JP6124122B2 - 冷却装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、用紙等のシート状の記録材を冷却する冷却装置、及びこの冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらを備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置として、記録材上に担持したトナー像に、定着装置で熱を加えて記録材上に定着するものが従来から知られている。そして、トナー像が定着された複数の記録材が、画像形成装置の排紙トレイ上にストックされて積み重なった状態となる場合がある。
このように積み重なる際には、各記録材が熱を持ったまま排紙トレイ上にスタックされていくことになる。このため、各記録材内にこもった熱によってトナーが軟化し、さらに記録材が重なることで自重による圧力が生じ、軟化したトナーによって記録材同士が貼り付くことになる。このように貼り付いた場合、無理に剥がそうとするとトナー像が壊れるおそれがある。このように重なった記録材同士がくっついてしまうことをブロッキングと呼び、この現象を抑制するためには、加熱定着後の記録材を十分に冷却するための装置が必要となる。
従来から、記録材を搬送しながら冷却する装置として、1対の搬送ベルトを有したベルト搬送手段で記録材を挟持搬送しながら、冷却部材で搬送ベルトを介して記録材から熱を吸熱し、冷却する冷却装置が知られている。また、記録材を片面からだけでなく両面から冷却し、高い効率で冷却する冷却装置も知られている(特許文献1)。
しかしながら、上記のように1対の搬送ベルトで記録材を挟持搬送しながら両面から冷却する冷却装置には、次のような問題があった。
画像形成中に何らかの理由でベルト搬送手段で挟持搬送中の記録材の搬送が停止すると、搬送ベルトに挟持され、搬送ベルトを介して冷却部材に対向する位置まで到達する前の記録材は、担持したトナー像が高温で軟化した状態で搬送ベルトと接触し続ける。このように接触し続けると、トナーが搬送ベルトに固着してしまうおそれがある。トナーが搬送ベルトに固着してしまうと、搬送ベルト上のトナーにより記録材と搬送ベルトとの密着性が悪くなり冷却性能が低下したり、搬送ベルト上のトナーが記録材上のトナー像に再度付着したり、記録材上のトナー像にキズをつけたりする。このため、記録材の搬送を復帰させるためには、搬送ベルト上に固着したトナーの清掃や搬送ベルトの交換など、煩雑な作業が必要になるという問題があった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次のような冷却装置を提供することである。記録材を挟持搬送する搬送ベルトを備えた冷却装置であって、挟持搬送中に記録材の搬送が停止しても、記録材上に担持したトナーが搬送ベルトに固着することを抑制できる冷却装置である。
上記目的を達成するために、発明は、対向する搬送ベルトで記録材を挟持搬送するベルト搬送手段と、前記ベルト搬送手段で挟持搬送されている前記記録材を冷却する冷却部材と、前記搬送ベルトで前記記録材を挟持する挟持状態と、挟持しない非挟持状態とに切り替える駆動手段を有する切替手段と、前記ベルト搬送手段の前記搬送ベルトで搬送中の前記記録材の搬送が停止したときに、前記搬送ベルトを前記挟持状態から前記非挟持状態に切り替えるように前記切替手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明は、記録材を挟持搬送する搬送ベルトを備えた冷却装置であって、挟持搬送中に記録材の搬送が停止しても、記録材上に担持したトナーが搬送ベルトに固着することを抑制できる冷却装置を提供できる。
一実施形態に係る画像形成装置の全体構成図。 冷却装置の側面図。 図2に示す冷却装置の装置奥側から見た斜視図。 実施例1に係る切替手段の動作説明図。 実施例1に係る切替手段に有したモータ離接手段の動作説明図。 制御装置による切替手段の制御の流れを示すフローチャート。 切替手段を制御する制御手段のブロック図。 実施例2に係る切替手段の動作説明図。 実施例2に係る切替手段に有したベルト離接手段の動作説明図。 実施例3に係る切替手段の動作説明図。 変形例に係る冷却装置の側面図。
以下、本発明を画像形成装置に備えた冷却装置に適用した一実施形態について、複数の実施例を挙げ、図を用いて説明する。まず、各実施例に共通する本実施形態の画像形成装置である複合機300の概略について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置である複合機300の全体構成図、図2は、冷却装置9の側面図、図3は、図2に示す冷却装置9の装置奥側から見た斜視図である。
本実施形態の複合機300は、図1に示すように、装置本体100の上方に原稿を読み取るスキャナー部200を設けている。そして、パソコン等の外部機器から受信した画像データや、スキャナー部200で読み取った原稿の画像データに基づき、シート状の記録材である用紙P上に電子写真方式での画像形成を行うものである。ここで、スキャナー部200の構成としては、周知の構成のものを利用できるので、その説明は省略し、以下の説明では、プリンタ機能を担う装置本体100の構成、及び動作について説明する。
図1に示すように、複合機300の装置本体100は、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,C,M,Bkを、転写装置7に有した中間転写体である中間転写ベルト10の展張面上に並べて配設したタンデム型の画像形成部を備える。プロセスユニット1Y,C,M,Bkは、装置本体100に着脱可能に構成されており、それぞれカラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成である。
具体的には、各プロセスユニット1は、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4とを備えている。また、感光体2の表面を清掃するクリーニング手段としてのクリーニングブレード5も備えている。なお、図1では、イエロー(Y)のプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1C,M,Bkにおいては符号を省略している。
図1に示すように、各プロセスユニット1の上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザ光を照射するようになっている。
また、各プロセスユニット1の下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、上記したように中間転写体として、無端状のベルトから構成される中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、支持部材としての第1張架ローラ21、第2張架ローラ22、及び第3張架ローラ23にその内周面が張架されており、外周面からテンションローラ24により内周側に押圧されて張力を与えられている。また、第1張架ローラ21、第2張架ローラ22、及び第3張架ローラの内の1つが駆動ローラとして回転することによって、中間転写ベルト10は、図1図中時計回り(図1図中、矢印方向)に無端移動(周回走行)するように構成されている。
また、中間転写ベルト10を介して、4つの感光体2に対向した位置には、1次転写手段としての4つの1次転写ローラ11が配置されている。各1次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト10の内周面を押圧しており、中間転写ベルト10の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に1次転写ニップが形成されている。各1次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が1次転写ローラ11に印加されるようになっている。
