JP2011107222A - 断熱構造及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着装置の上側に配置された機能部材の温度上昇を抑えることができる断熱構造及び画像形成装置を得る。
【解決手段】断熱構造100は、トナーをシート部材Pに定着させる定着ユニット82の上部に配置され、定着ユニット82が設けられた第2処理部10Bの外部へ排気する排気ダクト101と、排気ダクト101の上方で且つ電源ユニット230の下方に配置された断熱部材103と、排気ダクト101から断熱部材103を離間配置して隙間111を形成する補強部材105とで構成されている。ここで、定着ユニット82で生じた熱は、排気ダクト101による排気、隙間111での断熱効果、及び断熱部材103の断熱効果により、電源ユニット230まで拡散しなくなる。これにより、電源ユニット230の温度上昇を抑えることができる。
【選択図】図7
【解決手段】断熱構造100は、トナーをシート部材Pに定着させる定着ユニット82の上部に配置され、定着ユニット82が設けられた第2処理部10Bの外部へ排気する排気ダクト101と、排気ダクト101の上方で且つ電源ユニット230の下方に配置された断熱部材103と、排気ダクト101から断熱部材103を離間配置して隙間111を形成する補強部材105とで構成されている。ここで、定着ユニット82で生じた熱は、排気ダクト101による排気、隙間111での断熱効果、及び断熱部材103の断熱効果により、電源ユニット230まで拡散しなくなる。これにより、電源ユニット230の温度上昇を抑えることができる。
【選択図】図7
Description
本発明は、断熱構造及び画像形成装置に関する。
特許文献1は、定着装置を覆う第1カバーと、第1カバーを覆う第2カバーとを備えており、第1カバーと第2カバーの間に隙間を形成している。
特許文献2は、定着装置の加熱手段を覆う断熱部材を設けている。
特許文献3は、定着装置を覆うダクトが設けられており、ダクトは定着装置側が樹脂で、定着装置と反対側が板金で構成されている。
本発明は、定着装置の上側に配置された機能部材の温度上昇を抑えることができる断熱構造及び画像形成装置を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る断熱構造は、現像剤を記録媒体に定着させる定着装置の上部に配置され、排気される空気が流れる流路部材と、前記流路部材の上側で且つ該流路部材の上側に配置された機能部材の下側に配置された断熱部材と、前記流路部材と前記断熱部材との間に上下方向に隙間を形成する隙間形成部材と、を有する。
本発明の請求項2に係る断熱構造は、前記定着装置の筐体は前記流路部材の上方に配置された枠状部を有し、前記隙間形成部材は、前記枠状部の各角部を挟む両側を連結して該枠状部を補強する補強部材である。
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、記録媒体上に現像剤で画像を形成する画像形成手段と、記録媒体の搬送方向で前記画像形成手段の下流側に設けられ、現像剤を記録媒体に定着させる定着手段と、請求項1又は請求項2に記載の断熱構造と、を有する。
請求項1の発明は、排気手段、断熱部材、及び隙間形成部材からなる断熱構造を有していない構成に比べて、定着装置の上側に配置された機能部材の温度上昇を抑えることができる。
請求項2の発明は、補強部材とは別に隙間形成部材を設ける構成に比べて、断熱構造の部品数を減らすことができる。
請求項3の発明は、排気手段、断熱部材、及び隙間形成部材からなる断熱構造を有していない構成に比べて、定着装置の上側に配置された機能部材の温度上昇を抑えることができる。
本発明の実施形態に係る断熱構造及び画像形成装置の一例について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、カラー画像又は白黒画像を形成するものであり、正面視で左側に配置された第1処理部10Aと、第1処理部10Aと着脱可能とされ右側に配置された第2処理部10Bとを有している。第1処理部10A及び第2処理部10Bは、複数のフレーム材15(図5参照)を含む筐体11を有している。
第2処理部10Bの内部であって鉛直方向上側には、コンピュータから送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部を含み、画像形成装置10の各部の駆動制御を行う制御部13が設けられている。また、制御部13の下側には、機能部材の一例としての電源ユニット230が設けられている。電源ユニット230は、外部から取り込んだ交流電流を直流電流に変えて、画像形成装置10の各部へ給電を行っている。
