JP2585841Y2 - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP2585841Y2
JP2585841Y2 JP1992040150U JP4015092U JP2585841Y2 JP 2585841 Y2 JP2585841 Y2 JP 2585841Y2 JP 1992040150 U JP1992040150 U JP 1992040150U JP 4015092 U JP4015092 U JP 4015092U JP 2585841 Y2 JP2585841 Y2 JP 2585841Y2
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栄一 伊藤
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旭光学工業株式会社
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  • Paper Feeding For Electrophotography (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、電子写真法を利用し
た画像形成手段を有する電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真法を利用した画像形
成手段を有する電子写真装置は、感光ドラムと、この感
光ドラムの外周面に形成されたトナー像を用紙の表面に
転写する転写チャージャと、この転写チャージャにより
用紙の表面に転写されたトナー像を熱により定着させる
定着装置とを備えて構成されている。尚、この定着装置
は、互いに転接された一対の定着ローラを備え、両定着
ローラの回転に伴い、定着動作を実行しつつ、用紙を排
紙口に向けて搬送する様に構成されている。このような
従来の電子写真装置において、定着装置で定着された用
紙を、エンクロジャー外に排出する為に、定着装置とエ
ンクロジャーとの間に排紙機構を介設し、この排紙機構
によりエンクロジャーに形成された排紙口を介して、定
着済の用紙をエンクロジャー外に確実に排出する様に構
成されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ここで、従来の電子写
真装置においては、排紙される用紙が帯電されたままで
いると、排紙トレイ上に排紙された状態で、互いに密着
して剥れにくくなる為、これを除電する必要がある。こ
の為、排紙口の上縁に除電ブラシを取り付け、これを接
地する事により、この除電ブラシに触れた用紙を除電す
る様にしている。しかしながら、排紙口の内方に排紙機
構が配設されたタイプの電子写真装置においては、この
排紙機構に形成された排出口とエンクロジャーに形成さ
れた排紙口との間に間隙が存在する事となり、この為、
定着後における用紙のカール傾向との兼ね合いにおい
て、用紙を排紙口を確実に通り抜ける様に排出しようと
すると、除電ブラシに触れずに、除電されない虞があ
り、また、除電ブラシに確実に触れさせる状態で排出し
ようとすると、排紙口を通らずに所謂ジャムが発生する
虞があり、改善が要望されていた。
【0005】この考案は、上述した事情に鑑みてなされ
たもので、この考案の目的は、定着済の用紙を排出する
に際して、これを確実に排紙することが出来ると共に、
除電させる事の出来る電子写真装置を提供する事であ
る。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上述した課題を解決し、目
的を達成する為、この考案に係る電子写真装置は、シー
ト状部材に画像を形成する画像形成手段を収容するエン
クロージャーと、該エンクロージャーに形成された排出
口と、シート状部材を排出口からエンクロージャー外に
排出する排出手段と、排出手段に取り付けられた除電シ
ートと、を具備している。当該排出出段は、シート状部
材の通路を規定し且つ互いに相対する第1ガイド部材及
び第2ガイド部材を有し、排出出段はシート状部材の通
路を規定し且つ互いに相対する第1ガイド部材及び第2
ガイド部材を有している。当該第1ガイド部材は、第2
ガイド部材に対して、第1ガイド部材の排出口と反対の
側が開成するよう揺動可能により構成されている。当該
除電シートは、その一端部が第1ガイド部材に取り付け
られ、排出手段によるシート状部材の排出方向と交わる
方向に延出して排出口まで達しており、且つ第1ガイド
部材と共に第2ガイド部材に対して揺動し得るよう構成
されている。
【0007】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、その下面において前記排出手
段により排出されるシート状部材の上面に係合し、この
シート状部材の排出方向を下方に向けて偏位させる様に
ガイドする様に取り付けられている事を特徴としてい
る。
【0008】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、少なくともその下面に導電層
を有し、この導電層は、前記排出手段を介して接地され
る事を特徴としている。
【0009】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、所定の剛性を有するシート本
体と、このシート本体の下面に形成され、接地された導
電層とを備える事を特徴としている。
【0010】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、前記排出口を介して、前記エ
ンクロジャーの外方に延出している事を特徴としてい
る。
【0011】
【実施例】以下に、この考案に係わる電子写真装置の一
実施例の構成を、ファクシミリ装置に適用した場合につ
き、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】[全体構成の説明] この一実施例のファクシミリ装置10は、図1に示す様
に、複数枚を一度にセットされた送信原稿の画像情報を
一枚づつ自動的に読み取り、読み取った画像情報を電話
回線を用いて相手受信側のファクシミリ装置に送信し、
また、相手送信側のファクシミリ装置から送信されてき
た画像情報を、レーザスキャニング方式を用いた電子写
真法を介して、内蔵する用紙(この一実施例では、カッ
トされた普通紙)に転写(画像形成)することができる
様に構成されている。一方、このファクシミリ装置10
は、原稿から読み取った画像情報を、内蔵する用紙に複
写(画像形成)する事のできる所謂電子複写機能を有す
る様に構成されている。更に、このファクシミリ装置1
0は、電話回線以外の接続ラインを介して例えば情報処
理装置から送信されてきた画像情報を内蔵する用紙に転
写(画像形成)する事の出来る所謂プリンタ機能を有す
る様にも構成されている。
【0013】このファクシミリ装置10は、これの載置
面に対して実質的に平行に配設されたメインプレート1
2と、このメインプレート12の上面上に装着され、上
述した画像形成機能を担うプリント機構14と、このメ
インプレート12の後端に回動自在に軸支され、メイン
プレート12に対して揺動可能な揺動フレーム16と、
この揺動フレーム16の上面上に配設され、上述した画
像読み取り機能を担う画像読み取り機構18と、この揺
動フレーム16の中間部に後端を回動自在に軸支され、
メイン揺動フレーム16に対して揺動可能なコントロー
ルパネル20と、上述したメインプレート12の下面の
左右両側に固定され、夫々前後方向に沿って延出するロ
アーフレーム22a,22bと、両ロアーフレーム22
a,22bに挟まれる空間内に配置されると共にメイン
プレート12の下面に取り付けられ、プリント機構14
における感光ドラム(後述する)の外周面上への潜像形
成機能を担うレーザスキャニングユニット24と、上述
した各ロアーフレーム22a,22bの下面の前後両端
に夫々固定され、図示しない載置面上に載置される4つ
の脚部26とを概略備えている。
【0014】[エンクロジャー28の説明] また、このファクシミリ装置10は、図2及び図3に示
す様に、その外面を全面的に規定するエンクロジャー2
8を備えている。この一実施例においては、このエンク
ロジャー28は、ロアーフレーム22a,22bにより
挟まれる空間の周囲(即ち、メインプレート12よりも
下方部分)を取り囲む様に配設され、メインプレート1
2の下方に配設されたロアーハウジング30と、このロ
アーハウジング30の直上方に連続的に配設されると共
に、プリント機構14回りを取り囲む様に配設され、メ
インプレート12の上方に配設されたミドルハウジング
(プリンタハウジング)32と、このプリンタハウジン
グ32の直上方に連続的に配設され、これの上部開口を
開放可能に閉塞する様に、揺動フレーム16部に固着さ
れたアッパ−ハウジング34とから3分割された状態で
構成されている。尚、上述したコントロールパネル20
は、アッパーハウジング34の前部に形成された前部開
口を開放可能に閉塞する様に、この前部開口の後端縁に
おいて揺動自在に軸支されている。
【0015】このように、ファクシミリ装置10の外面
を規定するエンクロジャー28をロアーハウジング3
0、プリンタハウジング32、及びアッパハウジング3
4とからなる3分割構造とした為、内部構造を全て組み
上げた後において、この内部構造とは無関係な状態でエ
ンクロジャー28を組み立てることができ、このファク
シミリ装置10の組立の作業性を向上させることができ
ることになる。尚、上述した脚部26は、図4に示す様
に、ファクシミリ装置10の略矩形状を呈する底面の4
隅に位置して配設されており、図5及び図6に示す様
に、夫々ロアーフレーム22a,22bの下面に固着さ
れている。即ち、このファクシミリ装置10において
は、これの組み立て途中において、エンクロジャー28
(特に、ロアーハウジング30)が組み付けられていな
い状態においても、メインプレート12はこれの下部に
取り付けられたロアーフレーム22a,22bの下面に
固着された脚部26を介して、図示しない組立台上に安
定した状態で載置されることとなる。
【0016】また、これらロアーフレーム22a,22
bにロアーハウジング30が取り付けられた状態で、図
4及び図6に示す様に、各脚部26は各々に対応した状
態でロアーハウジング30に形成されたバカ穴からなる
透孔30aを挿通して下方に取り出される様に構成され
ている。この結果、このファクシミリ装置10を組立台
上に載置した状態で、その重量は基本的にロアーフレー
ム22a,22bを介してメインプレート12で受け止
められて、ロアーハウジング30を始めとするエンクロ
ジャー28には何ら作用しないこととなる。従って、こ
のエンクロジャー28には無用な荷重(自重)が作用し
なくなり、この荷重を受けることによる変形の虞がなく
なると共に、薄肉化が達成され、全体重量の軽減化を図
ることが出来ることになる。
【0017】特に、詳細は後述するが、レーザスキャニ
ングユニット24は、図5に示す様にメインプレート1
2の下面配設状態を示す様に、メインプレート12の下
面に取り付けられる様に設定されている。尚、図6に示
す様に、このレーザスキャニングユニット24はその一
部(具体的には、後述する感光ドラムへの画像露光用の
レーザ光の取り出し口)をメインプレート12の上面側
に突出する様に設定されている。ここで、仮に、ロアー
ハウジング30の下面に脚部26を取り付け、この脚部
26を介してロアーハウジング30で荷重を受ける様に
構成すると、このロアーハウジング30を予め組み付け
ない限りレザースキャニングユニット24を組み付ける
ことが困難となり、作業順序に多大な制約が加えられ、
作業性が極めて悪化することとなる。しかしながら、こ
の一実施例においては、ロアーハウジング30とは無関
係な状態で、荷重を受ける為の脚部26をロアーフレー
ム22a,22bに固着しているので、レザースキャニ
ングユニット24は、メインプレート12にロアーフレ
ーム22a,22bを組み付けた後であれば、いつでも
メインプレート12の下面に組み付けることが可能とな
り、作業性における自由度が増し、作業性の向上を図る
ことが出来ることとなる。
【0018】一方、上述したアッパーハウジング34の
後部中央には、図2及び図3に示す様に、給紙カセット
36が挿通されると共に、転写紙の取り込み口を兼ねる
給紙カセット取り付け口34aが、また、この取り付け
口34aの直前方には、送信原稿が取り込まれる原稿取
り込み口34bが夫々形成されている。この給紙カセッ
ト36は、その説明を省略するが、内部に所定サイズの
多数枚の用紙が一括して収納されるように構成されてい
る。更に、プリンタハウジング32の前面には、下方に
位置した状態で、下面に画像情報を転写された用紙が排
出される用紙排出口32aが形成され、この用紙排出口
32aの上方には、読み取り動作終了後の送信原稿が排
出される原稿排出口32bが形成されている。また、図
1及び図2に示す様に、ロアーハウジング30の前面に
は、用紙排出口32aから排出されてきた用紙を受ける
と共に、原稿排出口32bから排出されてきた送信原稿
を受ける為の排紙トレイ38が着脱自在に取り付けられ
ている。一方、上述した原稿取り込み口34bには、図
2に示す様に、送信される原稿のサイズに応じて一対の
ガイド部40a,40bが送信原稿の幅方向に沿って移
動自在に設けられた原稿トレイ40が着脱自在に取り付
けられている。
【0019】上述したコントロールパネル20の上面に
は、種々の操作ボタン20aが配設されると共に、所定
の情報を操作者に表示する為の液晶表示装置を備えた表
示ウインドウ20bが配設されている。ここで、このコ
ントロールパネル20の前面の右側にはアッパーハウジ
ング開放ボタン42が配設されている。このアッパーハ
ウジング開放ボタン42は、揺動フレーム16に回動自
在に取り付けられており、これを押し上げる様に回動さ
せる事により、揺動フレーム16のメインプレート12
への閉塞状態のロックを解除され、図7に示す様に、揺
動フレーム16とこれに取り付けられたアッパーハウジ
ング34とは共に上方に回動することができる事にな
る。これにより、プリンタハウジング32の上部開口、
即ち、プリント機構14の上面は、略全面に渡り開放さ
れ、搬送途中にジャムした用紙の除去動作や、プリント
機構14を構成する各機構部のメンテナンス等を容易に
行うことができることになる。
【0020】一方、このアッパーハウジング開放ボタン
42の直左方には、これに隣接して、コントロールパネ
ル開放ボタン44が配設されている。このコントロール
パネル開放ボタン44は、コントロールパネル20に回
動自在に取り付けられており、これを押し下げる様に回
動させる事により、コントロールパネル20の揺動フレ
ーム16への閉塞状態のロックを解除され、図8に示す
様に、コントロールパネル20は上方に回動することが
できる事になる。これにより、アッパーハウジング34
の前部開口、即ち、画像読み取り機構18の上面は、略
全面に渡り開放され、搬送途中でジャムした原稿の除去
動作や、画像読み取り機構18を構成する各機構部のメ
ンテナンス等を容易に行うことができることになる。ま
た、上述したロアーハウジング30の前面には、図9に
示す様に、ロアーハウジング30により囲まれる下部空
間の中で前方内部空間に連通する前部開口30bが形成
されている。この前部開口30bは、前部目隠し蓋30
c(図7に示す)により開放可能に閉塞されている。
尚、この前方内部空間内には、後に詳細に説明するが、
世界各国毎の規格に合わせて、例えば、直流抵抗値や静
電容量等を変更調整する為の調整基板46が収納されて
いる。そして、前部目隠し蓋30cを取り外すことによ
り、この調整基板46において直流抵抗値や静電容量等
をこれから出荷しようとする国の規格に合わせて調整設
定することが出来る様になされている。
【0021】一方、このロアーハウジング30の後面に
は、図3に示す様に、上述した下部空間の中で後方内部
空間に連通する後部開口30dが形成されている。この
後部開口30dは、後部目隠し蓋30eにより開放可能
に閉塞されている。また、この後方内部空間内には、図
6に示す様に、左右一対の基板ガイドレール48,50
がロアーフレーム22a,22bの下面に夫々前後方向
に沿って延出した状態で互いに平行に取り付けられた状
態で配設されている。この一対の基板ガイドレール4
8,50の互いに対向する内面には、ガイド溝48a,
50aが形成されている。
【0022】これらガイド溝48a,50aに両端縁を
摺動自在にガイドされた状態で、このファクシミリ装置
10の全体制御を司るメイン制御基板52が支持されて
いる。そして、この後部目隠し蓋30eを取り外すこと
により、後部開口30dを介してメイン制御基板52を
エンクロジャー28外に取り出すことが出来、このよう
にして、メイン制御基板52を必要に応じて極めて容易
に取り替えることが出来ることになる。
【0023】尚、このロアーハウジング30の底部に
は、図4にその底面形状を示す様に、丁度レーザスキャ
ニングユニット24よりも一回り大きく形成された底部
開口30fが形成されており、この底部開口30fは、
図示しない底部目隠し蓋により開放可能に閉塞されてい
る。そして、この底部目隠し蓋を取り外すことにより、
レーザスキャニングユニット24は、この底部開口30
fを介して、上述した下部空間内に容易に出し入れする
ことが出来ることになる。換言すれば、このファクシミ
リ装置10の組み立て途中において、例えば、この中途
組体を横倒し状態とすることにより、このレーザスキャ
ニングユニット24をロアーハウジング30の組み付け
後であっても、容易にメインプレート12の下面に組み
付けることが出来ることになるし、更には、このレーザ
スキャニングユニット24の万一の故障の際における交
換時においても、ロアーハウジング30を取り外すこと
なく、単に、底部目隠し蓋30gを取り外すのみで、こ
の交換動作を実施することが出来、レーザスキャニング
ユニット24の組み付け作業性の向上と共に、これの交
換作業性をも向上させることが出来るものである。
【0024】[原稿トレイの説明] 次に、図10乃至図18を参照して、上述した原稿トレ
イ40の構成、及び、プリンタハウジング32における
原稿トレイ40の受け構造を詳細に説明する。先ず、こ
の原稿トレイ40は、図10に部分的に拡大した状態で
に示す様に、原稿が載置される平板状の原稿載置台54
を備え、この原稿載置台54上に、上述した左右一対の
ガイド部40a,40bが幅方向に沿って移動可能に取
り付けられている。この原稿載置台54の前部の左右両
端には、この原稿トレイ40を所定角度傾斜した状態で
アッパーハウジング34上に支持させる為の傾斜ボス部
56,58が一体的に形成されている。ここで、各傾斜
ボス部56,58は、図11及び図12に示す様に、原
稿載置台54の延出面(即ち、原稿載置面)に対して所
定角度だけ傾斜した支持面56a,58aを下面の後半
部分に有し、各支持面56a,58aがアッパーハウジ
ング34の上面に密着して当接することにより、原稿載
置台54はアッパーハウジング34の上面に対して所定
角度だけ傾斜した状態で支持されることになる。
【0025】また、各傾斜ボス部56,58の下面の前
半部分には、下方に向けて突出する突出ボス部60,6
2が夫々一体的に形成されている。各突出ボス部60,
62の下面には、原稿載置台54の延出面(原稿載置
面)と略平行に延出すると共に、上述した支持面56
a,58aよりも下方に向けて突出した突出面60a,
62aが各々形成されている。そして、各突出ボス部6
0,62の下端には、幅方向に沿って、即ち、対応する
突出ボス部60,62の左右の両側面から夫々外方に向
けて突出する係止ピン60b,62bが一体的に取り付
けられている。
【0026】一方、図12に示す様に、この原稿トレイ
40が取り付けられるアッパーハウジング34の上面に
は、原稿トレイ40を受ける為のトレイ受け台35が一
体的に取り付けられている。このトレイ受け台35の上
面には、左右一対の係止ピン60b,62bが上方から
挿通される挿通穴35a,35bが形成されている。ま
た、各挿通穴35a,35bの直前方に位置するトレイ
受け台35の部分には、対応する挿通穴35a,35b
に各々連続した状態で、対応する突出ボス部60,62
が嵌入される嵌入穴35c,35dが形成されている。
ここで、各嵌入穴35c,35dは、ここに嵌入された
突出ボス部60,62の前面60c,62cの前方に所
定の空間が形成されるに充分な大きさに設定されてい
る。また、各嵌入穴35c,35dの両側縁を規定する
部位の下面には、下方から対応する係止ピン60b,6
2bを回動自在に受ける為の断面半円状の凹部35e,
35fが形成されている。
【0027】このように原稿トレイ40及びこれが取り
付けられるトレイ受け台35は構成されているので、こ
の原稿トレイ40をトレイ受け台35に取り付けるに際
しては、先ず、図13に示す様に、原稿トレイ40を略
起立状態になし、この状態から図14に示す様に、各係
止ピン60b,62bを対応する挿通穴35a,35b
を下方に向けて挿通させると共に、各突出ボス部60,
62を対応する嵌入穴35c,35dに嵌入させる。こ
のようにして、各係止ピン60b,62bがアッパーハ
ウジング34の下面より下方に取り出される様にする。
【0028】この後、各傾斜ボス部56,58の支持面
56a,58aと各突出ボス部60,62の各突出面6
0a,62aとの交差する部位を、対応する挿通穴35
a,35bの後端上縁に当て付けた状態で、図15に示
す様に、原稿トレイ40を全体的に図中反時計方向回り
に回動させることにより、図12に示す様に、各係止ピ
ン60b,62bは対応する凹部35e,35fに下方
から入り込み、各々に回動自在な状態で受けられること
になると共に、各支持面56a,58aがアッパーハウ
ジング34の上面に密着して当接する。このようにし
て、原稿トレイ40はトレイ受け台35の上面に取り付
けられることになる。
【0029】尚、この原稿トレイ40をトレイ受け台3
5から取り外す際には、上述した取り付け動作とは全く
逆の手順を行えば良く、このようにして、極めて簡単に
原稿トレイ40はアッパーハウジング34に対して着脱
することが出来ると共に、取り付け状態においては、そ
の姿勢を安定した状態で、確実に維持することが出来る
ことになる。即ち、この原稿トレイ40は、アッパーハ
ウジング34への取り付け状態において、各支持面56
a,58aがトレイ受け台35の上面に密着して当接し
ているので、後方への(即ち、図中反時計方向に沿う)
回動を禁止され、その取り付け姿勢を保持される事にな
る。一方、突出ボス部60,62の前面60c,62c
の前方に所定の空間が形成される様に、各嵌入穴35
c,35dの大きさは設定されているので、原稿トレイ
40は、前方への(即ち、図中時計方向に沿う)回動は
許容されることとなる。
【0030】一方、図16に示す様に、アッパーハウジ
ング34が下げられて、プリンタハウジング32の上面
がこのアッパーハウジング34により完全に閉塞された
状態において、このアッパーハウジング34に取り付け
られた原稿トレイ40と、メインプレート12に固定さ
れたプリント機構14に取り付けられた給紙カセット3
6とは、互いに略平行に配設されている。そして、上述
した記載から明らかな様に、原稿トレイ40はアッパー
ハウジング34に取り付けられ、給紙カセット36はプ
リント機構14に取り付けられているので、例えば、プ
リント機構14のメンテナンス時においてアッパーハウ
ジング34を揺動フレーム16の回動動作に伴い上方に
向けて開放しようとする際に、この開放動作に伴い原稿
トレイ40も一体的に回動することになるが、給紙カセ
ット36はその位置に留まる事になる。この結果、図1
7に示す半開時において、原稿トレイ40の後端は給紙
カセット36の上面に干渉して、これに当接することに
なる。
【0031】しかしながら、この一実施例においては、
上述した様に、原稿トレイ40は、アッパーハウジング
34に対して、取り付け状態から図中時計方向に沿う回
動を許容されているので、図18に示す状態からのアッ
パーハウジング34の更なる開放動作に伴い、原稿トレ
イ40の後端は給紙カセット36の上面に滑る様になぞ
りつつ、アッパーハウジング34に対して図中時計方向
に沿って回動することとなる。このようにして、原稿ト
レイ40はアッパーハウジング34の開放動作に従動す
る状態で時計方向に沿って回動させられることになるの
で、例え、原稿トレイ40の後端がアッパーハウジング
34の開放動作の途中において給紙カセット36の上面
に当接したとしても、この原稿トレイ40が損なわれる
虞も無いし、また、アッパーハウジング34の開放動作
が邪魔される虞も無いものである。
【0032】一方、上述した様に、ロアーハウジング3
0の下方空間の中の前部空間内には、図19に示す調整
基板46が収容されている。この調整基板46の上述し
た前部開口30bに対向する前方端縁には、多数のジャ
ンパ端子64a,64b…が立設されている。各ジャン
パ端子64a,64b…は、図20に示す様に、互いに
近接された状態で、離間配置された一対の接続端子65
a,65bから構成されている。そして、連結部材66
を介して任意のジャンパ端子64a,64b…の互いの
接続端子65a,65bを電気的に接続される事によ
り、即ち、ショートする事により、対応する回路におい
てそのジャンパ端子64a,64b…の電気的状態が
「0」状態に規定される。一方、任意のジャンパ端子6
4a,64b…の互いの接続端子65a,65bが電気
的に接続されていない状態で、対応する回路においてそ
のジャンパ端子64a,64b…の電気的状態が「1」
状態に規定される。
【0033】一方、この調整基板46においては、図2
0に示す様に、所定のジャンパ端子64a,64b…
