JP6137613B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、次のような冷却搬送装置を備えた画像形成装置が記載されている。特許文献1に記載された冷却搬送装置は、記録材を挟持搬送するベルト搬送機構と、ベルト搬送機構に有した各搬送ベルトの内周側に配置され、搬送ベルトを介して記録材の熱を吸熱する冷却部材とを有している。また、冷却部材を低温に保つ冷却手段としてラジエータ等の液冷方式の構成部材も有している。このように構成された冷却搬送装置で記録材を表裏両面から冷却することで、上記したブロッキングの発生を効果的に抑制できるというものである。
例えば、特許文献2には、画像形成装置内、及び定着装置の温度を管理するための冷却手段である冷却ファンと定着装置の熱源であるヒータの動作を、待機時に停止させる画像形成装置が記載されている。このような制御を行うことで、冷却ファンやヒータに給電する電力を削減して、省電力化の要求に対応しているものと考えられる。
このような制御は、加熱定着後の記録材を搬送しながら冷却する冷却搬送装置を備えた画像形成装置でも行われ、待機時には冷却手段と搬送ベルトの駆動を停止する制御を行うものがある。
画像形成動作に移行後、記録材が冷却搬送装置の搬送ベルトに接触する位置に到達するタイミングに合わせてベルト搬送機構を駆動し、ベルト搬送機構の駆動と同時に冷却手段を駆動すると、加熱定着後の記録材を十分に冷却できないという不具合である。
この不具合は、一般的な冷却搬送装置を備えた画像形成装置では、加熱定着後すぐに記録材を冷却するため、冷却搬送装置が定着装置の記録材搬送方向下流側の近傍に配置されているために生じてしまう。
まず、各実施例に共通する本実施形態の画像形成装置であるプリンタ300の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置であるプリンタ300の概略構成図である。
このプリンタ300では、光書き込み装置2をLEDを光源とする光学系としているが、半導体レーザーを光源とするレーザー光学系で構成することもでき、各感光体1に対して画像情報に応じた露光を行う。
なお、図1図中、レジストローラ対42の右側には、手差し給紙を行う場合の手差し給紙路35、手差し給紙コロ43、及び手差しトレイ34が配置されている。
ここで、中間転写ベルト21から用紙Pへのフルカラーのトナー像の転写は、次のようにして行われる。転写時において2次転写ローラ25に転写バイアスを印加して、中間転写ベルト21を介して2次転写ローラ25と第3張架ローラ24との間に転写電界を形成し、2次転写ローラ25と中間転写ベルト21とのニップ部に用紙Pを通過させることにより行なわれる。なお、給紙カセット31又は手差しトレイ34から搬送された用紙Pは、転写ニップ部の用紙搬送方向上流側に配置されたレジストローラ対42により、転写ニップ部に搬送される中間転写ベルト21上のトナー像のタイミングに合わせ、転写ニップ部に搬送される。
なお、以下の説明では、定着装置15により加熱定着された用紙Pの、トナーが軟化した状態で付着している側を用紙Pの表側と呼称し、その反対側を用紙Pの裏側と呼称して説明する。また、冷却搬送装置100に有した各構成部材の方向を説明する場合には、冷却部材により、搬送ベルトを介して熱を吸熱して冷却する用紙Pの搬送方向に平行な方向を用紙搬送方向と呼称して説明する。
本実施形態の冷却搬送装置100の実施例1について、図を用いて説明する。
図2は、本実施例に係る冷却搬送装置100の構成説明図、図3は、図2の冷却搬送装置100に有した冷却部材140についての説明図、図4は、本実施例に係る冷却搬送装置100の予備冷却動作のタイミングチャートである。図5は、本実施例に係る冷却搬送装置100で目標温度(狙いの温度)を設定する箇所の説明図である。そして、図5(a)が冷却部材140の配置と、冷却部材140に有した流路部122内を流れる冷却液の流入方向と流出方向の説明図、図5(b)が冷却搬送装置100で目標温度を設定する箇所の断面説明図である。
ここで、冷却液は、貯液タンク183に貯液されており、液送ポンプ182によって送液された後、冷却液はラジエータ181の内部流路を通過する際に外気への放熱が行われて、その温度が低下する。
このように用紙Pを冷却することで、定着装置15で加熱定着されて軟化したトナーの温度を低下させ、用紙P上のトナーを確実に硬化状態とでき、図1に示した排紙トレイ33上に排出・積載されても、所謂、ブロッキング現象の発生を抑制することができる。