一方、第1処理部10Aの内部であって鉛直方向上側には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に並んで交換可能に設けられている。なお、第1特別色及び第2特別色には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から選択される。また、以後の説明では、V、W、Y、M、C、Kを区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明し、V、W、Y、M、C、Kを区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する画像形成手段の一例としての6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応して水平方向に並んで設けられ、各トナーカートリッジ14の下側には、画像形成ユニット16毎に画像形成手段の一例としての露光ユニット40が設けられている。露光ユニット40は、前述した制御部13から画像処理を施された画像データを受け取り、半導体レーザ(図示省略)を色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザから露光光Lを出射するように構成されている。詳細には、後述する感光体18(図2参照)の表面に各色に対応した露光光Lを照射して感光体18上に静電潜像を形成するようになっている。
図2に示すように、画像形成ユニット16は、矢印A(図2の時計回り)方向に回転駆動される感光体18を備えている。そして、感光体18の周囲には、感光体18を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、露光ユニット40によって出射された露光光Lにより感光体18上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像する現像装置22と、転写後の感光体18の表面をクリーニングするクリーニングブレード24と、転写後の感光体18の表面に光を照射して除電を行うイレーズランプ26が設けられている。そして、スコロトロン帯電器20、現像装置22、クリーニングブレード24、イレーズランプ26は、感光体18の表面と対向して、感光体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
また、現像装置22は、画像形成ユニット16の側方(本実施形態では紙面右側)に配置され、トナーを含んだ現像剤Gが充填された現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに充填されたトナーを感光体18の表面に移動させる現像ロール22Bとを含んで構成されている。そして、現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(図1参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
図1に示すように、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各感光体18と接触する無端状の中間転写ベルト34と、中間転写ベルト34の内側に配置され、各感光体18上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる6つの1次転写部材としての1次転写ロール36とを含んで構成されている。中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34の張力を調整する張力付与ロール41と、後述する2次転写ロール62と対向配置された支持ロール42と、複数個の支持ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、図1の矢印B方向(反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
詳細には、各1次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の感光体18と対向配置されている。また、1次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により感光体18上に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。また、駆動ロール38と中間転写ベルト34を挟んで反対側には、先端部が中間転写ベルト34と接触するクリーニングブレード46が設けられおり、このクリーニングブレード46は、循環移動する中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
一方、転写部32の下方で第1処理部10Aの下側には、記録媒体の一例としてのシート部材Pが収納される大型の給紙カセット48が水平方向に並んで2個設けられており、シート部材Pが大量に収納可能とされている。なお、2個の給紙カセット48は、同様の構成とされているため、一方の給紙カセット48について説明し、他方の給紙カセット48については説明を省略する。
