以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、画像形成部等を備える画像形成装置本体200と、その上方に配置された原稿読取装置100とで構成されている。画像形成部には、画像形成装置本体200に対して着脱可能な画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkが設けられている。各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ3と、感光体2の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング手段としてのクリーニングブレード5とを備えている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1C,1M,1Bkにおいては符号を省略している。
図1において、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置6が配置されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザ光を照射する。
また、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの下方には、転写装置7が配置されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト10を有する。中間転写ベルト10は、支持部材としての複数のローラ21〜24に張架されている。これらのローラ21〜24のうちの1つが駆動ローラとして回転することによって、中間転写ベルト10は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)する。
4つの感光体2に対向する位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配置されている。各一次転写ローラ11は中間転写ベルト10を介して感光体2に接触し、中間転写ベルト10と各感光体2との間に一次転写ニップが形成されている。
中間転写ベルト10を張架するローラの1つ(ローラ24)に対向する位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配置されている。二次転写ローラ12は中間転写ベルト10を介して対向するローラ24に接触し、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10との間に二次転写ニップが形成されている。
画像形成装置本体200の下部には、紙やOHPフィルム等のシート状の記録材Pを収容する複数の給紙カセット13が配置されている。記録材Pとしてはロール状に巻かれた連続するものであってもよい。各給紙カセット13には、収容されている記録材Pを送り出す給紙ローラ14が設けてある。
また、画像形成装置本体200には、記録材Pに画像を定着する定着装置8と、記録材Pを冷却する冷却装置9と、記録材Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ15と、記録材Pを機外に排出する一対の排出ローラ16と、機外に排出された記録材Pをストックする排紙トレイ20とが設けられている。定着装置8は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材としての定着ローラ17と、定着ローラ17に加圧される加圧部材としての加圧ローラ18とを備える。定着ローラ17と加圧ローラ18とが接触した箇所には、定着ニップが形成されている。なお、定着部材と加圧部材はローラの他、ベルトであっても構わない。
画像形成装置本体200内には、搬送媒体でもある記録材Pを搬送するための搬送媒体搬送路25が形成されている。搬送媒体搬送路25は、記録材Pを給紙カセット13から機外にまで搬送するための主搬送路26と、記録材Pをスイッチバックさせて搬送するための反転路27と、反転路27から主搬送路26に記録材Pを再供給するための再供給路28とで構成されている。反転路27は、主搬送路26に対して冷却装置9と排出ローラ16との間で分岐している。再供給路28は、反転路27から分岐し、レジストローラ15の搬送方向上流側近傍で主搬送路26に合流している。主搬送路26に対する反転路27の分岐箇所と反転路27に対する再供給路28の分岐箇所には、それぞれ経路を切り換える経路切換部材としての切換爪29A,29Bが揺動可能に設けられている。また、主搬送路26、反転路27及び再供給路28には、それぞれ搬送ローラ19A〜19Gが設けられている。
以下、図1を参照して上記画像形成装置の基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkの感光体2が図の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。原稿読取装置100によって読み取られた原稿の画像情報又は端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6から帯電された各感光体2の表面にレーザ光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー像として顕像化(可視像化)される。
中間転写ベルト10を張架するローラが回転駆動し、中間転写ベルト10を図の矢印の方向に周回走行させる。各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2に形成された各色のトナー像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト10はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。また、中間転写ベルト10に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
給紙ローラ14が回転することによって、給紙カセット13から記録材Pが供給される。供給された記録材Pは、レジストローラ15によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト10との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト10上のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト10上のトナー像が記録材P上に一括して転写される。その後、記録材Pは定着装置8に送り込まれ、定着ローラ17と加圧ローラ18によって記録材Pが加圧及び加熱されてトナー像が記録材P上に定着される。そして、記録材Pは、冷却装置9によって冷却された後、排出ローラ16によって排紙トレイ20に排出される。
両面印刷の場合は、反転路27の分岐箇所に設けられている切換爪29Aを図の二点鎖線で示す向きに配置し、冷却装置9を通過した記録材Pを反転路27に案内する。反転路27では、記録材Pがスイッチバックして前後逆に搬送される。このとき、再供給路28の分岐箇所に設けられている切換爪29Bが図の二点鎖線で示す向きに配置されることで、記録材Pは反転路27から再供給路28へと案内される。そして、記録材Pは再供給路28を通って表裏反転された状態で主搬送路26に再供給される。
再供給された記録材Pは、レジストローラ15によって二次転写ニップに送られ、中間転写ベルト10上に形成された裏面用のトナー像が転写される。そして、記録材Pは、定着装置8へと搬送され、裏面のトナー像が定着された後、冷却装置9によって冷却される。このとき、反転路27の分岐箇所に設けられている切換爪29Aは図の実線で示す向きに戻されており、冷却装置9を通過した記録材Pは、排出ローラ16によって排紙トレイ20に排出され、両面印刷が完了する。
以上の説明は、記録材にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
以下、本発明の実施形態に係る冷却装置の構成を説明する。
図2は、図1に示す冷却装置9の概略正面図、図3は、当該冷却装置9の概略平面図である。
冷却装置9は、記録材Pの裏面(片面印刷時における非画像面)を冷却する第1冷却部材としてのヒートシンク30と、記録材Pの表面(片面印刷時における画像面)を冷却する第2冷却部材としてのヒートパイプローラ40とを有する。
図2に示すように、ヒートシンク30は、主搬送路26に沿って搬送される記録材Pの裏面側から熱を奪う受熱部32と、受熱部32で奪った熱を放熱する放熱部33と、剛性の高い補強部35とを有する。受熱部32、放熱部33及び補強部35は、それぞれ冷却装置9の正面側から背面側に渡って連続して設けられている。
受熱部32は、平板状に形成され、主搬送路26側に配置される。受熱部32の主搬送路26側の平面が、記録材Pから熱を奪う受熱面(第1受熱面)32aである。放熱部33は、放熱部材としての複数の平板状のフィン31を有する。複数のフィン31は、受熱部32から受熱面32aとは反対側に延び、搬送媒体搬送方向(以下、単に「搬送方向」という。)に互いに間隔をあけて配置されている。補強部35は、放熱部33に対して搬送方向の上流側と下流側、すなわち放熱部33を介して互いに反対側に配置される。補強部35は、受熱部32からフィン31と同じ方向(受熱面32aとは反対側)に延びる側壁部36と、側壁部36から放熱部33とは反対側に突出する突出部37とを有する。側壁部36はフィン31と同様に受熱部32から延びる平板状の部分であるが、フィン31よりも搬送方向の厚さが厚く形成されているため(図2中、t1>t2)、フィン31よりも剛性が高い。
