JP5169067B2 - オーバーキャップ - Google Patents

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Description

この発明は飲料を収容するカップ型容器に装着してその開封をするときに使用するオーバーキャップに関するものである。
店頭で調整したホットコーヒーなどのホット飲料を店頭で購入して持ち帰るときに使用するカップ型容器では、客の注文毎にカップにホットコーヒーを入れ、これにカップの上から簡易のカバーキャップをかぶせて、顧客に手渡される。
この簡易のカバーキャップには、縁部に飲み口と空気入口が形成されていて、客はカバーキャップをカップから外さずに、飲み口を通して内容物を飲用する(特許文献1参照)。
一方飲料メーカーが調整、販売するカップ飲料では、飲料メーカーが飲料をカップに充填し、保存性、衛生性を保持することなどを目的として、カップの上端をフィルム状の蓋材でシールして出荷する。このカップ飲料でもカップの上面にシール蓋を保護するためのオーバーキャップを装着してシール蓋を覆うが、このシール蓋を剥さずにオーバーキャップの上からカップ内の飲料を飲むことが要求されて来ている。
特開2004−123155
しかし店頭販売用カップ用のカバーキャップをカップ飲料用オーバーキャップとしてそのまま転用することはできない。これを、シール蓋を有するカップに転用すると、飲み口を形成する際のシール蓋開口のときにキャップの取外し、及び再取付が必要であるし、別に開口器具が必要になることもある。また、工場調整飲料用カップの場合はカップ上端にシール蓋が存在するので、飲む時はシール蓋を開口させるための手段が必要になる。しかも、内容物がホットの高温飲料や有色飲料の場合は、内容物が開口時の振動で波立ってカップの外にあふれ出る事故を防ぐために、シール蓋を開口させる動作を特に静かに円滑に行うことができるものであることが望まれる。
シール蓋を切開して飲み口を形成する開口具としては特許文献1に記載したものがあるが、これらの開口具ではカップ上端に装着したオーバーキャップにカッターがヒンジを介して連結していて、このカッターがスイングしてシール蓋と接触して切開するものである。しかるにシール蓋には飲み口の開口部があまり大きくないので注出性向上のための空気孔も必要であるので、この空気孔を形成するための部材も必要になるし、また飲み口に空気孔を兼ねさせる場合に開口部を相当に大きく形成しなければならないので、飲み口の開口操作が容易ではない。
このようなことから、メーカー調整のカップ飲料についてシール蓋に飲み口や空気入口を容易にかつ円滑に形成することができ、飲用時のマウスピースとしてカップに装着して飲用時に使用することができる簡素な構造のカップ型容器用のオーバーキャップを提供することを目的とするものである。
さらにこのカップ型容器用のオーバーキャップを改良してより支障なく使用することができる改良型のオーバーキャップを提供することを目的とするものである。
この目的に対応して、この発明のオーバーキャップは、
上端開口部をシール蓋で閉じたシール容器に装着して前記シール蓋を切開するシール容器用のオーバーキャップであって、
前記オーバーキャップは、
前記シール容器に装着可能で、天板の一部に2個の穿孔が形成されているオーバーキャップ本体と、前記オーバーキャップ本体にヒンジを介して前記2個の穿孔のそれぞれの内に一体に形成され前記オーバーキャップ本体に対して変位可能な切開部材とを有し、
前記切開部材は前記シール蓋を切開可能な刃部材と、前記刃部材と一定の角度をもって突出している指掛かり部材とからなり、前記刃部材は前記シール蓋を切ることが可能な切り刃部材または前記シール蓋を突き刺すことが可能な刺し刃部材であり、または前記シール蓋を押し切りすることが可能な押し刃部材であり、前記ヒンジはピンヒンジまたはストラップヒンジであり、
前記指掛かり部材を操作して前記切開部材を変位させて前記シール蓋を切開した場合に、オーバーキャップ本体の天板と切開部材との間に形成される間隙が液体又は空気の流通孔となり、
前記切開部材の前記刃部材は、前記オーバーキャップの天板とほぼ面一に形成され、前記切開部材の指掛かり部材は、前記刃部材よりも上方に突出しており、または前記オーバーキャップの天板よりも上方に形成され、前記切開部材の指掛かり部材は前記刃部材よりもさらに上方に突出していることを特徴としている。
