図1は、本発明に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkを並べて配設したタンデム型の画像形成部を備える。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、画像形成装置本体200に着脱可能に構成されており、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
具体的には、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング手段としてのクリーニングブレード5を備えている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1C,1M,1Bkにおいては符号を省略している。
図1において、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザ光を照射するようになっている。
また、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、支持部材としての複数のローラ21〜24に張架されており、それらローラ21〜24のうちの1つが駆動ローラとして回転することによって、中間転写ベルト10は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト10の内周面を押圧しており、中間転写ベルト10の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
また、中間転写ベルト10を張架する1つのローラ24に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト10の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
画像形成装置本体200の下部には、紙やOHP等のシート状の記録材Pを収容した複数の給紙カセット13が配設されている。各給紙カセット13には、収容されている記録材Pを送り出す給紙ローラ14が設けてある。また、画像形成装置本体200の図の左側の外面には、機外に排出された記録材Pをストックする排紙トレイ20が設けてある。
画像形成装置本体200内には、記録材Pを給紙カセット13から二次転写ニップを通って排紙トレイ20へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向上流側にはレジストローラ15が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向下流側には、定着装置8、冷却装置9、一対の排出ローラ16が順次配設されている。定着装置8は、例えば、内部に図示しないヒータを有する定着部材としての定着ローラ17と、定着ローラ17を加圧する加圧部材としての加圧ローラ18を備える。定着ローラ17と加圧ローラ18とが接触した箇所には、定着ニップが形成されている。
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2が図の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から帯電された各感光体2の表面にレーザ光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
中間転写ベルト10を張架するローラの1つが回転駆動し、中間転写ベルト10を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2に形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト10はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト10に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
給紙ローラ14が回転することによって、給紙カセット13から記録材Pが搬出される。搬出された記録材Pは、レジストローラ15によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト10上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上のトナー画像が記録材P上に一括して転写される。その後、記録材Pは定着装置8に送り込まれ、定着ローラ17と加圧ローラ18によって記録材Pが加圧及び加熱されてトナー画像が記録材P上に定着される。そして、記録材Pは、冷却装置9によって冷却された後、一対の排出ローラ16によって排紙トレイ20に排出される。
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
ところで、冷却装置は、図2と図3等に示すように、ベルト搬送手段30のベルトの走行によって搬送されるシート状記録材Pを冷却する冷却部材33を備えたものである。ベルト搬送手段30は、シート状記録材Pの一方の面(表面又は上面)側に配置される第1の搬送機構31と、シート状記録材Pの他方の面(裏面又は下面)側に配置される第2の搬送機構32とを備える。また、冷却部材33も1対備え、一方の冷却部材33aがシート状記録材Pの一方の面(表面又は上面)側に配置され、他方の冷却部材33bがシート状記録材Pの他方の面(裏面又は下面)側に配置される。
冷却部材33は、図4〜図7に示すように、それぞれ、平板矩形状の本体部35と、この本体部35の両側面に付設される側辺部36a、36bとからなる。一方の冷却部材33aの側辺部36a、36bは、本体部35の上流側の端縁よりも上流側に突出する当接部37a、37bが設けられ、他方の冷却部材33bの側辺部36a、36bは、本体部35の下流側の端縁よりも下流側に突出する当接部38a、38bが設けられている。