また、ヒートシンク30には、フィン31の先端部側の開口部を覆う蓋部材79が設けられている。蓋部材79は、ヒートシンク30の正面側から背面側に渡って連続して設けられ、搬送方向の両端部が突出部37に固定されている。フィン31は蓋部材79と受熱部32と補強部35とによって囲まれている。このように、フィン31の周囲が囲まれることで、フィン31に沿って気流が通過する通気路34が形成されている。
ヒートパイプローラ40は、主搬送路26に沿って搬送される記録材Pの表面側から熱を奪う受熱部42と、受熱部42で奪った熱を放熱する放熱部43とを有する。受熱部42は、円筒部材で構成され、主搬送路26に対向して配置される。主搬送路26と対向する受熱部42の外周面が、記録材Pから熱を奪う受熱面(第2受熱面)42aである。放熱部43は、放熱部材としての複数のリング状のフィン41を有する。複数のフィン41は、受熱部42を構成する円筒部材の一端部側の外周面に設けられ、互いに軸方向に間隔をあけて配置されている。
図3に示すように、ヒートシンク30のフィン31の正面側(図の下側)と背面側(図の上側)には、それぞれ気流発生手段としての第1ファン80A及び第2ファン80Bが配置されている。正面側の第1ファン80Aは、ヒートシンク30の正面側からフィン31同士の間及びフィン31の周囲に形成された通気路34(図2参照)に向けて空気を送る。一方、背面側の第2ファン80Bは通気路34から空気を吸い込みヒートシンク30の背面側へ空気を排出する。
また、ヒートパイプローラ40のフィン41の搬送方向の下流側にも、気流発生手段としての第3ファン80Cが配置されている。第3ファン80Cはフィン41同士の間に形成された通気路44に向けて空気を送り、空気は通気路44に沿って搬送方向の下流側から上流側に向かって流れる。なお、これとは反対に、第3ファン80Cをフィン41に対して搬送方向の上流側に配置し、上流側から下流側に向かって空気を送るようにしてもよい。第1ファン80A及び第2ファン80Bの気流発生方向と、第3ファン80Cの気流発生方向とは交差する方向である。
また、図2に示すように、冷却装置9は、記録材Pを搬送する搬送部として、記録材Pを表面に担持して搬送する搬送ベルト51と、搬送ベルト51を回転駆動(表面移動)させるベルト駆動手段としての駆動ローラ52と、搬送ベルト51と対向する対向搬送部材としての2つのベルト対向ローラ61,62と、搬送ベルト51に対して搬送方向の上流側に配置された上流側搬送部材としての一対の上流側搬送ローラ63,64と、記録材Pを搬送方向に案内するガイド部材としての搬送ガイド65a〜65c,66とを有する。
搬送ベルト51は、ポリイミド等の樹脂で構成される無端状のベルト部材である。搬送ベルト51は、駆動ローラ52に加え3つの従動ローラ53〜55を含む複数のベルト張架部材によって張架される。駆動ローラ52がモータ等の駆動源によって回転駆動することで、搬送ベルト51は図2における反時計回りに回転駆動する。搬送ベルト51の外周面のうち、主搬送路26と対向する面が記録材Pと接触して記録材Pを搬送する搬送面である。
また、搬送ベルト51は、張力付与部材としてのテンションローラ56及びこれを付勢する付勢部材としてのバネ57によって所定の張力が付与される。本実施形態では、駆動ローラ52とこれと隣り合う従動ローラ55との間にテンションローラ56を配置することで、駆動ローラ52に対する搬送ベルト51の巻き付け角度が大きくなるようにしている。これにより、駆動ローラ52に対する搬送ベルト51の接触領域を大きく確保することができ、搬送ベルト51に対する駆動ローラ52のスリップを抑制できるようになる。
ヒートシンク30は搬送ベルト51の内周側に配置されている。一方、ヒートパイプローラ40は、搬送ベルト51の外周面側に配置されている。すなわち、ヒートシンク30とヒートパイプローラ40は、搬送ベルト51に対して互いに反対側に配置されている。さらに言えば、本実施形態では、主搬送路26に対して、ヒートシンク30は下方、ヒートパイプローラ40は上方に配置されている。搬送ベルト51の内周面と接触するヒートシンク30における受熱部32の接触面が受熱面32aである。搬送ベルト51の外周面と接触するヒートパイプローラ40における受熱部42の接触面が受熱面42aである。また、ヒートパイプローラ40はヒートシンク30よりも搬送ベルト51に対して搬送方向の下流側で接触している。すなわち、ヒートパイプローラ40の受熱面42aはヒートシンク30の受熱面32aよりも搬送方向の下流側に配置されている。また、ヒートパイプローラ40のフィン41は、搬送ベルト51と干渉しないように、搬送ベルト51の搬送幅方向の外側(本実施形態では冷却装置9の背面側)に配置されている(図3参照)。
各ベルト対向ローラ61,62は、ヒートパイプローラ40よりも搬送方向の上流側で搬送方向に並び、ヒートシンク30の受熱面32aと搬送ベルト51との接触領域における搬送ベルト51の外周面に接触している。
各上流側搬送ローラ63,64は、主搬送路26を挟んで互いに接触して配置される従動ローラと駆動ローラである。なお、主搬送路26に対して下方に配置される上流側搬送ローラ64が従動ローラで、上方に配置される上流側搬送ローラ63が駆動ローラとしてもよい。
各搬送ガイド65a〜65cは、搬送媒体搬送方向の上流側から下流側に向かって主搬送路26に接近するように傾斜するガイド面を有する。また、搬送ガイド65a〜65cのうち、搬送方向の最上流側に配置される搬送ガイド65aは上流側搬送ローラ63と(上流側の)ベルト対向ローラ62との間に配置され、その下流側に配置される搬送ガイド65bはベルト対向ローラ61,62同士の間に配置され、さらに下流(最下流)に配置される搬送ガイド65cは(下流側の)ベルト対向ローラ61とヒートパイプローラ40の受熱部42との間に配置されている。本実施形態では、これらの搬送ガイド65a〜65cは一体的に構成されているが、それぞれ別体で構成してもよい。
搬送ガイド66は、主搬送路26に対して下方であって、上流側搬送ローラ64と搬送ベルト51との間に配置されている。また、この搬送ガイド66は、搬送方向の上流側から下流側に向かって主搬送路26に接近するように傾斜するガイド面を有する。搬送ガイド66により、主搬送路26と対向する搬送ベルト51又はその上方に向けて記録材Pが案内される。
続いて、図2を参照しつつ冷却装置9の基本的動作について説明する。
定着装置8から冷却装置9へ記録材Pが搬送されると、回転する一対の上流側搬送ローラ63,64によって、記録材Pは搬送ベルト51へ搬送される。搬送ベルト51へ搬送された記録材Pは搬送ベルト51上に担持され、搬送ベルト51とこれと一緒に従動回転する各ベルト対向ローラ61,62によって搬送される。このとき、記録材Pがヒートシンク30の受熱面32aを通過することで、受熱面32aによって記録材Pの熱が裏面側から奪われ、記録材Pが冷却される。また、受熱面32aによって奪われた熱は、フィン31へと熱移動し、ファン80A,80Bによって、強制的に空気と一緒に機外(冷却装置9の外又は画像形成装置本体200の外)へと排出される。
記録材Pは、ヒートシンク30の受熱面32aを通過後、搬送ベルト51とこれと一緒に従動回転するヒートパイプローラ40とによって搬送される。このとき、記録材Pがヒートパイプローラ40の受熱面42aと接触することで、記録材Pの熱が表面側から奪われ、記録材Pが冷却される。また、受熱部42によって奪われた熱は、フィン41から空気中に放熱される。詳しくは、ヒートパイプローラ40を構成する円筒部材内に収容される液状の冷媒が、記録材Pからの熱で気化し、円筒部材内の中央の流体流路を通ってフィン41側へ移動する。フィン41が設けられた部分ではファン80Cから送られる気流によって冷やされ、この冷やされた部分の内面に冷媒が触れることで熱交換される。これにより、冷媒は凝集して液状になり、円筒部材内の流体流路を通って再び受熱部42側に移動する。このように、冷媒は、気化と液化(凝集)とを繰り返すことで、受熱部42側から放熱部43側へ熱を移動させて放熱する。
上記のように、本実施形態に係る冷却装置9では、ヒートシンク30とヒートパイプローラ40によって記録材Pを表側と裏側とから冷却するので、記録材Pを効果的に冷却することができる。これにより、記録材Pが機外に排出されてストックされた際に、軟化したトナーが別の記録材Pに貼りつくいわゆるブロッキング等の不具合を防止することができる。
なお、画像形成装置に搭載される装置として、記録材を加熱した後に冷却して光沢を付与する光沢付与装置があるが、本発明に係る冷却装置は斯かる光沢付与装置とは構成及び作用効果の点において全く別異のものである。すなわち、本発明に係る冷却装置は、第1冷却部材と第2冷却部材との間では勿論のこと、第1冷却部材の搬送方向上流側や第2冷却部材の搬送方向下流側においても搬送媒体を加熱する加熱部材を備えていない。要するに、本発明に係る冷却装置は、搬送媒体を加熱することなく冷却する冷却装置である。
上記のように、本実施形態では、第2冷却部材としてヒートパイプローラ40を用いているため、ヒートパイプローラ40の外周面に搬送ベルト51を巻き付けることで、両部材の搬送方向の接触幅すなわち受熱面42aを大きく確保することができる。また、ヒートパイプローラ40に対する搬送ベルト51の巻き付け角度を調整することで、記録材Pの搬送方向を変更することができるため、搬送方向を変更するための搬送ガイドを省略することができ、レイアウト性が向上する。また、搬送ガイドを用いなくてもヒートパイプローラ40によって搬送方向を変更できるため、搬送方向変更時における、搬送ガイドと記録材Pの画像面との擦れによる画像不良が生じることもない。
一方、第1冷却部材は、平面状の受熱面32aを有するヒートシンク30であるため、記録材Pを直線状に搬送しながら冷却しつつ、ヒートパイプローラ40へと案内できる。特に、本実施形態では、ヒートシンク30の受熱面32aのほぼ延長線上にヒートパイプローラ40の受熱面42aの搬送方向の上流端部(搬送ベルト51の巻き付け開始位置)があるので、記録材Pをスムーズに搬送することができる。