請求項1に記載したオーバーキャップでは、シール蓋を切開する切開部材を有するが、その切開部材は刃部材の他に、刃部材に固定した指掛かり部材を有するので、刃部材の操作が容易であり、ひいては飲み口、空気孔の形成が容易である。切開部材はオーバーキャップ本体と一体であるのでオーバーキャップの構造が簡単になる。切開動作において指掛かり部材は穿孔に達するが、それを操作する指は穿孔の中にまで差し込む必要がないので穿孔の大きさをそれほど大きくする必要がなく、液体通路の大きさを過大にすることがないのでホット飲料などにおいて流量を制限することができる。
このオーバーキャップでは、天板と刃部材がほぼ面一に形成され、かつ刃部材の上方に突出した指掛かり部材を有するので、刃部材の操作が一層容易であり、
または、刃部材が天板の上方に出ていて、さらに刃部材の上方に突出した指掛かり部材を有するので、刃部材の操作が一層容易であり、
刃部材として、シール蓋を切ることが可能な切り刃部材と、シール蓋を突き刺し可能な刺し刃部材と、シール蓋を押し切ることが可能な押し刃部材とを選択することができるので、飲み口や空気孔の特徴に応じて選択することができる。
刃部材をオーバーキャップ本体に連続するヒンジとしてピンヒンジまたはストラップヒンジを用いるので、飲み口や空気孔の特徴に応じて刃部材の動きを選択することができる。
請求項2に記載したオーバーキャップでは、切り刃部材をピンヒンジで連結しているので切り刃部材に最適の動きを与えることができる。
請求項3に記載したオーバーキャップでは押し刃部材または刺し刃部材をストラップヒンジで連結したので、それぞれの刃部材に最適の動きを与えることができる。
請求項4に記載したオーバーキャップでは、天板の穿孔の縁と指掛かり部材の縁との間に液体又は空気の流通路が形成されることになるのでホットコーヒーのような高温液体に対しては流量制限ができて安全である。
請求項5に記載したオーバーキャップでは、指掛かり部材に形成した貫通孔が液体又は気体の通路となるので流量制限が一層容易である。
請求項6に記載したオーバーキャップでは、係止用凹凸や窪みによって切開後の切開部材の位置決めをするので、飲み動作安定する。
請求項7に記載したオーバーキャップでは、天板よりも上方に隆起する隆起部を天板の周縁部を一周して形成して、切開部材は隆起部よりも上に出ないように構成されているので、隆起部がガードとなって切開部材に対する誤操作などが起こりにくい。
請求項8に記載した発明によれば、ピンヒンジによって切開部材である切り刃部材をオーバーキャップ本体に取付けた場合に、切開動作時における切り刃部材の回動中心となるヒンジピンをシール蓋に近づけて設けると切開部材による切開動作の操作性を向上させることができるが、このようにヒンジピンの設置位置を低くすると(シール蓋側に寄せると)、ヒンジピンがシール蓋により近接することになる。しかるに、ヒンジピンは薄肉で形成されているため、落下衝撃に耐えにくく、特にヒンジピンに落下時の衝撃が集中(応力集中)するとヒンジピンの破断を招き易い。また落下時に内容液の重力がシール蓋を介してヒンジピンに作用してもヒンジピンの破断のおそれがある。
しかるに請求項8に記載した改良型のオーバーキャップではヒンジピンの周囲に配置した保護リブによりシール蓋と切り刃部材の接触を回避して、ヒンジピンの破損を防ぐことができる。
請求項9に記載した発明によれば、オーバーキャップにおいて、ストラップヒンジによって刺し刃部材を取り付けた場合に、シール容器にオーバーキャップを装着した状態では、刺し刃部材の鋭利な先端がシール蓋に向って最も近づいた状態になる場合があって、この場合には、店頭などでオーバーキャップをシール容器に装着した状態で加温し、シール容器をシール蓋がふくれた状態で落下させてしまったり、シール容器が逆さまになって内容物がシール部材を押して外側に膨出させた状態でシール容器を落下させてしまうなどシール部材が刺刃の先端に近づいた状態が現出した場合は、落下時の衝撃により、ストラップヒンジが動作し、不用意に刺し刃部材がシール部材に刺さり、開口してしまうおそれがあった。
しかるに、請求項9に記載した改良型のオーバーキャップではストラップヒンジが通常停止している状態における刺し刃の先端位置と同等かそれよりも高い保護リブをオーバーキャップ内面のストラップヒンジのストラップ基部に設けることにより、シール蓋と刺し刃部材の接触を回避して、シール蓋が不用意に開口してしまうことを防止することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を示す図面を参照しつつ説明する。
図1及び図3において、1aはこの発明のオーバーキャップであり、オーバーキャップ1aはカップ型容器2の上端に装着されて使用されるものである。カップ型容器2の上端部はフランジ3が形成されており、その内側は開放して開放開口4となっており、その開放開口4はフランジ3にヒートシールされたフィルム状のシール蓋5で閉じられている。このシール蓋5がこの発明における切開の対象である。