また、中間転写ベルト10を張架する第3張架ローラ23に対向した位置には、2次転写手段としての2次転写ローラ12が配設されている。この2次転写ローラ12は中間転写ベルト10の外周面を押圧しており、2次転写ローラ12と中間転写ベルト10とが接触する箇所に2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ12は、1次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が2次転写ローラ12に印加されるようになっている。
装置本体100の下部には、シート状の記録材としての転写紙やOHP等の用紙Pを収容した複数の給紙カセット13が配置されている。各給紙カセット13には、収容されている用紙Pを送り出す給紙ローラ14が設けてある。また、装置本体100の図の左側の外面には、機外に排出された用紙Pをストックする排紙トレイ20が設けてある。
装置本体100内には、用紙Pを給紙カセット13から2次転写ニップを通って排紙トレイ20へ搬送するための搬送路Rが配設されている。この搬送路Rにおいて、2次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向上流側にはレジストローラ15が配設されている。また、2次転写ローラ12の位置よりも用紙搬送方向下流側には、定着装置8、冷却装置9、一対の排出ローラ16が順次配置されている。定着装置8は、例えば、内部に図示しないヒータを有する定着部材としての定着ローラ17と、定着ローラ17を加圧する加圧部材としての加圧ローラ18を備える。定着ローラ17と加圧ローラ18とが接触した箇所には、定着ニップが形成される。
以下、図1を参照して複合機300の基本的動作について説明する。パソコン等の外部機器から画像データを受信して作像動作が開始されると、各プロセスユニット1の感光体2が図1図中の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。また、外部機器から画像データが図示しない画像処理部によって処理された画像情報に基づいて、露光装置6から帯電された各感光体2の表面にレーザ光が照射され、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このようにして感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、中間転写ベルト10を張架する張架ローラの1つが回転駆動し、中間転写ベルト10を図1図中の時計回り(図1図中、矢印の方向)に周回走行させる。また、各1次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各1次転写ローラ11と各感光体2との間の1次転写ニップにおいて1次転写電界が形成される。そして、各感光体2に形成された各色のトナー像が、各1次転写ニップにおいて形成された1次転写電界によって、中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写される。このようにして、中間転写ベルト10は、その表面上にフルカラーのトナー像を担持する。また、中間転写ベルト10に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去され、次の画像形成に備える。
一方、給紙ローラ14が回転駆動されることによって、給紙カセット13から用紙Pが搬出される。搬出された用紙Pは、中間転写ベルト10上に担持されたトナー像に同期するように、レジストローラ15によってタイミングを計られて、2次転写ローラ12と中間転写ベルト10との間の2次転写ニップに搬送される。このとき2次転写ローラ12には、中間転写ベルト10上のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加されており、これにより、2次転写ニップに2次転写電界が形成されている。そして、2次転写ニップに形成された2次転写電界によって、中間転写ベルト10上のトナー像が用紙P上に一括して2次転写される。
その後、トナー像が2次転写された用紙Pは定着装置8に搬送され、定着ローラ17と加圧ローラ18によって用紙Pが加圧及び加熱されて、トナー像が用紙P上に定着される。そして、用紙Pは、冷却装置9によって冷却された後、一対の排出ローラ16によって排紙トレイ20に排出されることとなる。
以上の説明は、用紙P上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作である。しかし、本実施形態の複合機300では、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
ところで、冷却装置9は、図2に示すように、定着装置8の定着ニップ部で加熱された用紙Pを、定着された直後の溶融したトナーが付着した側(以下、表側という)と、その反対側(以下、裏側という)から挟持搬送するベルト搬送手段30を備えている。また、ベルト搬送手段30には、用紙Pを表側から挟持する表側搬送ベルト56を有した表側ベルト搬送機構31と、用紙Pを裏側から挟持する裏側搬送ベルト59を有した裏側ベルト搬送機構32とを備えている。このようにベルト搬送手段30には、1対の対向する搬送ベルトである表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59とを有している。
そして、表側搬送ベルト56の用紙Pを挟持する展張面の内周側には、表側搬送ベルト56を介して用紙Pの熱を吸熱して冷却する表側冷却部材33aが、無端移動する表側搬送ベルト56に接触するように配置されている。一方、裏側搬送ベルト59の用紙Pを挟持する展張面の内周側には、裏側搬送ベルト59を介して用紙Pの熱を吸熱して冷却する裏側冷却部材33bが、無端移動する裏側搬送ベルト59に接触するように配置されている。
表側冷却部材33aと裏側冷却部材33bとは、表側冷却部材33aが用紙Pの搬送方向下流側に、裏側冷却部材33bが用紙Pの搬送方向上流側に、それぞれ用紙Pの搬送方向に沿ってずれて配置されている。但し、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、各冷却部材33の配置は、設計条件に応じて、適宜、変更可能である。また、一方の表側冷却部材33aは、下面が僅かに膨出した扁平円弧面状の表側吸熱面34aとされ、他方の裏側冷却部材33bは、上面が僅かに膨出した扁平円弧面状の裏側吸熱面34bとされている。そして、各冷却部材33の内部には、冷却液が流れる内部流路(冷却液流路)が形成されている。
この冷却装置9は、図3に示すように液冷方式の冷却装置であり、高温状態にある用紙Pからの熱を受ける受熱部45と、受熱部45の熱を放熱する放熱部46と、受熱部45と放熱部46とを冷却液が循環する循環路47とを有する冷却液循環回路44を備える。この循環路47内には、冷却液を循環させるためのポンプ48と、冷却液を溜める液溜タンク49とが配置されている。そして、各冷却部材33を受熱部45として機能させる。また、放熱部46はラジエータ等からなる。冷却液としては、水を主成分とし、凍結温度を下げるためのプロピレングリコール又はエチレングリコールや、金属製の部品の錆を防止するための防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)が添加されたもの等が用いられる。
