以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る画像形成装置10は、カラー画像又は白黒画像を形成する装置であり、図1に示すように、水平方向一側(図1における左側)部分を構成する第1筐体10Aと、第1筐体10Aに分割可能に接続され水平方向他側(図1における右側)部分を構成する第2筐体10Bと、を備えている。
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかを付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
また、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。各トナーカートリッジ14と画像形成ユニット16との間には、露光ユニット40が画像形成ユニット16毎に設けられている。
露光ユニット40は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した露光光L(図2参照)を後述の感光体18(図2参照)へ照射するように構成されている。
各画像形成ユニット16は、図2に示すように、一方向(図2における時計回り方向)に回転駆動される感光体18を備えている。各露光ユニット40から各感光体18へ露光光Lが照射されることにより、各感光体18には静電潜像が形成される。
各感光体18の周囲には、感光体18を帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、露光ユニット40によって感光体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置22と、転写後の感光体18に残留する現像剤を除去する除去部材の一例としてのブレード24と、転写後の感光体18に光を照射して除電を行う除電装置26が設けられている。
スコロトロン帯電器20、現像装置22、ブレード24、除電装置26は、感光体18の表面と対向して、感光体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを感光体18に供給する現像ロール22Bを含んで構成されている。現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
図1に示すように、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各感光体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各感光体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写部材の一例としての一次転写ロール36とを含んで構成されている。
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の感光体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、感光体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
中間転写ベルト34を挟んだ駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
転写部32の下方には、用紙等の記録媒体が収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを一枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される構成となっている。
このように、本実施形態では、二次転写ロール62、画像形成ユニット16、一次転写ロール36及び中間転写ベルト34によって、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部が構成されている。
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込むようになっている。
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
複数の搬送ベルト70及び搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱して記録媒体Pに定着させる定着装置82が設けられている。
定着装置82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
図1に示すように、定着装置82の下流側には、定着装置82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト98が設けられている。搬送ベルト98は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
搬送ベルト98の下流側には、記録媒体Pを搬送する搬送装置の一例として、定着装置82によって加熱された記録媒体Pを搬送すると共にその記録媒体Pを冷却する冷却装置100が設けられている。この冷却装置100の具体的な構成は、後述する。なお、搬送装置としては、冷却装置100に限られず、例えば、冷却機能を有さない搬送装置であってもよい。