を、連結部材66を介して所定の組み合わせでショート
させる事により、このファクシミリ装置10をこれから
出荷しようとする世界各国の仕様に合わせた直流抵抗値
や静電容量等の規格に調整変更させる事が可能となる。
即ち、この一実施例においては、上述した説明から明ら
かな様に、世界各国の仕様に電気的規格を夫々調整変更
させる為には、単に、前部目隠し蓋30cを取り外し、
前部開口30bを開放させる事により、調整基板46の
前端縁をアクセス可能な状態となし、この前部開口30
bを介して、夫々の国の仕様に合わせて連結部材66を
対応するジャンパ端子64a,64b…に取り付ける事
により、このファクシミリ装置10をその国の仕様に合
わせた電気的規格になる様に、調整変更する事が可能と
なる。
【0034】この結果、このファクシミリ装置10を製
造するメーカにおいては、世界各国に規格を考慮した製
造ラインを設定する必要がなく、一律の製造ラインを組
むことが出来、製造効率が極めて向上する事となる。従
って、世界各国毎の電気的規格を管理する必要がなくな
ると共に、国別の出荷台数に応じた各国毎の電気部品の
在庫管理も不必要となり、生産性の向上をも図ることが
出来る事になる。
【0035】一方、このファクシミリ装置10の供給を
受けた国において、その国に特有の規格に合わせた状態
で、所定のジャンパ端子64a,64b…が連結部材6
6によりショートさせられる事になるが、この連結部材
66の取り付け動作は、単に、前部目隠し蓋30cを取
り外す事で可能となり、例えば、ロアーハウジング30
を取り外す必要も、また、この調整基板46自身をエン
クロジャー28から取り外す事も必要で無いものであ
る。このようにして、この変更調整動作は、単に前部目
隠し蓋30cを取り外し、所定のジャンパ端子64a,
64b…に連結部材66を取り付けるという極めて簡単
な作業で済み、この作業生の向上を図ることが出来る効
果を奏することが出来るものである。
【0036】[揺動フレーム16の構造の説明] 次に、図21を参照して、揺動フレーム16の構造につ
いて詳細に説明する。この揺動フレーム16は、図示す
る様に、互いに起立した状態で平行に配設された側板6
8a,68bと、横方向に沿って延出し、両側板68
a,68bの前端を互いに連結する中実の前方連結シャ
フト70と、この前方連結シャフト70と略平行に配設
され、両側板68a,68bの後端を互いに連結し、揺
動支軸として機能する中実の後方連結シャフト72と、
両側板68a,68bの前方部分を互いに連結する様に
配設された前後一対の平板状の取り付け台74a,74
bとから概略構成されている。ここで、揺動支軸72
は、詳細は後述するが、メインプレート12の後部にお
ける左右両端に起立した状態で固定された揺動支持ブラ
ケット76a,76bにより回動自在に軸支されてい
る。
【0037】一方、上述した前方連結シャフト70の左
右両端には、係止フック78a,78bがこれの長手軸
線回りに互いに一体回転する様に連結された状態で回動
自在に取り付けられている。各係止フック78a,78
bは、下端面が後方に向かうにつれてメインプレート1
2の上面から離れる方向に傾斜させられた傾斜面から構
成され、且つ、その後端が、後述する係止ピン80a,
80bに夫々係止可能な様に、後方に向けて所定量だけ
突出する様に形成されている。また、各係止フック78
a,78bは、図示しないトーションコイルスプリング
により、各々図中時計方向に沿って回動偏位する様に弾
性的に付勢されており、図示しないストッパに各々当接
することにより、その停止位置に弾性的に保持されてい
る。
【0038】尚、各係止フック78a,78bは、上述
した停止位置に弾性的に保持された状態で、開放状態か
ら揺動フレーム16が下方に向けて回動される事によ
り、各々の傾斜面がメインプレート12に取り付けられ
た対応する係止ピン80a,80bに上方から係合し、
その傾斜に従って、トーションコイルスプリングの付勢
力に抗して図中反時計方向に沿って強制的に回動する様
になされている。一方、この揺動フレーム16を更に下
方に向けて回動させて、各係止フック78a,78bを
更に反時計方向に回動偏位させると、各傾斜面と対応す
る係止ピン80a,80bとの係合が各々の傾斜面の後
端で解除されることとなり、この解除された時点で、対
応するトーションコイルスプリングの付勢力により今ま
でとは反対に図中時計方向に回動偏倚され、この結果、
各係止フック78a,78bの上面が対応する係止ピン
80a,80bの下方に入り込み、このようにして、揺
動フレーム16は閉塞位置にロックされる事になる。
【0039】一方、各係止フック78a,78bは、上
述したアッパーハウジング開放ボタン42に連結されて
おり、これを押し上げる事により、各係止フック78
a,78bはトーションコイルスプリングの付勢力に抗
して図中反時計方向に強制的に回動され、このようにし
て、対応する係止ピン80a,80bとのロック状態を
強制的に解除される様になされている。尚、各係止ピン
80a,80bは、メインプレート12の上面の前方部
位の左右両端に固定された取り付けブラケット82a,
82bに、互いに横方向に沿って整合された状態で、且
つ、メインプレート12の上面に対して略平行になる様
に強固に取り付け支持されている。
【0040】このように、この揺動フレーム16は、平
面略矩形状を呈した状態で、その剛性を高められた構成
を採用されていると共に、これを幅方向に沿って貫通し
た状態で取り付けられた後方連結シャフト72を揺動支
軸として用いている。この結果、前後一対の取り付け台
74a,74bに、送信原稿の画像を読み取る為の画像
読み取り機構16が取り付けられる事になるが、例え、
この揺動フレーム16が揺動支軸72の軸線回りに繰り
返し揺動駆動されたとしても、これは捻じれることな
く、メインプレート12に対する閉塞状態における姿勢
を常に一定に保持することが出来ることになる。特に、
詳細は後述するが、画像読み取り機構16が取り付けら
れる前後一対の取り付け台74a,74bの下面が、プ
リント機構14における用紙搬送経路の上面を規定する
様に設定されており、上述した様に揺動フレーム16の
歪みが確実に抑制される事から、この用紙搬送経路も所
定の精度で良好に、且つ、正確に規定される事になる。
【0041】一方、この揺動フレーム16の開放動作に
伴い、アッパーハウジング34が開放駆動される事にな
るが、上述した説明から明らかな様に、このアッパーハ
ウジング34の開放動作に際して、これ自身に何ら回動
駆動力が作用する事がない様になされている。この結
果、アッパーハウジング34の開放動作に伴いこれが歪
む事が効果的に抑制され、この為、このアッパーハウジ
ング34を薄肉に形成する事が可能となり、従って、全
体重量の軽量化を図ることが出来る事になる。尚、図示
する様に、この揺動フレーム16により囲まれる空間で
あって、前後一対の取り付け台74a,74bよりも後
方に位置する空間部分には、前述した給紙カセット36
の前端が取り入れられる空間が規定される様に設定され
ている。
【0042】 [揺動フレーム16の揺動支持構造の説明] 次に、図22乃至図25を参照して、揺動フレーム16
の揺動支持構造について詳細に説明する。先ず、揺動支
軸としての後方連結シャフト72の両端が、対応する揺
動支持ブラケット76a,76bにより夫々回動自在に
軸支されている態様を説明する。図22に示す様に、揺
動支軸72の右端は、対応する右側揺動支持ブラケット
76bを貫通し、対応する右側板68bにおいて終端す
る様に設定されている。一方、揺動支軸72の左端は、
対応する左側揺動支持ブラケット76aを貫通し、更
に、対応する左側板68aを外方に向けて突出し、この
左側板68aの外面から所定突出量だけ突出した状態で
終端している。そして、この揺動支軸72の突出した左
端72aには、後に詳細に説明するが、アッパーハウジ
ング34を任意の開放位置で停止させることが出来る様
にする為にダンパー84がメインプレート12との間に
介設されている。
【0043】一方、揺動支軸72の左右の各端部には
(尚、左端においては、突出端部72aを除く端部)、
図22及び図23に示す様に、連結ブッシュ86a,8
6bが各々嵌入されている。各連結ブッシュ86a,8
6bは、揺動支軸72の外周に直接嵌入される中空円筒
状のスリーブ86a1,86b1と、各スリーブ86a
1,86b1の外方端に一体的に形成された外方フラン
ジ86a2,86b2とから構成されている。各スリー
ブ86a1,86b1と揺動支軸72との間は、両者を
半径方向に沿って貫通して取り付けられたスプリングピ
ン88a,88bにより、各々、互いに一体回転する様
に連結されている。そして、図25に示す様に、各スリ
ーブ86a1,86b1の外周面は、各揺動支持台76
a,76bの対応する起立片に厚さ方向に貫通した状態
で形成された支持穴90a,90bの内周面に摺動自在
に支持されている。
【0044】また、各スリーブ86a1,86b1の対
応する支持穴90a,90bよりも各々直外方に位置す
る部分には、図24に示す様に、互いに平行な一対の平
坦部86a3,86b3が形成されている。一方、左右
の各側板68a,68bには、この様な一対の平坦部8
6a3,86b3を有するスリーブ86a1,86b1
の部分が各々相補的に嵌入される様に設定され、厚さ方
向に沿って貫通した状態で取り付け穴92a,92bが
各々形成されている。この様に一対の平坦部86a3,
86b3を有するスリーブ86a1,86b1の部分が
相補的に取り付け穴92a,92bに嵌入される事によ
り、連結ブッシュ86a,86bは、夫々、対応する左
右の側板68a,68bと一体的に回転する事になる。
【0045】更に、この一実施例においては、この様な
両者の一体回転を確実に担保する為に、図23に示す様
に、連結ブッシュ86a,86bの夫々の外方フランジ
86a2,86b2は、対応する左右の側板68a,6
8bに夫々スポット溶接により固着されている。この様
にして、これら連結ブッシュ86a,86bを夫々介し
た状態で、左右の側板68a,68bは揺動支軸72の
左右両端に夫々固着され、これの回動に応じて一体的に
回動、即ち、揺動することが出来る様になる。この様に
左右の側板68a,68bは揺動支軸に固定されている
ので、これら側板68a,68bを備えた揺動フレーム
16は歪むことなく、安定した姿勢を保って揺動支軸7
2の軸線回りに揺動駆動される事になる。また、この様
に揺動フレーム16の歪み変形が防止させる為、これを
回動自在に支持している軸支部における所謂拗れの発生
が効果的に抑制され、この結果、極めて軽い操作力で揺
動フレーム16を揺動駆動、従って、これに取り付けら
れたアッパーハウジング34を開閉駆動することが出来
る事になる。この様にして、アッパーハウジング34の
操作性の向上を図ることが出来る事になる。
【0046】[ダンパー84の取り付け構造の説明] 次に、図26及び図27を参照して、上述した構成の揺
動フレーム16を任意の回動位置で停止させる為のダン
パー84の取り付け構造について説明する。このダンパ
ー84は、揺動支軸(後方連結シャフト)72の左方へ
の突出端72a、即ち、左側の揺動支持台76aを左方
に突出し、更に、対応する左側板68aから左方に突出
した端部72aと、メインプレート12との間に介設さ
れる様に設定されている。この為、揺動支軸72の突出
端部72aには、これと一体回転する様に取り付けステ
ム94が揺動支軸72の半径方向に沿って延出した状態
で固着されている。この取り付けステム94の先端に
は、上述した揺動支軸72の延出軸線と平行な延出軸線
を有する一方の支持ピン94aが固定され、この一方の
支持ピン94aには、上述したダンパー84の一端が回
動自在に取り付けられている。一方、メインプレート1
2の上面には、取り付けブラケット96が固定され、こ
の取り付けブラケット96には、上述した一方の支持ピ
ン94aの延出軸線と平行な延出軸線を有する他方の支
持ピン96aが固定されている。この他方の支持ピン9
6aには、上述したダンパー84の他端が回動自在に取
り付けられている。
【0047】ここで、このダンパー84は、ガス封入の
シリンダタイプに構成されており、上述した一端側にシ
リンダ本体84aを、他端側にこのシリンダ本体84a
から突出/引き込み可能に延出するピストンロッド84
bを夫々備えている。即ち、上述した一方の支持ピン9
4aには、シリンダ本体84aの先端部分が回動自在に
軸支され、また、他方の支持ピン96aには、ピストン
ロッド84aの先端部分が回動自在に軸支されている。
尚、周知な様に、このピストンロッド84aのシリンダ
本体84aからの突出/引き込み力は、内部に封入した
ガスにより減衰され、弾性的にその回動停止位置を保持
することが出来る様になされている。
【0048】この様にダンパー84は取り付けられてい
るので、揺動フレーム16の回動力の減衰に際しては、
直接的には、この揺動フレーム16を構成する揺動支軸
72の回動力を減衰する様に構成されている。従って、
この揺動フレーム16の回動力を減衰する際に発生する
反力は、揺動フレーム16全体に作用するのではなく、
揺動支軸72に直接的、且つ、部分的に作用する事にな
る。換言すれば、仮にこのダンパー84の一端が揺動フ
レーム16に取り付けられたアッパーハウジング34に
連結されているとすると、揺動フレーム16の回動力を
減衰する際に発生する反力は、このアッパーハウジング
34に作用する事となり、これによりアッパーハウジン
グ34には捻じれ変形が発生する虞があると共に、この
捻じれ変形を防止する為には、アッパーハウジング34
の剛性を高める為に、例えば肉厚を厚くする等の配慮を
しなければなない。この為、装置全体の重量が増大する
と共に、製造コストの上昇を招く事となり、好ましくな
い。
【0049】しかしながら、この一実施例においては、
上述した説明から明白な様に、揺動フレーム16の回動
力の減衰に際してダンパー84に発生する反力は、揺動
支軸72に作用する事、換言すれば、揺動支軸72で受
けられる事となる。ここで、この揺動支軸72は、その
捩じり剛性は極めて高く設定されている。この様にし
て、ダンパー84に発生する反力は、この揺動支軸72
で確実に受けられて、揺動支軸72における捩じれ変形
を引き起こさない事になる。この様にして、例え、揺動
フレーム16の回動位置を弾性的に保持する為にダンパ
ー84を設けたとしても、これにより揺動フレーム16
に捩じれ変形を引き起こす様な事態は確実に防止され、
良好な回動停止状態が達成される事になる。
【0050】 [コントロールパネル20の開閉構造の説明] 次に、図28及び図29を参照して、コントロールパネ
ル20を揺動フレーム16に対して開閉駆動する為の開
閉構造について詳細に説明する。先ず、図28に示す様
に、このコントロールパネル20の後端部には、コント
ロールパネル20用の揺動支軸100が幅方向に沿って
延出した状態で取り付けられており、この揺動支軸10
0を介して、揺動フレーム16の前部開口を閉塞する閉
塞位置と、これを開放する開放位置との間で揺動自在に
軸支されている。一方、コントロールパネル20の前端
部には、ロックシャフト102が幅方向に沿って延出し
た状態で、自身の中心軸線回りに回動自在に取り付けら
れている。このロックシャフト102の左右両端には、
コントロールパネル20用の係止フック104a,10
4b(図示の都合上、右側の係止用フック104bは示
されていない。)が一体的に取り付けられている。
【0051】各係止フック104a,104bは、上述
した揺動フレーム16用の係止フック78a,78bと
同様に、下端面が後方に向かうにつれてメインプレート
12の上面から離れる方向に傾斜させられた傾斜面から
構成され、且つ、その後端が、上述した前方連結シャフ
ト70に同時に係止可能な様に、後方に向けて所定量だ
け突出する様に形成されている。また、各係止フック1
04a,104bは、図示しないトーションコイルスプ
リングにより、各々図中時計方向に沿って回動偏位する
様に弾性的に付勢されており、図示しないストッパに各
々当接することにより、その停止位置に弾性的に保持さ
れている。
【0052】尚、各係止フック104a(104b)
は、上述した開放位置に弾性的に保持された状態で、開
放状態からコントロールパネル20が下方に向けて回動
される事により、各々の傾斜面が前方連結シャフト70
に上方から係合し、その傾斜に従って、トーションコイ
ルスプリングの付勢力に抗して図中反時計方向に沿って
強制的に回動する様になされている。一方、このコント
ロールパネル20を更に下方に向けて回動させて、各係
止フック104a(104b)を更に反時計方向に回動
偏位させると、各傾斜面と前方連結シャフト70との係
合が各々の傾斜面の後端で解除されることとなり、この
解除された時点で、対応するトーションコイルスプリン
グの付勢力により今までとは反対に図中時計方向に回動
偏倚され、この結果、各係止フック104a(104
b)の上面が前方連結シャフト70の下方に入り込み、
このようにして、コントロールパネル20は閉塞位置に
ロックされる事になる。
【0053】一方、各係止フック104a(104b)
は、上述したコントロールパネル開放ボタン44に連結
されており、これを押し上げる事により、各係止フック
104a(104b)はトーションコイルスプリングの
付勢力に抗して図中反時計方向に強制的に回動され、こ
のようにして、前方連結シャフト70へのロック状態を
強制的に解除される様になされている。尚、この様にロ
ック状態が解除されると、揺動支軸100に巻回された
図示しないスプリングの付勢力により、コントロールパ
ネル20は閉塞位置から開放位置に回動偏位され、この
開放位置に弾性的に保持される事になる。
【0054】この様にして、この一実施例においては、
コントロールパネル20を揺動フレーム16に対して閉
塞位置にロックさせる為に係止フック104a(104
b)が係止させる対象として、揺動フレーム16を構成
すると共に、この揺動フレーム16をメインプレート1
2に対して閉塞位置にロックさせる為の係止フック78
a,78bが取り付けられる前方連結シャフト70を用
いる様に構成されている。この様にして、この一実施例
では、特別に、係止フック104a(104b)が係止
される部材を用いる必要がない為、部品点数の減少を図
ることが出来ると共に、コストダウンを図ることが出来
る事になる。
【0055】[インターロック機構106の説明] 次に、図28乃至図30を参照して、揺動フレーム16
がメインプレート12に対して閉塞位置にあると同時
に、コントロールパネル20が揺動フレーム16に対し
て閉塞位置にある事を検出する為のインターロック機構
106の構成及び動作を詳細に説明する。
【0056】先ず、図28に示す様に、右側のロアーフ
レーム22bには、上述した検出動作の為のプッシュオ
ンタイプの検出スイッチ108が取り付けステイ110
を介して取り付けられている。即ち、この検出スイッチ
108は、押し込まれる事によりオン動作する作動片を
備え、この作動片に外力が作用しない限り、内蔵するス
プリングの付勢力により外方に突出する、換言すれば、
オフ動作する様に付勢されている。一方、この取り付け
ステイ110には、検出スイッチ108の作動片を押し
込み可能な状態で、最終段アクチュエータ112が支軸
114回りに回動自在に軸支されている。また、この最
終段アクチュエータ112は、この支軸114に巻回さ
れたトーションスプリング116により図中時計方向に
沿って回動偏位する様に付勢されている。
【0057】尚、図示する状態で、即ち、コントロール
パネル20は閉塞位置にあり、揺動フレーム16に取り
付けられたアッパーハウジング34の上面前部開口を閉
塞していると共に、揺動フレーム16も閉塞位置にあ
り、プリンタハウジング32の上面開口を閉塞している
状態で、この検出スイッチ108は、上述したトーショ
ンスプリング116の付勢力に抗して図中反時計方向に
沿って回動偏位された最終段アクチュエータ112に押
されて、オン動作している。
【0058】また、この最終段アクチュエータ112の
直上方に位置するメインプレート12上には、中間段ア
クチュエータアッセンブリ118が配設されている。こ
の中間段アクチュエータアッセンブリ118は、メイン
プレート12上に固定された取り付け板120と、この
取り付け板120に上下方向に沿ってスライド可能に支
持されたスライド部材122と、このスライド部材12
2の一側に上下方向に沿って貫通した状態で、且つ、上
下方向に沿ってスライド自在に取り付けられた押し込み
シャフト124と、この押し込みシャフト124を常時
下方に突出した状態に付勢するスプリング126とを備
えている。
【0059】ここで、この押し込みシャフト124の下
端は、メインプレート12に厚さ方向に貫通した状態で
形成された透孔(図示せず)を介してメインプレート1
2の下方に取り出され、上述した最終段アクチュエータ
112を上方から押し込み可能な位置に配設されてい
る。更に、上述したスプリング124は、トーションス
プリング116の付勢力及び検出スイッチ108に内蔵
されるスプリングの付勢力を合計した付勢力よりも大き
な付勢力を有する様に構成されている。この結果、この
押し込みシャフト124がスライド部材122の下降に
伴い押し下げられると、最終段アクチュエータ112は
自身のトーションスプリング114の付勢力及び検出ス
イッチ108に内蔵されるスプリングの付勢力に抗して
図中反時計方向に沿って回動偏位され、これにより、検
出スイッチ108の作動片は内方に押し込められ、オン
動作する様になされている。
【0060】尚、後に詳細に説明するが、この中間段ア
クチュエータアッセンブリ118におけるスライド部材
122は、揺動フレーム16に取り付けられた初段アク
チュエータアッセンブリ128により下方に向けて押し
込み移動可能な位置に配設されている。そして、この初
段アクチュエータアッセンブリ128は、コントロール
パネル20が閉塞位置にある状態で、揺動フレーム16
に取り付けられたアッパーハウジング34が開放位置か
ら閉塞位置まで回動された場合、または、アッパーハウ
ジング34が閉塞位置にある状態で、コントロールパネ
ル20が開放位置から閉塞位置まで回動された場合に、
上述したスライド部材122に上方から係合して、これ
を下方に押し下げることが出来る様に設定されている。
【0061】この結果、仮に、スライド部材122と初
段アクチュエータアッセンブリ128との間に異物が入
り込むとすると、アッパーハウジング34の閉塞位置へ
の回動に伴い、スライド部材122は異物が介在する分
だけ通常よりも長いストロークで押し下げられる事にな
る。しかしながら、この一実施例においては、上述した
様に、押し込みシャフト124はスプリング126によ
り下方に付勢されている状態でスライド部材122に上
下動自在に取り付けられているので、押し込みシャフト
124はこのスライド部材122の下方への押し込みに
応じて最終段アクチュエータ112を所定量だけ押し込
み駆動した後、更に、スライド部材122が下方に押し
込まれた場合でも、スプリング126が縮んで押し込み
シャフト124のスライド部材122に対する上方への
相対移動を許容し、このスライド部材122の異常な押
し込み量を吸収する様になされている。この様にして、
この一実施例においては、スライド部材122と初段ア
クチュエータアッセンブリ128との間に異物が入り込
んだとしても、最終段アクチュエータ112を所定量よ
りも大きな量だけ回動偏位させて、検出スイッチ108
を破損させる事が確実に防止され、信頼性の向上を図る
事が可能となる。
【0062】一方、上述した初段アクチュエータアッセ
ンブリ128は、揺動フレーム16を構成する右方の側
板68bであって、揺動フレーム16が閉塞位置にある
状態において上述したスライド部材122の直上方に位
置したスライド支持部材130と、このスライド支持部
材130に上下方向に沿ってスライド自在に取り付けら
れた押し込み部材132とを備えて構成されている。こ
の押し込み部材132は、側板68bの下縁から下方に
突出し、スライド部材122の上端に上方から係合可能
になされた下端と、これの上縁から上方に突出し、コン
トロールパネル20を構成するパネル本体の右方の立ち
下がり片が上方から係合可能になされた上端とを備えて
形成されている。
【0063】この様に初段アクチュエータアッセンブリ
128は構成されているので、図28に示す様に、コン
トロールパネル20がアッパーハウジング34に対して
閉塞位置にあり、且つ、このアッパーハウジング34が
プリンタハウジング32に対して閉塞位置にある状態
(完全閉塞状態)では、初段アクチュエータアッセンブ
リ128のスライド支持部材132は、コントロールパ
ネル20に上方から押し込まれて下方に押し下げられる
事になる。そして、このスライド支持部材132の下方
への押し込みに応じて、これが上方から係合する中間段
アクチュエータアッセンブリ118のスライド部材12
2が下方に押し下げられ、このスライド部材122の押
し下げに応じて、これが上方から係合する最終段アクチ
ュエータ112がトーションスプリング116の付勢
力、及び、検出スイッチ108に内蔵されるスプリング
の付勢力の合力に抗して、図中反時計方向に沿って回動
偏位する事となる。
【0064】この結果、この最終段アクチュエータ11
2に押されて、検出スイッチ108の作動片は押し込み
駆動されることとなる。この様にして、検出スイッチ1
08はオン動作して、図示しない制御系に対して、コン
トロールパネル20がアッパーハウジング34に対して
閉塞位置にあり、且つ、このアッパーハウジング34が
プリンタハウジング32に対して閉塞位置にあることを
報知する事が出来ることとなる。
【0065】一方、図28に示す完全閉塞状態から、コ
ントロールパネル開放ボタン44が押し上げられると、
