JP6145350B2 - 磁気記録媒体、磁気記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気記録媒体、磁気記憶装置に関する。
近年、ハードディスクドライブHDDに対する大容量化の要求が益々強まっている。この要求を満たす手段として、レーザー光源を搭載した磁気ヘッドで磁気記録媒体を加熱して記録を行う熱アシスト記録方式が提案されている。熱アシスト記録方式では、磁気記録媒体を加熱することによって保磁力を大幅に低減できるため、記録媒体の磁性層に結晶磁気異方定数Kuの高い材料を用いることができる。このため、熱安定性を維持したまま磁性粒径の微細化が可能となり、1Tbit/inch級の面密度を達成できる。
また、次世代の記録方式として注目されている他の技術として、マイクロ波アシスト磁気記録方式がある。マイクロ波アシスト磁気記録方式は、磁気記録媒体の磁性層にマイクロ波を照射して磁化方向を磁化容易軸から傾けて、磁性層の磁化を局所的に反転させて磁気情報を記録する方式である。
マイクロ波アシスト磁気記録方式においても、熱アシスト磁気記録方式と同様に、磁性層の材料として、L1型結晶構造を有する合金からなる高Ku磁性材料を用いることができる。
高Ku磁性材料としては、L1型FePt合金、L1型CoPt合金、L1型CoPt合金等の規則合金等が提案されている。また、磁性層には、上記規則合金からなる結晶粒を分断するため、粒界相材料としてSiO、TiO等の酸化物、もしくはC、BN等が添加されている。磁性結晶粒が粒界相で分離されたグラニュラー構造とすることにより、磁性粒子間の交換結合を低減でき、高い媒体SN比を実現できる。
近年では、さらなる高記録密度化が求められており、記録密度を向上するために、最適な下地層の構成について検討がなされてきた。
さらに記録密度を向上するための方法として、例えば垂直磁気異方性の高い磁気記録媒体とする方法が挙げられる。そして、垂直磁気異方性の高い磁気記録媒体とする方法として、磁性層中のL1型規則合金に良好な(001)配向をとらせる方法が挙げられる。磁性層の配向は、下地層によって制御できるため、適切な下地層を用いることにより、L1型規則合金に良好な(001)配向をとらせることができる。
例えば、特許文献1には(100)の結晶面が基板と平行になるように制御されたMgO等を主成分とする下地層上にL1型FePt合金を形成することにより、該FePt合金が(001)配向を示すことが記載されている。
また、さらに記録密度を向上させる他の方法として、磁性層の粒径を小さくする方法が挙げられるが、この際、磁性層の磁性粒子の粒径を微細化しても熱安定性を維持できるL1型結晶構造を有する合金とすることが求められる。
例えば、特許文献2には、Crを主成分とし、かつ、Ti等を含有しているBCC構造の合金からなる下地層に、B、Si、Cを添加することにより、磁性層の磁気結合を低減し、クラスターサイズを低減できることが記載されている。
特開平11−353648号公報 国際公開第2011/021652号
しかしながら、特許文献1、2に開示されているような下地層を用いた場合、下地層間や、下地層と磁性層との間で応力剥離が発生する場合があり、耐食性が十分とはいえず信頼性の点で問題があった。
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、耐食性の高い磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明は、基板と、
前記基板上に形成された複数の下地層と、
L1構造を有する合金を主成分とする磁性層とを有しており、
前記複数の下地層には少なくとも、
Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、かつ、W、Moからなる群から選択された1種類以上の元素を含有する第1の下地層と、
MgOを含有する第2の下地層と、
BCC構造を有する金属を含有する第3の下地層と、を含み、
前記第1の下地層と、前記第2の下地層とが連続して積層されており、
前記第1の下地層が、前記第3の下地層上に形成されていることを特徴とする磁気記録媒体を提供する。
本発明によれば、耐食性の高い磁気記録媒体を提供できる。
本発明の第2の実施形態における磁気記録装置の構成図。 本発明の第2の実施形態における磁気ヘッドの構成図。 実験例1で作製した熱アシスト磁気記録媒体の層構成の断面模式図。 実験例2で作製した熱アシスト磁気記録媒体の層構成の断面模式図。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[第1の実施態様]
本実施形態の磁気記録媒体の構成例について説明する。
本実施形態の磁気記録媒体は、基板と、基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層とを有している。