また、ヒートシンク30の受熱面32aがヒートパイプローラ40の受熱面42aよりも搬送方向の上流側に配置されているため、記録材Pにカールが生じにくい。すなわち、定着装置8から排出された直後の記録材Pは高温状態となっているが、まず、記録材Pはヒートシンク30の受熱面32aに沿って負荷の少ない平面状態で搬送されつつ冷却される。その後、記録材Pは、曲面状の受熱面42aに沿って湾曲させられながら搬送されるが、このとき記録材Pはヒートシンク30によってある程度冷却されて安定した状態となっているので、曲率負荷の影響を受けにくくカールが生じにくい。
また、ヒートシンク30とヒートパイプローラ40の各受熱部32,42が搬送方向にずれて互いに離れた位置に配置されているため、例えば図4(a)(b)に示す例のように受熱部32,42同士が対向して(搬送ベルト51を介して互いに接触するように)配置された場合に比べて、それぞれの受熱面32a,42aを大きく確保できる。
本実施形態に係るヒートパイプローラ40のフィン41は、受熱部42の外周面よりも外径が大きい。このため、仮に、図5に示すように、第1冷却部材も同様のヒートパイプローラ40で構成すると、両ヒートパイプローラ40のフィン41同士の干渉を回避するために、両ヒートパイプローラ40を搬送方向に遠ざけて配置しなければならない。これに対し、本実施形態のように、第1冷却部材にヒートパイプローラ40とは異なるヒートシンク30を用いることで、ヒートシンク30とヒートパイプローラ40を搬送方向に接近させて配置することができる。具体的には、ヒートシンク30の受熱面32aの搬送方向の下流端部を、ヒートパイプローラ40のフィン41の外周面よりも径方向内側に入り込むくらいまで接近させて配置できる(図2参照)。これにより、搬送方向の小型化を図れると共に、両受熱部32,42間で記録材Pが冷却されない領域Z(図2、図5参照)が短くなるため、冷却性能が向上する。
また、図6に示す例のように、両冷却部にヒートパイプローラ40を用いた構成において、それぞれのフィン41の位置を前後方向にずらして配置すると、図5に比べて、両ヒートパイプローラ40のフィン41の干渉を回避しつつ、受熱部42同士を搬送方向に接近させて配置することが可能である。しかし、搬送ベルト51の幅方向の一方及び他方にそれぞれフィン41が突出する。そのため、冷却装置9又は画像形成装置本体200が前後方向に大きくなる。これに対し、本実施形態のように、第1冷却部材にヒートパイプローラ40とは異なるヒートシンク30を用いることで、冷却装置9又は画像形成装置本体200の前後方向の大きさを小さくできる。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の概略外観図である。
図7に示すように、画像形成装置本体200の正面には、開閉可能な扉201が設けられている。
図8は、上記扉201を開放して引出ユニット300を引き出した状態を示す図である。
図8に示すように、扉201を開放することによって、画像形成装置本体200の開放された箇所から、内部に収容されている引出ユニット300を手前側(正面側)へ引き出すことができる。詳しくは、扉201を開放してから、引出ユニット300の前側面に設けられたロック操作部としてのレバー90を回転操作し、画像形成装置本体200に対する引出ユニット300のロック状態を解除することで、引出ユニット300を引き出すことができる。この引出ユニット300は、定着装置8、冷却装置9、排出ローラ16及び搬送媒体搬送路25の一部(主搬送路26、反転路及27及び再供給路28の各一部)が一体的に構成されたものである。このように、これらの装置及び搬送媒体搬送路の一部をユニットとして画像形成装置本体200の外部に引き出せるように構成することで、メンテナンス作業や紙詰まり処理が行いやすくなる。
本実施形態では、図9に示すように、ヒートシンク30のフィン31の先端部(受熱面32a側とは反対側の端部)31aが水平方向に対して斜めに並ぶように配置されている。しかしながら、このような形状のヒートシンク30に限らず、図10に示す例のように、フィン31の先端部が水平方向に並ぶように配置されてもよい。この場合、各フィン31が同じ長さで同様の放熱効果を有するので、搬送方向の上流側から下流側に向かって均一な冷却効果が得られる。
これに対し、本実施形態のように、ヒートシンク30のフィン31の先端部31aを斜めに並べている場合は、装置の小型化が可能である。すなわち、フィン31の先端部31aを斜めに並べることで、搬送ベルト51におけるヒートシンク30の下方で張架される部分51aをフィン31の先端部31aに沿って斜めに配置することができるので、冷却装置9の下部近傍に上記レバー90の支軸91を配置するスペース(図9中の点線Fで囲まれる空間)を確保することができる。これにより、冷却装置9の小型化を図ることができる。また、他の構造物も冷却装置9の下部に接近させて配置しやすくなるため、図10に示す例に比べて、冷却装置9の下方のデッドスペース(図10の点線で囲まれる空間)を少なくすることができる。なお、本実施形態において、冷却装置9の下部近傍に確保された支軸91の配置スペースとは、小型化を図るべく支軸91を冷却装置9に接近させて配置できる空間であって、フィン31の先端部31aを斜めに並べることで得られるようになる空間である。具体的には、搬送ベルト51のヒートシンク30の下方で張架される部分51aと、当該部分51aの最下端部Yを通る水平面Xとの間の領域(図9中の点線Fで囲まれる空間)である。この領域内に支軸91の少なくとも一部を配置することで、小型化を図りつつ、他の構造物を冷却装置9の下部に接近させて配置しやすくなる。
さらに小型化を図るため、本実施形態では、搬送方向の上流側に配置される2つの従動ローラ53,54がヒートシンク30の突出部37を挟むように配置されている。すなわち、各従動ローラ53,54の少なくとも一部を、突出部37の先端部よりもヒートシンク30側であって、各従動ローラ53,54が配置される側のヒートシンク30の端面と対向する範囲内(図9中の点線Gで囲まれる空間内)に配置することで、各従動ローラ53,54を突出部37に対して近接して配置し、小型化を図れる。
本実施形態では、フィン31の受熱面32aと交差する方向の長さ(受熱部32に接続されるフィン31の根元部から先端部31aまでの長さ)が、主搬送路26の搬送方向の上流側から下流側に向かって短くなるように構成されている。フィン31は長いほど放熱性が高まる。従って、本実施形態では、搬送方向の上流側でフィン31を長くすることでヒートシンク30の冷却性能を高め、記録材Pの熱量が多い上流側で記録材Pを効果的に冷却できるようにしている。
また、各フィン31の先端部31aの位置を異ならせ、搬送ベルト51を斜めに配置することで、冷却装置9の下方に配置される再供給路28を冷却装置9や定着装置8との干渉を回避しつつこれらに接近させて配置することができる。本実施形態では、再供給路28がその搬送方向の上流側で上方へ膨らむように形成されているため、再供給路28を全体的に定着装置8や冷却装置9の方へ接近させると、特に再供給路28の上方へ膨らむ部分が冷却装置9と干渉する可能性がある。そこで、この再供給路28の上方へ膨らむ部分との干渉を回避するため、当該部分の形状に対応してフィン31の先端部31aの位置(受熱面32aからの距離)を搬送方向に渡って異ならせ搬送ベルト51を斜めに配置している。本実施形態に係る再供給路28は、冷却装置9の下方にて搬送方向の上流側から下流側に向かって下方へ傾斜する傾斜部280(図9参照)を有するが、この傾斜部280の傾斜方向に対応して、フィン31の先端部31a及び搬送ベルト51を再供給路28の搬送方向の上流側から下流側に向かって下方へ傾斜するように配置している。
ここで、再供給路28を上方へ膨らむように形成している理由について説明する。例えば、図11(a)に示す構成において、画像形成装置の小型化を図るために、反転路27と再供給路28との上下方向の間隔W1を小さくして同図(b)に示す間隔W2にすると、反転路27から再供給路28への進入路の曲率を大きくしなければならなくなる(曲率半径がR1からR2へ小さくなる。)。この場合、記録材Pに対する搬送負荷が大きくなるため、記録材Pの搬送性が低下する可能性がある。そこで、本実施形態では、記録材Pの良好な搬送性と小型化を実現するため、図11(c)に示すように、再供給路28をその搬送方向の上流側で上方へ膨らむように形成している。これにより、反転路27と再供給路28との間隔を小さい間隔(W2)に維持しつつ、再供給路28への進入路の曲率を小さい曲率(大きい曲率半径R1)にすることが可能となる。
上記のように、良好な搬送性と小型化の実現のために再供給路28を上方へ膨らむように形成すると、再供給路28が冷却装置9と干渉するといった課題が新たに発生する。一方、これを回避するために再供給路28を全体的に下げて配置すると、小型化を実現し難くなる。そこで、本実施形態では、フィン31の先端部31aの位置を搬送方向に渡って異ならせ搬送ベルト51を斜めに配置することで、冷却装置9に対する再供給路28の干渉を回避しつつ互いに接近させて配置できるようにしている。
上記のように、ヒートシンクのフィン31はその長さが主搬送路26における搬送方向の上流側から下流側に向かって次第に短くなるように構成されているため、図12に示す如くヒートシンク30の放熱部33は全体として略台形の外郭を呈する。一方、ヒートシンク30の手前側と奥側に配置されるファン80A,80Bはその外郭が略正方形に形成されている。このように、ヒートシンク30の放熱部33とファン80A,80Bのそれぞれの外郭形状は一致しない。このため、送風用のファン80Aからヒートシンク30への気流及びヒートシンク30から吸引用のファン80Bへの気流を確実に誘導できるように、ヒートシンク30と各ファン80A,80Bとの間には、流路形成部材としてのダクトを配置している。