冷却装置100の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置170が設けられている。
矯正装置170の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する検出装置180が設けられている。
検出装置180では、光源から記録媒体Pへ出射され、記録媒体Pによって上方に反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出素子で検出することにより、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するようになっている。
検出装置180の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
一方、両面に画像を形成させる場合は、検出装置180から送出された記録媒体Pは、検出装置180の下流側に設けられた反転経路202に搬送されるようになっている。
反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐パス202Aと、分岐パス202Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス202Bと、用紙搬送パス202Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス202Cが設けられている。
この構成により、反転パス202Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光ユニット40に送られる。各露光ユニット40では、画像データに応じて各露光光Lを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各感光体18に露光し、静電潜像が形成される。このとき、スコロトロン帯電器20が放電することにより、オゾンが発生する。
図2に示すように、感光体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
図1に示すように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体28に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着装置82に向けて搬送される。
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着装置82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却装置100を通過して冷却された後、矯正装置170に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
湾曲が矯正された記録媒体Pは、検出装置180によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、検出装置180を通過後に、記録媒体Pが反転経路202で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
なお、画像形成装置10の構成としては、上記の構成に限られず、例えば、中間転写体を有さない直接転写型の画像形成装置でもよく、画像が形成可能な画像形成装置であれば、上記構成以外の画像形成装置であってもよい。
(本実施形態に係る冷却装置100の構成)
次に、本実施形態に係る冷却装置100の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る冷却装置の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る冷却装置100は、図3に示すように、循環移動する環状の第1ベルト110と、第1ベルト110の外周側(具体的には上側)に配置された環状の第2ベルト120と、を備えている。
以下、第1ベルト110に対して上側に配置される第2ベルト120を上ベルト120と称して説明し、第2ベルト120に対して下側に配置される第1ベルト110を下ベルト110と称して説明する。なお、第2ベルト120及び第1ベルト110としては、上下方向に並んで配置される構成に限られず、例えば、水平方向に沿って並んで配置される構成であってもよい。
下ベルト110及び上ベルト120には、例えば、ポリイミド製フィルムが用いられる。なお、下ベルト110及び上ベルト120としては、他の材質を用いても良い。また、環状の下ベルト110及び環状の上ベルト120としては、シーム(継ぎ目)有りのベルトでもあっても、シーム無しのベルトであってもよい。
下ベルト110の内周側には、下ベルト110が巻き掛けられる巻掛部材の一例としての巻掛ロール112が複数(本実施形態において6つ)配置されている。複数の巻掛ロール112は、下ベルト110に駆動力を付与する駆動部材の一例としての駆動ロール112Aと、下ベルト110に張力付与する張力付与部材の一例としての張力付与ロール112Bと、下ベルト110を支持する支持部材の一例としての複数(本実施形態において4つ)の支持ロール112C・112D・112E・112Fと、を備えて構成されている。
