JP6357873B2 - 記録材冷却装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状記録材のための記録材冷却装置およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置では定着装置によって加熱・加圧を行うことで記録材上に転写されたトナーを定着させる。この時、記録材が熱を持ったまま排紙トレイにスタックされていくと積み重なった記録材内にこもった熱によってトナーが軟化し、さらに記録材が重なることで自重による圧力が生じ、トナーによって記録材同士がブロック化して貼りついてしまう。この現象はブロッキングと呼ばれており、これら記録材を無理矢理剥がそうとするとトナー像が壊れてしまう。この現象を抑制するためには、加熱定着後の記録材を十分に冷却する装置が必要である。現在、記録材を搬送しながら冷却する装置として、回動する無端ベルトによって記録材を挟持搬送しながらベルトを介して冷却プレートによって冷却する装置が公知である。
特許文献1には、駆動ローラ部材とベルト部材との間のベルトスリップ現象を抑制すると共に、記録材のカールやジャム等の発生を防止するために、加圧ローラ押圧力を紙種や坪量などによって変化させる装置が開示されている。しかし、ローラによるニップ箇所での局所的圧力が制御されるものの、ローラ間の記録材−ベルト−冷却部材間の圧力に関しては言及されていない。
特許文献2には、ベルトニップ定着装置において、紙種に応じてベルト張力を制御するために、加圧ローラ押圧力を紙種や坪量などによって変化させる装置が開示されている。
しかし、これまでのベルト方式の記録材冷却装置では、長期間の使用によってベルトと冷却プレートの摺動接触などが原因の磨耗粉がベルト裏面に付着したり、ベルトのキズが生じたりして、冷却効率が低下するという問題があった。また、磨耗はベルトと冷却プレートの接触圧力が高い場合に多く発生する。特に、厚紙に対応した記録材冷却装置において高い接触圧力を必要とする厚紙などを冷却する場合には、高い圧力がベルトに付与され、磨耗が増大する。その結果、ベルト磨耗粉の清掃やベルト交換などのメンテナンスの回数が増えてしまう。
そこで、本発明は、記録材冷却装置において効率的な冷却効果を実現しつつ、冷却しやすい薄紙などの通紙時において不必要な搬送抵抗の増大やベルト磨耗を防止し、厚紙などの通紙時においても十分な冷却効率を得ることを目的とする。
この課題を解決するため、対向して配置される第1の搬送機構および第2の搬送機構によって記録材を挟持搬送しながら冷却する記録材冷却装置において、前記第1の搬送機構および前記第2の搬送機構は、ベルト部材と、該ベルト部材を張架する張架部材を備え、前記第1の搬送機構および前記第2の搬送機構は、前記ベルト部材の内周面に接触して前記記録材を冷却する冷却部材をそれぞれ備え、前記ベルト部材の内周面に接触する前記冷却部材の接触面の総面積が、前記第1の搬送機構と前記第2の搬送機構とで異なり、2つの前記ベルト部材のうち、少なくとも前記ベルト部材の内周面に接触する前記冷却部材の接触面の総面積が少ない前記ベルト部材に、前記ベルト部材の張力を変化させる張力制御手段を備え、所要条件に基づいて前記張力制御手段を制御する制御部を有する、ことを特徴とする記録材冷却装置を提案する。
記録材の種類によらず、効率的な記録材冷却性能を確保しつつ、不必要な搬送抵抗の増大を防止し、ベルト内周面の不必要な磨耗を低減できる。
実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。 図1に示す記録材冷却装置の拡大図である。 奥側から見た記録材冷却装置の概略構成図である。 記録材冷却装置の変形例を示す図である。 第1の実施形態に係る記録材冷却装置の概略構成図である。 張力制御手段の配置と冷却効率の関係を示す図である。 張力制御方法を示す概略構成図である。 第2の実施形態に係る記録材冷却装置の概略構成図である。 記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態に係る記録材冷却装置の概略構成図である。 記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る記録材冷却装置の概略構成図である。 記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。 第5の実施形態に係る記録材冷却装置の概略構成図である。 第6の実施形態に係る記録材冷却装置の概略構成図である。 記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。 第7の実施形態に係る記録材冷却装置の概略構成図である。 奥側から見た従来の冷却装置の概略構成図である。 冷却部材とベルトの接触領域の微小要素を示す図である。 厚紙などの剛性の高い記録材が装置内を通過する様子を示す図である。 加圧ローラをベルトを介して冷却部材に対向配置したときの、記録材が装置内を通過する様子を示す図である。
図1は、実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkを並べて配設したタンデム型の画像形成部を備える。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、画像形成装置本体200に着脱可能に構成されており、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
