JP6357873B2 - 記録材冷却装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
記録材冷却装置9の下流側に、記録材冷却装置9を通過した記録材Pを案内する案内部が設けられている。ここでは案内部としての搬送ガイド板(不図示)と切換爪25が設けられている。片面印刷時などに切換爪25が図示の位置にあるときは、記録材Pは搬送ガイド板に案内されて排出ローラ16により排紙トレイ20に排出される。両面印刷時には切換爪25は不図示の位置に切り換えられ、記録材Pは反転路26に導かれる。その後、記録材Pはローラ28の回転と切換爪27の作用により、反転路29に案内され、二次転写ニップにおいて裏面に画像が形成される。
このように、空冷ヒートシンク構造を用いることによって、冷却液循環回路44を用いなくてすみ、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
図18は奥側から見た従来の冷却装置の概略構成図である。記録材Pは、下流側の不図示の定着装置によって表面にトナー像を加熱定着されて高温となっている。この記録材は、回転する複数のローラ55,57,58に掛け回されて回動するベルト56および59によって構成される第1の搬送機構31および第2の搬送機構32により挟持搬送される。この搬送の際に、ベルト56,59内周面に摺動接触する冷却部材33a,33b,33cによって、記録材Pの熱はベルト56,59越しに吸熱され、記録材Pは低温になって排出される。ここで冷却部材33a,33b,33cは内部を冷却液が通過して熱を冷却部材外に輸送する液冷部材であり、冷却液はタンク49に貯液されており、ポンプ48によって送られる。その後冷却液はラジエータ(放熱部46)を通過し、外気への放熱を行い、温度が低下する。こうして低温になった冷却液は冷却部材33a,33b,33c内を通過し、熱伝達によって冷却部材から熱を奪い、高温になって貯液ポンプに戻る。なお、このときの冷却部材は液冷装置以外の空冷ヒートシンクなどであっても構わない。
前述のように、剛性の高い厚紙などの通紙のためにベルトに強い張力を与える必要がある。だが、剛性の低い薄紙などの通紙や、外気が低温のために冷却部材33が十分低温であるときなどでは、高温環境下での厚紙通紙時ほどの高い冷却効率(記録材−ベルト−冷却部材の密着性)は必要ではないため、ベルトの張力も小さくてよい。そこで、本実施形態では、高い冷却効率を必要とする場合は、図5(a)のように不図示のモータによりカム61を回転させ、テンションローラ60を押し下げることでベルト56の張力を増大させ、記録材−ベルト−冷却部材間の密着による熱伝導を促進させる。一方、高い冷却効率を必要としない場合には、図5(b)のように不図示のモータによりカム61を回転させてテンションローラ60との係合を解除し、テンションローラ60を緩めてベルト56の張力を元に戻す。
これにより、従来の記録材冷却装置に比べ、薄紙通紙時などでの不要な搬送抵抗の増大やベルトの磨耗を低減させ、装置のメンテナンス回数を低減させることができる。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、定着後用紙温度を検知する温度センサ69を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、ラジエータ吸気温度を検知する温度センサ71をラジエータ(放熱部46)に設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64および温度センサ69,71に接続している。この構成において、通紙する紙種に応じて加圧力を変化させる。具体的には、熱容量と剛性が小さく冷却しやすい薄紙の場合、テンションローラ押圧力は弱めに、熱容量と剛性が大きいため冷却が難しい厚紙の場合、テンションローラ押圧力を強めに設定する。また、定着直後であって冷却直前の用紙温度が低い場合にも密着による熱伝導効率を下げてもよい。そこで、所要条件として温度センサ69により記録材冷却装置通過前の定着後用紙温度を検知し、制御部67が押圧機構64を制御することで定着後用紙温度に応じてテンションローラ押圧力を変化させる。
ユーザーによりオペレーションパネルから紙種(銘柄、坪量、用紙サイズなど)が入力され(S1)、印刷が開始すると(S2)、制御部67は温度センサ71で検知されたラジエータ吸気温度(S3)、温度センサ69で検知された定着後用紙温度を読み込む(S4)。そして、制御部67は、表2に従って紙種、ラジエータ吸気温度および定着後用紙温度から該当テンションローラ押圧力を読み込み(S5)、カム61を所定位置まで回転させてテンションローラ60を押し下げる(S6)。その後印刷ジョブが終了すると(S7,Yes)、テンションローラ60の加圧を解除し(S8)、印刷が終了する。印刷ジョブが終了していない場合は(S7,No)、温度センサ71,69での温度をモニターしておき(S3,S4)、温度変化に応じてテンションローラの押圧力を変化させる(S5,S6)。
本実施形態では、所要条件としての記録材の連続通紙枚数に応じてテンションローラ押圧力を変更する。記録材冷却装置9の構成は図8と同様である。