そして、複数の下地層には少なくとも、第1の下地層と、第2の下地層と、が含まれている。
ここで、第1の下地層は、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、かつ、W、Moからなる群から選択された1種類以上の元素を含有することができる。
第2の下地層は、MgOを含有する層により構成することができる。
第1の下地層と、第2の下地層とは、連続して積層されている。すなわち、第1の下地層と、第2の下地層とは、接して配置することができる。
以下、本実施形態の磁気記録媒体に含まれる各部材について説明する。
まず、基板としては特に限定されるものではないが、例えば非晶質、もしくは微結晶構造を有する耐熱ガラス基板を用いることが好ましい。本実施形態の磁気記録媒体は、磁性層形成時に400℃以上の基板加熱を行う場合があるため、基板として耐熱ガラス基板を用いる場合、ガラス転移温度が400℃以上の材質を用いることが好ましい。
次に複数の下地層について説明する。
複数の下地層には、少なくとも第1の下地層と、第2の下地層と、が含まれており、第1の下地層、第2の下地層、は連続的に積層された多層構造とすることが好ましい。
第1の下地層について説明する。
第1の下地層は、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、かつ、W、Moからなる群から選択された1種類以上の元素を含有している。
この場合、第1の下地層は例えば、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、かつ、W、Moからなる群から選択された1種類以上を含有している合金により構成することができる。具体的には例えば、第1の下地層は、W−Ta−Ti、W−Ta−V、W−Nb−Ti、W−Nb−V、W−Ti−V、Mo−Ta−Ti、Mo−Ta−V、Mo−Nb−Ti、Mo−Nb−V、Mo−Ti−V等の合金により構成することができる。また、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を20at%以上80at%以下含有することが好ましく、30at%以上70at%以下含有することがより好ましい。その場合、第1の下地層の格子定数は、例えば0.304nm(Mo−70at%Vの場合)から、0.329nm(W−70at%Taの場合)までの範囲とすることができる。
また、第1の下地層は、さらにB、Si、C、及びB、SiO、Cr、Al、Ta、Nb、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、TiO、ZnO、La、NiO、FeO、CoOからなる群から選択された1種類以上の物質を含有していることが好ましい。上記物質を含有することにより、第1の下地層の結晶粒子サイズと分散度を改善することができる。このため、磁性層の粒子分散度を高めることができ、これらの物質を添加していない場合と比較して、磁気記録媒体の保磁力を向上させ、媒体SN比をより高めることができる。
第2の下地層について説明する。第2の下地層はMgOを含有する層により構成することができ、特にMgOにより構成されることが好ましい。第2の下地層は(100)配向の第1の下地層の上に、エピタキシャルで成長することが好ましい。このとき、第1の下地層の(100)面の<110>方向と、MgOの(100)面の<100>方向が平行となる。このため、第1の下地層の第2の下地層に対する格子ミスフィットは、第1の下地層の格子定数をa、第2の下地層の格子定数をaとすると、(a−√2a)/(a)と定義される。
第2の下地層として、例えばMgO層を第1の下地層上にエピタキシャル成長した場合、MgOの膜面内に引っ張り応力が導入されることが望ましい。これによって、磁性層に用いられるL1型構造を有する合金に引っ張り応力が導入され規則化を促進することができる。
上述のように第2の下地層としてMgO層を上記第1の下地層の上にエピタキシャル成長した場合、格子ミスフィットにより、MgO層は2〜10%の引っ張り応力が含まれていることが好ましい。この場合、第2の下地層は応力剥離を起こしやすくなっているが、第1の下地層にTa、Nb、Ti、V等酸化し易い元素を添加しているため、第2の下地層を構成するMgO層と、第2の下地層との界面の接着強度を向上させることができる。従って、応力剥離の発生を抑制できるため、磁気記録媒体の耐食性を向上させ、信頼性を向上させることができる。