これに伴い、コントロールパネル20用の係止フック1
04a(104b)における前方連結シャフト70への
係止状態を解除される事となり、この結果、図29に示
す様に、コントロールパネル20は閉塞位置から開放位
置に回動される事となる。この様なコントロールパネル
20の開放動作に伴い、図示する様に、初段アクチュエ
ータアッセンブリ128における押し込み部材132を
上方から押さえ付けておくコントロールパネル20が最
早存在しなくなったので、この押し込み部材132は、
最終段アクチュエータ112を図中時計方向に沿って回
動偏位させるトーションスプリング116の付勢力を、
中間段アクチュエータアッセンブリ118を介して受け
る事により、上方にスライド偏位される事となる。
【0066】この結果、検出スイッチ108において
は、これの作動片が内蔵するスプリングの付勢力により
外方に向けて突出する事を許容され、この様にして、検
出スイッチ108はオフ動作して、図示しない制御系に
対して、少なくとも、コントロールパネル20がアッパ
ーハウジング34に対して開放位置にあることを報知す
る事が出来ることとなる。
【0067】また、図28に示す完全閉塞状態から、ア
ッパーハウジング開放ボタン42が押し上げられると、
これに伴い、アッパーハウジング34用の係止フック7
8a,78bにおける対応する係止ピン80a,80b
への係止状態を解除される事となり、この結果、図30
に示す様に、アッパーハウジング34は閉塞位置から開
放位置に回動される事となる。この様なアッパーハウジ
ング34の開放動作に伴い、図示する様に初段アクチュ
エータアッセンブリ128における押し込み部材132
は中間段アクチュエータアッセンブリ118におけるス
ライド部材122から上方に離間する事となる。換言す
れば、このスライド部材122を上方から押さえ付けて
おく押し込み部材132は最早存在しなくなったので、
このスライド部材122は最終段アクチュエータ112
を図中時計方向に沿って回動偏位させるトーションスプ
リング116の付勢力を直接的に受ける事により、上方
にスライド偏位される事となる。
【0068】この結果、検出スイッチ108において
は、これの作動片が内蔵するスプリングの付勢力により
外方に向けて突出する事を許容され、この様にして、検
出スイッチ108はオフ動作して、図示しない制御系に
対して、少なくとも、アッパーハウジング34がプリン
タハウジング32に対して開放位置にあることを報知す
る事が出来ることとなる。
【0069】この様に、この一実施例におけるインター
ロック機構106は構成されているので、図28に示す
完全閉塞状態が達成される事により、検出スイッチ10
8がオン動作している状態において、初めて、このファ
クシミリ装置10は稼働状態を規定される事となり、内
部に備えるプリントユニット14や画像読み取り機構1
8が駆動状態におかれる事になる。一方、この様な完全
閉塞状態からコントロールパネル20が開放されると、
画像読み取り機構18が露出する事となり、また、アッ
パーハウジング34が開放されると、プリントユニット
14が露出する事になるが、この一実施例においては、
これら露出状態においては、何れの場合においてもイン
ターロック機構106の検出スイッチ108が即座にオ
フすることとなるので、夫々の駆動系及びレーザスキャ
ニングユニット24を即座にオフして、操作者の安全を
確保すると共に、内部機構の保全を確実に図ることが出
来る事になる。
【0070】[駆動モータのレイアウトの説明] 次に、図31及び図32を参照して、この一実施例のフ
ァクシミリ装置10を駆動する為の駆動モータのレイア
ウトについて説明する。先ず、図31はこのファクシミ
リ装置10の上面構造をアッパーハウジング34及びコ
ントロールパネル20を取り除いた状態で示しており、
この図31及び図32に一部切り欠いた状態で示す様
に、揺動フレーム16上に配設された画像読み取り機構
18において原稿を送る為に、第1の駆動モータとして
の原稿送りモータ140が左方の側板68aの外側面に
取り付けられており、また、メインプレート12上に配
設されたプリント機構14において給紙カセット36か
ら用紙を一枚づつピックアップする為に、第2の駆動モ
ータとしてのピックアップモータ142がメインプレー
ト12の左側後部に取り付けられており、更に、プリン
ト機構14における画像形成動作を実行させる為に、第
3の駆動モータとしてのプリンタモータ144がメイン
プレート12の右側略中央部に取り付けられている。即
ち、この一実施例のファクシミリ装置10においては、
合計で3台の駆動モータ140,142,144が配設
され、夫々、画像読み取り機構18、プリント機構14
における用紙ピックアップ系、及び、プリント機構14
における画像形成系を互いに独立した状態で駆動する様
に配設されている。
【0071】この様に、この一実施例においては、画像
読み取り機構18においては、プリント機構14とは無
関係な状態で、これから独立した状態で、原稿を送り動
作させることが出来、また、プリント機構18において
は、用紙のピックアップと画像形成動作を互いに独立し
た状態で実行することが出来、互いの動作タイミングを
自由に設定することが出来る事となる。換言すれば、こ
の一実施例においては、3台の駆動モータ140,14
2,144を備える事により、夫々の起動タイミングを
自由に設定することが出来、設計上の自由度が向上する
効果を奏することが出来る事になる。尚、各駆動モータ
140,142,144における駆動力の伝達系の説明
については、夫々のユニットの構成に関する後の説明に
おいて、詳細に行うものとする。
【0072】[回路基板の配設構成及び電気配線の引き
回し構造の説明] 次に、上述した図1及び図32を参照して、この一実施
例の回路基板の配設構造及び電気配線の引き回し構造に
ついて説明する。図32に示す様に、メインプレート1
2の後部の上方であって、上述したプリンタハウジング
32により囲まれる空間内には、中継基板146が水平
に延出した状態で取り付けられている。この中継基板1
46は、図1に示す様に、画像読み取り機構18におい
て原稿から読み取られた画像情報や各種の検出情報、及
び、プリント機構14において用紙上に画像形成する為
の画像情報や各種の検出情報を一旦ここに集め、このフ
ァクシミリ装置10において全体制御を司るメイン制御
基板52に1本のフラットケーブル147のみを介して
伝達することが出来る様にする為に配設されている。
【0073】この様に、メイン制御基板52には多種多
様の信号が入力/出力され、それらが対応する信号線を
介してメイン制御基板52に直接接続されるとすると、
極めて多数の信号線がメインプレート12を迂回した状
態で、このメインプレート12の下方に配設されたメイ
ン制御基板52まで引き回される事となる。しかしなが
ら、この一実施例においては、メインプレート12の上
方に配設された部位から発生した情報、及び、これら部
位に出力しなければならない情報に対応する信号線は、
メインプレート12の上方に配設された中継基板146
に一旦全て集められ、ここで電気的に整理された状態
で、例えば、シリアル信号に変換される。このようにし
て、信号線の配設数を極力減少させた上で、フラットケ
ーブルを介してメインプレート12を迂回させた状態
で、メイン制御基板52に接続される事となる。この様
にして、多種多様の信号の入力/出力が必要となるファ
クシミリ装置10にあっても、極めてすっきりとした状
態で、電気配線を引き回す事が可能となり、これに伴
い、電気的な故障に対するメンテナンスも容易に実行し
得る事となる。
【0074】一方、図1にも示す様に、メインプレート
12と中継基板146との間には、低圧電源用の基板1
48が水平に延出した状態で配設され、メインプレート
12上に取り付けられている。ここで、この低圧電源用
基板148が配設させる空間は、後に詳細に説明する
が、プリント機構14において帯電/転写時に発生する
オゾンをエンクロジャー28外に、その後部(詳細に
は、図3に示す様に、プリンタハウジング30の後面に
形成された排気口32c)から強制排気する為の排気装
置150(後述する)の排気通路の一部を構成する様に
設定されている。このように作動時の発熱の程度が高い
低圧電源用基板148をメインプレート12と中継基板
146とに挟まれたオゾン排気通路内に配設する事によ
り、低圧電源用基板148用の排熱装置を専用に設ける
必要がなくなることになる。即ち、この一実施例におい
ては、排気装置150をオゾン排気用と低圧電源用基板
148の冷却用との2つの機能を兼ねさせる事により、
エンクロジャー28内の配設空間の有効利用を図ること
が出来、従って、全体構成のコンパクト化を促進する事
が可能となる。尚、高圧電源用の基板152は、図32
に示すように、メインプレート12上であって、プリン
ト機構14の左方において、起立した状態で取り付けら
れている。
【0075】[画像読み取り機構18の説明] 以下に、上述した図1、図31及び図32と、図33乃
至図53を参照して、画像読み取り機構18の構成及び
その動作を詳細に説明する。
【0076】 (画像読み取り機構18の全体構成の説明) 先ず、この画像読み取り機構18は、図1及び図31に
示すように、原稿トレイ40上に載置された原稿(少な
くとも1枚の原稿)を上述した原稿排出口32bまで搬
送する原稿搬送路154を備えている。また、この画像
読み取り機構18は、原稿トレイ40上に載置された原
稿を原稿分離ユニット156と原稿取り出しローラ15
8とで一枚づつに分離し、この分離された1枚の原稿を
この原稿取り出しローラ158の回転に伴い前方に向け
て取り出し、イメージリーダ160とホワイトローラ1
62との間に搬送して、このイメージリーダ160によ
り送信(または、複写)しようとする原稿の画像を読み
取り、原稿搬送路154を通り、ここに配設された一対
の原稿排出ローラ164a,164bにより更に前方に
搬送されて、上述した原稿排出口32bを介して、エン
クロジャー28外に排出するように概略構成されてい
る。
【0077】尚、この画像読み取り機構18は、原稿ト
レイ40から原稿排出口32bに渡る原稿搬送路154
に原稿搬送方向に沿って順次介在させた状態で、合計3
個の原稿検出スイッチ166,168,170を備えて
いる。以下に、各原稿検出スイッチ166,168,1
70を順次説明する。先ず、第1の原稿検出スイッチ1
66は、図31に示す様に、原稿搬送路154における
原稿取り出しローラ158の原稿搬送方向に関する直上
流側に配設され、原稿トレイ40上に原稿が存在するか
(または、残っているか)否かを検出する為に設けられ
ている。詳細には、この第1の原稿検出スイッチ166
は、その作動片を原稿搬送路154中に介在した状態
で、これに外力が作用しない状態で、即ち、原稿が係合
しない状態でオフされている。一方、この第1の原稿検
出スイッチ166は、原稿トレイ40上に載置された原
稿が、その傾斜に従って原稿搬送路154を原稿取り出
しローラ158に向けて自重により搬送されて来て、こ
れの作動片に係合してこれが押し込み駆動される事によ
りオンされる様に構成されている。この第1の原稿検出
スイッチ166は、上述したメイン制御基板52に接続
されており、このメイン制御基板52は、第1の原稿検
出スイッチ166がオフする状態で原稿トレイ40上に
何ら原稿が存在せず、これがオンする状態で少なくとも
1枚の原稿が原稿トレイ40上に存在すると判断する様
に構成されている。
【0078】一方、第2の原稿検出スイッチ168は、
原稿搬送路154における原稿取り出しローラ158と
イメージリーダ160との間に位置する部分に配設さ
れ、原稿取り出しローラ158の回転に伴い原稿がイメ
ージリーダ160に向けて取り出された事を検出すると
共に、この取り出された原稿の先端がイメージリーダ1
60に到達するタイミングを規定する為に設けられてい
る。詳細には、この第2の原稿検出スイッチ168は、
その作動片を原稿搬送路154中に介在した状態で、こ
れに外力が作用しない状態で、即ち、原稿が係合しない
状態でオフされている。一方、この第2の原稿検出スイ
ッチ168は、原稿取り出しローラ158の回転に伴い
搬送されて来た原稿が、これの作動片に係合してこれが
押し込み駆動される事によりオンされる様に構成されて
いる。この第2の原稿検出スイッチ168は、上述した
メイン制御基板52に接続されており、このメイン制御
基板52は、第2の原稿検出スイッチ168がオンして
から所定時間、具体的には、これの配設位置とイメージ
リーダ160との間の距離及び原稿取り出しローラ15
8の回転による原稿搬送速度から規定される原稿先端の
イメージリーダ160への到達時間の経過後、イメージ
リーダ160を起動して、これによる画像読み取り動作
を開始させる様に構成されている。
【0079】更に、第3の原稿検出スイッチ170は、
原稿搬送路154における上下一対の原稿排出ローラ1
64a,164bの原稿搬送方向に関する直上流側に配
設され、イメージリーダ160による画像読み取り動作
の終了した原稿が、原稿搬送路154中でジャムせずに
排出される事を検出する為に設けられている。詳細に
は、この第3の原稿検出スイッチ170は、その作動片
を原稿搬送路154中に介在した状態で、これに外力が
作用しない状態で、即ち、原稿が係合しない状態でオフ
されている。一方、この第3の原稿検出スイッチ170
は、画像読み取り動作後、更に原稿搬送路154を搬送
されて来た原稿の先端によりオンされ、この原稿の後端
がこれを通過する事によりオフされる様に構成されてい
る。この第3の原稿検出スイッチ170は、上述したメ
イン制御基板52に接続されており、このメイン制御基
板52は、第2の原稿検出スイッチ168がオンしてか
らこの第3の原稿検出スイッチ170がオフするまでの
時間を計測し、両者の間の距離及び原稿取り出しローラ
158の回転による原稿搬送速度から規定される所要基
準時間とこの計測時間とを比較し、計測時間が所要基準
時間よりも長いと判断した場合に、原稿が原稿搬送路1
54内でジャムしたと判断する様に構成されている。
【0080】(画像読み取り機構18の駆動系の説明) 一方、この画像読み取り機構18の駆動系は、図32及
び図33に示すように、上述した原稿送りモータ140
のモータ軸に同軸に固定された駆動ギヤ172aと、ホ
ワイトローラ162に同軸に固定された第1の従動ギヤ
172bと、原稿取り出しローラ158に同軸に固定さ
れた第2の従動ギヤ172cと、駆動ギヤ172aと第
1の従動ギヤ172bとの間に両者に噛合するように介
設された第1の中間ギヤ172dと、第1の従動ギヤ1
72bの回動力を第2の従動ギヤ172cに順次伝達す
る第2及び第3の中間ギヤ172e,172fとを備え
ている。一方、第1の従動ギヤ172bには、これと同
軸に駆動プーリ172gが固定され、上下一対の原稿排
出ローラ164a,164bの中の下方に位置する原稿
排出ローラ164bと同軸に従動プーリ172hが固定
され、両プーリ172g,172hには、エンドレスベ
ルト172iが巻回されている。
【0081】この様にして、原稿送りモータ140の回
転駆動に伴い、第1及び第2の従動ギヤ172b,17
2cが従動回転され、これに伴い、ホワイトローラ16
2及び原稿取り出しローラ158が所定の減速比で回転
駆動される事となる。一方、第1の従動ギヤ172bの
回転に伴い、エンドレスベルト172iを介して、従動
プーリ172hが従動回転される。この従動プーリ17
2hの回転に伴い下方の原稿排出ローラ164bが所定
の減速比で回転駆動される事となる。即ち、この一実施
例においては、1台の原稿送りモータ140により、原
稿を搬送する為のローラ160,164bが互いに同期
した状態で回転駆動される事になる。
【0082】ここで、図31及び図34を参照して、画
像読み取り機構18の各構成要件におけるコントロール
パネル20への取り付け状態を説明する。即ち、上述し
た各構成要件の中で、イメージリーダ160と原稿搬送
路154の上側面を規定する上側ガイド部材154aと
一対の原稿排出ローラ164a,164bの中の上側の
原稿排出ローラ164aとは、コントロールパネル20
に取り付けられている。この結果、図8に示すように、
コントロールパネル20がプリンタハウジング32から
開放駆動される事により、図34に示すように、これら
イメージリーダ160と上側ガイド部材154aと上側
の原稿排出ローラ164aとは、対応するホワイトロー
ラ162と下側ガイド部材154bと下側原稿排出ロー
ラ164bとから夫々上方に離間し、原稿の搬送路15
4が大きく開かれる事となる。換言すれば、原稿の搬送
途中において、原稿のジャムが発生した場合において
も、このコントロールパネル20を閉塞位置から開放位
置まで開放駆動する事により、原稿搬送路154は大き
く開かれて、ジャムした原稿を確実に、且つ、容易に取
り除く事が可能となる。
【0083】次に、画像読み取り機構18の各構成要件
を順次詳細に説明する。 (原稿分離部の説明) 先ず、上述した様に、原稿トレイ40上の原稿(以下、
符号Gで表す。)は、図35に示す様に、アッパーハウ
ジング34の上面とコントロールパネル20の後端縁と
の間の間隙により規定された原稿取り込み口34bを介
して、これに対向する様に設定された原稿搬送路154
の入口部から、原稿搬送路154内に傾斜を利用して自
重により取り込まれる様になされている。このように原
稿搬送路154内に取り込まれた原稿は、原稿分離ユニ
ット156と原稿取り出しローラ158との共同作業に
より1枚づつに分離され、原稿分離取り出しローラ15
8の回転に伴いイメージリーダ160に向けて搬送され
る様になされているが、この原稿分離部近傍における原
稿搬送路154は、図示する様に、下側原稿ガイド17
4とこの下側原稿ガイド174の上面に、これと所定間
隙を有して取り付けられた上側原稿ガイド176との間
の間隙により規定されている。ここで、上述した原稿取
り出しローラ158は、シャフト部158aと、このシ
ャフト部158aの外周に同軸に固定され、高い摩擦係
数を有する外周面を備えた摩擦ローラ部158bとから
一体的に構成されている。また、ホワイトローラ162
も同様に、図50に示す様に、シャフト部162aと、
このシャフト部162aの外周に同軸に固定され、白色
の外周面を備えたローラ部162bとから一体的に構成
されている。
【0084】〈上側原稿ガイド176の説明〉 上述したこの上側原稿ガイド176は、図36に拡大し
た状態で示す様に、その略中央部に、原稿取り出しロー
ラ158のローラ部158bの下部が挿通される挿通孔
176aが形成されている。尚、この上側原稿ガイド1
76は、図32に示す様に、下側原稿ガイド174に対
して複数のスナップ止めピン175を介して上方から着
脱自在に取り付けられている。換言すれば、この上側原
稿ガイド176は、原稿取り出しローラ158及び原稿
分離ユニット156の着脱動作の説明において詳細に説
明するが、コントロールパネル20を開放位置まで回動
させて、原稿搬送路154を広く開放させて上下に大き
く分割させた状態で、作業者がこれらスナップ止めピン
175を下側原稿ガイド174から上方に取り外す事に
より、容易な作業で、原稿取り出しローラ158及び原
稿分離ユニット156を画像読み取り機構18から分解
する事が可能となる。
【0085】詳細には、この上側原稿ガイド176は、
上述した挿通孔176aが形成されたガイド本体部17
6bと、このガイド本体部176bの後方(図中左方)
に折曲された状態で一体的に連接された折曲部176c
とから構成されている。そして、この折曲部176cの
ガイド本体部176bに対する折曲角度は、図36に示
す様に、図中時計方向回りに25度に設定されている。
尚、この25度との数値は、原稿取り出しローラ158
の回転中心軸線を通る基準軸線(即ち、このファクシミ
リ装置10が載置される載置面と平行な軸線)Xを基準
とした場合に、ガイド本体部176bがこの基準軸線X
に対して、図中時計方向回りに15度だけ傾斜し、折曲
部176cが同様に40度だけ傾斜している結果、(4
0−15)=25度として規定される値である。
【0086】尚、この数値は一例であって、要は、この
上側原稿ガイド176のガイド本体部176bが原稿取
り出しローラ158の周囲を取り囲みつつ、下側原稿ガ
イド174から所定間隙を隔てて上方に位置し、且つ、
この上側原稿ガイド176の後端、即ち、折曲部176
cの後端が、原稿取り込み口34bを実質的に邪魔せず
に、この原稿取り込み口34bを通って来た原稿Gが、
下側原稿ガイド174と上側原稿ガイド176のガイド
本体部176bとの間にもたらされる様にガイドするに
適切な数値であれば、上述した数値に限定されることな
く、適宜選択することが出来る事は言うまでもない。
【0087】〈下側原稿ガイド174の説明〉 一方、上述した下側原稿ガイド174は、図37及び図
38に取り出して示す様に、アッパーハウジング34の
トレイ受け台35の直前方に形成された凹部34c内に
収納されている。詳細には、この下側原稿ガイド174
は、その上面が原稿搬送路154の下面を規定するガイ
ド本体174aと、このガイド本体174aの上面の略
中央部に形成され、上述した分離ユニット156が着脱
自在に収納される第1の凹所174bと、このガイド本
体174aの左右両側から夫々一体的に立ち上がり、原
稿搬送路154の左右両端を夫々規定すると共に、上述
した原稿取り出しローラ158とホワイトローラ162
との夫々の両端を回転自在に、且つ、着脱自在に軸支す
る為の支持板174c,174dとから構成されてい
る。
【0088】尚、上述したガイド本体174aの前方部
分には、図37に示す様に、このホワイトローラ162
のローラ部162bが遊嵌される第2の凹所174eが
形成されている。また、ガイド本体174aに形成され
た第1の凹所174bの前端面を規定する前壁部174
b1と、後端面を規定する後壁部174b2とには、夫
々に、上述した原稿分離ユニット156の前後に夫々形
成された後述する係止ボス部が嵌入される係止溝174
f,174gが夫々形成されている。ここで、図36に
示す様に、この下側原稿ガイド174は、これがアッパ
ーハウジング34に形成された凹部34c内に収容/固
定された状態で、これの原稿受入側部分(即ち、原稿取
り出しローラ158の配設位置よりも図中左方部分)の
上面は、トレイ受け台35上に取り付けられた原稿トレ
イ40の上面(原稿載置面)と実質的に面一に整合され
た状態に設定されると共に、上述した基準軸線Xに対し
て図中時計方向回りに28度傾斜する様に設定され、一
方、原稿送り出し側部分(即ち、原稿取り出しローラ1
58の配設位置よりも図中右方部分)の上面は、上述し
た基準軸線Xと略平行に設定されている。
【0089】下側原稿ガイド174の原稿受入側部分の
上面を、この様な傾斜角度に設定する事により、上述し
た上側原稿ガイド176の折曲部176cの基準軸線X
に対する傾斜角度(この一実施例においては40度)と
の相対関係から、原稿搬送路154における原稿受入側
部分が仮想先端角度が12度の所謂楔状に、詳細には、
原稿搬送方向に沿ってその高さが徐々に減じられる様に
規制されることになる。この結果、原稿トレイ40上に
載置された原稿Gは、その載置枚数に係わらず、原稿分
離ユニット156と原稿取り出しローラ158との転接
部(即ち、分離部)に向けて確実に搬送される事とな
る。
【0090】これら支持板174c,174dは、図3
8にも取り出した状態で示す様に、夫々の上端面に開口
した状態で、原稿搬送方向に関して上流側に位置して、
原稿取り出しローラ158のシャフト部158aを、第
1のベアリングブッシュ178(後述する)を介して回
動自在に、且つ、着脱自在に受ける為の第1の凹部18
0が、また、原稿搬送方向に関して下流側に位置して、
ホワイトローラ162のシャフト部162aを、第2の
ベアリングブッシュ182(後述する)を介して回動自
在に、且つ、着脱自在に受ける為の第2の凹部184
が、夫々形成されている。
【0091】詳細には、各凹部180,184は、対応
するベアリングブッシュ178,182を受け入れる為
のテーパ穴部180a,184aと、これらテーパ穴部
180a,184aの下方に連続した状態で夫々形成さ
れ、対応するベアリングブッシュ180,184の直径
よりも狭く設定された開口幅を有する狭窄穴部180
b,184bと、これら狭窄穴部180b,184bの
下方に連続した状態で夫々形成され、対応するベアリン
グブッシュ178,182を実質的に受ける為の、対応
するベアリングブッシュ180,184の直径と略同一
の直径を有する受け穴部180c,184cとから夫々
構成されている。
【0092】このように凹部180,184を形成する
事により、対応する原稿取り出しローラ158及びホワ
イトローラ162をベアリングブッシュ178,182
を介して受けるに際して、これらベアリングブッシュ1
78,182は一旦、狭窄穴部180b,184bを通
った後に受け穴部180c,184cで受けられる事に
なり、この結果、これら原稿取り出しローラ158及び
ホワイトローラ162は、対応する受け穴部180c,
184cから抜け出る事を禁止された状態で、安定した
状態で保持される事になる。更に、これら支持板174
c,174dには、各凹部180,184に夫々近接し
た状態で、第1及び第2のベアリングブッシュ178,
182に夫々形成された突起部178d,182d(後
述する)が夫々嵌入する第1及び第2の係止穴186,
188が形成されている。
【0093】一方、上述した第1及び第2のベアリング
ブッシュ178,182は共に同様に形成されている
が、図39に示す様に、対応するシャフト部158a,
162aを夫々回動自在に軸支する軸受本体部178
a,182aと、これら軸受本体部178a,182a
の外周に形成され、対応する受け穴部180c,184
