有するアクリル系繊維と混合使用される場合が多く、その際には従来提案されてきた抗ピル性アクリル系繊維では十分な性能を発揮することができないことが多い。さらに、これらを含む従来提案されてきた抗ピル性アクリル系繊維製造方法の多くは、繊維製造の生産性を大きく損なう方法であり、高機能化するほどにコスト高になるという問題があり、現実的に採用しがたいものであった。
特開昭59−116409号公報 特開昭59−192717号公報 特許第2958056号公報 特許第3656311号公報
本発明の目的は優れた風合いと抗ピル性を有し、良好な品質および性能の繊維製品が得られる抗ピル性アクリル系繊維とその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す本発明を見出すにいたった。
すなわち、本発明の第1の要旨は、92質量%以上のアクリロニトリルと、該アクリロニトリルと共重合性を有するビニル系モノマーを3質量%以上、6質量%未満、およびスルホン酸基含有ビニルモノマーを0.2質量%以上、2質量%未満からなるアクリロニトリル系ポリマーによる繊維であって、単繊維繊度が0.7〜3.3dtexで、引っ張り強度が1.8cN/dtex以上、結節強度が1.8cN/dtex以下、結節伸度が20%以下、結節強度と結節伸度の積が30以下である抗ピル性アクリル系繊維である。
本発明の第2の要旨は、92質量%以上のアクリロニトリルと、該アクリロニトリルと共重合性を有するビニル系モノマーを3質量%以上、6質量%未満、およびスルホン酸基含有ビニルモノマーを0.2質量%以上、2質量%未満からなるアクリロニトリル系ポリマーを用いて、有機溶媒を使用し、湿式紡糸法による抗ピル性アクリル系繊維を製造するに際し、該ポリマー溶液濃度が21〜25質量%、原液粘度が50〜300ポイズ、原液温度が60〜90℃となるように調製し、溶媒濃度が50〜60質量%、温度が30〜45℃の凝固浴に紡出した後、乾燥緻密化処理前のゲル状繊維の膨潤度(繊維含水率)が80〜130質量%となるように、湿熱雰囲気下で延伸倍率3.5〜5.5倍に延伸、乾燥緻密化処理を行い、さらに繊維の熱収縮が15%以内となるように熱緩和処理を行うことを特徴とする抗ピル性系繊維の製造方法である。
本発明によれば、優れた風合いと抗ピル性を兼備し、良質な品質、性能の繊維製品を得ることが可能な抗ピル性アクリル系繊維を提供する事ができ、セーター、肌着、ジャージ等の衣料用途において、単独あるいは綿、レーヨン、ウール等、他繊維と混紡し、紡績をした際の加工性が良好で、優れた風合いと品質を有する抗ピル性の繊維製品を提供する事を可能とするものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるアクリロニトリル系ポリマーは92質量%以上のアクリロニトリルを含有することが必要である。アクリロニトリルの含有率が92質量%よりも少ない場合は、衣料用繊維として必要な繊維物性を損なうので好ましくない。また、該アクリロニトリルと共重合性を有するビニル系モノマーの含有率は3質量%以上、6質量%未満にすることが好ましい。ビニル系モノマーの含有率が3質量%未満の場合は、紡糸原液のゲル化が進行しやすくなるため工程管理が困難となり、6質量%以上の場合は、繊維が収縮しやすくなるため、熱収縮が5〜15%となるように熱緩和処理を行う際の温度が低くなり、熱緩和処理に斑ができ易く、染色斑を引き起こすので好ましくない。また、スルホン酸基含有ビニルモノマーの含有率は0.2質量%以上2質量%未満にすることが好ましい。スルホン酸基含有ビニルモノマーの含有率が0.2質量%未満の場合は十分な染色性能が発揮されず、2質量%以上の場合は、染色性能は高まるものの、リング染色などの染色斑を引き起こすことがある。
また、アクリロニトリルと共重合可能なモノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、あるいはこれらの(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸アミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、などが挙げられる。また、スルホン酸基含有ビニルモノマーとしては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはこれらの金属塩類、およびアミン塩類等が好ましく用いられるが、本発明はここに挙げたモノマーに限定されるものではない。これらは、このようなポリマーを得るために重合方法は、水媒体中で実施する懸濁重合法が望ましい。