循環路47としては、表側冷却部材33aの表側流入口41aと放熱部46としてのラジエータとを連結する配管50と、表側冷却部材33aの表側流出口42aと裏側冷却部材33bの裏側流入口41bとを連結する配管51を備えている。また、裏側冷却部材33bの裏側流出口42bと液溜タンク49とを連結する配管52と、液溜タンク49とポンプ48とを連結する配管53と、ポンプ48と放熱部46としてのラジエータとを連結する配管54も備えている。
表側ベルト搬送機構31は、複数個(図示例では4個)の従動ローラである表側張架ローラ55a,b,c,dと、これらの表側張架ローラ55に掛け回される表側搬送ベルト56とを備えている。また、裏側ベルト搬送機構32は、複数個(図示例では4個)の裏側張架ローラ57a,b,c,dと、これらの裏側張架ローラ57に掛け回される裏側搬送ベルト59とを備える。ここで、裏側張架ローラ57aは裏側搬送ベルト59を回転駆動する駆動ローラであり、3個の裏側張架ローラ57b,c,dは従動ローラである。
このため、用紙Pを搬送する際には、表側ベルト搬送機構31の表側搬送ベルト56と裏側ベルト搬送機構32の裏側搬送ベルト59とで、用紙Pを挟持搬送することになる。すなわち、駆動ローラである裏側張架ローラ57aが回転駆動されることで、図2に示すように、裏側搬送ベルト59が矢印A方向に無端移動する。そして、表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59との間に挟まれた用紙Pを介して、裏側ベルト搬送機構32の裏側搬送ベルト59の無端移動にともなって、表側ベルト搬送機構31の表側搬送ベルト56が矢印B方向に無端移動する。これにより、用紙Pは矢印C方向沿って、上流側から下流側へと搬送される。
次に、上記のように構成された冷却装置9の動作について説明する。
用紙Pを挟持搬送する場合、図2等に示すように、表側ベルト搬送機構31と裏側ベルト搬送機構32とを近接させた状態とする。図2に示す状態では、裏側ベルト搬送機構32の駆動ローラである裏側張架ローラ57aを回転駆動させれば、上記のように、表側搬送ベルト56及び裏側搬送ベルト59がそれぞれ図中、矢印B及び矢印A方向に走行して、用紙Pは矢印C方向に走行する。この状態で、上記した冷却液循環回路44で冷却液を循環させる。すなわち、ポンプ48を駆動することによって、表側冷却部材33aと裏側冷却部材33bの各内部流路内に冷却液を流す。
このとき、表側ベルト搬送機構31の表側搬送ベルト56の内周面が、表側冷却部材33aの表側吸熱面34aを摺動し、裏側ベルト搬送機構32の裏側搬送ベルト59の内周面が、裏側冷却部材33bの裏側吸熱面34bを摺動する。このため、用紙Pの裏面(下面)側から、裏側搬送ベルト59を介して裏側冷却部材33bは用紙Pの熱を吸熱する。
また、用紙Pの表面(上面)側から、表側搬送ベルト56を介して表側冷却部材33aは用紙Pの熱を吸熱する。このとき、表側冷却部材33a及び裏側冷却部材33bが吸熱した熱量を冷却液が外部に輸送することで表側冷却部材33a及び裏側冷却部材33bは低温に保たれる。
すなわち、ポンプ48を駆動することによって、冷却液は、冷却液循環回路44内を循環して、表側冷却部材33a及び裏側冷却部材33bの各内部流路内を流れる際に各冷却部材33の熱量を吸熱して高温となる。そして、放熱部46として機能するラジエータを通過する際に、高温となった冷却液の熱量が外気へ放熱され、その温度が低下する。その後、低温となった冷却液が再度、表側冷却部材33a及び裏側冷却部材33bの各内部流路内を流れて、表側冷却部材33a及び裏側冷却部材33bが吸熱した熱量を、放熱部46として機能するラジエータに輸送する。このサイクルを繰り返すことによって、用紙Pは、表側搬送ベルト56及び裏側搬送ベルト59を介して両面から冷却されることとなる。
上記のようにして冷却装置9では、用紙Pを冷却することができ、用紙Pが熱を持ったまま排紙トレイにスタックされていくことがなくなる。このため、ブロッキングを有効に防止でき、重なった用紙P同士がくっついてしまうことなく、排紙トレイに用紙Pをスタックしていくことができる。
次に、本実施形態の特徴部である冷却装置9に有した、表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59とが用紙Pを挟持する挟持状態と、挟持しない非挟持状態とを切替える切替手段60について、複数の実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、本実施形態の冷却装置9に有した切替手段60の実施例1について、図を用いて説明する。
図4は、本実施例に係る切替手段60の動作説明図であり、(a)が各搬送ベルトを挟持状態にしたときの説明図、(b)が各搬送ベルトを非挟持状態にしたときの説明図である。図5は、本実施例に係る切替手段60に有したモータ離接手段70の動作説明図であり、(a)が挟持状態の側面説明図、(b)が移動ブロック76a,bの支持方法の断面説明図、(c)が非挟持状態の側面説明図である。図6は、制御装置65による切替手段60の制御の流れを示すフローチャート、図7は、切替手段60を制御する制御装置65のブロック図である。
なお、本実施例の冷却装置9の構成は、駆動手段としてモータ離接手段70を用いた切替手段60を備えていることに係る構成を除き、図2及び図3を用いて説明した冷却装置と同様である。したがって、以下の説明では、図2及び図3を用いて説明した冷却装置と同様な構成・動作については、適宜、省略して説明する。
図4(a),(b)に示すように、冷却装置9の表側ベルト搬送機構31は、装置奥側に設けられた可動ベース61とユニット化され、裏側ベルト搬送機構32は、装置奥側に設けられた固定ベース62にユニット化されている。
また、駆動手段であるモータ離接手段70は、図4図中、上下方向に移動可能な可動ベース61、位置が固定された固定ベース62、及び固定ベース62に対して可動ベース61を離接させるベース離接手段71,72とから構成されている。
ここで、ベース離接手段71,72は、同一の構成であるため、図5を用いてベース離接手段71について説明する。図5(a),(c)に示すように、ベース離接手段71は、可動ベース61、ガイドレール63、移動ブロック76a,b、リードスクリュ74、駆動モータ73、及びモータブラケット75から構成されている。可動ベース61には、表側ベルト搬送機構31の装置奥側の側板(不図示)が一体に設けられ、ガイドレール63とモータブラケット75は本体側板101に固定されている。移動ブロック76a,bには、本体側板101側にガイドレール63のガイド溝64と嵌め合って上下方向に擦動する突起部が設けられ、図5(b)に示すように略中央にリードスクリュ74に螺合するナット状の内歯が形成された孔77a,bが設けられている。また、モータブラケット75を介して本体側板101に固定されたステッピングモータである駆動モータ73の出力軸には、同軸でリードスクリュ74が設けられている。
そして、リードスクリュ74が駆動モータ73の所定の方向の回転駆動により、例えば図5(a)に示す挟持状態から図5(c)に示す非挟持状態に、移動ブロック76a,bに固定された可動ベース61が、上方に移動する。一方、上記所定の方向と逆方向に駆動モータ73を回転させることで、図5(c)に示す非挟持状態から、図5(a)に示す挟持状態に、移動ブロック76a,bに固定された可動ベース61が、下方に移動する。
このように可動ベース61が上下方向に移動することで、可動ベース61に一体にユニット化された表側ベルト搬送機構31が、固定ベース62に一体にユニット化された裏側ベルト搬送機構32に対して離接するように移動する。したがって、表側ベルト搬送機構31に有した表側搬送ベルト56と、裏側ベルト搬送機構32に有した裏側搬送ベルト59との間の距離が、駆動モータ73の回転駆動により変化することになる。