cに夫々嵌入される嵌入溝部178b,182bと、対
応する軸受本体部178a,182aの外側に一体的に
連接され、軸方向とは直交する一側に向けて夫々延出す
る延出片178c,182cと、これら延出片178,
182cの内側面に夫々内方に向けて僅かに突出する様
に形成された突起部178d,182dとを備えて構成
されている。ここで、後述する図51に示す様に、各嵌
入溝部178b,182bの外周には、互いに平行に設
定された平坦部178e1;178e2,182e1;
182d2が形成されている。尚、これら平坦部178
e1;178e2,182e1,182e2間の距離
は、対応する狭窄穴部180b,184bの開口幅より
も僅かに小さく設定されている。この様にベアリングブ
ッシュ178,182を構成する事により、一旦、対応
する受け穴部180c,184c内に受けられた後、こ
れらベアリングブッシュ178,182を対応する受け
穴部180c,184c内で略90度だけ回転させる事
により、狭窄穴部180b,184bの直下方に位置す
る嵌入溝部178b,182bの幅は、狭窄穴部180
b,184bの開口幅よりも広くなると共に、略90度
回転された延出片178c,182cの先端に形成され
た突起部178d,182dは、上述した様に、対応す
る係止穴186,188に夫々嵌入する事になる。この
結果、ベアリングブッシュ178,182は対応する凹
部180,184から、係止穴186,188と対応す
る突起部178d,182dとの嵌入状態を解除しない
限り、上方への抜け出しを禁止される事になる。
【0094】このように両支持板174c,174dを
形成する事により、原稿取り出しローラ158とホワイ
トローラ162とは、ともに安定した状態で、回動自在
に軸支されると共に、係止穴186,188と対応する
突起部178d,182dとの嵌入状態を解除する事に
より、下側原稿ガイド174から容易に取り外す事が可
能となる。
【0095】〈原稿分離ユニット156の説明〉 次に、図36、図40及び図41を参照して、上述した
原稿分離ユニット156の構成を詳細に説明する。この
原稿分離ユニット156は、図36に示すように、下側
原稿ガイド174に形成された第1の凹所174b内に
収容されるユニット本体190と、このユニット本体の
190の上面にねじ192を介して共締め状態で固定さ
れた板ばね194と摩擦部材196とから概略構成され
ている。ここで、このユニット本体190の前面には、
起立した状態で弾性止め片190aが一体的に接合され
ており、この弾性止め片190aの前端面には、上述し
た下側原稿ガイド174に形成された前方係止溝174
fに嵌入して係止される前方係止ボス部190bが前方
に突出した状態で一体的に形成されている。一方、この
ユニット本体190の後面には、上述した下側原稿ガイ
ド174に形成された後方係止溝174gに嵌入して係
止される後方係止ボス部190cが後方に突出した状態
で一体的に形成されている。
【0096】このように、前方係止ボス部190b及び
後方係止ボス部190cが、前方係止溝174f及び後
方係止溝174gに夫々嵌入して係止される事により、
ユニット本体190(即ち、原稿分離ユニット156)
は、下側原稿ガイド174の第1の凹所174b内にそ
の収容状態を係止された状態で、確実に嵌入される事と
なる。特に、この一実施例においては、前方係止ボス部
190bはこれが形成されている弾性止め片190aの
固有に有する弾性力で、前方に向けて押しつけられ、そ
の嵌合状態を弾性的に保持されており、この結果、ユニ
ット本体190の第1の凹所174b内における嵌合状
態は、確実に維持される事になる。尚、メンテナンス等
でこの原稿分離ユニット156を取り外す必要が生じた
場合には、後にその取り外し動作を詳細に説明するが、
弾性止め片190aをその弾性力に抗して後方に押し戻
して、前方係止ボス部190bと前方係止溝174fと
の嵌合状態を強制的に解除する事により、容易に下側原
稿ガイド174から取り外す事が出来るものである。
【0097】また、上述した板ばね194は、金属ばね
材から一体的に形成されており、図40及び図41に取
り出して示すように、上述したねじ192を介して共締
めされると共に、側面視で略L字状に形成された板ばね
本体部194aと、この板ばね本体部194aの起立部
分の左右両側から夫々一体的に起立した起立ばね片19
4b,194cと、これら起立ばね片194b,194
cの上端から前方に向けて所定角度で折曲させられた左
右一対の支持ばね片194d,194eとから構成され
ている。ここで、各支持ばね片194d,194eの対
応する起立ばね片194b,194cに対する折曲角度
は、各支持ばね片194d,194eが、図36に示す
ように、これが固定されたユニット本体190が下側原
稿ガイド174の第1の凹所174b内に収容されて係
止された状態において、上述した基準軸線Xに対して図
中時計方向回りに15度の傾斜で延出することが出来る
ように設定されている。
【0098】即ち、このように各支持ばね片194d,
194eの傾斜角度を規定する事により、図36から明
らかなように、原稿搬送路154は、上側原稿ガイド1
76の折曲部176cと各支持ばね片194d,194
eとにより挟まれた状態で規定される部分においては、
これよりも原稿搬送方向に関して上流側に隣接する部分
における上側原稿ガイド176の折曲部176cと下側
原稿ガイド174のガイド本体174aとにより挟まれ
た状態で規定される部分における楔形状よりも、下側に
位置する原稿受け面がより水平に寝た状態で、両者の交
差角度がより大きくなる楔形状に変化する事になる。こ
の結果、ここを通り抜けようとする原稿は、その枚数が
多数枚である場合には、急激に絞られる事となる。
【0099】ここで、各支持ばね片194d,194e
は、ここに原稿Gが所定枚数だけ当接して停止した場合
には、これら原稿Gのここにかかる負荷(即ち、原稿の
腰の強さ)に基づき、垂れ下がるように偏位する、即
ち、原稿取り出しローラ158との傾向を解除されて下
方に偏位するに適切な弾性係数を有するように設定され
ている。換言すれば、各支持ばね片194d,194e
は、ここに所定枚数以下の原稿Gが当接して停止した場
合には、例えこれら原稿Gの負荷が作用したとしても、
垂れ下がるように偏位せずに、その姿勢、即ち、原稿取
り出しローラ158に弾性的に当接する姿勢を維持する
事が出来る事となる。尚、この一実施例においては、上
述した所定枚数の原稿Gとは、3〜4枚の原稿を指すも
のとする。即ち、原稿トレイ40上に載置する原稿が5
〜6枚以上になった場合には、上述した所定枚数以上の
原稿として各支持ばね片194d,194eに作用する
事となる。
【0100】一方、上側原稿ガイド176の折曲部17
6cと各支持ばね片194d,194eとにより挟まれ
た状態で規定される部分よりも、原稿搬送方向に関して
下流側に隣接する部分における、上側原稿ガイド176
のガイド本体部176bと各支持ばね片194d,19
4eとにより挟まれる部分は、両者が実質的に平行に設
定される事になる。この結果、折曲部176cと各支持
ばね片194d,194eとにより挟まれた状態で規定
される部分で急激に絞られた原稿は、順次上側から、上
述した分離部(即ち、原稿分離ユニット156と原稿取
り出しローラ158との転接部)に向けて平行に設定さ
れた原稿搬送路154を通って安定した状態で供給され
る事になる。
【0101】一方、上述した摩擦部材196は、図40
及び図41に示すように、上述した板ばね194の板ば
ね本体部194aの下面とユニット本体190の上面と
の間に基端部(図中、左端部)を挟持された状態で、上
述したねじ192により共締め固定されており、所謂片
持ち状態で前方に向けて延出している。ここで、この摩
擦部材196は、所定の摩擦係数を有する合成ゴムから
形成された板状のゴム板ばね198と、このゴム板ばね
198の下面を裏打ちした状態で取り付けられた金属製
の金属板ばね200とから構成されている。即ち、ゴム
板ばね198は、その上面に所望の摩擦係数を有する事
は出来るものの、それ自身では、片持ち姿勢を維持する
事は出来ず、一方、金属板ばね200は片持ち姿勢を維
持する事は出来るものの、その上面の摩擦係数は小さ
く、原稿を分離するに充分な摩擦係数を有する事が困難
である。
【0102】このような両者の特性に鑑み、この一実施
例においては、上側にゴム板ばね198を、下側に金属
板ばね200を夫々配設し、摩擦係数を発揮する部材と
姿勢維持機能を発揮する部材とを機能別に分離した状態
で、両者を一体的に組み合わせている。この結果、摩擦
部材196はその上面に所定の摩擦係数を有した状態
で、片持ち状態で前方に向けて延出する構成を達成する
事が出来る事になる。尚、摩擦部材196のゴム板ばね
198における原稿Gとの間の摩擦係数は、原稿Gと左
右一対の支持ばね片194d,194eとの間の摩擦係
数よりも大きく、原稿Gと原稿取り出しローラ158と
の間の摩擦係数よりも小さく設定されている。
【0103】また、上述した原稿取り出しローラ158
は、その下端部において、原稿分離ユニット156、詳
細には、この原稿分離ユニット156を構成する摩擦部
材196のゴム板ばね198と、板ばね194の左右一
対の支持ばね片194d,194eとの夫々の上面に、
上方から所定の下方押し込み量を有して当接している。
一方、この摩擦部材196は、図36に示すように、そ
の先端部が原稿取り出しローラ158により下方に押し
込まれた状態で、上述した基準軸線Xに対して、反時計
方向回りに5度の傾斜角度で傾斜する状態で、前方に向
けて延出するように、ユニット本体190の上面への取
付位置及び原稿取り出しローラ158による下方への押
し込み量を夫々規定されている。尚、上述した左右一対
の支持ばね片194d,194eの基準軸線Xに対する
傾斜角度(15度)は、このように、両者が原稿取り出
しローラ158により下方に押し込まれた状態での値で
ある事は、言うまでもない。
【0104】〈原稿分離ユニット156と原稿取り出し
ローラ158とによる原稿分離動作の説明〉 次に、図42乃至図44を参照して、原稿トレイ40上
に載置された原稿の分離・取り込み動作について説明す
る。
【0105】《1枚の原稿の取り込み動作》 先ず、図42を参照して、原稿トレイ40上に原稿が上
述した所定枚数よりも少ない枚数、例えば、1枚だけ載
置された場合の、この1枚の原稿Gの分離・取り込み動
作(但し、1枚の場合には、原稿の取り込み動作のみと
なる)について説明する。
【0106】先ず、1枚の原稿が画像読み取り面を上向
きにセットされた状態で原稿トレイ40上に載置される
と、この原稿は自重により原稿トレイ40の原稿載置面
の傾斜に従って前方に向けて搬送され、コントロールパ
ネル20とアッパーハウジング34との間の空間で規定
される原稿取り込み口34bを介して、画像読み取り機
構18に備えられた原稿搬送路154内に取り込まれ
る。このように原稿取り込み口34bから原稿搬送路1
54内に自重により取り込まれた原稿Gが、第1の原稿
検出スイッチ166をオン動作させる事により、画像読
み取り機構18は画像読み取り待機状態となる。即ち、
この画像読み取り待機状態が設定されると、原稿取り出
しローラ158やホワイトローラ162等を駆動する為
の原稿送りモータ140が通電されて励磁状態(駆動可
能状態)となされ、イメージリーダ160にも通電され
て、画像読み取り可能状態となされる。
【0107】この自重による原稿取り込み動作は、詳細
には、原稿取り込み口34bから原稿搬送路154内に
取り込まれた原稿Gは、先ず、この原稿搬送路154の
原稿搬送方向に関して最も上流側部分を規定する所の上
側原稿ガイド176の折曲部176cの下面と下側原稿
ガイド174の上面との間で規定される第1の部分に導
入される。この原稿搬送路154の第1の部分の下面、
即ち、下側原稿ガイド174の上面は、既に上述したよ
うに、基準軸線Xに対して28度の傾斜角度を有するよ
うに設定されている。従って、この傾斜に従って前方に
向けて搬送される原稿Gは、この第1の部分の原稿搬送
方向に関して下流側に隣接する原稿搬送路154の第2
の部分、即ち、上側原稿ガイド176の折曲部176c
の下面と原稿分離ユニット156を構成する板ばね19
4の左右一対の支持ばね片194d,194eの上面と
の間の部分に円滑に、且つ、確実にもたらされる。
【0108】ここで、この第2の部分の下面、即ち、左
右一対の支持ばね片194d,194eの上面は、既に
上述したように、基準軸線Xに対して15度の傾斜角度
を有するように設定されている。従って、上述した下側
原稿ガイド174の上面の傾斜に沿って搬送されて来た
原稿Gは、今度は、ここの傾斜に沿って自重により、こ
の第2の部分の原稿搬送方向に関して下流側に隣接する
原稿搬送路154の第3の部分、即ち、上側原稿ガイド
176のガイド本体部176bの下面と板ばね194の
左右一対の支持ばね片194d,194eの上面との間
の部分に円滑に、且つ、確実にもたらされ、更に、この
第3の部分を通って、両支持ばね片194d,194e
の傾斜に従って、これら両支持ばね片194d,194
eの上面を滑る様にして、上述した分離部に向けて搬送
される事になる。このようにして、自重により原稿搬送
路154の第1乃至第3の部分を搬送されて来た1枚の
原稿Gは、図42に示すように、その先端を分離部にも
たらされた状態、即ち、原稿取り出しローラ158と原
稿分離ユニット156の左右一対の支持ばね片194
d,194eとの互いに当接する部分に入り込んだ状態
で、その搬送動作を停止させられる事になる。
【0109】この状態から、原稿取り出しローラ158
が図中反時計方向に沿って回転すると、この回転に伴
い、原稿Gは図中右方に取り込まれ、一旦、この原稿取
り出しローラ158と摩擦部材196との間にもたらさ
れる。ここで、この原稿取り出しローラ158と原稿G
との間の摩擦係数は、原稿Gと摩擦部材196のゴム板
ばね198との間の摩擦係数よりも大きくなされている
ので、原稿取り出しローラ158による原稿Gの搬送力
が、摩擦部材196による原稿Gの停止力(分離力)よ
りも勝る事となり、この結果、原稿Gは両者の間を通り
抜けて、今度は、この原稿搬送路154の第3の部分の
原稿搬送方向に関して下流側に隣接する原稿搬送路15
4の第4の部分、即ち、上側原稿ガイド176のガイド
本体部176bの下面と下側原稿ガイド174の上面と
の間の部分に円滑に、且つ、確実にもたらされ、更に、
この第4の部分を通って、イメージリーダ160とホワ
イトローラ162との間の部分に向けて搬送される事に
なる。
【0110】このようにして、1枚の原稿の取り出し動
作が終了する。尚、原稿取り出しローラ158の回転に
伴い前方に取り出された原稿Gが、原稿搬送路154に
おける第4の部分を通過中において、上述した第2の原
稿検出スイッチ168をオン動作させる事になる。この
第2の原稿検出スイッチ168のオン動作に伴い、この
オン動作時から所定時間経過後、詳細には、原稿Gの先
端がイメージリーダ160に丁度到達するに必要な時間
が経過後、イメージリーダ160による画像読み取り動
作が開始される様に設定されている。
【0111】また、この原稿Gが原稿搬送路154の第
4の部分を通過し終えると、第2の原稿検出スイッチ1
68はオフ動作する事になるが、上述した第1の原稿検
出スイッチ166がオンしている限り、原稿送りモータ
140の回転駆動は継続される。一方、第1及び第2の
原稿検出スイッチ166,168が共にオフされてか
ら、原稿Gが原稿排出口32bを介してエンクロジャー
28の外部に完全に排出されるに充分な所定時間が経過
すると、原稿送りモータ140の駆動は停止させられる
事になるが、この所定時間が経過した時点で、上述した
第3の原稿検出スイッチ170がオンしていると、上述
した原稿Gの搬送中のジャム検知の外に、最後の原稿G
がが原稿搬送路154ないでジャムしたと判断して、所
定の警報動作を実行する。
【0112】《所定枚数より少ない複数の原稿の分離・
取り込み動作》 次に、上述した所定枚数よりも少ない複数枚の原稿の分
離・取り出し動作について図43を参照して説明する。
先ず、上述した所定枚数よりも少ない複数枚、例えばこ
の一実施例においては第1乃至第3の3枚の原稿G1,
G2,G3が画像読み取り面を上向きにセットされ、且
つ、頁数の若い方が上になるような状態で重ねられて原
稿トレイ40上に載置されると、これら第1乃至第3の
原稿G1,G2,G3は自重により原稿トレイ40の原
稿載置面の傾斜に従って前方に向けて一括した状態で搬
送され、上述した1枚の原稿Gの場合と全く同様にし
て、分離部に向けて自重により搬送される事となる。そ
して、最も上側に位置する第1の原稿G1が、原稿搬送
路154の傾斜に基づき、その先端を分離部にもたらさ
れた状態、具体的には、原稿取り出しローラ158と原
稿分離ユニット156の左右一対の支持ばね片194
d,194eとの互いに当接する部分に入り込んだ状態
となる。
【0113】一方、この最上側の第1の原稿G1の下方
に引き続く第2の原稿G2は、最上側の第1の原稿G1
と左右一対の支持ばね片194d,194eとにより形
成される楔状の空間に規制され、図43に示すように、
その先端が原稿取り出しローラ158と左右一対の支持
ばね片194d,194eとの互いに当接する部分にま
で至らない状態で、その搬送動作を停止させられる事に
なる。更に、この第2の原稿G2に引き続き下方に位置
する第3の原稿G3は、第2の原稿G2と左右一対の支
持ばね片194d,194eとにより形成される楔状の
空間に規制され、図43に示すように、その先端が原稿
取り出しローラ158と左右一対の支持ばね片194
d,194eとの互いに当接する部分にまで至らない状
態で、その搬送動作を停止させられる事になる。
【0114】このようにして、これら第1乃至第3の3
枚の原稿G1,G2,G3は、最上に位置する第1の原
稿G1が原稿取り出しローラ158の回転により取り出
し可能な状態にもたらされ、引き続く第2及び第3の原
稿G2,G3は、順次後方に待機した状態にもたらされ
る事になる。
【0115】このような図43に示す状態から、原稿取
り出しローラ158が図中反時計方向に沿って回転駆動
されると、図42を参照して説明した1枚のみの原稿G
の場合と同様にして、先端が原稿取り出しローラ158
と左右一対の支持ばね片194d,194eとの互いに
当接する部分にもたらされている第1の原稿G1のみが
前方に搬送される事になる。一方、引き続く第2の原稿
G2には、この原稿取り出しローラ158の回転力が直
接作用しないで、第1の原稿G1の搬送に伴う摩擦力の
みが作用する事になる。この結果、取り出された第1の
原稿G1の下方に引き続く第2の原稿G2は、この第1
の原稿G1との摩擦により前方に向けて引きずられる様
にして搬送される事になる。しかしながら、第2の原稿
G2の先端が摩擦部材196の表面に係合した時点で、
これとの摩擦力が第1の原稿G1との摩擦力よりも勝っ
ているので、その係合位置で搬送動作を停止させられる
事になる。即ち、取り出された第1の原稿G1に対して
分離されることになる。そして、この第2の原稿G2
は、第1の原稿G1の後端が原稿取り出しローラ158
から抜け出た後における原稿取り出しローラ158の回
転に伴い、前方に取り出し搬送され得る待機状態にもた
らされる事になる。
【0116】尚、少なくとも1枚の原稿が待機状態にも
たらされた状態で、第1の原稿検出スイッチ166がオ
ン動作され、この第1の原稿検出スイッチ166がオン
動作されている限りにおいて、原稿送りモータ140が
回転駆動を継続される事になる。この結果、上述した様
に、第1の原稿G1の後端が原稿取り出しローラ158
から抜け出る事により、この第2の原稿G2は原稿取り
出しローラ158に初めて接触して摩擦係合する事にな
る。このようにして、第1の原稿G1に引き続く第2の
原稿G2は、第1の原稿G1から僅かに遅れた状態で、
原稿取り出しローラ158の回転に伴い、前方に搬送さ
れる事となる。このように先に搬送された第1の原稿G
1と次に搬送される第2の原稿G2との間には、搬送方
向に沿って僅かな間隙が存在する事になり、この間隙に
基づき、第2の原稿検出スイッチ168は第1の原稿G
1の後端が通過し終える事により、一旦オフ動作し、ま
た、このオフ動作の直後に、第2の原稿G2の先端によ
りオン動作されることになる。このような第2の原稿検
出スイッチ168のオフ/オン動作により、画像読み取
り動作における先の原稿と次の原稿との識別が図られる
様になされている。
【0117】一方、この第2の原稿G2の下方に引き続
く第3の原稿G3は、この第2の原稿G2との摩擦によ
り前方に向けて引きずられる様にして搬送される事にな
る。しかしながら、第3の原稿G3の先端が摩擦部材1
96の表面に係合した時点で、これとの摩擦力が第2の
原稿G2との摩擦力よりも勝っているので、その係合位
置で搬送動作を停止させられる事になる。尚、この第3
の原稿G3の第2の原稿G2に対する分離動作、及び、
第2の原稿G2の取り出し動作後における第3の原稿G
3の取り出し動作の開始状況は、上述した第1及び第2
の原稿G1,G2と同様であるので、ここでの説明を省
略する。
【0118】 《所定枚数より多い原稿の分離・取り込み動作》 次に、上述した所定枚数よりも多い多数枚の原稿G1,
G2,…の分離・取り出し動作について説明する。先
ず、上述した所定枚数よりも多い多数枚の原稿G1,G
2,…が画像読み取り面を上向きにセットされ、且つ、
頁数の若い方が上になるようにな状態で重ねられて原稿
トレイ40上に載置されると、これら多数枚の原稿G
1,G2,…は自重により原稿トレイ40の原稿載置面
の傾斜に従って前方に向けて一括した状態で搬送され、
分離部に向けて自重により搬送される事となる。そし
て、最も上側に位置する第1の原稿G1が、原稿搬送路
154の傾斜に基づき、その先端を分離部にもたらされ
た状態、具体的には、原稿取り出しローラ158と原稿
分離ユニット156の左右一対の支持ばね片194d,
194eとの互いに当接する部分に入り込んだ状態とな
る。
【0119】一方、この最上側の第1の原稿G1の下方
に引き続く第2の原稿G2以下の原稿G2…は、最上側
の第1の原稿G1と共に、左右一対の支持ばね片194
d,194eに当接し、これら原稿G1,G2,…のバ
ルクとしての腰の強さに基づき、両支持ばね片194
d,194eは共に下方に押し曲げられ、これら多数枚
の原稿G1,G2,…は、図44に示す様に、各々の先
端が摩擦部材196のゴム板ばね198の上面に当接す
る状態でその搬送動作を停止させられる事になる。即
ち、最上に位置する第1の原稿G1は、原稿取り出しロ
ーラ158と原稿分離ユニット156の摩擦部材196
との互いに当接する部分に入り込んだ状態となる。
【0120】一方、この最上側の第1の原稿G1の下方
に引き続く第2の原稿G2は、最上側の第1の原稿G1
と摩擦部材196とにより形成される楔状の空間に規制
され、その先端が原稿取り出しローラ158と摩擦部材
196との互いに当接する部分にまで至らない状態で、
その搬送動作を停止させられる事になる。更に、この第
2の原稿G2に引き続き下方に位置する第3の原稿G3
は、第2の原稿G2と摩擦部材196とにより形成され
る楔状の空間に規制され、その先端が原稿取り出しロー
ラ158と摩擦部材196との互いに当接する部分にま
で至らない状態で、その搬送動作を停止させられる事に
なる。
【0121】このようにして、これら多数枚の原稿G
1,G2,…は、最上に位置する第1の原稿G1が原稿
取り出しローラ158の回転により取り出し可能な状態
にもたらされ、引き続く第2及び第3の原稿G2,G
3,…は、順次後方に待機した状態にもたらされる事に
なる。
【0122】このような図44に示す状態から、原稿取
り出しローラ158が図中反時計方向に沿って回転駆動
されると、先端が原稿取り出しローラ158と摩擦部材
196との互いに当接する部分にもたらされている第1
の原稿G1のみが、これと原稿取り出しローラ158と
の間の摩擦係合力が摩擦部材196との間の摩擦係合力
よりも強く設定されているので、前方に向けて搬送され
る事になる。一方、引き続く第2の原稿G2には、この
原稿取り出しローラ158の回転力が直接作用しない
で、第1の原稿G1の搬送に伴う摩擦力のみが作用する
事になる。この結果、取り出された第1の原稿G1の下
方に引き続く第2の原稿G2は、その位置に留まる事に
なる。即ち、取り出された第1の原稿G1に対して分離
されることになる。そして、この第2の原稿G2は、第
1の原稿G1の後端が原稿取り出しローラ158から抜
け出た後における原稿取り出しローラ158の回転に伴
い、前方に取り出し搬送され得る待機状態にもたらされ
る事になる。
【0123】即ち、このように第1の原稿G1が前方に
取り出された状態において、上述した残りの原稿のバル
クとしての腰の強さが原稿1枚分だけ弱められ、この結
果、左右一対の支持ばね片194d,194eは自身の
弾性力により上方に持ち上がり、この結果、最上位置に
もたらされた第2の原稿G2は、原稿取り出しローラ1
58と摩擦部材196とにより挟持される状態にもたら
される事になる。このようにして、第1の原稿G1に引
き続く第2の原稿G2は、第1の原稿G1から僅かに遅
れた状態で、原稿取り出しローラ158の回転に伴い、
前方に搬送される事となる。
【0124】一方、この第2の原稿G2の下方に引き続
く第3の原稿G3は、この第2の原稿G2と全く同様に
して、前方に取り込み搬送される事になる。ここで、こ
の原稿取り出しローラ158により取り込まれる前の原
稿の残り枚数が、上述した所定枚数よりも少なくなる
と、前項における《所定枚数より少ない複数の原稿の分
離・取り込み動作》で説明したと同様な状況となり、こ
こでの原稿の取り出し動作と実質的に同様な状態で、残
りの原稿は順次前方に搬送、即ち、取り込まれる事にな