オーバーキャップ1aはカップ型容器2に装着可能なオーバーキャップ本体6とそのオーバーキャップ本体6にヒンジ10を介して一体に連結して形成されている後述する切開部材7とからなっている。オーバーキャップの材質はポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂で構成することが望ましく、これらの樹脂を射出成形することによって、成形することがよい。
オーバーキャップ本体6はカップ型容器2の上端部を覆う覆部11とこの覆部11をカップ型容器2に取付けるための取付け裾部12とを肩部13を介してオーバーキャップ本体6の中心線14方向に同心状に連続させて有する。覆部11は筒状の筒部15とその上端を閉じる天板16とを有する。
取付け裾部12は中心線14回りに半径方向に凸出する係止部17を有し、この係止部17がオーバーキャップ本体6がカップ型容器2に装着した場合に肩部13と協働してカップ型容器2のフランジ3を挟んで、フランジ3とオーバーキャップ本体6とを固定させる。
このとき、肩部13の下面には図示しないがコンタクトリングやフィンなどのシール部材がフランジ3の上面と液密に接触するように設けられているため、オーバーキャップ1aとカップ型容器2との液密な装着が実現している。
オーバーキャップ本体6は中央位置に天板16の上方に窪み18を有し、かつ窪み18を囲んで中心線14周りに一周する土手状に隆起している筒部15から上方に延長する隆起部21とを有する。
隆起部21寄りの窪み18の底面をなす天板16に液体流通孔22と空気流通孔23が設けられている。後に説明するように、液体流通孔22、空気流通孔23はカップ型容器2内の内容液を流通させる孔または息継ぎ空気を流通させる孔として利用する孔である。この実施形態では液体流通孔22と空気流通孔23はいずれも予め開口状態に形成され、かつ切開部材7、8または切開部材9で閉じられた状態に形成されている。ここで切開部材7、8、9はいずれもシール蓋5を切開するための部材であるが、このうち切開部材7はシール蓋5を切って切開する機能を主として有し、切開部材8はシール蓋5を突き刺して切開する機能を主として有し、切開部材9はシール蓋5を押し切りによって切開する機能を主として有するものである。
切開部材7は刃部材24と指掛かり部材25を有している。刃部材24の種類としては、シール蓋5を切って開口させることを主な機能として有する切り刃部材41とシール蓋5を刺して開口させることを主な機能として有する刺し刃部材42とシール蓋5を押し切って開口させることを主な機能として有する押し刃部材47とがあるが、この切開部材では切り刃部材41を有している。切り刃部材41は板状でほぼ矩形をなし、先端に尖鋭の刃先43を有する。
切り刃部材41はほぼ液体流通孔22と近似の形状をなし、未使用の状態においては、切り刃部材41は液体流通孔22内において液体流通孔22を塞いだ状態で窪み18の底面とほぼ面一の状態で位置する。切り刃部材41は切り刃44をその両側に位置させていて、この切り刃部材41の先端の刃先43及び側縁の切り刃44がシール蓋5をほぼ垂直に突きまたは切って、シール蓋5を開口させる。
刃部材24の基端部には指掛かり部材25の基端部が固定している。
指掛かり部材25は板状をなし、刃部材24に対して角θの角度をなして固定している。θの大きさは30°〜90°である。これらの角度はシール蓋が容器内が減圧となったり、凹んだときなどにおいても刃部材の先端がほぼ垂直にシール蓋5と当接するように適宜設定するとよい。指掛かり部材25の上縁には必要に応じて指掛り凹凸26が形成される。この指掛かり部材25の上縁は刃部材24よりも上方に突出している。刃部材24と指掛かり部材25との間には必要に応じて補強用のリブ30が設けられる。切開部材7はピンヒンジ27によってオーバーキャップ本体6に一体として連結している。ピンヒンジ27はオーバーキャップ本体6上の固定位置に切開部材7の相対回転中心28を有するヒンジである。相対回転中心28上にはヒンジピン36が位置する。ヒンジピン36はオーバーキャップ1aの材料を薄肉にして形成する。
オーバーキャップ本体6の中心線14を挟んで切開部材7が設けられる位置の反対側に他の切開部材8が隆起部21の内側に設けられている。切開部材8は前述の通り、シール蓋5を突き刺して切開する機能を主として有する切開部材で、切開部材8は円形の空気流通口23と同心状に配置されていて刃部材24とハンドル部材32とを有する。刃部材24としては、シール蓋5を刺して開口させることを主な機能として有する刺し刃部材42を使用する。