上記のように構成することで、次のような効果を奏することができる。画像形成中に何らかの理由で用紙Pの搬送が停止しても、ベルト搬送手段30により搬送され、裏側搬送ベルト59を介して裏側冷却部材33bに対向する位置まで到達する前の用紙P上のトナー像が表側搬送ベルト56と接触し続けることを避けることができる。
よって、用紙Pを挟持搬送する1対の搬送ベルトである各搬送ベルトを備えた冷却装置であって、挟持搬送中に用紙Pの搬送が停止しても、用紙P上に担持したトナーが表側搬送ベルト56に固着することを抑制できる冷却装置9を提供できる。
なお、本実施形態の複合機300は、用紙Pを反転させるための用紙反転路を備えておらず、用紙Pの両面に画像形成を行うことができないが、用紙Pの両面に画像形成が行える画像形成装置に本実施例の冷却装置9を備えることもできる。用紙Pの両面に画像形成が可能な画像形成装置に本実施例の冷却装置9を備えることで、定着直後のトナーの固着だけではなく、先行して裏側に定着されたトナーの裏側搬送ベルト59への固着も抑制することができる。また、冷却装置9のすぐあとに排紙トレイ20を設けたものに限られず、後処理装置を設けたものでもよい。
また、本実施例の切替手段60は、対向する1対の搬送ベルトである表側ベルト搬送機構31に有した表側搬送ベルト56と、裏側ベルト搬送機構32に有した裏側搬送ベルト59との間の距離を変化させる離接手段としてモータ離接手段70を有している。
このように切替手段60に離接手段であるモータ離接手段70を有することで、表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59との間の距離を変化させて離間させることができ、確実に挟持状態と非挟持状態とを切り替えることができる。
さらに、切替手段60に有した駆動手段であるモータ離接手段70による表側ベルト搬送機構31の上下方向の移動は、冷却装置9に備えた制御装置65により制御することで行われる。すなわち、冷却装置9は、モータ離接手段70を有した切替手段60を制御する制御装置65を備えている。
このように構成することで、何らかの理由で冷却装置9を備えた複合機300内での用紙Pの搬送を停止した際などに、必要に応じて自動で各搬送ベルトの挟持状態と非挟持状態とを切り替えることができる。したがって、冷却装置9内で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
次に図6のフローチャートを用いて、制御装置65によるモータ離接手段70を有した切替手段60の制御フローの例を説明する。
本実施例の冷却装置9では、複合機300の電源が入ると、制御装置65はモータ離接手段70の各ベース離接手段の駆動モータ73を正回転に回転させて可動ベース61を下方へ移動させ、図4(a)に示す挟持状態にする(ステップ1)。
次に、複合機300が出力(画像形成)を開始(ステップ2)すると、制御装置65は、用紙搬送停止か否かを判断する(ステップ3)。用紙搬送停止、つまりYesの場合は、制御装置65により各駆動モータ73を逆回転に回転させて、可動ベース61を図4図中、上方へ移動させて、図4(b)に示す非挟持状態に移行する(ステップ4)。
一方、用紙搬送停止か否かを判断で(ステップ3)、否、つまりNoの場合は、画像形成動作が終了しているか否かを判断する(ステップ5)。そして、図7のブロック図に示すように、本体制御部110から入力部68に入力された情報に基づいて、画像形成動作が終了していなければ、用紙搬送停止か否かを判断(ステップ3)に戻り、画像形成動作が終了していれば終了する。
次に、用紙搬送停止との判断(ステップ3のYes)で、制御装置65により各駆動モータ73を逆回転に回転させ、図4(b)に示す非挟持状態に移行する(ステップ4)。非挟持状態に移行した(ステップ4)あと、非挟持状態の解除指令の有無を判断する(ステップ6)。この非挟持状態の解除指令の有無を判断(ステップ6)で、例えばジャム処理等が終了して非挟持状態の解除指令を受信した場合、つまりYesの場合は、制御装置65により各駆動モータ73を正回転に回転させ、図4(a)に示す挟持状態に戻る(ステップ1)。
一方、非挟持状態の解除指令を受信していない場合、つまりNoの場合は、非挟持状態の解除指令の有無の判断(ステップ6)を繰り返す。こうすることで、用紙搬送が緊急停止した場合に、各搬送ベルトを非挟持にすることができ、用紙Pが高温のままベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
すなわち、複合機300内で用紙Pを挟持搬送中に何らかの理由で用紙Pの搬送を停止した際に、自動で各搬送ベルトの挟持状態と非挟持状態とを切り替え、冷却装置9内で記録材が高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
なお、用紙搬送停止か否かを判断(ステップ3)において、用紙Pの先端の位置に基づいて用紙搬送停止か否かを判断してもよい。例えば、用紙Pの先端が各搬送ベルトに到達していなければフローを終了とし、各搬送ベルトに用紙Pの先端が到達していれば用紙搬送停止か否かを判断(ステップ3)に移行するようにする。このとき、定着装置8と冷却装置9との間に、図2に示すように用紙Pの有無を検知するセンサ66を設け、用紙Pの先端がセンサ66を通過したあとの時間を計測するタイマ67(図7参照)により用紙Pの先端位置を検出すればよい。
また、センサ66を設けず、入力部68を介して本体制御部110からレジストローラによる用紙Pの搬送タイミングを受信し、受信した搬送タイミングからタイマ67により用紙Pの先端位置を検出してもよい。
このように用紙Pの先端位置により、出力停止か否かを判断することで、冷却装置9内で用紙Pが挟持された状態で、用紙Pの搬送が停止した場合のみ切替手段60(モータ離接手段70)を動作させ、不要な切替手段60の動作を避けることができる。
(実施例2)
次に、本実施形態の冷却装置9に有した切替手段60の実施例2について、図を用いて説明する。
図8は、本実施例に係る切替手段60の動作説明図であり、(a)が各搬送ベルトを挟持状態にしたときの説明図、(b)が各搬送ベルトを非挟持状態にしたときの説明図である。図9は、本実施例に係る切替手段に有したソレノイド離接手段80の動作説明図であり、(a)が挟持状態の側面説明図、(b)が移動ブロック86の支持方法の断面説明図、(c)が非挟持状態の側面説明図である。
本実施例と上記した実施例1とでは、次のことに係る点のみが異なる。切替手段60の駆動手段として、実施例1では、駆動モータ73を用いたモータ離接手段70を用いていたのに対し、本実施例では、ソレノイド83と圧縮バネ89を有したソレノイド離接手段80を用いていることに係る点である。その他の点については、上記した実施例1と同様であるので、実施例1と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、特に区別する必要が無い構成部材については、同一の符号を付して説明する。
上記したように、本実施例の切替手段60は、駆動手段としてソレノイド83と圧縮バネ89を有したソレノイド離接手段80を用いている。このソレノイド離接手段80は実施例1のモータ離接手段70と同様に、各搬送ベルトを離接させる離接手段として機能するとともに、図9に示すソレノイド83に通電されていない時には、圧縮バネ89の付勢力により、自動的に各搬送ベルトを非挟持状態とする。