るので、ここでの説明を省略する。
【0125】〈原稿分離部の組み付け動作の説明〉 次に、図45乃至図53を参照して、原稿分離ユニット
156と原稿取り出しローラ158とホワイトローラ1
62とを下側原稿ガイド174へ組み付ける為の動作
を、詳細に説明する。
【0126】 《原稿分離ユニット156の取り付け動作の説明》 先ず、原稿分離ユニット156を下側原稿ガイド174
へ取り付ける取り付け動作について、図45乃至図49
を参照して詳細に説明する。この原稿分離ユニット15
6は、図45に示す様に、裸の状態の下側原稿ガイド1
74、即ち、原稿取り出しローラ158、ホワイトロー
ラ162、及び、上側原稿ガイド176が取り付けられ
る前の状態の下側原稿ガイド174に取り付けられるも
のである。詳細には、この原稿分離ユニット156は、
下側原稿ガイド174の第1の凹所174b内に収納さ
れた状態で取り付けられる様に設定されているが、その
取り付け動作においては、先ず、図46に示す様に、原
稿分離ユニット156を構成するユニット本体190の
後部から第1の凹所174b内に上方から挿入し、ユニ
ット本体190の後方係止ボス部190cを、図47に
示す様に、第1の凹所174bにおける対応する後方係
止溝174g内に嵌入させる。
【0127】この図47に示す状態から、ユニット本体
190の前部を作業者の指等で押し下げると、ユニット
本体190の前面に形成された弾性止め片190aは、
図48に示す様に、一旦、自身の有する弾性力に抗して
後方に押し込められた状態で、ユニット本体190の前
部が第1の凹所174b内に挿入される事を許容する。
そして、ユニット本体190の前部を更に押し下げる事
により、この前部は第1の凹所174b内に完全に挿入
される事になる。この完全挿入状態において、図49に
示す様に、弾性止め片190aの前端面に形成された前
方係止ボス部190bは、第1の凹所174bの対応す
る前方係止溝174fに夫々嵌入する。このようにし
て、ユニット本体190の後部は、後方係止ボス部19
0cが対応する後方係止溝174gに嵌入し、その前部
は、前方係止ボス部190bが対応する前方係止溝17
4fに嵌入する事により、この原稿分離ユニット156
は、第1の凹所174b内に係止された状態で収納さ
れ、その収納状態を安定した状態で維持される事にな
る。
【0128】尚、この原稿分離ユニット156の取り外
し動作は、上述した取り付け動作と全く逆に実行すれば
良く、その詳細な説明は省略するが、例えば、図49に
示す収納状態において、作業者の爪やマイナスタイプの
ドライバ等を用いてユニット本体190の弾性止め片1
90aの上端を後方に押し込める事により、図48に示
す様に、前方係止ボス部190bが対応する前方係止溝
174fから抜け出て、その係止状態が解除され、上方
への持ち上げ可能状態とし、引き続き、この弾性止め片
190aの上端を持ち上げる事により、図47に示す様
に、ユニット本体190の前部が第1の凹所174bか
ら抜け出る事になる。そして、この第1の凹所174b
から抜け出たユニット本体190の前部を、今度は前方
に引きつけつつ全体を持ち上げる事により、図46に示
す様に、原稿分離ユニット156を下側原稿ガイド17
4から完全に取り外すことが出来る事になる。
【0129】《原稿取り出しローラ158及びホワイト
ローラ162の取り付け動作の説明》 次に、図50乃至図53を参照して、原稿取り出しロー
ラ及びホワイトローラ162の下側原稿ガイド174へ
の取り付け動作を詳細に説明する。
【0130】先ず、図50に示す様に、原稿分離ユニッ
ト156が下側原稿ガイド174の第1の凹所174b
内に挿入されて係止された状態において、図示していな
いが、上側原稿ガイド176がスナップ係止ピン175
を介して下側原稿ガイド174の上面に取り付けられ
る。尚、この上側原稿ガイド176は、このスナップ係
止ピン175を抜き取る事により、下側原稿ガイド17
6から簡単に取り外すことが出来るものである。
【0131】一方、上述した原稿取り出しローラ158
は、これのシャフト部158aの両端に夫々取り付けら
れた第1のベアリングブッシュ178の嵌入溝部178
bを、図51に示す状態から、対応する延出片178c
が起立した姿勢を取った状態を維持しつつ、下側原稿ガ
イド174の左右両側の支持板174c,174dに夫
々形成された第1の凹部180に上方から押し入れられ
る様に嵌入させられる。この結果、嵌入溝部178b
は、対応する第1の凹部180のテーパ穴部180aに
先ず遊嵌され、ここのテーパ面に従って狭窄穴部180
bの上端まで強制的に案内され、この狭窄穴部180b
を押し広げながら押し下げられ、図52に示す様に、受
け穴部180c内に挿入される事になる。このようにし
て、第1のベアリングブッシュ178は、その嵌入溝部
178bを対応する受け穴部180c内に押し入れられ
た状態で、所謂スナップ係合状態で、支持板174c,
174dに夫々回動自在に支持される事になる。
【0132】尚、このように、原稿取り出しローラ15
8がその両端において第1のベアリングブッシュ178
を夫々介して両支持板174c,174dに回動自在に
軸支された状態で、図36に示す様に、この原稿取り出
しローラ158の摩擦ローラ部158bは上側原稿ガイ
ド176に形成された挿通孔176aを介して、これの
下方に取り出され、原稿分離ユニット156を構成する
板ばね194の左右一対の支持ばね片194c,194
dに上方から接触する同時に、摩擦部材196のゴム板
ばね198にも上方から接触する事となる。
【0133】また、上述したホワイトローラ162は、
これのシャフト部162aの両端に夫々取り付けられた
第2のベアリングブッシュ182の嵌入溝部182b
を、図51に示す状態から、対応する延出片182cが
起立した姿勢を取った状態を維持しつつ、下側原稿ガイ
ド174の左右両側の支持板174c,174dに夫々
形成された第2の凹部184に上方から押し入れられる
様に嵌入させられる。この結果、嵌入溝部182bは、
対応する第2の凹部184のテーパ穴部184aに先ず
遊嵌され、ここのテーパ面に従って狭窄穴部184bの
上端まで強制的に案内され、この狭窄穴部184bを押
し広げながら押し下げられ、図52に示す様に、受け穴
部184c内に挿入される事になる。このようにして、
第2のベアリングブッシュ182は、その嵌入溝部18
2bを対応する受け穴部184c内に押し入れられた状
態で、所謂スナップ係合状態で、支持板174c,17
4dに夫々回動自在に支持される事になる。
【0134】ここで、このように原稿取り出しローラ1
58及びホワイトローラ162が下側原稿ガイド174
に取り付けられた状態で、図50に示す様に、この原稿
取り出しローラ158の一端(図中、左端)に同軸に固
定された第2の従動ギヤ172cが、第3の中間ギヤ1
72fに上方から噛合し、また、ホワイトローラ162
の一端(図中、左端)に同軸に固定された第1の従動ギ
ヤ172bが第1及び第2の中間ギヤ172d,172
eに同時に噛合し、これらの噛合により、原稿送りモー
タ140の駆動力を第1及び第2の従動ギヤ172b,
172cに順次伝達する為のギヤトレインが、図33に
示す様に構成される事になる。
【0135】尚、このように、ホワイトローラ162が
その両端において第2のベアリングブッシュ182を夫
々介して両支持板174c,174dに回動自在に軸支
された状態で、このホワイトローラ162のローラ部1
62bは、下側原稿ガイド174の第2の凹所174e
内に収納され、コントロールパネル20が閉じられた状
態で、このコントロールパネル20の下面に取り付けら
れたイメージリーダ160に対して所定の位置関係を有
する状態に正確に位置決めされる事になる。
【0136】この後、図52に示す状態から、各第1の
スライドブッシュ178の延出片178cを図中時計方
向に沿って約90度だけ回動させ、図53に示す様に、
この延出片178cの内面に突出形成された突起部17
8dを、対応する第1の係止穴186内に嵌入させる。
このようにして、各第1のスライドブッシュ178の対
応する支持板174c,174dへの取り付け状態は固
定され、従って、原稿取り出しローラ158は安定した
取り付け状態で、下側原稿ガイド174に回動自在に取
り付けられる事になる。
【0137】また、同様に、図52に示す状態から、各
第2のスライドブッシュ182の延出片182cを図中
反時計方向に沿って約90度だけ回動させ、図53に示
す様に、この延出片182cの内面に突出形成された突
起部182dを、対応する第2の係止穴188内に嵌入
させる。このようにして、各第2のスライドブッシュ1
82の対応する支持板174c,174dへの取り付け
状態は固定され、従って、ホワイトローラ162は安定
した取り付け状態で、下側原稿ガイド174に回動自在
に取り付けられる事になる。
【0138】尚、これら原稿取り出しローラ158とホ
ワイトローラ162との夫々の取り外し動作は、上述し
た取り付け動作と全く逆に実行すれば良く、その詳細な
説明は省略するが、例えば、図53に示す係止状態にお
いて、例えば作業者の爪やマイナスタイプのドライバ等
を用いて対応するスライドブッシュ178,182の延
出片178c,182cの先端を対応する支持板174
c,174dから引き剥す様に変形させる事により、図
52に示す様に、原稿取り出しローラ158,ホワイト
ローラ162は、夫々自身の中心軸線回りに回動可能と
なされ、夫々を取り付け時とは反対方向に90度だけ回
動させる事により、上方への持ち上げ可能状態とし、引
き続き、これら対応するスライドブッシュ178,18
2を持ち上げる事により、図51に示す様に、夫々対応
する凹部180,184から上方に抜き取られて、下側
原稿ガイド174から完全に取り外すことが出来る事に
なる。
【0139】以上詳述した様に、この一実施例によれ
ば、画像読み取り機構18において最も機械的な性能を
要求されるところの、換言すれば、原稿を確実に一枚づ
つ分離搬送する事の出来る機能を発揮するところの原稿
分離部は、極めて簡単な操作で組み付けられることが出
来ると共に、同様に、極めて簡単な操作で分解すること
が出来る事になる。このようにして、この一実施例にお
いては、例えば、定期整備時において、原稿分離機能を
良好に維持する為に、原稿取り出しローラ158を新規
なものに取り替えたり、原稿分離ユニット156におい
て、摩擦部材196のゴム板ばね198を張り替えた
り、また、板ばね194において左右一対の支持ばね片
194c,194dの傾斜角度を調整する作業等が、極
めて容易に行い得る事となり、整備時の作業性の向上を
図ることが出来る事になる。
【0140】[プリント機構14の説明] 以下に、上述した図1、図7、及び図54乃至図75を
参照して、プリント機構14の構成及びその動作を詳細
に説明する。
【0141】(プリント機構14の全体構成の説明) 先ず、このプリント機構14は、図1に示す様に、上述
した画像読み取り機構18を介して原稿から読み取られ
た画像情報、または、通信ライン、具体的には、この一
実施例においては電話回線を介して送信されてきた画像
情報に基づき、給紙カセット36から取り出された用紙
P上に画像形成、即ち、画像をプリントする様に構成さ
れている。この為、このプリント機構14は、図54に
示す様に、給紙カセット36から後述する給紙ローラ2
02の回転に応じて取り出された用紙Pを、アッパーハ
ウジング34の上面後部に形成された用紙取り込み口3
4bから、プリンタハウジング(ミドルハウジング)3
4の前面に形成された用紙排出口32aまで搬送する為
の用紙搬送路204を備えている。
【0142】また、このプリント機構14は、この用紙
搬送路204に沿った状態で、用紙Pの搬送方向に関し
て上流側から下流側に向けて、用紙Pの搬送タイミング
を規定する為の上下一対のレジストローラ206,20
8と、外周面に感光層が添着され、上述したレーザスキ
ャニングユニット24による像露光により画像に対応し
た静電潜像が形成される感光ドラム210と、用紙Pの
下面に転写されたトナー像を定着させる為の定着装置2
12とを順次備えている。
【0143】ここで、この感光ドラム210と定着装置
212とは、後述するプリンタ駆動機構214を介して
駆動され、感光ドラム210は図中時計方向に沿って回
転駆動される様になされている。また、この感光ドラム
210の外周には、図55に示す様に、これの直下方に
位置した状態で、これの外周面を一様に帯電する為の帯
電チャージャ216が配設されている。また、この帯電
チャージャ216から感光ドラム210の回転方向に沿
った位置に、上述したレーザスキャニングユニット24
による像露光部位IEが規定され、この像露光部位IE
から感光ドラム210の回転方向に沿った位置に、像露
光により感光ドラム210の外周面に形成された静電潜
像をトナーにより現像する為の現像装置218が配設さ
れている。
【0144】また、この現像装置218から感光ドラム
210の回転方向に沿った位置であって、感光ドラム2
10の外周の直上方に位置した状態で、トナーにより顕
像化されたトナー像を用紙の下面に転写する為の転写チ
ャージャ220が配設されている。更に、この転写チャ
ージャ220から感光ドラム210の回転方向に沿った
位置であって、上述した帯電チャージャ216よりも手
前側に位置した状態で、転写後の残留トナーを回収して
感光ドラム210の外周面を清掃する為のクリーニング
ブレード222が配設されている。ここで、この現像装
置218の直後方下方に位置するメインプレート12上
には、帯電チャージャ216や転写チャージャ220で
発生したオゾンを除去する為にフィルタ223が配設さ
れ、このフィルタ223の直後方に連続した状態で、排
気装置150が配設されている。この排気装置150
は、詳細は図示していないが、駆動モータとこの駆動モ
ータにより回転駆動されるファンとを備え、このファン
を回転駆動する事により、感光ドラム210回りの空気
を、上述したフィルタ223を介してエンクロジャー2
8の後面から外方に排出し、その際、このフィルタ22
3で排気される空気中のオゾンを除去する様に設定され
ている。即ち、この一実施例においては、この排気装置
150とプリントハウジング32の後面に形成された排
気口32c(図3に示す)との間で、上述したオゾン排
気通路が規定される事になる。
【0145】上述した給紙ローラ202は、図54に示
す様に、給紙駆動機構224により回転駆動される様に
なされており、この給紙駆動機構224は上述したピッ
クアップモータ142と、このピックアップモータ14
2の回転駆動力を給紙ローラ202に伝達する為の図示
しない駆動力伝達機構とを備えて構成されている。換言
すれば、この一実施例においては、この給紙ローラ20
2は感光ドラム210や定着装置212を駆動する為の
プリンタ駆動機構214とは独立した状態で駆動され、
独自の駆動タイミングで用紙Pを給紙カセット36から
取り出すことが出来る様になされている。
【0146】ここで、この給紙駆動機構224において
は、給紙ローラ202に近接した状態で、給紙カセット
36内に用紙Pか残っているか否かを検出する為の用紙
有無検出スイッチ226と、給紙カセット36内に収容
されている用紙のサイズを検出する為の一対の用紙サイ
ズ検出スイッチ228,230とが設けられている。こ
の一実施例においては、用紙サイズ検出スイッチ22
8,230は、給紙カセット36内に収容された用紙の
サイズにおける搬送方向に沿う長さの違いに応じて選択
的にオン/オフ駆動され、このオン/オフ状態に基づ
き、3種類の異なるサイズを検出する様に設定されてい
る。
【0147】一方、上述した用紙搬送路204には、給
紙ローラ202と上下一対のレジストローラ206,2
08との間に位置した状態で、用紙搬送検出スイッチ2
32が、また、定着装置212と後述する上下一対の排
紙ローラ234,236との間に位置した状態で、用紙
排出検出スイッチ238が夫々配設されている。ここ
で、この一実施例における一つの特徴をなす点である
が、用紙Pの搬送タイミングの規定の為には、この一実
施例においては、上述した用紙搬送検出スイッチ232
が唯一つだけ採用されている。
【0148】即ち、一般的には、用紙Pの搬送タイミン
グの規定の為には、用紙Pが給紙カセット36から取り
出されたタイミングを検出する為の第1の用紙検出スイ
ッチと、両レジストローラ206,208から取り出さ
れたタイミングを検出する為の第2の用紙検出スイッチ
との2つの検出スイッチが必要となされていた。しかし
ながら、この一実施例においては、給紙カセット36か
ら用紙Pが取り出されるタイミングのみを用紙搬送検出
スイッチ232を介して検出し、レジストローラ対20
6,208から感光ドラム210への搬送タイミング
は、後述する様に制御手順を規定する事により、従来に
おける第2の用紙検出スイッチを不要にしている。この
結果、比較的コストの高い用紙検出スイッチを1個配設
不要とする事により、コストの低廉化を達成することが
出来る事になる。
【0149】 (プリント機構14の用紙搬送路204の説明) 次に、図56を参照して、感光ドラム210よりも用紙
搬送方向に関して上流側に位置する用紙搬送路204の
部分204aの構成を説明する。
【0150】先ず、この一実施例においては、この用紙
搬送路204の上流側部分204aの下面は、上述した
現像装置218の上面、詳細には、現像装置218に備
えられたトナーカートリッジ240の上部により構成さ
れる下側固定用紙ガイド242の上面により規定されて
いる。この下側固定用紙ガイド242の上面の、用紙搬
送方向に関して下流側に位置する部分には、後述する上
側可動用紙ガイド250との間の間隙を1枚の用紙Pが
通過するに充分な程度に正確に、且つ、確実に規定する
為の突起246が上方に突出した状態で一体的に一対形
成されている。詳細には、これら一対の突起246は、
用紙搬送路204を搬送されてくる用紙Pの搬送動作を
妨げない様に、最大用紙サイズの幅方向両側に位置する
状態で配設されている。尚、下側固定用紙ガイド242
の上面として規定されるトナーカートリッジ240の上
面には、用紙Pを円滑に用紙搬送路204に沿って搬送
させる為に、図57に示す様に、搬送方向に沿って延出
する複数のガイド用突条240aが形成されている。
【0151】一方、上述した用紙搬送路204の上流側
部分204aの上面は、これの上流側の部分を上述した
アッパーハウジング34に一体的に取り付けられた上側
固定用紙ガイド248の下面により規定され、また、こ
れの下流側の部分をこの揺動フレーム16に対して弾性
的に変位可能に取り付けられた上側可動用紙ガイド25
0の下面により規定されている。ここで、この上側可動
用紙ガイド250は、上述した一対の突起246に上方
から当接した状態で、下側固定用紙ガイド242との位
置関係を極めて正確に規定される様になされている。
尚、この用紙搬送路204の上流側部分204aの出口
は、上述した上下一対のレジストローラ206,208
の互いの転接部に対向する様に設定されている。
【0152】詳細には、上側固定用紙ガイド248は、
アッパーハウジング34に一体的に取り付けられ、この
アッパーハウジング34が閉塞位置にもたらされた状態
で、図示する状態に下側固定用紙ガイド242に対して
所定の位置関係を取る様に、即ち、下側固定用紙ガイド
242の上面との間隙を比較的大きく取った状態で、粗
い位置決め精度で位置決めされる様に設定されている。
この上側固定用紙ガイド248は、その上面で、上述し
た原稿読み取り機構18における原稿分離ユニット15
6が収納された下側原稿ガイド174の下面に固定され
ている。そして、上述した上側可動用紙ガイド250
は、用紙Pの搬送方向の最も下流側に位置する前端部よ
りも僅かに上流側に偏位した状態で、下側原稿ガイド1
74の先端部下面に弾性偏位可能に取り付けられた所
の、詳細は後述するが、上レジストローラ206を取り
付け支持する為の支持ブロック254にねじ256を介
して固着されている。
【0153】ここで、この上側可動用紙ガイド250は
揺動フレーム16の閉塞状態において、上述した下側固
定用紙ガイド242の上面に略平行になされたガイド本
体250aと、このガイド本体250aの用紙Pの搬送
方向に関して上流側端縁から、上流側に向かうにつれて
下側固定用紙ガイド242の上面から離間する様な折曲
角度で折曲した状態で連接された折曲片250bとか
ら、板ばね材により一体的に形成されている。尚、上述
した一対の突起246は、この上側可動用紙ガイド25
0のガイド本体250aの下面に当接する様に設定され
ている。
【0154】この様に用紙搬送路204の上流側部分2
04aを構成する事により、揺動フレーム16、従っ
て、アッパーハウジング34が開放位置まで揺動駆動さ
れると、このアッパーハウジング34の揺動駆動に応じ
て、上側固定用紙ガイド248と上側可動用紙ガイド2
50とは共に上方に偏位させられて、用紙搬送路204
の上流側部分204aはその上面を大きく開放される事
になる。この様にして、例えば、用紙搬送途中において
ジャムした用紙Pを容易に取り外すことが出来ると共
に、現像装置218においてトナーがなくなった場合に
おいても、トナーカートリッジ240を容易に交換する
ことが出来る事になる。
【0155】一方、揺動フレーム16、従って、アッパ
ーハウジング34が閉塞位置まで揺動駆動されると、こ
のアッパーハウジング34の揺動駆動に応じて、上側固
定用紙ガイド248と上側可動用紙ガイド250とは共
に下方に押し下げられて、用紙搬送路204の上流側部
分204aは、所定の間隙を有した空間として規定され
る事になる。この結果、この上流側部分204aにおけ
る上流側の部分を搬送されてきた用紙Pは、その下流側
の部分に至る時点において、その上面を上側可動用紙ガ
イド240により規制される事となり、従って、この用
紙搬送路204の上流側部分204aにおける下流側の
部分の間隙は、上述した突起246の突出分として規定
される1枚の用紙Pが通過する事が許容される程度の僅
かなものとなる。この結果、用紙Pが例えカールしてい
たとしても、用紙搬送路204の上流側部分204aを
搬送されている間に徐々に平坦化され、上側可動用紙ガ
イド250により上面を抑えられる状態においては、実
質的に平面状態に矯正され、その先端を確実に、上下一
対のレジストローラ206,208の互いの転接部に案
内される事となる。
【0156】この様にして、この一実施例においては、
例え用紙Pがカールしていたとしても、レジストローラ
206,208にもたらされる前に、その曲がり具合を
矯正されて実質的に平面状態になされ、用紙Pの先端は
上下一対のレジストローラ206,208の互いの転接
部に確実に案内され、用紙Pのジャムの発生を効果的に
抑制することが出来る事になる。
【0157】 (レジストローラ206,208の取り付け態様の説
明) 次に、上下一対のレジストローラ206,208の取り
付け態様について、上述した図56を参照して説明す
る。ここで、下レジストローラ208は駆動側として、
上レジストローラ206は従動側として、夫々構成され
ている。
【0158】〈下レジストローラ208の説明〉 先ず、駆動側の下レジストローラ208は、現像装置2
18の外面を規定する現像ハウジング218aの上面に
おける用紙搬送方向に関して最も下流側部分に、その配
設位置を固定された状態で、自身の中心軸線回りに回動
自在に取り付けられている。詳細には、この下レジスト
ローラ208は、シャフト部208aと、このシャフト
部208aの外周に同軸に固着された摩擦ローラ部20
8bとから構成されている。そして、このシャフト部2
08aの両端は、摩擦ローラ部208bの両側面よりも
夫々外方に突出した状態に設定されている。
【0159】尚、このシャフト部208aの一端には、
図57に示す様に、後述するプリンタ駆動機構214に
係脱自在に連結されて、これより回転駆動させられる為
の従動歯車208cが一体的に固定されている。更に、
このシャフト部208aの現像ハウジング218aから
夫々外方に突出し始めた部分の外周には、現像ハウジン
グ218aの両外側面に夫々外方に突出する状態で固定
された支持スリーブ218bが夫々嵌入されている。そ
して、このシャフト部208aの両端は、図示しないベ
アリングメタルにより対応する支持スリーブ218bに
回動自在に軸支されている。換言すれば、これら支持ス
リーブ218bを介して、下レジストローラ208は現
像装置218に回動自在に取り付けられている。
【0160】〈上レジストローラ206の説明〉 一方、上述した従動側の上レジストローラ206は、上
述した下側原稿ガイド174の用紙搬送方向に関して最
も下流側に位置する部分の下面に、弾性的に偏位可能に
取り付けられている。詳細には、この上レジストローラ
206は、図56に示す様に、、シャフト部206a
と、このシャフト部206aの外周に同軸に固着された
摩擦ローラ部206bとから構成されている。そして、
このシャフト部206aの両端は、摩擦ローラ部206
bの両側面よりも夫々外方に突出した状態に設定されて
いる。また、このシャフト部206aの両端部は、上述
した支持ブロック254の両端に夫々回動自在に取り付
けられている。
【0161】ここで、各支持ブロック254は、用紙搬
送方向と直交する幅方向に沿って延出するブロック本体
254aと、このブロック本体254aの両端に夫々起
立した状態で取り付けられ、上部において上レジストロ
ーラ206のシャフト部206aの対応する端部が回動
自在に支持される様になされると共に、下端が対応する
下レジストローラ208の直外側まで立ち下がる様にな
された起立片254bと、これら起立片254bの外側
面から夫々外方に突出し、後述する取り付けスプリング
258の下端を夫々受ける為の受け片254cと、上述
したブロック本体254aの用紙搬送方向に関して上流
