JP3852325B2 - アクリル系異型断面繊維およびその製造方法 - Google Patents

アクリル系異型断面繊維およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維横断面が略C型のアクリル系異型断面繊維およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、軽量性、嵩高性及び吸水性を付与する目的で繊維横断面をC字型としたポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの溶融紡糸法によって得られる合成繊維は特開昭55−103311号公報、特開昭56−169817号公報等に提案されているが、湿式紡糸によるアクリル系繊維については極めて少ない。特開平2−19509号公報には湿式紡糸によるアクリル系繊維の繊維横断面をC字型として提案されているが、繊維横断面を良好に保つことが困難であり、実用化されていないのが現状である。アクリル繊維はソフトな肌触りと良好な染色性から、衣料用として広く使用されており、アクリル繊維に吸水性を付与する試みは、特開昭57−139510号公報にはアルカリ水溶液での沸水処理する方法、特開平1−104829号公報には2層以上に多層化する方法、特開平5−311508号公報には繊維を多孔質化する方法、特開平3−249215号公報には芯鞘複合紡糸する方法等が知られているが、いずれも特殊なポリマーや製造方法が必要である。また、アクリル繊維は着用や洗濯による摩擦を受けると、ピリング(以下、ピルという)と呼ばれる毛玉が発生し、品質、外観が大きく損なわれる問題がある。このため、これまでにもピルの発生を防止する方法として種々の提案がなされている。抗ピル性を発現させるためには、紡績糸を構成する単繊維の強度、伸度、あるいは、結節強度、結節伸度を小さくし、ピルを形成する以前に脱落せしめる改質方法が提案されてきた。特開昭57−121610号公報には繊維製造工程において低い延伸倍率を採用する方法、特開昭56−128324号公報には繊維に局所的な欠陥を付与することによって繊維の強度を低下させることが試みられ、いずれにしても特殊な製造方法が必要とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、繊維横断面を良好に保ち、新規な風合いと軽量性、嵩高性、さらには、吸水性、抗ピル性を有するアクリル系異型断面繊維とその製造方法を提供することにある。
【0004】
なお、本発明において、繊維横断面とは、繊維長さ方向に直角な断面方向での横断面をいうものである。
【0005】
また、本発明において抗ピル性を有するとは、後述するJISの抗ピル性試験において3級以上を示すものであることをいい、好ましくは4級以上を示すものであることを言う。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次の構成を有する。
[1]繊維横断面が略C型であって、かつ、下記の条件を満足することを特徴とする吸水性を有するアクリル系異型断面繊維。
【0007】
5μm≦R≦60μm
25゜≦θ≦180゜
40%≦S≦80%
ただし、Rは繊維想定外接円の直径、θは繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度、Sは繊維想定外接円に対する繊維横断面の面積比率である。
[2]繊維横断面が記の条件を満足する略C型であって、かつ、結節強度(cN/dtex)と結節伸度(%)の積が80以下であることを特徴とする抗ピル性を有するアクリル系異型断面繊維。
【0008】
1μm≦t≦25μm
5μm≦R≦60μm
25゜≦θ≦180゜
ただし、tは最大厚み、Rは繊維想定外接円の直径、θは繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度である。
[3]少なくとも92モル%のアクリロニトリルと該アクリロニトリルと共重合性を有するエチレン性ビニルモノマーおよびスルホン酸含有モノマー2〜8モル%を含むアクリル系重合体の溶液を紡糸ドラフト0.7〜2.0、延伸倍率3.5〜8倍で延伸し、乾燥緻密化後に100〜160℃で湿熱処理をする湿式紡糸を行ってアクリル系異形断面を得ることを特徴とする上記[1]あるいは[2]記載のアクリル系異型断面繊維の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳しく説明をする。
【0010】
本発明において、繊維横断面が略C型とは、図1に示すような形状例を有しているものであり、略C型の両端は、角があってもなくてもよい。
【0011】
すなわち、図1は、本発明にかかる繊維横断面が略C型のアクリル系異形断面繊維の横断面の形状の各種の例を図示した概略モデル横断面図である。
【0012】
また、図2は、本発明にかかる繊維横断面が略C型アクリル系異形断面繊維の横断面の形状の実例がわかりやすいように走査型電子顕微鏡で斜視図方向から撮影した横断面斜視顕微鏡写真である。
【0013】