具体的には、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング手段としてのクリーニングブレード5を備えている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1C,1M,1Bkにおいては符号を省略している。
図1において、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザ光を照射するようになっている。
また、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、支持部材としての複数のローラ21〜24に張架されており、それらローラ21〜24のうちの1つが駆動ローラとして回転することによって、中間転写ベルト10は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト10の内周面を押圧しており、中間転写ベルト10の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)および/または交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
また、中間転写ベルト10を張架する1つのローラ24に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト10の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)および/または交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
画像形成装置本体200の下部には、紙やOHP等のシート状の記録材(以下、適宜「用紙」とも言う)Pを収容した複数の給紙カセット13が配設されている。各給紙カセット13には、収容されている記録材Pを送り出す給紙ローラ14が設けてある。また、画像形成装置本体200の図の左側の外面には、機外に排出された記録材Pをストックする排紙部としての排紙トレイ20が設けてある。
画像形成装置本体200内には、記録材Pを給紙カセット13から二次転写ニップを通って排紙トレイ20へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録材搬送方向上流側にはレジストローラ15が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録材搬送方向下流側には、定着装置8、記録材冷却装置9、一対の排出ローラ16が順次配設されている。定着装置8は、例えば、内部に図示しないヒータ(熱源)を有する定着部材としての定着ローラ17と、定着ローラ17を加圧する加圧部材としての加圧ローラ18を備える。定着ローラ17と加圧ローラ18とが接触した箇所には、定着ニップが形成されている。
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2が図の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から帯電された各感光体2の表面にレーザ光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
中間転写ベルト10を張架するローラの1つが回転駆動し、中間転写ベルト10を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧または定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2に形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト10はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト10に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
給紙ローラ14が回転することによって、給紙カセット13から記録材Pが搬出される。搬出された記録材Pは、レジストローラ15によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト10上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上のトナー画像が記録材P上に一括して転写される。その後、記録材Pは定着装置8に送り込まれ、定着ローラ17と加圧ローラ18によって記録材Pが加圧および加熱されてトナー画像が記録材P上に定着される。そして、記録材Pは、記録材冷却装置9によって冷却された後、一対の排出ローラ16によって排紙トレイ20に排出される。
両面印刷の場合は、冷却後の記録材Pを切換爪25を切り換えることにより反転路26へ導き、切換爪27を切り換えてローラ28などを逆回転させることにより反転後の記録材Pを反転路29からレジストローラ15へと再給紙して記録材の表裏を反転させる。このとき、中間転写ベルト10上には裏面画像となるトナー画像を形成して担持させておき、記録材Pの裏面にトナー画像を転写して定着装置8による定着処理と記録材冷却装置9による冷却処理を経て、排出ローラ16により排紙トレイ20上に排紙する。
以上の説明は、記録材にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つまたは3つのプロセスユニットを使用して、2色または3色の画像を形成したりすることも可能である。
