以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態に係る注出口組合体の構成を詳細に説明する。図1は本実施形態に係る注出口組合体1の一例が示された平面図であり、図2は図1の注出口組合体1の側面図であり、図3は図1のIII−III線断面図であり、図4は図3の後述する胴部30の部分拡大図であり、図5は図2のIV−IV線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2における胴部30側を上とし、後述する基部60側を下とし、後述する蓋部80側を後とし、その反対側を前とし、紙面に対して手前側を左とし、奥側を右とする。また、図1におけるIII−III線は、注出口組合体1の左右方向の中心を通り、前後方向に延びる直線であり、図3は注出口組合体1の左右中央の鉛直断面図である。
図1〜図5に示されるように、本実施形態に係る注出口組合体1は、注出口本体10と蓋部80等から構成され、III−III線を基準として左右対称形状である。そして、蓋部80は、開放状態で注出口本体10に連結されている。
注出口本体10は、天面部20と、天面部20に連なる筒状の胴部30と、胴部30に連なる筒状の基部60とを備える。
天面部20は、平面視において円形状の板状部材であり、裏面21に筒状の胴部30の上端が連結され、筒状の胴部30の上側開口を覆う。つまり、筒状の胴部30は、天面部20の裏面21から垂下されている。また、天面部20は、上下に貫通して胴部30の内部と連通する、第1開口部としての円形の貫通孔22が8個形成されている。8個の貫通孔22は、いずれも同一形状であり、略等間隔で天面部20の前側の領域に偏って配置される。詳細については後述するが、この第1開口部としての円形の貫通孔22を注出口として内容物を取り出すことができる。
なお、天面部20は、上述の形状に限定されるものではなく、後述する蓋部80に嵌合可能な形状であれば良い。例えば、平面視において四角形、五角形等であっても良い。
また、貫通孔22の形状、配置、数などは、上述の構成に限定されるものではなく、後述する蓋部80の嵌合突起が嵌合可能な形状であれば良く、例えば、貫通孔22を天面部20の全体に亘って略均等に形成してもよい。
胴部30は、上端が天面部20に連結される筒状の上側胴部31と、上端が上側胴部31の下端に連結される筒状の下側胴部32などから構成される。
筒状の上側胴部31は、上述したように、天面部20の裏面21から垂下された円筒形状であり、円形の天面部20と円筒形の上側胴部31の外径は同一である。つまり、上側胴部31は、天面部20の外縁に沿って裏面21から垂下された円筒形状である。
なお、上側胴部31は、上述の形状に限定されるものではなく、天面部20に対応した筒形状であり、後述する蓋部80が嵌合可能な形状であれば良い。例えば、平面視において四角形、五角形等の筒形状であっても良い。
上側胴部31には、外周面33から外方へ突出する第1係止部としての係止突起部34が形成されている。ここで、係止突起部34は、後述する蓋部80が有する第1係合部と係合し、蓋部80を胴部30に係止させるものである。図4に示すように、係止突起部34は、環状の突起であり、鉛直断面形状は、外方へ突出する円弧状である。係止突起部34の外周面33からの突出高さは、周方向に略一定である。また、係止突起部34の上端は、天面部20の表面23まで延びており、外方へ向けて上方から下方へ傾いたテーパー面である斜面35が形成されている。
筒状の下側胴部32は、図5に示すように、水平断面において略円形の筒形状であるが、後側は後方へ向かって突出する鋭角な略V字形状であり、後側が先細り形状である。また、筒状の下側胴部32は、上端に平坦な板状部材の上面部36を有し、この上面部36を介して上側胴部31と下側胴部32とが連結されている。
上面部36は、下側胴部32の外周面37を越えて外方に延びており、フランジ部38を形成している。また、上面部36の後側には、フランジ部38よりも更に外方かつ後方へ向けて延びる板状の摘み部39が形成されている。そして、上面部36は、フランジ部38と摘み部39とが一体に形成された一つの板状部材である。
なお、上面部36の前側には、フランジ部38を切り欠いた切り欠き部40が形成されている。また、板状の摘み部39は、上述の下側胴部32の先細り形状に対応した位置に形成されている。そして、板状の摘み部39の後端には、後述する蓋部80が一体に連結される。
なお、下側胴部32は、上述の形状に限定されるものではなく、後述する上側基部に嵌合可能な形状であれば良い。例えば、平面視において円形、四角形、五角形等の筒形状であっても良く、先細り形状を有さない形状であっても良い。また、上側胴部31と下側胴部32は、同一の筒形状であっても良く、このような構成の場合は、上面部36を介すことなく上側胴部31と下側胴部32とが連結されるが、フランジ部38や摘み部39などは備える。
下側胴部32には、上面部36よりも下方に、外周面37から外方へ突出する嵌合リブ41が形成されている。嵌合リブ41の上端42と上面部36との間には所定の間隔を有する(図4参照)。そして、嵌合リブ41の鉛直断面形状は、外方へ突出する円弧状であり、嵌合リブ41の外周面37からの突出高さ、つまり、外周面37から嵌合リブ41の頂部43までの距離は、周方向に略一定である。
