JP6794642B2 - 冷却装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送媒体を冷却する冷却装置およびこれを備えた画像形成装置に関するものである。
加熱後の搬送媒体を冷却する方法として、搬送媒体搬送方向にずれて配置されていて搬送媒体の表裏側に設置された冷却手段により搬送媒体の表裏を冷却することが知られている(特許文献1)。
従来、複数の冷却手段を設ける場合、各冷却手段はそれぞれ同じ冷却方式を採用していた。同じ冷却手段はそれぞれ同じ受熱面の形状を有するため、冷却装置への搬送媒体進入方向と排出方向が同じとなる。そのため、冷却装置を通過した搬送媒体を排出方向と異なる位置にある排紙手段へ案内するには案内部材が必要となる。
また、搬送媒体を挟持搬送するために対向するベルトが必要であり、さらに、上流および下流の各冷却装置にそれぞれのベルト駆動手段が必要となる。従って、上流および下流の冷却手段の間に搬送媒体が冷却されない大きな区間が生じることで、装置が大型化し、冷却効率が悪くなる。
そこで本発明は、装置の大型化を抑制しつつ、従来の装置に比べて冷却効率を高めることができる冷却装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するため、本発明に係る冷却装置は、搬送媒体の一方の面を冷却する第1受熱面を有する第1冷却手段と、前記第1冷却手段より搬送媒体搬送方向下流または上流に配置され前記搬送媒体の他方の面を冷却する第2受熱面を有するとともに、前記第2受熱面の形状が前記第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段と、前記第1受熱面に対して内周面が摺接し、且つ前記第2受熱面と外周面とで前記搬送媒体を挟持し搬送するベルト部材と、前記ベルト部材を駆動するベルト駆動手段と、を有し、前記第1冷却手段は、前記第1冷却手段に接触する前記ベルト部材の位置で前記搬送媒体を冷却前記第1受熱面は、搬送媒体搬送方向上流端および下流端よりも中央部が突出する曲面形状をなし、前記第2冷却手段はローラ形状部材である、ことを特徴とする。
冷却装置からの搬送媒体排出方向を進入方向から変えることができ、上流のベルト部材、下流のベルト部材およびベルト駆動手段を共通化できるので、装置の大型化が抑制され、冷却効率が向上する。
実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 図1に示す冷却装置9の概略構成図である。 図2に示す冷却装置9に対する比較例を示す概略図である。 第1冷却部に液冷ジャケットを採用した場合の冷却装置の概略構成図である。 第2冷却部に液冷ローラ方式を採用した場合の冷却装置の概略構成図である。 第1冷却部および第2冷却部に液冷方式を採用した場合の冷却装置の概略構成図である。 第1冷却部を搬送方向下流の下側、第2冷却部を搬送方向上流の上側に配置した場合の冷却装置の概略構成図である。 第1冷却部を搬送方向下流の上側、第2冷却部を搬送方向上流の下側に配置した場合の冷却装置の概略構成図である。 図2に示す冷却装置9の部分拡大図である。 図9に示す冷却装置9と補助ローラ70を示す概略構成図である。 図10に示す冷却装置9の部分拡大図である。 搬送ガイド80の概略平面図である。 搬送ガイドの変形例を示す概略構成図である。 補助ローラ70の変形例を示す概略構成図である。 ベルト駆動手段としての駆動ローラ52と回転体としての駆動ローラ70aの駆動源が同一の場合を示す図である。 図9,10に示す冷却装置の変形例の概略図である。 図9における、第1受熱面32の搬送方向下流側端部と第2冷却部の下部の拡大図である。 図2に示す冷却装置の変形例の概略図である。 第2冷却部のヒートパイプローラの斜視図である。 第1受熱面32の搬送方向下流側を拡大した図である。 図9の部分拡大図である。 図2に示す冷却装置9の変形例を示す概略構成図である。 図2に示す冷却装置9の変形例を示す概略構成図である。 図2に示す冷却装置9に対する比較例を示す概略図である。 インクジェット記録方式の画像形成装置の概略図である。
図1は、実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkを並べて配設したタンデム型の画像形成部を備える。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、画像形成装置本体200に着脱可能に構成されており、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング手段としてのクリーニングブレード5を備えている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1C,1M,1Bkにおいては符号を省略している。
図1において、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザ光を照射する。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、無端状のベルトから構成される転写体としての中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、支持部材としての複数のローラ21〜24に張架されている。ローラ21〜24のうちの1つが駆動ローラとして回転することで、中間転写ベルト10は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)する。
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト10の内周面を押圧しており、中間転写ベルト10の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)および/または交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されている。
中間転写ベルト10を張架するローラ24に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。二次転写ローラ12は中間転写ベルト10の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)および/または交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されている。
画像形成装置本体200の下部には、紙やOHP等のシート状の搬送媒体としての記録材Pを収容した複数の給紙カセット13が配設されている。本実施形態においては、ロール状に巻かれ連続する記録媒体であってもよい。各給紙カセット13には、収容されている記録材Pを送り出す給紙ローラ14が設けてある。画像形成装置本体200には、機外に排出された記録材Pをストックする排紙部としての排紙トレイ20が設けてある。
画像形成装置本体200内には、記録材Pを給紙カセット13から二次転写ニップを通って排紙トレイ20へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録材搬送方向上流側にはレジストローラ15が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録材搬送方向下流側には、加熱装置としての定着装置8、冷却装置9、一対の排出ローラ16が順次配設されている。定着装置8は、例えば、内部に図示しないヒータ(熱源)を有する定着部材としての定着ローラ17と、定着ローラ17を加圧する加圧部材としての加圧ローラ18を備える。定着ローラ17と加圧ローラ18とが接触した箇所には、定着ニップが形成されている。なお、定着装置の構成はローラに限定されず、ベルト方式であってもかまわない。
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2が図の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。原稿読取装置100によって読み取られた原稿の画像情報または端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6から帯電された各感光体2の表面にレーザ光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