したがって、定着装置15の近傍に設置される冷却搬送装置100の冷却部材140ならびに表側搬送ベルト161は、常に熱を受ける状態にある。
プリント開始後、用紙Pが冷却搬送装置100の各搬送ベルトに到達するタイミングに合わせて駆動ローラ173を駆動し、駆動ローラ173の駆動と同時に外部放熱手段180を駆動すると、加熱定着後の記録材を十分に冷却できないという不具合である。
この不具合は、本実施例のプリンタ300に限らず、一般的な冷却搬送装置を備えた画像形成装置では、加熱定着後すぐに用紙Pを冷却するため、冷却搬送装置が定着装置の用紙搬送方向下流側の近傍に配置されているために生じてしまう。
また、冷却液の循環についても同様で、駆動ローラ173の駆動に合わせて液送ポンプ182を駆動し、冷却液の循環を開始する場合、プリント初期においては、冷却効率が落ちる。
そこで、以下説明するように、待機状態からプリント開始する場合、冷却搬送装置100に用紙Pが接触する前に冷却手段を起動し、冷却部材140の温度を下げる予備冷却動作を行ってから、用紙Pを各搬送ベルトに接触させる制御を行うようにした。
なお、本実施例の冷却搬送装置100では、流路部122に流入する冷却液は、図5(a)に示すように用紙搬送方向最下流側から流入し、用紙搬送方向最上流側から流出(排出)される。
ここで、冷却部材140を冷却しているとき、各搬送ベルトは停止しているので冷却部材140よりも表側搬送ベルト161の移動方向上流側の、冷却部材140の冷却面141に接触していないベルト面は暖かいままである。
したがって、用紙Pの先端が冷却面の上流端に接触したときにベルトを介して用紙Pの熱を奪うことが可能となる。
また、用紙Pの熱を表側搬送ベルト161を介して冷却部材140で吸熱するときの、冷却部材140の用紙搬送方向最上流端の冷却面141に接触する表側搬送ベルト161の温度を、異なる構成のものに比べ低下させることができる。
したがって、待機状態からプリント開始したときの冷却搬送装置100の予備冷却動作に要する時間を、異なる構成のものよりもよりも短縮できるとともに、用紙Pを連続して冷却する場合にも、冷却搬送装置100の冷却能力を高めることができる。
さらに、上記した例では冷却部材140の温度を目標温度に冷却することとして説明したが、実際には冷却部材140内の流路部122が折り返して配置されているので、冷却部材140における用紙搬送方向上流端と下流端とで温度差がある。そこで、本実施例の場合の目標温度とは、図5(b)に示す位置Aの冷却部材140における用紙搬送方向上流端の温度としてt1を設定してもよい。
なお、本実施例では、図4のタイミングチャートのように用紙Pが冷却搬送装置100の各搬送ベルトに接触するタイミングに関係する用紙搬送系の装置の駆動の例として、給紙コロ41の駆動を例に挙げたが、レジストローラ対42の駆動であってもよい。
本実施形態の冷却搬送装置100の実施例2について、図を用いて説明する。
図6は、本実施例に係る冷却搬送装置100で目標温度を設定する箇所の説明図、図7は、復帰後から時間と、冷却部材140の温度の関係図である。
本実施例と上記した実施例1とでは、冷却部材140の流路部122に冷却液を流す方向が異なることに係る点のみが異なる。したがって、上記した実施例1と同様な、構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
このような冷却液の流入方向とした場合、用紙搬送方向最上流側の流路部122aの冷却液は用紙Pの熱を吸収するので、その冷却液が用紙搬送方向最下流側の流路部122bへ流れてしまう。したがって、実施例1と同様に位置Aの温度を目標温度に設定すると、冷却部材全体での冷却効率が悪くなる。そこで、本実施例では、冷却部材140の用紙搬送方向最下流端である図6(b)に示すBの位置(以下、位置Bという)の温度を目標温度となるように、t1を設定するようにした。
上記した実施例1の場合、定着装置15にもっとも近い流路部122aに滞在する暖かい冷却液は、ゴムチューブ184に排出され、流路部122aに流れてくる冷却液は、定着装置15から遠ざかった位置から流れてくることになる。このため、流路部122aに流れてくる冷却液は、流路部122aにもともと滞在していた冷却液よりも低い温度である。したがって、図7の太線で示すように、待機状態からプリント開始後(復帰後)は徐々に冷却液の温度が下がってくるので、これにともない冷却部材の位置Aも温度が下がる。