下側胴部32の下端部には、外周面37から外方へ突出する第2係合部としての係合リブ44が形成されている。ここで、係合リブ44は、後述する第2開口部を再封する際、後述する基部60が有する第2係止部と係合し、胴部30を基部60に係止させるものである。係合リブ44は、嵌合リブ41よりも下方に位置し、平面視において前後左右の4箇所に形成されている。また、図4に示すように、係合リブ44の上面45は水平な平面であり、下面46は、外方へ向けて下方から上方に傾いたテーパー面である。また、係合リブ44の先端部、つまり、上面45と下面46との間には、外周面37と周方向に平行な面である側面47が形成されている。また、係合リブ44の外周面37からの突出高さ、つまり、外周面37から側面47までの距離は、外周面37の周方向に略一定であり、嵌合リブ41の外周面37からの突出高さよりも大である。
基部60は、上端が下側胴部32の下端に連結される筒状の上側基部61と、上端が上側基部61の下端に連結される筒状の下側基部62と、下側基部62の下端に連結される取り付け部63などから構成される。
筒状の上側基部61は、平面視において上述の下側胴部32に対応した相似形状である。つまり、上側基部61は、平面視において略円形であり、後側は後方へ向かって突出する鋭角な略V字形状であって、摘み部39側が先細り形状である。そして、筒状の上側基部61は、内部に下側胴部32が嵌合可能な形状である。
上側基部61の上端部には、上側基部61の内周面64から内方へ向けて突出し、先細り形状である環状の内側突起部65を有する。内側突起部65の先端は薄肉部66であり、この薄肉部66を介して基部60(上側基部61)と上述の胴部30(下側胴部32)とが連結されている。
そして、薄肉部66は、平面視において上述の下側胴部32及び上側基部61に対応した略円形であり、後側は後方へ向かって突出する鋭角な略V字形状であって、摘み部39側が先細り形状である。
ここで、上側基部61の内周面64は、上述した下側胴部32の嵌合リブ41の頂部43よりも内方に位置している。そして、上側基部61の内周面64は、平面視において下側胴部32の嵌合リブ41の頂部43に対応した相似形状であり、その大きさは小である。
なお、上側基部61は、上述の形状に限定されるものではなく、内部に下側胴部32が嵌合可能な形状であれば良い。例えば、下側胴部32の形状に対応して、平面視において円形、四角形、五角形等の筒形状であっても良く、先細り形状を有さない形状であっても良い。なお、下側胴部32及び上側基部61に対応した形状である薄肉部66も同様である。
筒状の下側基部62は、平面視において前側が半円形状であり、後側が矩形状であり、半円形状と矩形状とが組み合わせられた形状である。また、筒状の下側基部62は、上端に平坦な板状部材の上面部68を有し、この上面部68を介して上側基部61と下側基部62とが連結されている。そして、上側基部61と上面部68との連結部近傍には、上側基部61の内周面64と上面部68の裏面69とによって、第2係止部としての係止段部70が形成されている。
また、筒状の下側基部62の下端は、側面視において、前側から後側に向かって下方から上方に傾斜している。つまり、筒状の下側基部62の上下方向の長さは、側面視において、前側が長く、後側が短い。これは、注出口組合体1が取り付けられる後述する容器の傾斜に対応したものである。
なお、下側基部62は、上述の形状に限定されるものではなく、注出口組合体1が取り付けられる容器の形態に応じて適宜設計できる。例えば、平面視において略円形や多角形等の筒形状であっても良い。また、下側基部62の下端は、側面視において、前側から後側に向かって下方から上方に傾斜することなく、水平となる構成であっても良い。
取り付け部63は、下側基部62の下端において、外周面67から外方へ突出する平坦な板状部材のフランジである。そして、取り付け部63は、下側基部62の下端と同様に、側面視において、前側から後側に向かって下方から上方に傾斜している。また、取り付け部63は、平面視において上述の下側基部62と相似形状であって、前側が半円形状であり、後側が矩形状であり、半円形状と矩形状とが組み合わせられた形状である。そして、取り付け部63の表面72が後述する容器に固着されることによって、注出口組合体1が容器に取り付けられる。
なお、取り付け部63は注出口組合体1の容器への固着に用いられるものであり、その形状は上述の形状に限定されるものではなく、注出口組合体1が取り付けられる容器の形態に応じて適宜設計できる。例えば、平面視において略円形や多角形等であっても良い。また、下側基部62の下端と対応して、側面視において、前側から後側に向かって下方から上方に傾斜することなく、水平となる構成であっても良い。
下側基部62の外周面67には、外方へ突出した爪部73が形成されている。爪部73は、取り付け部63の表面72と所定の間隔を有し、平面視において前後左右の4箇所に形成されている。爪部73の下面74は、取り付け部63の表面72と平行な面であり、爪部73の上面75は下側基部62の外周面67から外方へ向けて上方から下方に傾斜したテーパー面である。また、爪部73の先端部、つまり下面74と上面75との間には、鉛直な面である側面76が形成されている。