図1を参照して、記録材冷却装置9を通過した記録材Pの反転路または排紙部へ案内する案内部について説明する。
記録材冷却装置9の下流側に、記録材冷却装置9を通過した記録材Pを案内する案内部が設けられている。ここでは案内部としての搬送ガイド板(不図示)と切換爪25が設けられている。片面印刷時などに切換爪25が図示の位置にあるときは、記録材Pは搬送ガイド板に案内されて排出ローラ16により排紙トレイ20に排出される。両面印刷時には切換爪25は不図示の位置に切り換えられ、記録材Pは反転路26に導かれる。その後、記録材Pはローラ28の回転と切換爪27の作用により、反転路29に案内され、二次転写ニップにおいて裏面に画像が形成される。
ところで、記録材冷却装置9は、図2に示すように、ベルト搬送手段30のベルトの走行によって挟持搬送されるシート状記録材Pを冷却する冷却部材33を備えたものである。ベルト搬送手段30は、シート状記録材Pの一方の面(表面または上面)側に配置される第1の搬送機構31と、シート状記録材Pの他方の面(裏面または下面)側に配置される第2の搬送機構32を備える。また、各搬送機構に対してそれぞれ冷却部材33を備え、第1冷却部としての冷却部材(液冷プレート)33aがシート状記録材Pの他方の面(裏面または下面)側に配置され、第2冷却部としての冷却部材33bがシート状記録材Pの一方の面(表面または上面)側に配置され、第3冷却部としての冷却部材33cがシート状記録材Pの他方の面(裏面または下面)側に配置されている。
冷却部材33a,33b,33cは、シート状記録材の走行方向に沿ってずれて配置されている。また、一方の冷却部材33bは、下面が僅かに膨出した扁平円弧面状の吸熱面34bとされ、他方の冷却部材33a,33cは、上面が僅かに膨出した扁平円弧面状の吸熱面34a,34cとされている。そして、各冷却部材33a,33b,33cの内部には、冷却液が流れる冷却液流路が形成されている。
この記録材冷却装置は、図3に示すように、発熱部としての記録材Pからの熱を受ける受熱部45と、受熱部45の熱を放熱する放熱部46と、受熱部45と放熱部46とを冷却液が循環する循環路47とを有する冷却液循環回路44を備える。この循環路47内には、冷却液を循環させるためのポンプ48と、冷却液を溜めるタンク49とが配置されている。そして、液冷プレートである冷却部材33a,33b,33cを受熱部45として機能させる。また、放熱部46としてラジエータ等からなる。冷却液には、例えば、水を主成分とし、凍結温度を下げるためのプロピレングリコール又はエチレングリコールや、金属製の部品の錆を防止するための防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)が添加されたもの等がある。
循環路47としては、冷却部材34aの一方の開口部とタンク49とを連結する配管50と、冷却部材34aの他方の開口部と冷却部材33bの一方の開口部とを連結する配管66と、冷却部材33bの他方の開口部と冷却部材33cの一方の開口部を連結する配管51と、冷却部材33cの他方の開口部と放熱部46としてラジエータとを連結する配管52と、放熱部46としてラジエータとポンプ48とを連結する配管53と、ポンプ48とタンク49とを連結する配管54とを備える。配管50,66,51,52,53,54を有する循環路47は一本の流路を形成しているが、冷却部材33a,33b,33c内では蛇行しており、冷却液が効果的に冷却部材を冷却するようになっている。
第1の搬送機構31は、複数個(図例では4個)のローラ(従動ローラ)55と、このローラ55に掛け回されるベルト部材としてのベルト(搬送ベルト)56とを備える。第2の搬送機構32は、複数個(図例では4個)のローラ(従動ローラ)57c,57d,58と、駆動ローラ57aと、ローラ57,58に掛け回されるベルト部材としてのベルト(搬送ベルト)59とを備える。また、第1の搬送機構31にはテンションローラ60およびカム61が設けられ、第2の搬送機構32にはテンションローラ62が設けられている。ローラ55,57,58はベルトを張架する張架部材として機能する。なお、図3では簡略化のためにテンションローラ60およびカム61の図示は省略している。
このため、記録材Pを搬送する際には、第1の搬送機構31のベルト56と第2の搬送機構32のベルト59とで、記録材Pを挟持搬送することになる。すなわち、駆動ローラ57aが駆動することによって、図2に示すように、ベルト59が矢印A方向に走行し、ベルト56,59間に挟まれた記録材Pを介して、第2の搬送機構32のベルト59の走行に伴って、第1の搬送機構31のベルト56が矢印B方向に走行する。これによって、記録材Pは矢印C方向沿って、上流側から下流側へと搬送される。
次に、前記のように構成された記録材冷却装置の動作について説明する。記録材Pの挟持搬送する場合、図2等に示すように、第1の搬送機構31と第2の搬送機構32とを近接させた状態とする。この図2に示す状態において、第2の搬送機構32の駆動ローラ57aを回転駆動させれば、前記したように、各ベルト56,59が矢印方向に走行して、記録材Pは矢印方向に走行する。この状態では、前記冷却液循環回路44において、冷却液を循環させる。すなわち、ポンプ48を駆動することによって、冷却部材33a,33b,33cの冷却液流路内に冷却液を流す。
この際、第1の搬送機構31のベルト56の内面が、冷却部材33bの吸熱面34bを摺動し、第2の搬送機構32のベルト59の内面が、冷却部材33aの吸熱面34aと冷却部材33cの吸熱面34cを摺動する。このため、記録材Pの表面(上面)側から、ベルト56を介して冷却部材33bは記録材Pの熱を吸収する。また、記録材Pの裏面(下面)側から、ベルト59を介して冷却部材33c,33aは記録材Pの熱を吸収する。この場合、冷却部材33a,33b,33cが吸収した熱量を冷却液が外部に輸送することで冷却部材33a,33b,33cは低温に保たれる。