この場合、図4と図5等に示すように、一方の冷却部材33aの当接部37a、37bが、他方の冷却部材33bの当接部38a、38bに当接した状態で、シート状記録材の走行方向に沿ってずらされた状態で重ね合わされる。また、一方の冷却部材33aの本体部35は、下面が僅かに膨出した扁平円弧面状の吸熱面34aとされ、他方の冷却部材33bの本体部35は、上面が僅かに膨出した扁平円弧面状の吸熱面34bとされている。
各冷却部材33a、33bの内部には、冷却液が流れる冷却液流路が形成され、装置奥側の当接部37a、38bには、循環路の開口部40a、40b、41a、41bが形成されている。
すなわち、この冷却装置は、図8〜図11に示すように、発熱部としての記録材Pからの熱を受ける受熱部45と、受熱部45の熱を放熱する放熱部46と、受熱部45と放熱部46とを冷却液が循環する循環路47とを有する冷却液循環回路44を備える。この循環路47内には、冷却液を循環させるためのポンプ48と、冷却液を溜める液溜タンク49とが配置されている。そして、冷却部材33a、33bを受熱部45として機能させる。また、放熱部46としてラジエータ等からなる。冷却液には、例えば、水、炭化水素系オイル及びフッ素系オイルを媒体とし、この媒体に高濃度のマグネタイト等の強磁性超微粒子を安定に分散させ、かつ磁性超微粒子の表面に強固に化学吸着した界面活性剤で形成した磁性流体等がある。
循環路47としては、一方の冷却部材33aの一方の開口部40aと放熱部46としてラジエータとを連結する配管50と、一方の冷却部材33aの他方の開口部40bと他方の冷却部材33bの一方の開口部41aとを連結する配管51と、他方の冷却部材33bの他方の開口部41bと液溜タンク49とを連結する配管52と、液溜タンク49とポンプ48とを連結する配管53と、ポンプ48と放熱部46としてラジエータとを連結する配管54とを備える。
第1の搬送機構31は、複数個のローラ55と、このローラ55に掛け回されるベルト(搬送ベルト)56とを備え、第2の搬送機構32は、複数個のローラ57と、1個のローラ58と、ローラ57、58に掛け回されるベルト(搬送ベルト)59とを備える。
このため、記録材Pを搬送する際には、第1の搬送機構31のベルト56と第2の搬送機構32のベルト59とで、記録材Pを挟持搬送することになる。すなわち、図示しない駆動手段によって、図2に示すように、ベルト59が矢印A方向に走行し、ベルト56,59間に挟まれた記録材Pを介して、第2の搬送機構32のベルト59の走行に伴って、第1の搬送機構31のベルト56が矢印B方向に走行する。これによって、記録材Pは矢印C方向沿って、上流側から下流側へと搬送される。
ところで、図8〜図11に示すように、第1の搬送機構31の各ローラ55は保持枠60に保持される。保持枠60は、一対の側板61、62を備え、この側板61、62に、各ローラ55の端部軸部が枢支されている。これによって、各ローラ55がフリーに回転することになる。
また、第2の搬送機構32の各ローラ57,58は保持枠63に保持される。保持枠63は、一対の側板64、65を備え、この側板64、65に、各ローラ57,58の端部軸部が枢支されている。この場合、駆動ローラ58には、図示省略の駆動手段(モータ等)が連動連結され、駆動手段からの駆動力伝達によって、駆動ローラが回転駆動することになる。なお、図8と図10においては、側板62,65の図示を省略し、図9と図11においては、側板61,64の図示を省略しているが、実際にはこれらは配置されている。
第1の搬送機構31の一対の側板61、62間に一方の冷却部材33aが挟持固定され、第2の搬送機構32の一対の側板64、65間に他方の冷却部材33bが挟持固定される。この場合、第1の搬送機構31の側板62から配管50、51を突出させ、第2の搬送機構32の側板65から配管51、52を突出させる必要がある。このため、側板62および側板65には、配管挿通用の孔部(図示省略)を設けることになる。なお、図2や図3等に示すように、第1の搬送機構31は、装置奥側(反ユーザ側)又は装置手前側(ユーザ側)からみた場合、上底が下低よりも小の台形状をなし、第2の搬送機構32は、装置奥側又は装置手前側からみた場合、上底が下低よりも大の倒立台形状をなす。
そして、第1の搬送機構31がガイド機構Mにガイドされつつ矢印Z1,Z2の示すように上下動する。すなわち、ガイド機構Mは、記録材搬送方向に沿って所定間隔で配置される一対のガイドレール70、71と、各レール70、71にガイドされつつ上下方向に往復動可能なスライダ(図示省略)とを備える。そして、このスライダが第1の搬送機構31の保持枠60の側板62に付設される。この場合、第2の搬送機構32が固定であるので、ガイドレール70、71をこの第2の搬送機構32の保持枠63の側板65に付設しても、画像形成装置本体200自体に付設してもよい。
このため、第1の搬送機構31が最下点に位置する際には、図2に示すように、上下のベルト56、59で記録材Pの挟持搬送が可能で、第1の搬送機構31が上昇して、図3に示すように、上下のベルト56、59が離間して、挟持搬送ができない状態となる。
第1の搬送機構31の上下動は、ユーザが直接的に人為的に操作するようにしても、画像形成装置本体200のカバーの開閉に伴って上下動するような構成であってもよい。ユーザが操作する場合、図2に示すように、挟持搬送可能な位置において固定するロック機構や、図3に示すように、搬送機構31,32が離間して挟持搬送不可能な位置において固定するロック機構等を設けるのが好ましい。また、カバーの開閉に伴って上下動する場合、カバー閉状態において、図2に示すような挟持搬送可能な位置となり、カバー開状態において、図3に示すように、搬送機構31,32が離間して挟持搬送不可能な位置となるように構成すするのが好ましい。