図13は、送風用のファン80Aに接続されるダクトを示す。
なお、吸引用のファン80Bに接続されるダクトも同様に構成されているので、ここでは送風用のファン80Aに接続されるダクトを例にその構成について説明する。
流路形成部材としてのダクトは、ファン80Aとヒートシンク30との間に配置される第1流路形成部材としての内側ダクト81と、内側ダクト81よりも機外側に配置される第2流路形成部材としての外側ダクト82とを有する。送風用のファン80Aによって生じる気流は、外側ダクト82、内側ダクト81の順に通過してヒートシンク30へ誘導される。なお、吸引用のファン80Bによって生じる気流は、反対に、内側ダクト81、外側ダクト82の順に通過して機外に排出される。
図14は、内側ダクト81をファン80A側から見た正面図、図15は、内側ダクト81をヒートシンク30側から見た背面図、図16は、内側ダクト81を図13における右側から見た側面図である。
内側ダクト81のファン80A側の開口部81aとヒートシンク30側の開口部81bは、互いに形状が異なる。具体的に、ファン80A側の開口部81aは、ファン80Aの外郭形状(図14中の二点鎖線参照)に対応して略正方形に形成されている。一方、ヒートシンク30側の開口部81bは、ヒートシンク30の放熱部33の外郭形状(図15中の二点鎖線参照)に対応して略台形に形成されている。具体的に、ヒートシンク30側の開口部81bは、互いに平行をなすように上下方向に延びる右辺部811及び左辺部812と、これらに対して直交する方向に延びる上辺部813と、上辺部813に対して傾斜するように延びる下辺部(傾斜辺部)814とで構成される。
ここで、ファン80A(及びファン80B)は、ヒートシンク30への気流の流量を確保するため放熱部33よりも大きいファンで構成されている。具体的には、ファン80A(及びファン80B)の上下方向の長さL1が、放熱部33のうちで最も長いフィン31の長さL2よりも長い(図12参照)。このため、内側ダクト81は、ファン80A側の開口部80aの方がヒートシンク30側の開口部80bよりも開口面積が大きくなるように形成されている。従って、内側ダクト81は、開口面積の大きいファン80A側の開口部81aから開口面積の小さいヒートシンク30側の開口部81bに向かって断面積が小さくなる流路縮小部81cを有する(図16参照)。言い換えれば、ヒートシンク30側の開口部81bからファン80A側の開口部81aに向かって断面積が大きくなる流路拡大部81cを有する。
また、内側ダクト81は、ファン80Aが嵌め込まれる嵌め込み部81dを有する。嵌め込み部81dは、ファン80Aの外郭形状に対応して略矩形の枠体で構成されている。嵌め込み部81dの縁には、内側ダクト81を上記引出ユニット300のフレームに固定するネジ等の固定部材を挿入するための孔部81eが形成されている。
図17は、引出ユニット300をレバー90の付近で切断した概略断面図である。図17において、紙面に直交する手前側が搬送方向上流側、奥側が搬送方向下流側である。
図17に示すように、送風用のファン80Aとレバー90との間には、カバー部材83が配置されている。
図18は、カバー部材83の正面図である。
図18に示すように、カバー部材83には、ファン80Aと対向する位置に複数の通気孔83aが形成されている。ファン80Aが駆動すると、通気孔83aを通して外部の空気を内側へ流入させることができ、ヒートシンク30に確実に気流を発生させることができる(図17中の矢印参照)。また、カバー部材83には、作業者がレバー90を把持した際にカバー部材83に手が接触するのを回避するための凹部83bが形成されている。凹部83bは、レバー90の可動範囲全体に渡って略扇状に設けられている。また、レバー90の支軸91はファン80Aの下部近傍に配置されることで、支軸91とファン80Aとの干渉を回避しつつ小型化を図っている。
続いて、ヒートシンク30、ヒートパイプローラ40及び搬送ベルト51等の支持構造について説明する。
図19は、冷却装置9を斜め上方から見た斜視図、図20は、冷却装置9を斜め下方から見た斜視図、図21は、冷却装置9の分解斜視図である。各図において、手前側が正面側、奥側が背面側である。
図19〜図21に示すように、冷却装置9は、各構成部材を支持する支持部材として、第1支持部材である背面フレーム71と、第2支持部材である正面内側フレーム72と、第3支持部材である正面外側フレーム73とを有する。背面フレーム71は、ヒートシンク30に対して背面側に配置されるフレームであり、正面内側フレーム72と正面外側フレーム73は、ヒートシンク30に対して正面側に配置されるフレームである。また、正面外側フレーム73は、正面内側フレーム72よりも正面側(外側)に配置される。
図20に示すように、正面外側フレーム73は、正面内側フレーム72と対向して配置される側面部731と、側面部731の下部から背面側(背面フレーム71側)に延びる底面部732とを有する、略L字型に形成されている。側面部731は、正面内側フレーム72よりも正面側(外側)に配置され、正面内側フレーム72に対して複数のネジ75によって固定される。一方、底面部732は、背面フレーム71に対して複数のネジ76によって固定される。
ヒートシンク30と、搬送ベルト51を張架する駆動ローラ52及び複数の従動ローラ53〜55は、背面フレーム71と正面内側フレーム72とによって支持される。ヒートシンク30は、背面フレーム71と正面内側フレーム72に対して固定され、駆動ローラ52と各従動ローラ53〜55の両端部は、背面フレーム71と正面内側フレーム72に対して回転支持部材としてのベアリングを介して回転可能に取り付けられる。
図21に示すように、ヒートパイプローラ40は、ヒートシンク30等とは異なり、背面フレーム71と正面外側フレーム73によって支持される。具体的に、背面フレーム71には、ヒートパイプローラ40の円筒部分を挿入して支持するための孔部71aが形成されている。一方、正面外側フレーム73の側面部731には、ヒートパイプローラ40の正面側の端部に設けられた凸部45を挿入し支持するための孔部73aが形成されている。また、これらの孔部71a,73aに挿入されるヒートパイプローラ40の円筒部分及び凸部45は、回転支持部材としてのベアリング46,47(図19参照)を介して回転可能に支持される。
さらに、ヒートパイプローラ40の他に、テンションローラ56、(主搬送路26に対して下方に配置される)上流側搬送ローラ64、(主搬送路26に対して下方に配置される)搬送ガイド66、搬送ユニット60も、背面フレーム71と正面外側フレーム73によって支持される(図21参照)。この搬送ユニット60は、図2に示す2つのベルト対向ローラ61,62と、主搬送路26に対して上方に配置される上流側搬送ローラ63と、主搬送路26に対して上方に配置される搬送ガイド65a〜65cを一体のユニットとして構成したものである。
背面フレーム71と正面外側フレーム73の側面部731には、それぞれ、搬送ユニット60を支持するための支軸71b,73bと、上流側搬送ローラ64の両端部を挿入して支持するための孔部71c,73cと、搬送ガイド66の両端部を固定するネジ77を挿通させる挿通孔71d,73dとが設けられている。
テンションローラ56は、これをバネ57と一緒に保持する保持枠体59が背面フレーム71と正面外側フレーム73の側面部731とに取り付けられることで支持される。具体的には、保持枠体59の背面側と正面側の各端部に、背面フレーム71に設けられた支持突起71eと正面外側フレーム73の側面部731に固定される取付部材74に設けられた支持突起74aとが挿入される複数の挿入孔59aが形成されている。保持枠体59の背面側の挿入孔59aに背面フレーム71の支持突起71eが挿入され、保持枠体59の正面側の挿入孔59aに取付部材74の支持突起74aが挿入された状態で、取付部材74が正面外側フレーム73に固定されることで、テンションローラ56が背面フレーム71と正面外側フレーム73とによって支持される。
また、背面フレーム71、正面内側フレーム72及び正面外側フレーム73には、ヒートシンク30の放熱部33に対向する位置に、放熱部33へ空気を流入又は放熱部33から空気を流出させるための通気孔71f,72f,73fが形成されている。これらの通気孔71f,72f,73fは、放熱部33の外郭形状に対応して略台形に形成されている。
また、図19に示すように、正面外側フレーム73の側面部731の正面側(外側)には、駆動ローラ52の駆動力を上流側搬送ローラ64に伝達する駆動力伝達部材としてのタイミングベルト84と複数のプーリ85〜88が配置されている。複数のプーリ85〜88のうち、2つのプーリ85,87は駆動ローラ52と上流側搬送ローラ64の正面側の端部に設けられ、残りの2つのプーリ86,88は正面外側フレーム73の側面部731に回転可能に設けられている。タイミングベルト84は、各プーリ85〜88によって張架されている。また、タイミングベルト84は、正面内側フレーム72と正面外側フレーム73に形成された各通気孔72f,73fとは重ならないように配置されている。すなわち、タイミングベルト84は、第1ファン80Aからヒートシンク30へ気流を妨げないように気流経路に侵入しないように配置されている。
駆動ローラ52が回転駆動すると、各プーリ85〜88及びタイミングベルト84を介して駆動力が上流側搬送ローラ64に伝達される。このように、駆動ローラ52の駆動力を上流側搬送ローラ64に伝達することで、これらのローラ52,64を駆動させる駆動源を別個に設ける必要がなくなり、装置の小型化及び低コスト化を図れる。