本発明において、紡績性を損なわず、新規な風合い、軽量性、嵩高性に吸水性を持たせるために、繊維想定外接円の直径R、繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度θ、繊維想定外接円に対する繊維横断面の面積比率Sは、
5μm≦R≦60μm
25゜≦θ≦180゜
40%≦S≦80%
を満たす必要がある。繊維想定外接円の直径Rは、5μm以上、60μm以下が必要である。Rが5μm未満だと嵩高性の点から好ましくなく、60μmを超えると軽量性の点から好ましくない。繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度θは25゜以上、180゜以下が必要である。25゜より小さいと繊維横断面を良好に保つことが困難となり好ましくなく、180゜を超えると、毛細管現象による吸水性が損なわれ、好ましくない。繊維横断面を良好に保ち、吸水性を付与する観点から、60゜≦θ≦120゜がより好ましい。
【0014】
繊維想定外接円に対する繊維横断面の面積比率Sは、40%以上、70%以下であることが必要である。40%より小さいと、紡績工程でフィブリル化する可能性が大きくなり、繊維横断面維持が困難となり好ましくなく、80%より大きいと軽量性、嵩高性の点から好ましくない。繊維横断面の維持と、軽量性嵩高性の観点から、50%≦S≦70%がより好ましい。
【0015】
R、θ、Sはいずれも繊維糸条横断面拡大写真から求めることができる。
【0016】
本発明において、紡績性を損なわず、新規な風合い、軽量性、嵩高性に抗ピル性を持たせるためには、最大厚みt、繊維想定外接円の直径R、繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度θは、
1μm≦t≦25μm
5μm≦R≦60μm
25゜≦θ≦180゜
であることを満たす必要があり、かつ、結節強度(cN/dtex)と結節伸度(%)の積が80以下が必要である。
【0017】
ここで、図1に示すように、最大厚みtとは外輪郭線の垂線が外輪郭線および内輪郭線と交わる点を結ぶ線分の長さであり、tは1μm以上、25μm以下が必要である。1μmより薄くなると繊維横断面を維持することが困難であり好ましくなく、25μmであると軽量性、嵩高性の点から好ましくない。繊維横断面維持の観点から、tは3μm以上が好ましい。繊維想定外接円の直径Rは、5μm以上、60μm以下が必要である。Rが5μm未満だと嵩高性の点から好ましくなく、60μmを超えると軽量性の点から好ましくない。
【0018】
本発明において、結節強度(cN/dtex)と結節伸度(%)の積は80以下が必要である。結節強度(cN/dtex)と結節伸度(%)の積が80を超えると、抗ピル性が悪化し好ましくない。抗ピル性の観点から、結節強度(cN/dtex)と結節伸度(%)の積は70以下が好ましく、さらには60以下がより好ましい。
【0019】
本発明におけるアクリル系異型断面繊維は、繊維の長さ方向に沿って空隙を有していることが、軽量性、嵩高性の点から好ましいものと言え、本発明者らの知見によれば、その空隙が繊維横断面における空隙直径0.1μm以上である空隙を含むことが軽量性、嵩高性、吸水性、抗ピル性の点からより好ましいものである。
【0020】
一方で、本発明者らの他の知見によれば、本発明におけるアクリル系異型断面繊維は、繊維の長さ方向に沿って空隙を有していないものである場合にも好ましいものであり、特に、その場合、紡績工程等の高次加工工程を通過しても該繊維の横断面形状を良好に維持できる点で好ましい。
【0021】
本発明におけるアクリル系重合体は、少なくとも92モル%のアクリロニトリルと該アクリロニトリルと共重合性を有するエチレン性ビニルモノマーおよびスルホン酸含有モノマー2〜8モル%を含むのがよい。アクリロニトの含有量が92モル%より少ないと、通常の物性が得られず好ましくない。また、該アクリロニトリルと共重合性を有するエチレン性ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、あるいはこれらのアルキルエステル類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、スチレン、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテルなどが挙げられ、スルホン酸含有モノマーとしては、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。スルホン酸含有モノマーは、0.2〜2.0モル%共重合されることが好ましい。アクリル系重合体の溶液の溶剤は上記アクリル系重合体を溶解するものであればよく、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略す。)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトンなどの有機溶媒やロダン塩水溶液、塩化亜鉛水溶液、硝酸水溶液などが使用される。アクリル系重合体の溶液におけるアクリル系重合体の割合は19〜25重量%が好ましい。
【0022】