そして、上述のように第1の下地層は、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を20at%以上80at%以下含有していることが好ましい。ただし、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素の含有量を30at%以上とすることにより、第2の下地層を構成するMgO層と、第1の下地層と、の界面接着強度を特に向上させることができる。すなわち耐食性を特に向上させることができる。また、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素の含有量が70at%を超えると磁気記録媒体の保磁力が低下する場合がある。このため、第1の下地層は、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を30at%以上70at%以下含有していることがより好ましい。
第2の下地層の膜厚は特に限定されるものではないが、0.5nm以上5nm以下とすることが好ましい。第2の下地層の膜厚が0.5nm未満の場合、MgOが良好なNaCl型構造をとらない場合があるため好ましくない。また、膜厚が5nmを上回ると、MgOの膜面内の引っ張り応力が緩和され、磁性層中のL1構造を有する合金に十分な引っ張り応力が導入され難くなるため好ましくない。
また、前記複数の下地層は、BCC構造を有する金属を含有する第3の下地層をさらに含むことが好ましい。そして、第1の下地層は、第3の下地層上に形成することが好ましく、第3の下地層と第1の下地層とは連続して積層することがより好ましい。
第3の下地層について説明する。
第3の下地層は、BCC構造を有する金属を含有することが好ましい。BCC構造を有する金属は、W(金属タングステン)、Mo(金属モリブデン)、Wを主成分とするBCC構造を有する合金、Moを主成分とするBCC構造を有する合金から選択された金属であることが好ましい。Wを主成分とするBCC構造を有する合金を用いる場合、Wの一部をMoで置換することができる。また、Moを主成分とするBCC構造を有する合金を用いる場合、Moの一部をWで置換することができる。
ここで、Wを主成分とするBCC構造を有する合金としては、例えば、Ta、Nb、Ti、V、Cr等の元素を添加したWを主成分とする合金を好ましく用いることができる。また、Moを主成分とするBCC構造を有する合金としては、例えば、Ta、Nb、Ti、V、Cr等の元素を添加したMoを主成分とする合金を好ましく用いることができる。この場合、元素添加量は特に限定されるものではないが、BCC構造を劣化させない範囲で添加することが望ましい。
なお、第3の下地層は、複数の層から構成することもできる。例えばWからなる層と、Wを主成分とするBCC構造を有する合金からなる層の2層により構成することができる。また、他の材料からなる層の組み合わせであっても良く、3層以上から構成することもできる。
第3の下地層を構成する材料の格子定数は特に限定されるものではないが、例えば配向制御下地層を設ける場合、配向制御下地層と第3の下地層との格子定数ミスフィットが10%以下となるように構成することが好ましい。特に配向制御下地層と第3の下地層との格子状数ミスフィットが6%以下となるように構成することがより好ましい。
第3の下地層に、さらにB、Si、C、B、SiO、Cr、Al、Ta、Nb、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、TiO、ZnO、La、NiO、FeO、CoOから選択される1種類以上の物質を添加することもできる。上記元素または酸化物を添加すれば、第3の下地層の結晶粒子サイズを低減し、分散度をさらに改善することができる。上記元素または酸化物を第3の下地層に添加する場合、添加量は特に限定されるものではないが、第3の下地層自体の(100)配向性が劣化しない範囲で添加することが好ましい。
さらに、第1の下地層、第2の下地層は(100)配向を有することが好ましいことから、第3の下地層についても(100)配向であることが好ましい。そして、第3の下地層を(100)配向とするため、第3の下地層の下に配向制御下地層を形成することが好ましい。
配向制御下地層としては特に限定されるものではないが、例えばB2構造を有するNiAl、RuAlにより構成することができる。また、配向制御下地層としては、Cr、もしくはCrを主成分としたBCC構造の合金により構成することもできる。
Crを主成分としたBCC構造の合金としては、例えばCrMn、CrMo、CrW、CrV、CrTi、CrRu等が挙げられる。
配向制御下地層は非晶質シード層上に形成されることが好ましい。非晶質シード層は例えば非晶質の材料により構成することが好ましく、例えば、Cr−50at%Ti、Ni−40at%Ta、Ti−50at%Al合金等により構成することがより好ましい。
配向制御下地層を非晶質シード層上に、例えば150〜200℃以上の高温で形成することにより、該配向制御下地層を良好な(100)配向とすることができる。
ここまで説明した複数の下地層上にL1構造を有する合金を主成分とする磁性層を形成することができる。これにより、磁性層に含まれるL1構造を有する合金に良好な(001)配向をとらせることができる。さらに同時に、第2の下地層であるMgOを含有する層からの引っ張り応力によりL1構造を有する合金の規則度を高めることができる。