すなわち、ポンプ48を駆動することによって、冷却液が冷却液循環回路44内を循環し、冷却部材33a,33b,33cの冷却液流路内を流れて吸熱して高温となった冷却液が、放熱部として機能するラジエータを通過することによって、外気へ放熱され、その温度が低下する。そして、低温となった冷却液が再度冷却液流路内を流れて、冷却部材33a,33b,33cが放熱部46と機能する。このため、このサイクルを繰り返すことによって、記録材Pは両面から冷却される。
本発明は、冷却液循環回路44を用いた記録材冷却装置に限定されず、これに替えて、図4のように排熱促進形状部106を設けてもよい。排熱促進形状部106としては、多数のフィンを有する空冷ヒートシンクである。このときの吸熱面34a,34b,34cとベルト56,59との関係は、上記実施例を適用できる。
このように、空冷ヒートシンク構造を用いることによって、冷却液循環回路44を用いなくてすみ、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
次に、図18〜21を用いて従来の記録材冷却装置について具体的に説明する。
図18は奥側から見た従来の冷却装置の概略構成図である。記録材Pは、下流側の不図示の定着装置によって表面にトナー像を加熱定着されて高温となっている。この記録材は、回転する複数のローラ55,57,58に掛け回されて回動するベルト56および59によって構成される第1の搬送機構31および第2の搬送機構32により挟持搬送される。この搬送の際に、ベルト56,59内周面に摺動接触する冷却部材33a,33b,33cによって、記録材Pの熱はベルト56,59越しに吸熱され、記録材Pは低温になって排出される。ここで冷却部材33a,33b,33cは内部を冷却液が通過して熱を冷却部材外に輸送する液冷部材であり、冷却液はタンク49に貯液されており、ポンプ48によって送られる。その後冷却液はラジエータ(放熱部46)を通過し、外気への放熱を行い、温度が低下する。こうして低温になった冷却液は冷却部材33a,33b,33c内を通過し、熱伝達によって冷却部材から熱を奪い、高温になって貯液ポンプに戻る。なお、このときの冷却部材は液冷装置以外の空冷ヒートシンクなどであっても構わない。
ベルト56,59に対して押し付けられるテンションローラ60が記録材冷却装置に設けられている。テンションローラ60は、ベルトに張力T1〜T4を付加することでベルト搬送を補助する。また、図19に示すように、テンションローラ60は、冷却部材33の曲面形状を有する冷却面に対向する張力の分力F1,F2を与えることでベルト56,59と記録材Pと冷却部材33を密着させ、接触による熱伝導を高める。図19は、冷却部材33とベルト56,59の接触領域の微小要素を示す。
しかし、特に厚紙などの剛性の高い記録材Pが装置内を通過する際には張力T3,T4が小さいと、図20のように記録材Pがベルト59の張力に逆らって記録材Pが冷却部材33から浮いてしまうため、熱伝導による冷却効率の低下が生じる。これを防ぐためにはテンションローラ60の押し付け力を増加させて張力T3,T4を増大し、剛性の高い記録材Pを冷却部材33の冷却面に向かってさらに強く押し付ける必要がある。故に厚紙に対応する記録材冷却装置においてはベルト56,59に強い張力を付与する必要があるが、強い張力をかけるということはベルト56,59の搬送負荷を増大させることに繋がる。また、ベルト56,59と冷却部材33の冷却面の間に強い密着力を与えながらベルト56,59を回動させるということは、それだけ強い摺動が生じることに繋がり、ベルトの磨耗が発生し易くなる。磨耗が激しいと大量の磨耗粉が生じてベルト56,59と冷却部材33の間に入り込んで熱伝導の効率を低下させる原因になるため、定期的な清掃が必要になる。また磨耗を繰り返すうちにベルトの傷みが大きくなり、交換が必要になる場合もある。このようなメンテナンスは張力が弱い場合でもいずれ必要にはなるが、張力が強くなるほど磨耗量が大きくなり、短期間で何度もメンテナンスが必要になる。
図21のように、密着力の付与手段として加圧ローラをベルト56,59を介して冷却部材33に対向配置してもよいが、加圧ローラと加圧ローラの間での密着力付与が難しい。さらに加圧ローラはニップ面のみで局所的に大きな加圧力が生じるため、そこで多大な磨耗が生じ易い。
次に、図5〜7を用いて本発明の第1の実施形態に係る記録材冷却装置の特徴部を説明する。この記録材冷却装置は図1〜3と同様の構成を有する液冷装置として構成されている。
前述のように、剛性の高い厚紙などの通紙のためにベルトに強い張力を与える必要がある。だが、剛性の低い薄紙などの通紙や、外気が低温のために冷却部材33が十分低温であるときなどでは、高温環境下での厚紙通紙時ほどの高い冷却効率(記録材−ベルト−冷却部材の密着性)は必要ではないため、ベルトの張力も小さくてよい。そこで、本実施形態では、高い冷却効率を必要とする場合は、図5(a)のように不図示のモータによりカム61を回転させ、テンションローラ60を押し下げることでベルト56の張力を増大させ、記録材−ベルト−冷却部材間の密着による熱伝導を促進させる。一方、高い冷却効率を必要としない場合には、図5(b)のように不図示のモータによりカム61を回転させてテンションローラ60との係合を解除し、テンションローラ60を緩めてベルト56の張力を元に戻す。
