JP6140594B2 - 蓋付カップ容器 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、開口部がシール材で密封された有底筒状のカップ体と、前記カップ体に被着され、前記シール材を覆う天壁部を有する蓋体と、前記天壁部に形成された第1貫通孔の上方又は該第1貫通孔内に配置され、前記シール材を破断して開封する開封部材と、を備える蓋付カップ容器であって、前記開封部材には、前記第1貫通孔を通して前記シール材に向けて尖る穿刺体が配設され、前記開封部材には、指挿入用の第2貫通孔が形成され、前記穿刺体は、前記第2貫通孔を塞ぐように形成され、かつ該第2貫通孔内に離脱可能に配設されていることを特徴とする。
図1及び図2に示すように、本実施形態の蓋付カップ容器1は、開口部3がシール材4で密封された有底筒状のカップ体2と、カップ体2に被着され、シール材4を覆う天壁部6を有する蓋体5と、蓋体5に被着され、該蓋体5を覆うオーバーキャップ7と、を備えている。
尚、蓋体5及びオーバーキャップ7は、カップ体2に被着され、シール材4を覆う蓋部材8として機能する。
カップ体2の胴部10は、開口部3から下方に向かうに従い漸次縮径している。また、胴部10の下端部には、カップ径方向の内側に向けて突出するとともに、カップ周方向に沿って延びる環状のスタック突起11が形成されている。スタック突起11は、胴部10の下端部において底部9よりも上方に離間して配置されている。スタック突起11が胴部10の内周面のうち該スタック突起11以外の部位からカップ径方向の内側に向けて突出する突出量は、図示の例では、胴部10の周壁の厚さと同等程度となっている。
特に図示していないが、内容物を充填する前のカップ体2を容器軸O方向に複数積み重ねて保管(スタック)する場合などにおいて、積み重なる複数のカップ体2のうち、下方に位置するカップ体2のスタック突起11には、上方に位置する別のカップ体2の胴部10の下端が、前記スタック突起11に対してその上方から当接するようになっている。このようなスタック突起11は、内容物を収容する前の、シール材4が貼着されていない状態のカップ体2を容器軸O方向に複数重ねて保管する場合などにおいて、これらカップ体2の胴部10同士が密着することを抑制して、これら胴部10同士の間に隙間を形成するとともに、これらカップ体2同士を容器軸O方向に離間させやすくする目的で設けられている。
シール材4は、例えば合成樹脂の単層或いは積層シート、又は金属薄膜層と合成樹脂層とが積層された積層シート等で形成されている。また、フランジ部12の上面にシール材4を固着する方法としては、例えば貼着、圧着、熱溶着、高周波溶着や接着等が挙げられる。
また、ガイド筒部14の内径は、カップ体2の開口部3の内径に対して同等とされ、又は僅かに小さくされている。ガイド筒部14の上端開口縁は、天壁部6の後述する開封部材17及び係止片18よりも上方に位置している。ガイド筒部14のうち、カップ後方に位置する部分には、該ガイド筒部14を径方向に貫通して矩形状に切り欠かれるように切り欠き部15が形成されている。切り欠き部15には、後述するように開封部材17がカップ後方へ向けて開封操作された状態において、該開封部材17の連結部26が挿入されるようになっている。
またこの上面視で、前方溝部20は、刃部19の先端位置に対応するカップ幅方向の中央部からカップ幅方向の両側へ向かうに従いカップ後方へ向けて傾斜して延びており、カップ幅方向の両端部の形状は、カップ径方向の外側へ向けて凸となる曲線状(凸円弧状)をなしている。
尚、本実施形態では弱化部24が、側方溝部23内の一部にのみ形成されているが、これに限定されるものではなく、弱化部24が側方溝部23の延在方向に沿って互いに間隔をあけて複数形成されていたり、側方溝部23内の全域にわたって形成されていてもよいし、前方溝部20に形成されていてもよい。
また、側方溝部23に弱化部24が形成される代わりに、又はこれとともに、前方溝部20に、溝幅方向に対向する内壁面同士を連結するとともに破断可能とされた弱化部が形成されていてもよい。このように前方溝部20に弱化部を形成する場合においても、弱化部を前方溝部20の一部、複数個所、又は全域に形成してよい。