中間転写ベルト10を張架するローラが回転駆動し、中間転写ベルト10を図の矢印の方向に周回走行させる。各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧または定電流制御された電圧が印加されることで、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2に形成された各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界により、中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト10はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。中間転写ベルト10に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
給紙ローラ14が回転することで、給紙カセット13から記録材Pが搬出される。搬出された記録材Pは、レジストローラ15を通過し、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト10上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されているので、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上のトナー画像が記録材P上に一括して転写される。その後、記録材Pは定着装置8に送り込まれ、定着ローラ17と加圧ローラ18によって記録材Pが加圧および加熱されてトナー画像が記録材P上に定着される。そして、記録材Pは、冷却装置9によって冷却された後、一対の排出ローラ16によって排紙トレイ20に排出される。
両面印刷の場合は、切換爪25a、25bを切り換えて冷却後の記録材Pを反転路26へ導き、その後、切換爪27を切り換えてローラ28を逆回転させ反転後の記録材Pを反転路29からレジストローラ15へと再給紙して記録材の表裏を反転させる。このとき、中間転写ベルト10上には裏面画像となるトナー画像を形成して担持させておき、記録材Pの裏面にトナー画像を転写して定着装置8による定着処理と冷却装置9による冷却処理を経て、排出ローラ16により排紙トレイ20上に排紙する。
以上の説明は、記録材にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ、3つまたは5つ以上のプロセスユニットを使用して、多色の画像を形成したりすることも可能である。
以下、本発明の実施形態に係る冷却装置の構成を説明する。
図2は、図1に示す冷却装置9の概略構成図である。図2(a)は装置正面側から見た冷却装置の概略側面図、図2(b)は装置上面側から見た冷却装置の概略平面図である。
冷却装置9は、記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第1冷却部30と、記録材の表面(片面印刷時における画像面)を冷却する第2冷却部40と、記録材Pを搬送する搬送部50とを有する。冷却装置9は、記録材Pの裏面を冷却する第1受熱面32を有する第1冷却手段としての第1冷却部30と、第1冷却部より記録材搬送方向下流に配置され記録材の表面を冷却する第2受熱面41を有するとともに、第2受熱面の形状が第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段としての第2冷却部40と、第1受熱面32に対して内周面が摺接し、且つ第2受熱面41と外周面とで記録材を挟持し搬送するベルト部材としての搬送ベルト51と、搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段としての駆動ローラ52とを有している。また、第1冷却部30および第2冷却部40は流体が流れる流体流路34を有する。冷却装置からの記録材排出方向を進入方向から変えることができ、上流の搬送ベルト、下流の搬送ベルトおよび駆動ローラを共通化できるので、装置の大型化が抑制され、冷却効率が向上する。
具体的には、第1冷却部30は、搬送媒体搬送方向としての記録材搬送方向に幅を有する平板形状の第1受熱面32を有するヒートシンクであり、第2冷却部40よりも記録材搬送方向上流側に配置されている。ヒートシンクは、第1受熱面32に対して記録材搬送路から離れる方向且つ記録材搬送方向と直交する方向に延在する複数の放熱部材としてのフィン31と、フィン31間の流体流路34を通過する気流を発生させる気流発生手段としてのファン33を有する。第1受熱面32およびフィン31は金属で構成されており、第1受熱面32で受けた記録材からの熱をフィン31を介して放熱することができる。フィン31は図2(b)に示すように、第1搬送ベルト51の真下(第1搬送ベルト51の搬送方向と直交する幅内に対向)に配置されている。
第1搬送ベルト51の内周面とフィン31の先端との間隔D1は、従動ローラ55(54でもよい)の半径D2よりも小さい。さらに従動ローラ55または54の中心は、従動ローラ55と54との間を張架する第1搬送ベルト内周面に対して、フィン31よりも離れる方向に位置している。また、各フィン31の先端と対向する第1搬送ベルト51の内周面の間隔D1は、同じである。言い換えれば、フィン31の先端の並び方向と第1搬送ベルト51の移動方向は平行である。このように第1搬送ベルト51の内周面とフィン31の先端が近づいているので、冷却装置9の搬送方向と交差する方向のサイズを小型化できる。
ファン33は、ヒートシンクの手前(画像形成装置の正面)と背面(画像形成装置の後方)に設けられている。図2(b)に示すように、手前のファン33はフィン31に向けて空気を排出する。背面のファン33はフィン31の内部の空気を吸い込み、画像形成装置の外に気流を排気する。しかし、手前のファン33のみがヒートシンクの手前に設けられてもよい。なお、気流の方向は逆であってもよい。ここで、図2(a)においてフィン31は紙面垂直方向に流体(気流)の流れる流体流路34を形成する。第1冷却部30における流体流路34は記録材搬送方向と交差する方向に形成される。
図2(a)に示すように、冷却装置9よりも記録材搬送方向上流側に配置された定着装置8を通過した記録材Pは、冷却装置9の搬送ローラ65,66と第1受熱面32の間に形成された搬送路を搬送されることで第1受熱面32によって記録材の熱を奪われる。そして第1受熱面32の熱はフィン31を介して放熱され、ファン33によって機外に排出される。なお、図2(b)では搬送ローラ65,66の図示は省略している。
第2冷却部40は回転可能な円筒状のヒートパイプローラである。ヒートパイプローラの第2受熱面41は、第1受熱面32を通過した記録材Pの搬送方向を変更する形状を有する。第2冷却部40は記録材を巻き付けることが可能なため、記録材を冷却しながら搬送方向を変えることが可能である。ヒートパイプローラとヒートシンクとの組合せにより高い冷却能力が得られる。記録材のトナー像が形成されている面と第2冷却部40とが対向(接触)するが、第2冷却部40が搬送方向下流にあるので、記録材上の画像へのストレスを抑制しつつ、搬送角度を変更することが可能である。
ヒートパイプローラは、ヒートパイプ内部42に冷媒が封入されたパイプ状のローラである。ヒートパイプローラは、第2受熱面41を形成する回転部材と、該回転部材の内部に冷媒が収容される収容部である流体流路としてのヒートパイプ内部42と、記録材の熱により気化した収容部内の冷媒を熱交換して液化する放熱部であるフィン43とを有する。
図2(b)に示すように、ヒートパイプローラの長手方向一端(奥側)にはフィン43が設けられており、冷媒の熱を放散するように構成されている。第2放熱部としてのフィン43は図2(b)に示すように、第1搬送ベルト51に対して外側に配置され、第1放熱部としてのフィン31と位置が異なる。ヒートパイプローラの外周は搬送される記録材Pの表面(片面印刷時における画像面)と接しながら、時計回りに搬送ベルト51の移動に伴って連れ回る。
ヒートパイプローラの外周は記録材Pと接する第2受熱面41であり、記録材Pの熱がこの第2受熱面41で奪われる。第2受熱面41の断面形状は円形であり、第1受熱面32の形状とは異なる。記録材Pからの熱を受けたヒートパイプ内部42の液状の冷媒はここで気化し、発生した蒸気はヒートパイプ内部42の中央の通路(流体流路)を通ってフィン43が設けられた奥側に移動する(図2(b))。冷媒(蒸気)は、ファン44からの気流により冷やされたフィンの部位で内壁面に触れて熱交換されて凝縮し液状となる(図2(b))。そして、冷媒は、ヒートパイプ内部42の通路を通って再び手前側の受熱部に移動し、また熱交換されて気化される。このサイクルが繰り返される。ここで、図2(a)においてヒートパイプ内部42は紙面垂直方向に流体(液状の冷媒、気化した気体)が流れる流体流路を形成する。図2(b)において、媒体の流路は記録材搬送方向と交差する方向に延在する。