給紙カセット48は、第1処理部10Aから引き出し自在とされており、給紙カセット48を第1処理部10Aから引き出すと、給紙カセット48内に設けられシート部材Pが載せられるボトムプレート50が、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。ボトムプレート50が下降することで、ユーザーがシート部材Pを補充可能となっている。また、給紙カセット48を第1処理部10Aに取り付けると、ボトムプレート50が、制御手段の指示によって上昇する。給紙カセット48の一端側の上方には、給紙カセット48からシート部材Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられており、上昇するボトムプレート50に載せられた最上位のシート部材Pと送出ロール52が接触するようになっている。さらに、送出ロール52のシート部材搬送方向下流側(以下単に「下流側」という)には、シート部材Pの重送を防止する分離ロール56が設けられ、分離ロール56の下流側には、シート部材Pを搬送方向下流側に搬送する複数個の搬送ロール54が設けられている。
給紙カセット48の上側に設けられる搬送経路60は、給紙カセット48から送出されたシート部材Pを第1折返部60Aで反対側(図示の左側)に折り返し、さらに、第2折返部60Bで反対側(図示の右側)に折り返して、2次転写ロール62と支持ロール42で挟まれた転写位置Tに向けて延びるようになっている。
第2折返部60Bと転写位置Tとで挟まれる部位には、搬送されるシート部材Pの傾き等を修正するアライナー(図示省略)が設けられており、このアライナーと転写位置Tとで挟まれる部位には、中間転写ベルト34上のトナー画像の移動タイミングとシート部材Pの搬送タイミングを合わせるための位置合せロール64が設けられている。
また、2次転写ロール62は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34上に多重転写された各色のトナー画像が、2次転写ロール62によって搬送経路60に沿って搬送されてきたシート部材Pに2次転写される構成となっている。さらに、搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1処理部10Aの側面から延びる予備経路66が設けられており、第1処理部10Aに隣接して配置された外付けの大容量集積部(図示省略)から送出されたシート部材Pが、予備経路66を通って搬送経路60に入り込めるようになっている。
一方、転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写されたシート部材Pを第2処理部10Bに向けて搬送する複数個の搬送装置70が設けられている。搬送装置70は、図示しない駆動ロールと従動ロールに巻き掛けられる複数本のベルト部材が備えられており、駆動ロールを回転駆動させてベルト部材を回転させることで、シート部材Pを下流側に向けて搬送するようになっている。
搬送装置70の下流側は、第1処理部10Aから第2処理部10Bへ延びており、搬送装置70によって送り出されたシート部材Pが、第2処理部10Bに設けられた搬送装置80によって受取られ、さらに下流側に搬送されるようになっている。また、搬送装置80の下流側には、シート部材Pの表面に転写されたトナー画像をシート部材Pに熱と圧力で定着させる定着装置の一例としての定着ユニット82が設けられている。そして、定着ユニット82の上方には、後述する断熱構造100が設けられている。
図3に示すように、定着ユニット82は、定着ベルト84を備える定着ベルトモジュール86と、定着ベルトモジュール86に圧接配置された加圧ロール88とで構成されている。そして、定着ベルトモジュール86と加圧ロール88とでシート部材Pを加圧加熱してトナー画像を定着させるニップ部Nが形成されている。
定着ベルトモジュール86は、無端状の定着ベルト84と、加圧ロール88側で定着ベルト84を張架しながらモータ(図示省略)の回転力で回転駆動する加熱ロール89と、加熱ロール89と異なる位置で内側から定着ベルト84を張架する支持ロール90とを備えている。また、定着ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱ロール89から支持ロール90までの定着ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94とを備えている。
さらに、定着ベルトモジュール86と加圧ロール88とが圧接する領域であるニップ部N内の下流側領域で且つ定着ベルト84の内側には、加熱ロール89の近傍位置に配置され加熱ロール89の外周面から定着ベルト84を剥離する剥離パッド96と、ニップ部Nの下流側において定着ベルト84が張架される支持ロール98とが設けられている。
加熱ロール89は、アルミニウムからなる円筒状の芯金の表面の金属磨耗を防止する保護層として、芯金表面に厚さ200μmのフッ素樹脂皮膜が形成されたハードロールである。さらに、加熱ロール89の内部には、加熱手段としてハロゲンヒータ102が設けられている。また、支持ロール90は、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、内部には加熱源としてハロゲンヒータ104が配設されており、定着ベルト84を内面側から加熱するようになっている。さらに、支持ロール90の両端部には定着ベルト84を外側に押圧するバネ部材(図示省略)が配設されている。