第1の搬送機構31が第2の搬送機構32に対して接近・離間させれば、第1の搬送機構31と放熱部46との間の間隔、及び冷却部材33a、33bの間隔の変位が繰り返される。このため、冷却液循環回路44の配管50,51は変位や伸縮できないものであれば、座屈等により劣化するおそれがある。そこで、この配管50,51としては、可撓性を有する弾性材等にて構成するのが好ましい。なお、他の配管52、53,54は、各間の間隔が変位しないので、可撓性を有する弾性材等にて構成することなく、剛性が大である金属管等にて構成できる。
ところで、図2等に示すように、第1の搬送機構31と第2の搬送機構32とを近接させた状態では、図4と図5に示すように、一方の冷却部材33aの当接部37a、37bが、他方の冷却部材33bの当接部38a、38bに当接した状態で、シート状記録材の走行方向に沿ってずらされた状態で重ね合わされる。このため、この当接部37a、37bと当接部38a、38bとで、記録材厚さ方向の位置決めを行うことができる。
また、第1の搬送機構31の保持枠60の側板61に付設されたガイド機構Mのスライダが、記録材搬送方向に沿って所定ピッチで配設されて上下方向に延びるガイドレール70,71に沿って上下動するものであるので、一方の冷却部材33aの他方の冷却部材33bに対する記録材搬送方向の位置決めを行うことができる。なお、記録材搬送方向の位置決めとしては、当接部37a、37bと当接部38a、38bとの記録材厚さ方向の位置決めを行った後、冷却部材33aと冷却部材33bを保持枠60,63に固定することによって行ってもよい。
このように、この冷却装置では、一方の冷却部材33aの当接部37a、37bと他方の冷却部材33bの当接部38a、38bとで行う記録材厚さ方向の位置決め手段S1と、ガイド機構Mで行う記録材搬送方向の位置決め手段S2とを有する位置決め手段Sを備える。なお、前記記録材厚さ方向の位置決め手段S1は、一方の冷却部材33aの当接部37a、37bと他方の冷却部材33bの当接部38a、38bとで行うものであって、この場合、当接部37a、37b、38a、38bは、本体部35とが別部材の側辺部36a、36b、36a、36bで構成されていたが、当接部37a、37b、38a、38bが本体部35と一体成形されるものであってもよい。
次に、前記のように構成された冷却装置の動作について説明する。記録材Pの挟持搬送する場合、図2等に示すように、第1の搬送機構31と第2の搬送機構32とを近接させた状態とする。この図2に示す状態において、第2の搬送機構32の駆動ローラ58を回転駆動させれば、前記したように、各ベルト56,59が矢印方向に走行して、記録材Pは矢印方向に走行する。この状態では、前記冷却液循環回路44において、冷却液を循環させる。すなわち、ポンプ48を駆動することによって、冷却部材33a、33bの冷却液流路内に冷却液を流す。
この際、第1の搬送機構31のベルト56の内面が、冷却部材33aの吸熱面34aを摺動し、第2の搬送機構32のベルト59の内面が、冷却部材33bの吸熱面34bを摺動する。このため、記録材Pの表面(上面)側から、ベルト56を介して冷却部材33aは記録材Pの熱を吸熱する。また、記録材Pの裏面(下面)側から、ベルト59を介して冷却部材33bは記録材Pの熱を吸熱する。この場合、冷却部材33a、33bが吸熱した熱量を冷却液が外部に輸送することで冷却部材33a、33bは低温に保たれる。
すなわち、ポンプ48を駆動することによって、冷却液が冷却液循環回路44内を循環し、冷却部材33a、33bの冷却液流路内を流れて吸熱して高温となった冷却液が、受熱部45として機能するラジエータを通過することによって、外気へ放熱され、その温度が低下する。そして、低温となった冷却液が再度冷却液流路内を流れて、冷却部材33a、33bが放熱部46と機能する。このため、このサイクルを繰り返すことによって、記録材Pは両面から冷却される。
この場合、この冷却装置では、記録材Pを冷却することができ、記録材Pが熱を持ったまま排紙トレイにスタックされていくことが抑制される。このため、ブロッキングを有効に防止でき、重なった紙同士がくっついてしまうことなく、排紙トレイに記録材をスタックしていくことができる。
ところで、この冷却装置では、メンテナンス時等においては、第1の搬送機構31とともに冷却部材33aを第2の搬送機構32及び冷却部材33bから離間させることによって、作業性の向上を図ることができ、ジャム処理等も容易となる。すなわち、第1の搬送機構31と第2の搬送機構32とを相対的に離間させることができ、ベルト間に挟まった異物の除去やベルトの交換等の作業が可能となる。また、冷却部材33a、33bの冷却液流路の開口部40a、40b、41a、41bを装置奥側(反ユーザ側)に設けたことによって、冷却液循環回路44の放熱部46、ポンプ48、及びタンク49を装置奥側に配置することができ、メンテナンス作業者はこれらが邪魔にならず、作業性の向上を図ることができる。
また、メンテナンス等が終了して、図3等に示すように、冷却部材33bから離間した冷却部材33aを再度、初期位置に戻す場合、位置決め手段Sによって、搬送方向の位置決め及び記録材の厚さ方向の位置決めが行われ、各冷却部材33a、33bは、正規位置に配設されることになる。これによって、シート状記録材Pのベルト搬送手段30による搬送時には、冷却部材33a、33bにシート状記録材Pがかみ込まれず、また、シート状記録材Pと冷却部材33a、33bの吸熱面34a、34bとの間隔が大とならず、冷却部材33a、33bが吸熱機能を有効に発揮する。
これに対して、位置決め手段を有していなければ、冷却部材33a,33bが、図41(a)に示すような正規の位置に戻らない場合がある。すなわち、図41(b)では、冷却部材33a,33bは搬送方向および記録材厚さ方向(Z方向)において接近しすぎる状態である。このような場合、冷却部材33a,33b間(図41(b)に示す範囲H1)において、搬送ベルト56,59に大きな負荷がかかり、記録材Pの搬送が不可能になるおそれがある。また、図41(c)では、冷却部材33a,33bは記録材厚さ方向において離れすぎの状態である。このような場合、冷却部材33aの吸熱面34aが扁平円弧面であり、冷却部材33bの吸熱面34bが扁平円弧面であるので、ベルト56,59が冷却部材33a、33bに接触しない部位H2,H3、H4が生じる。このような場合