これらのポリマーを湿式紡糸する溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒、硝酸、ロダン酸ソーダ、塩化亜鉛等の無機塩の溶媒が挙げられるが、好ましくはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒である。これは硝酸、ロダン酸ソーダ、塩化亜鉛等の無機塩の溶媒では、凝固速度が緩慢なため目的とする繊維を得がたいためである。また、用いるポリマーの還元粘度(0.5%DMF溶液中、25℃で測定)は1.4dl/g以上、1.8dl/g以下であることが好ましい。1.4dl/g未満の場合には紡糸原液の曳糸性が不足し安定紡糸が難しくなり、1.8dl/gを超えると得られる繊維の強度、伸度が上昇するため、逆に抗ピル性は低下してしまう。
本発明の抗ピル性アクリル系繊維の繊度は、0.7〜3.3dtexである。引っ張り強度は、紡績工程等の加工工程通過性の点で、1.8cN/dtex以上であることが必要であり、さらに(1)結節強度が1.8cN/dtex以下、(2)結節伸度が20%以下、かつ(3)結節強度と結節伸度の数値の積が30以下の3つの条件を満足することが必要である。結節強度と結節伸度の数値の積が30を超える場合は、繊維製品に対して良好な抗ピル性を与えることができない。また、結節強度と結節伸度の数値の積が30以下であっても、結節強度が1.8cN/dtexを越える場合は、紡績工程でのフライ発生が著しく多くなり、他方、結節伸度が20%を超える場合は、抗ピル性が低下するので好ましくない。また、さらに結節強度と結節伸度の数値の積は、8以上であることが、加工工通過性の点で好ましい。
さらに、これらの条件は繊度に依存し、抗ピル性と加工工程通過性のバランスの点で、単繊維繊度が0.7dtex以上1.0dtex未満の場合は、引っ張り強度が2.3cN/dtex以上、結節強度が1.8cN/dtex以下、結節伸度が20%以下、結節強度と結節伸度の積が30以下であること。単繊維繊度が1.0dtex以上1.7dtex未満の場合、引っ張り強度が2.3cN/dtex以上、結節強度が1.5cN/dtex以下、結節伸度が15%以下、結節強度と結節伸度の積が20以下であること。単繊維繊度が1.7dtex以上2.2dtex未満の場合、引っ張り強度が2.0cN/dtex以上、結節強度が1.3cN/dtex以下、結節伸度が10%以下、結節強度と結節伸度の積が13以下であること。また、単繊維繊度が2.2dtex以上3.3dtex以下の場合、引っ張り強度が1.8cN/dtex以上、結節強度が1.2cN/dtex以下、結節伸度が10%以下、結節強度と結節伸度の積が10以下であることがさらに好ましい。
本発明の抗ピル性アクリル系繊維の製造方法において、紡糸原液の原液粘度が非常に重要である。本発明の目的とする繊維物性を得るためには、紡糸原液の50℃における落球粘度法(JIS Z8803)により測定した粘度を50ポイズ以上、300ポイズ以下の範囲に調製することが必要である。原液粘度が50ポイズ未満の場合には、繊維物性が低下し、十分な紡績性、加工性を得られなくなるだけでなく、繊維が失透し光沢が失われるとともに発色性が低下し、一方、原液粘度が300ポイズを超えると繊維の物性が向上するため、抗ピル性は低下する。このような原液粘度を得るためには、用いるポリマーの還元粘度に依存するが、紡糸原液中のポリマー濃度を21質量%以上、25質量%以下とする必要がある。また、紡糸に供する際の紡糸原液の温度は60〜90℃が必要であり、好ましくは75〜85℃である。紡糸原液の温度が60℃未満の場合は原液粘度が高くなるため、操業性上問題が多く、90℃を超えると紡糸原液の着色など性質が変化する可能性があるため好ましくない。このように調製した紡糸原液は、通常の湿式紡糸装置を用いて紡糸される。