搬送部50は、ループ状の回動ベルトとして形成された搬送ベルト51と、駆動ローラ52と、従動ローラ53,54,55と、搬送ローラ65,66とを有する。駆動ローラ52は駆動モータにより反時計回りに回転することで、搬送ベルト51を移動させる。搬送ベルト51は図2において右から左に移動し、記録材Pを搬送する。冷却装置9への記録材進入方向と、冷却装置9からの記録材排出方向は異なる方向となっている。搬送ベルト51と第2受熱面41とのニップ出口の位置を、排出ローラ16の方向に設定することで、冷却装置9から排出された記録材Pの方向を排出ローラ16の方向に方向転換するための搬送ガイドが不要となり、搬送ガイドの数を抑制することができる。
また、冷却装置9は、第1受熱面32に対して内周面が摺接し、且つ第2受熱面41と外周面とで記録材を挟持し搬送するベルト部材としての搬送ベルト51と、搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段としての駆動ローラ52とを有している。搬送ベルト51は、第1受熱面32と第2受熱面41の両方に接触する共通ベルトとして機能する。なお、第1冷却部30および第2冷却部40の受熱面の形状は上記形態に限られない。例えば、第1冷却部30をローラ形状とし、第2冷却部40をローラ形状とは異なる形状(例えば曲面形状)としてもよい。
また、搬送ベルト51は定着装置8と接触しない。
従って、定着装置8から排出される記録材の方向(図2における左右方向)を、冷却装置9から排出される記録材排出方向(図2における上下方向)に変更することができる。上流および下流のベルトおよび駆動ローラ52を共通化できるので、装置の大型化が抑制される。また、第1冷却部30および第2冷却部40のいずれか一方をヒートパイプローラとしたときに、他方をヒートパイプ方式とは異なる冷却方法とすると、両方をヒートパイプ方式とした場合に比べて、第1冷却部30および第2冷却部40を記録材搬送方向に近づけることができる。すなわち、第2冷却部40のフィン43の外周面は第2受熱面41の外周面よりも外側に位置し、第1冷却部30の一部(フィン31など)は、フィン43の外周面よりも内側に配置されている。従って、第1冷却部30と第2冷却部40との間の記録材の冷却されない区間を短くできるので冷却効率が向上する。また、記録材の表裏を冷却するので、より高い冷却効果を得ることができる。また、ヒートシンクをヒートパイプローラにより近づけることができ、装置を小型化することが可能となる。
第1冷却部30と第2冷却部40は記録材搬送方向と交差する方向に互いに対向しておらず、記録材搬送方向に互いにずれて配置されている。第1冷却部30と第2冷却部40の受熱面形状が異なるため、これらを対向させた場合は記録材Pとの良好な接触領域を確保することが困難である。従って、複数の冷却手段を記録材搬送方向にずらして配置することにより、各々の受熱面の形状に応じて接触領域の構成を最適化し、記録材Pとの接触領域を十分に確保することが可能となる。
また、定着装置8に近い記録材搬送方向上流側には第1冷却部30を配置し、下流側に第2冷却部40を配置している。搬送ローラ65,66と第1受熱面32のニップ部と、第2受熱面41と搬送ベルト51の接触面からなるニップ部の開始点とはほぼ同一の高さにあり、記録材Pは第1冷却部30から第2冷却部40へスムーズに搬送される。第2冷却部40は、その外周に記録材Pを巻き付けるため、記録材Pを冷却しながら巻き付け角度に応じて搬送方向(搬送角度)を変えることが可能である。しかしながら、初めに第2冷却部40で記録材Pを冷却する場合、第2冷却部40は、定着装置8を通過した高温状態の記録材Pに曲率負荷を与え且つ冷却を行うため、記録材Pに巻き付け方向の巻き癖(カール)を付与することになる。これに対し、第1冷却部30は記録材搬送方向に幅を有しており、曲率負荷の少ない第1冷却部30により高温状態の記録材Pを冷却することでカールを抑制し、記録材が冷却されて安定した状態で、第2冷却部40に案内することが可能である。
更に、第1冷却部30が、定着装置8でトナー画像を定着された面側と反対側に配置されており、第2冷却部40が、記録材搬送路を挟んで第1冷却部30の反対側に配置されている。この位置関係によれば、第1冷却部30の上側に空間を確保できるため、定着装置8と第2冷却部40の間で記録材Pの詰りが発生した場合に、ユーザーが詰まった記録材の処理を行う時の視認性、除去性が向上される。
なお、第1冷却部30の第1受熱面32および第2冷却部40の第2受熱面41の温度は室温と同等に保たれており、平温環境では20〜30℃の範囲にある。ここで第1冷却部30の第1受熱面32は、第2冷却部40の第2受熱面41よりも、記録材Pとの接触幅が長く、記録材Pとの接触領域を確保し易い形状のため、より高い冷却効果を有する。
第1冷却部30としては、記録材搬送方向に幅をもつ第1受熱面32を有するヒートシンクに限られない。例えば、第1冷却部30として、記録材搬送方向に幅をもつ第1受熱面32と液体が流れる流体流路63とを有する液冷方式の冷却手段を用いても良い(図4)。また、第2冷却部40に関しては、回転可能なヒートパイプローラに限られない。例えば、第2冷却部40として、ローラ内に熱輸送のための液体が流れる流体流路63を有する液冷ローラ方式の冷却手段(図5)を採用しても構わない。
図3は、図2に示す冷却装置9に対する比較例を示す概略図である。
図3に示す冷却装置9は、第1冷却部30と第2冷却部40が共に同一形状の受熱面41,41aを有するヒートパイプローラである。ヒートパイプローラは、受熱面41の外径よりもフィン43の外径が大きい。また、フィン43とフィン43aは、搬送ベルト58よりも奥側(紙面の奥側に)であって、搬送方向に互いに隣り合うように配置されている。従って、第2冷却部40のフィン43と第1冷却部30のフィン43aとが干渉してしまうため、受熱面41と受熱面41aとでニップを形成するように記録材搬送方向に対向して配置したり、記録材搬送方向の上下流に近接して配置したりすることができない。
そこで、各フィン43,43aが干渉しないようにするためには、図3のように受熱面41と受熱面41aを記録材搬送方向にずらして配置することになる。すると、各フィン43,43aがずらされた分だけ、冷却装置9が大型化する。また、各フィン43,43aがずれることで、受熱面41と受熱面41aとの間に搬送ベルト58と受熱面が接触しない領域A1が発生し、冷却性能が劣ってしまう。
これに対し、図2の冷却装置9では、第1冷却部30は記録材搬送方向と交差する装置奥側にフィンを有しないので、図2(b)に示すように第2冷却部40のフィン43と第1冷却部30とが干渉する恐れがない。
従って、図2(a)に示すように、第1冷却部30のフィン31または搬送ベルト51をフィン43の内周領域まで入り込ませて配置することができる。これにより図3の構成に比べて記録材搬送方向の装置の大型化を抑制できる。さらに、図2(a)に示す第1受熱面32の左端部(記録材搬送方向下流端部)から第2受熱面41と第1搬送ベルト51の接触面からなるニップ開始位置までの距離(冷却部と接触していない搬送路の領域)を図3に比べて短くできる。従って、図2の冷却装置9は図3に比べて冷却性能が高い。
一方、図2(a)における第1冷却部30のヒートシンクを第2冷却部40にも適用した場合(例えば特許文献2の図15)、フィン31が記録材搬送路を上下方向に貫く方向(高さ方向)に延びているので、冷却装置9の高さ方向のサイズが大型化する。これに対して、冷却装置9を図2のように構成し、第2受熱面41の直径をフィン31の高さよりも低くすると、第1冷却部、第2冷却部にヒートシンクを設けるよりも冷却装置の高さを低くできる。また、記録材搬送方向がほぼ直線状となるヒートシンクとローラ状のヒートパイプローラを組合せることで、冷却装置9の排出方向を記録材進入方向に対してヒートパイプローラの巻き付け角度に応じて変えることができるので、画像形成装置へのレイアウト性が向上する。
このように第1冷却部30と第2冷却部40とを異なる冷却方式(または冷却構成)とすることで、装置を小型化できる。
なお、第1冷却部30と第2冷却部40は図2の形態に限られない。例えば図4に示す液冷方式を採用しても構わない。
図4は、第1冷却部に液冷ジャケットを採用した場合の冷却装置の概略構成図である。図4(a)は装置正面側から見た冷却装置の概略側面図、図4(b)は装置上面側から見た冷却装置の概略平面図である。
この液冷ジャケット67は、内部に液体を循環させる液流路を備える液冷却方式である。冷えた流体(液体)がジャケット内部の流体流路63を流れることで第1受熱面32が冷え、この受熱面によって定着後の記録材Pが冷却される。一方、ヒートパイプローラは、図2に示した第2冷却部40と同じ構成である。このようにヒートパイプローラと液冷ジャケット方式とを組合せることにより、高い冷却能力が得られる。