には、記録材Pの熱を安定して吸熱することができない。
位置決め手段として、図42に示すようなピン嵌合構造を用いることが可能である。この場合、一対の冷却部材33a,33bに対して、共通の側板151、152を用いている。そして、各冷却部材33a,33bに側面に、嵌合孔153、154を設けるとともに、各側板151、152に、嵌合孔153、154に対応するピン155、156が設けられている。
このように構成すれば、嵌合孔153、154にその対応するピン155、156が嵌合することによって、冷却部材33a,33bは位置決めされた状態で、一体化される。
次に、図12と図13に示す冷却装置では、受熱部45としての冷却部材33a、33bと、それ以外の放熱部46とポンプ48と液溜タンク49とを仕切る仕切壁75を設けている。この仕切壁75には、配管50、51,52が挿通される挿通孔76,77,78が設けられている。
この挿通孔76,77,78は、上下方向の延びる長孔からなる。このため、挿通孔76,77,78は、図12に示すように、冷却部材33a、33bが離間しない近接する状態であっても、図13に示すように、冷却部材33a、33bが離間した状態であっても、配管50、51,52の変位に対応することができる。
図12と図13に示すように、仕切壁75を設けたものでは、放熱部46側等において冷却液漏れ等が生じても、この冷却液が、受熱部45側、つまり冷却部材33側へ流入せず、記録材P等への冷却液の漏れ等を防止できる。これによって、記録材へは画像の安定した定着が可能となる。また、冷却部材33a、33bの移動時の循環回路44の配管50、51,52の変位を許容し、配管50、51,52の劣化や座屈を防止でき、冷却性能を安定して発揮できる。
図14〜図16に示す冷却装置では、位置決め手段Sの記録材厚さ方向の位置決め手段S1が、搬送機構31,32の保持枠60、63に設けられている。すなわち、保持枠60の側板61、62の下端縁部に平板状体80、80が設けられるとともに、保持枠63の側板64、65の上端縁部に平板状体81、81が設けられる。このため、図14に示すように、冷却部材33a、33bが近接した際に、保持枠60の平板状体80と保持枠63の平板状体81とが重ね合わされた状態、つまり、平板状体80の下面が平板状体81の上面に重ね合わされた状態となる。
このため、平板状体80の下面が第1重ね合わせ面82となるとともに、平板状体81の上面が第2重ね合わせ面83となって、冷却部材33a、33bの記録材厚さ方向(Z方向)の位置決めを行う位置決め手段S1を構成する。なお、保持枠60の平板状体80及び保持枠63の平板状体81としては、装置奥側と装置手前側のいずれか一方であってもよい。
この図14から図15に示す冷却装置では、ガイド機構Mとして、図16に示すように一対のガイドロッド86,86を用いている。すなわち、側板65の平板状体81の上面からガイドロッド86,86が立設され、側板62の平板状体80に一対の挿通孔を設け、この挿通孔にガイドロッド86,86が挿通される。これによって、搬送機構31に上下動をガイドすることができる。
この図14から図16に示す冷却装置における記録材厚さ方向(Z方向)の位置決めを行う位置決め手段S1を備えたものであっても、記録材厚さ方向の位置決めを安定して行うことができ、しかも、この場合であっても、ガイド機構Mによる記録材搬送方向の位置決めを行う位置決め手段S2を備えているので、前記図8〜図11等に示す冷却装置と同様の作用効果を奏する。
次に図17に示す冷却装置では、各搬送機構31、32において、ベルト56,59にテンションを付与するテンション付与手段90,90が設けられている。テンション付与手段90はばね機構91,91からなる。
すなわち、側板61,62にそれぞれ、上方向の長孔93,93を設け、ローラ55bの端部軸部をこの長孔93,93に挿通させることによって、ローラ55bの上下方向の往復動を可能とする。そして、ローラ55bをばね機構91にて、弾性的に押し上げるように設定する。これによって、ローラ55に掛け回されているベルト56にテンションを付与している。
また、側板64,65にそれぞれ、上方向の長孔94,94を設け、ローラ58の端部軸部をこの長孔94,94に挿通させることによって、ローラ58の上下方向の往復動を可能とする。そして、ローラ58をばね機構92にて、弾性的に押し下げるように設定する。これによって、ローラ57、58に掛け回されているベルト56にテンションを付与している。
この場合、側板62の下端縁に切欠部95が設けられるとともに、側板65の上端縁に切欠部96a、96bが設けられている。すなわち、切欠部95を介して配管50、51が引き出される。
この図17に示す冷却装置の他の構成についても、前記図8〜図11等に示す冷却装置と同様の構成であるので、前記図8〜図11等に示す冷却装置と同様の作用効果を奏する。
テンション付与手段90,90としては、図18に示すように、ベルト56、59を外方から直接的に押圧するものであってもよい。この場合のテンション付与手段90,90としては、ベルト56、59に対して接触して転動する回転体97a、97bと、この回転体97a、97bをベルト56、59側へ押圧するばね部材97a、97b等からなる。
図19に示す冷却装置は、一方の冷却部材33aのみを受熱部45として機能させ、他方の冷却部材33bを、受熱部を構成しないもの、つまり、冷却液が循環しない補助受熱部100としている。すなわち、一方の冷却部材33aのみに冷却液流路を設け、他方の冷却部材33bには冷却液流路を設けないものである。