また、用紙Pの熱を表側搬送ベルト161を介して冷却部材140で吸熱するときの、冷却部材140の用紙搬送方向最下流端の冷却面141に接触する表側搬送ベルト161の温度を、所望の温度まで低下させることができる。
したがって、用紙搬送方向上流側から下流側に冷却液が流れるように冷却部材140の流路部122が形成された構成においても、待機状態からプリント開始したあと最初に加熱定着された用紙Pの十分な冷却を行うことができる。
本実施形態の冷却搬送装置100の実施例3について、図を用いて説明する。
図8は、本実施例に係る冷却搬送装置100の予備冷却動作のタイミングチャート、図9は、本実施例に係る冷却搬送装置100の予備冷却動作の説明図である。
本実施例と上記した実施例1又は2とでは、冷却搬送装置100の予備冷却動作に、駆動ローラ173(ベルト搬送装置)を所定時間駆動して各搬送ベルトの高温となった部分の温度を予め低下させる動作も含むことに係る点のみが異なる。したがって、上記した実施例1又は2と同様な、構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
これにより、表側搬送ベルト161と裏側搬送ベルト171の高温に晒された箇所が、加熱定着されて高温になった用紙Pが搬送されてきて接触する前に、冷やされた冷却面141に接触する。その結果、加熱定着後の用紙Pは、表側搬送ベルト161と裏側搬送ベルト171の高温でない箇所と接触することとなり、冷却性能の低下を防ぐことができる。
t2の設定として理想的な態様は、所定時間、冷却面141に接触して温度が低下した表側搬送ベルト161の部位、及びこの部位に接触している裏側搬送ベルト171の部位に、搬送されてくる用紙Pの先端が接触するというものである。
そして、各搬送ベルトの線速度をvとすると、t2は以下の式1と式2により決定できる。
L=max(L1,L2) ・・・ (式1)
t2=L/v ・・・・・・・・・ (式2)
したがって、外部放熱手段180を起動して冷却部材140の温度を下げている所定の時間:t1の間に、駆動ローラ173の駆動を開始し、温度が低下し始めた冷却部材140に各搬送ベルトを接触させて、効果的に各搬送ベルトの温度を低下させることができる。
本実施形態の冷却搬送装置100の実施例4について、図を用いて説明する。
図10は、本実施例に係る冷却搬送装置100で目標温度を設定する箇所の説明図である。そして、図10(a)が実施例1と同様、各冷却部材140の流路部122に用紙搬送方向最下流側から冷却液が流入する構成を示し、図10(b)が実施例2と同様、各冷却部材140の流路部122に、用紙搬送方向最上流が流入する構成を示している。
本実施例と上記した実施例1乃至3とでは、冷却部材140を表側搬送ベルト161と裏側搬送ベルト171の内周面に接触するように、それぞれ設けたこと係る点のみが異なる。したがって、上記した実施例1乃至3と同様な、構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
また、各冷却部材140は、ゴムチューブ184により直列で接続され、上記のように図10(a)の構成では、冷却部材140の流路部122に用紙搬送方向最下流側から冷却液が流入する。一方、図10(b)の構成では、冷却部材140の流路部122に用紙搬送方向最上流が流入する。
したがって、図10(a)の構成では、冷却部材140の用紙搬送上流端である図中、位置Aの温度が目標温度になるようにt1を設定する。一方、図10(b)の構成では、冷却部材140の用紙搬送下流端である図中、位置Bの温度が目標温度になるようにt1を設定する。
なお、冷却部材140を直列で接続したことによる冷却部材140内の流路部122の総長さが実施例1乃至3に比べ大きくなっているので、その長くなった分t1も長くなることはいうまでもない。この場合においても、定着装置のヒータがONしている間にt1が設定されるようにすれば、実施例1乃至3と同様の効果が得られる。また、実施例3に比べてベルトの周長が長い分t2が長くなるが、t1の時間内にt2が設定できれば実施例3と同様の効果が得られる。
本実施形態の冷却搬送装置100の実施例5について、図を用いて説明する。
図11は、本実施例に係る冷却搬送装置で目標温度を設定する箇所の説明図であり、(a)が断面説明図、(b)が平面説明図である。図12は本実施例に係る冷却搬送装置100の予備冷却動作のタイミングチャートである。