ここで、主成分として含まれるとは、例えば磁性層中に含まれる成分のうち、L1構造を有する合金の含有量が物質量比で最も多く含まれていることを意味している。
磁性層に主成分として含まれるL1構造を有する合金は特に限定されるものではないが、L1構造を有するFePt合金、または、L1構造を有するCoPt合金を好ましく用いることができる。
磁性層中のL1構造を有する合金の結晶粒は磁気的に孤立していることが望ましい。このため、磁性層は粒界相として、SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO、C、B、B、BNからなる群から選択される少なくとも1種類の物質を含有することが好ましい。これにより、L1構造を有する合金の結晶粒間の交換結合が分断され、媒体ノイズをさらに低減することができる。
そして、磁性層中のL1構造を有する合金の規則化を促進するため、磁性層形成時の基板温度は600℃以上とすることが望ましい。また、規則化温度を低減するため、L1構造を有する合金に、Ag、Au、Cu、Ni等を添加してもよい。この場合、磁性層形成時の基板温度を400〜500℃程度まで低減できる。
また、本実施形態の磁気記録媒体にはさらに、任意の層を形成することができる。
例えば、磁性層上には、DLC保護膜を形成することが望ましい。DLC保護膜の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素からなる原料ガスを高周波プラズマで分解して膜を形成するRF−CVD法、フィラメントから放出された電子で原料ガスをイオン化して膜を形成するIBD法、原料ガスを用いずに固体Cターゲットを用いて膜を形成するFCVA法等によって形成できる。DLC膜厚は1nm以上6nm以下であることが好ましい。膜厚が1nm未満の場合、磁気ヘッドの浮上特性が劣化するため好ましくない。また、膜厚が6nmを上回ると磁気スペーシングが大きくなり、媒体SN比が劣化する場合があり、好ましくない。
DLC保護膜上にはさらに、パーフルオロポリエーテル系のフッ素樹脂からなる潤滑剤を塗布することもできる。
熱アシスト記録方式用の磁気記録媒体では磁性層は、レーザー加熱後、速やかに冷却され、加熱スポットの拡がりを抑制することが好ましい。このように構成することにより、磁化遷移領域の幅が低減され、媒体ノイズを低減できるため好ましい。磁性層の速やかな冷却を行うため、磁気記録媒体には、ヒートシンク層を形成することが好ましい。ヒートシンク層には、Ag、Cu、Al、Au等の熱伝導率の高い金属や、これらを主成分とした合金を用いることができる。
また、書き込み特性を改善するため、軟磁性下地層を形成することもできる。軟磁性下地層には、CoTaZr、CoFeTaB、CoFeTaSi、CoFeTaZr等の非晶質合金、FeTaC、FeTaN等の微結晶合金、NiFe等の多結晶合金を用いることができる。軟磁性下地層は、上記合金からなる単層膜でもよいし、適切な膜厚のRu層を挟んで反強磁性結合した積層膜でもよい。
以上、本実施形態の磁気記録媒体について説明してきたが、本実施形態の磁気記録媒体においては、所定の下地層を用いているため、耐食性に優れた磁気記録媒体とすることができる。また、この場合に保磁力や媒体SN比についても優れた特性を有する磁気記録媒体とすることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態では、本発明の磁気記憶装置の構成例について説明する。なお、本実施形態では熱アシスト磁気記録方式による磁気記憶装置の構成例について説明するが、係る形態に限定されるものではなく、第1の実施形態で説明した磁気記録媒体は、マイクロ波アシスト磁気記録方式による磁気記憶装置とすることもできる。
本実施形態の磁気記憶装置は、第1の実施形態で説明した磁気記録媒体を有する磁気記憶装置とすることができる。
磁気記憶装置においては例えば、さらに、磁気記録媒体を回転させるための磁気記録媒体駆動部と、先端部に近接場光発生素子を備えた磁気ヘッドとを有する構成とすることができる。また、磁気記録媒体を加熱するためのレーザー発生部と、レーザー発生部から発生したレーザー光を近接場光発生素子まで導く導波路と、磁気ヘッドを移動させるための磁気ヘッド駆動部と、記録再生信号処理系と、を有することができる。
磁気記憶装置の具体的な構成例を図1に示す。
例えば本実施形態の磁気記憶装置100は図1に示す構成とすることができる。具体的には、磁気記録媒体101と、磁気記録媒体101を回転させるための磁気記録媒体駆動部102と、磁気ヘッド103と、磁気ヘッド103を移動させるための磁気ヘッド駆動部104と、記録再生信号処理系105等から構成できる。