刺し刃部材42は針状で下端が鋭利な尖端からなる刃先33になっている。刺し刃部材42は上端部でハンドル部材32に固定している。ハンドル部材32はプッシュボタン状で、刺し刃部材42よりも上方に突出している。
ハンドル部材32はストラップヒンジ34によってオーバーキャップ本体6に可動状態で連結している。
ストラップヒンジ34は図1(e)に拡大平面図で示すように、ヒンジ中心36回りに所定の角度(この実施形態では約120°)の範囲に配置された狭幅の可撓性の紐状の3本のストラップ35(35a、35b、35c)を有し、それぞれのストラップ35a、35b、35cの外側端が空気流通孔23の縁でオーバーキャップ本体6の天板16に一体に連結し、内側端でハンドル部材32に一体に連結している。ハンドル部材32乃至刺し刃部材42はストラップ35の撓みによって可撓の範囲でヒンジ中心36の方向にオーバーキャップ本体6に対して相対直線変位が可能である。
このように構成されたオーバーキャップ1aの動作は次の通りである。
内容物が充填されシール蓋5によって上端の開放開口4が閉じられた状態のカップ型容器2の上端にオーバーキャップ1aが装着される。図1及び図4に示すようにカップ型容器2の上端にオーバーキャップ1aを乗せ、わずかに下に押圧すれば、オーバーキャップ1aの取付裾部12の係止部17が肩部13との間にカップ型容器2のフランジ3を液密に挟んで装着される。
次にカップ型容器2のシール蓋5に流出口37を切開する動作としては、図2に示すように、切開部材7の指掛かり部材25を手指で摘んで手前に液体流通孔22に向けて引くと、指掛かり部材25と一体になっている刃部材24(41)が変位移動し液体流通孔22から下に向ってヒンジ中心線14を中心とした回転をする。オーバーキャップ本体6の下にはシール蓋5があるので、切り刃部材41の先端の刃先43及び両側の切り刃44がシール蓋5を切開し間隙が流出口37を形成する。そして図示しない刃部材端面の突起と孔端面の凹凸とが係合し引き倒しが終了するとクリック感が生じて終了する。
次いでシール蓋5に空気口38を切開する動作としては、他の切開部材8のボタン状のハンドル部材32を下に押すと、ストラップヒンジ34の各ストラップ35(35a、35b、35c)が撓み変形して伸び、刃先33の変位が許容され、刃先33はヒンジ中心36の方向に直線変位してシール蓋5に向って下降し、刃先33がシール蓋5を突き刺して開口させる。ハンドル部材32を押す指をはなすとストラップヒンジ34の弾性的復元により、刃先33がシール蓋5から抜け出し、空気口38が形成される。
こうしてシール蓋5に流出口37、空気口38が形成される。
この状態でカップ型容器を傾けるとカップ型容器2内の内容物は流出口37から液体流通孔22を通して流出するので、これを飲用することができる。息継ぎの空気は空気流通孔23、空気口38を通して流入する。
図5から図7にはこの発明の第2の実施形態に係るオーバーキャップ1bが示されている。オーバーキャップ1bでは、第一の実施形態に係るオーバーキャップ1aとは相違して、切開部材7の指掛り部材25bの指掛け凹凸26が2個の凹凸として設けられている。このように指掛け凹凸26が2個設けられていることによって、ハンドル部材25bに対する指掛りが一層容易になる。
図8から図9には、この発明の第3の実施形態に係るオーバーキャップ1cが示されている。このオーバーキャップ1cでは第1の実施形態に係るオーバーキャップ1aとは相違して、切開部材7の刃部材24cと指掛り部材25cとを固定連結する補強用のリブ30がそれぞれの基端部から先端部までの全域にわたって設けられている。
図10から図13にはこの発明の他の実施形態に係るオーバーキャップ1d〜1gが示されている。
図10に示すオーバーキャップ1dはシール蓋5に形成する流出口37と空気口38を形成する切開部材として、主としてシール蓋5を切る機能を持つ刃部材24をピンヒンジ27でオーバーキャップ本体6に連結した形式の切開部材7を2個備え、流出口37も空気口38も切開部材7、7で切開して形成するものである。
図11に示すオーバーキャップ1eはシール蓋5に流出口37を形成するための切開部材としてシール蓋5を主として押し切りにする切開部材9を使用するものである。切開部材9は円形の液体流通孔22と同心状に配置されていて、刃部材24とハンドル部材32とを有する。刃部材24としてはシール蓋5を押し切りして開口させることを主な機能として有する押し刃部材47を使用する。
押し刃部材47は下端の切刃48を円状に形成しており、押し刃部材47はハンドル部材32の下に固定している。ハンドル部材32はプッシュボタン状で、押し刃部材47よりも上方に突出している。