本実施例と上記した実施例1乃至4とでは、実施例1乃至4では冷却方式として液冷方式を採用していたのに対し、本実施例では空冷方式を採用し、冷却部材として複数の放熱フィンを有した空冷ヒートシンク150a,bを備えていることに係る点のみ異なる。したがって、上記した実施例1乃至4と同様な、構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
本実施形態の冷却搬送装置100の実施例6について、図を用いて説明する。
図13は、本実施例に係る、冷却部として機能する冷却部材の温度検知を行なわずに予備冷却動作の要否判断を行う制御の説明図である。そして、図13(a)が要否判断のフローチャート、図13(b)が、要否判断を行って冷却搬送装置100を制御するプリンタ300の制御部等のブロック図である。
本実施例は、実施例1乃至5で説明した各搬送ベルトに用紙Pが接触する前に、t1やt2を設ける予備冷却動作の要否を判断する制御を備えることに係る点のみが上記した実施例1乃至5と異なる。したがって、上記した実施例1乃至5と同様な、構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
紙の厚さが厚いほど定着装置15の熱容量を大きくするため、厚さが一定以上の場合、定着装置15の余熱の影響が大きくなることから、厚さが一定以上の場合(S103のYes)、プリンタ300の機内温度が一定(所定)の値以上か否かを判断する(S104)。一方、所定時間が経過しても紙の厚さが一定の値未満であれば、定着装置15を高温としないため熱の影響が小さい。したがって、この場合、t1を設けない(S106)。
したがって、冷却搬送装置100の予備冷却動作を効率よく行うようにプリンタ300を制御できる。また、プリンタ300の生産性低下の抑制や省電力化の促進と、待機状態からプリント動作に移行したあと最初に加熱定着された用紙Pの十分な冷却とを両立できる。
したがって、冷却搬送装置100の予備冷却動作を、更に効率よく行うように画像形成装置を制御でき、更にプリンタ300の生産性低下を抑制できるとともに、プリンタ300の省電力化も促進できる。
したがって、冷却搬送装置100の予備冷却動作を、更に効率よく行うようにプリンタ300を制御でき、更にプリンタ300の生産性低下を抑制できるとともに、プリンタ300の省電力化も促進できる。
本実施形態の冷却搬送装置100の実施例7について、図を用いて説明する。
図14は、本実施例に係る、冷却部材140又は各搬送ベルトの温度検知を行って得た値に基づいて予備冷却動作を行う制御の説明図である。そして、図14(a)が上記温度検知を行って得た値に基づいて予備冷却動作を行う制御のフローチャート、図14(b)が、冷却搬送装置100を、上記温度検知を行って得た値に基づいて予備冷却動作を制御するプリンタ300の制御部等のブロック図である。
本実施例は、上記した実施例1乃至6と冷却部材140又は各搬送ベルトの温度、すなわち冷却部材140又は各搬送ベルトの冷却温度の検知を行って得た値に基づいて予備冷却動作を制御することに係る点のみが異なる。したがって、上記した実施例1乃至6と同様な、構成や動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。
本実施例では、待機状態からプリント開始(復帰)する場合(S201:入力部からプリント指示情報を取得した場合)、図14(b)に示すファン・ポンプ駆動部を駆動し、冷却手段を稼動する(S202)。そして、上記各実施例における制御対象位置における冷却温度を検知し(S203)、その位置の温度が一定値以下であるか、すなわち、上述した目標温度になっているかを判断する(S204)。一定値以下になっていない場合(S204のNo)、一定時間だけ待機して(S205)、上記条件を満たすまで判断を繰り返す。一方、一定値以下であった場合(S204のYes)、給紙を開始する(S206)。
なお、冷却手段を稼動とするのは印刷開始のあとのステップに限られない。
例えば図13(a)に記載のフローでt1を設けると判断された場合に(S105)、冷却手段を稼動し(S202)、以下、図14(a)のフローを継続してもよい。
(態様A)
加熱定着後の用紙Pなどの記録材を表側挟持部160と裏側挟持部170などで構成されるベルト搬送機構で挟持搬送しながら冷却する冷却搬送装置100などの冷却搬送装置を備えたプリンタ300などの画像形成装置において、前記冷却搬送装置は、前記記録材の熱を前記ベルト搬送機構に有した表側搬送ベルト161などの搬送ベルトを介して吸熱する冷却部材140などの冷却部材と、該冷却部材を低温に保つ外部放熱手段180などの冷却手段とを具備しており、当該画像形成装置が待機状態の時、前記冷却手段の稼動を停止し、前記待機状態から画像形成動作への移行後、前記冷却手段を起動して前記冷却部材の温度を下げる予備冷却動作を行った後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とするものである。