図4(b)に示すように、第1受熱面32で受けた記録材Pの熱によって温められた液体は、液体を溜めるタンク61、冷却液を循環させるためのポンプ62を通過し、放熱部として機能するラジエータ60で冷やされる。ラジエータ60にはファン60a,60bが設けられ、ファンの気流がラジエータ内部を通過する。その後、液体はジャケット内部の流体流路63を再び流れる。液体(冷却液)には、例えば、水を主成分とし、凍結温度を下げるためのプロピレングリコール又はエチレングリコールや、金属製の部品の錆を防止するための防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)が添加されたもの等がある。なお、ファン60a,60bの気流方向と、ファン44がフィン43に吹き付ける方向とは交差する方向(同じ方向ではない)である。
冷却装置9は、記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第1受熱面32を有する第1冷却手段としての第1冷却部30と、第1冷却部より記録材搬送方向下流に配置され記録材の表面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第2受熱面41を有するとともに、第2受熱面の形状が第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段としての第2冷却部40と、第1受熱面32に対して内周面が摺接し、且つ第2受熱面41と外周面とで記録材を挟持し搬送するベルト部材としての搬送ベルト51と、搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段としての駆動ローラ52とを有している。また、第1冷却部30および第2冷却部40は流体(液体)が流れる流路を有する。第1冷却部30および第2冷却部40における流路は記録材搬送方向と交差する方向に形成される。
図5は、第2冷却部に液冷ローラ方式を採用した場合の冷却装置の概略構成図である。
図示のように、第2冷却部40として、図2(a)のヒートパイプローラに替えて、ローラ内に流体流路63を有する液冷ローラ方式の冷却手段を採用しても構わない。この冷却手段の場合、流体流路63の内側と外側にそれぞれ流路があり、内側と外側の流路を液体が流れる。ローラを通過した後の液体は、図4と同様に液体を溜めるタンク、冷却液を循環させるためのポンプを通過し、放熱部として機能するラジエータで冷やされる。この形態の具体的な構成の一例として特許文献3に開示された構成が適用可能である。記録材Pの搬送時には、第2受熱面64は記録材Pと直接接触する。
この液冷ローラ方式を組合せることでも装置を小型化できる。
冷却装置9は、記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第1受熱面32を有する第1冷却手段としての第1冷却部30と、第1冷却部より記録材搬送方向下流に配置され記録材の表面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第2受熱面41を有するとともに、第2受熱面の形状が第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段としての第2冷却部40と、第1受熱面32に対して内周面が摺接し、且つ第2受熱面41と外周面とで記録材を挟持し搬送するベルト部材としての搬送ベルト51と、搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段としての駆動ローラ52とを有している。また、第1冷却部30および第2冷却部40は流体が流れる流体流路34,63を有する。第1冷却部30および第2冷却部40における流体流路は記録材搬送方向と交差する方向に形成される。
上述した実施形態では、第1冷却部および第2冷却部で異なる冷却方式を用いていたが、これに限られない。
図6は、第1冷却部および第2冷却部に液冷方式を採用した場合の冷却装置の概略構成図である。図6(a)は装置正面側から見た冷却装置の概略側面図、図6(b)は装置上面側から見た冷却装置の概略平面図である。
例えば、図4(a)のヒートパイプローラに替えて、図5に示す液冷ローラ方式の冷却手段を採用してもよい(図6)。図6(a)に示すように、ラジエータ60で冷やされた液体は、搬送方向下流の第2冷却部40の流路63の内部流路を経由して、流路63の外部流路を流れて第2冷却部40の外側に排出される。排出された液体は、搬送方向上流の第1冷却部30の流路63に侵入する。このとき流路63のうち搬送方向下流側の入口から液体が進入する。そして搬送方向上流側の出口から液体が排出され、タンク61、ポンプ62を通過し、ラジエータ60で冷やされる。
第1冷却部30の受熱面32の形状と第2冷却部40の受熱面64の形状は異なっている。記録材Pの搬送時には、第2受熱面64は記録材Pと直接接触する。
図6の形態においても冷却装置9からの記録材排出方向を進入方向から変えることができ、上流の搬送ベルト、下流の搬送ベルトおよび駆動ローラを共通化できるので、装置の大型化が抑制され、冷却効率が向上する。
冷却装置9は、記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第1受熱面32を有する第1冷却手段としての第1冷却部30と、第1冷却部より記録材搬送方向下流に配置され記録材の表面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第2受熱面41を有するとともに、第2受熱面の形状が第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段としての第2冷却部40と、第1受熱面32に対して内周面が摺接し、且つ第2受熱面41と外周面とで記録材を挟持し搬送するベルト部材としての搬送ベルト51と、搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段としての駆動ローラ52とを有している。また、第1冷却部30および第2冷却部40は流体が流れる流路を有する。第1冷却部30および第2冷却部40における流路は記録材搬送方向と交差する方向に形成される。
冷却装置9は、上述した実施形態に限られない。
例えば、第1冷却部30と第2冷却部40の記録材搬送方向における位置を図7のように逆にしてもよい。または図8に示すように、第1冷却部30と第2冷却部40の上下方向位置を逆にしてもよい。
図7は、第1冷却部を搬送方向下流であって記録材搬送路に対して下側に配置し、第2冷却部を搬送方向上流であって記録材搬送路に対して上側に配置した場合の冷却装置9の概略構成図である。
この冷却装置9では、第2冷却部40は、記録材搬送路を挟んだ第1冷却部30に対する反対側且つ記録材搬送方向上流側に配置され、且つ定着装置8でトナー像が定着される面側(記録材Pの搬送路よりも上側)に配置されている。一方、第1冷却部30は、第2冷却部40よりも記録材搬送方向下流側に位置し、且つ定着装置8でトナー像が定着される面とは反対側(記録材Pの搬送路よりも下側)に配置されている。
一般的に、搬送ガイドの形状によって搬送角度を所定の角度に切り替えるが、記録材Pは屈曲した搬送ガイドの形状にならい、擦れながら搬送されるため、画像キズなどの搬送画像不良が発生することがあった。しかし、本実施形態における配置関係によれば、搬送ガイドを用いずに、定着装置8で高温状態になった記録材Pの搬送角度を第2冷却部40によって切り替えながら冷却することができるため、搬送ガイド擦れによる搬送画像不良を抑制することが可能となる。
更に、これらの配置関係によれば、第2冷却部40と、搬送路の下流にある排出ローラ16の間で記録材が詰まった場合でも、第1冷却部30の上側に詰り除去用の空間が確保されるため、ユーザーが詰まった記録材Pの処理を行う時の視認性、除去性を向上させることが可能となる。
この冷却装置9は、記録材Pの表面(片面印刷時における画像面)を冷却する第2冷却部40と、記録材の裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第1冷却部30を有する。冷却装置9は、記録材Pの裏面を冷却する第1受熱面32を有する第1冷却手段としての第1冷却部30と、第1冷却部より記録材搬送方向上流に配置され記録材の表面を冷却する第2受熱面41を有するとともに、第2受熱面の形状が第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段としての第2冷却部40と、第1受熱面32に対して内周面が摺接し、且つ第2受熱面41と外周面とで記録材を挟持し搬送するベルト部材としての搬送ベルト51と、搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段としての駆動ローラ52とを有している。また、第1冷却部30および第2冷却部40は流体が流れる流路を有する。第1冷却部30および第2冷却部40における流路は記録材搬送方向と交差する方向に形成される。また、第2冷却部40のヒートパイプローラの第2受熱面41は、記録材の進入方向とは異なる方向に配置された第1受熱面32に向けて記録材の搬送方向を変更する形状を有する。