これにより、従来の記録材冷却装置に比べ、薄紙通紙時などでの不要な搬送抵抗の増大やベルトの磨耗を低減させ、装置のメンテナンス回数を低減させることができる。
また、本実施形態ではベルト内周面に接する冷却部材33の個数が少なく接触面の総面積が少ない上側のベルト56に、テンションローラ60およびカム61による張力制御手段を設けている。これはスペースやコストの都合で一方のベルトにしか張力制御手段を設けられない場合に、上側のベルト56に張力制御手段を設けたほうがより効果的な冷却効率が得られるためである。張力制御手段は、記録材とベルトと冷却部材の間の圧力をベルト張力によって制御することができる。例えば図6(a)のように接する冷却部材の接触面の総面積が少ない上側のベルトに張力制御手段を設けた場合、張力の強弱によって図19における用紙を液冷プレート側へ押し付ける力F2を変化させて液冷プレート2枚分に対する用紙の接触状態を変化させることができる。だが、図6(b)のように下側のベルトに張力制御手段を設けた場合、張力の強弱によって変化させられるのは反対側の液冷プレート1枚分の用紙の接触状態のみである。故に、特に張力強化によって冷却効率を向上させたい場合にはベルト内周面に接するプレート接触面の総面積が少ない側のベルトで張力制御を行ったほうが効率的である。なお、下側のベルト59にはテンションローラ62のみ設けられている。
図7に示すように、本実施形態の張力制御方法としては、印刷時に使用紙種をユーザーがオペレーションパネル65などにより指定し、その紙種毎に制御部67によってカム61を回転させてテンションローラ60の押圧力を変化させることが考えられる。制御部67は押圧機構64およびオペレーションパネル65に接続している。本例では、張力制御手段はローラ55b,55dの間で張架されたベルト56を押圧する押圧機構64である。押圧機構64は、テンションローラ60と、回転によってテンションローラ60を加圧・脱圧するカム61を有する。所要条件として、設定された用紙の坪量に応じて、押圧機構64によりテンションローラ1本あたりのバネ力を調節することができる。このために、カム61を不図示のモータで回転させ、テンションローラ60に付属のバネを介してテンションローラ60を押圧することで所定のバネ力をベルトに加えればよい。また、例えばカム61を逆方向に回転させることでテンションローラ60を脱圧することができる。表1は坪量とバネ力の関係を示す。制御部67が表1のようなテーブルを備える。これにより、常にベルトに強い張力をかけ続けていた従来の記録材冷却装置に比べて、薄紙の大量印刷時などに生じるベルト搬送に要する駆動力やベルト磨耗を低減させることが可能である。
Figure 0006357873
次に、図8,9を用いて本発明の第2の実施形態に係る記録材冷却装置を説明する。この記録材冷却装置は、図1〜3の構成を有する液冷装置として構成されている。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、定着後用紙温度を検知する温度センサ69を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、ラジエータ吸気温度を検知する温度センサ71をラジエータ(放熱部46)に設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64および温度センサ69,71に接続している。この構成において、通紙する紙種に応じて加圧力を変化させる。具体的には、熱容量と剛性が小さく冷却しやすい薄紙の場合、テンションローラ押圧力は弱めに、熱容量と剛性が大きいため冷却が難しい厚紙の場合、テンションローラ押圧力を強めに設定する。また、定着直後であって冷却直前の用紙温度が低い場合にも密着による熱伝導効率を下げてもよい。そこで、所要条件として温度センサ69により記録材冷却装置通過前の定着後用紙温度を検知し、制御部67が押圧機構64を制御することで定着後用紙温度に応じてテンションローラ押圧力を変化させる。
さらに、記録材冷却装置9の液冷プレートがより低温であるときには、密着による熱伝導効率をある程度下げても十分な冷却性能が得られる。この点に鑑み、所要条件として、液冷プレート温度に大きく影響するラジエータ吸気温度を温度センサ71により検知し、制御部67がラジエータ吸気温度に応じて押圧機構64を制御することでテンションローラ押圧力を変化させる。ここで、ラジエータ吸気温度は記録材冷却装置9が設置された空間の環境温度または記録材冷却装置9内への吸気温度である。
表2は、連続印刷時定常状態においてラジエータ吸気温度が10〜20℃のときの、定着後用紙温度と坪量毎の、用紙をブロッキング回避可能な温度域まで冷却可能なテンションローラ押圧力の例を示す。表3は、ラジエータ吸気温度が20〜30℃のときの、定着後用紙温度と坪量毎のテンションローラ押圧力の例を示す。坪量が大きいほど、また定着後用紙温度が高いほど、冷却効率を高める必要があるため、加えるべきテンションローラ押圧力も高くなっている。このとき、用紙の坪量だけでなく銘柄などまで指定したテーブルを作ることでより好適な制御が可能になる。本実施形態では制御部67が表2,3のようなテーブルを備える。
Figure 0006357873
Figure 0006357873
図9は本実施形態の記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。