また、冷却部材の温度を下げる予備冷却動作を行うので、画像形成装置が待機状態のときに冷却部材や搬送ベルトが高温になっていたとしても、記録材が搬送ベルトに接触する前に、冷却部材に接触する搬送ベルトの部分の温度を低下させることができる。したがって、記録材に接触する搬送ベルトや搬送ベルトを介して記録材の熱を吸熱する冷却部材と加熱定着後の記録材との温度差を大きくでき、待機状態から画像形成動作に移行した際の冷却搬送装置の冷却能力の低下を抑制できる。
よって、加熱定着後の記録材を搬送ベルトで挟持搬送しながら冷却する冷却搬送装置の消費電力を低減しつつ、待機状態から画像形成動作に移行したあと最初に加熱定着された記録材でも、十分な冷却を行うことができる画像形成装置を提供できる。
(態様A)において、用紙Pなどの前記記録材が表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171などの前記搬送ベルトに接触するタイミングに先行して開始する前記予備冷却動作の時間は、冷却部材140などの前記冷却部材の温度を所定の目標温度まで低下させるのに要する外部放熱手段180などの前記冷却手段の駆動時間であることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至7)で説明したように、記録材を搬送ベルトに接触させる前に行う予備冷却動作で、記録材を十分に冷却できる所定の目標温度まで冷却部材の温度を予め低下させることができる。したがって、待機状態からプリント開始などの画像形成動作に移行したときの冷却搬送装置100などの冷却搬送装置の冷却能力の低下を、確実に低減できる。
(態様A)又は(態様B)において、用紙Pが表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171に接触する前に、外部放熱手段180を駆動して冷却部材140の温度を低下させるなどの前記予備冷却動作に、表側挟持部160と裏側挟持部170などで構成される前記ベルト搬送機構を所定時間駆動して前記搬送ベルトの高温となった部分の温度を予め低下させる動作も含むことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例3(乃至7)で説明したように、次のような効果を奏することができる。用紙Pなどの記録材を搬送ベルトに接触させる前に行う予備冷却動作で、搬送ベルトの高温となった部分の温度を予め低下させることができ、待機状態から画像形成動作に移行した際の冷却搬送装置の冷却能力の低下を、更に低減できる。
(態様C)において、外部放熱手段180などの前記冷却手段を起動して冷却部材140などの前記冷却部材の温度を下げている所定の時間:t1などの間に、表側挟持部160と裏側挟持部170などで構成される前記ベルト搬送機構の駆動を開始することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例3(乃至7)で説明したように、次のような効果を奏することができる。冷却手段を起動して前記冷却部材の温度を下げている間に、ベルト搬送機構の駆動を開始するので、温度が低下し始めた冷却部材に表側搬送ベルト161などの搬送ベルトを接触させて、効果的に搬送ベルトの温度を低下させることができる。
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、外部放熱手段180などの前記冷却手段は、その構成部材として、少なくともラジエータ181などのラジエータと、冷却部材140などの前記冷却部材に有した冷却液が流れる流路部122などの流路と、冷却液搬送方向の上流側に配置された構成部材の流出口と、下流側に配置された構成部材の流入口とを繋いで冷却液を流すゴムチューブ184などの外部流路とを具備し、前記ラジエータの内部流路と前記冷却部材に有した前記流路との間で冷却液を循環させて、前記冷却部材で吸熱した用紙Pなどの前記記録材の熱を前記ラジエータに伝達して放熱させる液冷方式であることを特徴とするものである。