図8は、第1冷却部を搬送方向下流であって記録材搬送路に対して上側に配置し、第2冷却部を搬送方向上流であって記録材搬送路に対して下側に配置した場合の冷却装置9の概略構成図である。
この冷却装置9では、第2冷却部40は、第1冷却部30よりも搬送路の上流側に位置し、且つ定着装置8でトナー像が定着される面とは反対側(記録材Pの搬送路よりも下側)に配置されている。一方、第1冷却部30は、記録材搬送路を挟んだ第2冷却部40に対する反対側において第2冷却部40よりも下流側に位置し、定着装置8でトナー像が定着される面側(記録材Pの搬送路よりも上側)に配置されている。
一般的に、搬送ガイドの形状によって搬送角度を所定の角度に切り替えるが、記録材Pは屈曲した搬送ガイドの形状にならい、擦れながら搬送されるため、画像キズなどの搬送画像不良が発生することがあった。しかし、本実施形態における配置関係によれば、搬送ガイドを用いずに、定着装置8で高温状態になった記録材Pの搬送角度を第2冷却部40によって切り替えながら冷却することができるため、搬送ガイド擦れによる搬送画像不良を抑制することが可能となる。
更に、これらの配置関係によれば、記録材との大きい接触領域を有し、より高い冷却効果を有する第1冷却部30をトナー像が形成された面側に配置することで、片面通紙モードにおいては、記録材Pに付着したトナーの冷却・凝固を行い、装置から排出されるまでのトナー面と搬送ガイドとの擦れや、搬送ローラによる光沢ムラなどの搬送画像不良を抑制することが可能となっている。
この冷却装置9は、記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第2冷却部40と、記録材の表面(片面印刷時における画像面)を冷却する第1冷却部30を有する。冷却装置9は、記録材Pの表面を冷却する第1受熱面32を有する第1冷却手段としての第1冷却部30と、第1冷却部より記録材搬送方向上流に配置され記録材の裏面を冷却する第2受熱面41を有するとともに、第2受熱面の形状が第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段としての第2冷却部40と、第1受熱面32に対して内周面が摺接し、且つ第2受熱面41と外周面とで記録材を挟持し搬送するベルト部材としての搬送ベルト51と、搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段としての駆動ローラ52とを有している。また、第1冷却部30および第2冷却部40は流体が流れる流路を有する。第1冷却部30および第2冷却部40における流路は記録材搬送方向と交差する方向に形成される。また、第2冷却部40のヒートパイプローラの第2受熱面41は、記録材の進入方向とは異なる方向に配置された第1受熱面32に向けて記録材の搬送方向を変更する形状を有する。
図9は、図2に示す冷却装置9の部分拡大図である。図10は、図9に示す冷却装置9と補助ローラ70を示す概略構成図である。
図9に示すように、第1冷却部30の第1受熱面32は、記録材搬送方向に幅Wを有し、記録材搬送方向上流端(図の右端)及び下流端(図の左端)よりも中央部が上方に幅Hだけ突出する曲面形状をなしている。また、記録材搬送方向上流における搬送ベルト51と、第2冷却部40の第2受熱面41との接触開始位置HP1は、第1受熱面32の記録材搬送方向上流端と下流端とを結ぶ仮想線(図の二点鎖線)の延長線上に位置している。
ここで、上流端、下流端とは、第1受熱面32の突出開始位置である。もしくは、図10に示すように定着装置8と冷却装置9との間に記録材搬送用の補助ローラ70を設け、補助ローラ70のニップ位置と第2冷却部40上の接触開始位置HP1とを結ぶ仮想線と交わる第1受熱面32の位置を上流端、下流端としてもよい。このとき、第2冷却部40上の接触開始位置HP1は、第2冷却部40の最下端位置よりも第2冷却部40の回転方向上流側に位置する。
従って、第1受熱面32と搬送ベルト51との接触幅を大きくすることができると共に、記録材を第1受熱面32により確実に接触させられるので、より効率的に記録材を冷却することができる。
搬送ガイド71aは、搬送ローラ65と66の間に配置されており、その下端は記録材搬送方向上流から下流に向けて上方から下方に傾斜する傾斜面71a1を有している。言い換えれば、傾斜面71a1は、第1受熱面32と搬送ガイド71aとの間隔が記録材搬送方向上流から下流に向けて小さくなるような形状である。第1受熱面32の上流端は突出しているため、搬送ローラ65と第1受熱面32とのニップ位置に記録材P先端が侵入するとき、記録材P先端は上方に力がかかる。そのため、記録材の種類によっては、記録材のコシによって、搬送ローラ65を通過した記録材P先端が上方に持ち上げられる恐れがある。しかし、搬送ガイド71aの下端部の形状によって、記録材先端を搬送ローラ66と第1受熱面32とニップ位置に案内できる。
搬送ガイド71bは、搬送ローラ66と第2受熱面41の間に配置されており、その下端は記録材搬送方向上流から下流に向けてほぼ水平な面を有している。また、搬送ガイド71bの搬送方向下流端は、第2冷却部40のフィン43の外周面よりも内側に位置している。従って、搬送ガイド71bの搬送方向下流端を第2受熱面41に近づけることができるので、確実に記録材先端を接触開始位置HP1に案内できる。
なお、図2、4〜8における冷却装置9、さらに以下で説明する冷却装置9に搬送ガイド71a、71bを配置してもよい。
また、第2冷却部40はローラ形状部材のヒートパイプローラである。従って、第1冷却部30の第1受熱面32における搬送方向下流側の形状に沿って、第2冷却部40の外周面に搬送ベルト51を這わすことが可能となる。そのため、第1冷却部30の第1受熱面32は搬送方向にベルトと最大限接触することが可能となる。これにより記録材をより効率よく冷却することができる。
図10において、補助ローラ70は、第1冷却部30よりも記録材搬送方向上流に設けられ、定着装置8を通過した記録材を挟持搬送するための回転体を有する搬送手段であり、駆動ローラ70aと従動ローラ70bとで構成されている。駆動ローラ70aを駆動する駆動源と、冷却装置9の駆動ローラ52を駆動する駆動源は、別の駆動源である。
ここで、搬送ベルト51の移動により従動回転する第2冷却部40の回転速度は、駆動ローラ70aの回転速度よりも速い。これにより、第2冷却部40と補助ローラ70との間で記録材が張架されながら搬送されるので、記録材が第1冷却部30へより確実に接触できる。
また、このようにしてベルト駆動手段と別の回転体駆動手段を設けることで、きめ細かい制御ができる。例えば、記録材の種類に応じて駆動ローラ70aの線速と搬送ベルト51の線速との大小関係を変えることができる。
一方、駆動ローラ70aと冷却装置9の駆動ローラ52とは共通の駆動方法としてもよい。駆動ローラ70aと冷却装置9の駆動ローラ52を共通の駆動源で駆動する場合と、別々の駆動源で駆動する場合については後述する。
前述したように、搬送ベルト51の移動により従動回転する第2冷却部40の回転速度は、駆動ローラ70aの回転速度よりも速い。さらに、搬送ベルト51の移動速度は、第2冷却部40の回転速度とほぼ同じである。これにより、記録材先端が第2冷却部40に進入するときに座屈することを抑制できる。
また、第2受熱面41と第1受熱面32の間に2mm以上の最小隙間を確保することが望ましい。これにより、第1受熱面32の下流端32aと第2冷却部40が図17に示す位置関係にあったとしても、記録材Pの先端が第2冷却部40に進入するときに座屈することを抑制できる。
図11は図10に示す冷却装置9の部分拡大図である。搬送ガイド80は、補助ローラ70と第1冷却部30の間に設けられ、記録材を補助ローラ70から第1冷却部30へ案内する。搬送ガイド80は、略平坦な案内部80aと、記録材搬送方向上流から下流に向けて下から上に傾斜した案内面を有する案内部80bを有し、記録材搬送路の下側に位置して記録材裏面側を第1冷却部30へとガイドする。また、搬送ガイド80の概略平面図である図12に示すように、駆動ローラ70aは軸方向に分離して複数形成されており、案内部80bの搬送方向上流端は各駆動ローラ70aの間の軸70a2に向けて延在している。