ユーザーによりオペレーションパネルから紙種(銘柄、坪量、用紙サイズなど)が入力され(S1)、印刷が開始すると(S2)、制御部67は温度センサ71で検知されたラジエータ吸気温度(S3)、温度センサ69で検知された定着後用紙温度を読み込む(S4)。そして、制御部67は、表2に従って紙種、ラジエータ吸気温度および定着後用紙温度から該当テンションローラ押圧力を読み込み(S5)、カム61を所定位置まで回転させてテンションローラ60を押し下げる(S6)。その後印刷ジョブが終了すると(S7,Yes)、テンションローラ60の加圧を解除し(S8)、印刷が終了する。印刷ジョブが終了していない場合は(S7,No)、温度センサ71,69での温度をモニターしておき(S3,S4)、温度変化に応じてテンションローラの押圧力を変化させる(S5,S6)。
次に、図10を用いて本発明の第3の実施形態に係る記録材冷却装置について説明する。
本実施形態では、所要条件としての記録材の連続通紙枚数に応じてテンションローラ押圧力を変更する。記録材冷却装置9の構成は図8と同様である。
図10は、5Nおよび8Nのテンションローラ押圧力で300gsmの用紙を連続印刷する場合の、ある定着後用紙温度で記録材冷却装置に突入する用紙の通紙枚数と、タンク49内の冷却液温度および記録材冷却装置から排紙される用紙温度の関係を示す。連続通紙を行うと吸熱により液冷プレートの温度が上がるため、冷却後排紙温度も徐々に上昇する。テンションローラ押圧力が高く(8N)、ベルト張力が高いと、記録材冷却装置を通過する用紙、ベルトおよび液冷プレートの密着性が向上するため、冷却効率が向上して排紙温度は低下し、吸熱量は増大する。そのため、流量が同条件であれば図示のように5Nのときよりも8Nのときのほうが冷媒である冷却液の温度は高くなる。しかし、このような装置では一般的に冷却液温度よりも用紙−ベルト−液冷プレートの接触状態のほうが冷却性能に対して支配的であるため、結局テンションローラ押圧力が高いほうが、冷却後排紙温度は低い。
ところで、連続通紙を行うことで冷却液温度が上昇するということは液冷プレートの温度上昇にも繋がるため、冷却液温度が高くなった場合にはより冷却効率を増すためにベルトの張力を高める必要がある。
図10に示す例では、連続100枚通紙を超えるとテンションローラ押圧力5Nでは冷却後排紙温度がブロッキング発生温度を超えてしまうため、押圧力を増加しなければならない。だが、連続通紙枚数が100枚以下では押圧力5Nでも冷却後排紙温度をブロッキング発生温度以下に冷却可能である。そこで本実施形態では、紙種を指定してラジエータ吸気温度と定着後用紙温度を検知し、これらの検知結果と通紙枚数に応じてテンションローラ押圧力を表4のように与える。これによって、通紙枚数が少なく記録材冷却装置が温まっていない状態において必要以上のベルト張力を与えることによるベルトの磨耗の促進を回避できる。表4はラジエータ吸気温度25℃での条件を記述しているが、吸気温度がこれよりも高い場合には押圧力を上げ、低い場合には押圧力を下げればよい。本例では、連続通紙枚数101枚以上の場合、100枚目までは通紙枚数100枚以内に対応したテンションローラ押圧力を与え、100枚を超えたらテンションローラ押圧力を強化する。
ここでの押圧条件は一例であり、連続通紙枚数に対してより細かく押圧条件を決めて、複数段階で押圧力を変更してもよい。
Figure 0006357873
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図11は本実施形態の記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。
ユーザーによりオペレーションパネルから紙種(銘柄、坪量、用紙サイズなど)が入力され(S10)、制御部67は印刷枚数が100枚以上かどうか判断する(S11)。100枚以下の場合(S11、No)、印刷が開始すると(S12)、制御部67は温度センサ71で検知されたラジエータ吸気温度(S13)、温度センサ69で検知された定着後用紙温度を読み込む(S14)。そして、制御部67は、100枚以内の場合の表4に従って紙種、ラジエータ吸気温度および定着後用紙温度から該当テンションローラ押圧力を読み込み(S15)、カム61を所定位置まで回転させてテンションローラ60を押し下げる(S16)。その後印刷ジョブが終了すると(S17,Yes)、テンションローラ60の加圧を解除し(S18)、印刷が終了する。印刷ジョブが終了していない場合は(S17,No)、温度センサ71,69での温度をモニターしておき(S13,S14)、温度変化に応じてテンションローラの押圧力を変化させる(S15,S16)。
一方、100枚以上の場合(S11、Yes)、印刷が開始後に(S19)、制御部67は先程と同様にして(S19〜23)、100枚までは(S24,No)、100枚以内の場合の表4に従ってテンションローラ押圧力を調節する。そして、100枚を超えたときは(S24、Yes)、制御部67は100枚超えの場合の表5に従って紙種、ラジエータ吸気温度および定着後用紙温度から該当テンションローラ押圧力を読み込み(S25)、カム61をさらに回転させてテンションローラ60の加圧力を増加させる(S26)。その後の制御(S27,S28)は先程と同様である。