なお、爪部73は注出口組合体1の容器への固着に用いられるものであり、その数や形状は上述の構成に限定されるものではなく、例えば、下側基部62の外周面67から連続的に外方へ突出した環状のリブであっても良く、形状、大きさ、数などは適宜設計できる。また、下側基部62に爪部73を形成しない構成であっても良い。
蓋部80は、閉塞面部81と、側壁部82と、ヒンジ部83などから構成される。閉塞面部81は、平面視において円形状の板状部材である。閉塞面部81の表面84には、外縁に沿って上方へ垂設される円筒状の側壁部82が形成される。そして、閉塞面部81及び側壁部32は、上述の天面部20及び上側胴部31の形状に対応しており、側壁部82の内径(内周面90)は、上側胴部31の外径(外周面33)よりも大である。また、閉塞面部81の表面84には、上方へ突出する円筒状の突起である閉塞突起部85が8個形成されている。この8個の円筒状の閉塞突起部85は、上述の天面部20に形成された第1開口部としての貫通孔22に対応して配置されている。ここで、円筒状の閉塞突起部85は、後述する第1開口部としての貫通孔22を閉塞する際、貫通孔22にそれぞれ嵌合されるものであり、貫通孔22より径が小である。
側壁部82の上端には、外周面86から外方へ突出するフランジ部87が形成されている。また、フランジ部87の前側には、更に外方かつ前方へ向けて延びる板状の連結板88が形成されている。また、フランジ部87の後側には、更に外方かつ後方へ向けて突出する板状の摘み突起部89が形成されている。
連結板88の前端には、薄肉部材であるヒンジ部83が左右に直線状に延びて形成される。ヒンジ部83には、上述の胴部30に形成された板状の摘み部39の後端が連結される。つまり、蓋部80は、連結板88とヒンジ部83と摘み部39とを介して胴部30と連結される。
そして、蓋部80は、このヒンジ部83によって、ヒンジ部83を回動支点として回動自在に胴部30に支持される。なお、連結板88と摘み部39との形状は、それぞれ対応しており、ヒンジ部83を挟んで、側壁部82の内周面90までの連結板88の長さと、上側胴部31の外周面33までの摘み部39(上面部36)の長さは略同一である。
また、側壁部82の内周面90には、内方へ向けて突出する第1係合部としての係合突起部91が形成されている。ここで、係合突起部91は、胴部30が有する第1係止部としての係止突起部34と係合し、蓋部80を胴部30に係止させるものである。係合突起部91は、環状の突起であり、鉛直断面形状は、内方へ突出する円弧状である。係合突起部91の内周面90からの突出高さは、周方向に略一定である。また、係合突起部91の上端は、側壁部82の上端まで延びており、外方へ向けて下方から上方へ傾いたテーパー面である斜面92が形成されている。
そして、蓋部80は、ヒンジ部83を回動支点として上方かつ前方へ向かって回動させられることにより、天面部20に上方から覆い被さり、蓋部80の閉塞面部81の表面84と天面部20の表面23とが対向するように構成されている。そして、蓋部80の内部に注出口本体10(上側胴部31)が嵌合され、蓋部80が上側胴部31に取り付けられる。ここで、図6に、蓋部80が注出口本体10に嵌合された状態の一例を示す。
上述したように、蓋部80には側壁部82の内周面90に第1係合部としての係合突起部91が形成され、上側胴部31には外周面33に第1係止部としての係止突起部34が形成されている。そして、蓋部80を天面部20の上方から覆い被せ、蓋部80の内部に上側胴部31が嵌合するように上方から蓋部80を押し込むことで、係合突起部91が係止突起部34に係止されて、蓋部80が上側胴部31に係止され、蓋部80が上側胴部31に取り付けられる。
なお、図示はしないが、蓋部80の内部に上側胴部31が嵌合される際、第1開口部としての天面部20に設けられた8個の貫通孔22には、蓋部80の閉塞面部81に形成される8個の円筒状の閉塞突起部85がそれぞれ対応して嵌合される。
したがって、蓋部80は、第1開口部としての貫通孔22を開放した状態で胴部30に連結されて形成されており、蓋部80が上側胴部31に取り付けられることによって、貫通孔22を閉塞できるものである。つまり、蓋部80は、第1開口部を閉塞する状態と上下逆向きの状態で胴部30に連結されている。
一方、蓋部80を注出口本体10(上側胴部31)から取り外す際には、蓋部80に形成された摘み突起部89を下方から上方に向けて押し上げる。蓋部80が上方へ押されることで、係合突起部91の係止突起部34への係止を外し、蓋部80が上側胴部31から取り外される。
なお、図示はしないが、蓋部80の内部に上側胴部31が嵌合した状態において、下側基部62よりも上方に位置する胴部30、上側基部61、摘み部39、連結板88、ヒンジ部83などは、平面視において下側基部62の内側に位置している。つまり、下側基部62の上方に位置する部材において、下側基部62の外周面67より外方へ突出する部材はない。