このようなソレノイド離接手段80を用いることで、何らかの理由で複合機300の電源がオフされたり、停電等により複合機300への交流電源からの電力供給が停止したりしても、切替手段60により各搬送ベルトを非挟持状態にすることができる。つまり、制御装置65による制御を行わなくても、複合機300の電源がオフされたり、複合機300への交流電源からの電力供給が停止したりしても、切替手段60のソレノイド離接手段80により、各搬送ベルトを非挟持状態にすることができる。したがって、何らかの理由で複合機300の電源がオフされたり、複合機300への電力供給が停止したりしても、各搬送ベルトを非挟持状態にして、冷却装置9内で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
加えて、複合機300の電源がオンされ、且つ、交流電源からの電力供給時には、実施例1と同様に制御装置65で、ソレノイド離接手段80を有した切替手段60を制御することができる。したがって、冷却装置9内で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防げる。
次に、ソレノイド離接手段80の構成・動作について図8及び図9を用いて説明する。
図8(a),(b)に示すように、冷却装置9の表側ベルト搬送機構31は、装置奥側に設けられた可動ベース61とユニット化され、裏側ベルト搬送機構32は、装置奥側に設けられた固定ベース62にユニット化されている。
また、駆動手段であるソレノイド離接手段80は、図8図中、上下方向に移動可能な可動ベース61、位置が固定された固定ベース62、及び固定ベース62に対して可動ベース61を移動させるベース移動手段81,82とから構成されている。
ここで、ベース移動手段81,82は、同一の構成であるため、図9を用いてベース移動手段81について説明する。図9(a),(c)に示すように、ベース移動手段81は、可動ベース61、ガイドレール63、移動ブロック86、圧縮バネ89、バネブラケット88、ソレノイド83、及びソレノイドブラケット85から構成されている。可動ベース61には、表側ベルト搬送機構31の装置奥側の側板(不図示)が一体に設けられ、ガイドレール63とソレノイドブラケット85とバネブラケット88は本体側板101に固定されている。移動ブロック86には、本体側板101側にガイドレール63のガイド溝64と嵌め合って上下方向に擦動する突起部が設けられ、図9(b)に示すように略中央に上方からソレノイド83のプランジャー84が当接するように設けられている。また、移動ブロック86の略中央には、その下部の一端側がバネブラケット88に保持された圧縮バネ89の他端側である上端側が、下方から当接して常に上方に向う付勢力を与えている。
ここで、ソレノイド83としては、電力が供給される通電時にのみプランジャー84を押し出す構成のものを用いている。そして、ソレノイド83に電力が供給されると、圧縮バネ89の付勢力に抗してプランジャー84で移動ブロック86を下方に押し下げ、図9(c)に示す非挟持状態から図9(a)に示す挟持状態に、移動ブロック86に固定された可動ベース61が下方に移動する。一方、ソレノイド83に電力が供給されないと、圧縮バネ89の付勢力により、図9(a)に示す挟持状態から、図9(c)に示す非挟持状態に、移動ブロック86に固定された可動ベース61が、上方に移動する。
したがって、複合機300の電源がオン/オフや複合機300への交流電源からの電力供給の有無に応じて、挟持状態と非挟持状態とを切り替え、電力供給が無い場合には各搬送ベルトを非挟持状態にできる。
よって、画像形成時に何らかの理由で複合機300の電源がオフされたり、交流電源からの電力供給が停止したりした場合でも、各搬送ベルトを非挟持状態にでき、冷却装置9内で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
加えて、複合機300の電源がオンされ、且つ、交流電源からの電力供給時には、制御装置65でソレノイド離接手段80への通電を制御して、上記した実施例1と同様な効果を奏することもできる。
次に実施例1と同様に、図6のフローチャートを用いて、複合機300の電源がオンされ、且つ、交流電源からの電力供給時の制御装置65によるソレノイド離接手段80を有した切替手段60の制御フローの例を説明する。
本実施例の冷却装置9では、複合機300の電源が入ると、制御装置65はソレノイド離接手段80の各ベース移動手段のソレノイド83に通電し、プランジャー84を押し出して可動ベース61を下方へ移動させ、図8(a)に示す挟持状態にする(ステップ1)。
次に、複合機300が出力(画像形成)を開始(ステップ2)すると、制御装置65は、用紙搬送停止か否かを判断する(ステップ3)。用紙搬送停止、つまりYesの場合は、制御装置65により各ソレノイド83への通電を停止して、圧縮バネ89の付勢力によりプランジャー84を押し戻して可動ベース61を図8図中、上方へ移動させて、図8(b)に示す非挟持状態に移行する(ステップ4)。
一方、用紙搬送停止か否かを判断で(ステップ3)、否、つまりNoの場合は、画像形成動作が終了しているか否かを判断する(ステップ5)。そして、図7のブロック図に示すように、本体制御部110から入力部68に入力された情報に基づいて、画像形成動作が終了していなければ、用紙搬送停止か否かを判断(ステップ3)に戻り、画像形成動作が終了していれば終了する。
次に、用紙搬送停止との判断(ステップ3のYes)で、制御装置65により各ソレノイド83への通電を停止して、図8(b)に示す非挟持状態に移行する(ステップ4)。非挟持状態に移行した(ステップ4)あと、非挟持状態の解除指令の有無を判断する(ステップ6)。この非挟持状態の解除指令の有無を判断(ステップ6)で、例えばジャム処理等が終了して非挟持状態の解除指令を受信した場合、つまりYesの場合は、制御装置65により各ソレノイド83に通電して、図8(a)に示す挟持状態に戻る(ステップ1)。
一方、非挟持状態の解除指令を受信していない場合、つまりNoの場合は、非挟持状態の解除指令の有無の判断(ステップ6)を繰り返す。こうすることで、用紙搬送が緊急停止した場合に、各搬送ベルトを非挟持にすることができ、用紙Pが高温のままベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
すなわち、複合機300内で用紙Pを挟持搬送中に何らかの理由で用紙Pの搬送を停止した際に、自動で各搬送ベルトの挟持状態と非挟持状態とを切り替え、冷却装置9内で記録材が高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
なお、用紙搬送停止か否かを判断(ステップ3)において、用紙Pの先端の位置に基づいて用紙搬送停止か否かを判断してもよい。例えば、用紙Pの先端が各搬送ベルトに到達していなければフローを終了とし、各搬送ベルトに用紙Pの先端が到達していれば用紙搬送停止か否かを判断(ステップ3)に移行するようにする。このとき、定着装置8と冷却装置9との間に、図2に示すように用紙Pの有無を検知するセンサ66を設け、用紙Pの先端がセンサ66を通過したあとの時間を計測するタイマ67(図7参照)により用紙Pの先端位置を検出すればよい。
また、センサ66を設けず、入力部68を介して本体制御部110からレジストローラによる用紙Pの搬送タイミングを受信し、受信した搬送タイミングからタイマ67により用紙Pの先端位置を検出してもよい。
このように用紙Pの先端位置により、出力停止か否かを判断することで、冷却装置9内で用紙Pが挟持された状態で、用紙Pの搬送が停止した場合のみ切替手段60(ソレノイド離接手段80)を動作させ、不要な切替手段60の動作を避けることができる。