次に、図12を用いて本発明の第4の実施形態に係る記録材冷却装置について説明する。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、定着後用紙温度を検知する温度センサ69を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、タンク49内の冷却液温度を検知する温度センサ73をタンク49に設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64、温度センサ69および温度センサ73に接続している。連続通紙された用紙を冷却していくと、図10に示すように冷却液は吸熱により徐々に高温になって冷却能力が低下し、最終的には定常状態になる。先述の実施形態では連続通紙枚数によってテンションローラ押圧力を変化させたが、本実施形態では所要条件として温度センサ73により冷却液温度を随時検知し、これに基づき制御部67が張力制御手段を制御する。そして、冷却液の温度上昇に応じてテンションローラ押圧力を上昇させて冷却効率を上げ、逆に不必要な押圧力の付加を回避しつつ、排紙温度がブロッキング発生温度に達しないように冷却を行う。表6は、300gsmの用紙を冷却する際の、定着後用紙温度と冷却液温度に対するテンションローラ押圧力の例を示す。本実施形態では制御部67は紙種ごとに表6のようなテーブルを備える。
Figure 0006357873
図13は本実施形態の記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。
ユーザーによりオペレーションパネルから紙種(銘柄、坪量、用紙サイズなど)が入力され(S30)、印刷が開始すると(S31)、制御部67は温度センサ73で検知されたタンク49内の冷却液温度(S32)、温度センサ69で検知された定着後用紙温度を読み込む(S33)。そして、制御部67は、表6に従って紙種、冷却液温度および定着後用紙温度から該当テンションローラ押圧力を読み込み(S34)、カム61を所定位置まで回転させてテンションローラ60を押し下げる(S35)。その後印刷ジョブが終了すると(S36,Yes)、テンションローラ60の加圧を解除し(S37)、印刷が終了する。印刷ジョブが終了していない場合は(S36,No)、温度センサ73,69での温度をモニターしておき(S32,S33)、温度変化に応じてテンションローラ押圧力を変化させる(S34,S35)。
次に、図14を用いて本発明の第5の実施形態に係る記録材冷却装置について説明する。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、定着後用紙温度を検知する温度センサ69を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、液冷プレート温度を検知する温度センサ75を冷却部材33a,33b,33cに設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64、温度センサ69,75に接続している。本実施形態は、温度検知対象が冷却液でなく液冷プレートであることを除き第4の実施形態と共通である。所要条件として温度センサ75により液冷プレートの温度を検知し、これに基づき制御部67が張力制御手段を制御する。連続通紙された用紙を冷却していくと、図10に示すように冷却液は吸熱により徐々に高温になって冷却能力が低下する。よって、最終的に定常状態になる液冷プレート温度に関しても同様である。先述の実施形態では連続通紙枚数によってテンションローラ押圧力を変化させたが、本実施形態では液冷プレートの温度を随時直接検知する。そして、液冷プレートの温度上昇に応じてテンションローラ押圧力を上昇させて冷却効率を上げ、逆に不必要な押圧力の付加を回避しつつ、排紙温度がブロッキング発生温度に達しないように冷却を行う。
本実施形態では、検知した3枚の液冷プレート温度の平均値を液冷プレート温度の代表値とするが、重み付けなどを行ってより最適な値を代表値としてもよいし、液冷プレートのうちのいずれか2枚又は1枚の温度検知を行ってもよい。
次に、図15を用いて本発明の第6の実施形態に係る記録材冷却装置について説明する。
本実施形態では張力制御手段を上下のベルト56,59に設け、ラジエータ吸気温度を検知する温度センサ71をラジエータ(放熱部46)に設けている。また、記録材冷却装置に対する用紙の突入タイミングを検知する通紙検知センサ77を定着装置8と記録材冷却装置9の間に設け、冷却後用紙温度を検知するための温度センサ79を記録材冷却装置9の用紙搬送方向下流側に設けている。制御部67は、オペレーションパネル65、押圧機構64、温度センサ71、通紙検知センサ77および温度センサ79に接続している。所要条件として温度センサ79により記録材冷却装置通過後の記録材温度を検知し、これに基づき制御部67が張力制御手段を制御する。
図16は本実施形態の記録材冷却装置の動作を示すフローチャートである。以下では、1枚の用紙を通紙する場合または連続通紙時の紙間距離が記録材冷却装置内の用紙搬送距離よりも長い場合を想定する。
動作時には、制御部67は、ユーザーがオペレーションパネルより設定した通紙する用紙種類を読み込み(S40)、用紙種類に応じたベルトへの張力付加時のカム位置を決定する(S41)。例えば、設定された用紙の坪量に応じて、表1に従う所定のバネ力をベルトに加えればよい。そして、通紙を開始した際(S42)、通紙検知センサ77で検知した(S43)、用紙が記録材冷却装置9に突入するタイミングで、カム61,63を所定の位置まで回転させてテンションローラ60,62によるベルト加圧を行い、必要な張力をかける(S44)。そして、用紙が記録材冷却装置9を通過した際にテンションローラ60,62の脱圧を行う(S45)。これにより、通紙している間のみ必要な張力をかけ、液冷プレートの冷却面への接触面圧増加によるベルト磨耗の増大を抑制することができる。用紙が記録材冷却装置9を通過するタイミングは、(線速×通紙検知センサ検知後の時間)>(記録材冷却装置内の用紙搬送距離+用紙サイズ)となったときであり、これは制御部67で算出される。