ここで、注出口組合体1は、上述したように、胴部30(下側胴部32)と蓋部80がヒンジ部83によって連結され、胴部30と基部60(下側胴部32と上側基部61)が薄肉部66によって連結された状態で一体的に形成される。つまり、注出口組合体1は、注出口本体10と蓋部80とが一体的に形成される。そして、注出口組合体1は、好ましくは合成樹脂を用いて形成されるが、内容物の品質に影響を与えず、内容物に接触しても衛生的に支障のないものであればその材料は特に限定されない。例えば、注出口組合体1は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネートなどを材料とし、射出成形によって形成される。
次に、注出口組合体1の容器への固着方法について説明する。図7は、注出口組合体1が容器100に取り付けられた状態の一例が示された断面図である。容器100は、紙を基材層とし、この基材層の表面及び裏面に例えばポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂層を積層した積層材料から形成される、いわゆる紙容器である。また、容器100の形状は、上部101が傾斜した屋根形状を有する、いわゆるゲーブルトップ型である。なお、積層材料の積層構成は特に限定されるものではなく、アルミニウム箔等の金属箔等から構成されるバリア層や印刷層等を備える構成であっても良い。また、容器100の形状は特に限定されるものではなく、注出口組合体1を取り付けることが可能なパネルを有するものであれば良く、例えば、上部が平坦な形状であるフラットトップ型等であっても良い。
容器100の上部101のパネル102(積層材料)に予め形成された穴に注出口組合体1を容器100の内側から挿入する。その際、注出口組合体1は、蓋部80が上側胴部31に嵌合された状態である。そして、パネル102の穴の外縁部が爪部73を乗り越えるように注出口組合体1を内側から押し込み、爪部73の下面74と取り付け部63の表面72との間にパネル102を配置させる。なお、パネル102に形成された穴の形状は、平面視における下側基部62の形状に対応している。
そして、取り付け部63の表面72とパネル102の内面とを熱融着や接着剤によって固着し、注出口組合体1を容器100へ固着する。ここで、注出口組合体1を穴に挿入する際、爪部73の上面75はテーパー面であり、下面74は取り付け部63の表面72と平行な面である。したがって、注出口組合体1を容器100に形成された穴に挿入しやすく、また、挿入された注出口組合体1はこの穴から外れにくく、注出口組合体1を容器100に容易に仮固定できる。そして、注出口組合体1の容器90への固着が容易に行える。
また、蓋部80は上側胴部31に嵌合された状態であり、下側基部62の上方に位置する部材(天面部20、胴部30、上側基部61、蓋部80など)は、下側基部62の外周面67より外方へ突出しない構成である。したがって、注出口組合体1を穴に挿入する際、穴に対して注出口組合体1を直線的に挿入しても穴の縁に引っ掛かる部材がなく、注出口組合体1の穴への挿入が容易に行える。
ここで、注出口組合体1が取り付けられる容器100のパネル102は、内方へ向かって下方から上方に傾斜している。注出口組合体1は、取り付け部63の傾斜方向とパネル102の傾斜方向とが同じとなる向きでパネル102に取り付けられる。つまり、注出口組合体1の前側が容器100の外側、注出口組合体1の後側が容器100の内側となるように、注出口組合体1を容器100に取り付け、天面部20が水平に近い状態とする。
なお、容器100への内容物の充填方法は特に限定されるものではない。例えば、容器100の上部101の合わせ部103が開放した接合前の状態で、上述のように容器100に注出口組合体1を取り付ける。そして、合わせ部103が開放した開口から内容物を充填し、合わせ部103を接合して容器100を密封する。このようにして、注出口組合体1を備える容器100に内容物が充填された充填体が作製される。なお、内容物は、液状、粘体状、粉状、粒状など様々な形態のもので良く、特に限定されるものではない。
次に、注出口組合体1の開封及び再封方法について説明する。まず、上述の図6及び図7を参照して第1開口部の開封方法について説明する。上述したように、第1開口部は、天面部20に設けられた8個の貫通孔22である。図6及び図7に示すように、注出口本体10に蓋部80が取り付けられた状態において、注出口本体10または容器100を一方の手で押さえ、他方の手で蓋部80に形成される摘み突起部89を下方から上方に向けて押し上げ、係合突起部91の係止突起部34への係止を外し、蓋部80を上側胴部31から取り外す。蓋部80が上側胴部31から取り外されることにより、8個の貫通孔22が開放される。そして、この貫通孔22を注出口とし、容器100を傾倒することで内容物を取り出すことができる。
ここで、下側胴部32の上面部36の前側には、フランジ部38を切り欠いた切り欠き部40が形成されている。つまり、切り欠き部40は、蓋部80が上側胴部31に嵌合された状態において、摘み突起部89の位置に対応して形成されている。したがって、摘み突起部89を下方から上方へ容易に押し上げることができ、蓋部80の取り外し動作が容易に行える。