したがって、待機状態からプリント開始などの画像形成動作に移行したときの冷却搬送装置の冷却能力の低下を空冷方式のものに比べて、より抑制できるとともに、予備冷却動作に要する時間も短縮できる。
また、定着装置15などの定着装置のヒータなどの加熱部材をウォームアップする間に予備冷却動作を完了することも可能である。このため、画像形成装置の生産性を低下させることなく、待機状態から画像形成動作に移行したあと最初に加熱定着された記録材でも、十分な冷却を行うことができる。
(態様E)において、ラジエータ181などの前記ラジエータの前記内部流路の流出口と冷却部材140などの前記冷却部材の流路部122などの前記流路の流入口とを直にゴムチューブ184などの前記外部流路で接続していることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至7)で説明したように、ラジエータによって冷却された冷却液を、冷却後すぐに冷却部材に有した流路に供給することでができ、冷却部材の温度を所望の温度まで低下させる時間を短縮できる。
したがって、待機状態から画像形成動作に移行したときの冷却搬送装置の予備冷却動作に要する時間を、ラジエータと冷却部材との間に他の液冷方式の構成部材を設ける構成よりも短縮できる。
(態様E)又は(態様F)において、冷却搬送装置100などの前記冷却搬送装置は、用紙搬送方向などの用紙搬送方向などの記録材搬送方向下流側から上流側に冷却液が流れるように冷却部材140などの前記冷却部材の流路部122などの前記流路が形成され、前記冷却部材の位置Aなどの記録材搬送方向最上流端の温度を下げた後、用紙Pなどの前記記録材を表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171などの前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(又は4)で説明したように、次のような効果を奏することができる。用紙Pなどの記録材の熱を搬送ベルトを介して冷却部材で吸熱するときの、冷却部材の記録材搬送方向最上流端の冷却面に接触する搬送ベルトの温度を、異なる構成のものに比べ低下させることができる。
したがって、待機状態からプリント開始などの画像形成動作に移行したときの冷却搬送装置の予備冷却動作に要する時間を、異なる構成のものよりもよりも短縮できるとともに、記録材を連続して冷却する場合にも、冷却搬送装置の冷却能力を高めることができる。
(態様E)又は(態様F)において、冷却搬送装置100などの前記冷却搬送装置は、用紙搬送方向などの記録材搬送方向上流側から下流側に冷却液が流れるように冷却部材140などの前記冷却部材の流路部122などの前記流路が形成され、位置Bなどの前記冷却部材の記録材搬送方向最下流端の温度を下げた後、用紙Pなどの前記記録材を表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171などの前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例2(又は4)で説明したように、記録材の熱を搬送ベルトを介して冷却部材で吸熱するときの、冷却部材の記録材搬送方向最下流端の冷却面に接触する搬送ベルトの温度を、所望の温度まで低下させることができる。
したがって、記録材搬送方向上流側から下流側に冷却液が流れるように冷却部材の流路が形成された構成においても、待機状態から画像形成動作に移行したあと最初に加熱定着された記録材の十分な冷却を行うことができる。
(態様A)乃至(態様H)のいずれかにおいて、プリント開始などの画像形成動作への移行する際、直前のプリント動作などの画像形成時における表側挟持部160と裏側挟持部170などで構成される前記ベルト搬送機構の駆動停止から所定時間以上経過している場合に、前記予備冷却動作を行った後、用紙Pなどの前記記録材を表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171などの前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とするものである。
したがって、冷却搬送装置100などの冷却搬送装置の予備冷却動作を効率よく行うようにプリンタ300などの画像形成装置を制御できる。また、画像形成装置の生産性低下の抑制や省電力化の促進と、待機状態から画像形成動作に移行したあと最初に加熱定着された記録材の十分な冷却とを両立できる。