本発明におけるアクリル系異型断面繊維は、例えば、図1あるいは図3に示すような新規な円弧状あるいはC型原綿であり、上記のようなアクリル系重合体溶液を、口金孔の形状が図3に示すようなC字型である口金を使用し、凝固浴の溶剤濃度が50〜70重量%、水あるいはアルコール等の凝固剤濃度が30〜50重量%の浴中に押し出し、紡糸ドラフトが0.7〜2.0で引き取った後、延伸倍率3.5〜8.0倍で延伸し、水洗を行い、前オイル付与を経て乾燥緻密化させ、後オイルを付与し、クリンパーにより捲縮を付与した後に100℃〜160℃で熱処理する湿式紡糸法によって得ることができる。
【0023】
本発明において、湿式紡糸における紡糸ドラフトは0.7〜2.0が好ましく、1.0〜1.8がより好ましい。紡糸ドラフトが0.7未満の場合、凝固浴中で糸がたるむ可能性があり好ましくなく、2.0を超える場合は口金面での糸切れが多くなり好ましくない。
【0024】
少なくとも、本発明者らの知見によれば、紡糸ドラフト1.1近辺で紡糸すると、直径0.1μm以上の空隙を有する本発明のアクリル系繊維が得られ、紡糸ドラフト1.7近辺で紡糸すると実質的に空隙のない本発明のアクリル系繊維が得られることを見出しており、その境界は必ずしも明確でないが、紡糸ドラフトを0.7〜1.3として紡糸する場合、実質的に、繊維の長さ方向に沿って直径0.1μm以上の空隙を形成させることができ、紡糸ドラフトを1.4〜2.0として紡糸をする場合は、実質的に空隙を形成させることなく本発明のアクリル系繊維を製造することができるとの知見を得ているものである。
【0025】
本発明において得られる繊維横断面が略C型のアクリル系異型断面繊維を用いた紡績糸は一般的な紡績方法で得ることができる。紡績糸において、繊維横断面が略C型のアクリル系異型断面繊維の混率が100%であると、紡績時のフライが多くなり、紡績性がやや低下するものの紡績糸は得ることができるが、機械的に大きな衝撃を与えないようにし、異形断面の保持に努めることが好ましい。紡績糸における略C型のアクリル系異型断面繊維の混率は100%まで可能ではあるが、好ましくは30〜70%である。
【0026】
本発明において得られる繊維横断面が略C型のアクリル系異型断面繊維を用いた布帛も一般的な織り方法あるいは編み方法で得ることができ、同様に、機械的に大きな衝撃を与えないようにし、異形断面の保持に努めることが好ましい。
【0027】
本発明者らの知見によれば、本発明において得られる繊維横断面略C型のアクリル系異型断面繊維が65%の混率で紡績し紡績糸を得た後、該紡績糸で編み地を編成したところ、新規な風合いと軽量性、嵩高性に優れ、さらには、吸水性、抗ピルを兼ね備えた布帛を得ることができ、カーペット、マット、毛布、立毛布帛、セーター、靴下、肌着、ジャージィ等に好適に用いることができる。
【0028】
なお、本発明において、吸水性を有するアクリル系異形断面繊維として説明をしているが、その意味は、繊維自体が水を吸うというよりも該繊維の繊維集合体が毛細管現象などの物理現象によって繊維集合構造体中の空間に水を吸い上げる力を有する繊維であることを言う。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0030】
なお、繊維の吸水性の測定はJIS L1907滴下法、結節強度、結節伸度の測定は、JIS L1013、抗ピルの測定はICI法(5Hr)による抗ピル試験(JIS L1076に準ずる)に拠った。
(1)R(繊維想定外接円の直径):
繊維横断面の走査型電子顕微鏡撮影図から測定
(2)θ(繊維想定外接円の中心とC型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度):
繊維横断面の走査型電子顕微鏡撮影図から測定したものであり、n数を5〜10にして平均したものである。
(3)S(繊維想定外接円に対する繊維横断面の面積比率):
繊維横断面の走査型電子顕微鏡撮影図から測定したものであり、n数を5〜10にして平均したものである。
(4)t(最大厚み):
繊維横断面の走査型電子顕微鏡撮影図から、略C型をなす繊維の肉厚としての厚さを測定したものであり、n数を5〜10にして平均したものである。
【0031】
実施例1
アクリロニトリル94.7モル%、アクリル酸メチル5モル%、メタリルスルホン酸ナトリウム0.3モル%からなるアクリル系重合体のDMSO溶液を図3に示すC型口金(A=0.08mm、B=0.14mm、X=120゜)を用いて凝固浴DMSO濃度55%の凝固浴に紡糸ドラフト1.1で引き取り、延伸浴中で5.5倍に延伸した。この後、通常の水洗、オイル付与、乾燥、後油剤付与、クリンパーを経て、102℃で熱処理を実施し、単糸約3.3デシテックスのアクリル系異型断面繊維を得た。
【0032】
実施例2
アクリロニトリル94.7モル%、アクリル酸メチル5モル%、メタリルスルホン酸ナトリウム0.3モル%からなるアクリル系重合体のDMSO溶液を図3に示すC型口金(A=0.08mm、B=0.14mm、X=120゜)を用いて凝固浴DMSO濃度55%の凝固浴に紡糸ドラフト1.7で引き取り、延伸浴中で5.5倍に延伸した。この後、通常の水洗、オイル付与、乾燥、後油剤付与、クリンパーを経て、102℃で熱処理を実施し、図2に示すような単糸約2.2デシテックスのアクリル系異型断面繊維を得た。
【0033】
実施例3