従って、補助ローラ70を通過した記録材が下方にカールしたとしても、搬送ガイド80により記録材先端を確実に第1冷却部30へ案内することができる。
また、図11において搬送ガイド80は、補助ローラ70のニップ位置と第2冷却部40上の接触開始位置HP1とを結ぶ仮想線(図の二点鎖線)よりも突出しないように配置されている。従って、記録材の裏面が搬送ガイド80と擦れあい、画像に傷が生じることを防止できる。なお、仮想線(図の二点鎖線)よりも上方には搬送ガイド120が設けられている。搬送ガイド120の記録材搬送方向上流端は上方から下方に傾斜する傾斜面120aを有し、記録材先端を記録材搬送方向下流に案内する。搬送ガイド120の記録材搬送方向上流端を除く下端部120bは、ほぼ水平な面を有している。
また、搬送ガイド80はこの形状に限られない。例えば、搬送ガイド80は、搬送ガイドの変形例を示す概略構成図である図13(a)のように、搬送方向上流から下流に向かって全体的に直線状に傾斜してもよい。この構成によれば、搬送方向下流端部を従動ローラ53により近づけることが可能となる。従って、記録材先端を従動ローラ53の上方により確実に案内することが可能となる。
また、図13(b)に示すように、ベース部材80dに搬送ガイド80cを取り付けるようにしてもよい。搬送ガイド80cが汚れた場合、ベース部材80dを取り外すことなく、搬送ガイド80cを交換できる。
さらに、図13(c)に示すように、記録材搬送方向と交差する方向において、部分的に搬送ガイド80cを設けてもよい。搬送ガイド80cは記録材搬送方向に延び、ベース部材80dと異なる材質からなる。例えば、搬送ガイド80cのためにトナーが付着しにくい材料が選択されることが好ましい。また、図12と比べて、図13(c)の駆動ローラ70aは、軸方向幅が短い。これにより、定着後の記録材と接触する補助ローラ70や搬送ガイド80cとの接触面積を上述した例よりも小さくできる。これにより記録材の画像に傷や汚れが生じにくくなる。
なお、搬送ガイド80cは、記録材搬送方向と交差する幅方向中央に対して外側に広がるようにしてもよい。
また、補助ローラ70の変形例を示す概略構成図である図14のように、従動ローラ70bの回転中心は駆動ローラ70aの回転中心よりも搬送方向上流側にずれて配置されてもよい。すなわち、この冷却装置9は、第1冷却部30より記録材搬送方向上流に、定着装置8を通過した記録材を挟持搬送する第1回転体としての駆動ローラ70aおよび第2回転体としての従動ローラ70bを有する搬送手段としての補助ローラ70を備え、駆動ローラ70aは記録材搬送路に対して第1冷却部30側に設けられ、従動ローラ70bは記録材搬送路に対して第2冷却部40側に設けられ、従動ローラ70bの回転中心は駆動ローラ70aの回転中心に対して記録材搬送方向上流側にずれている。これにより、補助ローラ70のニップ部から出る記録材が上向きに排出されるので、より確実に第1冷却部30の第1受熱面32に向けて記録材を搬送できる。
次に、図15を用いて、ベルト駆動手段としての駆動ローラ52と回転体としての駆動ローラ70aの駆動源を共通の駆動源とした場合について説明する。
搬送ベルト51は、駆動源から駆動が伝達された駆動ローラ52が反時計回りに回転することにより、記録材搬送方向に移動している。また、駆動ローラ52の同軸上にあるプーリ86から、タイミングベルト91、プーリ88,89を介して、駆動ローラ70aの同軸上にあるプーリ87へと駆動伝達を行うことで、駆動ローラ70aも記録材を排出する方向(反時計回り)に回転している。プーリ88,89は搬送ローラ65,66の上方に位置しているので、タイミングベルト91は、ファン33と第1冷却部30のフィン31へと繋がる気流経路との干渉を避けるように迂回して巻き回されている。
一方、ヒートパイプローラである第2冷却部40は、搬送ベルト51と接しており、搬送ベルト51と第2冷却部40の第2受熱面41との摩擦力により時計回りに従動回転している。定着装置8から排出された記録材Pは、駆動ローラ70aと従動ローラ70bにより記録材搬送方向下流へと送られ、更に第2冷却部40と搬送ベルト51により挟持搬送されることで更に下流へと移動を行う。
搬送ベルト51の表面の速度は、少なくとも駆動ローラ52の直径と、搬送ベルト51の厚みと、駆動ローラ52の回転数によって決まる。
また、駆動ローラ70aの表面の速度は、少なくとも駆動ローラ70aの直径と、回転数により決まり、この回転数は駆動ローラ52の回転数と、プーリ86,87の歯数の比によって決まる。
そして、第2冷却部40の表面(受熱面41)の速度は、搬送ベルト51の表面と接して回転する際の摩擦による滑りを考慮すると、搬送ベルト51の表面の速度とほぼ同じである。
図15のような構成の場合、駆動ローラ70aの表面の速度が搬送ベルト51の表面の速度よりも速いと、駆動ローラ70aと従動ローラ70bで挟持搬送される記録材Pは、搬送ローラ65,66と搬送ベルト51の挟持位置から駆動ローラ70aの間で座屈(波を打つように撓む)し、記録材Pと第1冷却部30との接触領域が減少する恐れがある。そのため、この区間における記録材Pの座屈を抑制するためには、駆動ローラ70aの表面の速度が搬送ベルト51の表面の速度よりも遅くなるように設定することが望ましい。
例えば、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値と、駆動ローラ70aの直径が同じである場合、プーリ87の歯数とプーリ86の歯数との比(減速比)を1より大きくすればよい。
または、プーリ86の歯数とプーリ87の歯数との比(減速比)が1である場合、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値を、駆動ローラ70aの直径よりも大きくすればよい。
もしくは、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値が、駆動ローラ70aの直径よりも小さい場合、駆動ローラ70aの表面の速度が搬送ベルト51の表面の速度よりも遅くなるようにプーリ86の歯数よりもプーリ87の歯数を大きくすればよい。
この駆動方法により、部品点数を減少させ、装置を小型化することができる。
次に、図2,9,11などの実施形態に適用可能な、ベルト駆動手段としての駆動ローラ52と回転体としての駆動ローラ70aの駆動源が別々の場合の制御を説明する。
この場合、冷却装置9は、ベルト駆動手段としての駆動ローラ52に加えて、第1冷却部30より記録材搬送方向上流に、定着装置8を通過した記録材を挟持搬送する回転体としての駆動ローラ70aおよび当該回転体を駆動する回転体駆動手段を有する搬送手段としての補助ローラ70を備える。だが、図15に示すプーリ86,87,88,89とこれに巻き付けられたベルト91は不要である。
搬送ベルト51の表面の速度は、少なくとも駆動ローラ52の直径と、搬送ベルト51の厚みと、駆動ローラ52の回転数によって決まる。
また、駆動ローラ70aの表面の速度は、少なくとも駆動ローラ70aの直径と、駆動ローラ70aの回転数によって決まる。
従って、駆動ローラ70aの表面の速度が搬送ベルト51の表面の速度よりも遅くなるようにするには、次のように設定すればよい。
例えば、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値と、駆動ローラ70aの直径が同じである場合、駆動ローラ52の回転数よりも駆動ローラ70aの回転数を小さくすればよい。
または、駆動ローラ52の回転数と駆動ローラ70aの回転数が同じである場合、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値を、駆動ローラ70aの直径よりも大きくすればよい。
もしくは、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値が、駆動ローラ70aの直径よりも小さい場合、駆動ローラ70aの表面の速度が搬送ベルト51の表面の速度よりも遅くなるように駆動ローラ52の回転数よりも駆動ローラ70aの回転数小さくすればよい。
この駆動方法によりベルト駆動手段と別の搬送補助駆動手段を設けることで、駆動ローラ52と駆動ローラ70aの回転数をそれぞれ制御可能なので、細かい駆動制御が可能となる。例えば、記録材の種類に応じて駆動ローラ70aの線速と搬送ベルト51の線速との大小関係を変えることができる。
図16は、図9,10に示す冷却装置の変形例の概略図である。