ハンドル部材32はストラップヒンジ34によってオーバーキャップ本体6に可動状態で連結している。
カップ型容器2に流出口37を切開する動作としては、切開部材9のハンドル部材32を下に押し下げるとストラップヒンジ34の撓みにともなって下方に直線変位し、切刃48がシール蓋5を押し切りに切開して、流出口37が開口する。押し切られたシール蓋5の切片は中空の切刃48またはハンドル部材32内に保持される。ハンドル部材32を押し下げている指の力を除去するとストラップヒンジ34の弾性復元により、切刃48及びハンドル部材32は元の位置に復帰する。
図12には以上説明したオーバーキャップ1a〜1eに対して改良を加えた改良型のオーバーキャップ1hが示されている。
すなわちオーバーキャップ1hは天板16に液体流通孔22、空気流通孔23が開口状態に形成され、その液体流通孔22、空気流通孔23内に配置された切開部材7、切開部材8によって閉じられた状態になっているのであるが、
液体流通孔22の縁の一周のうちの全周もしくは中心線14寄りの約半周部分では、天板16から高さh1の壁状の保護リブ51が立ち下って設けられている。
切開部材7はピンヒンジ27によって保護リブ51の下端に連結している。このときヒンジピン36の高さ位置は天板16より高さh1だけ低くなっていて保護リブ51の下端と同じ高さにある。
一方、空気流通孔23の周縁では天板16から高さh2の壁状の保護リブ52が設けられている。切開部材8はストラップヒンジ34によって天板16に連結支持されているのであるが、保護リブ52の下端の高さ位置は刺し刃部材42の下端の刃先33と同じ高さ位置になっている。
このように構成されたオーバーキャップ1hでは、切開動作時における切り刃部材の回動中心となるピンヒンジ27をシール蓋5に近づけて配置した場合でもピンヒンジ27の周囲に配置した保護リブ51によりカップ型容器2が落下した場合などに内容物の重量に押されて変形したシール蓋5が保護リブ51に当って切り刃部材41に達するのを抑制するのでシール蓋5と切り刃部材41との接触を小さくしてピンヒンジ27の破損を防ぐことができる。
また同様に刺し刃部材42については、変形したシール蓋が保護リブ52に当って刺し刃部材42に達するのを抑制するので、シール蓋5と刺し刃部材42との接触を小さくしてシール蓋5の破損を防ぐことができる。
以上の説明から明らかな通り、この発明によればメーカー調整のカップ飲料についてシール蓋に飲み口や空気入口を容易に、静かにかつ円滑に形成することができ、飲用時のマウスピースとしてカップに装着して使用することができるカップ型容器開封用のオーバーキャップを得ることができる。
また改良されたオーバーキャップ1hではピンヒンジ、刺し刃部材を囲んで保護リブが形成されるので、容器が落下しても、シール蓋やヒンジの破損を確実に回避することができる。
未切開のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)におけるb−b部断面図、(c)は(b)における切開部材7のX方向矢視図及びY方向矢視図、(d)は底面図 切開後のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は底面図 未切開のオーバーキャップの斜視図 未切開のオーバーキャップをカップ型容器に装着した状態の斜視図 未切開の他のオーバーキャップの斜視図 未切開の他のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は底面図 切開後のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は底面図 未切開の他のオーバーキャップをカップ型容器に装着した状態を示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図 切開後の他のオーバーキャップをカップ型容器に装着した状態を示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図 未切開の他のオーバーキャップの切開後の状態を示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は底面図 切開後のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は底面図 切開前の他のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図、(c)は底面図 カップ型容器に装着した切開前の他のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図 カップ型容器に装着した切開後の他のオーバーキャップを示す図で、(a)は平面図、(b)は縦断面図