ところで、駆動ローラ52が回転駆動することによる搬送ベルト51の搬送速度(表面移動速度)は上流側搬送ローラ64の搬送速度(表面移動速度)よりも速くなるように設定されることが望ましい。これは、反対に、搬送ベルト51の搬送速度が上流側搬送ローラ64の搬送速度よりも遅いと、上流側搬送ローラ64から搬送ベルト51へ記録材Pが搬送される際に記録材Pに座屈(波打つような撓み)が発生して、記録材Pと搬送ベルト51との接触面積が減少し、ヒートシンク30による冷却効果が低下する可能性があるからである。
搬送ベルト51の搬送速度は、少なくとも駆動ローラ52の直径と、搬送ベルト51の厚みと、駆動ローラ52の回転数によって決定される。また、上流側搬送ローラ64の搬送速度は、少なくとも上流側搬送ローラ64の直径と、その回転数によって決定される。また、上流側搬送ローラ64の回転数は、駆動ローラ52の回転数と、駆動ローラ52と上流側搬送ローラ64に設けられた各プーリ85,87の歯数の比によって決まる。従って、これらの条件を適宜決定することで、搬送ベルト51の搬送速度を上流側搬送ローラ64の搬送速度よりも速くすることが可能である。
例えば、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値と、上流側搬送ローラ64の直径が同じである場合、駆動ローラ52と上流側搬送ローラ64に設けられたプーリ85,87の歯数の比(減速比)を1よりも大きくすればよい。また、これらのプーリ85,87の歯数の比(減速比)が1である場合は、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値を上流側搬送ローラ64の直径よりも大きくすればよい。また、駆動ローラ52の直径と搬送ベルト51の厚みの合算値が上流側搬送ローラ64の直径よりも小さい場合は、上流側搬送ローラ64の搬送速度が搬送ベルト51の搬送速度よりも遅くなるように、駆動ローラ52に設けられたプーリ85の歯数よりも上流側搬送ローラ64に設けられたプーリ87の歯数を多くすればよい。
図22は、冷却装置9が画像形成装置本体内に収容された状態における各フレーム71〜73の配置を示す図である。
図22に示すように、冷却装置9を画像形成装置本体内に収容した状態では、各フレーム71〜73の下方近傍に上記レバー90の支軸91が配置される。このため、各フレーム71〜73におけるレバー90の支軸91と対向する下部は、ヒートシンク30の各フィン31の先端部31aや搬送ベルト51に対向してこれらと同様に斜めに配置されている。これにより、各フレーム71〜73とレバー90の支軸91との干渉を回避して小型化を図れるようになる。また、各フレーム71〜73の下部を斜めに配置することで、再供給路28の上方へ膨らむ部分(傾斜部280)との干渉も回避できる。
続いて、冷却装置9の組付け方法について説明する。
まず、図23に示すように、背面フレーム71と正面内側フレーム72に対して、ヒートシンク30と、搬送ベルト51を張架する駆動ローラ52及び各従動ローラ53〜55を組み付けた状態にする。
次に、図24に示すように、搬送ベルト51の装着を行う。本実施形態では、正面内側フレーム72の外周長M1が搬送ベルト51の内周長M2よりも短く設定されているため、搬送ベルト51を、正面側から正面内側フレーム72の外周側を通して駆動ローラ52及び各従動ローラ53〜55の周囲に装着することができる。
続いて、図25に示すように、搬送ユニット60と上流側搬送ローラ64と搬送ガイド66とを背面フレーム71と正面外側フレーム73に対して組み付けると共に、正面外側フレーム73を背面フレーム71と正面内側フレーム72に対して固定する。具体的には、まず、正面外側フレーム73を背面フレーム71と正面内側フレーム72に対してネジ75,76で固定する(図20参照)。次いで、搬送ユニット60を背面フレーム71と正面外側フレーム73とに設けられた各支軸71b,73bに取り付け、上流側搬送ローラ64の両端部をベアリングを介して背面フレーム71と正面外側フレーム73とに設けられた各孔部71c,73cに挿入する。そして、背面フレーム71と正面外側フレーム73とに設けられた各挿通孔71d,73dにネジ77を挿通し、このネジ77によって搬送ガイド66を背面フレーム71と正面外側フレーム73とに固定する。これにより、背面フレーム71と正面外側フレーム73に対する搬送ユニット60、上流側搬送ローラ64及び搬送ガイド66の組付けと、背面フレーム71と正面内側フレーム72に対する正面外側フレーム73の固定とが完了する。
その後、図26に示すように、互いに固定された背面フレーム71と正面外側フレーム73に対してヒートパイプローラ40の組付けを行う。本実施形態では、背面フレーム71に設けられた孔部71aがヒートパイプローラ40の円筒部分の外径D2より大きい径D1(D1>D2)で形成されているため、この孔部71aを通してヒートパイプローラ40の組付けを行うことができる。具体的には、ヒートパイプローラ40の凸部45が設けられた端部を先端にして、ヒートパイプローラ40を背面フレーム71の背面側から背面フレーム71の孔部71aに挿入し、搬送ベルト51上を通過させて、正面外側フレーム73の孔部73aに凸部45を挿入する。
ヒートパイプローラ40の凸部45が正面外側フレーム73の孔部73aに挿入されると、予めヒートパイプローラ40に装着された放熱部43側のベアリング46が背面フレーム71の孔部71aの縁部に設けられた位置決め部71i(図27参照)に当接
する。これにより、ヒートパイプローラ40の挿入方向の位置決めがなされる。そして、正面外側フレーム73の正面側(外側)から凸部45にベアリング47を装着する。さらに、正面外側フレーム73の正面側(外側)から凸部45に抜け止め部材48(図27参照)を装着し、ヒートパイプローラ40が背面側へ離脱しないようにする。
その後、図28に示すように、テンションローラ56の組付けを行う。具体的には、まず、テンションローラ56を保持する保持枠体59の背面側の端部に形成された挿入孔59aに、背面フレーム71に設けられた支持突起71eを挿入する。次いで、テンションローラ56を搬送ベルト51に押し付けた状態にして、保持枠体59の正面側の端部に形成された挿入孔59aを正面外側フレーム73に形成された挿通孔73eに一致させる。この状態で、正面外側フレーム73の挿通孔73eと保持枠体59の正面側の挿入孔59aに対して取付部材74の支持突起74aを正面側(外側)から挿入し、取付部材74を正面外側フレーム73に対してネジ78で固定する。これにより、テンションローラ56が背面フレーム71と正面外側フレーム73との間で支持される。
最後に、駆動ローラ52と上流側搬送ローラ64の正面側の各端部及び正面外側フレーム73にそれぞれプーリ85〜88を取り付け、これらのプーリ85〜88にタイミングベルト84を掛け渡す(図19参照)。
上記のように、本実施形態では、背面側に配置される1つの支持部材(背面フレーム71)と、正面側に配置される2つの支持部材(正面内側フレーム72及び正面外側フレーム73)によって、各構成部材を支持するように構成されているので、各構成部材を背面側と正面側の一対の支持部材で支持する場合に比べて、各構成部材の組付け作業が行いやすくなる。すなわち、各構成部材を一対の支持部材で支持する場合は、1つの支持部材に組み付けられる構成部材の数が必然的に多くなり、組付け作業が複雑化する傾向にあるが、構成部材に応じて支持する支持部材を分けることで、1つの支持部材に組み付けられる構成部材の数を減らすことができ、組付け作業を容易に行えるようになる。
また、構成部材に応じて支持する支持部材を分けることで、一部の構成部材の組み付けを完了した後で、残りの構成部材の組み付けを行うことができる。これにより、組付け作業を確実に行うことができるようになり、組付け精度も向上する。特に、本実施形態では、比較的重量のある構成部材であるヒートシンク30とヒートパイプローラ40を別々の支持部材(正面内側フレーム72と正面外側フレーム73)に組み付けるようにしているので、ヒートシンク30の組付けを完了した後に、ヒートパイプローラ40の組付けを行うことができ、組付け作業性が向上する。
また、ヒートパイプローラ40を支持する外側フレーム73は、ヒートシンク30や駆動ローラ52及び従動ローラ53〜53を支持する正面内側フレーム72に対して固定されるので、ヒートパイプローラ40、ヒートシンク30、駆動ローラ52及び従動ローラ53〜55の相互間の位置決め精度を確保することができる。しかも、正面外側フレーム73は正面内側フレーム72に対して正面側(外側)から固定できるので、固定作業が行いやすい。
また、本実施形態では、搬送ベルト51の装着を、背面フレーム71と正面内側フレーム72に対するヒートシンク30や駆動ローラ52及び各従動ローラ53〜55の組付けが完了した後で行うことができるので、組付け作業性が向上する。すなわち、先に搬送ベルト51を各ローラ52〜55の周囲に掛け回し、さらに搬送ベルト51の内側にヒートシンク30を配置した状態で、背面フレーム71と正面内側フレーム72に対する組付けを行わなくてもよいので、組付け作業が行いやすくなる。なお、駆動ローラ52の表面がゴムなどの摩擦係数の高い部材で被覆されている場合は、駆動ローラ52に対して搬送ベルト51が滑りにくいため、各ローラ52〜55のうち、駆動ローラ52だけ組み付けない状態で搬送ベルト51を装着して、その後で駆動ローラ52を組み付けてもよい。
なお、冷却装置9を分解する場合は、上記組付け時の手順とは逆の手順で各構成部材の取り外しを行えばよい。その場合、搬送ベルト51は、組付け時とは反対に正面側にスライド移動させることで取り外すことができる。また、本実施形態では、各従動ローラ53〜55が正面内側フレーム72の外郭よりも外側に多少突出するように配置されているため(図22中の突出量E参照)、各従動ローラ53〜55に沿って搬送ベルト51をスライド移動させることで、搬送ベルト51が正面内側フレーム72に対して引っ掛かりにくく取り外しやすい。