実施例1で得られたアクリル系異型断面繊維を62〜93mmにカットし、カットしたアクリル系異型断面繊維の短繊維65%と、通常の収縮率20%のアクリル繊維35%から紡績糸(2/32番手)を得、横編みにより編み地を得た。
【0034】
実施例4
実施例3と同様の紡績糸を天竺編により編み地を得た。
【0035】
比較例1
通常の3.3デシテックスのアクリル系繊維を62〜93mmにカットした短繊維65%と、通常の収縮率20%のアクリル繊維35%から紡績糸(2/32番手)を得、横編みにより編み地を得た。
【0036】
比較例2
比較例1と同様の紡績糸を天竺編みにより編み地を得た。
【0037】
これらの各実施例のアクリル系異型断面繊維と編み地等について、風合い、軽量性、嵩高性を評価したところ、新規な風合いを有し、軽量性、嵩高性に優れ、吸水性、抗ピル性を有するものであった。各実施例について評価した結果を表1〜表3に示した。
【0038】
【表1】
Figure 0003852325
【0039】
【表2】
Figure 0003852325
【0040】
【表3】
Figure 0003852325
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、繊維横断面が略C型であり、繊維横断面を良好に保つアクリル系異形断面繊維によって、新規な風合いを得ることができ、また、軽量性、嵩高性に加えて、吸水性、抗ピル性を付与することが可能となる。本発明にかかる繊維は、カーペット、マット、毛布、立毛布帛、セーター、靴下、肌着、ジャージィなどに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる、繊維横断面が円弧状に湾曲しているアクリル系異形断面繊維の横断面の形状の1例を図示した概略モデル横断面図である。
【図2】図2は、本発明にかかる、繊維横断面が略C型のアクリル系異形断面繊維の横断面の形状の実例がわかりやすいように斜視方向から走査型電子顕微鏡で撮影した繊維横断面顕微鏡拡大写真である。
【図3】図3は、本発明にかかる、繊維横断面が略C型のアクリル系異形断面繊維を製造するための口金孔の形状例を図示した概略モデル図である。

Claims (8)

  1. 繊維横断面が略C型であって、かつ、下記の条件を満足することを特徴とする吸水性を有するアクリル系異型断面繊維。
    5μm≦R≦60μm
    25゜≦θ≦180゜
    40%≦S≦80%
    ただし、Rは繊維想定外接円の直径、θは繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度、Sは繊維想定外接円に対する繊維横断面の面積比率である。
  2. 繊維横断面が下記の条件を満足する略C型であって、かつ、結節強度(cN/dtex)と結節伸度(%)の積が80以下であることを特徴とする抗ピル性を有するアクリル系異型断面繊維。
    1μm≦t≦25μm
    5μm≦R≦60μm
    25゜≦θ≦180゜
    ただし、tは最大厚み、Rは繊維想定外接円の直径、θは繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度である。
  3. アクリル系異型断面繊維が、実質的に、繊維の長さ方向に沿って空隙を有し、その空隙が繊維横断面における直径が0.1μm以上である空隙を含むことを特徴とする請求項1または2記載のアクリル系異型断面繊維。
  4. アクリル系異型断面繊維が、実質的に、繊維の長さ方向に沿って空隙を有していないものであることを特徴とする請求項1または2記載のアクリル系異型断面繊維。
  5. 請求項1、2、3または4記載のアクリル系異型断面繊維を含む紡績糸。
  6. 請求項1、2、3または4記載のアクリル系異型断面繊維を含む布帛。
  7. 少なくとも92モル%のアクリロニトリルと該アクリロニトリルと共重合性を有するエチレン性ビニルモノマーおよびスルホン酸含有モノマー2〜8モル%を含むアクリル系重合体の溶液を紡糸ドラフト0.7〜2.0、延伸倍率3.5〜8倍で延伸し、乾燥緻密化後に100〜160℃で湿熱処理する湿式紡糸を用い、繊維横断面が下記の条件を満足する略C型であるアクリル系繊維を得ることを特徴とする吸水性を有するアクリル系異型断面繊維の製造方法。
    5μm≦R≦60μm
    25゜≦θ≦180゜
    40%≦S≦80%
    ただし、Rは繊維想定外接円の直径、θは繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度、Sは繊維想定外接円に対する繊維横断面の面積比率である。
  8. 繊維横断面が下記の条件を満足する略C型であって、かつ、結節強度(cN/dtex)と結節伸度(%)の積が80以下であるアクリル系繊維を得ることを特徴とする請求項7記載の抗ピル性を有するアクリル系異型断面繊維の製造方法。
    1μm≦t≦25μm
    5μm≦R≦60μm
    25゜≦θ≦180゜
    ただし、tは最大厚み、Rは繊維想定外接円の直径、θは繊維想定外接円の中心と略C型の2つの先端を結ぶ線分のなす角度である。
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