1a、1b、1c、1d、1e、1hオーバーキャップ
2 カップ型容器
3 フランジ
4 開放開口
5 シール蓋
6 オーバーキャップ本体
7 切開部材
8 切開部材
9 切開部材
10 ヒンジ
11 覆部
12 裾部
13 肩部
14 中心線
15 筒部
16 天板
17 係止部
18 窪み
21 隆起部
22 液体流通孔
23 空気流通孔
24 刃部材
25 指掛り部材
26 指掛り凹凸
27 ピンヒンジ
28 相対回転中心
30 補強用のリブ
32 ハンドル部材
33 刃先
34 ストラップヒンジ
35 ストラップ(35a、35b、35c)
36 ヒンジピン
37 流出口
38 空気口
41 切り刃部材
42 刺し刃部材
43 刃先
44 切り刃
47 押し刃部材
48 切刃
51 保護リブ
52 保護リブ

Claims (8)

  1. 上端開口部をシール蓋で閉じたシール容器に装着して前記シール蓋を切開するシール容器用のオーバーキャップであって、
    前記オーバーキャップは、
    前記シール容器に装着可能で、天板の一部に2個の穿孔が形成されているオーバーキャップ本体と、前記オーバーキャップ本体にヒンジを介して前記2個の穿孔のそれぞれの内に一体に形成され前記オーバーキャップ本体に対して変位可能な切開部材とを有し、
    前記切開部材は前記シール蓋を切開可能な刃部材と、前記刃部材と一定の角度をもって突出している指掛かり部材とからなり、前記刃部材は前記シール蓋を切ることが可能な切り刃部材または前記シール蓋を突き刺すことが可能な刺し刃部材であり、または前記シール蓋を押し切りすることが可能な押し刃部材であり、前記ヒンジはピンヒンジまたはストラップヒンジであり、
    前記指掛かり部材を操作して前記切開部材を変位させて前記シール蓋を切開した場合に、オーバーキャップ本体の天板と切開部材との間に形成される間隙が液体又は空気の流通孔となり、
    前記切開部材の前記刃部材は、前記オーバーキャップの天板とほぼ面一に形成され、前記切開部材の指掛かり部材は、前記刃部材よりも上方に突出しており、または前記オーバーキャップの天板よりも上方に形成され、前記切開部材の指掛かり部材は前記刃部材よりもさらに上方に突出していることを特徴とするオーバーキャップ。
  2. 前記切り刃部材を有する切開部材は前記ピンヒンジで前記オーバーキャップ本体に連結していることを特徴とする請求項1記載のオーバーキャップ。
  3. 前記刺し刃部材を有する切開部材は前記ストラップヒンジで前記オーバーキャップ本体に連結し、前記押し刃部材を有する切開部材は前記ストラップヒンジで前記オーバーキャップ本体に連結していることを特徴とする請求項1記載のオーバーキャップ。
  4. 前記切り刃部材を有する切開部材は、前記指掛かり部材の先端が凸状又は凹状に形成され、前記指掛かり部材を操作して前記切開部材を変位させて前記シール蓋を切開した場合に、前記凸状又は凹状の指掛かり部材先端と、前記オーバーキャップ天板より立設する壁部との間に空隙が形成されて液体又は空気の流通孔となることを特徴とする請求項2記載のオーバーキャップ
  5. 前記切り刃部材を有する切開部材は、前記指掛かり部材の先端が凸状に形成され、かつ前記指掛かり部材に1個又は複数個の貫通孔が形成され、前記指掛かり部材を操作して前記切開部材を変位させて前記シール蓋を切開した場合に、前記指掛かり部材の貫通孔も液体又は空気の流通孔となることを特徴とする請求項2記載のオーバーキャップ
  6. 前記切り刃部材を有する切開部材の側端面に突起又は窪みを形成し、前記オーバーキャップの穿孔の側端面または近傍に、前記切開部材の突起または窪みと係合可能な窪み又は突起を形成したことを特徴とする請求項2記載のオーバーキャップ
  7. 前記オーバーキャップ本体は前記天板よりも上方に隆起する隆起部を天板の周縁部を一周して形成し前記切開部材は前記隆起部よりも上に出ないように構成されていることを特徴とする請求項1記載のオーバーキャップ
  8. 前記2個の穿孔のうちの前記ストラップヒンジで前記オーバーキャップ本体に連結している切開部材が形成されている穿孔の縁部に沿って下方に立ち下っている壁状のリブを有し、前記天板に支えられて切開部材が前記天板から下方に突出している突出部分のうちの少なくとも一部分の下端の位置が前記リブの下端の位置と同じかそれよりも上方にあることを特徴とする請求項1記載のオーバーキャップ
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