また、本実施形態のように、テンションローラ56を正面内側フレーム72ではなく正面外側フレーム73に組み付ける構成とすることで、正面内側フレーム72にテンションローラ56を組み付ける部分を設ける必要がないので、正面内側フレーム72をコンパクトに構成することができる。これにより、正面内側フレーム72の外周長M1を搬送ベルト51の内周長M2よりも短くするといった設計が容易になり、ヒートシンク30と各ローラ52〜55の組付け後に搬送ベルト51の装着を行える構成を実現しやすくなる。
また、ヒートパイプローラ40を組み付けする際、挿入方向の先端部にある凸部45がヒートパイプローラ40の円筒部分の外周面よりも外側に突出していないので、凸部45が周囲の部材と干渉するのを回避することができる。例えば、図29に示す例のように、ヒートパイプローラ40の先端部側を支持する支持部としてヒートパイプローラ40の円筒部分の外周面にベアリング49を装着している場合は、ヒートパイプローラ40を挿入する際にベアリング49が搬送ベルト51に接触してこれを傷付ける虞がある。これに対し、本実施形態では、支持部としての凸部45がヒートパイプローラ40の円筒部分の外周面よりも外側(組付け時の移動方向と交差する方向)に突出していないので、周囲の部材との干渉を回避することができる。これにより、干渉による部材の損傷を防止できると共に、組付け作業もスムーズに行えるようになる。
なお、本実施形態では、ヒートパイプローラ40の先端部に凸部45を設け、これを受ける正面外側フレーム73の部分に孔部73aを設けているが、この構成に限らない。例えば、図30に示す例のように、ヒートパイプローラ40の先端部に孔部(凹部)92を設け、正面外側フレーム73に前記孔部(凹部)92に挿入される凸部93を設けてもよい。この場合も、周囲の部材との干渉を回避しつつヒートパイプローラ40の組付けを行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る構成によれば、冷却装置9の組付け作業性が向上し、組付けを確実に行うことができるようになるので、各構成部材の組付け誤差や歪みの発生が少なくなる。これにより、搬送ベルト51に対するヒートシンク30やヒートパイプローラ40の密着性を良好に確保することができるようになり、安定した冷却機能を発揮することができる。
続いて、各フレーム71〜73に対するヒートシンク30の組付け構造について説明する。
まず、図31に基づいて、正面側の組付け構造について説明する。
ヒートシンク30の一対の突出部37の正面側の端面には、正面内側フレーム72と正面外側フレーム73の両方を位置決めする位置決め部としての位置決め突起38Aが設けられている。位置決め突起38Aは、丸棒状に形成された金属製のピンであり、突出部37に設けられた孔部に圧入されて取り付けられる。また、各突出部37の正面側の端面には、正面内側フレーム72に対して固定される固定部としてのネジ止め孔39Aが設けられている。なお、搬送方向の下流側(図31の奥側)に配置される突出部37には2つのネジ止め孔39Aが上下方向に並んで設けられ、搬送方向の上流側(図31の手前側)に配置される突出部37にはネジ止め孔39Aが1つ設けられているが、ネジ止め孔39Aの個数や配置は適宜変更可能である。
一方、正面内側フレーム72と正面外側フレーム73には、ヒートシンク30の位置決め突起38Aと嵌合する位置決め部としての位置決め孔72g,73gが形成されている。さらに、正面内側フレーム72と正面外側フレーム73には、ヒートシンク30のネジ止め孔39Aに締結されるねじ89を挿通させる挿通孔72h,73hが形成されている。なお、正面外側フレーム73に形成される位置決め孔73gのうち、搬送方向の上流側(図31の手前側)の位置決め孔73gと、両側の挿通孔73hは、通気孔73fと一体的に形成されている。
ヒートシンク30を正面内側フレーム72と正面外側フレーム73に組み付けるには、まず、ヒートシンク30の各位置決め突起38Aを正面内側フレーム72の各位置決め孔72gに挿通させる。次いで、各位置決め突起38Aをさらに正面外側フレーム73の各位置決め孔73gに挿通させる。これにより、位置決め突起38Aが各フレーム72,73の各位置決め孔72g,73gと嵌合し、ヒートシンク30と各フレーム72,73の位置決めがなされる。そして、正面側(外側)からネジ89を、正面外側フレーム73の挿通孔73h、正面内側フレーム72の挿通孔72hを通して、ヒートシンク30のネジ止め孔39Aに締結する。これにより、ネジ89によってヒートシンク30と正面内側フレーム72とが固定される。なお、このネジ89の締結によって、ヒートシンク30と正面内側フレーム72とは固定されるが、ヒートシンク30と正面外側フレーム73とは固定されない(図32に示すように、ネジ89が締結された状態で、ネジ89の頭部は正面外側フレーム73の挿通孔73hに対しては挿通された状態にある。)。上記のように、正面外側フレーム73は、正面内側フレーム72に対してネジ75によって固定されることで(図20参照)、正面内側フレーム72を介してヒートシンク30と固定される。
次に、図33に基づいて、背面側の組付け構造について説明する。
ヒートシンク30の一対の突出部37の背面側の端面には、背面フレーム71を位置決めする位置決め部としての位置決め孔38Bが設けられている。さらに、各突出部37の背面側の端面には、背面フレーム71に対して固定される固定部としてのネジ止め孔39Bが形成されている。なお、上記正面側に設けられるネジ止め孔39Aと同様、背面側に設けられるネジ止め孔39Bの個数や配置は適宜変更可能である。
一方、背面フレーム71には、ヒートシンク30の位置決め孔38Bと嵌合する位置決め部としての位置決め突起71gが形成されている。さらに、背面フレーム71には、ヒートシンク30のネジ止め孔39Bに締結されるねじ89を挿通させる挿通孔71hが形成されている。
ヒートシンク30を背面フレーム71に組み付けるには、まず、背面フレーム71の各位置決め突起71gをヒートシンク30の各位置決め孔38Bに挿通させる。これにより、位置決め突起71gが位置決め孔38Bと嵌合し、ヒートシンク30と背面フレーム71との位置決めがなされる。そして、背面側(外側)からネジ89を、背面フレーム71の挿通孔71hを通して、ヒートシンク30のネジ止め孔39Bに締結する。これにより、ネジ89によってヒートシンク30と背面フレーム71とが固定される。図34に、ヒートシンク30が背面フレーム71に対して組み付けられた状態を示す。
上記のように、本実施形態では、ヒートシンク30において剛性の高い部分である補強部35(突出部37)にネジ止め孔39A,39Bを形成し、このネジ止め孔39A,39Bにネジ89を締結することで正面内側フレーム72と背面フレーム71に対するヒートシンク30の固定を行うようにしている。すなわち、ヒートシンク30の剛性の高い補強部35(突出部37)を各フレーム71,72に固定するので、ヒートシンク30を各フレーム71,72に固定したときの構造体の剛性が向上し、構造体にひずみが生じたり、ヒートシンク30の姿勢が不安定になったりするのを抑制することができる。これにより、搬送ベルト51に対するヒートシンク30の密着性を良好に確保することができ、所望の冷却性能が得られるようになる。また、搬送ベルト51に対するヒートシンク30の接触不均一も抑制できるので、搬送ベルト51の幅方向の一方への寄り移動も抑制でき、搬送ベルト51の搬送性も良好に得られる。
特に、本実施形態では、突出部37が、側壁部36とフィン31と受熱部32のいずれよりも厚く剛性が高いので(図31、図33中、t4>t1、t2、t3)、この突出部37と各フレーム71,72とを固定することで構造体全体の剛性が高くなる。また、本実施形態では、側壁部36をフィン31よりも厚く形成することで側壁部36の剛性を高め(図31、図33中、t1>t2)、側壁部36と突出部37との接続部に応力集中が生じても、側壁部36に撓みや捩れが生じにくくなるようにしている。
本実施形態では、正面内側フレーム72と背面フレーム71に対してヒートシンク30の補強部35が直接接触して固定されるが、両部材間にスペーサを介在させたり隙間をあけたりして、直接接触させずに固定してもよい。例えば、スペーサとしてスポンジ等の反発力の小さい弾性部材を用いることで、正面内側フレーム72や背面フレーム71の屈曲を抑制でき、これらのフレーム71,72と突出部37との干渉を回避することができる。
また、本実施形態では、各フレーム71,72が補強部35(突出部37)の正面側又は背面側の端面(正面又は背面を臨む端面)に接触して固定されているが、この固定箇所は、補強部35の搬送方向と交差する搬送幅方向端部側であれば、正面側又は背面側の端面以外の面であってもよい。例えば、補強部35(突出部37)の搬送方向の上流側又は下流側を臨む面あるいは上面又は下面に各フレーム71,72を接触させて固定してもよい。
また、本実施形態では、正面内側フレーム72と正面外側フレーム73とが、いずれもヒートシンク30に設けられた位置決め突起38Aによって位置決めされるため、これらのフレーム72,73同士の相対的位置精度が向上する。すなわち、それぞれの位置決め基準が同じであるので、これらのフレーム72,73に組み付けられる各構成部材同士の相対的位置精度も向上する。これにより、ヒートシンク30とヒートパイプローラ40とを互いに接近させて精度良く位置決めすることができるため{これらの両受熱部32,42間の距離(図2中の符号Zで示す距離)を短くすることができるため}、小型化と冷却性能の向上を実現できる。