該紡糸原液を湿式紡糸するための凝固浴の組成は、有機溶媒を用いる場合には有機溶媒成分が50〜60%、水の成分が50〜40%であることが必要である。有機溶媒成分が50%より低い場合は、抗ピル性能は高いものの、延伸後の膨潤度(繊維含水率)が高くなり生産性の低下を引き起こすだけでなく、脆く十分な繊維強度などの物性を得られなくなるため好ましくない。有機溶媒成分が60%より高い場合は、凝固浴における糸切れなどが多くなり、操業上問題となることが多く好ましくない。凝固浴の温度は30〜45℃が必要であり、より好ましくは35〜41℃である。凝固浴の温度が30℃より低い場合は、凝固浴における糸切れなどが多くなり、操業上問題となることが多く好ましくない。凝固浴の温度が45℃より高い場合は、抗ピル性能は高いものの、延伸後の膨潤度(繊維含水率)が高くなり生産性の低下を引き起こすだけでなく、脆く十分な繊維強度などの物性を得られなくなり好ましくない。
かくして得られた凝固糸を熱水中で繊維中に残留する溶媒を洗浄しながら延伸する。この延伸倍率は3.5〜5.5倍が必要であり、好ましくは4.0〜5.0倍である。延伸倍率が3.5倍より低いと、繊維に十分な機械的強度を与えることができず、5.5倍を超える延伸は繊維の配向が進むために機械的強度が高く、抗ピル性能が得られない。また、得られた乾燥緻密化前のゲル状繊維の膨潤度は80〜130%の範囲にあることが必要であり、さらに好ましくは95〜105%の範囲である。膨潤度が80%未満の場合には、抗ピル性能が不十分となり、膨潤度が130%を超える場合は、抗ピル性能は高いものの、乾燥負荷が高くなるため生産性の低下を引き起こし、繊維が脆く十分な繊維引っ張り強度などの物性が得られないため、紡績、編み立ての工程で繊維の損傷発生が激しくなり、さらには繊維が失透し光沢が失われ、繊維の風合いも著しく低下するため好ましくない。このようにして得られた延伸糸を定法により油浴処理、乾燥緻密化処理を行い、最後に繊維の熱収縮が5〜15%となるように熱緩和処理を行いアクリル系繊維とする。熱緩和条件は繊維の熱収縮緩和率によって規定され、繊維の熱収縮が5%より低い場合、繊維の配向が高いために染色性が低い繊維となるため好ましくない。一方、繊維の熱収縮が15%を超える場合、繊維強度が低下し、結節強度および伸度は増加するため、目的とする抗ピル性能が得られないため好ましくない。
以上のような製造方法により得た本発明の抗ピル性アクリル系繊維はカットして短繊維とされた後、紡績される。紡績糸の構成は、本発明の抗ピル性アクリル系繊維を100%としてもよいし、他の繊維、例えば通常のアクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維等の合成繊維または化学繊維、綿、ウール、絹等の天然繊維と混紡して、紡績糸とすることも可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は何等これらに限定されるものではない。なお、実施例中の「%」は、特記しない限りそれぞれ質量%を意味する。
なお、ここでは、50℃における各原液の粘度測定は、JIS Z8803 落球粘度法によって測定した。また、膨潤度(繊維含水率)は、紡糸工程において、延伸後、乾燥緻密化処理前のゲル状繊維を採取し、直径約40cmの遠心脱水機を使用し、3000rpm、10分間の条件で、該ゲル状繊維の遠心脱水を行い、その遠心脱水処理後の質量をL0。さらに、該遠心脱水処理後のゲル状繊維を、120℃、60分間の条件で、熱風乾燥機において乾燥後、デシケーター中で、室温まで温度を低下させた後の該ゲル状繊維の質量をL1としたとき、

(膨潤度) = (L0−L1)/L1 × 100 (%)

で、乾燥緻密化処理前のゲル状繊維の膨潤度(繊維含水率)を求めた。
また、編地の抗ピル性に関しては、ICI法(JIS L 1076 A法にて5時間試験)により評価した。
<実施例1>
アクリロニトリル95%、酢酸ビニル4.4%、メタリルスルホン酸ソーダ0.6%からなる還元粘度1.8のアクリロニトリル系共重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、ポリマー濃度24%、50℃における粘度が200ポイズの紡糸原液を得た。