上記のように、複合機300の電源がオンされ、且つ、交流電源からの電力供給時には、制御装置65でソレノイド離接手段80への通電を制御して、上記した実施例1と同様な効果を奏することもできる。
そして、上記図6のフローチャートのいずれのステップにおいても、画像形成時に何らかの理由で複合機300の電源がオフされたり、交流電源からの電力供給が停止したりした場合でも、制御装置65の制御によらず各搬送ベルトを非挟持状態にできる。したがって、画像形成時に何らかの理由で複合機300の電源がオフされたり、交流電源からの電力供給が停止したりした場合でも、各搬送ベルトを非挟持状態にでき、冷却装置9内で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
なお、挟持状態を維持するためには各ソレノイド83に通電し続ける必要がある。そこで、各ソレノイド83に通電して挟持状態にする(ステップ1)タイミングを画像形成動作を開始時とし、画像形成動作が終了又は終了してから所定時間経過した後に各ソレノイド83への通電を停止して電力消費を低減するように構成もよい。
(実施例3)
次に、本実施形態の冷却装置9に有した切替手段60の実施例3について、図を用いて説明する。
図10は、本実施例に係る切替手段60の動作説明図である。
本実施例と上記した実施例1、2とでは、次のことに係る点のみが異なる。切替手段60の駆動手段として、実施例1、2では、モータ離接手段70やソレノイド離接手段80の各搬送ベルトを離接させる離接手段を用いていたのに対し、本実施例では、ソレノイド93を有したベルト張力調整手段90を用いていることに係る点である。その他の点については、上記した実施例1、2と同様であるので、実施例1、2と同様な構成・動作、及び作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、特に区別する必要が無い構成部材については、同一の符号を付して説明する。
本実施例の冷却装置9では、図10に示すように、切替手段60の駆動手段として裏側ベルト搬送機構32の裏側搬送ベルト59のベルトテンションを調整するベルト張力調整手段90を備えている。また、裏側ベルト搬送機構32における裏側搬送ベルト59の用紙Pに接触する展張面よりも、表側ベルト搬送機構31における表側搬送ベルト56の用紙Pに接触する展張面が用紙搬送方向上流側及び下流側で所定距離だけ、それぞれ短くなるように構成している。つまり、裏側ベルト搬送機構32の裏側張架ローラ57dよりも所定距離だけ、表側ベルト搬送機構31の表側張架ローラ55dを用紙搬送方向下流側に配置している。また、裏側ベルト搬送機構32の裏側張架ローラ57aよりも所定距離だけ、表側ベルト搬送機構31の表側張架ローラ55aを用紙搬送方向上流側に配置している。そして、裏側ベルト搬送機構32の裏側搬送ベルト59を張架する張架ローラ57aと張架ローラ57bとの間の裏側搬送ベルト59を、外周面側から内周面側へ押圧するテンションローラ96を有したベルト張力調整手段90を設けている。
このベルト張力調整手段90は、テンションローラ96と、テンションローラ96の軸を回転自在に受けるピストン94と、ソレノイド93とからなり、ピストン94はソレノイド93のプランジャー(不図示)に接続されている。また、ソレノイド93として通電時にプランジャーを押し出すものを用い、ソレノイド93に通電してプランジャーに接続されたピストン94を押し出し、テンションローラ96で裏側搬送ベルト59に所定のベルトテンションを付与するように構成している。
そして、ソレノイド93への通電を行うと、裏側搬送ベルト59に所定のベルトテンションを付与し、図10(a)に示すように裏側ベルト搬送機構32と表側ベルト搬送機構31の各搬送ベルトの展張面が重なった区間で用紙Pを挟持する挟持状態となる。
一方、ソレノイド93への通電を行わないと、図10(b)に示すように、ピストン94が所定のベルトテンションを付与しない位置に戻る。すると、用紙搬送方向上流側の裏側張架ローラ57dと裏側冷却部材33bの裏側吸熱面34bとの間の領域、及び裏側冷却部材33bの裏側吸熱面34bと用紙搬送方向下流側の裏側張架ローラ57dとの間の領域で裏側搬送ベルト59が下方に撓む。このように裏側搬送ベルト59が下方に撓むと、ベルト搬送手段30内を搬送されていた用紙Pが裏側冷却部材33bの用紙搬送方向上流側及び下流側の上記各領域で、表側ベルト搬送機構31の表側搬送ベルト56から離間する非挟持状態となる。
特に、表側搬送ベルト56へのトナー固着が生じ易い、裏側搬送ベルト59を介して裏側冷却部材33bに対向する位置まで到達していない用紙Pの部分を、表側搬送ベルト56から離間した非挟持状態とすることができる。すなわち、裏側搬送ベルト59を介して裏側冷却部材33bに対向する位置まで到達していない用紙Pの部分を挟持する領域(以下、冷却部材上流領域という)で、各搬送ベルトを非挟持状態とすることができる。
このようなベルト張力調整手段90を用いることで、何らかの理由で複合機300の電源がオフされたり、停電等により複合機300への交流電源からの電力供給が停止したりしても、切替手段60により冷却部材上流領域で各搬送ベルトを非挟持状態にできる。つまり、制御装置65による制御を行わなくても、複合機300の電源がオフされたり、複合機300への交流電源からの電力供給が停止したりしても、切替手段60のベルト張力調整手段90により、冷却部材上流領域で各搬送ベルトを非挟持状態にできる。したがって、何らかの理由で複合機300が電源がオフされたり、複合機300への電力供給が停止したりしても、各搬送ベルトを非挟持状態にして、冷却装置9内の冷却部材上流領域で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
加えて、複合機300の電源がオンされ、且つ、交流電源からの電力供給時には、実施例1、2と同様に制御装置65で、ベルト張力調整手段90を有した切替手段60を制御することができる。したがって、冷却装置9内の冷却部材上流領域で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防げる。
ここで、本実施例の冷却装置9では、上記のように裏側張架ローラ57dよりも所定距離だけ表側張架ローラ55dを用紙搬送方向下流側に配置しており、挟持状態、非挟持状態に関わらず、裏側張架ローラ57dと表側張架ローラ55dとは非接触状態となる。このように構成することで、必要に応じて冷却部材上流領域で各搬送ベルトの挟持状態と、非挟持状態とを切り替えることができ、用紙Pが高温のまま冷却部材上流領域で各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
また、ベルト張力調整手段90で各搬送ベルトを挟持状態と非挟持状態とに切り替える領域を冷却部材上流領域とすることで、可動部分をベルト張力調整手段90のソレノイド93、ピストン94、テンションローラ96、及び撓む裏側搬送ベルト59に限定できる。したがって、実施例1、2のように駆動手段としてモータ離接手段70やソレノイド離接手段80の各搬送ベルトを離接させる離接手段を用いる構成に比べ、可動部分を減らすことができ、コストを低減することが可能となる。例えば、表側ベルト搬送機構31及び裏側ベルト搬送機構32と、それぞれ一体にユニット化されるベース部材を、それぞれ本体側板101に固定される、固定ベース62a及び固定ベース62bとすることができる。また、ガイドレール63や各移動ブロックも省略することができる。
(変形例1)
次に、本実施形態の冷却装置9の変形例について、図を用いて説明する。
図11は、本変形例に係る冷却装置9の側面図であり、(a)が冷却部材として空冷方式の冷却フィン35を有した冷却部材33を用いた例の説明図、(b)が各冷却部材33の他の配置例の説明図である。