複数の巻掛ロール112は、下ベルト110の移動方向上流側から下ベルト110の移動経路に沿って、支持ロール112C、支持ロール112D、駆動ロール112A、支持ロール112E、支持ロール112F、張力付与ロール112Bの順で配置されている。
また、支持ロール112C・112Dは、上ベルト120との間に下ベルト110を挟んで、上ベルト120に対向して配置されている。駆動ロール112Aは、支持ロール112Dの下側に配置され、支持ロール112Eは、駆動ロール112Aの下側に配置されている。また、張力付与ロール112Bは、支持ロール112Cの下側に配置され、支持ロール112Fは、張力付与ロール112Bの下側に配置されている。
支持ロール112C・112D・112E・112Fは、下ベルト110に従動して回転する従動ロールで構成されている。駆動ロール112Aは、図示しない駆動モータから駆動力を付与されて回転駆動するようになっている。駆動ロール112Aが回転駆動することにより、下ベルト110は、一方向(図3における時計回り方向)へ循環移動(回転)するようになっている。張力付与ロール112Bには、圧縮ばね等の弾性部材116が設けられており、弾性部材116の弾性力によって、下ベルト110の外周側へ向かう力が作用している。これにより、下ベルト110は、張力が付与された状態で循環移動するようになっている。
なお、複数の巻掛ロール112の個数は、6つに限られず、2〜5つ、7つ以上であってもよい。また、複数の巻掛ロール112としては、駆動ロール112A、張力付与ロール112B及び支持ロール112C・112D・112E・112Fの配置位置を変更して構成してもよい。
また、下ベルト110の内周側には、下ベルト110を上ベルト120へ押し付ける押付部材の一例としての押付ロール114が複数(本実施形態において4つ)配置されている。具体的には、複数の押付ロール114は、上ベルト120及び下ベルト110を挟んで後述の接触部材130に対向配置されている。この複数の押付ロール114は、循環移動する下ベルト110に従動して回転するようになっている。
また、複数の押付ロール114には、圧縮ばね等の弾性部材118が設けられており、この弾性部材118の弾性力によって、押付ロール114が下ベルト110を上ベルト120側に押し付けている。
複数の押付ロール114が下ベルト110を上ベルト120側へ押し付けることにより、下ベルト110と上ベルト120との接触状態及び上ベルト120と接触部材130との接触状態が維持される。なお、押付部材としては、例えば、回転しないロールであっても良く、下ベルト110を上ベルト120へ押し付ける部材であればよい。
一方、上ベルト120の内周側には、上ベルト120が巻き掛けられる巻掛部材の一例としての巻掛ロール122が複数(本実施形態において5つ)配置されている。複数の巻掛ロール122は、上ベルト120に駆動力を付与する駆動部材の一例としての駆動ロール122Aと、上ベルト120に張力を付与する付与部材の一例としての張力付与ロール122Bと、上ベルト120を支持する支持部材の一例としての複数(本実施形態において3つ)の支持ロール122C・122D・122Eとを備えて構成されている。
複数の巻掛ロール122は、上ベルト120の移動方向上流側から上ベルト120の移動経路に沿って、支持ロール122C、駆動ロール122A、支持ロール122D、支持ロール122E、張力付与ロール122Bの順で配置されている。
駆動ロール122Aは、支持ロール112Dとの間に上ベルト120及び下ベルト110を挟んで、支持ロール112Dに対向して配置されている。支持ロール122Dは、駆動ロール122Aの上側に配置されている。支持ロール122Cは、支持ロール112Cとの間に上ベルト120及び下ベルト110を挟んで、支持ロール112Cに対向して配置されている。張力付与ロール122Bは、支持ロール122Cの上側に配置され、支持ロール122Eは、張力付与ロール122Bの上側に配置されている。
支持ロール122C・122D・122Eは、上ベルト120に従動して回転する従動ロールで構成されている。駆動ロール122Aは、図示しない駆動モータから駆動力を付与されて回転駆動するようになっている。駆動ロール122Aが回転駆動することにより、上ベルト120は、一方向(図3における反時計回り方向)へ循環移動(回転)するようになっている。張力付与ロール122Bには、圧縮ばね等の弾性部材126が設けられており、弾性部材126の弾性力によって、上ベルト120の外周側へ向かう力が作用している。これにより、上ベルト120は、張力が付与された状態で循環移動するようになっている。
なお、複数の巻掛ロール122の個数は、5つに限られず、2〜4つ、6つ以上であってもよい。また、複数の巻掛ロール122は、駆動ロール122A、張力付与ロール122B及び支持ロール122C・122D・122Eの配置位置を変更して構成してもよい。