図16に示すように、第1冷却部30の第1受熱面32の上面の中央を平らに構成し、補助ローラ70のニップ位置と、第2冷却部40と搬送ベルト51の接触開始位置HP1とを結ぶ仮想線上(図の破線)に第1受熱面32の上面を配置してもよい。そのとき、接触開始位置HP1は第2冷却部40の最下点に位置する。最下点とは、例えば第2受熱面41の回転中心から下方に伸ばした垂線と第2受熱面41の外周との交点である。これにより搬送ベルト51を駆動する駆動トルクが低減するとともに、搬送ベルト51の裏面が第1受熱面32に強く押し付けられないため、ベルト耐久性が向上する。
図17は、図9における、第1受熱面32の搬送方向下流側端部と第2冷却部の下部の拡大図である。
第1受熱面32における記録材搬送方向上流端から下流端を幅方向(図の左右方向)としたとき、第1受熱面32の下流端32aは、幅方向(図の左右方向)における第2冷却部40の幅内に位置している。または、第1受熱面32の下流端32aは、第2冷却部40の搬送方向最上流位置HRよりも搬送方向下流側に位置しているとも言える。また、より具体的には、第1受熱面32の下流端32aは、第2冷却部40のフィン43の外周面よりも内側に位置している。
これにより、第1冷却部30と第2冷却部40とを記録材搬送方向に相対的に近づけることができるので、装置が小型化するとともに、冷却効果がより高くなる。
図18は、図2に示す冷却装置の変形例の概略図である。
この冷却装置9では、第2冷却部40は、搬送ベルト51の移動に伴い従動回転するとともに第2受熱面41と搬送ベルト51とで記録材を挟持搬送する回転体であり、搬送ベルト51の厚さ方向と同じ方向に移動可能である。
本画像形成装置は、薄紙から厚紙までのあらゆる厚さの記録材を搬送可能であるが、第1冷却部30の下流端を第2冷却部40に近づけすぎると、両者の距離が短くなるため、記録材が第2冷却部40と第1冷却部30の間でしごかれる可能性がある。
そこで、第2冷却部40は、図18のように第1受熱面32上における搬送ベルト51の厚さ方向と同じ方向に移動可能とした。これにより、記録材の厚さに応じて第2冷却部40が移動可能となり、記録材へのストレスを抑制し、ベルト駆動負荷を抑制できる。
具体的には、画像形成装置にはガイド穴83を備えた板金85が固定されており、第2冷却部40のヒートパイプローラの軸端部はベアリング81により保持され、ベアリングはベアリングホルダ82により保持されている。ベアリングホルダ82はばね84により付勢されていて、ベアリングホルダ82はガイド穴83内を移動可能に設けられている。ばね84の一端はガイド穴83に固定され、他端はベアリングホルダ82に固定されている。よって、第2冷却部40がばねの付勢力より大きい力を記録材Pから受けると、第2冷却部40はガイド穴83の長手方向または図の矢印方向に移動することができる。
図19は、第2冷却部のヒートパイプローラの斜視図である。
第2冷却部40は、搬送ベルト51の移動に伴い従動回転するとともに第2受熱面41と搬送ベルト51とで記録材Pを挟持搬送する回転体であり、第2冷却部40の第2受熱面41の外表面はコート層90を有する。コート層90の領域Lcoatは、記録材の搬送幅以上にわたって形成されていれば良く、これ以上の範囲については不要である。またコート層90は、トナーが付着しにくい材料、例えば高離型ガラスコーティング材(SiO)からなる。ヒートパイプローラがトナー像と対向する位置にある場合、第2冷却部40は半溶融状態のトナーが載った記録材の表面に接触するが、コート層90によりトナー像が第2冷却部40に付着することが抑制される。なお、このヒートパイプローラは、記録材Pの表面(片面印刷時における画像面)に設けられても裏面(片面印刷時における非画像面)に設けられてもよい。ヒートパイプローラが記録材Pの表面(片面印刷時における画像面)に設けられる場合、片面印刷時でもコート層90は記録材上のトナー像と必ず接触し、ヒートパイプローラが記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)に設けられる場合、両面印刷時にはコート層90は記録材上のトナー像と必ず接触するからである。
搬送ベルト51の材質はポリイミド等の薄膜樹脂材である。また、記録材Pの裏面の光沢ムラを抑制するために、ベルト51の表面の算術平均粗さ(Ra)を0.4〜3.2μm、好ましくは0.6〜1.9μmの範囲としている。
上記コート層と搬送ベルト51との関係により、記録材が第2受熱面41と搬送ベルト51とで挟持されていないときでも、第2受熱面41が搬送ベルト51に貼り付くことを抑制できる。
なお、コート層に代えて、第2冷却部40の第2受熱面41に表面処理を施してもよい。例えば、フッ素系のチューブを熱収縮させて第2受熱面41の外周に取り付けてもよい。これにより、コート層と同様の効果が得られる。
図20は第1受熱面32の搬送方向下流側を拡大した図である。
図示のように、第1受熱面32は主冷却面32dと補助冷却面32cとを有し、第1受熱面32における記録材搬送方向上流端および下流端は曲面形状をなす。主冷却面32dは仮想中心O1を中心とした曲率半径R1の面として構成され、補助冷却面32cは仮想中心O2を中心とした曲率半径R2の面として構成される(R1>R2)。例えば、R1=754.8mm、R2=2mmである。
この補助冷却面32cを設けることにより、第1冷却部に搬送ベルト51が下方に強めに張架されて搬送ベルト51の張力を高く保ち、さらに搬送ベルト51を補助冷却面32cに接触させることができる。補助冷却面32cは曲面であるため、主冷却面32dの両端が角ばっている場合に生じ得るベルトの急速な磨耗を回避させることができる。また、上流端および下流端への応力集中によるベルト裏面の傷を抑制できる。
また、主冷却面32dの搬送方向全域を有効に使用して、高い冷却効果を得ることができる。
図21は、図9の部分拡大図である。
図21に示すように、第1受熱面32とベルト51との記録材搬送方向における接触幅Wは、第2受熱面41と搬送ベルト51との接触幅41bよりも大きい。
従って、第1受熱面32での冷却効果が大きくなり、記録材がHP1に進入したときの第2受熱面41へのトナーの付着を抑制でき、画像への傷を抑制できる。
図22は、図2に示す冷却装置9の変形例を示す概略構成図である。
図2の冷却装置9では、第2冷却部40の第2受熱面41は記録材と直接接触していたが、本実施形態の冷却装置9では、第2冷却部40の第2受熱面41は搬送ベルト69を介して記録材と接触する。ここで、第2冷却部40は記録材Pを搬送する搬送ベルト69を有している。搬送ベルト69の内周面に、第2冷却部40のヒートパイプローラ(第2受熱面41)、駆動ローラ68および従動式の搬送ローラ65,66が掛け回されている。駆動ローラ68は駆動モータにより時計回りに回転することで、搬送ベルト69を時計回りに移動させる。しかし、これに代えて、搬送ベルト51の駆動ローラ52用の駆動モータのみを駆動源として用いてもよい。例えば、搬送ベルト51の移動に伴い、搬送ベルト69を連れ回るようにすればよい。または、駆動ローラ52の軸にギアを設け、ギア列を介して、駆動ローラ52を駆動ローラ68のギアに連結させることもできる。
従って、前述の実施形態の効果に加え、搬送ベルト51と搬送ベルト69とで記録材を挟持し搬送しながら冷却することで、記録材上のトナー画像の擦れをより低減できる。
図23は、図2に示す冷却装置9の変形例を示す概略構成図である。
図2の冷却装置9では、第1冷却部30のフィン31の先端は開放されていたが、本実施形態の冷却装置9では、フィン31の先端側の開口部を覆う蓋部材35が設けられている。蓋部材35は、ヒートシンクの正面側から背面側に渡って連続して設けられている。フィン31は蓋部材35と受熱部32と記録材搬送方向両端の各フィン31とによって囲まれている。このように、フィン31の周囲が囲まれることで、フィン31に沿って気流が通過する流体流路34が形成されている。
また、第1搬送ベルト51の内周面と蓋部材35の外面との間隔D1は、従動ローラ55(54でもよい)の半径D2よりも小さい。さらに従動ローラ55または54の中心は、従動ローラ55と54との間を張架する第1搬送ベルト内周面に対して、蓋部材35よりも離れる方向に位置している。また、蓋部材35と対向する第1搬送ベルト51の内周面は平行である。このように第1搬送ベルト51の内周面と蓋部材35が近づいているので、冷却装置9の搬送方向と交差する方向のサイズを小型化できる。また、蓋部材35の外面は平面または曲面であるため、図2の例に比べてより第1搬送ベルト51の内周面に蓋部材35を近づけて配置できる。
なお、蓋部材35は上述した全ての実施形態におけるヒートシンクに適用可能である。
図24は、図2に示す冷却装置9に対する比較例を示す概略図である。図24(a)は装置正面側から見た冷却装置の概略側面図、図24(b)は装置上面側から見た冷却装置の概略平面図である。