上記した本実施形態では、冷却部材として冷却液循環回路44を構成する受熱部45として機能する冷却部材33を用いた液冷方式のものに本発明を適用した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、図11(a)に示すように、冷却フィン35を有した冷却部材33、所謂、空冷方式のヒートシンクを用いたものにも適用可能である。なお、このときの各吸熱面34と各搬送ベルトとの関係は、上記した各実施例の構成を適用できる。
このように、空冷方式のヒートシンクを用いることで、冷却液循環回路44を用いなくてすみ、冷却装置9のコンパクト化及び低コスト化を図ることができる。
また、ベルト搬送手段30内に配置する各冷却部材33を、用紙搬送方向下流側に表側冷却部材33aを、上流側に裏側冷却部材33bを配置した構成に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、図11(b)に示すように、用紙搬送方向下流側に裏側冷却部材33bを、上流側に表側冷却部材33aを配置した構成ものにも適用可能である。
このように、各冷却部材33を配置することで、例えば実施例3の冷却部材上流領域を、容易に広げることができ、冷却部材上流領域で各搬送ベルトをより確実に挟持状態と非挟持状態とに切り替えることができる。
なお、本発明は上記本実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
また、本発明に係る画像形成装置として、複合機300に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、電子写真複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等のベルト搬送手段を有した冷却装置を備えた画像形成装置に適用可能である。
また、カラー対応の複合機300に本発明を適用した例について説明したが、モノクロ対応の画像形成装置にも適用可能である。
また、1対の表側ベルト搬送機構31と裏側ベルト搬送機構32とを対向して設けて用紙Pを挟持搬送する、つまり1対の搬送ベルトで用紙Pを挟持搬送するベルト搬送手段30に本発明を適用した例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、1つの表側ベルト搬送機構31に対向して、シート搬送方向に沿って分割された複数の裏側ベルト搬送機構32を設け、これら表裏のベルト搬送機構で用紙Pを挟持搬送するベルト搬送手段30にも適用可能である。また、逆に表側ベルト搬送機構31を複数とし、裏側ベルト搬送機構32を1つとした構成や、表裏ともに複数のベルト搬送機構とした構成のベルト搬送手段30にも適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59などの対向する搬送ベルトで用紙Pなどの記録材を挟持搬送するベルト搬送手段30などのベルト搬送手段と、前記ベルト搬送手段で挟持搬送されている前記記録材の熱を、前記搬送ベルトを介して吸熱して冷却する表側冷却部材33aや裏側冷却部材33bなどの冷却部材とを備えた冷却装置9などの冷却装置において、前記搬送ベルトで前記記録材を挟持する挟持状態と、挟持しない非挟持状態とに切り替えるモータ離接手段70などの駆動手段を有した切替手段60などの切替手段を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。搬送ベルトを介して冷却部材と対向する位置まで到達していない記録材の部分を、挟持する挟持状態と、挟持しない非挟持状態とを切り替えることができるので、挟持搬送中に記録材の搬送が停止した場合には、非挟持状態に切り替えることができる。したがって、画像形成中に何らかの理由で記録材の搬送が停止しても、ベルト搬送手段により搬送され、搬送ベルトを介して冷却部材に対向する位置まで到達する前の記録材上に担持したトナー像が搬送ベルトと接触し続けることを避けることができる。
よって、記録材を挟持搬送する搬送ベルトを備えた冷却装置であって、挟持搬送中に記録材の搬送が停止しても、記録材上に担持したトナーが搬送ベルトに固着することを抑制できる冷却装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、切替手段60などの前記切替手段を制御する制御装置65などの制御装置を有することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。何らかの理由で冷却装置9などの冷却装置を備えた複合機300などの装置内での用紙Pなどの記録材の搬送を停止した際などに、必要に応じて自動で各搬送ベルトの挟持状態と非挟持状態とを切り替えることができる。したがって、冷却装置内で記録材が高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
(態様C)
(態様B)において、冷却装置9などの当該冷却装置を備えた複合機300などの装置内を搬送中の用紙Pなどの前記記録材の搬送が停止した時に、表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59などの前記搬送ベルトを挟持状態から非挟持状態に切り替える制御を行うことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。何らかの理由で冷却装置を備えた装置内での記録材の搬送を停止した際に、自動で各搬送ベルトの挟持状態と非挟持状態とを切り替え、冷却装置内で記録材が高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
(態様D)
(態様B)又は(態様C)において、切替手段60などの前記切替手段は、用紙Pなどの前記記録材の先端がベルト搬送手段30などの前記ベルト搬送手段に到達していないときは、切り替え動作を行わないことを有することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。記録材の先端位置により、用紙搬送停止か否かを判断することで、冷却装置9などの冷却装置内で記録材が挟持された状態で、記録材の搬送が停止した場合のみ切替手段を動作させることができ、不要な切替手段の動作を避けることができる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、切替手段60などの前記切替手段は、冷却装置9などの当該冷却装置を備える複合機300などの装置に交流電源からの電力供給がなくなった時に、非挟持状態に切替えることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例2(又は3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。複合機300などの画像形成装置への交流電源からの電力供給がなくなった時でも、各搬送ベルトを非挟持状態にして、冷却装置内で用紙Pなどの記録材が高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、切替手段60などの前記切替手段は、表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59などの対向する前記搬送ベルト間の距離を変化させるモータ離接手段70などの離接手段を有することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(又は2)で説明したように、対向する搬送ベルト間の距離を変化させて離間させることができ、確実に挟持状態と非挟持状態とを切り替えることができる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、表側搬送ベルト56と裏側搬送ベルト59などの前記搬送ベルトは上下に対向して配置され、切替手段60などの前記切替手段は、下側の裏側搬送ベルト59などの前記搬送ベルトの張力を小さくするベルト張力調整手段90などの張力調節手段を有することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例3で説明したように、次のような効果を奏することができる。何らかの理由で、複合機300などの画像形成装置への交流電源からの電力供給がなくなった時でも、各搬送ベルトを非挟持状態にして、冷却装置9などの冷却装置内の冷却部材上流領域で用紙Pが高温のまま各搬送ベルトに挟持され続けることを防ぐことができる。