支持ロール92は、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、支持ロール92の表面には厚さ20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されている。この離型層は、定着ベルト84の外周面からの僅かなオフセットトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。この支持ロール92の内部には、加熱手段としてのハロゲンヒータ106が配設されており、定着ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。つまり、本実施形態では、加熱ロール89と支持ロール90及び支持ロール92とによって、定着ベルト84が加熱される構成となっている。
姿勢矯正ロール94は、アルミニウムで形成された円柱状ロールであり、姿勢矯正ロール94の近傍には、定着ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(図示省略)が配置されている。そして、姿勢矯正ロール94には、端部位置測定機構の測定結果に応じて定着ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(図示省略)が配設され、定着ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
また、剥離パッド96は、一例として、鉄系の金属や樹脂等の剛体で形成された加熱ロール89と対応する長さを有するブロック状の部材である。剥離パッド96の断面形状は、加熱ロール89に面する湾曲した内側面96Aと、定着ベルト84を加圧ロール88に向けて押圧する押圧面96Bと、押圧面96Bに対して決められた角度を有して定着ベルト84を屈曲させる外側面96Cとを備えて構成される略円弧状を呈している。詳細には、押圧面96Bと外側面96Cから構成される角部Uは、加圧ロール88によって角部Uに押し付けられた定着ベルト84を屈曲させ、角部Uをシート部材Pの先端が通過する際に、シート部材Pの先端と定着ベルト84を剥離させるようになっている。
一方、加圧ロール88は、アルミニウムからなる円柱状ロール88Aを基体として、基体側から順に、シリコーンゴムからなる弾性層88Bと、膜厚100μmのフッ素系樹脂からなる剥離層とが積層された構成となっている。また、加圧ロール88は、回転自在に支持されると共に、図示しないスプリング等の付勢手段によって定着ベルト84が加熱ロール89に巻き回された部位に圧接されて設けられている。これにより、定着ベルトモジュール86の加熱ロール89が矢印C方向へ回転移動するのに伴って、加熱ロール89に従動して矢印E方向に回転移動するようになっている。
図1に示すように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送出されたシート部材Pを下流側へ搬送する搬送装置108が設けられ、搬送装置108の下流側には、定着ユニット82によって加熱されたシート部材Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。冷却ユニット110は、搬送経路60を挟んで上側にシート部材Pの熱を吸収する吸収装置112が設けられ、下側には、搬送されるシート部材Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114が設けられている。また、冷却ユニット110の下流側には、シート部材Pの反りを矯正するデカール処理ユニット140が設けられている。
吸収装置112には、シート部材Pと接触し、シート部材Pの熱を吸収する無端状の吸収ベルト116が設けられており、吸収ベルト116を支持する複数個の支持ロール118と、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120が、吸収ベルト116の内側に設けられている。さらに、吸収ベルト116の内側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
押付装置114には、シート部材Pと接触し、シート部材Pを吸収装置112へ押し付ける無端状の押付ベルト130と、押付ベルト130が張架されると共に回転可能に支持される複数個の支持ロール132が設けられている。これらの構成により、シート部材Pの熱が奪われ、シート部材Pが冷却されるようになっている。
デカール処理ユニット140の下流には、片面に画像が形成されたシート部材Pを第2処理部10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。ここで、シート部材Pの両面に画像を形成させる場合は、デカール処理ユニット140の下流に設けられた反転ユニット200へシート部材Pが搬送される。