そして、磁気ヘッド103として、例えば図2に示した磁気ヘッドを用いることができる。係る磁気ヘッドは、記録ヘッド208、再生ヘッド211を備えている。記録ヘッド208は、主磁極201、補助磁極202、磁界を発生させるためのコイル203、レーザー発生部となるレーザーダイオード(LD)204、LDから発生したレーザー光205を近接場光発生素子206まで伝達するための導波路207を有する。再生ヘッド211はシールド209で挟まれた再生素子210を有する。
そして、磁気記録媒体101として、上述のように第1の実施形態で説明した磁気記録媒体を用いているため耐食性に優れ、信頼性の高い磁気記憶装置とすることができる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
図3に本実験例で作製した磁気記録媒体の層構造の一例を示す。
2.5インチガラス基板301上に、30nmのNi−40at%Taシード層302を形成し、300℃基板を加熱行った後、配向制御層303として、10nmのRu−50at%Alを形成した。
次いで、膜厚が10nmのW−10at%Crからなる第3の下地層304を形成した。さらに、いずれも膜厚が15nmであって、表1に示した各材料により構成された第1の下地層305と、膜厚が2nmのMgOからなる第2の下地層306と、を形成した。
その後、600℃基板加熱を行い、膜厚が8nmの(Fe−46at%Pt)−15mol%SiOからなる磁性層307、膜厚が3nmのDLC保護膜308を形成し、パーフルオルエーテル系の潤滑剤を塗布した。
本実験例で作製した磁気記録媒体は、第1の下地層が上述のように表1に示した各材料により構成されており、実施例1−1〜実施例1−18においては、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の材料の総含有量が50at%となっている。また、実施例1−13〜1−19においては、第1の下地層の材料中に、さらにB、Si、C、及びB、SiO、Cr、Al、Ta、Nb、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、TiO、ZnO、La、NiO、FeO、CoOからなる群から選択された1種類の物質を含有している。また、比較例1−1として、第1の下地層を形成せず、第3の下地層の上に直接、第2の下地層306を形成した磁気記録媒体を作製した。
作製した磁気記録媒体について、保磁力Hc、規格化保磁力分散ΔHc/Hc、及び耐食性(Δ−OSA counter)の評価を行った。
保磁力HcはSUQID(超伝導量子干渉素子)により、7Tの磁界を印加して室温で測定した磁化曲線から求めた。また、規格化保磁力ΔHc/Hcは、「IEEE Trans. Magn., vol.27, pp4975−4977, 1991」に記載の方法で測定した。具体的には、7Tの最大磁界を印加して室温で測定したメジャーループ、及びマイナーループにおいて、磁化の値が飽和値の50%となるときの磁界を測定し、両者の差分から、Hc分布がガウス分布であると仮定して規格化保磁力ΔHc/Hcを算出した。規格化保磁力ΔHc/Hcは、反転磁界分散に相当するパラメ−タ−であり、この値が低いほど、高い媒体SN比が得られることを示しており好ましい。
耐食性評価の方法について説明する。先ずCandela社製OSA−6300を用い、作製した磁気記録媒体表面全面のパーティクル数を計測した。次いで、磁気記録媒体を温度90℃、湿度90%一定とした高温炉中に48時間放置した。その後、磁気記録媒体を高温炉から取り出し、再度、上記Candela社製OSA−6300でパーティクル数を計測した。そして、高温炉処理後の磁気記録媒体表面のパーティクル数の増加数を「Δ−OSA counter」とし、この値が低いほど高い耐食性を有する磁気記録媒体といえる。高信頼性を有する磁気記録媒体とするためには「Δ−OSA counter」が100以下であればよいが、15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
実施例1−1〜実施例1−19、比較例1−1の磁気記録媒体について、保磁力Hc、規格化保磁力分散ΔHc/Hc、及び耐食性(Δ−OSA counter)を評価した結果を表1に示す。
Figure 0006145350

表1の結果によると、第1の下地層を形成していない比較例1−1の磁気記録媒体と比較して、実施例1−1〜実施例1−19の磁気記録媒体はいずれも高い保磁力Hc、低い規格化保磁力分散ΔHc/Hcを示すことが確認された。
特に、第1の下地層の材料中に、B、Si、C、及びSiO等の上述した酸化物からなる群から選択された1種類の物質を含有した実施例1−13〜1−19の磁気記録媒体については、保磁力が40kOe以上と特に高くなっていた。さらに規格化保磁力分散も0.25以下と低くなっていた。