(態様I)において、直前にプリント動作などの画像形成を行った用紙Pなどの記録材の厚さが所定の厚さ以上であった場合に、前記予備冷却動作を行った後、前記記録材を表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171などの前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とするものである。
したがって、冷却搬送装置の予備冷却動作を、更に効率よく行うように画像形成装置を制御でき、(態様I)よりも画像形成装置の生産性低下を抑制できるとともに、画像形成装置の省電力化も促進できる。
(態様J)において、プリンタ300などの当該画像形成装置の装置本体200などの装置内部又は外部環境の温度を検知する機内温度検知部などの環境温度検知手段を有し、前記環境温度検知手段で検知した温度の値が所定の値以上であった場合に、前記予備冷却動作を行った後、用紙Pなどの前記記録材を表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171などの前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とするものである。
(態様A)乃至(態様K)のいずれかにおいて、冷却部材140などの前記冷却部材又は該冷却部材近傍の温度を検知する冷却温度検知部などの冷却部材温度検知手段を有し、前記予備冷却動作を開始した後、前記冷却部材温度検知手段で検知した温度の値が所定の値以下となった後、用紙Pなどの前記記録材を表側搬送ベルト161や裏側搬送ベルト171などの前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例7で説明したように、予備冷却動作を開始した後、冷却部材温度検知手段で検知した温度の値が所定の値、すなわち、温度を制御したい部分が目標温度の値以下となるまで、予備冷却動作を継続する制御が行える。
したがって、温度を制御したい部分が目標温度の値以下となるまで、記録材の給紙を行わないという制御が可能となるとともに、何らかの理由で外部放熱手段180などの冷却手段の冷却能力が低下している場合でも、記録材の十分な冷却を確実に行うことができる。
2 光書き込み装置
3 現像装置
4 感光体クリーニング装置
5 帯電装置
10 画像ステーション
11 1次転写ローラ
15 定着装置
21 中間転写ベルト
22 第1張架ローラ
23 第2張架ローラ
24 第3張架ローラ
25 2次転写ローラ
26 クリーニング対向ローラ
27 ベルトクリーニング装置
31 給紙カセット
32 用紙搬送路
33 排紙トレイ
34 手差しトレイトレイ
35 手差し給紙路
36 反転用紙搬送路
41 給紙コロ(給紙カセット31)
42 レジストローラ対
43 手差し給紙コロ
100 冷却搬送装置
122(a,b) 流路部
140(a,b) 冷却部材(液冷プレート)
141 冷却面(液冷プレート)
150(a,b) 空冷ヒートシンク
151(a,b) 冷却面(空冷ヒートシンク150)
155 送風ファン(空冷ヒートシンク150)
160 表側挟持部
161 表側搬送ベルト
162 表側従動ローラ
170 裏側挟持部
171 裏側搬送ベルト
172 裏側従動ローラ
173 駆動ローラ
180 外部放熱手段
181 ラジエータ
182 液送ポンプ
183 貯液タンク
184 ゴムチューブ
185 送風ファン(外部放熱手段180)
200 装置本体
300 プリンタ
P 用紙
t1 冷却手段駆動開始タイミング(予備冷却動作として冷却手段を駆動する時間)
t2 搬送ベルト駆動開始タイミング(予備冷却動作としてベルト搬送機構を駆動する時間)
Claims (12)
- 加熱定着後の記録材をベルト搬送機構で挟持搬送しながら冷却する冷却搬送装置を備えた画像形成装置において、
前記冷却搬送装置は、前記記録材の熱を前記ベルト搬送機構に有した搬送ベルトを介して吸熱する冷却部材と、該冷却部材を低温に保つ冷却手段とを具備しており、
当該画像形成装置が待機状態の時、前記冷却手段の稼動を停止し、
前記待機状態から画像形成動作への移行後、前記冷却手段を起動して前記冷却部材の温度を下げる予備冷却動作を行った後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行い、
前記記録材が前記搬送ベルトに接触するタイミングに先行して開始する前記予備冷却動作の時間は、前記冷却部材の温度を所定の目標温度まで低下させるのに要する前記冷却手段の駆動時間であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