このため、他方の冷却部材33bには開口部41a、41bが設けられず、循環回路44において、配管52が省略され、配管51が一方の冷却部材33aの開口部40bとタンク49とを連結する。
この場合でも、一方の冷却部材33aの当接部37a、37bが、他方の冷却部材33bの当接部38a、38bに当接した状態で、シート状記録材の走行方向に沿ってずらされた状態で重ね合わされる。このため、一方の冷却部材33aと他方の冷却部材33bとが接触して、他方の冷却部材33bは補助受熱部として機能する。すなわち、他方の冷却部材33bには、冷却液が流れないが、記録材Pからの熱を受けることができ、この記録材Pの裏面側を冷却することができる。
この場合、図20〜図22に示すように、冷却部材33aの下面に嵌合凹部101が設けられ、冷却部材33bの上面には、嵌合凸部102が設けられ、この嵌合凹部101と嵌合凸部102とで、位置決め手段Sが構成される。
冷却部材33aの当接部37aの下面に、熱伝導性に優れた部材(例えば、住友スリーエム社のハイパーソフト放熱材 5590H)からなる介在材105を付設するのがより好ましい。これによって、冷却部材33bは冷却部材33aによって、有効に冷却される。
また、補助受熱部100となる冷却部材33bが、受熱部45となる冷却部材33aよりも熱伝導性の高い材質、例えば、銅等の金属を用いるのが好ましく、これによって、さらに冷却能力を高めることができる。
嵌合凹部101と嵌合凸部102とで、位置決め手段Sが構成されるので、正規位置に配設されることになる。これによって、シート状記録材Pのベルト搬送手段による搬送時には、冷却部材33a、33bにシート状記録材Pがかみ込まれず、また、シート状記録材Pと冷却部材33a、33bの吸熱面との間隔が大とならず、冷却部材33a、33bが吸熱機能を有効に発揮する。
この図19〜図21に示す冷却装置では、図21に示すように、他方の冷却部材33aが一方の冷却部材33bに対して、下方に可動するように設定する。この場合の上下動には、ガイドレール等を用いたガイド機構(例えば、上述したガイド機構M)を使用することができる。
そして、図21に示すように、冷却部材33bを下方に移動させた状態においいて、図22に示すように、冷却部材33bを装置前方への引き出しを可能とする。この際も、冷却部材33bが前後の往復動可能なようにガイドレール等のガイド機構M2を設けるのが好ましい。
このように、冷却部材33bの装置前方への引き出しを可能すれば、メンテナンス作業時の一層の作業性の向上を図ることができる。すなわち、上下のベルト間に挟まった異物の除去作業等を容易に行える。しかも、上方に冷却部材33aを移動させる必要がないので、冷却液循環回路44に使用する配管に、可撓性のない金属管等を用いることができ、設計の自由度が大となるとともに、耐用性やコスト面等に優れたものとできる。
図23では、補助受熱部100として機能する他方の冷却部材33bに、反記録材側を排熱促進形状部106を有するものとしている。排熱促進形状部106としては、多数のフィンを有するヒートシンク形状である。すなわち、この排熱促進形状部106は外気(画像形成装置本体内の外気)との接触面を増加させる形状であり、この冷却部材の廃熱が促進され、より冷却性能を高めることができる。
図23では、排熱促進形状部106を冷却部材33bに設けていたが、冷却部材33bに設けることなく、別部材のヒートシンクを冷却部材33bに接触させるようなものであってもよい。
図24〜図27に示す冷却装置は、搬送機構31、32の装置本体の手前側への引き出しを可能としている。この場合、図24に示すように、第1の搬送機構31と第2の搬送機構32とが接近して、記録材Pの挟持搬送可能な状態では、弾性押圧部材(例えば、スプリング)110、111にて冷却部材33a,33bがベルト側に押付けられている。
また、弾性押圧部材110、111の弾性力に抗して冷却部材33a,33bを相互に離間した状態とすることができる。そして、この離間した状態において、搬送機構31、32が装置本体手前へ引き出すことができる。
この場合、図26と図27に示すように、搬送機構31、32側にレール部材112,113が設けられ、また、冷却部材33a,33bに、このレール部材112,113が嵌合するガイド凹部114、115が設けられている。
このため、冷却部材33a,33bに対して、図27に示すように、装置手前へ搬送機構31、32を矢印D方向に引き出すことができる。また、図27に示す状態からは、搬送機構31、32を矢印E方向に押し込むことができる。この際、各レール部材112,113がガイド凹部114、115に嵌合して、図26に示す状態に戻すことができる。
このように、搬送機構31、32を手前に引く出すことによって、メンテナンス時の作業性の向上を図ることができる。しかも、冷却部材33a,33bを引き出すのではないので、冷媒循環回路44の配管50等に可撓性を有するパイプを用いる必要がなく、設計方式選定やコスト等の面で自由度があがる利点がある。
次に、図28〜図30に示す冷却装置では、下方の搬送機構32の手前側への引き出しを可能としている。搬送機構31と冷却部材33aとは一体化されるとともに、搬送機構32と冷却部材33bとは一体化される。そして、搬送機構32と冷却部材33bが図28に示すように、手前側へ引き出される。
この場合の位置決め手段Sは、冷却部材33aに設けられる一対の凸部120、120と、冷却部材33bに設けられる一対の凹部121,121とからなる。冷却部材33aの凸部120、120が冷却部材33bの凹部121,121に嵌合することによって、冷却部材33aと冷却部材33bとの記録材搬送方向位置の位置決めと記録材厚さ方向位置決めがなされる。
そして、搬送機構32を下降させることによって、図29に示すように、搬送機構31と搬送機構32を離間させることができ、この図29に示す状態から図30に示すように、搬送機構32を装置手前へ引き出すことができる。