側端部からこの上流側に向けて延出する様に形成され、
上述した上側可動用紙ガイド250が下面に固着される
様になされた取り付け片254dとを一体的に備えて構
成されている。
【0162】尚、各起立片254bの下端面には、下レ
ジストローラ208のシャフト部208aの外周面に上
方から嵌合することが出来る様にする為の凹所254e
が夫々形成されている。この凹所254eの下方開口端
縁には、対応する下レジストローラ208のシャフト部
208aの端部への嵌入を容易に許容することが出来る
様にする為に、受けテーパ面254fが比較的大きく形
成されている。
【0163】一方、各受け片254cと下側原稿ガイド
174との間には、各受け片254cを下側原稿ガイド
174の下方に上下方向に沿って所定ストロークだけ移
動可能に吊持するための吊持部材260が介設されると
共に、上述した取り付けスプリング258も介設されて
いる。詳細には、この吊持部材260は、上端が下側原
稿ガイド174の下面に枢動自在に取り付けられた吊持
本体260aと、この吊持本体260aの下面から下方
に延出し、対応する受け片254cに厚さ方向に貫通し
た状態で形成された透孔254gを介して下方に取り出
された軸部260bと、この軸部260bの下端に着脱
自在に取り付けられ、対応する受け片254cの下方へ
の抜け出しを防止する為に、上述した透孔254gの開
口径よりも大きく形成された止めリング260cとから
構成されている。
【0164】この様に上レジストローラ206の取り付
け態様を規定する事により、揺動フレーム16が開放位
置にもたらされた状態では、支持ブロック254は、こ
れの受け片254cの下面が対応する止めリング260
cの上面に取り付けスプリング258の付勢力及び自重
で当接する状態を維持される事になる。換言すれば、上
レジストローラ206は吊持部材260を介して下側原
稿ガイド174、従って、これが取り付けられた揺動フ
レーム16に枢動自在に吊持される状態にもたらされる
事になる。
【0165】一方、アッパーハウジング34が閉塞位置
に向けて回動さると、先ず、支持ブロック254の凹所
254eが対応する下レジストローラ208のシャフト
部208aの端部に上方から嵌合する事となり、下レジ
ストローラ208に対する相対位置を正確に規定される
事になる。ここで、この嵌合開始状態においては、上レ
ジストローラ206は下レジストローラ208から僅か
に上方に偏位しているか、または、互いに当接する状態
にもたらされている。この後、揺動フレーム16が閉塞
位置まで回動されると、上レジストローラ206は下レ
ジストローラ208に当接し、その当接状態で、その位
置に留まる事になる。換言すれば、上下レジストローラ
206,208の当接により、揺動フレーム16の閉塞
位置までの回動に伴い、下側原稿ガイド174と受け片
254cとの間の距離は短くなる事になるが、これは取
り付けスプリング258が縮まることにより確実に吸収
されることになる。即ち、上レジストローラ206は下
レジストローラ208に対して、揺動フレーム16の閉
塞状態においては、常に、取り付けスプリング258の
付勢力により弾性的に当接した状態を維持される事にな
る。
【0166】この様にして、この一実施例によれば、例
え、レジスト動作を繰り返す事により、上レジストロー
ラ206及び/または下レジストローラ208の摩擦ロ
ーラ部206b,208bが偏摩耗したとしても、常
に、上下レジストローラ206,208の互いの当接状
態は良好に線接触状態を維持される事になり、この様に
して、レジスト性能は常に高精度に設定維持される事に
なる。
【0167】尚、上レジストローラ206及び/または
下レジストローラ208の摩擦ローラ部206b,20
8bの摩耗に伴い、上下レジストローラ206,208
の中心感距離は短くなされる事になり、支持ブロック2
54の現像装置218に対する相対位置が変化する事に
なり、この結果、支持ブロック254に取り付けられた
上側可動用紙ガイド250の現像装置218に対する姿
勢も変化する事になる。しかしながら、その変化量は僅
かなものであり、また、上述した様に、この上側可動用
紙ガイド250は板ばね材から形成されているので、こ
の変化量を充分に吸収した上で、上述した突起246へ
の当接状態を確実に維持して、狭い搬送路空間を正確に
規定することが出来るものである。
【0168】(ドラムユニット262の説明) 次に、上述した図57及び図58乃至図60を参照し
て、感光ドラム210が備えられたドラムユニット26
2、及び、このドラムユニット262に取り付けられた
転写チャージャ220について説明する。
【0169】このドラムユニット262は、図57及び
図58に示す様に、感光ドラム210が回転自在に取り
付けられるユニットハウジング264を備えている。こ
のユニットハウジング264は、上面及び上述した現像
装置218に対向する面が夫々全面的に開放さた状態で
形成されており、両側面には、図57に示す様に、後述
するプリンタ駆動機構214に取り付け支持する為の取
り付けロッド266が夫々外方に向けて突出した状態で
一体的に取り付けられている。ここで、感光ドラム21
0は周知の構成の為その詳細な説明は省略するが、円筒
状のドラム本体と、このドラム本体の外周面に添着され
た感光層と、このドラム本体の両端に圧入・接着され
た、従動歯車を備えたフランジとから構成されている。
この歯車を備えた両端フランジには、ドラム本体に同軸
にドラム回転支軸210aが、ドラム本体両端より夫々
挿入されている。各ドラム回転支軸210aは、ユニッ
トハウジング264に図示しない取り付けフランジを介
して固定されている。
【0170】そして、この一実施例においては、このユ
ニットハウジング264の上部に、これの上面開口を覆
う状態で、転写チャージャ220が取り付けられてい
る。詳細には、上述した用紙搬送路204の中間部分2
04bは、感光ドラム210と転写チャージャ220と
の間を通過する状態で規定されている。ここで、この転
写チャージャ220は、下面が開放されたチャージャハ
ウジング220aを備えている。このチャージャハウジ
ング220aの用紙搬送方向に関して下流側端部は、ユ
ニットハウジング264の上面における用紙搬送方向に
関して下流側端部に、揺動支軸220bを介して回転自
在に軸支されている。
【0171】また、チャージャハウジング220aの下
面には、チャージングワイヤ220cが、用紙搬送方向
に対して直交する方向に沿って延出した状態で取り付け
られている。即ち、この一実施例においては、感光ドラ
ム210とこれの上方に配設された転写チャージャ22
0との間の空間として規定された用紙搬送路204の中
間部分204bを用紙Pが搬送される事になるので、感
光ドラム210の外周面に形成されたトナー像は、転写
チャージャ220による転写動作に基づき、用紙Pの下
面に転写される事になる。
【0172】〈プレローラ220dの説明〉 一方、このチャージャハウジング220aの用紙搬送方
向に関して上流側端部には、上述したチャージングワイ
ヤ220cと略平行な回転軸線を有する様に設定された
プレローラ220dが固定されている。このプレローラ
220dは、転写チャージャ220が感光ドラム210
の上方において転写動作位置にもたらされた状態におい
て、感光ドラム210の外周面から僅かな間隙を介して
上方に離間した位置に位置決めされる様に設定されてい
る。換言すれば、このプレローラ220dは、用紙搬送
路204を搬送されてきた用紙Pが、感光ドラム210
と転写チャージャ220との間で規定される転写位置を
含む用紙搬送路204の中間部分204bにもたらされ
た状態で、感光ドラム210の外周面に略密着した状態
に規制する事が出来る位置に配設されている。また、プ
レローラ220dと感光ドラム210との間に形成され
た隙間は、所定寸法となる様に両者を互いに位置決めす
る必要があると同時に、プレローラ220d、感光ドラ
ム210、転写チャージャ220の配設状態により、プ
レローラ220dの外径を大きくすることが出来ない為
に、プレローラ220dは、例えば、直径6mmのシャフ
トの外周に、厚さ20〜50μm でウレタンゴムをコー
ティングして形成されている。
【0173】この様にプレローラ220dを配設する事
により、感光ドラム210の外周面に形成されているト
ナー像は、転写チャージャ220による転写動作に基づ
き、確実に用紙Pの下面に転写される事になる。一方、
用紙搬送路204を図55に示す様に転写チャージャ2
20を通過した後において、下方に折曲する様に設定す
ると、搬送されてきた用紙Pの後端(即ち、用紙搬送方
向に関して上流側端部)は、紙自身の有する所謂腰の強
さにより、転写位置において上方に跳ね上がる傾向があ
り、仮に用紙Pの後端が転写位置で跳ね上がると、この
跳ね上がった部分は感光ドラム210の外周面から大き
く離れて、これへのトナー像の転写動作が損なわれる虞
がある。しかしながら、この一実施例においては、この
様にプレローラ220dを配設する事により、用紙Pの
後端は転写動作の最後まで、このプレローラ220dに
より感光ドラム210の外周面に略密着する状態に押さ
え付けられる事になるので、用紙Pの後端の跳ね上がり
は効果的に抑制され、従って、用紙Pの後端まで確実に
トナー像が転写される事になる。
【0174】〈ロックレバー268の説明〉 一方、この一実施例においては、上述した転写チャージ
ャ220を転写動作位置に正確にロックした状態で維持
させる為に、且つ、上述したプレローラ220dを感光
ドラム210の外周面に対して所定の離間位置に正確に
ロックした状態で維持させる為に、上述したドラムユニ
ット262における感光ドラム210の回転支軸210
aに、ロックレバー268が揺動自在に取り付けられて
いる。このロックレバー268の離間位置にあるプレロ
ーラ220dに対向する面(即ち、図中時計方向側の端
面)には、このプレローラ220dが嵌入されるロック
溝268aが開口された状態で形成されている。このロ
ック溝268aは、上述した感光ドラム210の回転支
軸210aの回転軸線を中心とする円弧溝として規定さ
れている。
【0175】この様にロックレバー268を配設する事
により、この一実施例においては、図58に示す様に、
ロックレバー268のロック溝268aにプレローラ2
20dが嵌入されている状態において、転写チャージャ
220のチャージングワイヤ220cは、感光ドラム2
10の外周面から所定距離だけ正確に離間した上方位置
に位置決めされ、また、このプレローラ220d自身
も、感光ドラム210の外周面に近接した離間位置に正
確に位置決めされる事になる。この様にして、上述した
様な転写動作が確実に実行され、また、用紙Pの後端ま
で良好な転写状態が達成される事になる。
【0176】また、この一実施例においては、この転写
チャージャ220を構成するチャージャハウジング22
0aは、感光ドラム210の上部カバーとして機能させ
る事が出来るものである。即ち、この上部カバー220
aを設ける事により、ファクシミリ装置10の内部構造
のメンテナンス時にアッパーハウジング34を開放した
場合において、感光ドラム210への光(自然光)の照
射を有効に防止することが出来る事になる。ここで、感
光ドラム210の感光層は、この一実施例においては、
有機感光剤から構成されている為、長時間自然光に照射
されると、光疲労を起こして、好ましくないものであ
る。
【0177】一方、図58に示す状態から、ロックレバ
ー268を図中反時計方向に沿って回動させると、ロッ
ク溝268aからプレローラ220dが相対的に抜け出
て、図59に示す様に、ロックレバー268とプレロー
ラ220dとのロック状態が解除され、従って、転写チ
ャージャ220は揺動支軸220b回りに揺動自在な状
態となる。この結果、図60に示す様に、この転写チャ
ージャ220を図中時計方向回りに揺動駆動させる事に
より、感光ドラム210と転写チャージャ220との間
で規定される用紙搬送路204の中間部分204bは大
きく開かれて、従って、感光ドラム210の上部も大き
く開放される事になる。この結果、仮に用紙Pが用紙搬
送路204の中間部分204bに於てジャムしたとして
も、この様にロックレバー268を反時計方向に回して
ロックを解除する事により、転写チャージャ220を揺
動させて、搬送路204の中間部分204bを大きく開
くことにより、このジャムした用紙Pを容易に取り除く
ことが出来、ジャム解除時の作業性を大きく向上させる
ことが出来る事になる。
【0178】(廃トナー回収機構272の説明) 次に、図60乃至図63を参照して、感光ドラム210
の外周面に転写動作後において残留したトナー(以下、
廃トナーと呼ぶ。)を廃トナー回収容器270に回収す
る為の廃トナー回収機構272について詳細に説明す
る。
【0179】〈クリーニングブレード222の説明〉 先ず、図61に示す様に、上述したクリーニングブレー
ド222は、ゴムブレードから形成され、転写位置より
も感光ドラム210の回転方向に沿った位置であって、
帯電位置よりも感光ドラム210の回転方向とは反対の
方向に沿った位置の感光ドラム210の外周面に、所謂
カウンタ状態で圧接した状態で、クリーニングブレード
保持金具274を介して、上述したユニットハウジング
264に固着されている。この様にクリーニングブレー
ド222を配設する事により、感光ドラム210の外周
面に付着した廃トナーは、この感光ドラム210の回転
に伴い、クリーニングブレード222によりこそぎ落と
される事になる。
【0180】〈オーガ278の説明〉 ここで、この様にクリーニングブレード222が配設さ
れたユニットハウジング264内には、これに感光ドラ
ム210の外周面からよりこそぎ落とされた廃トナーを
一旦貯留する為の廃トナー溜り276が設けられてい
る。この廃トナー溜り276は、図62及び図63に示
す様に、感光ドラム210の軸方向に沿って、これの外
周面の全長に渡り配設されている為、ここに溜められた
廃トナーをユニットハウジング264の下面に部分的に
形成された廃トナー排出口264aから、上述した廃ト
ナー回収容器270に良好に集めさせることが出来る様
にする為に、廃トナー溜り276内の底部には、ここに
溜められた廃トナーを廃トナー排出口264aに向けて
集める為のオーガ278が配設されている。尚、この廃
トナー排出口264aは、図示する様に、ユニットハウ
ジング264の底面であって、これの幅方向に関する中
央部よりも他端側(図中、左側)に偏位した状態で形成
されている。
【0181】このオーガ278は、上述した感光ドラム
210の回転軸線と平行になされた回転軸線回りに回転
自在な状態で、両端をユニットハウジング264の両側
面に回転自在に軸支されている。また、このオーガ27
8の一端(図中、右端)には、後述するプリンタ駆動機
構214に連結される従動ギヤ280が同軸に一体的に
取り付けられている。この従動ギヤ280がプリンタ駆
動機構214に連結された状態で、これからの駆動力で
オーガ278は一方向回りに回転駆動される様になされ
ている。
【0182】そして、このオーガ278は、図示する様
に、一端に上述した従動ギヤ280が取り付けられたシ
ャフト本体278aと、このシャフト本体278aの、
上述した廃トナー排出口264aの直上方に位置する部
分よりも一端側部分の外周にスパイラル状に形成された
第1の羽根部278bと、このシャフト本体278aの
廃トナー排出口264aの直上方に位置する部分よりも
他端側部分の外周にスパイラル状に形成された第2の羽
根部278cとから構成されている。ここで、第1の羽
根部278bは、このオーガ278が一方向に回転駆動
される事により、廃トナー溜り276内に溜っている廃
トナーを他端に向けて(即ち、図中左方に向けて)搬送
することが出来る様に、また、第2の羽根部278c
は、このオーガ278が同様に一方向に回転駆動される
事により、廃トナー溜り276内に溜っている廃トナー
を一端に向けて(即ち、図中右方に向けて)搬送するこ
とが出来る様に、夫々構成されている。即ち、第1及び
第2の羽根部278b,278cのスパイラル方向は、
互いに反対方向となる様に設定されている。この結果、
この一実施例においては、このオーガを上述した一方向
に沿って回転駆動する事により、廃トナー溜り276内
に溜っている廃トナーは、廃トナー排出口264aに向
けて集められる様にして搬送される事になる。
【0183】〈廃トナー排出口カバー282の説明〉 ここで、定期的なメンテナンス等により、例えば、感光
ドラム210の外周面の清掃等の為に、このドラムユニ
ット262を上方に引き抜く様にして、取り外す事態が
発生する。この為、この一実施例においては、ドラムユ
ニット262が上方に引き抜かれる事により上述した廃
トナー排出口264aを自動的に閉塞する様になされた
廃トナー排出口カバー282が設けられている。この廃
トナー排出口カバー282は、図60に示す様に断面略
L字状に形成され、その角部において、上方に山形に突
出した姿勢で、ユニットハウジング264の下面に、詳
細には、この下面に形成された廃トナー排出口264a
の用紙搬送方向に関して上流側の端部(即ち後方端縁)
に、回転ドラム210の回転軸線と平行な回転軸線回り
に回動自在に取り付けられている。
【0184】詳細には、この廃トナー排出口カバー28
2は、廃トナー排出口264aを開放可能に閉塞する閉
塞片282aと、この閉塞片282aに対して略90度
折曲した状態で一体的に連接され、上述した廃トナー回
収容器270の上端縁に押されて閉塞片282aにおけ
る廃トナー排出口264aの閉塞状態を解除するための
開放片282bと、これら閉塞片282aと開放片28
2bとの互いの接合部、即ち、角部に取り付けられた回
動支軸282cとから構成されている。ここで、この回
動支軸282cには、トーションスプリング284が巻
回されており、このトーションスプリング284の付勢
力により、廃トナー排出口カバー282はこれの閉塞片
282aが廃トナー排出口264aを閉塞する方向に回
動付勢されている。また、閉塞片282aのユニットハ
ウジング264への圧接側には、ウレタンフォーム等の
弾性シール部材が貼り付けられており、閉塞片282a
が閉塞状態にある場合に、隙間から廃トナーが漏れ出る
事を効果的に防止している。
【0185】以上の様に構成された廃トナー排出口カバ
ー282を備える事により、ドラムユニット262がプ
リント機構14に装着されている状態において、廃トナ
ー排出口カバー282の開放片282bには、ドラムユ
ニット262に接続された廃トナー回収容器270の上
端縁が係合して、開放片282bはこの廃トナー回収容
器270の上端縁により押されて、トーションスプリン
グ284の付勢力に抗して押し上げられる事になる。こ
の結果、廃トナー排出口カバー282の閉塞片282a
は、廃トナー排出口264aを開放する方向に回動され
る事となり、従って、この廃トナー排出口264aは、
ドラムユニット262がプリント機構14に装着されて
いる限りにおいて、図61に示す様に、常時開放される
事となる。この様にして、オーガ278の回転により廃
トナー溜り276内において廃トナー排出口264aに
向けて集められた廃トナーは、この廃トナー排出口26
4aを介して、廃トナー回収容器270内に回収されて
収容される事になる。
【0186】一方、このドラムユニット262をプリン
ト機構14から上方に引き抜くと、この引き抜きに応じ
て、廃トナー回収容器270と廃トナー排出口カバー2
82の開放片282bとの係合が解除されることにな
る。この結果、この廃トナー排出口カバー282の開放
片282bは、トーションスプリング284の付勢力に
より、押し下げられる事になる。この結果、廃トナー排
出口カバー282の閉塞片282aは、廃トナー排出口
264aを閉塞する方向に回動される事となり、従っ
て、この廃トナー排出口264aは、ドラムユニット2
62がプリント機構14から取り外されている限りにお
いて、図60に示す様に、常時閉塞される事となる。こ
の様にして、ドラムユニット262を単独で上方に抜き
出したとしても、この抜き出しに応じて廃トナー排出口
264aは即座に廃トナー排出口カバー282により閉
塞される事になるので、廃トナーが廃トナー排出口26
4aから漏れ出て周囲がこの廃トナーにより汚染される
事が、効果的に防止される事になる。
【0187】(プリンタ駆動機構214の説明) 次に、上述した図57と、図64及び図65とを参照し
て、プリント機構14を駆動するためのプリンタ駆動機
構214の構成を詳細に説明する。
【0188】〈現像装置218とドラムユニット262
との支持構造の説明〉 先ず、図57に示す様に、このプリンタ駆動機構214
は、上述したメインプレート12上の左右の両側に起立
した状態で取り付けられた支持プレート286,288
を備えている。これら支持プレート286,288は、
剛性材料、例えばこの一実施例においては、厚い鋼板か
ら形成されている。ここで、これら支持プレート28
6,288の上端縁であって、用紙搬送方向に関して上
流側には、上述した現像装置218の現像ハウジング2
18aの両側に一体的に取り付けられた支持スリーブ2
18bを夫々受けて位置決めするための第1の凹所28
6a,288aが形成されている。一方、これら支持プ
レート286,288の上端縁であって、用紙搬送方向
に関して下流側には、上述したドラムユニット262の
両側に一体的に取り付けられた取り付けロッド266を
夫々受けて位置決めするための第2の凹所286b,2
88bが形成されている。
【0189】即ち、この一実施例においては、上述した
現像装置218は、その支持スリーブ218bを対応す
る第1の凹所286a,288aに嵌入する事により、
両支持プレート286,288に吊り下げられ、また、
現像ハウジング218aの両側面に外方に向けて夫々突
設した状態で形成されたガイドリブ218dを、対応す
る支持プレート286が収容されたギヤボックス290
(後述する)の内側面に形成されたガイド溝290cと
支持プレート288の内側面に形成されたガイド溝28
8cとに上方から夫々嵌入させる事により、プリント機
構14内における配設位置を正確に規定された状態で取
り付けられる事になる。また、上述したドラムユニット
262も同様に、その取り付けロッド266を対応する
第2の凹所286b,288bに嵌入する事により、両
支持プレート286,288に吊り下げられ、また、現
像装置218側に取り付けられた現像スリーブ218c
の両端には、回転自在に現像ギャップローラ218fが
取り付けられており、この現像ギャップローラ218f
を感光ドラム210に当て付ける事により、プリント機
構14内における配設位置、換言すれば、現像装置21
8に対する相対位置(即ち、この現像装置218に内蔵
された現像ローラ218cと感光ドラム210との間
隙)を正確に規定された状態で取り付けられる事にな
る。尚、現像装置218は、両支持プレート286,2
88に取り付けられた板ばね288eにより、ガイドリ
ブ218dが感光ドラム210側に付勢されて、現像ギ
ャップローラ218fが感光ドラム210へ確実に当て
付けられる様になされている。
【0190】ここで、図中左側に位置する一端側の支持
プレート286は、プリンタモータ144の駆動力を現
像装置218,ドラムユニット262,定着装置212
に順次伝達するためのギヤボックス290と一体に取り
付けられている。尚、このギヤボックス290には、支
持プレート286の第1及び第2の凹所286a,28
6bへの現像装置218における対応する支持スリーブ
218a及び取り付けロッド266の夫々の上方からの
嵌入を許容するための開口290a,290bが形成さ
れている。
【0191】〈駆動力伝達系の説明〉 次に、図57及び図64を参照して、プリンタモータ1
44の駆動力を現像装置218,ドラムユニット26
2,定着装置212に順次伝達するための駆動力伝達系
(所謂ギヤトレイン構造)について説明する。
【0192】 《現像装置218への駆動力伝達系の説明》 先ず、図57に示す様に、ギヤボックス290の現像装
置218に略対向する部分よりも用紙搬送方向に関して
上流側(即ち、後方側)に位置する部分内には、上述し
たプリンタモータ144が収納されている。このプリン
タモータ144の駆動力を現像装置218(引いては、
ドラムユニット262、定着装置212)に伝達するた
めに、プリンタモータ144のモータ軸144aは、ギ
ヤボックス290の外側面から外方に取り出され、ここ
に駆動プーリ292aが同軸に一体的に取り付けられて
いる。また、このプリンタモータ144よりも用紙搬送
方向に関して下流側(即ち、前方側)には、第1の駆動
軸294が両端をギヤボックス290から夫々突出させ
た状態で回転自在に軸支されている。この第1の駆動軸
294の外方突出端には、従動プーリ292bが同軸に
一体的に取り付けられている。この従動プーリ292b
と駆動プーリ292aとの間には、エンドレスベルト2
92cが掛け渡され、この様にして、プリンタモータ1
44の駆動力が第1の駆動軸294に先ず伝達される様
になされている。
【0193】ここで、この第1の駆動軸294の内方突
出端には、図64に示す様に、第1の駆動ギヤ292d
が同軸に一体的に取り付けられている。一方、この第1
の駆動ギヤ292dに噛合した状態で、連結ギヤ292
eがギヤボックス290の内側面に回動自在に取り付け
られている。ここで、この連結ギヤ292eは、ギヤ本
体292e1と、このギヤ本体292e1よりも径小に
設定された取り付け支軸292e2とから構成されてい
る。そして、ギヤボックス290の内側面に単に回動自
在に取り付けられているのみで、内側面からの抜け出し
を防止するための係止手段が省略されている。即ち、ギ
ヤボックス290の内側面には、取り付け支軸292e
2が嵌入される取り付け穴290dが形成されており、