反転ユニット200には、反転経路202が設けられている。反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐パス202Aと、分岐パス202Aに沿って搬送されるシート部材Pを第1処理部10A側に向けて搬送する用紙搬送パス202Bと、用紙搬送パス202Bに沿って搬送されるシート部材Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させ表裏を反転させる反転パス202Cとが設けられている。この構成により、反転パス202Cでスイッチバック搬送されたシート部材Pは、第1処理部10Aに向けて搬送され、さらに、給紙カセット48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
次に、断熱構造100について説明する。
図1に示すように、定着ユニット82の上方には、断熱構造100が設けられている。図4及び図7に示すように、断熱構造100は、第2処理部10Bの外部へ排気される空気が流れる流路部材の一例としての排気ダクト101と、排気ダクト101の上方に配置された断熱部材103と、排気ダクト101から断熱部材103を距離d1で離間配置して隙間111を形成する隙間形成部材の一例としての補強部材105と、で構成されている。
排気ダクト101は、画像形成装置10の正面視にて、定着ユニット82の上方から、定着ユニット82のシート部材Pが送り出される送出部95の一部までを覆う断面L字状で、画像形成装置10の奥側(図4の矢印Y方向)へ延びる筒体で構成されている。また、排気ダクト101は、定着ユニット82の上部と対向する底部101Aに排気方向(矢印Y方向)を長手方向とする複数の吸気孔107が形成されており、送出部95と対向する側部101Bに送出部95に向けて吸気口109が形成されている。
ここで、排気ダクト101の奥側端部には、回転して排気ダクト101内を負圧にする排気ファン(図示省略)が設けられており、この排気ファンの排気動作により、定着ユニット82の上方で吸気して排気ダクト101を通り第2処理部10Bの外部へ排気するようになっている。なお、排気ダクト101は樹脂製、金属製のいずれであってもよい。また、図5に示すように、排気ダクト101の上方には、平面視で方形状に組まれた4本(角部を含めると8本)のフレーム材15で構成された枠状部17が設けられている。
断熱部材103は、一例として、矢印Z方向の厚さが数十mm(20mm)で平板状の発泡ウレタンで構成されており、図6、7に示すように、枠状部17で囲まれた部位に嵌め込み可能な大きさになっている。なお、図7に示すように、断熱部材103の上方では、断熱部材103を囲むフレーム材15(枠状部17)上に断面コ字状の支持板113が上方を開口する配置で取り付けられており、この支持板113上に前述の電源ユニット230が設置されている。
一方、図5に示すように、補強部材105は、厚さがd2(図4の距離d1とほぼ同じ)の板材が2箇所で折り曲げられたものであり、平面視で台形状の底部105Aと、底部105Aから矢印Z方向に立ち上げられ互いに平面視で90°ずれた配置となっている取付部105B、105Cとを有している。底部105Aは、排気ダクト101上に配置されるようになっており、取付部105B、105Cは、枠状部17の内側の四つの角部を挟む両側面にボルト117で締結固定されるようになっている。なお、排気ダクト101の上部に天井部材(一例として、金属板)を設け、この天井部材上に底部105Aを配置してもよい。
ここで、図5に示すように、画像形成装置10では、補強部材105が枠状部17にボルト117で固定される。この補強部材105により、各フレーム材15が連結されて第2処理部10Bの剛性が上がる。
続いて、図5、6に示すように、枠状部17の内側に断熱部材103を嵌め込む。このとき、断熱部材103の四隅は補強部材105の底部105Aで支持されるため、排気ダクト101と断熱部材103との隙間111の間隔は、補強部材105の厚さd2とほぼ等しい距離d1となる。このようにして、排気ダクト101、断熱部材103、及び補強部材105により断熱構造100が形成される。なお、補強部材105によって隙間111が形成されるため、別途隙間形成のための部品を設ける必要はない。
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
図1に示すように、画像形成装置10の各ユニットが作動状態になると、制御部13で画像処理が施された画像データは、各色の色材階調データに変換され、露光ユニット40に順次出力される。各露光ユニット40では、各色の色材階調データに応じて各露光光Lを出射して、スコロトロン帯電器20(図2参照)によって帯電した各感光体18に走査露光を行い、静電潜像が形成される。そして、感光体18(図2参照)上に形成された静電潜像は、現像装置22によってそれぞれ第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像(現像剤像)として顕在化され現像が行われる。
続いて、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体18上に順次形成された各色のトナー画像は、6つの1次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34上に順次多重転写される。そして、中間転写ベルト34上に多重転写された各色のトナー画像は、2次転写ロール62によって、給紙カセット48から搬送されてきたシート部材P上に2次転写される。トナー画像が転写されたシート部材Pは、搬送装置70によって第2処理部10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