この紡糸原液を孔径0.06mm、孔数50000の紡糸ノズルを用いて、ジメチルアセトアミド濃度56%、温度41℃の凝固浴に湿式紡糸し、沸水中で溶媒を洗浄しながら4倍延伸を施した。この乾燥緻密化処理前のゲル状繊維の膨潤度は100%であった。続いて油剤を付着させ150℃の熱ローラーで乾燥し、さらに緩和率が9%になるように1.7K加圧スチーム中で熱緩和処理を行い、単繊維繊度が1.7dtexの繊維を得た。
この繊維の引っ張り強度は2.4cN/dtex、結節強度は1.4cN/dtex、結節伸度は11%であった。この繊維を51mmにカットし、2インチ紡により1/52の紡績糸となし、天竺組織の編地に製編し、ICI法で5時間評価した結果、抗ピル性5級を示した。
<実施例2〜12、比較例1〜8>
同様に紡糸条件、熱緩和条件を変えて抗ピル性を評価した結果を表1に示した。
Figure 2008038309
<実施例13〜20、比較例9〜12>
実施例1、7、10および比較例1、3、5、7で得た抗ピル性アクリル系繊維と、レギュラーアクリル系繊維、あるいは綿、あるいはレーヨンとを所定の混率で混綿し、紡績糸を作成した。この紡績糸を沸騰水中で処理した後、天竺組織に製編みし、ICI法で5時間評価した結果を表2に示した。
Figure 2008038309
表1および表2の結果から明らかなように、本発明に関わる諸工程要件を満たす条件にて製造されたアクリル系繊維は、それ自身が優れた抗ピル性能を有するだけでなく、他の繊維との混紡品においても良好な抗ピル性能を発現することが分かる。

Claims (6)

  1. 92質量%以上のアクリロニトリルと、該アクリロニトリルと共重合性を有するビニル系モノマーを3質量%以上、6質量%未満、およびスルホン酸基含有ビニルモノマーを0.2質量%以上、2質量%未満からなるアクリロニトリル系ポリマーによるアクリル系繊維であって、単繊維繊度が0.7〜3.3dtexで、引っ張り強度が1.8cN/dtex以上、結節強度が1.8cN/dtex以下、結節伸度が20%以下、結節強度と結節伸度の積が30以下である抗ピル性アクリル系繊維。
  2. 単繊維繊度が0.7dtex以上1.0dtex未満で、引っ張り強度が2.3cN/dtex以上、結節強度が1.8cN/dtex以下、結節伸度が20%以下、結節強度と結節伸度の積が30以下であることを特徴とする請求項1に記載の抗ピル性アクリル系繊維。
  3. 単繊維繊度が1.0dtex以上1.7dtex未満で、引っ張り強度が2.3cN/dtex以上、結節強度が1.5cN/dtex以下、結節伸度が15%以下、結節強度と結節伸度の積が20以下であることを特徴とする請求項1に記載の抗ピル性アクリル系繊維。
  4. 単繊維繊度が1.7dtex以上2.2dtex未満で、引っ張り強度が2.0cN/dtex以上、結節強度が1.3cN/dtex以下、結節伸度が10%以下、結節強度と結節伸度の積が13以下であることを特徴とする請求項1に記載の抗ピル性アクリル系繊維。
  5. 単繊維繊度が2.2dtex以上3.3dtex以下で、引っ張り強度が1.8cN/dtex以上、結節強度が1.2cN/dtex以下、結節伸度が10%以下、結節強度と結節伸度の積が10以下であることを特徴とする請求項1に記載の抗ピル性アクリル系繊維。
  6. 92質量%以上のアクリロニトリルと、該アクリロニトリルと共重合性を有するビニル系モノマーを3質量%以上、6質量%未満、およびスルホン酸基含有ビニルモノマーを0.2質量%以上、2質量%未満からなるアクリロニトリル系ポリマーを用いて、有機溶媒を使用して、湿式紡糸法によるアクリル系繊維を製造するに際し、該ポリマー溶液濃度を21〜25質量%、原液粘度を50〜300ポイズ、原液温度を60〜90℃となるように調整し、溶媒濃度が50〜60質量%、温度が30〜45℃の凝固浴に紡出した後、乾燥緻密化処理前のゲル状繊維の膨潤度(繊維含水率)が80〜130質量%となるように湿熱雰囲気下で延伸倍率3.5〜5.5倍に延伸、乾燥緻密化処理を行い、さらに繊維の熱収縮が5〜15%となるように熱緩和処理を行うことを特徴とする抗ピル性アクリル系繊維の製造方法
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