この取り付け穴290d内に取り付け支軸292e2が
単に嵌入された状態で、回動自在に支持されている。
【0194】このため、この一実施例においては、この
連結ギヤ292eのギヤボックス290の内側面からの
抜け出しを防止するため、第1の駆動ギヤ292dと連
結ギヤ292eとは互いに、はす歯歯車から構成され、
且つ、そのはす歯の傾斜方向を第1の駆動ギヤ292d
の噛合力が連結ギヤ292eに対して外方(即ち、図中
右方)に向かうスラスト力として作用する様な方向に規
定されている。この結果、第1の駆動ギヤ292dが回
動する限りにおいて、これに噛合する連結ギヤ292e
は常に外方に向かうスラスト力を受ける事となり、これ
により、ギヤボックス290の内側面からの内方に向け
ての抜け出しが効果的に防止される事になる。また、非
回転時においても、連結ギヤ292eが軸292e2よ
り抜け出ない様にする為に、連結ギヤ282eのギヤボ
ックス290の内側面には、フランジが292e3が一
体的に取り付けられている。このフランジ292e3が
駆動ギヤ292dの歯先と係合し、非回転時において
も、連結ギヤ292eが軸292e2より抜け出ない様
になされている。
【0195】この様にして、この一実施例においては、
少なくとも連結ギヤ292eの取り付けに際して、何ら
係止手段を用いることなく、単に、対応する取り付け穴
290d内に取り付け支軸292e2を嵌入させるとい
う動作だけで取り付け動作が終了する事となり、係止手
段を構成する部品の省略を図る事のみならず、作業効率
の向上を図ることが出来ることになる。尚、上述した現
像ローラ218cの一端には、従動ギヤ218eが一体
回転する状態で取り付けられており、上述した取り付け
態様で現像装置218が両支持プレート286,288
に掛け渡された状態で上方から取り付け支持されること
により、この従動ギヤ218eは連結ギヤ292eに上
方から噛合する事になる。この様にして、現像装置21
8がプリント機構14に装着される状態において、現像
ローラ218cは、プリンタモータ144に直接的に接
続されているので、これの駆動に伴い、常時回転駆動さ
れる事になる。
【0196】一方、このプリンタモータ144のモータ
軸144aには、図示していないが、ギヤボックス29
0内に配設されたクラッチ機構を介して、第2の駆動軸
295が連結されている。この第2の駆動軸295に
は、第2の駆動ギヤ292fが同軸に一体的に取り付け
られている。ここで、上述した下レジストローラ208
のシャフト部208aの一端には既に説明したように従
動ギヤ208cが一体的に取り付けられており、上述し
た取り付け態様で現像装置218が両支持プレート28
6,288に掛け渡された状態で上方から取り付け支持
されることにより、この従動ギヤ208cは第2の駆動
ギヤ292fに上方から噛合する事になる。
【0197】この様に、下レジストローラ208駆動用
の第2の駆動ギヤ292fは、図示しないクラッチ機構
を介してプリンタモータ144に接続されており、この
プリンタモータ144の連続駆動に基づき、クラッチ機
構の断続制御に基づき適宜間欠駆動される様に構成され
ている。ここで、このクラッチ機構は、上述したメイン
制御基板52からの制御信号に基づき断続制御されるも
のであり、接続制御信号が出力された場合にのみ、プリ
ンタモータ144の駆動力を下レジストローラ208に
伝達する様に接続状態となり、一方、切断制御信号が出
力されると、プリンタモータ144の駆動力の下レジス
トローラ208への伝達を切るべく、切断状態となる。
【0198】 《ドラムユニット262への駆動力伝達系の説明》 また、上述した従動プーリ292bには、図57に示す
様に、これと同軸に小径の第1の減速ギヤ292gが固
定されており、この第1の減速ギヤ292gには、ギヤ
ボックス290の外側面に回動自在に取り付けられた大
径の第2の減速ギヤ292hが噛合し、更に、この第2
の減速ギヤ292hと同軸に小径の減速ギヤ292h2
が固定されており、この減速ギヤ292h2には、同様
にギヤボックス290の外側に配設された第3の減速ギ
ヤ292iが噛合している。ここで、ギヤボックス29
0には、第3の駆動軸296が両端を夫々突出させた状
態で回動自在に取り付けられており、この第3の減速ギ
ヤ292iは、この第3の駆動軸296の外方突出端に
同軸に固定されている。また、この第3の駆動軸296
のギヤボックス290内に位置する部分には、図65に
示す様に、第1の中間ギヤ292jが同軸に固定されて
いる。更に、この第3の駆動軸296の内方突出端に
は、図示していないが、感光ドラム210の回転支軸2
10aの一端に取り付けられた従動ギヤに噛合する第3
の駆動ギヤが同軸に固定されている。ここで、上述した
取り付け態様でドラムユニット262が両支持プレート
286,288に掛け渡された状態で上方から取り付け
支持されることにより、この感光ドラム210の従動ギ
ヤは第3の駆動ギヤに上方から噛合し、プリンタモータ
144からの駆動力が伝達される状態になる。
【0199】 《定着装置212への駆動力伝達系の説明》 次に、図65及び図66を参照して、定着装置212へ
の駆動力伝達系を説明する。先ず、図65に示す様に、
ギヤボックス290の内側面には、上述した第1の中間
ギヤ292jに常時噛合する大径の第2の中間ギヤ29
2kが回動自在に軸支されている。一方、この第2の中
間ギヤ292kの用紙搬送方向に関する直上流側には、
定着装置212への駆動力を断続制御するための略L字
状の制御レバー298がその折曲部を中心として第1の
揺動支軸300回りに揺動自在に、支持プレート286
の内面に取り付けられている。また、この第2の中間ギ
ヤ292kの下方には、揺動レバー302が配設され、
この揺動レバー302はこれの略中間部に設けられた第
2の揺動支軸304回りに揺動自在に軸支されている。
この揺動レバー302を軸支する第2の揺動支軸304
には、第2の中間ギヤ292kに常時噛合する第3の中
間ギヤ292lが回動自在に取り付けられている。更
に、この揺動レバー302の用紙搬送方向に関して下流
側には、この第3の中間ギヤ292lに常時噛合する第
4の中間ギヤ292mが回動自在に取り付けられてい
る。
【0200】また、このギヤボックス290の用紙搬送
方向に関して下流側に位置するメインプレート12上に
は、これに起立した状態で取り付けられたステイ306
を介して、第5の中間ギヤ292nが回動自在に軸支さ
れている。この第5の中間ギヤ292nに対して、揺動
レバー302の揺動に応じて上述した第4の中間ギヤ2
92mは接離自在に噛合する様になされている。ここ
で、上述した揺動レバー302は、これとギヤボックス
290との間に介設されたコイルスプリング308を介
して、第4及び第5の中間ギヤ292m,292nが互
いに噛合する様に、即ち、図中反時計方向回りに回動す
る様に付勢させられている。尚、この第5の中間ギヤ2
92nは、定着装置212の後述する下定着ローラ31
0のシャフト部310aの一端に同軸に固定された従動
ギヤ292oに常時噛合している。
【0201】一方、上述した制御レバー298は、一端
がギヤボックス290から、これに形成された開口29
0e(図57に示す)を介して、これの上方に取り出さ
れており、他端が上述した揺動レバー302の用紙搬送
方向に関して上流側部分の下面に下方から係合する様に
設定されている。換言すれば、この制御レバー298
は、図65に示す下方位置と図66に示す上方位置との
間で第1の揺動支軸300回りに揺動自在に支持されて
おり、下方位置に押し下げられた状態で、これの他端が
揺動レバー302の下面から下方に離間し、この結果、
揺動レバー302をコイルスプリング308の付勢力に
より第4の中間ギヤ292mが第5の中間ギヤ292n
に噛合する事を許容される事になる。一方、図66に示
す様に、制御レバー298は上方位置に押し上げられた
状態で、これの他端が揺動レバー392の下面に下方か
ら当接してこれを押し上げ、この結果、揺動レバー30
2をコイルスプリング308の付勢力に抗して第4の中
間ギヤ292mを第5の中間ギヤ292nから離間させ
る事になる。
【0202】また、この制御レバー298には、上述し
た第1の揺動支軸300回りにトーションスプリング3
12が巻回されており、このトーションスプリング31
2により図中反時計方向回りに回動する様に、換言すれ
ば上方位置に常時回動偏位させる様に付勢されている。
一方、この制御レバー298の一端は、上述したアッパ
ーハウジング34が上方から係合可能に設定されてい
る。即ち、このアッパーハウジング34が閉塞位置にあ
る状態で、この制御レバー298をトーションスプリン
グ312の付勢力に抗して上方位置から下方位置に押し
下げ、また、このアッパーハウジング34が開放位置に
ある状態で、この制御レバー298はトーションスプリ
ング312の付勢力により下方位置から上方位置まで突
出する事を許容される事になる。
【0203】ここで、トーションスプリング312の付
勢力は、コイルスプリング308の付勢力よりも強く設
定されている。即ち、制御レバー298がアッパーハウ
ジング34により押さえ付けられていない状態におい
て、このトーションスプリング312により上方位置へ
回動偏位される制御レバー298の一端が係合して、揺
動レバー302を図中時計方向に回動偏位させる力、即
ち、第4の中間ギヤ292mを第5の中間ギヤ292n
から離間させようとする力は、コイルスプリング308
により揺動レバー302を図中反時計方向回りに回動偏
位させる付勢力、即ち、第4の中間ギヤ282mが第5
の中間ギヤ292nに噛合しようとする力よりも強く設
定されている。
【0204】この様にして、この一実施例においては、
アッパーハウジング34が閉塞位置にもたらされた状態
で、図65に示す様に、制御レバー298は下方位置に
押し下げられ、この結果、揺動レバー302を図中時計
方向に付勢する力が排除されることとなる。この様にし
て、第4の中間ギヤ292mはコイルスプリング308
の付勢力により第5の中間ギヤ292nに噛合し、従っ
て、プリンタモータ144の駆動力はこれらギヤトレイ
ンを経て定着装置212への従動ギヤ292oまで伝達
され、これにより回転駆動される事となる。
【0205】一方、定着装置212等で用紙のジャムが
発生すると、このジャムった用紙Pを取り除くために、
アッパーハウジング34が開放位置まで持ち上げられ、
用紙搬送路204が開放される事になる。この様にアッ
パーハウジング34が開放位置まで持ち上げられると、
制御レバー298を下方位置に押さえ付けておく力が最
早存在しなくなるので、この制御レバー298はトーシ
ョンスプリング312の付勢力により下方位置から上方
位置まで第1の揺動支軸300回りに回動される事にな
る。この結果、揺動レバー302は、この制御レバー2
98の他端に押されて、コイルスプリング308の付勢
力に抗して図中時計方向回りに回動偏位させられる事に
なる。
【0206】この様にして、図66に示す様に、第4の
中間ギヤ292mはコイルスプリング308の付勢力に
抗して第5の中間ギヤ292nから離間し、従って、プ
リンタモータ144の駆動力の伝達は、第4及び第5の
中間ギヤ292m,292nで中断され、定着装置21
2の従動ギヤ292oまで伝達されない事となる。即
ち、定着装置212の下定着ローラ310はギヤトレイ
ンに拘束されていないので、自由に回動可能な状態にも
たらされる事となる。この様にして、ジャムった用紙P
が上下一対の定着ローラ314,310に挟持された状
態にもたらされていたとしても、このジャムった用紙P
を外方に引き抜く事により、下定着ローラ310はこの
引き抜きに応じて従動させられ、引き抜き動作に対して
何ら負荷とならない事となる。この結果、この定着装置
212でジャムった用紙Pは、単に、アッパーハウジン
グ34を開けるという動作を実行するだけで、極めて容
易に引き出すことが出来る状態となり、ジャムの解除動
作の作業性が向上する事となる。
【0207】(定着装置212の説明) 次に、上述した図55を参照して、定着装置212につ
いて説明する。
【0208】〈定着装置212の概略構成の説明〉 図55に示す様に、この定着装置212は、上述したメ
インプレート12上に固着された定着ハウジング316
と、この定着ハウジング316内に配設された上下一対
の定着ローラ314,310とを概略備えている。ここ
で、上述した用紙搬送路204における定着装置212
内に位置する下流側部分204cは、用紙搬送方向に沿
って徐々にその高さが低くなる様な傾斜度を有した状態
で、延出する様に設定されている。即ち、この定着装置
212における用紙搬送路204の下流側部分204c
の入口部を規定する開口318は、定着ハウジング31
6の上面であって、用紙搬送方向に関して上流側部分に
形成され、この下流側部分204cの出口部を規定する
開口320は、定着ハウジング316の前面の下部に形
成されている。尚、この用紙搬送路204の下流側部分
204cは、略直線状を呈する様に、詳細には、メイン
プレート12の延出面に対して所定角度で傾斜した略直
線状を呈する様に設定されている。
【0209】上述した下定着ローラ310は、定着ハウ
ジング316内における用紙搬送路204の下流側部分
204cの下方に、その配設位置を固定された状態で回
動可能に軸支されている。即ち、この下定着ローラ31
0は、一端に上述した従動ギヤ292oが固定されたシ
ャフト部(図示せず)と、このシャフト部の外周に同軸
に配設された中空スリーブ310bと、この中空スリー
ブ310b内に配設され、これを内方から加熱するため
の加熱ランプ310aとから概略構成されている。一
方、上述した上定着ローラ314は、アイドルローラと
して規定され、両端を定着ハウジング316に回動自在
に軸支されたシャフト部314aと、このシャフト部3
14aの外周に同軸に固定された弾性ローラ部314b
とから概略構成されている。
【0210】 《上下定着ローラ314,310の転接状態の説明》 ここで、この上定着ローラ314と下定着ローラ310
との互いの回転中心を結ぶ線分Lは、用紙搬送路204
の下流側部分204cに対して略直交する状態で延出す
る様に設定されている。換言すれば、上定着ローラ31
4の回転中心は、下定着ローラ310の回転中心を通
り、用紙搬送路204の下流側部分204cに対して直
交する線分L上に位置する様に設定されている。そし
て、この上定着ローラ314は、これのシャフト部31
4aと定着ハウジング316との間に介設されたコイル
スプリング322により、下定着ローラ310に圧接す
る様に付勢されている。この結果、上述した入口部開口
318を介して定着装置212内に搬入されてきた転写
後の用紙Pは、そのトナー像が転写された下面を下定着
ローラ310に接触し、且つ、上定着ローラ314によ
り下定着ローラ310に対して圧接させられた状態で、
上下定着ローラ314,310の互いの転接部を、下定
着ローラ310の回転に伴い通過し、この通過時におい
て、下定着ローラ310からの熱により、トナー像は用
紙Pの下面に定着させられる事になる。この様にして、
定着動作が終了し、出口部開口320を介して、定着ハ
ウジング316の外部に排出される事となる。
【0211】ここで、この一実施例においては、用紙P
のトナー像が転写された下面を下定着ローラ310を介
して加熱する事により、この下面にトナー像を定着させ
る様になされている。この為、下定着ローラ310によ
り加熱された用紙Pの下面は加熱により上面と比較して
乾燥する状態となる。この結果、定着後の用紙Pは上が
凸の状態でカールする傾向にある。この様な用紙Pのカ
ール状態に鑑み、この一実施例においては、下定着ロー
ラ310の外周面には、定着動作後の用紙Pの下面を支
持しつつ、用紙搬送路204の下流側部分204cの下
面を規定する剥離爪324がその先端で接触した状態で
配設されている。この様に剥離爪324を配設する事に
より、例え加熱により用紙Pがカールしたとしても、確
実に出口部開口320を介して、定着ハウジング316
から外部に排出される事になる。
【0212】〈オイルフェルト326の説明〉 この図55に示す様に、上述した下定着ローラ310は
熱発生ローラとして機能するものであり、また、用紙P
の下面に直接接触してトナー像を定着させる様に構成さ
れている。この為、定着動作を繰り返す事により、トナ
ー像を構成するトナー粉が徐々に下定着ローラ310の
外周面に付着して、この外周面が付着したトナー粉によ
り汚される事になる。この様なトナー粉による汚損を防
止する為に、また、用紙Pの剥離を確実に実行ならしめ
る為に、この下定着ローラ310の外周面には、オイル
フェルト326が圧接されている。即ち、このオイルフ
ェルト326はフェルト材から構成されると共に、この
フェルト材に所定の潤滑オイルを含浸させる事により形
成されている。
【0213】この様にオイルフェルト326を下定着ロ
ーラ310の外周面に圧接させる事により、この下定着
ローラ310の外周面に付着したトナー粉は、このオイ
ルフェルト326により拭き取られて、下定着ローラ3
10の外周面は、トナー粉の付着していないきれいな状
態に常時維持され、用紙Pがトナー粉により汚損される
事が効果的に抑制される事になる。
【0214】〈挿入部材328の説明〉 ここで、このオイルフェルト326は、上述した説明か
ら明らかな様に、下定着ローラ310の外周面がトナー
粉により汚損される身代わりになって汚損される役割を
負うものであり、この結果、オイルフェルト326は頻
繁に交換、または、清掃する必要がある。この為、この
オイルフェルト326は定着ハウジング316に対して
容易に着脱可能になされた挿入部材328の下端に取り
付けられている。尚、この挿入部材328は、上述した
用紙搬送路204の下流側部分204cを上方から横切
った状態で、上述した入口部開口318から定着ハウジ
ング316内に取り込まれる様に設定されており、この
結果、この挿入部材328には、用紙搬送路204の下
流側部分204cに対向する部分には、用紙Pの通過を
許容する為の開口328aが、用紙搬送路204の下流
側部分204cの幅方向に渡り形成されている。
【0215】〈ガイド部材330の説明〉 尚、図55において明らかな様に、用紙搬送路204
は、ドラムユニット262内における中間部分204b
のメインプレート12に対する傾斜角度と、定着装置2
12内における下流側部分204cのメインプレート1
2に対する傾斜角度とは、異なる様に設定されている。
より具体的には、前者の傾斜角度は、後者の傾斜角度よ
りも小さく設定されている。この為、ドラムユニット2
62においてトナー像を転写された用紙Pを、確実に定
着装置212内に導く為に、上述した挿入部材328の
開口328aの直上側から用紙搬送路204の下流側部
分204cに沿って、用紙搬送方向に関して上流側に向
けて延出するガイド部材330が一体的に接続されてい
る。
【0216】この様に、挿入部材328にガイド部材3
30が一体的に取り付けられる事により、ドラムユニッ
ト262から取り出された所の、用紙搬送路204の中
間部分204bを介して搬送されてきた転写後の用紙P
は、その先端をガイド部材330に当接した後、このガ
イド部材330に沿って搬送され、その搬送方向を、用
紙搬送路204の下流側部分204cにおける搬送方向
に矯正される事になる。この結果、定着装置212に入
口部開口218を介して取り入れられた転写後の用紙P
は、用紙搬送路204の下流側部分204cに沿った状
態で、上下一対の定着ローラ314,310の互いの転
接部に確実に搬送される事になる。
【0217】この様にして、この一実施例においては、
ドラムユニット262における用紙搬送路204の中間
部分204bと、定着装置212における用紙搬送路2
04の下流側部分204cとの、メインプレート12に
対する傾斜角度が夫々異なって設定されているものの、
ガイド部材330を挿入部材328に備える事により、
用紙Pは確実に両定着ローラ314,310の間に送り
込まれる事となり、従って、用紙Pが定着装置212内
でジャムする虞が効果的に抑制される事になる。
【0218】(排紙機構332の説明) この定着装置212の出口部開口320を介して排出さ
れた定着後の用紙Pは、この定着装置212の用紙搬送
方向に関して下流側に隣接した位置に配設された排紙機
構332を介して、上述した排紙トレイ38に排出され
る様に構成されている。以下に、この排紙機構332の
構成を図67乃至図75を参照して詳細に説明する。
【0219】〈排紙機構332の概略構成の説明〉 この排紙機構332は、図67に示す様に、上述したプ
リンタハウジング32内に配設されており、これの用紙
受け入れ口332aは、上述した定着装置212の出口
部開口320に対向すると共に、これの用紙取り出し口
332bは、上述したプリンタハウジング32に形成さ
れた用紙排出口32aに対向した状態で形成されてい
る。具体的には、この排紙機構332は、メインプレー
ト12の上方に配設されると共に、上面が用紙搬送路2
04の出口部分204dの下面を規定する様に設定され
た下固定排紙ガイド334と、この下固定排紙ガイド3
34の左右両端に起立した状態で取り付けられ、メイン
プレート12の上面に固定された左右一対の端板33
6,338(左側の端板336は図71に示されてい
る)と、これら端板336,338に掛け渡された状態
で揺動自在に且つ上下動自在に配設され、下面が用紙搬
送路204の出口部分204dの上面を規定する様に設
定された上可動排紙ガイド340とを概略備えている。
即ち、上可動排紙ガイド340は、下固定排紙ガイド3
34に対して近接する位置に設定された状態で、下固定
排紙ガイド334との間で用紙搬送路204の出口部分
204dを規定し、下固定排紙ガイド334から離間す
る位置に揺動される事により、この出口部分204dを
大きく開放する様に構成されている。
【0220】〈下排紙ローラ236の説明〉 ここで、下固定排紙ガイド334には、図68にも示す
様に、排紙される用紙Pの全てのサイズに共通するよう
に設定された左右両端位置に夫々対応する部分に左右一
対の開口334a,334bが形成されており、これら
開口334a,334bを下方から夫々部分的に挿通さ
れた状態で、下排紙ローラ236が下固定排紙ガイド3
34の下面に取り付けられている。詳細には、図67及
び図69に示す様に、各下排紙ローラ236は、シャフ
ト部236aと、このシャフト部236aの外周に固定
され、一部が対応する開口334a,334bを夫々介
して上方に取り出されるゴムローラ部236bとから一
体的に形成されている。一方、各開口334a,334
bの両側に位置する下固定排紙ガイド334の下面部分
には、対応する下排紙ローラ236のシャフト部236
aの両端を下方から夫々受ける為の凹部334cが形成
されている。また、これら凹部334cに対応するシャ
フト部236aが夫々下方から嵌入された状態を弾性的
に保持する為に、これらシャフト部236aを下方から
弾性的に支持する為の板ばね342が、下固定排紙ガイ
ド334の下面に固着されている。
【0221】即ち、下排紙ローラ236はこの様に取り
付け支持される事により、上排紙ローラ234に対して
下方から弾性的に当接するバックアップローラとして機
能する事になる。また、上述した板ばね342はこの弾
性力を発揮させるバックアップスプリングとして機能す
る事になる。
【0222】〈上排紙ローラ234の説明〉 一方、上述した上排紙ローラ234は、図67、図68
及び図70に示す様に、両端板336,338に後述す
る態様で掛け渡されるシャフト部234aと、このシャ
フト部234aの外周に、上述した下排紙ローラ236
に夫々対応した状態で配設された一対のゴムローラ部2
34b,234cと、このシャフト部234aの両端に
取り付けられ、対応する端板336,338に対する回
転を許容するベアリング234d,234eとを備えて
概略構成されている。ここで、上述した端板336,3
38の上端面には、対応するベアリング234d,23
4eを上方から受ける為の凹部336a(図71に示
す),338a(図67に示す)が夫々形成されてい
る。即ち、上排紙ローラ234は、これらベアリング2
34d,234eを対応する凹部336a,338aか
ら上方に引き上げる事により、全体的に上方への偏位が
許容される事になる。
【0223】尚、これらベアリング234d,234e
を対応する凹部336a,338a内に弾性的に留め置
く為に、夫々の上部には、対応する端板336,338
の内側面に夫々取り付けられたトーションスプリング3
44の一端が係止されている。ここで、各トーションス
プリング344の他端は、対応する側板336,338
の上端縁に係止されている。この様にして、これらのト
ーションスプリング344の付勢力により、各ベアリン
グ234d,234eは、対応する凹部336a,33
8a内に、これの底部に弾性的に押しつけられた状態
で、収納される事になる。
【0224】〈上可動排紙ガイド340の説明〉 また、上述した上可動排紙ガイド340は、図67及び
図70に示す様に、上述した上排紙ローラ234のゴム
ローラ234b,234cとの干渉を防止する為、その
前端縁(用紙搬送方向に関して下流側端縁)は、ゴムロ
ーラ234b,234cの直前で終端している。そし
て、この上可動排紙ガイド340は、図70に示す様
に、上述したベアリング234d,234eに対して一
体的に連接されている。また、この上可動排紙ガイド3
40の後端(用紙搬送方向に関して上流側端縁)には、
操作者の手により把持可能なグリップ部340aが一体
的に斜め後方に延出した状態で取り付けられている。
【0225】更に、この上可動排紙ガイド340の下面
には、図67及び72に示す様に、用紙搬送領域の外側
方に夫々位置した状態で、ストッパ部材340bが取り
付けられている。即ち、このストッパ部材340bが下