続いて、シート部材P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱、加圧されることでシート部材Pに定着される。さらに、トナー画像が定着されたシート部材Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、デカール処理ユニット140に送り込まれ、シート部材Pに生じた反りが矯正される。そして、反りが矯正されたシート部材Pは、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、切替部材(図示省略)によってシート部材Pを反転ユニット200に送り出す。反転ユニット200へ送り出されたシート部材Pは、反転経路202を通過して反転され、給紙カセット48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
次に、断熱構造100の断熱作用について説明する。
図7に示すように、画像形成装置10が作動して定着ユニット82での定着処理が開始されると、定着ユニット82の周囲の空気が加熱され高温状態となる。ここで、排気ダクト101の排気ファン(図示省略)により排気が開始されると、定着ユニット82の周囲の高温の空気は、吸気孔107及び吸気口109から吸気され、排気ダクト101を流れて第2処理部10Bの外部へ排気される。これにより、定着ユニット82から画像形成装置10の他の部位への熱の拡散が低減される(断熱の第1段階)。なお、吸気口109からの吸気により、定着後のシート部材Pから蒸発した水蒸気も排気されるので、結露がおこりにくくなる。
続いて、排気ダクト101内を流れる空気が高温のため、排気ダクト101の温度が上昇することになるが、補強部材105によって排気ダクト101と断熱部材103との隙間111が形成されているため、この隙間111の空気の断熱効果により、断熱部材103への熱の拡散がさらに低減される(断熱の第2段階)。
続いて、隙間111では熱の対流が生じるが、隙間111の上方にある断熱部材103によって熱の拡散が低減されるため、断熱部材103よりも上方にある電源ユニット230には熱が伝わりにくくなる(断熱の第3段階)。このように、断熱構造100では、3段階の断熱作用により、定着ユニット82による電源ユニット230の温度上昇が抑えられる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
排気ダクト101は、一例として、底部を樹脂製、天井部を金属製としてもよい。また、機能部材として、電源ユニット230だけでなく、例えば、トナーが熱の影響を受け易い現像ユニットやトナーカートリッジ、あるいは画像形成ユニット16を対象としてもよい。断熱部材103は、発泡ウレタン以外に、グラスウール、ロックウール、シリカ、石英ガラス、フェノールフォーム、ポリスチレン、ポリスチレンフォームなどの断熱材料を用いてもよい。
さらに、隙間111の大きさは、補強部材105の厚さ分に限らず、例えば、補強部材105を排気ダクト101から上方へ離間配置した状態で固定して、隙間111を拡大(調整可能に)してもよい。また、排気ダクト101は1つに限らず、例えば、吸気孔107側と吸気口109側とに分割して複数の排気ダクトを設けてもよい。
10 画像形成装置。
11 筐体
16 画像形成ユニット(画像形成手段)
17 枠状部
82 定着ユニット(定着装置)
100 断熱構造
101 排気ダクト(流路部材)
103 断熱部材
105 補強部材(隙間形成部材)
230 電源ユニット(機能部材)
P シート部材(記録媒体)
11 筐体
16 画像形成ユニット(画像形成手段)
17 枠状部
82 定着ユニット(定着装置)
100 断熱構造
101 排気ダクト(流路部材)
103 断熱部材
105 補強部材(隙間形成部材)
230 電源ユニット(機能部材)
P シート部材(記録媒体)
Claims (3)
- 現像剤を記録媒体に定着させる定着装置の上部に配置され、排気される空気が流れる流路部材と、
前記流路部材の上側で且つ該流路部材の上側に配置された機能部材の下側に配置された断熱部材と、
前記流路部材と前記断熱部材との間に上下方向に隙間を形成する隙間形成部材と、
を有する断熱構造。 - 前記定着装置の筐体は、前記流路部材の上方に配置された枠状部を有し、
前記隙間形成部材は、前記枠状部の各角部を挟む両側を連結して該枠状部を補強する補強部材である請求項1に記載の断熱構造。 - 記録媒体上に現像剤で画像を形成する画像形成手段と、
記録媒体の搬送方向で前記画像形成手段の下流側に設けられ、現像剤を記録媒体に定着させる定着装置と、
請求項1又は請求項2に記載の断熱構造と、
を有する画像形成装置。
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