以上の結果より、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、かつ、W、Moからなる群から選択された1種類以上の元素を含有している第1の下地層を設けることにより、高い保磁力Hc、低い規格化保磁力分散ΔHc/Hcを示すことが分かる。そして、低い規格化保磁力分散ΔHc/Hcを示すことから、磁気記憶装置とした際に高い媒体SN比が得られることが分かる。
そして、さらに、第1の下地層に、B、Si、C、及びSiO等の上述した酸化物からなる群から選択された1種類の物質を添加することにより、下地層の結晶粒子サイズと分散度を改善され、その上に形成した磁性層の粒子分散度も改善できることがわかった。
第2の下地層を形成した実施例1−1〜実施例1−19の磁気記録媒体のパーティクル数の増加数である「Δ−OSA counter」は、いずれも15以下と低くなっていることが確認され、耐食性を備えていることが確認できた。これに対して、第1の下地層を形成しなかった比較例1−1の磁気記録媒体は、高温炉処理後表面のパーティクル数の増加数である「Δ−OSA counter」は940となっており、実施例の磁気記録媒体と比較して耐食性が著しく悪化していることが確認できた。
以上の結果より、第2の下地層であるMgO層の下に、第1の下地層を形成することにより、磁気記録媒体の耐食性を著しく改善できることがわかった。
(実験例2)
図4に本実験例で作製した磁気記録媒体の層を構造の一例を示す。
本実験例の磁気記録媒体は、2.5インチガラス基板401上に、膜厚が30nmのCr−50at%Tiから構成されるシード層402を形成した。
その後、300℃で基板加熱行った後、膜厚が10nmのCr−5at%Mnから構成される配向制御層403を形成した。次いで、膜厚が15nmであるW−4mol%SiOから構成される第3の下地層404を形成した。さらに、いずれも膜厚が15nmであって、表2に示した材料から構成される第1の下地層405と、膜厚が2nmのMgOから構成される第2の下地層406と、を形成した。
そして、600℃基板加熱を行い、膜厚が8nmであり、(Fe−48at%Pt)−30at%Cから構成される磁性層407を、膜厚が3nmのDLC保護膜408を形成した。パーフルオルエーテル系の潤滑剤を塗布した。
実施例2−1〜実施例2−5の磁気記録媒体の第1の下地層はそれぞれ、表2に示した材料から構成されている。この際、第1の下地層に含まれる、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素の含有総量が、20at%〜80at%となるように組成を選択し、磁気記録媒体を作製した。
また、比較例として第1の下地層を形成していない比較例2−1の試料を作製した。
作製した実施例2−1〜実施例2−7、比較例2−1の磁気記録媒体について実験例1の場合と同様にして、保磁力Hcおよび、耐食性Δ−OSA counterの評価を行った。結果を表2に示す。
これによると、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素の総含有量が20at%〜80at%である実施例2−1〜実施例2−7の磁気記録媒体はΔ−OSA counterが100以下であり十分な耐食性を有することが確認できた。ただし、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素の総含有量が20at%である実施例2−1についてはΔOSA−counterが80と実施例2-2〜実施例2−7と比較して若干高くなっていることが確認された。このため、より高耐食性の磁気記録媒体とするためには、第1の下地層のTa、Nb、Ti、Vの含有総量は30at%以上とすることが望ましいことが分かる。
これに対して、第1の下地層を形成しなかった比較例2−1の磁気記録媒体のΔ−OSA counterは950と非常に高く、耐食性に劣ることが分かる。
また、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素の総含有量が20at%〜70at%である実施例2−1〜実施例2−6の磁気記録媒体の保磁力は35kOe以上と特に高くなっていることが分かる。
一方、Ta、Nb、Ti、Vの含有総量が80at%である実施例2−7の磁気記録媒体の保磁力は31.0kOeと、実施例2−1〜実施例2−6の磁気記録媒体と比較して低くなった。これは、Ta、Nb、Ti、Vの総含有量70at%より多い場合、第1の下地層自体の(100)配向性が実施例2−2〜実施例2−6と比較して劣化したためと考えられる。このため、第1の下地層の自体の配向性を維持し、保磁力を十分高めるために、Ta、Nb、Ti、Vの総含有量は70at%以下が望ましい。
なお、第1の下地層はW、Moからなる群から選択される1種類以上の元素を含んでいるところ、本実験例では、Wのみを含む第1の下地層の例についてのみ説明した。しかし、MoもWと同様の機能を有すると考えられることから、第1の下地層がMoを含む場合でもTa、Nb、Ti、Vは上記と同様の添加量とすることが望ましい。