固定排紙ガイド334の上面に当接する事により、下固
定排紙ガイド334と上可動排紙ガイド340との間で
規定される用紙搬送路204の出口部分204dの用紙
搬送方向に関して上流側における間隙が正確に規定され
る事になる。尚、この用紙搬送路204の出口部分20
4dの用紙搬送方向に関して下流側における間隙は、両
ベアリング234d,234eが対応する凹部336
a,338aに受けられた状態で規定される様に設定さ
れている。
【0226】〈制御部材346の説明〉 ここで、図72に示す様に、上排紙ローラ234の両ベ
アリング234d,234eの外周には、上排紙ローラ
234と下排紙ローラ236との転接状態を制御する為
の制御部材346が一体的に夫々取り付けられている。
この制御部材346は、シャフト部234aの回転軸線
を間において互いに平行に設定され、この回転軸線から
離間距離r1だけ離間された一対の平坦面346aと、
シャフト部234aの回転軸線から離間距離r1よりも
長く設定された半径r2の円弧面から形成される円弧面
346bとから構成される外周面を備えている。尚、こ
の離間距離r1は、両ベアリング234d,234eが
対応する凹部336a,338aに受けられた状態で、
シャフト部234aの回転軸線から下固定排紙ガイド3
34の上面までの距離と実質的または僅かに小さくなる
に同一となる様に設定されている。また、上述した半径
r2は、両ベアリング234d,234eが対応する凹
部336a,338aに受けられた状態で、シャフト部
234aの回転軸線から下固定排紙ガイド334の上面
までの距離よりも長くなる様に設定されている。
【0227】〈排紙機構332の駆動系の説明〉 一方、図73に示す様に、上排紙ローラ234のシャフ
ト部234aは、右端板338を貫通した状態で外方に
取り出されており、このシャフト部234aの突出端部
には、従動ギヤ348が同軸に一体的に取り付けられて
いる。この従動ギヤ348には、右端板338の外側面
に回動自在に軸支された中間ギヤ350が噛合してい
る。尚、この中間ギヤ350は、上述した定着装置21
2における従動ギヤ292oに連結され、上述したプリ
ンタモータ144からの駆動力が伝達された状態で、回
転駆動される様に設定されている。即ち、この上排紙ロ
ーラ234は駆動ローラとして規定され、これがプリン
タモータ144の駆動力により回転駆動される事によ
り、上排紙ローラ234と下排紙ローラ236との互い
の転接部にもたらされた用紙Pは、用紙排出口32aに
向けて排出される事になる。
【0228】尚、これら端板336,338に夫々形成
された凹部336a,338aは、中間ギヤ350の回
動軸線を中心とする円弧状の溝から形成される様に設定
されている。この結果、上述した様に、上排紙ローラ2
34を上方に偏位させたとしても、この上排紙ローラ2
34に取り付けられた従動ギヤ348と中間ギヤ350
との間の噛合状態は、良好に維持される事になる。この
様にして、上可動排紙ガイド340が下固定排紙ガイド
334に近接している状態において、用紙搬送路204
の出口部分204dが規定される事となり、また、上排
紙ローラ234と下排紙ローラ236とが互いに転接す
る事となり、この状態で定着済の用紙Pの排出が、上排
紙ローラ234の回転に伴い許容される事になる。
【0229】 〈排紙機構332におけるジャム解除動作の説明〉 一方、上可動排紙ガイド340が操作者によりこれのグ
リップ部340aを把持されて上方に引き上げられる様
に揺動駆動されると、この揺動に応じて、それまで下固
定排紙ガイド334の上面に対向する位置にあった制御
部材346の平坦面346aが移動して、図74に示す
様に、今度は円弧面346bが下固定排紙ガイド344
の上面に対向して、これに係合する事になる。
【0230】この結果、上排紙ローラ234の回動中心
と下固定排紙ガイド344の上面との間は、円弧面34
6bの半径r2で規定される距離だけ離間する事とな
る。この様にして、両ベアリング234d,234e
は、対応する凹部336a,338aから上方に浮き上
がらされた状態になされ、上排紙ローラ234は下排紙
ローラ246から上方に離間させられる事になる。従っ
て、上述した様に、従動ギヤ348と中間ギヤ350と
の噛合状態が継続されているにも拘らず、上下排紙ロー
ラ234,236の転接状態は解除される事になる。こ
の結果、仮に、この排紙機構332において用紙Pのジ
ャムが発生した場合においても、単に、この上可動排紙
ガイド340のグリップ340aを把持して、これを上
方に引き上げる様に回動させる事により、用紙Pを拘束
していた上下の排紙ローラ234,236の転接が解除
されるので、このジャムった用紙Pを容易に前方に引き
抜く事が可能となる。この様にして、この排紙機構33
2における用紙Pのジャム解除動作の作業性が大幅に向
上する事になる。
【0231】〈用紙排出検出スイッチ238の説明〉 尚、上述した用紙Pの排紙機構332におけるジャムを
検出する為の用紙排出検出スイッチ238は、図75に
示す様に、用紙搬送路204の出口部分204dの下面
を規定する下固定排紙ガイド334に形成された凹所3
34d内に収納され、その作動片238aがこの出口部
分204dに突出し、ここを搬送されてきた用紙Pによ
り押し込み動作される様に設定されている。
【0232】詳細には、上述したメイン制御基板52に
設けられたメイン制御部においては、上述した用紙搬送
検出スイッチ232が用紙搬送路204を搬送されてき
た用紙Pによりオンされてからの時間を計時し、搬送動
作が何ら妨げられることなく搬送された場合に、この用
紙Pの搬送速度と用紙搬送検出スイッチ232及び用紙
排出検出スイッチ238の離間距離との関係から論理上
計算される搬送時間が経過しても尚、用紙排出検出スイ
ッチ238がオンしない場合に、少なくとも定着装置2
12以前の用紙搬送路204において用紙Pのジャムが
発生したものと判断し、その旨をコントロールパネル2
0の表示ウインドウ20bに表示する様に警報動作が実
行される。また、このメイン制御部においては、上述し
た用紙排出検出スイッチ238がオンしてから、ここを
用紙Pが通過するに必要な論理上の時間が経過しても
尚、この用紙排出検出スイッチ238がオフしない場合
には、少なくとも排紙機構332において用紙Pのジャ
ムが発生したものと判断し、その旨を上述した表示ウイ
ンドウ20bに表示するように警報動作が実行される。
【0233】〈上排紙ローラ234のゴムローラ部23
4b,234cの説明〉 一方、上述した上排紙ローラ234のゴムローラ部23
4b,234cの、夫々の外方端部の外周には、複数の
突起234fが周方向に沿って等間隔に、且つ、半径方
向外方に向けて突出した状態で一体的に形成されてい
る。また、これら突起234fが形成された外方端部の
端面には、図67に示す様に、外周面における所定厚さ
を残して円形状の凹所234gが形成されている。即
ち、この凹所234gを形成する事により、突起234
fが搬送中の用紙Pの上面に係合する際において、この
突起234fが半径方向内方に弾性的に偏位する事が許
容され、搬送中の用紙Pの上面に無用な力が作用しない
ようになされている。
【0234】ここで、各ゴムローラ部234b,234
cの外周に複数の突起234fを突出形成する事によ
り、以下の様な効果が達成される。即ち、この排紙機構
332における用紙Pへの搬送力は、上排紙ローラ23
4の回転により発生されるものである。従って、用紙P
がこの上排紙ローラ234との係合を外れると、換言す
れば、上下一対の排紙ローラ234,236の転接部か
ら外れても、突起234fの外周部が用紙Pに摩擦接触
する事により、また、突起234fが用紙Pの後端を押
す事により、用紙Pへのアクティブな搬送力は消滅しな
いし、または、ある程度の搬送力を維持することが出来
る事になる。また、この用紙P自身には、搬送中におけ
る慣性力や搬送路が傾斜している事に基づく重力の分力
の作用は存在するので、例え、上排紙ローラ234との
係合が外れた後も、その搬送動作は継続されるものであ
る。
【0235】尚、この一実施例における排紙機構332
は上述した説明から明らかな様に、エンクロジャー28
内に収納された状態で配設されている。即ち、排紙機構
332の用紙取り出し口332bは、プリンタハウジン
グ32の用紙排出口32aよりもエンクロジャー28内
方に位置する状態で設定されている。従って、仮に、上
述した慣性力は重力の分力の作用よりも大きな摩擦係合
力で用紙Pの後端が用紙取り出し口332bの周縁に係
合すると、用紙Pはここで停止して、排紙トレイ38上
に排紙されない状態となる。しかしながら、上述した突
起234fにより発生する用紙Pへの摩擦力、または、
用紙Pの後端を雄搬送力により、用紙Pの排出力を向上
させることが出来る事になる。
【0236】即ち、この一実施例においては、各ゴムロ
ーラ部234b,234cの外周に複数の突起234f
を突出形成しているので、用紙Pが上下一対の排紙ロー
ラ234,236の互いの転接部から抜け出た後におい
ても、突起234fの先端は、合ローラ部234b,2
34cの外周面よりも半径方向外方に位置しているの
で、この突起234fにより前方に押されて、強制的に
用紙取り出し口332bから前方に押し出される事とな
る。この様にして、この一実施例によれば、用紙Pは排
紙機構332から前方に確実に押し出されて、排紙トレ
イ38上に良好に排紙される事になる。
【0237】この様にこの一実施例における排紙機構3
32は構成されているので、上可動排紙ガイド340が
下固定排紙ガイド334に近接する位置に規定され、ス
トッパ部材340bが下固定排紙ガイド334の上面に
当接した状態において、定着装置212でトナー像を定
着された用紙Pは、上排紙ローラ234の回転に伴い、
用紙取り出し口332bを介して前方に押し出される様
に搬送され、排紙トレイ38上に排出される事になる。
【0238】〈除電シート352の説明〉 一方、この排紙機構332から排紙される用紙Pは、上
述したプリント動作を受ける際に帯電されおり、この帯
電されたままの状態でそのまま排紙されると、エンクロ
ジャー28に付着するとか、排紙トレイ38上で積み重
ねられた用紙同士が付着するとか、この排紙トレイ38
上に排紙された用紙Pを取ろうとした操作者の手指との
間で所謂放電が発生し、操作者に不快感を与える等の不
都合が生じる事になる。この為、用紙取り出し口332
bから取り出される用紙Pを除電しなければならない。
この為、この一実施例においては、図67に示す様に、
上可動排紙ガイド340の上面に、用紙ガイドとしても
機能する様にシート状に形成された除電シート352を
取り付け、この除電シート352の先端を、用紙搬送路
204の出口部分204dに対して上方から所定角度で
横切る状態に設定している。この様にして、用紙取り出
し口332bから取り出された用紙Pは、必ず、この除
電シート352の下面に接触し、排紙トレイ38に向け
てその搬送方向を下方に変更されると共に、除電される
事になる。
【0239】より具体的には、この除電シート352
は、所定の剛性を有する合成樹脂フィルムから構成さ
れ、その下面に導電性層352aが添着されている。一
方、この除電シート352の下面(即ち、導電性層)が
接触する上可動排紙ガイド340の上面は、少なくとも
導電性金属で形成されており、除電シート352の導電
性層352aと上可動排紙ガイド340とは電気的に接
続されている。また、この上可動排紙ガイド340は金
属製のベアリング234eに一体的に接続され、電気的
にも接続されている。そして、このベアリング234e
は、金属製のトーションスプリング344を介して、導
電性合成樹脂からなる側板338に電気的に接続されて
いる。この様にして、除電シート352の下面に設けら
れた導電性層352aと側板338とは電気的に接続さ
れ、且つ、この側板338を接地する事により、除電シ
ート352の下面に接触した用紙Pは確実に除電される
事になる。
【0240】この考案は、上述した一実施例の構成に限
定されることなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能である事は言うまでもない。例えば、上述
した一実施例においては、ファクシミリ装置に適用され
る場合につき説明したが、この考案は、この様な構成に
限定されることなく、通信機能のない所謂プリンタ装置
にも適用することが出来る事は言うまでもない。
【0241】
【考案の効果】以上詳述した様に、この考案に係わる電
子写真装置は、シート状部材の排出口が形成されたエン
クロジャーと、このエンクロジャー内に配設され、搬送
路を搬送されているシート状部材の表面に画像を形成す
る為の画像形成手段と、この画像形成手段によりシート
状部材の表面に形成された画像を定着させる為の定着手
段と、前記エンクロジャー内に配設され、この定着手段
で定着されたシート状部材を、前記排出口を介して、前
記エンクロジャー外に排出する排出手段と、前記排出手
段に取り付けられ、これにより排出されるシート状部材
を、前記排出口を介して前記エンクロジャー外に導くと
共に、この排出されるシート状部材を除電する除電シー
トとを具備する事を特徴としている。
【0242】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、その下面において前記排出手
段により排出されるシート状部材の上面に係合し、この
シート状部材の排出方向を下方に向けて偏位させる様に
ガイドする様に取り付けられている事を特徴としてい
る。
【0243】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、少なくともその下面に導電層
を有し、この導電層は、前記排出手段を介して接地され
る事を特徴としている。
【0244】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、所定の剛性を有するシート本
体と、このシート本体の下面に形成され、接地された導
電層とを備える事を特徴としている。
【0245】また、この考案に係わる電子写真装置にお
いて、前記除電シートは、前記排出口を介して、前記エ
ンクロジャーの外方に延出している事を特徴としてい
る。
【0246】従って、この考案によれば、定着済の用紙
を排出するに際して、これを確実に排紙することが出来
ると共に、除電させる事の出来る電子写真装置が提供さ
れる事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係わる電子写真装置の一実施例が適
用されるファクシミリ装置の内部構成を概略的に示す側
面図である。
【図2】図1に示すファクシミリ装置の一実施例の構成
の外観を斜め前方から見た状態で示す斜視図である。
【図3】図1に示すファクシミリ装置の一実施例の構成
の外観を斜め後方から見た状態で示す斜視図である。
【図4】図1に示すファクシミリ装置の底面形状を、底
部目隠し蓋を取り外した状態で示す底面図である。
【図5】図1に示すファクシミリ装置を構成するメイン
プレートの底面形状を取り出して示す底面図である。
【図6】図5に示すメインプレートよりも下方の構成を
取り出した状態で、その後面形状を示す後面図である。
【図7】図2に示すファクシミリ装置を、アッパーハウ
ジングを開放した状態で示す斜視図である。
【図8】図7に示すファクシミリ装置の側面形状を示す
側面図である。
【図9】図1に示すファクシミリ装置の正面形状を示す
正面図である。
【図10】図1に示すファクシミリ装置に備えられた原
稿トレイを取り出した状態で示す斜視図である。
【図11】図10に示す原稿トレイとアッパーハウジン
グに取り付けられたトレイ受け台との取り付け状態を説
明する為に、両者を離間させた状態で示す斜視図であ
る。
【図12】図11に示す原稿トレイをトレイ受け台に取
り付けた状態で示す側断面図である。
【図13】図11に示す原稿トレイをトレイ受け台に取
り付ける直前において起立させた状態で示す側断面図で
ある。
【図14】図13に示す状態から、起立させた原稿トレ
イをトレイ受け台の挿通穴内に上方から挿通させた状態
で示す側断面図である。
【図15】図14に示す状態から、原稿トレイをトレイ
受け台に対して傾斜させる動作を開始した直後の状態で
示す側断面図である。
【図16】図2に示すファクシミリ装置を完全閉塞状態
で示す側面図である。
【図17】図16に示す状態から、ファクシミリ装置を
アッパーフレームが半開放状態で示す側面図である。
【図18】図17に示す状態から、ファクシミリ装置を
アッパーフレームが全開状態で示す側面図である。
【図19】図1に示すファクシミリ装置に備えられる調
整基板の上面形状を取り出して示す平面図である。
【図20】図19に示す調整基板上のジャンパ端子に連
結部材を装着させる直前の状態で示す正面図である。
【図21】図1に示すファクシミリ装置を構成するフレ
ーム構造を取り出して示す斜視図である。
【図22】図21に示す揺動フレームのメインプレート
への軸支状態を取り出して示す平面図である。
【図23】図22に示す揺動フレームのメインプレート
への軸支状態を取り出して示す側面図である。
【図24】揺動フレームのメインプレートへの軸支状態
を、図22におけるA−A線に沿って切断した状態で示
す断面図である。
【図25】揺動フレームのメインプレートへの軸支状態
を、図22におけるB−B線に沿って切断した状態で示
す断面図である。
【図26】揺動フレームへのダンパーの取り付け状態を
示す平面図である。
【図27】図21に示す揺動フレームへのダンパーの取
り付け状態を示す側面図である。
【図28】図1に示すファクシミリ装置の内部構造にお
いて、特に、インターロック機構回りの構成を、完全閉
塞状態で示す側断面図である。
【図29】図28に示すファクシミリ装置の内部構造に
おいて、インターロック機構回りの構成を取り出して、
コントロールパネルのみが開放された状態で示す側断面
図である。
【図30】図28に示すファクシミリ装置の内部構造に
おいて、インターロック機構回りの構成を取り出して、
アッパーハウジングが開放された状態で示す側断面図で
ある。
【図31】図1に示すファクシミリ装置に備えられた画
像読み取り機構の構成を取り出した状態で示す側面図で
ある。
【図32】図1に示すファクシミリ装置をアッパーハウ
ジングを取り外した状態でその上面形状を示す平面図で
ある。
【図33】図32に示すファクシミリ装置の構成の側面
形状を示す側面図である。
【図34】図33に示すファクシミリ装置の構成を、コ
ントロールパネルを開放した状態で示す側面図である。
【図35】図31に示す画像読み取り機構における原稿
分離部付近の構成を取り出して示す側断面図である。
【図36】図35に示す原稿分離部付近を拡大した状態
で示す拡大側断面図である。
【図37】図31に示す画像読み取り機構における下側
原稿ガイドの形状を取り出して示す側断面図である。
【図38】図37に示す下側原稿ガイドの支持板の形状
を取り出して示す側面図である。
【図39】図38に示す下側原稿ガイドに夫々取り付け
られる原稿分離送りローラ及びホワイトローラを回動自
在に支持するためのベアリングブッシュの構成を取り出
して示す斜視図である。
【図40】図31に示す画像読み取り機構における原稿
分離ユニットの構成を取り出して示す斜視図である。
【図41】図40に示す原稿分離ユニットの側面形状を
示す側断面図である。
【図42】1枚の原稿の取り出し動作を説明する為の側
断面図である。
【図43】所定枚数よりも少ない複数の原稿の分離・取
り出し動作を説明する為の側断面図である。
【図44】所定枚数よりも多い原稿の分離・取り出し動
作を説明する為の側断面図である。
【図45】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける直前の状態を示す斜視図である。
【図46】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける直前の状態を示す側断面図である。
【図47】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける動作中における、後方係止ボス部が対応する後方係
止溝に嵌入した状態で示す側断面図である。
【図48】原稿分離ユニットを下側原稿ガイドに取り付
ける動作中における、弾性止め片が後方に偏位させられ
た上たで示す側断面図である。
【図49】原稿分離ユニットが下側原稿ガイドに取り付
けられ終えた状態で示す側断面図である。
【図50】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに取り付けられる直前の状態を、上側原稿
ガイドを取り外した状態で示す斜視図である。
【図51】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに取り付けられる直前の状態を示す側面図
である。
【図52】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに上方から嵌入させた状態で示す側面図で
ある。
【図53】原稿取り出しローラ及びホワイトローラが下
側原稿ガイドに取り付けら、係止された状態で示す側面
図である。
【図54】プリント機構の構成を全体的に示す側断面図
である。
【図55】プリント機構における用紙搬送路及びこの用
紙搬送路の周囲に位置する種々の機構を取り出して示す
側断面図である。
【図56】プリント機構における用紙搬送路の上流側部
分を構成する部分を取り出して示す側面図である。
【図57】現像装置及びドラムユニットのギヤボックス
への取り付け状態を示す分解斜視図である。
【図58】ドラムユニットにおける転写チャージャの取
り付け状態及びプレローラの取り付け状態を、転写チャ
ージャのロック状態で示す側断面図である。
【図59】ドラムユニットにおける転写チャージャを、
アンロック状態で示す側断面図である。
【図60】ドラムユニットにおける転写チャージャを、
開放状態で示す側断面図である。
【図61】ドラムユニットにおける転写チャージャを、
閉塞状態で示す側断面図である。
【図62】ドラムユニットにおけるオーガの取り付け状
態を一部切り欠いた状態で示す平面図である。
【図63】ドラムユニットにおけるオーガの取り付け状
態を示す縦断面図である。
【図64】プリンタ駆動機構における現像装置への駆動
力伝達状態を示す縦断面図である。
【図65】プリンタ駆動機構における定着装置への駆動
力伝達系を、接続状態で示す側面図である。
【図66】プリンタ駆動機構における定着装置への駆動
力伝達系を、切断状態で示す側面図である。
【図67】排紙機構の構成を上可動排紙ガイドが閉塞状
態で概略的に示す側断面図である。
【図68】排紙機構の正面形状を示す正面図である。
【図69】排紙機構を、線A−Aに沿って切断した状態
で示す断面図である。
【図70】排紙機構の平面形状を示す平面図である。
【図71】排紙機構の左側面形状を示す左側面図であ
る。
【図72】排紙機構を、図68に示す線B−Bに沿って
切断した状態で示す断面図である。
【図73】排紙機構の右側面形状を示す右側面図であ
る。
【図74】排紙機構を、上可動排紙ガイドが上方に引き
上げられた状態で示す側断面図である。
【図75】排紙機構を、図68における線C−Cに沿っ
て切断した状態で示す断面図である。
【符号の説明】
10 ファクシミリ装置 14 プリント機構 28 エンクロジャー 32a 用紙排出口 212 定着装置 332 排紙機構 352 除電シート 352a 導電性層

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状部材に画像を形成する画像形成
    手段を収容するエンクロージャーと、 該エンクロージャーに形成された排出口と、 シート状部材を該排出口から前記エンクロージャー外に
    排出する排出手段と、 該排出手段に取り付けられた除電シートと、を具備し、前記排出手段は、シート状部材の通路を規定し且つ互い
    に相対する第1ガイド部材及び第2ガイド部材を有し、 前記第1ガイド部材は、前記第2ガイド部材に対して、
    該第1ガイド部材の前記排出口と反対の側が開成するよ
    う揺動可能に構成されており、 前記除電シートは、その一端部が前記第1ガイド部材に
    取り付けらられ、前記排 出手段によるシート状部材の
    排出方向と交わる方向に延出して前記排出口まで達して
    おり、且つ前記第1ガイド部材と共に前記第2ガイド部
    材に対して揺動し得るよう構成されていること、 を特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 前記除電シートは、その下面において前
    記排出手段により排出されるシート状部材の上面に係合
    し、このシート状部材の排出方向を下方に向けて偏位さ
    せる様にガイドする様に取り付けられている事を特徴と
    する請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記除電シートは、少なくともその下面
    に導電層を有し、 この導電層は、前記排出手段を介して接地される事を特
    徴とする請求項2に記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 前記除電シートは、所定の剛性を有する
    シート本体と、このシート本体の下面に形成され、接地
    された導電層とを備える事を特徴とする請求項2に記載
    の電子写真装置。
  5. 【請求項5】 前記除電シートは、前記排出口を介し
    て、前記エンクロジャーの外方に延出している事を特徴
    とする請求項2に記載の電子写真装置。
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