画像形成動作への移行する際、直前の画像形成時における前記ベルト搬送機構の駆動停止から所定時間以上経過している場合に、前記予備冷却動作を行った後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 加熱定着後の記録材をベルト搬送機構で挟持搬送しながら冷却する冷却搬送装置を備えた画像形成装置において、
前記冷却搬送装置は、前記記録材の熱を前記ベルト搬送機構に有した搬送ベルトを介して吸熱する冷却部材と、該冷却部材を低温に保つ冷却手段とを具備しており、
当該画像形成装置が待機状態の時、前記冷却手段の稼動を停止し、
前記待機状態から画像形成動作への移行後、前記冷却手段を起動して前記冷却部材の温度を下げる予備冷却動作を行った後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うとともに、
画像形成動作への移行する際、直前の画像形成時における前記ベルト搬送機構の駆動停止から所定時間以上経過している場合に、前記予備冷却動作を行った後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
直前に画像形成を行った記録材の厚さが所定の厚さ以上であった場合に、前記予備冷却動作を行った後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、
当該画像形成装置の装置内部又は外部環境の温度を検知する環境温度検知手段を有し、
前記環境温度検知手段で検知した温度の値が所定の値以上であった場合に、前記予備冷却動作を行った後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一に記載の画像形成装置において、
前記予備冷却動作に、前記ベルト搬送機構を所定時間駆動して前記搬送ベルトの高温となった部分の温度を予め低下させる動作も含むことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6に記載の画像形成装置において、
前記冷却手段を起動して前記冷却部材の温度を下げている間に、前記ベルト搬送機構の駆動を開始することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一に記載の画像形成装置において、
前記冷却手段は、その構成部材として、少なくともラジエータと、前記冷却部材に有した冷却液が流れる流路と、冷却液搬送方向の上流側に配置された構成部材の流出口と、下流側に配置された構成部材の流入口とを繋いで冷却液を流す外部流路とを具備し、前記ラジエータの内部流路と前記冷却部材に有した前記流路との間で冷却液を循環させて、前記冷却部材で吸熱した前記記録材の熱を前記ラジエータに伝達して放熱させる液冷方式であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8に記載の画像形成装置において、
前記ラジエータの前記内部流路の流出口と前記冷却部材の前記流路の流入口とを直に前記外部流路で接続していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は9に記載の画像形成装置において、
前記冷却搬送装置は、記録材搬送方向下流側から上流側に冷却液が流れるように前記冷却部材の前記流路が形成され、
前記冷却部材の記録材搬送方向最上流端の温度を下げた後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は9に記載の画像形成装置において、
前記冷却搬送装置は、記録材搬送方向上流側から下流側に冷却液が流れるように前記冷却部材の前記流路が形成され、
前記冷却部材の記録材搬送方向最下流端の温度を下げた後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一に記載の画像形成装置において、
前記冷却部材又は該冷却部材近傍の温度を検知する冷却部材温度検知手段を有し、
前記予備冷却動作を開始した後、前記冷却部材温度検知手段で検知した温度の値が所定の値以下となった後、前記記録材を前記搬送ベルトに接触させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
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