また、蓋部80はヒンジ部83によって上側胴部31に連結されているが、蓋部80にはヒンジ部83の弾性力が作用する。このヒンジ部83の弾性力は、蓋部80が上側胴部31に嵌合される前の状態の位置に戻る方向に作用する。つまり、蓋部80は、上側胴部31から取り外された後、この力によってヒンジ部83を回動支点として上方かつ後方に向かって回動し、胴部30よりも後側に位置する。したがって、蓋部80は、胴部30よりも後側に位置して貫通孔22が開放された状態に維持され、容器100を前側に傾倒して内容物を取り出す際の邪魔にはならず、使い勝手が良い。
また、ヒンジ部83は摘み部39の後端に形成されるため、蓋部80は貫通孔22が形成された天面部20から離れた後方に位置することになり、容器100を前側に傾倒して内容物を取り出す際の邪魔にはならず、より使い勝手が良い。
なお、ヒンジ部83の配設位置は限定されるものではなく、摘み部39とは別に、下側胴部32の外周面37にヒンジ部83を連結する構成であってもよい。しかし、貫通孔22から内容物を取り出す際に蓋部が邪魔とならないために、上述のように摘み部39の後側にヒンジ部83を形成することが好ましい。そして、注出口組合体1の容器100への取り付け状態に応じて適宜ヒンジ部83の位置を設計することが好ましい。
また、連結板88を薄肉部材とし、ヒンジ部83と連結板88とが一体の長いヒンジ部を形成し、この長いヒンジ部によって蓋部80を胴部30に連結する構成であっても良い。しかし、後述する蓋部80を上側胴部31に取り付ける際、貫通孔22と突起部85の位置合わせが必要となる場合があるため、ヒンジ部83は所定の限られた長さであることが好ましい。
また、上述したように、貫通孔22の配置は限定されるものではないが、上述の構成では内容物を取り出す際の容器100の傾倒方向(前側)に偏って配置されている。このような構成によって、貫通孔22から内容物をより効果的に取り出すことができる。したがって、注出口組合体1の容器100への取り付け状態に応じて適宜貫通孔22の位置を設計することが好ましい。
次に、第1開口部としての貫通孔22の閉塞方法について説明する。上述したように、蓋部80が注出口本体10(上側胴部31)に取り付けられることによって、貫通孔22が閉塞される。図1〜図3に示すように、貫通孔22が開放した状態において、注出口本体10または容器100を一方の手で押さえ、他方の手で蓋部80をヒンジ部83を回動支点として上方かつ前方へ向かって回動させ、天面部20に上方から覆い被せ、蓋部80の閉塞面部81の表面84と天面部20の表面23とを対向させる。そして、蓋部80を上方から上側胴部31へ向かって押し込み、図6に示すように、蓋部80の内部に上側胴部31を嵌合させる。そして、係合突起部91が係止突起部34に係止されて、蓋部80が上側胴部31に係止され、蓋部80が上側胴部31に取り付けられる。
この際、8個の貫通孔22には、蓋部80の閉塞面部81に形成される8個の円筒状の閉塞突起部85がそれぞれ対応して嵌合される。したがって、天面部20は蓋部80によって覆われ、更に、閉塞突起部85によって貫通孔22が塞がれるため、蓋部80による第1開口部としての貫通孔22の閉塞性が高い。また、貫通孔22に内容物が詰まった場合には、閉塞突起部85によって貫通孔22に詰まった内容物を取り除くことができる。更に、貫通孔22には閉塞突起部85が嵌合しているため、注出口組合体1は内容物が貫通孔22に詰まることを防止できる。
ここで、蓋部80は、ヒンジ部83を回動支点として回動自在に支持されているが、ヒンジ部83は所定の幅で左右に直線状に延びて形成されているので、蓋部80の回動軌跡はある程度制限される。一方、蓋部80の閉塞突起部85は、貫通孔22に対応した位置に形成されている。つまり、平面視において、閉塞突起部85と貫通孔22とは、ヒンジ部83を中心とした左右対称の位置に形成されている。したがって、蓋部80の内部に上側胴部31を嵌合させる際、蓋部80と上側胴部31との位置合わせをすることなく貫通孔22に閉塞突起部85を嵌合することができ、蓋部80の取り付け動作が容易である。
なお、蓋部80の閉塞面部81に形成される円筒状の閉塞突起部85は上述の構成に限定されるものではない。例えば、円柱状であっても良く、閉塞突起部85が嵌合する第1開口部としての貫通孔22に対応した形状であり、更に対応した位置に形成されるものであれば良い。また、閉塞突起部85を備えない構成であっても良いが、第1開口部としての貫通孔22の閉塞性の観点から、閉塞突起部85を備える構成が好ましい。
また、蓋部80は、係合突起部91と係止突起部34とによって、上側胴部31に係止されて取り付けられる。したがって、蓋部80が上側胴部31から容易に外れることはなく、第1開口部としての貫通孔22の閉塞性が高い。
なお、係合突起部91が係止突起部34に係止される際、係合突起部91は、テーパー面である斜面92と係止突起部34のテーパー面である斜面35とが当接しながら押し込まれ、係合突起部91が係止突起部34を乗り越える。そして、係合突起部91が係止突起部34の下方に位置することで、係合突起部91が係止突起部34に係止される。