図10は、5Nおよび8Nのテンションローラ押圧力で300gsmの用紙を連続印刷する場合の、ある定着後用紙温度で記録材冷却装置に突入する用紙の通紙枚数と、タンク49内の冷却液温度および記録材冷却装置から排紙される用紙温度の関係を示す。連続通紙を行うと吸熱により液冷プレートの温度が上がるため、冷却後排紙温度も徐々に上昇する。テンションローラ押圧力が高く(8N)、ベルト張力が高いと、記録材冷却装置を通過する用紙、ベルトおよび液冷プレートの密着性が向上するため、冷却効率が向上して排紙温度は低下し、吸熱量は増大する。そのため、流量が同条件であれば図示のように5Nのときよりも8Nのときのほうが冷媒である冷却液の温度は高くなる。しかし、このような装置では一般的に冷却液温度よりも用紙−ベルト−液冷プレートの接触状態のほうが冷却性能に対して支配的であるため、結局テンションローラ押圧力が高いほうが、冷却後排紙温度は低い。
ユーザーによりオペレーションパネルから紙種(銘柄、坪量、用紙サイズなど)が入力され(S10)、制御部67は印刷枚数が100枚以上かどうか判断する(S11)。100枚以下の場合(S11、No)、印刷が開始すると(S12)、制御部67は温度センサ71で検知されたラジエータ吸気温度(S13)、温度センサ69で検知された定着後用紙温度を読み込む(S14)。そして、制御部67は、100枚以内の場合の表4に従って紙種、ラジエータ吸気温度および定着後用紙温度から該当テンションローラ押圧力を読み込み(S15)、カム61を所定位置まで回転させてテンションローラ60を押し下げる(S16)。その後印刷ジョブが終了すると(S17,Yes)、テンションローラ60の加圧を解除し(S18)、印刷が終了する。印刷ジョブが終了していない場合は(S17,No)、温度センサ71,69での温度をモニターしておき(S13,S14)、温度変化に応じてテンションローラの押圧力を変化させる(S15,S16)。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、定着後用紙温度を検知する温度センサ69を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、タンク49内の冷却液温度を検知する温度センサ73をタンク49に設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64、温度センサ69および温度センサ73に接続している。連続通紙された用紙を冷却していくと、図10に示すように冷却液は吸熱により徐々に高温になって冷却能力が低下し、最終的には定常状態になる。先述の実施形態では連続通紙枚数によってテンションローラ押圧力を変化させたが、本実施形態では所要条件として温度センサ73により冷却液温度を随時検知し、これに基づき制御部67が張力制御手段を制御する。そして、冷却液の温度上昇に応じてテンションローラ押圧力を上昇させて冷却効率を上げ、逆に不必要な押圧力の付加を回避しつつ、排紙温度がブロッキング発生温度に達しないように冷却を行う。表6は、300gsmの用紙を冷却する際の、定着後用紙温度と冷却液温度に対するテンションローラ押圧力の例を示す。本実施形態では制御部67は紙種ごとに表6のようなテーブルを備える。
ユーザーによりオペレーションパネルから紙種(銘柄、坪量、用紙サイズなど)が入力され(S30)、印刷が開始すると(S31)、制御部67は温度センサ73で検知されたタンク49内の冷却液温度(S32)、温度センサ69で検知された定着後用紙温度を読み込む(S33)。そして、制御部67は、表6に従って紙種、冷却液温度および定着後用紙温度から該当テンションローラ押圧力を読み込み(S34)、カム61を所定位置まで回転させてテンションローラ60を押し下げる(S35)。その後印刷ジョブが終了すると(S36,Yes)、テンションローラ60の加圧を解除し(S37)、印刷が終了する。印刷ジョブが終了していない場合は(S36,No)、温度センサ73,69での温度をモニターしておき(S32,S33)、温度変化に応じてテンションローラ押圧力を変化させる(S34,S35)。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、定着後用紙温度を検知する温度センサ69を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、液冷プレート温度を検知する温度センサ75を冷却部材33a,33b,33cに設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64、温度センサ69,75に接続している。本実施形態は、温度検知対象が冷却液でなく液冷プレートであることを除き第4の実施形態と共通である。所要条件として温度センサ75により液冷プレートの温度を検知し、これに基づき制御部67が張力制御手段を制御する。連続通紙された用紙を冷却していくと、図10に示すように冷却液は吸熱により徐々に高温になって冷却能力が低下する。よって、最終的に定常状態になる液冷プレート温度に関しても同様である。先述の実施形態では連続通紙枚数によってテンションローラ押圧力を変化させたが、本実施形態では液冷プレートの温度を随時直接検知する。そして、液冷プレートの温度上昇に応じてテンションローラ押圧力を上昇させて冷却効率を上げ、逆に不必要な押圧力の付加を回避しつつ、排紙温度がブロッキング発生温度に達しないように冷却を行う。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、ラジエータ吸気温度を検知する温度センサ71をラジエータ(放熱部46)に設けている。また、記録材冷却装置に対する用紙の突入タイミングを検知する通紙検知センサ77を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、冷却後用紙温度を検知するための温度センサ79を記録材冷却装置9の用紙搬送方向下流側に設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64、温度センサ71、通紙検知センサ77および温度センサ79に接続している。所要条件として温度センサ79により記録材冷却装置通過後の記録材温度を検知し、これに基づき制御部67が張力制御手段を制御する。