図31(a)に示す状態から図31(b)に示すように、搬送機構32を装置手前へ引き出す際には、斜め下方であってもいい。この場合、図32に示すように、ガイド機構123を備える。すなわち、一方(上方)の搬送機構31にガイドピン部材124を設けるとともに、他方(下方)の搬送機構32に、ガイド孔125が設けられる。ガイドピン部材124にテーパ面124aが設けられ、ガイド孔125にテーパ面125aが設けられている。
このため、ガイドピン部材124のテーパ面124aにガイド孔125のテーパ面125aがガイドされて、搬送機構32を斜め下方に引き出すことができる。このようなガイド機構123を備えたものでは、複雑な解除機構等を設ける必要がなく、簡素な構成とすることができる。
このように、搬送機構32のみを手前側に引き出す構造とすれば、図26と図27等に示すように、両搬送機構31,32を引き出す構造のものと比べて、装置全体の省スペース化を図ることができる。しかも、メンテナンス性に優れ、ジャム処理等の迅速に行える。
図33は、一方の搬送機構32が枢支部130を中心の矢印F,Gの揺動が可能とされる。この場合、枢支部130を搬送機構32のローラ55dにて構成している。このため、画像形成装置の手前に搬送手段を引き出すためのスペースを必要とすることなく、搬送機構31、ひいては冷却部材33aを、搬送機構32、ひいては冷却部材33bに対して接近・離間させることができる。
また、図34と図35では、枢支部130を別途設けている。すなわち、保持枠63の側板65の上部にボス部131を設けるとともに、保持枠60の側板62に枢支軸132を設ける。保持枠60の側板62に軸支持部133が設けられ、この軸支持部133に枢支軸132が支持されている。そして、枢支軸132がボス部131に挿通され、この枢支軸132を中心に保持枠60が矢印F,Gのように揺動する。これによって、図34に示した冷却装置と同様、搬送機構31、ひいては冷却部材33aを、搬送機構32、ひいては冷却部材33bに対して接近・離間させることができる。
このように、図33や図34等に示すように、一方の搬送機構32が枢支部130を中心の矢印F,Gの揺動が可能とされるものであっても、第1の搬送機構31と第2の搬送機構32との接近・離間が可能であるので、メンテナンス性に優れる。
図36と図37は、冷却手段に冷却液循環回路44を用いていない。各冷却部材において、反記録材側に排熱促進形状部106を設けている。排熱促進形状部106としては、多数のフィンを有する空冷ヒートシンクである。
このように、空冷ヒートシンク構造を用いることによって、冷却液循環回路44を用いなくてすみ、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
この場合も、上方の搬送機構31が矢印Z3,Z4のように上下動する。
図38と図39では、下方の搬送手段32をガイドローラ機構140としている。すなわち、この場合も、2つの冷却部材33a、33bを備え、冷却部材33aの下方位置にローラ141a、141bが配置されるものである。また、ローラ141a、141b間にガイド板142bが配置されるともに、ローラ141aの下流側、および冷却部材33bのガイド板142a、142dが配設されている。
このため、ガイド板142a、142b、142dと、ローラ141a、141b、141dとで、ガイドローラ機構140が構成される。この場合、このガイドローラ機構140としては、図示省略の保持枠63に保持され、図39に示すように、図38に示す状態から、矢印Hのように、下方に移動できる構成となっている。すなわち、ガイドローラ機構140が矢印H,Iに示すように、上下動できる構成となっている。
この場合の搬送機構31は、駆動ローラが回転駆動することによって、ベルト56が走行し、記録材Pは、ガイドローラ機構140のガイド板142a、142b、142dとローラ141a、141b、141dとで案内されて、この冷却装置を通過する。
記録材Pは、まず、冷却部材33bの上面の吸熱面34bにその下面が直接的に接触して冷却され、その後、冷却部材33aの下面の吸熱面33aにベルトを介してその上面が接触して冷却されることになる。
この図38と図39に示す冷却装置では、下方の搬送手段32をガイドローラ機構140としているので、装置全体のコンパクト化を図ることができ、しかも、ガイドローラ機構140を上下動は負担が軽い利点がある。
次に図42と図43とは、前記した図19〜図22、及び図28〜図30に示すように、下方の冷却部材33が可動するもの等における着脱時のガイドを構成するガイド機構(ガイド手段160)を示している。この図42に示すガイド手段160は、上下方向のガイドを行うガイド機構161と、画像形成装置本体200の前後方向のガイドを行うガイド機構162とを備える。ここで、上下方向のガイド機構161とは、図43(b)の矢印N1に示すように冷却装置9(例えば、冷却部材33b)を下降させる場合のガイドと、図43(b)の矢印N2に示すように冷却装置9(例えば、冷却部材33b)を上昇させる場合のガイドとを行うものである。また、前後方向のガイド機構162とは、図43(b)の矢印M1に示すように冷却装置9(例えば、冷却部材33b)を前方へ移動させる場合のガイドと、図43(b)の矢印M2に示すように冷却装置9(例えば、冷却部材33b)を後方へ移動させる場合のガイドとを行うものである。
すなわち、図42に示すように、冷却装置9(この場合、冷却部材33b)に、画像形成装置本体200のケーシング201の壁部201a側に突設するピン部材163(163A,163B)を設けるとともに、ケーシング201の壁部201aに、前記ピン部材163A,163Bが嵌入するガイド部(ガイド溝またはガイド孔)164が形成される。ピン部材163A,163Bは同一高さ位置に、所定寸だけ離間されて配置される。
ガイド部164は、前後方向にそって延びる本体部165と、この本体部165の略中央部から上方に延びる第1の嵌合部166Aと、この本体部165の後方部から上方に延びる第2の嵌合部166Bとからなる。