上記のように、下ベルト110に接触する上ベルト120が循環移動することにより、搬送部材の一例としての上ベルト120が、被搬送材の一例としての記録媒体Pを下ベルト110との間に挟んで記録媒体Pを下ベルト110とで搬送するようになっている。
また、上ベルト120の内周側には、上ベルト120の内周一部に接触する接触部材130が、下ベルト110との間に上ベルト120を挟むように、下ベルト110に対向して配置されている。接触部材130は、図3に示すように、側面視にて(巻掛ロール122の軸方向一方から他方に向けて見た場合において)、上方が開放されたコの字(Uの字)形状をしている。
また、接触部材130は、底面130Aが下方へ出っ張る凸状に形成されており、その底面130Aが、上ベルト120が接触する接触面をなしている。また、接触部材130は、記録媒体Pに接触する上ベルト120に接触することにより、上ベルト120を介して記録媒体Pから吸熱する吸熱部材として機能する。
接触部材130には、図4に示すように、接触部材130からの熱を放熱するための放熱部材の一例としての放熱板132が設けられている。放熱板132は、上ベルト120のベルト幅方向(ベルト移動方向と直交する方向)に沿って配置されると共に、上ベルト120のベルト移動方向に沿って複数配列されている。
接触部材130及び放熱板132としては、上ベルト120よりも熱伝導性が良い材料が用いられ、例えば、金属材料で形成されている。金属材料としては、例えば、アルミニウムが用いられる。なお、接触部材130及び放熱板132の材料としては、上記の材料に限定されるものではない。
このように、本実施形態では、上ベルト120及び下ベルト110によって搬送される記録媒体Pを冷却する冷却部の一例としてのヒートシンクが、接触部材130及び放熱板132によって構成されている。放熱板132の側方には、送風手段の一例としてのファン134が設けられている。このファン134は、放熱板132の間に空気を送り込んで、放熱板132から熱を奪い、熱気を外部へ排出させるようになっている。
ここで、本実施形態に係る冷却装置100は、図5に示すように、下ベルト110を支持する第1ベルト支持体の一例としての下ベルト支持体150と、上ベルト120を支持する第2ベルト支持体の一例としての上ベルト支持体160と、を備えている。
下ベルト支持体150は、下ベルト110の側端(ベルト幅方向の端部)110Aに沿って下ベルト110の側方のそれぞれに設けられた一対の側板152A・152Bと、一対の側板152A・152Bに軸方向両端部がそれぞれ回転可能に支持された上述した複数の巻掛ロール112(図3参照)と、を備えて構成されている。
上ベルト支持体160は、上ベルト120の側端(ベルト幅方向の端部)120Aに沿って上ベルト120の側方のそれぞれに設けられた一対の側板162A・162Bと、一対の側板162A・162Bに軸方向両端部がそれぞれ回転可能に支持された上述した複数の巻掛ロール122(図3参照)と、を備えて構成されている。
上ベルト支持体160の上部には、ベルト幅方向に沿って長さを有し、下ベルト110の上方を向く外周面に対向する対向板164が設けられている。
第2筐体10Bには、下ベルト支持体150を支持する支持部158と、上ベルト支持体160を支持する支持部の一例としてのカウンターバランス168と、支持部158及びカウンターバランス168を、ベルト幅方向に沿って第2筐体10Bから第1位置(図5参照)及び第2位置(図6参照)に引き出し可能にする引出手段の一例としての一対のスライドレール(案内部材)159が設けられている。
支持部158は、下ベルト支持体150の側板152A・152Bに沿って配置された一対の支持部材158A・158Bを備えて構成されている。なお、スライドレール159は、スライドレール159に設けられた位置決め手段の一例としてのストッパー(図示省略)によって、支持部158及びカウンターバランス168を第1位置(図5参照)と第2位置(図6参照)とに位置決めするようになっている。また、第1位置は、第2位置よりも第2筐体10Bから離れた位置となっている。
このカウンターバランス168及び支持部158が、スライドレール159に沿って第2筐体10Bの外側に移動されることにより、支持部158、下ベルト支持体150、カウンターバランス168及び上ベルト支持体160が第2筐体10Bから一体に第1位置(図5参照)及び第2位置(図6参照)に引き出されるようになっている。
なお、第2筐体10Bの開口部10Dには、その開口部10Dを開閉可能な開閉部の一例としての開閉扉10Cが設けられており、開閉扉10Cによる開口部10Dの開放状態において、下ベルト支持体150及び上ベルト支持体160は第2筐体10Bから引き出されるようになっている。
カウンターバランス168は、上ベルト支持体160の引き出し方向内側(第2筐体10Bの奥側)に配置されており、図7に示すように、上ベルト支持体160の引き出し方向内側を支点に上ベルト支持体160を下ベルト支持体150に対して傾かせられるように、上ベルト支持体160を支持している。上ベルト支持体160が下ベルト支持体150に対して傾くことにより、記録媒体Pが挟まれる下ベルト110の外周面110B(以下、挟み面110Bという)に対して、記録媒体Pが挟まれる上ベルト120の外周面120B(以下、挟み面120Bという)が開放(露出)されるようになっている。