動作時には、制御部67は、ユーザーがオペレーションパネルより設定した通紙する用紙種類を読み込み(S40)、用紙種類に応じたベルトへの張力付加時のカム位置を決定する(S41)。例えば、設定された用紙の坪量に応じて、表1に従う所定のバネ力をベルトに加えればよい。そして、通紙を開始した際(S42)、通紙検知センサ77で検知した(S43)、用紙が記録材冷却装置9に突入するタイミングで、カム61,63を所定の位置まで回転させてテンションローラ60,62によるベルト加圧を行い、必要な張力をかける(S44)。そして、用紙が記録材冷却装置9を通過した際にテンションローラ60,62の脱圧を行う(S45)。これにより、通紙している間のみ必要な張力をかけ、液冷プレートの冷却面への接触面圧増加によるベルト磨耗の増大を抑制することができる。用紙が記録材冷却装置9を通過するタイミングは、(線速×通紙検知センサ検知後の時間)>(記録材冷却装置内の用紙搬送距離+用紙サイズ)となったときであり、これは制御部67で算出される。
図17(a)のように、冷却面(接触面の総面積)の大きさの異なる冷却部材33d,33eを用いて、冷却面(接触面の総面積)の小さい冷却部材33dが接触しているベルト56に対して張力制御手段を備えてもよい。また、図17(b)のように、冷却面の大きさが同等の冷却部材33a,33b,33cを用いて、一方の側に冷却部材33aを設け、他方の側に冷却部材33b,33cを連続して設けてもよい。この場合も、ベルトとの接触面積の小さい冷却部材33aが接触しているベルト56に対して張力制御手段を備えればよい。冷却部材の冷却面との接触面積の小さいベルトに張力制御手段を設ける限り、冷却部材の数や配置などはここに示したものに限られない。また、制御部(不図示)が張力制御手段を制御するための所要条件としては、前記実施形態で説明したいずれの条件を用いてもよい。
31 第1の搬送機構
32 第2の搬送機構
33 冷却部材
55,57,58 ローラ(張架部材)
56,59 ベルト(ベルト部材)
67 制御部
Claims (10)
- 対向して配置される第1の搬送機構および第2の搬送機構によって記録材を挟持搬送しながら冷却する記録材冷却装置において、
前記第1の搬送機構および前記第2の搬送機構は、ベルト部材と、該ベルト部材を張架する張架部材を備え、
前記第1の搬送機構および前記第2の搬送機構は、前記ベルト部材の内周面に接触して前記記録材を冷却する冷却部材をそれぞれ備え、
前記ベルト部材の内周面に接触する前記冷却部材の接触面の総面積が、前記第1の搬送機構と前記第2の搬送機構とで異なり、
2つの前記ベルト部材のうち、少なくとも前記ベルト部材の内周面に接触する前記冷却部材の接触面の総面積が少ない前記ベルト部材に、前記ベルト部材の張力を変化させる張力制御手段を備え、
所要条件に基づいて前記張力制御手段を制御する制御部を有する、ことを特徴とする記録材冷却装置。 - 前記張力制御手段は複数の前記張架部材の間で張架された前記ベルト部材を押圧する押圧機構である、ことを特徴とする請求項1に記載の記録材冷却装置。
- 前記押圧機構はテンションローラを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の記録材冷却装置。
- 前記所要条件は前記記録材の種類である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 前記所要条件は記録材冷却装置が設置された空間の環境温度または記録材冷却装置内への吸気温度である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 前記所要条件は記録材冷却装置通過前または記録材冷却装置通過後の記録材温度である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 前記所要条件は前記冷却部材を通過する冷媒の温度である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 前記所要条件は前記冷却部材の温度である、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 前記所要条件は前記記録材の連続通紙枚数である、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録材冷却装置を有する、ことを特徴とする画像形成装置。
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