さらに、前記弱化部が設けられていなくてもよい。
また図2に示されるように、操作リング部25は、シール材4から上方に離間して配設されている。操作リング部25のうち、カップ前方に位置する部分には、該操作リング部25における連結部26との連結部分から下方へ向けて支持板27が垂下設されている。また操作リング部25のうち、カップ後方に位置する部分の板厚(図2における上下方向の厚さ)は、支持板27と当該カップ後方に位置する部分との間に位置する部位の板厚よりも大きくされている。
本実施形態では、穿刺体28の本体部29が、第2貫通孔32の内周縁部に対して、カップ径方向のうちカップ前方の端部でヒンジ連結され、カップ後方の端部で破断可能な弱化部33を介して連結されている。具体的に、本体部29のカップ前方の端部は、操作リング部25の内周縁部のうち支持板27の下端部に第2ヒンジ22を介して連結されており、本体部29のカップ後方の端部は、操作リング部25の内周縁部のうちカップ後方の端部における下端部に弱化部33を介して連結されている。
また第2ヒンジ22は、カップ幅方向に沿って延びているとともに、操作リング部25の支持板27と、穿刺体28の本体部29とをカップ前後方向に連結している。
例えば電子レンジ等を利用して蓋付カップ容器1を加熱し、カップ体2に収容された内容物を温めると、加熱により発生した蒸気によってカップ体2の内圧が上昇するとともに、これに伴ってシール材4が上方に向けて膨らみ始め、図3に示されるように、シール材4の膨出した部分が、穿刺体28の下面に当接する。穿刺体28の下面には針部30が突設されており、該針部30にシール材4の膨出した部分が接触することで、シール材4に穿刺孔が開口されて、カップ体2が開封される。これにより、カップ体2内の蒸気が穿刺孔から容器外部へ逃がされるので、該カップ体2の内圧が所定以上に大きくなることが抑制される。
尚、シール材4が膨らんだ際において、該シール材4の膨出した部分が穿刺体28の下面(の針部30)に必ずしも当接する必要はなく、この場合、後述する穿刺体28を押し込む操作によってシール材4が開封されることになる。
まず、複数種類の開封操作のすべてに共通する操作について説明する。図4に示されるように、操作リング部25の第2貫通孔32内に操作者が指を挿入して、穿刺体28をシール材4へ向けて押し下げ、該第2貫通孔32から穿刺体28を離脱させることで、操作リング部25を操作可能な状態とする。具体的には、穿刺体28を押し下げることにより、弱化部33が破断されるとともに、該穿刺体28は第2貫通孔32内から離脱し、第2ヒンジ22回りに回動してシール材4に確実に当接させられる。
従って、上述のようにシール材4が膨出したときに、該シール材4が穿刺体28の下面に当接しなかった場合でも、穿刺体28を押し下げる操作によって、該穿刺体28の下面の針部30がシール材4に確実に接触させられて、シール材4に穿刺孔が開口されるとともに、該シール材4が開封される。また、加圧状態とされたカップ体2のシール材4に穿刺体28を穿刺した場合でも、穿刺孔から容器外部へ噴出する蒸気が本体部29により遮られるため、蒸気の噴出による火傷等を防止できる。
尚、穿刺体28を押し込む操作によってシール材4が確実に開封されることから、例えばカップ体2の内容物を加熱する前に、当該押し込み操作を行っておいてもよい。
第1の開封操作では、シール材4に小さい開口部分(内容物取り出し孔)を形成することができる。
第2の開封操作では、シール材4に大きい開口部分を形成することができる。
第3の開封操作によっても、シール材4に大きい開口部分を形成することができる。またこの場合も、上述した第2の開封操作と同様に、開封操作後の開封部材17等を前記開口部分から離れた位置で固定することができる。