したがって、係合突起部91を係止突起部34に容易に押し込める。また、係合突起部91を係止突起部34に係止する係止力が強い。つまり、蓋部80を胴部30に係止しやすく、その係止力が強い。
なお、蓋部80の胴部30への係止力は、第1係合部としての係合突起部91と第1係止部としての係止突起部34との係止代によって決まるものであり、適宜設計できる。
ここで、第1係合部としての係合突起部91と第1係止部としての係止突起部34は、上述の構成に限定されるものではなく、係止突起部34と係合突起部91とが係合して蓋部80を胴部30に係止することができれば良く、係合構成やそれぞれの配設位置は適宜設計できる。上述の係合突起部91と係止突起部34は2つの突起が係合する構成であるが、例えば、一方が溝で他方が突起となる構成とし、溝に突起を係合させる構成であっても良い。
また、蓋部80は上述の構成に限定されるものではなく、胴部30にヒンジ部83を介して連結され、天面部20に形成された第1開口部としての貫通孔22を閉塞することができる構成であればよい。例えば、蓋部80は側壁部82を備えない板状部材であってもよい。なお、貫通孔22の閉塞性を向上させる観点において、側壁部82を備える構成が好ましい。また、ヒンジ部83の配設位置も限定されるものではない。
次に、第2開口部の開封方法について説明する。図8は、注出口組合体1に注出口となる第2開口部が形成された後の状態の一例が示された断面図であり、図9は、注出口としての第2開口部が再封された状態の一例が示された断面図であり、図10は、図9の部分拡大図である。ここで、図8及び図9は、注出口組合体1が上述の容器100に取り付けられた状態であって、図3、図6、及び図7と同様の左右中央の鉛直断面図である。
図6に示すように、蓋部80の内部に上側胴部31が嵌合され、蓋部80が注出口本体10に取り付けられた状態において、基部60または容器100を一方の手で押さえ、他方の手で胴部30に形成される摘み部39と蓋部80に形成される連結板88とを上下から挟み込むように摘む。そして、この摘み部39と連結板88とを、上方かつ前方へ向けて引っ張り、薄肉部66を破断し、基部60から胴部30を剥離することで、図8に示すように、上側基部61の上端には第2開口部Aが形成される。つまり、上側基部61の内側突起部65の先端を縁とする第2開口部Aが形成される。そして、この第2開口部Aを注出口とし、容器100を傾倒することで内容物を取り出すことができる。なお、第2開口部Aの開口面積は、第1開口部としての8個の貫通孔22の合計の開口面積とは異なり、大である。ここで、胴部30は基部60から剥離されており、容器100を傾倒して内容物を取り出す際に邪魔となる部材はなく、使い勝手が良い。また、剥離された胴部30には蓋部80が嵌合され、胴部30と蓋部80は一体となっているため、取扱性に優れる。
ここで、薄肉部66は、平面視において略円形であり、後側は後方へ向かって突出する鋭角な略V字形状であって、摘み部39側が先細り形状である。したがって、摘み部39と連結板88とを一体に上方かつ前方へ向けて引っ張った際、薄肉部66の摘み部39側の先細り形状の先端に力が集中する。そして、薄肉部66は、この先端を基点として、順次前方へ向かって破断される。
したがって、注出口組合体1は、薄肉部66を破断し易く、第2開口部Aを容易に形成することができ、使い勝手が良い。また、第2開口部Aは後側が先細り形状であるため、容器100を前側に傾倒して内容物を取り出す際に取り出しにくくなることがない。また、薄肉部66の肉厚を破断可能な範囲で厚くすることができ、胴部30と基部60との連結が強固となり、例えば、輸送時等に誤って第2開口部Aが形成されることを防止でき、取扱性に優れる。
次に、薄肉部66を破断し、胴部30を基部60から剥離して形成された注出口としての第2開口部Aの再封方法について説明する。基部60から剥離した胴部30を基部60の上方から被せ、胴部30と基部60とを基部60から胴部30が剥離される前の位置関係にする。なお、剥離された胴部30には蓋部80が嵌合され、胴部30と蓋部80は一体となっている。そして、胴部30を基部60へ向かって上方から押し込み、胴部30(下側胴部32)を筒状の基部60(上側基部61)の内部に挿入する。
ここで、下側胴部32の下端部に形成される第2係合部としての係合リブ44は、下面46が外方へ向けて下方から上方に傾いたテーパー面である。そして、下側胴部32を上側基部61の内部へ挿入する際、このテーパー面である下面46が誘い込みとなり、下側胴部32が内方へ向かって撓んで押し込まれる。したがって、下側胴部32を上側基部61の内部に挿入する際の抵抗を軽減することができ、容易に挿入することができる。
そして、図9に示すように、下側胴部32の係合リブ44の上面45が、上側基部61の上面部68より下方に位置するまで、つまり、第2係合部としての係合リブ44が第2係止部としての係止段部70に係合するまで、下側胴部32を上側基部61へ押し込み、下側胴部32を上側基部61に嵌合させることで、注出口としての第2開口部Aが再封される。