この場合、ピン部材163A,163Bは、短円柱体乃至短円筒体からなり、また、嵌合部166A,166Bは、それぞれ、矩形状をなす。そしてピン部材163A,163Bの外径寸法は、同一(ここで、同一とは、同一、および形成時の製造誤差等によって違いがでる範囲を含む)に設定される。これに対して、第1の嵌合部166Aの幅寸法を第2の嵌合部166Bの幅寸法よりも大きく設定されている。
すなわち、図43(a)に示すように、ピン部材163Aの外径寸法をDAとし、ピン部材163Bの外径寸法をDBとし、嵌合部166Aの幅寸法をWAとし、嵌合部166Bの幅寸法をWBとしたときに、DA=DB=WBであり、WA>WBである。また、本体部165の上下方向寸法をKとしたときに、DA=DB<Kである。さらに、ピン部材163A,163Bの配設ピッチをJ1とし、嵌合部166A,166Bの配設ピッチをJ2としたとき、J1=J2である。
この場合、ピン部材163A,163Bと、嵌合部166A、166Bとで、上下方向のガイド機構161を構成し、ピン部材163A,163Bと、本体部165とで、前後方向のガイド機構162を構成する。
すなわち、冷却装置9の冷却部材33bを画像形成装置本体200に装着する場合、図42に示す状態において、矢印Uのように、冷却部材33bをスライドさせて、図43(a)に示すように、ガイド部164の前部において、一対のピン部材163A,163Bが、ガイド部164の本体部165に嵌入する状態とする。この場合、図43(a)に示すように、後方のピン部材163Bが後方の嵌合部166Bに対応しないのが好ましい。
この図43(a)に示す状態において、図43(b)に示す矢印M2のように冷却部材33bを後方へスライドさせて、ピン部材163Aを嵌合部166Aに対応させるともに、ピン部材163Bを嵌合部166Bに対応させる。その後、冷却部材33bを矢印N2のように上昇させる。これによって、ピン部材163Aを嵌合部166Aに嵌合させるとともに、ピン部材163Bを嵌合部166Bに嵌合させる。なお、図43(b)に示す状態において、冷却部材33bが図示省略のロック機構にてこの状態が維持される。
この場合、DB=WBであるので、ピン部材163Bを嵌合部166Bに嵌合することによって、冷却部材33bの前後方向に位置決めがなされる。また、WA>WBであるので、WA>DAとなって、ピン部材163Aは嵌合部166Aに対して遊嵌状に嵌合される。このため、ピン部材163A、163Bが嵌合部166A,166Bに嵌合する際に、いわゆる「こぜ」が生じるのを有効に防止している。
また、図43(b)に示す状態において、冷却部材33bを矢印N1のように下降させた後、矢印M1方向にスライドさせて、図43(a)に示す状態とすれば、図42に示すように、冷却装置9の冷却部材33を画像形成装置本体200から取り出すことができる。
このように、図42及び図43に示すガイド手段160を備えたものでは、簡単かつ安定して、冷却装置9、この場合冷却部材33bの装着動作及び取出動作を行うことができる。また、このガイド手段160では、前後方向の後方へのガイドを行った後、上下方向の上方へのガイドを行うので、上下の搬送機構31,32のベルト56,59同士、および、各冷却部材33a、33bとベルト56,59とが擦らないようにできる。
図44は上下動機構170を備えている。上下動機構170は一対のカム機構171A,171Bを備えたものである。カム機構171A,171Bは、カム部材172と、このカム部材172を支持する軸部173とを備える。そして、軸部173は、カム部材172に対して偏心した位置に配置されている。
このため、図44(a)に示すように、長径方向が上下方向に沿って配置され、かつ軸部172が上方に位置した状態では、冷却部材33bを押上げない状態であって、ピン部材163A,163Bがガイド部164の本体部165に嵌入されている状態である。
この場合、上下動機構170は冷却部材33bと一体に前後方向にスライドさせることができる。このため、図44(b)に示すように、冷却部材33bを矢印M2のように、後方へスライドさせた後、各カム機構171A,171Bの軸部173、173を中心に回動(時計廻りの回動であっても、反時計廻りの回動であってもよい。)させて、長径方向が上下方向に沿って配置され、かつ軸部172が下方に位置した状態とする。これによって、カム機構171A,171Bのカム部材172,172が冷却装部材33bを矢印N2のように、押上げて、ピン部材163A,163Bが嵌合部166A,166Bに嵌合する状態となる。
また、この図44(b)に示す状態から、各カム機構171A,171Bの軸部173、173を中心に回動(時計廻りの回動であっても、反時計廻りの回動であってもよい。)させて、長径方向が上下方向に沿って配置され、かつ軸部172が上方に位置した状態とする。これによって、冷却部材33bが矢印N1のように下降する。その後、冷却部材33bを矢印M1のように前方へスライドさせることによって、図44(a)に示す状態に戻る。
このように、カム機構171A,171Bを有する上下動機構170を備えたものでは、冷却部材33bの安定した上下動を行うことができるとともに、図44(b)に示す状態において、カム機構171A,171Bをロック状態とすれば、冷却装部材33bを安定した状態に維持できる。
次に図45では、後方側のカム機構171Bを省略するとともに、ガイド部164においては、後方側の嵌合部166Cを水平方向に延びるものとしている。すなわち、ガイド部164は、前後方向に沿って水平に延びる本体部165と、この本体部165の後端から、後方に向かって上昇する傾斜部166Dと、前記嵌合部166Cと、本体部165のやや後方側から上方に延びる嵌合部166Aとからなる。
装着動作として、まず、図45(a)に示すように、ピン部材163A,163Bがガイド部164の本体部165に嵌入する。この状態では、カム機構171Aは、長径方向が上下方向に沿って配置され、かつ軸部172が上方に位置した状態となっている。