Figure 0006145350
(実験例3)
第1の下地層として、表3に示す合金を使用した点以外は、実験例2の磁気記録媒体と同様の層構造を有する磁気記録媒体を作製した。
表3に示すように、実施例3−1〜実施例3−6では、第1の下地層として、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、かつ、W、Moからなる群から選択された1種類以上の元素を含有し、格子定数が0.307nm〜0.327nmの合金を使用した。また、比較例3−1〜比較例3−6では、第1の下地層として表3に示す合金を使用した。
作製した磁気記録媒体について実験例1の場合と同様に耐食性評価を行った。
また、第1の下地層を構成する合金の格子定数および、MgOに対する第1の下地層を構成する合金の格子ミスフィットについても評価を行った。格子定数の測定はX線回折の測定結果から算出した。格子定数の測定は、別途格子定数測定用の試験体を作製してから評価を行った。
試験体の作製手順としては、まず、2.5インチガラス基板上401上に、膜厚が100nmのCr−50at%Ti非晶質層を形成した。
その後、300℃で基板加熱を行った後、膜厚が50nmであり、表3に示した第1の下地層と同じ合金から構成される層を形成した。非晶質層上に、上記の第1の下地層と同じ合金(BCC構造を有する合金)から構成される層を形成することにより(110)配向された層が形成される。この作製した試験体の試料についてX線回折測定を行い、第1の下地層と同じ合金(BCC構造を有する合金)のX線回折の(110)面のピーク位置から、第1の下地層を構成する合金の格子定数を計算した。
そして、第1の下地層を構成する合金の格子定数と、予め算出しておいたMgOの格子定数から、MgOに対する第1の下地層を構成する合金の格子ミスフィットを算出した。
第1の下地層を構成する合金の格子定数をa、MgOの格子定数をaとすると、格子ミスフィットは(a−√2a)/(a)の式により算出される。
評価結果を表3に示す。
Figure 0006145350

表3に示した結果によると、実施例3−1〜実施例3−6の磁気記録媒体はいずれも、耐食性(Δ−OSA counter)はいずれも15以下と低く、十分な耐食性を有していることが確認できた。
これに対して、比較例3−1〜比較例3−6の磁気記録媒体の耐食性耐食性(Δ−OSA counter)はいずれも100よりも高くなっており、耐食性が実施例の磁気記録媒体と比較して著しく低いことが分かる。
また、表3に示すように、第2の下地層に対するMgOとの格子ミスフィットは、実施例、および比較例全てにおいて3.1%〜9.8%であった。すなわち、実施例と比較例の磁気記録媒体において、第2の下地層を構成するMgOには同程度の引っ張り応力が含まれている。しかし、上述のように、実施例と比較例の磁気記録媒体は大きく異なる耐食性を示している。これらの、格子ミスフィットよりも、第1の下地層を構成する合金の組成が耐食性に大きな影響を与えることが確認できた。
以上の結果から、第1の下地層を構成する合金として適切な組成の合金を用いることにより、耐食性を高めることができることがわかった。
(実験例4)
実施例4−1〜実施例4−10の磁気記録媒体を作製した。
実施例4−1〜実施例4−10の磁気記録媒体は、以下の点以外は実験例2と同様の層構造を有する磁気記録媒体である。
膜厚が10nmであり、Cr−5at%Mn−5at%Bから構成される配向制御層403を用いた点。
膜厚が15nmの表4に示した組成の合金により構成される第3の下地層404を用いた点。
実施例4−1〜実施例4−8においては、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、総含有量が50at%であり、かつ、B、Si、C、および、B、SiO、Cr、Al、Ta、Nb、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、TiO、ZnO、La、FeO、NiO、CoOからなる群から選択された1種類以上の物質を含有している表4に示した合金により構成される第1の下地層405を用いた点。
実施例4−9、実施例4−10においては、第1の下地層405にB、Si、C、および、SiO等の上述した酸化物からなる群から選択された1種類の物質を添加していない表4に示した合金により構成される第1の下地層405を用いた点。
作製した磁気記録媒体を、図1に示した磁気記憶装置に組み込んだ。磁気記憶装置100は、磁気記録媒体101と、磁気記録媒体を回転させるための駆動部102と、磁気ヘッド103と、磁気ヘッドを移動させるための磁気ヘッド駆動部104と、記録再生信号処理系105から構成される。
そして、図2に示した熱アシスト記録方式の磁気ヘッドを用いて媒体SN比および重ね書き特性OWを評価した。