ここで、図10に示すように、下側胴部32は係止段部70によって上側基部61に係止され、第2開口部Aは閉塞した状態に維持される。したがって、下側胴部32が上側基部61から容易に外れることがなく、第2開口部Aの再封性が高い。また、係合リブ44が係止される第2係止部は、溝構造などとは異なる係止段部70であり、内容物が溜まりにくい構造である。したがって、係合リブ44が係止段部70に係止される際、係合リブ44と係止段部70との間に内容物が挟まりにくく、より確実に下側胴部32を上側基部61に係止することができ、第2開口部Aの再封性が高い。
なお、上側基部61による胴部30の係止力は、第2係合部としての係合リブ44と第2係止部としての係止段部70との係止代によって決まるものであり、適宜設計できる。
また、第2係合部としての係合リブ44と第2係止部としての係止段部70は、上述の構成に限定されるものではなく、係合リブ44と係止段部70とが係合して下側胴部32を係止し、第2開口部Aが閉塞した状態に維持することができれば良く、係合する構成やそれぞれの配設位置は適宜設計できる。例えば、係合リブ44を下側胴部32の外周面37の全周に渡って形成される環状の突起としてもよい。
ここで、上述の係合リブ44と係止段部70は突起が段に係合する構成であるが、例えば、2つの突起同士が係合する構成であっても良い。また、一方が溝で他方が突起となる構成とし、溝に突起を係合させる構成であっても良い。なお、再封性の観点において、第2係合部と第2係止部は、上述の係合リブ44と係止段部70との構成が好ましい。
また、下側胴部32は外周面37より外方へ突出するフランジ部38を有しており、下側胴部32を上側基部61の内部へ挿入する際、フランジ部38と上側基部61の上端とが当接し、下側胴部32を上側基部61の内部へ押し込み過ぎることがない。
また、第2開口部Aが再封された状態において、上側基部61の内周面64に下側胴部32の嵌合リブ41の頂部43が当接して密着している(図10参照)。これは、平面視において、上側基部61の内周面64は、嵌合リブ41の頂部43よりも小さい相似形状のためである。つまり、薄肉部66が破断される前には、嵌合リブ41の頂部43が上側基部61の内周面64より外方に位置しているためである。
したがって、筒状の下側胴部32は、内方に撓んだ状態で上側基部61の内部に嵌合している。つまり、下側胴部32の弾性力によって、嵌合リブ41の頂部43は上側基部61の内周面64に押し付けられているので、第2開口部Aは強固に密封されている。ここで、嵌合リブ41の突出高さよりも係合リブ44の突出高さは大であるため、筒状の下側胴部32が内方に撓んだ状態であっても、係合リブ44が確実に係止段部70に係止される。
なお、下側胴部32と上側基部61との密着性は、上側基部61の内周面64に対する下側胴部32の嵌合リブ41の突出量によって決まるものであり、適宜設計できる。
また、第2開口部Aを形成する際に破断される薄肉部66は、嵌合リブ41の頂部43より下方の係合リブ44の下端部で上側基部61と連結する構成である。したがって、薄肉部66が破断された端部は第2開口部Aを密封する嵌合リブ41に影響を及ぼすことがなく、第2開口部Aの密封性が低下する恐れがない。
また、下側胴部32が上側基部61に嵌合した状態において、薄肉部66が破断した内側突起部65先端は、下側胴部32の外周面37と当接している。したがって、内側突起部65の先端と下側胴部32の外周面37との当接によっても開口部Aが閉塞されるため、更に第2開口部Aの再封性が向上する。
ここで、第1開口部としての8個の貫通孔22と第2開口部Aとの開口面積は異なり、8個の貫通孔22よりも第2開口部Aが大である。更に第1開口部は、複数(8個)の貫通孔22から形成されている。したがって、第2開口部Aから内容物を取り出す場合は、8個の貫通孔22の場合と比較して、大量の内容物を短時間に取り出すことができる。一方、第1開口部としての貫通孔22から内容物を取り出す場合は、第2開口部Aの場合と比較して、注出量を調節して少量の内容物を取り出すことが容易である。つまり、注出口組合体1は、注出量の大小に応じて第1開口部としての貫通孔22または第2開口部Aのいずれかによる注出形態を選択でき、所望の量の内容物を容易に取り出すことができる。
そして、例えば、内容物が、砂糖、塩、胡椒などの粉体や粒体である場合には、調理の際などに第1開口部としての貫通孔22から少量の内容物を振り出して取り出し、別容器に詰め替える際などには第2開口部Aから大量の内容物を短時間に取り出すことが可能となる。したがって、内容物が粉体や粒体である場合には、特に使い勝手が良い。なお、第1開口部としての貫通孔22と第2開口部Aとの開口面積は、内容物や容器の使用形態に応じて適宜設計できる。
また、第2開口部Aは再封可能である。したがって、第2開口部Aを形成した後であっても、第1開口部としての貫通孔22または第2開口部Aのいずれかによる注出形態を選択でき、使い勝手が良い。
なお、第2開口部Aを形成した後、貫通孔22から内容物を取り出すために、蓋部80を胴部30(上側胴部31)から取り外す場合、下側胴部32を係止段部70によって上側基部61に係止し、第2開口部Aを閉塞された状態に維持することができ、下側胴部32が上側基部61から容易に外れることがない。したがって、蓋部80を上側胴部31から取り外す動作に影響を与えることがない。つまり、第2開口部Aが形成された状態であっても、蓋部80を上側胴部31から容易に取り外すことができる。