また、本実施形態では、ヒートシンク30に設けられる位置決め部(位置決め突起38A、位置決め孔38B)は、ヒートシンク30に設けられる固定部(ネジ止め孔39A、ネジ止め孔39B)よりも搬送方向に互いに離れた位置に配置されている。すなわち、図31に示す正面側では、位置決め突起38A同士の搬送方向の距離H1がネジ止め孔39A同士の搬送方向の距離H2よりも長く、図32に示す背面側では、位置決め孔38B同士の搬送方向の距離H3もネジ止め孔49B同士の搬送方向の距離H4よりも長い。このように、位置決め部同士が互いに離れた位置に配置されているため、互いに近い位置に配置されている場合よりも位置決め精度が向上する。
また、ヒートシンク30に設けられる位置決め部(位置決め突起38A、位置決め孔38B)と固定部(ネジ止め孔39A、ネジ止め孔39B)は、上下方向に並べて配置することもできるが、本実施形態では水平方向(搬送方向)に並べて配置している。これにより、突出部37の特に上下方向のサイズアップを抑制することができる。
図35は、ヒートシンク30を固定する部分の構成を示す図である。
図35(a)に示す例は、ヒートシンク30の補強部35である側壁部36を受熱部32よりも厚く構成し(t1>t3)、その側壁部36にネジ止め孔39Aを設けたものである。この場合、厚く構成された側壁部36にネジ止め孔39Aが設けられているので、正面内側フレーム72や背面フレーム71に対してヒートシンク30を固定したときの構造体の剛性が向上する。一方、受熱部32は薄く構成されているので、フィン31への熱伝導性が良く、冷却性能が高くなる。
図35(b)に示す例は、同図(a)に示す例とは反対に、受熱部32を側壁部36よりも厚く構成し(t3>t1)、その受熱部32にネジ止め孔39Aを設けたものである。この場合、厚く構成された受熱部32が正面内側フレーム72や背面フレーム71に固定されるため、構造体の剛性が向上する。また、この場合、側壁部36にはネジ止め孔39Aを設けなくてもよいため、側壁部36をフィン31と同じ厚さにすることで(t1=t2)、放熱部として機能させることができる。
図35(c)に示す例は、側壁部36と受熱部32の両方を厚く構成し、それぞれにネジ止め孔39Aを設けたものである。この場合、図35(a)(b)に示す例に比べて、構造体としての剛性が高くなる。
上記のように、図35(a)に示す例は、同図(b)(c)に示す例に比べて受熱部32を薄くできるため冷却性能が向上する長所がある。しかしながら、図35(a)に示す例のように側壁部36を一様に厚く形成するとコストが高くなったり装置が大型化したりする短所がある。これに対し、上記本実施形態では、側壁部36を一様に厚くするのではなく、部分的に厚くして突出部37を構成し、この突出部37にネジ止め孔39Aを設けている。図31,33に示すように、t4>t1、t3>t2としている。また、図31,33に示す受熱部32の厚さt3は、図35(a)の受熱部32のように薄くしている。さらに、図31,33に示すt3とt1はほぼ同じ厚さであり、t1はt2の約2倍としている。このように構成することで、側壁部36を一様に厚くする例に比べて、低コスト化及び小型化を図ることができるようになる。
図36は、搬送ベルト51の幅方向への寄り止め構造を示す図である。
図36に示すように、搬送ベルト51の幅方向端部の内周面には、搬送ベルト51の幅方向の移動を規制する幅方向移動規制部としての規制凸部51bが周方向全体に渡って設けられている。図36では、搬送ベルト51の一端部側の構成のみ示しているが、反対側の端部にも同様に規制凸部51bが設けられている。このように、搬送ベルト51の幅方向両端部に規制凸部51bが設けられていることで、仮に、搬送ベルト51が幅方向の一方に移動したとしても、一方の規制凸部51bが駆動ローラ52のローラ部52aの一端部側に接触することで、搬送ベルト51の幅方向への移動が規制される。
規制凸部51bは、搬送ベルト51の本体部と同様に可撓性を有する樹脂又はゴムで構成されている。一方、駆動ローラ52は金属製である。このため、樹脂、又はゴム製の規制凸部51bが直接金属製のローラ部52に接触すると、規制凸部51bの摩耗が激しくなる虞がある。そこで、本実施形態では、規制凸部51bの摩耗を抑制するため、駆動ローラ52のローラ部52の両端部に、樹脂製の保護部材94を設けている。保護部材94は、リング状に形成され、駆動ローラ52の軸部52bに対して回転可能に取り付けられている。また、駆動ローラ52の軸部52bには、軸部52bからの保護部材94の脱落を防止する抜け止め部材95が装着されている。
また、図36に示すように、ヒートシンク30の受熱部32の受熱面32a側には、搬送ベルト51の規制突起51bとの干渉を回避するための溝32bが、搬送ベルト51の表面移動方向(搬送方向)に連続して形成されている。なお、溝32bは、ヒートシンク30の正面側と背面側の両方の端部側に形成されている。
図37に示すように、記録材Pの搬送性に影響を与えないように、規制凸部51bは最大幅サイズの記録材Pを通紙する最大通紙領域(最大搬送媒体通過領域)Qの幅方向端部よりも外側に配置されている。また、搬送ベルト51と挟持して記録材Pを搬送するヒートパイプローラ40及び各ベルト対向ローラ61,62のそれぞれのローラ部の端部は、最大通紙領域(最大搬送媒体通過領域)Qの幅方向端部よりも外側に配置される。これにより、記録材Pを冷却しつつ安定して搬送することができる。
続いて、搬送ユニット60の構成について説明する。
図38に示すように、搬送ユニット60は、2つのベルト対向ローラ61,62と上側の上流側搬送ローラ63とを保持する筐体67を有する。筐体67には、各搬送ガイド65a〜65cが一体的に構成されている。筐体67は、背面フレーム71と正面外側フレーム73とに設けられた各支軸71b,73bによって回転可能に支持されている。これにより、搬送ユニット60は、各支軸71b,73bを中心に上下方向(図の矢印方向)に回転し、搬送ベルト51に対して接近離間する。
搬送ユニット60が搬送ベルト51に対して接近した状態(図38中の実線で示す状態)では、各ベルト対向ローラ61,62が搬送ベルト51に接触し、上側の上流側搬送ローラ63が下側の上流側搬送ローラ64に対して接触した状態で配置される。また、この状態で、各ベルト対向ローラ61,62及び上流側搬送ローラ63は、筐体67に設けられた付勢部材としてのバネ96〜98によって接触する相手部材(搬送ベルト51、上流側搬送ローラ64)へ付勢されている。
一方、搬送ユニット60が搬送ベルト51から離間した状態(図38中の二点鎖線で示す状態)では、各ベルト対向ローラ61,62が搬送ベルト51に対して離間し、上側の上流側搬送ローラ63が下側の上流側搬送ローラ64に対して離間した状態で配置される。これにより、主搬送路26の上方が開放された状態となり、メンテナンス作業や紙詰まり処理が行いやすくなる。
また、搬送ユニット60には、搬送ユニット60が搬送ベルト51に対して離間しないようにロックするロック部材としての係合爪110と、係合爪110によるロック状態を解除するロック解除操作部としての解除レバー111とが設けられている。
図39に示すように、係合爪110は、搬送ユニット60の正面側と背面側の両端部側に設けられ、これに対応して、背面フレーム71と正面外側フレーム73には、係合爪110と係合する係合部としての係合突起71j,73jが設けられている。係合爪110は、解除レバー111が固定された支軸112の両端部に回転可能に取り付けられる。また、係合爪110には、一端部が筐体67に取り付けられた付勢部材であるバネ99の他端部が取り付けられている。このバネ99によって、係合爪110は常時、係合突起71j,73jと係合する方向へ付勢されている。
図40に示すように、解除レバー111が設けられた支軸112の端部には、係合爪110を押し動かす押動部113が設けられている。押動部113は、支軸112の端部に設けられた板状の部材から上方へ突出し、さらに90°に屈曲して形成された部分である。そして、この屈曲した押動部113の先端部は、係合爪110の上部に形成された孔部110aに挿入されている。
解除レバー111と押動部113は、支軸112に対して回転しないように固定されている。このため、図41に示すように、支軸112を中心に解除レバー111を上方へ回転させると、これに伴って押動部113も回転する。一方、係合爪110は支軸112に対して回転可能となっているが、押動部113が回転することで、押動部113によって係合爪110が押し動かされる。これにより、係合爪110がバネ99の付勢力に抗して支軸112を中心に回転し、係合突起71j,73jとの係合が解除される。なお、このとき押動部113が係合爪110を押す箇所は、係合爪110の回転中心(支軸112の中心)から径方向に離れた位置であるので、小さい力で係合爪110を押し動かして係合を解除できる。そして、係合が解除された状態で、搬送ユニット60を上方へ回転させることで(図38参照)、搬送ベルト51に対して搬送ユニット60を離間させることができる。
また、この状態から、反対に搬送ユニット60を下方へ回転させると、搬送ベルト51に対して搬送ユニット60が接近した状態(搬送ベルト51にベルト対向ローラ61,62が接触した状態)となる。このとき、係合爪110は係合突起71j,73jと再び係合し、搬送ユニット60が回転しないように保持される。
上記のように、本実施形態では、メンテナンス作業や紙詰まり処理を行いやすくするために搬送ユニット60を搬送ベルト51に対して離間可能に構成しているが、ヒートパイプローラ40は搬送ベルト51に対して離間させないようにしている。このように、搬送ベルト51に対してヒートパイプローラ40を接近離間させずに搬送ユニット60を接近離間させることで、搬送ユニット60とヒートパイプローラ40とを一緒に接近離間させる場合に比べて、接近離間動作に必要なスペースを少なくすることができる。これにより、装置の小型化を図れるようになる。