本実施例で使用した磁気ヘッドは、記録ヘッド208、再生ヘッド211を備えている。記録ヘッド208は、主磁極201、補助磁極202、磁界を発生させるためのコイル203、レーザー発生部となるレーザーダイオード(LD)204、LDから発生したレーザー光205を近接場光発生素子206まで伝達するための導波路207を有する。再生ヘッド211はシールド209で挟まれた再生素子210を有する。
図2に示した熱アシスト記録方式の磁気ヘッドは、近接場光発生素子206から発生した近接場光により磁気記録媒体212を加熱し、磁気記録媒体の保磁力をヘッド磁界以下まで低下させて記録できる。
以上のような構成を有する磁気ヘッドを用いて線記録密度1500kFCIのオールワンパターン信号を記録して、媒体SN比、および、重ね書き特性OWの評価を行った。この際、レーザーダイオード204に投入するパワーは、トラックプロファイルの半値幅と定義したトラック幅MWWが60nmとなるよう調整して評価を行った。
評価結果を表4に示す。
Figure 0006145350

表4によると、実施例4−1〜実施例4−10の磁気記録媒体についてはいずれも13dB以上の高い媒体SN比と、26.8db以上の高いOW特性を示した。
中でも、第1の下地層にB、Si、C、および、SiO等の上述した酸化物からなる群から選択された1種類の物質を添加した、実施例4−1〜実施例4−8の磁気記録媒体については、いずれも15dB以上の高い媒体SN比と、33db以上のより高い重ね書き特性OWを示した。
特に、第3の下地層にも、B、Si、C、および、SiO等の上述した酸化物からなる群から選択された1種類の物質を添加した実施例4−1〜4−6の磁気記録媒体は16dB以上の特に高い媒体SN比と、35dB以上と特に高い重ね書き特性OWを示した。
以上より、第3の下地層、第1の下地層にB、Si、C、および、SiO等の上述した酸化物からなる群から選択された1種類の物質を添加することにより、媒体SN比、重ね書き特性OWをより向上できることが確認できた。これは、下地層の結晶粒子サイズ、分散度を改善することにより、磁性層の粒子分散も改善できるためと考えられる。
101、212 磁気記録媒体
100 磁気記憶装置
301、401 基板
304、404 第3の下地層
305、405 第1の下地層
306、406 第2の下地層
307、407 磁性層

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された複数の下地層と、
    L1構造を有する合金を主成分とする磁性層とを有しており、
    前記複数の下地層には少なくとも、
    Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を含有し、かつ、W、Moからなる群から選択された1種類以上の元素を含有する第1の下地層と、
    MgOを含有する第2の下地層と、
    BCC構造を有する金属を含有する第3の下地層と、を含み、
    前記第1の下地層と、前記第2の下地層とが連続して積層されており、
    前記第1の下地層が、前記第3の下地層上に形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記BCC構造を有する金属が、W、Mo、Wを主成分とするBCC構造を有する合金、Moを主成分とするBCC構造を有する合金から選択された金属である請求項に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記第1の下地層は、Ta、Nb、Ti、Vからなる群から選択された2種類以上の元素を30at%以上70at%以下含有している請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記第1の下地層が、さらにB、Si、C、及びB、SiO、Cr、Al、Ta、Nb、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、TiO、ZnO、La、NiO、FeO、CoOからなる群から選択された1種類以上の物質を含有している請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記磁性層がL1構造を有するFePt合金、または、L1構造を有するCoPt合金を主成分とし、かつ、
    SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO、C、B、B、BNからなる群から選択される少なくとも1種類の物質を含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気記録媒体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気記録媒体を有する磁気記憶装置。
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