また、下側胴部32と上側基部61は円筒形状ではなく、平面視において先細り形状を有する。したがって、下側胴部32が上側基部61に嵌合した状態において、下側胴部32は上側基部61に対して筒軸方向を軸として回動することがない。そして、下側胴部32と上側基部61との位置関係が変わることがなく、第1開口部としての貫通孔22の容器100に対する位置も変わらない。したがって、第2開口部Aを形成した後であっても、貫通孔22からの内容物の取り出しに影響はなく、注出口組合体1を備える容器100の使い勝手が良い。
ここで、第2開口部Aを形成した後に蓋部80を上側胴部31から取り外す際、後側よりも前側に位置する係合リブ44に大きな力が加わる。これは、上側胴部31に嵌合した蓋部80における摘み突起部89は、前方に位置しており、この摘み突起部89を上方へ向かって押し上げて蓋部80を上側胴部31から取り外すためである。したがって、下側胴部32を上側基部61により確実に係止するため、係合リブ44と係止段部70との係止力が後側よりも前側が強くなるような構成としても良い。例えば、前側に位置する係合リブ44の係止段部70との係止代を後側に位置する係合リブ44よりも大きくする。
このような構成にすることで、第2開口部Aを形成した後に蓋部80を上側胴部31から取り外す際、下側胴部32が上側基部61に確実に係止され、蓋部80の取り外し動作が容易に行える。
また、第2開口部Aを再開封する際、つまり、上側基部61に嵌合した胴部30を取り外す際には、摘み部39と連結板88を一体に上方かつ前方へ向かって引っ張り、胴部30を上側基部61から取り外す。この際、胴部30は、前側の係合リブ44または前側の嵌合リブ41を支点として回動しながら上側基部61から取り外される。したがって、上述のように、係合リブ44と係止段部70との係止力が後側よりも前側が強くなるような構成とすることで、この第2開口部Aの再開封動作がより容易に行える。なお、嵌合リブ41は外方へ突出した円弧状であるため、回動支点として効果的に胴部30を取り外せる。
また、注出口本体10と蓋部80とが一体成形された一つの注出口組合体1によって、注出形態を選択することが可能であって、この注出口組合体1は、構造が簡単あり、組み立て等も不要であるため、製造が容易である。
また、注出口組合体1は容器100に天面部20が水平に近い状態で取り付けられている。したがって、誤って容器100を横倒しにしても、第1開口部としての貫通孔22や第2開口部Aからこぼれ出す内容物の量を少なくすることができる。また、注出口組合体1が容器100の側面から外方に突出しにくくなり、容器100の輸送や陳列の効率が向上する。
ここで、注出口組合体1の寸法は限定されるものでない。注出口組合体1は、容器100に取り付け可能な寸法であって、所望の量の内容物を取り出し可能な注出形態を選択できる第1開口部としての貫通孔22と第2開口部Aとの開口面積を確保できる寸法であればよい。なお、上述の容器100のようなゲーブルトップ型紙容器の上部(屋根形状)に注出口組合体1を取り付ける場合、注出口組合体1は、平面視において容器100の側面から突出することがなく、側面視において容器100の上端から突出しない寸法とすることが好ましい。このような寸法とすることで、容器100を直立した状態で整列させることができ、容器100の積載効率や陳列効率が向上する。また、輸送時に摘み部39や連結板88や摘み突起部89の他部材への引っ掛かりによって、誤って蓋部80が上側胴部31から取り外されて第1開口部としての貫通孔22が開放することや、第2開口部Aが形成されることを防止することができる。したがって、取扱性に優れた容器及び充填体を提供することができる。
なお、蓋部80を上側胴部31から取り外す際には、摘み突起部89を指で押し上げるため、摘み突起部89は指が当接して蓋部80を押し上げることができる大きさの寸法である。また、第2開口部Aを形成する際には、摘み部39と連結板88を一体として指で把持して薄肉部66を破断するため、摘み部39と連結板88とは指で把持できる大きさの寸法である。
また、注出口組合体1が取付けられる容器100は、上述の紙容器に限定されるものではない。例えば、合成樹脂フィルムから形成される包装容器であっても良く、注出口組合体1の包装容器への取付けは、容器100の場合と同様である。包装容器に予め形成された穴に注出口組合体1を容器内側から挿入し、合成樹脂フィルムの内面と取り付け部63の表面72とを熱融着や接着剤によって固着し、注出口組合体1を包装容器へ固着する。
なお、合成樹脂フィルムから形成される包装容器の形態は、4方シールの平袋や、両側部に内側に折り込まれた折込部を有するガゼット型の袋などであっても良い。また、合成樹脂フィルムは、単層の合成樹脂フィルムであっても良く、多層の合成樹脂フィルムであっても良い。そして、多層の合成樹脂フィルムの場合、例えば、外側から順に、表面層、バリア層、ヒートシール層を積層した3層構造の合成樹脂フィルムとすることができ、それぞれの材料としては、例えば、表面層にはポリエチレンテレフタラート、バリア層にはアルミニウム箔、ヒートシール層にはポリエチレンを用いることができる。