さらに、冷却後の用紙温度を温度センサ79で検知する(S46)。この温度が目標冷却後用紙温度Ts[℃]よりも高く所望の冷却性能が得られていない場合(S47,Yes)、以降の通紙時におけるカム位置を変更し、テンションローラ60,62によるベルト56,59への張力付加を強める。これにより冷却効率を高め、冷却後用紙温度を目標冷却後用紙温度Ts[℃]以下に制御することができる。
次に、図17を用いて本発明の第7の実施形態に係る記録材冷却装置について説明する。
図17(a)のように、冷却面(接触面の総面積)の大きさの異なる冷却部材33d,33eを用いて、冷却面(接触面の総面積)の小さい冷却部材33dが接触しているベルト56に対して張力制御手段を備えてもよい。また、図17(b)のように、冷却面の大きさが同等の冷却部材33a,33b,33cを用いて、一方の側に冷却部材33aを設け、他方の側に冷却部材33b,33cを連続して設けてもよい。この場合も、ベルトとの接触面積の小さい冷却部材33aが接触しているベルト56に対して張力制御手段を備えればよい。冷却部材の冷却面との接触面積の小さいベルトに張力制御手段を設ける限り、冷却部材の数や配置などはここに示したものに限られない。また、制御部(不図示)が張力制御手段を制御するための所要条件としては、前記実施形態で説明したいずれの条件を用いてもよい。
以上のように、ベルト方式の記録材冷却装置では、特に冷却部材の冷却面が曲面を有する場合、記録材とベルトと冷却部材の間の圧力を高めることで厚紙などの剛性の高い記録材でも冷却面に沿うように搬送を補助して冷却効率を向上させることができる。だが、常に厚紙に対応できるだけの圧力を与えていると、大きな圧力によってベルトと冷却部材が強く摺擦することで搬送負荷が大きくなったり、大きな磨耗が生じて磨耗粉が発生しやすくなり、清掃やベルト交換などのメンテナンス頻度が増えたりする。しかし、薄紙使用時や、大きな冷却効率が必要ない場合(例えば寒冷地で使用するため非常に冷たい吸気が得られる場合など)では、大きな圧力は必要ない。例えば、主に薄紙だけを使用するユーザーにとっては常に大きい圧力をかけ続けることは無駄なメンテナンス機会を増やすことになり、利便性の妨げとなる。本発明によれば、記録材とベルトと冷却部材の間の圧力を必要なときだけ与える制御を行うことで、必要以上の磨耗を回避することができる。
また、上下のベルトでそれぞれの内周面と接している冷却部材の接触総面積が異なり、1つのベルトの張力制御手段を設けるとき、内周面で接している冷却部材の接触面積が小さいほうのベルトにこれを設けて張力制御を行うことで、他方に設けるよりも効率的な冷却効果が得られる。
9 記録材冷却装置
31 第1の搬送機構
32 第2の搬送機構
33 冷却部材
55,57,58 ローラ(張架部材)
56,59 ベルト(ベルト部材)
67 制御部
特開2013−109028号公報 特開2006−349884号公報

Claims (10)

  1. 対向して配置される第1の搬送機構および第2の搬送機構によって記録材を挟持搬送しながら冷却する記録材冷却装置において、
    前記第1の搬送機構および前記第2の搬送機構は、ベルト部材と、該ベルト部材を張架する張架部材を備え、
    前記第1の搬送機構および前記第2の搬送機構は、前記ベルト部材の内周面に接触して前記記録材を冷却する冷却部材をそれぞれ備え、
    前記ベルト部材の内周面に接触する前記冷却部材の接触面の総面積が、前記第1の搬送機構と前記第2の搬送機構とで異なり、
    2つの前記ベルト部材のうち、少なくとも前記ベルト部材の内周面に接触する前記冷却部材の接触面の総面積が少ない前記ベルト部材に、前記ベルト部材の張力を変化させる張力制御手段を備え、
    所要条件に基づいて前記張力制御手段を制御する制御部を有する、ことを特徴とする記録材冷却装置。
  2. 前記張力制御手段は複数の前記張架部材の間で張架された前記ベルト部材を押圧する押圧機構である、ことを特徴とする請求項1に記載の記録材冷却装置。
  3. 前記押圧機構はテンションローラを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の記録材冷却装置。
  4. 前記所要条件は前記記録材の種類である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
  5. 前記所要条件は記録材冷却装置が設置された空間の環境温度または記録材冷却装置内への吸気温度である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
  6. 前記所要条件は記録材冷却装置通過前または記録材冷却装置通過後の記録材温度である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
  7. 前記所要条件は前記冷却部材を通過する冷媒の温度である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
  8. 前記所要条件は前記冷却部材の温度である、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
  9. 前記所要条件は前記記録材の連続通紙枚数である、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録材冷却装置を有する、ことを特徴とする画像形成装置。
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