図24に示す冷却装置9は、記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第1冷却部30と、記録材の表面(片面印刷時における画像面)を冷却する第2冷却部40を有し、第1受熱面41aを有する第1冷却部30と第2受熱面41を有する第2冷却部40が共に同一形状のヒートパイプローラである。冷却装置9は、第1ベルト部材としての搬送ベルト51を介して記録材Pと接触する第1受熱面41aを有する第1冷却手段としての第1冷却部30と、記録材Pと直接接触する第2受熱面41を有する第2冷却手段としての第2冷却部40と、を少なくとも有する。また、第1冷却部30および第2冷却部40は流体が流れる流路を有する。
図3に示す比較例では、フィン43とフィン43aは、搬送ベルト58よりも奥側(紙面の奥側に)であって、搬送方向に互いに隣り合うように配置されている。従って、受熱面41と受熱面41aを搬送方向に互いに近づけると、フィン43とフィン43aとが干渉する。
これに対し、図24(b)に示すように、第2冷却部40はフィン43が装置奥側に位置するように配置されるのに対し、第1冷却部30はフィン43aが装置手前側に位置するように配置されている。そのため、図3と比べて図24の例では、第2冷却部40のフィン43と第1冷却部30のフィン43aとが干渉することなく、第1受熱面41aと第2受熱面41をより近づけることができる。しかし、図24(b)に示すように、フィン43,43aが搬送ベルト51を挟んで前後に配置されるため、装置前後方向のサイズが大型化する。さらに、フィン43は受熱面41,41aよりも径が大きいため、受熱面をフレームで支持するときの作業性が悪い。例えば、受熱面41は、図24(b)の上方から下方に向けてフレームの支持孔に挿入して固定し、受熱面41aは、図24(b)の下方から上方に向けてフレームの支持孔に挿入して固定する。このように固定方向が逆である。
これに対し、上述した各実施形態のように、第1冷却部と第2冷却部を異なる冷却方式にしたことで、冷却装置9又は画像形成装置本体200の左右方向(記録媒体搬送方向)だけでなく前後方向の大きさを小さくできる。
搬送媒体は電子写真方式の画像形成装置に用いられる記録媒体に限られない。例えばインクジェット記録方式の画像形成装置(図25)に用いられる記録媒体(シート状またはロール状)でもよい。図25は、インクジェット記録方式の画像形成装置の概略図である。記録材Pは搬送手段110により搬送され、インクジェットヘッド113より液が記録材上に吐出され画像が形成される。記録材Pが案内されるプラテン112の下方には、プラテン112を介して記録材Pを加熱する電熱ヒータ等の加熱手段111が設けられている。加熱手段111は、記録材表面に着弾した溶剤インク滴を強制的に加熱して、そのインク滴に含まれる浸透性の高い有機溶剤を外気中に素早く蒸発させる。その後、記録材Pは上記実施形態のいずれかの冷却装置9にて冷却される。なお、加熱手段はインクジェットヘッド113に対して搬送方向下流側に設けられるものでもよい。
また、搬送媒体は画像形成装置内を搬送するものに限られず、加熱後に冷却するプロセスをともなう装置内を搬送する搬送媒体(例えば電子基板など)にも適用可能である。
8 定着装置
9 冷却装置
30 第1冷却部(第1冷却手段)
32 第1受熱面
40 第2冷却部(第2冷却手段)
41 第2受熱面
51 搬送ベルト(ベルト部材)
52 駆動ローラ(ベルト駆動手段)
P 記録材
特開2012−098677号公報 特開2014−219658号公報 特開2011−227315号公報

Claims (10)

  1. 搬送媒体の一方の面を冷却する第1受熱面を有する第1冷却手段と、
    前記第1冷却手段より搬送媒体搬送方向下流または上流に配置され前記搬送媒体の他方の面を冷却する第2受熱面を有するとともに、前記第2受熱面の形状が前記第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段と、
    前記第1受熱面に対して内周面が摺接し、且つ前記第2受熱面と外周面とで前記搬送媒体を挟持し搬送するベルト部材と、
    前記ベルト部材を駆動するベルト駆動手段と、
    を有し、
    前記第1冷却手段は、前記第1冷却手段に接触する前記ベルト部材の位置で前記搬送媒体を冷却
    前記第1受熱面は、搬送媒体搬送方向上流端および下流端よりも中央部が突出する曲面形状をなし、
    前記第2冷却手段はローラ形状部材である、
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 搬送媒体の一方の面を冷却する第1受熱面を有する第1冷却手段と、
    前記第1冷却手段より搬送媒体搬送方向下流または上流に配置され前記搬送媒体の他方の面を冷却する第2受熱面を有するとともに、前記第2受熱面の形状が前記第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段と、
    前記第1受熱面に対して内周面が摺接し、且つ前記第2受熱面と外周面とで前記搬送媒体を挟持し搬送するベルト部材と、
    前記ベルト部材を駆動するベルト駆動手段と、
    を有し、
    前記第1受熱面は、搬送媒体搬送方向に幅を有するとともに、搬送媒体搬送方向上流端および下流端よりも中央部が突出する形状をなし、
    搬送媒体搬送方向上流における前記ベルト部材と前記第2受熱面との接触開始位置は、前記第1受熱面の搬送媒体搬送方向上流端と下流端とを結ぶ仮想線の延長線上に位置している、
    ことを特徴とする冷却装置。
  3. 前記第1受熱面は、搬送媒体搬送方向上流端および下流端よりも中央部が突出する曲面形状をなし、
    前記第2冷却手段はローラ形状部材である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記第1冷却手段より搬送媒体搬送方向上流に、加熱装置を通過した搬送媒体を挟持搬送するための回転体を有する搬送手段を備え、
    前記第2冷却手段の回転速度は、前記搬送手段の回転速度よりも速い、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の冷却装置。
  5. 前記ベルト部材の移動速度は、前記第2冷却手段の回転速度とほぼ同じである、
    ことを特徴とする請求項4に記載の冷却装置。
  6. 前記搬送手段と前記第1冷却手段との間に設けられた搬送ガイドをさらに有し、
    前記搬送ガイドが、搬送媒体搬送方向上流から下流に向けて下から上に傾斜した案内面を有する案内部を有する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の冷却装置。
  7. 前記第1受熱面における搬送媒体搬送方向上流端から下流端を幅方向としたとき、
    前記第1受熱面の前記下流端は、前記幅方向における前記第2冷却手段の幅内に位置している、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の冷却装置。
  8. 搬送媒体の一方の面を冷却する第1受熱面を有する第1冷却手段と、
    前記第1冷却手段より搬送媒体搬送方向下流または上流に配置され前記搬送媒体の他方の面を冷却する第2受熱面を有するとともに、前記第2受熱面の形状が前記第1受熱面の形状と異なる第2冷却手段と、
    前記第1受熱面に対して内周面が摺接し、且つ前記第2受熱面と外周面とで前記搬送媒体を挟持し搬送するベルト部材と、
    前記ベルト部材を駆動するベルト駆動手段と、
    を有し、
    前記第1冷却手段は、前記第1冷却手段に接触する前記ベルト部材の位置で前記搬送媒体を冷却し、
    前記第2冷却手段は、前記ベルト部材の移動に伴い従動回転するとともに前記第2受熱面と前記ベルト部材とで搬送媒体を挟持搬送する回転体であり、
    前記第2受熱面の外表面はコート層を有する、
    ことを特徴とする冷却装置。
  9. 前記第1受熱面と前記ベルト部材との搬送媒体搬送方向における接触幅は、前記第2受熱面と前記ベルト部材との接触幅よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項8に記載の冷却装置。
  10. 前記搬送媒体にトナー画像を定着する加熱装置と、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の冷却装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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