(態様H)
(態様G)において、ベルト張力調整手段90などの前記張力調節手段により、表側搬送ベルト56や裏側搬送ベルト59などの各搬送ベルトを挟持状態と非挟持状態とに切り替える領域を、少なくとも、前記下側の裏側搬送ベルト59などの搬送ベルトを介して裏側冷却部材33bなどの前記冷却部材と対向する位置まで到達していない用紙Pなどの前記記録材の部分を下方から支持する前記下側の搬送ベルトの冷却部材上流領域などの領域とすることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例3で説明したように、次のような効果を奏することができる。(態様F)のよに駆動手段としてモータ離接手段70やソレノイド離接手段80などの各搬送ベルトを離接させる離接手段を用いる構成に比べ、可動部分を減らすことができ、コストを低減することが可能となる。
(態様I)
用紙Pなどの記録材を冷却する冷却装置を備えた複合機300などの画像形成装置において、前記冷却装置として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの冷却装置9などの冷却装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの冷却装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
1 プロセスユニット
2 感光体
3 帯電ローラ
4 現像装置
5 クリーニングブレード
6 露光装置
7 転写装置
8 定着装置
9 冷却装置
10 中間転写ベルト
11 1次転写ローラ
12 二次転写ローラ
13 給紙カセット
14 給紙ローラ
15 レジストローラ
16 排出ローラ
17 定着ローラ
18 加圧ローラ
20 排紙トレイ
21 第1張架ローラ
22 第2張架ローラ
23 第3張架ローラ
24 テンションローラ(中間転写ベルト)
30 ベルト搬送手段
31 表側ベルト搬送機構
32 裏側ベルト搬送機構
33 冷却部材
33a 表側冷却部材
33b 裏側冷却部材
34a 表側吸熱面
34b 裏側吸熱面
35a 表側放熱フィン
35a 裏側放熱フィン
41a 表側流入口
41b 裏側流入口
42a 表側流出口
42b 裏側流出口
44 冷却液循環回路
45 受熱部
46 放熱部
47 循環路
48 ポンプ
49 液溜タンク
50,51,52,53,54 配管
55a,b,c,d 表側張架ローラ
56 表側搬送ベルト
57a,b,c,d 張架ローラ
59 裏側搬送ベルト
60 切替手段
61 可動ベース
62(a,b) 固定ベース
63 ガイドレール
64 ガイド溝
65 制御装置
66 センサ
67 タイマ
68 入力部
70 モータ離接手段
71,72 ベース離接手段
73 駆動モータ
74 リードスクリュ
75 モータブラケット
76a,b 移動ブロック(モータ離接手段)
77a,b 孔
80 ソレノイド離接手段
81,82 ベース移動手段
83 ソレノイド(ソレノイド離接手段)
84 プランジャー(ソレノイド離接手段)
86 移動ブロック(ソレノイド離接手段)
88 バネブラケット
89 圧縮バネ
90 ベルト張力調整手段
93 ソレノイド(ベルト張力調整手段)
94 ピストン(プランジャ)
96 テンションローラ(ベルト張力調整手段)
100 装置本体
101 本体側板
110 本体制御部
200 スキャナー部
300 複合機
P 用紙
R 搬送路
特開2012−098677号公報

Claims (7)

  1. 対向する搬送ベルトで記録材を挟持搬送するベルト搬送手段と、前記ベルト搬送手段で挟持搬送されている前記記録材を冷却する冷却部材と、前記搬送ベルトで前記記録材を挟持する挟持状態と、挟持しない非挟持状態とに切り替える駆動手段を有する切替手段と、前記ベルト搬送手段の前記搬送ベルトで搬送中の前記記録材の搬送が停止したときに、前記搬送ベルトを前記挟持状態から前記非挟持状態に切り替えるように前記切替手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1の冷却装置であって、
    前記搬送ベルトが上下に対向して配置されたものであり、
    前記切替手段が下側の搬送ベルトの張力を小さくするものであることを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷却装置であって、
    前記記録材の先端が前記ベルト搬送手段に到達していないときは、前記切替手段による切り替え動作を行わないことを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一に記載の冷却装置であって、
    前記冷却部材が、対向する前記搬送ベルトにおける互いの対向領域で一方の前記搬送ベルトの内面に接触するように配設されたものであり、
    他方の前記搬送ベルトにおける前記対向領域が、搬送中の前記記録材の搬送停止時に前記冷却部材から離間するものであることを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項2に記載の冷却装置において
    力調節手段によって前記下側の搬送ベルトの張力を調節することで前記下側の搬送ベルトにおける搬送方向の全域のうち、前記記録材を下方から支持し、且つ前記冷却部材と対向する位置よりも搬送方向上流側の領域を、挟持状態と非挟持状態とに切り替えるようにしたことを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項2又は3の冷却装置であって、
    前記冷却部材が、対向する前記搬送ベルトにおける互いの対向領域で一方の前記搬送ベルトの内面に接触するように配設された第1冷却部材と、前記対向領域で他方の前記搬送ベルトの内面に接触するように配設された第2冷却部材とを有するものであり、
    前記第1冷却部材と前記第2冷却部材とが互いにベルト移動方向のずれた位置に配設されたものであることを特徴とする冷却装置。
  7. 記録材を加熱することで前記記録材上のトナー像を定着する定着手段と、前記定着手段を通過した後の前記記録材を互いに対向する搬送ベルトで挟持搬送するベルト搬送手段と、前記ベルト搬送手段によって挟持搬送されている前記記録材を冷却する冷却部材と、前記搬送ベルトによって前記記録材を挟持する挟持状態と、挟持しない非挟持状態とに切り替える駆動手段を有する切替手段と、前記ベルト搬送手段の前記搬送ベルトで搬送中の前記記録材の搬送が停止した時に、前記搬送ベルトを前記挟持状態から前記非挟持状態に切り替えるように前記切替手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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