また、本実施形態では、搬送ユニット60の回転中心となる支軸71b,73bがヒートパイプローラ40側に設けられているため、搬送ベルト51に対して搬送ユニット60を接近離間させる際、搬送ユニット60のヒートパイプローラ40側とは反対側の端部が大きく回転する。反対に、搬送ユニット60のヒートパイプローラ40側の端部は大きく回転しないので、搬送ユニット60の接近離間時に搬送ユニット60がヒートパイプローラ40と干渉しにくくなる。
図42に示すように、特に本実施形態では、小型化のためや記録材Pをヒートパイプローラ40へ確実に案内するために、搬送ユニット60が有する搬送方向最下流の搬送ガイド65cのヒートパイプローラ40側の端部(搬送方向の下流端部)651が、ヒートパイプローラ40に対して近接した位置に配置されている。具体的には、ヒートパイプローラ40の軸方向から見て、搬送ガイド65cの下流端部651は、放熱部43を構成するフィン41の外周面よりも内側に配置されている。このように、本実施形態では、搬送ガイド65cがヒートパイプローラ40に近接して配置されているが、上記のように、搬送ユニット60の回転中心をヒートパイプローラ40側に設けることで、搬送ユニット60の接近離間時に搬送ガイド65cがヒートパイプローラ40と干渉しにくくなる。
図42において、一点鎖線C1で示す円弧は、最下流の搬送ガイド65cが支軸71b,73bを中心に回転した際の下流端部651が通過する回転軌道である。図42に示すように、この回転軌道C1が搬送ベルト51と接触しないようにする(以下で説明する接点Sを通過する仮想円C2よりもC1が内側に配置される)ことで、搬送ユニット60を接近離間させた際の搬送ベルト51に対する搬送ガイド65cの接触を回避することができ、搬送ベルト51の損傷を防止できる。
また、図42において、点Sは、支軸71b,73bを中心とする仮想円C2と搬送ベルト51との接点である。この接点Sを境界に各ベルト対向ローラ61,62をヒートパイプローラ40とは反対側{又は、接点Sよりも搬送ユニット60の離間動作方向下流側(図の右側)}に配置することで、搬送ユニット60が離間する際に各ベルト対向ローラ61,62が搬送ベルト51に対して近づくことなく離間する。これにより、各ベルト対向ローラ61,62が搬送ベルト51に対して強く擦られるのを防止することができ、搬送ベルト51に擦れ跡が付くことによる画像不良の発生を回避することができるようになる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態では、ヒートシンク30の受熱面32aが水平方向に配置され、これに対しフィン31の先端部31aが斜めに並べて配置されているが(図2参照)、本発明はこのような実施形態に限らない。例えば、図43に示す例のように、受熱面32aが水平方向に対して傾斜する冷却装置にも本発明を適用可能である。すなわち、受熱面32aから各フィン31の先端部31aまでの距離を搬送方向に渡って異ならせることで、ヒートシンク30の外郭形状を正方形や長方形以外の形状に形成することができ、レイアウト性が向上する。この例では、ヒートシンク30を主搬送路26の上方に配置すると共に、フィン31を搬送方向の下流側に向かって短くし、各フィン31の先端部31aを水平方向に並べることで、ヒートシンク30の上方で張架される搬送ベルト51Aの部分を水平方向に配置している。従って、搬送ベルト51Aの部分の上方にある構造物101を搬送ベルト51Aに近接して配置することが可能である。また、本発明を適用する冷却装置は、図43に示す例のような冷却部材を1つのみ(この例ではヒートシンク30)備えるものであってもよいし、2つの搬送ベルト51A,51Bによって記録材Pを挟持して搬送するものであってもよい。
また、図44に示す例のように、ヒートシンク30の各フィン31の先端部31aを直線状ではなく曲線状に並べて配置してもよい。
また、図45に示す例のように、ヒートシンク30のフィン31は、搬送方向(図の矢印U方向)と交差する幅方向に並ぶように配置されてもよい。この場合、各フィン31の先端部31aは搬送方向Uに渡って延在しているが、各フィン31の先端部31aにおける受熱面32aからの距離を搬送方向Uに渡って変化させることで、上記実施形態と同様にレイアウト性が向上する。また、第1ファン80A及び第2ファン80Bを搬送ベルト51の幅方向の一端側に配置し、上流側ダクト81f及び下流側ダクト81gを搬送ベルト51のループ内に収容する。そして、各フィン31の間を流れる気流を、搬送方向Uと逆方向に発生させる。これにより、記録材Pの熱量が低い下流側から熱量が多い上流側に向けて気流を発生されるのでより効率よく記録材Pを冷却できる。一方、熱量が多いフィン31の上流側の部分は下流側の部分よりも熱いため、フィン31の上流側の部分を積極的に冷やしたい場合は搬送方向Uと同じ方向に気流を発生させてもよい。また、この例では、ヒートシンク30は、支持部材としてのフレーム710に対して、ヒートシンク30の補強部35の搬送幅方向端部側(図の左側面)で固定されている。
また、上記実施形態では、背面側に1つの支持部材(背面フレーム71)を配置し、正面側に2つの支持部材(正面内側フレーム72及び正面外側フレーム73)を配置しているが、正面側の構成と背面側の構成を逆にしてもよい。また、冷却装置9を搬送する記録材Pの搬送方向が画像形成装置の前後方向である場合、これらの支持部材を画像形成装置本体の正面又は背面と交差する右側面側と左側面側とに配置してもよい。また、3つの支持部材(背面フレーム71、正面内側フレーム72、正面外側フレーム73)でなく、2つの支持部材(例えば背面フレーム71と正面外側フレーム73)によって各構成部材を支持するようにしてもよい。
また、上記実施形態とは異なり、図46に示す例のように、ヒートシンク30の各フィン31の受熱面32aから先端部31aまでの距離を搬送方向に渡って同じに形成し、水平面に対して各先端部31aの位置が下方から上方に傾斜するように位置させてもよい。また、この例のように、ヒートシンク30と搬送ユニット60をヒートパイプローラ40に対して搬送方向の下流側に配置してもよい。さらに、この例のように、搬送方向の上流側に配置される各従動ローラ53,54に加え、搬送方向の下流側に配置される駆動ローラ52と従動ローラ55もヒートシンク30の突出部37を挟むように接近させて配置することで、より一層の小型化を図れるようになる。
また、上記実施形態では、搬送ユニット60の回転中心となる支軸71b,73bをヒートパイプローラ40側に配置しているが(図38参照)、これとは反対側に支軸71b,73bを配置してもよい。また、搬送ベルト51に対する搬送ユニット60の接近離間動作は、回転動作に限らない。例えば、図47に示す例のように、上下方向に延びる一対のガイドレール68を設け、このガイドレール68に沿って搬送ユニット60を上下方向に直線移動させることで、搬送ユニット60が搬送ベルト51に対して接近離間するようにしてもよい。また、上記実施形態では、搬送ベルト51に対して接近離間するベルト対向部材として、ベルト対向ローラ61,62と搬送ガイド65a〜65cとが設けられているが、これらのいずれか一方を備えるものであってもよい。また、搬送ベルト51に対して接近離間するベルト対向部材として、複数のローラによって張架される対向搬送ベルトを備えるものであってもよい。
また、図4に示すように第1冷却部材であるヒートシンク30と第2冷却部材であるヒートパイプローラ40を対向させてもよい。このとき、第1冷却部材と第2冷却部材との接触領域を増やすには、図48に示すように、ヒートパイプローラ40の受熱部42の外周形状に沿ってヒートシンク30受熱部32を湾曲させればよい。これにより、ヒートシンク30とヒートパイプローラ40を記録材搬送方向にずらす構成と比較して、冷却装置9をより小型化することができる。
また、上記第2冷却部材の冷却方式は、上記実施形態以外の冷却方式であってもよい。例えば、図49に示すように、冷却方式として、ポンプ140によって冷却液をローラ状の受熱部42と放熱部161との間で循環させる液冷方式を採用することも可能である。図49の142は冷却液を溜めるタンクである。
また、上記実施形態では、ヒートシンク30が取り付けられた正面内側フレーム72を正面外側フレーム73に固定するものであったが、正面外側フレーム73にヒートシンク30を直接取り付けてもよい。
また、本発明に係る冷却装置を搭載する画像形成装置は、図1に示すようなカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置であってもよい。なお、画像形成装置としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等が含まれる。
さらに、本発明に係る冷却装置が冷却する搬送媒体は、上記のような電子写真方式の画像形成装置に用いられる記録材に限らない。例えば、図50に示すようなインクジェット記録方式の画像形成装置に用いられるシート状又はロール状の記録材Pでもよい。図50に示すインクジェット記録方式の画像形成装置では、記録材Pが搬送部材210によって搬送され、インクジェットヘッド211によって液が記録材P上に吐出されて画像が形成される。記録材Pが案内されるプラテン212の下方には、プラテン212を介して記録材Pを加熱する電熱ヒータ等の加熱部材213が設けられている。加熱部材213は、記録材Pの表面に着弾した溶剤インク滴を強制的に加熱して、そのインク滴に含まれる浸透性の高い有機溶剤を外気中に素早く蒸発させる。その後、上記実施形態のいずれかの冷却装置9によって冷却される。なお、加熱部材はインクジェットヘッド211に対して搬送方向の下流側に設けられていてもよい。
さらに、本発明に係る冷却装置は、画像形成装置内を搬送される搬送媒体を冷却するものに限らない。例えば、電子基板等を搬送しながら冷却する冷却装置にも本発明を適用可能である。