その後、冷却装置9の冷却部材33bを矢印M2のように後方へスライドさせる。このスライドにともなって、後方のピン部材163Bがガイド部164の傾斜部166Dにガイドされて後方の嵌合部166Cに嵌入する。この際、傾斜部166Dは、後方に向かって上昇しているので、冷却部材33bは、図45(b)に示すように、後方上傾状(前方下傾状)となる。
そこで、カム機構171Aの軸部173を中心に回動(時計廻りの回動であっても、反時計廻りの回動であってもよい。)させて、長径方向が上下方向に沿って配置され、かつ軸部172が下方に位置した状態とする。これによって、第2の冷却部材33bがピン部材163Bを中心に、図45(c)の矢印Q2方向に揺動し、ピン部材163Aが嵌合部166Aに嵌合する。
また、この図45(c)に示す状態から軸部173を中心にカム部材172を回動させて、長径方向が上下方向に沿って配置され、かつ軸部172が上方に位置した状態とする。これによって、冷却部材33bがピン部材163Bを中心に、矢印Q1に示すように揺動して、図45(b)に示す状態、つまり、後方上傾状(前方下傾状)となる。その後、冷却部材33bを図45(a)の矢印M1方向にスライドさせれば、この図45(a)に示す状態となる。
この図45に示すガイド手段160としては、後方のカム機構を省略でき、部品点数の減少を図って低コスト化を図ることができる。しかも、冷却部材33bの上下方向および前後方向にガイドを安定して行うことができる。
また、この図45に示すガイド手段160においては、嵌合部166Cは、第1の冷却部材33aの後端ラインLよりも後方に位置するものであるので、この後端ラインLよりも後方で冷却部材33bをロックでき、上下の冷却部材33a、33bが干渉することなく、接近・離間することができる。
ところで、図44や図45に示すように、ガイド機構171A(171B)を用いる場合、図46(a)に示すように、一対設けるものであっても、図46(b)に示すように、1個設けものであってもよい。
図46(a)では、ガイド機構171A(171B)を装置本体幅方向(前後方向と直交する左右方向)に沿って、所定間隔に配置している。この場合、冷却部材33bの両幅方向端部にガイド機構171A(171B)を設けている。また、図46(b)では、冷却部材33bの幅方向中央部にガイド機構171A(171B)を設けている。
図47に示すものでは、一対のカム機構171A,171Bの軸部173,173が、前後方向に延びる軸部材180に連結されている。また、この軸部材180の端部には、取手181が連設されている。
この場合、取手181の操作によって、一対のカム機構171A,171Bが連動して、動作でき、冷却部材の上下方向および前後方向のガイドを安定かつ容易に行うことができる。このため、ジャム処理やメンテナンス時には画像形成装置本体200の外部からの操作を可能とできる。
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。本発明に係る画像形成装置は、電子写真複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置等がある。また、前記実施例では、モノクロ式の電子写真装置であったが、カラー式の電子写真装置であってもよい。
また、搬送機構31,32として、図2に示すように、近接した状態で、記録材Pを挟持搬送できる範囲で、ローラ55、57の数の増減は任意である。また、冷却部材の数としても、2個や3個に限るものではなく、4個以上であってもよい。搬送方向上流に配設される冷却部材を上方側に配置して、搬送方向下流に配設される冷却部材を下方側に配置しても、搬送方向上流に配設される冷却部材を下方側に配置して、搬送方向下流に配設される冷却部材を上方側に配置してもよい。
冷却部材を接近・離間させる場合、図1等に示す装置では、上方の冷却部材側を上下動させ、図38と図39等に示す装置では、下方の冷却部材側を上下動させさせるようにしていたが、図1等に示す装置において、下方の冷却部材側を上下動させさせるようしても、図38と図39等に示す装置において、上方の冷却部材側を上下動させるようにしてもよい。さらには、上方の冷却部材側及び下方の冷却部材側の両者を相互に接近・離間させるようにしてもよい。
さらには、テンション付与手段の配置位置をしても図例の位置に限らない。また、記録材Pはカット紙に限られず、ロール状媒体としてもよい。この場合、給紙カセット13をロール状媒体セット部とし、所定位置(例えばレジストローラ15の手前や定着装置8の手前など)にロール状媒体を切断する切断手段を設け、切断された記録媒体を排紙トレイ20に積載する。または、切断手段を設けず、排紙トレイ20に替えて排紙されたロール状媒体を巻き取る巻き取り手段としてもよい。
ガイド手段160において、ピン部材163の数として、2つに限るものではなく、増減は可能である。このため、ピン部材163が嵌合する嵌合部166の数としては、ピン部材163の数に合わせて増減が可能である。また、カム機構171の数としても、増減が可能であり、その配設ピッチや配設位置としても、カム駆動によって、冷却部材を上下動できるものであれば、任意に設定できる。
図45では、後方のピン部材163Bのみが上下動するが、前方のピン部竿163Aも後方のピン部材163Bと同様上下動するものであってもよい。
また、図47では、前後のカム機構171A,171Bを連動させるために、各カム機構171A,171Bの軸部173、173を軸部材180に連結させたものであったが、カム機構171A,171Bが幅方向に配置されるものであれば、これらのすべてのカム機構171A,171Bが連動するものであってもよい。
図28〜図30等に示すように、搬送機構31と冷却部材33あとが一体化され、搬送機構32と冷却部材33bとが一体化されたものであれば、ピン部材163として、搬送機構32の保持枠65等に設けてもよい。