すなわち上記構成では、第2貫通孔32内に指を挿入して穿刺体28を押し下げることで、弱化部33が破断されるとともに、該穿刺体28がカップ前方の端部に位置する第2ヒンジ22を中心に下方へ向けて回転移動して、シール材4に確実に穿刺される。そして、このように穿刺体28が下方移動することで、第2貫通孔32の内周縁部のうちカップ後方の端部に対して指をかけやすくなり、該カップ後方の端部を引き上げる等の操作により、大きな力を必要とせず開封部材17により容易にシール材4を破ることができる。
さらに、第2ヒンジ22がシール材4に接近配置されていることで、押し下げられた穿刺体28がシール材4に当たった場合でも、穿刺体28の下面全体で面当たりしやすくなり力が分散されるので、穿刺体28の押し下げ操作によりシール材4が大きく破かれるようなことが防止される。
ここで、図6〜図9に示されるものは、前述の実施形態で説明した蓋付カップ容器1の変形例であり、この変形例において穿刺体40は、第2貫通孔32に離脱可能に嵌合している。
また図8において、操作リング部25の下側部分には、下方に向けて複数(図示の例では一対)の支持突起41が垂下設されており、これら支持突起41において径方向内側へ向けて突出する突起部42が、穿刺体40に対してその下方から係止されている。
本体部43は、第2貫通孔32の内周縁部(操作リング部25の下側部分)に嵌合されており、該本体部43の外周縁部には、その上方から操作リング部25の上側部分が当接され、その下方から突起部42が係止されている。また、パイプ針部44は、本体部43を上下方向に貫通しており、該パイプ針部44においてシール材4側を向く下端は、先鋭形状とされて、シール材4に接近配置されている。
尚、穿刺体40のパイプ針部44は、本体部43を上下方向に貫通しているので、該パイプ針部44がシール材4に穿刺された際に、カップ体2内の蒸気はパイプ針部44内を通して容器外部に開放される。つまりこの変形例では、パイプ針部44内にカップ体2の蒸気を逃がす流路が形成されているので、カップ体2の高められた内圧をより確実に低めることができる。尚、パイプ針部44は、本体部43を貫通することなく、該本体部43に垂下設されていてもよい。
またこの変形例では、底部9は胴部10の下端に連結されており、該底部9の中央部には、上方に向けて凹む凹状部分が形成されている。
また、前述の実施形態では、天壁部6の下面にシール材4が固着されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明による作用効果は、シール材4が天壁部6の下面に固着されていなくても得られるものであり、この場合、開封部材17を第1ヒンジ21回りに回動させることで(上述の第1の開封操作により)、シール材4に開口部分を形成することができる。
2 カップ体
3 開口部
4 シール材
5 蓋体
6 天壁部
17 開封部材
22 第2ヒンジ
28、40 穿刺体
31 第1貫通孔
32 第2貫通孔
33 弱化部
Claims (3)
- 開口部がシール材で密封された有底筒状のカップ体と、
前記カップ体に被着され、前記シール材を覆う天壁部を有する蓋体と、
前記天壁部に形成された第1貫通孔の上方又は該第1貫通孔内に配置され、前記シール材を破断して開封する開封部材と、を備える蓋付カップ容器であって、
前記開封部材には、前記第1貫通孔を通して前記シール材に向けて尖る穿刺体が配設され、
前記開封部材には、指挿入用の第2貫通孔が形成され、
前記穿刺体は、前記第2貫通孔を塞ぐように形成され、かつ該第2貫通孔内に離脱可能に配設されていることを特徴とする蓋付カップ容器。 - 請求項1に記載の蓋付カップ容器であって、
前記第2貫通孔は、前記開封部材の一端部に配置されており、
前記穿刺体は、前記第2貫通孔の内周縁部に対して、カップ径方向のうち前記開封部材の一端部から他端部へ向かう方向であるカップ前方の端部でヒンジ連結され、前記他端部から前記一端部へ向かう方向であるカップ後方の端部で破断可能な弱化部を介して連結されていることを特徴とする蓋付カップ容器。 - 請求項1に記載の蓋付カップ容器であって、
前記穿刺体は、前記第2貫通孔に離脱可能に嵌合していることを特徴とする蓋付カップ容器。
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