また、カウンターバランス168は、上ベルト支持体160に対してその自重と反対方向の力を作用させて上ベルト支持体160を静止均衡させる機能を有している。従って、上ベルト支持体160は、上ベルト120の挟み面120Bが下ベルト110の挟み面110Bに対して任意の開放角度で静止されるようになっている。また、上ベルト支持体160は、上ベルト120の挟み面120Bが下ベルト110の挟み面110Bに対して、最大で第1角度θ1(例えば、40度)まで開放されるようになっている(図9参照)。
第2筐体10Bには、図10に示すように、第2位置において開放された上ベルト支持体160に接触して第1角度よりも小さい第2角度θ2(例えば、19度)で、下ベルト110の挟み面110Bに対する上ベルト120の挟み面120Bの開放を規制する規制部169が設けられている。
具体的には、規制部169は、上ベルト支持体160の引き出し方向内側に突出する対向板164の先端部に接触して、上ベルト支持体160の開放を規制するようになっている。
また、規制部169は、第1位置において、上ベルト120が開放された上ベルト支持体160に対して非接触であり、上ベルト120の第1角度θ1までの開放を許容するようになっている。
なお、図11に示すように、支持部158は、下ベルト支持体150を着脱可能の支持しており、上ベルト120の挟み面120Bが下ベルト110の挟み面110Bに対して、第1角度θ1(例えば、40度)まで開放された状態において、下ベルト支持体150が支持部158に対して着脱されるようになっている。
(本実施形態に係る冷却装置の作用)
次に、本実施形態に係る冷却装置の作用を説明する。
本実施形態に係る冷却装置100では、図3に示すように、上ベルト120と下ベルト110との間に記録媒体Pを挟んで上ベルト120及び下ベルト110が循環移動することで、記録媒体Pを搬送する。搬送される記録媒体Pは、ヒートシンクを構成する接触部材130及び放熱板132により、上ベルト120を介して吸熱されて冷却される。
ここで、例えば、搬送される記録媒体Pが下ベルト110と上ベルト120との間で詰まった場合には、以下のように、その詰まった記録媒体Pを取り除かれる。
まず、開閉扉10Cを開いて第2筐体10Bの開口部10Dを開放する(図6参照)。次に、図6に示すように、上ベルト支持体160及び下ベルト支持体150を、開口部10Dの開放状態において、第2筐体10Bから第2位置に引き出す。
次に、図8及び図10に示すように、第2位置において、上ベルト支持体160を下ベルト支持体150に対して傾かせて、下ベルト110の挟み面110Bに対して上ベルト120の挟み面120Bを開放する。このとき、上ベルト支持体160の対向板164の先端部は、規制部169に接触して、下ベルト110の挟み面110Bに対する上ベルト120の挟み面120Bの角度が第2角度θ2に規制される。
そして、図10に示すように、下ベルト110の挟み面110Bと上ベルト120の挟み面120Bとの間で詰まった記録媒体Pが除去される。
さらに、冷却装置100では、上ベルト120、上ベルト支持体160、下ベルト110及び下ベルト支持体150に対して、例えば、以下のように、保守・点検が行なわれる。
まず、開閉扉10Cを開いて第2筐体10Bの開口部10Dを開放する(図5参照)。次に、図5に示すように、上ベルト支持体160及び下ベルト支持体150を、開口部10Dの開放状態において、第2筐体10Bから第1位置に引き出す。
次に、図7及び図9に示すように、第1位置において、上ベルト支持体160を下ベルト支持体150に対して傾かせて、下ベルト110の挟み面110Bに対して上ベルト120の挟み面120Bを開放する。このとき、上ベルト支持体160は、規制部169による規制を受けずに、下ベルト110の挟み面110Bに対する上ベルト120の挟み面110Bの角度が最大で第1角度θ1まで開放される。
さらに、この第1角度での開放状態において、図11に示すように、下ベルト110及び下ベルト支持体150を支持部158から取り外し、この取り外し状態において、上ベルト120、上ベルト支持体160に対して保守・点検がなされ、取り外した下ベルト110や下ベルト支持体150に対して、部品交換や保守・点検がなされる。なお、下ベルト110及び下ベルト支持体150を支持部158から取り外されていない状態(図7における状態)において、上ベルト120、上ベルト支持体160、下ベルト110及び下ベルト支持体150に対して、保守・点検をしてもよい。
以上のように、下ベルト支持体150及び上ベルト支持体160を第2筐体10B内から引き出す引出位置によって、下ベルト110の挟み面110Bに対して上ベルト120の挟み面120Bが開放される角度を決定される。
従って、上ベルト120、上ベルト支持体160、下ベルト110及び下ベルト支持体150に対して行う作業に応じて、下ベルト支持体150及び上ベルト支持体160を第2筐体10B内から引き出す引出位置を変更することにより、下ベルト110の挟み面110Bに対して上ベルト120の挟み面120Bが開放される角度が変更される。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。