JP6929033B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材上の画像を記録材に定着する定着装置を搭載する複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
近年では、画像形成装置に搭載する定着装置として、筒状のフィルムを用いたものが使用されている。この定着装置は、筒状のフィルムと、フィルムを加熱するヒータと、フィルムと共に定着ニップ部を形成するローラと、を有し、未定着トナー画像を担持する記録材を定着ニップ部で搬送しながら加熱して画像を記録材に定着する。ウォームアップ時間が短く、待機時の消費電力が小さいという利点がある。
一方、この定着装置は、幅の小さい記録材(以下、小サイズ記録材と記す)を連続的に定着処理する場合に、記録材が通紙されない部分(非通紙部)が過昇温する、所謂非通紙部昇温が生じやすいことが知られている
そこで、特許文献1には、定着部の非通紙部に送風して冷却するためのファンを有し、そのファンの送風領域を、シャッタを移動させることで記録材の幅に応じて調整可能な画像形成装置が開示されている。ファンは、フィルムもしくはヒータの非通紙部のうち送風可能な領域に設けられた温度検知部材の検知温度に応じて制御される。
特開2013−134421号公報
近年、プリンタ等の画像形成装置は、多種多様なメディアに対応するメディアフレキシビリティの更なる向上が求められている。
従って、特許文献1におけるファンの送風可能領域(開口部)の間にある送風できない領域(非送風領域)の幅よりも狭い小サイズ記録材を定着処理することが求められる場合がある。
しかしながら、小サイズ記録材の非通紙領域に非送風領域が存在し且つその領域の温度がモニタリングできないのでファンの制御によって非通紙部昇温を抑制することは難しい。従って、先行する記録材と、後続する記録材と、のインターバルになる期間を延ばすことで非通紙部昇温を抑制することになり、小サイズ記録材の生産性が低下するという課題がある。
上記課題を解決するための好適な実施形態の一つは、記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、加熱部材と、前記加熱部材との間にニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で前記未定着トナー像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー像を記録材に定着する定着部と、ファンと、前記加熱部材の端部に対向するように設けられた開口部と、前記開口部の開口幅を調整する調整部材と、を備え、前記開口部を介して前記ファンの風を前記加熱部材に誘導する送風部と、前記ファンを制御する制御部と、を備え、記録材の搬送方向に直交する記録材の幅方向において、前記開口部よりも前記加熱部材の中央に近い側の前記加熱部材の領域が前記開口幅を最大にしても前記送風部による送風がされない非送風領域になるように構成され、前記非送風領域の一部が非通紙領域になる幅を有する小サイズ記録材を使用可能な画像形成装置において、前記非送風領域のうち前記小サイズ記録材の非通紙領域になる前記加熱部材の領域の温度を検知する第1の温度検知部材を有し、前記制御部は、前記小サイズ記録材を搬送する場合は、前記第1の温度検知部材の検知温度に応じて前記ファンを制御し、前記記録材の幅方向において前記加熱部材の前記非送風領域よりも外側の領域の温度を検知する第2の温度検知部材を有し、前記非送風領域の全域が通紙領域であって前記第2の温度検知部材の温度検知領域が非通紙領域となる記録材を連続的に定着処理する場合は、前記制御部は、前記第2の温度検知部材の検知温度に応じて前記ファンを制御することを特徴とする。
ファンの送風ができない非送風領域の一部が非通紙領域になる小サイズ記録材を連続的に定着処理する場合であっても、ファンの送風によって非通紙部昇温を抑制し小サイズ記録材の生産性を向上させることが可能になる。
実施例に係る定着装置の断面模式図 実施例に係る定着装置を搭載した画像形成装置の断面模式図 実施例に係る定着装置の正面模式図 実施例に係る定着部の断面模式図 実施例に係るフィルムの層構成模型図 実施例に係るヒータの断面模式図と制御系統のブロック図 実施例に係る送風部の斜視図 図7に示す送風部のA−A断面図 シャッタが開口部を完全に閉ざした全閉位置に移動した状態図 シャッタが開口部を完全に開いた全開位置に移動した状態図 小サイズ記録材の定着処理時のフィルムの表面温度の長手方向の分布を示す図 小サイズ記録材の定着処理時のフィルム表面の最大温度の時間変化を示す図
[実施例1]
以下に、実施例を挙げて図面を参照しながら本発明について説明する。
(1)画像形成部
図2は定着装置を搭載した、本実施例に係る画像形成装置としてのレーザビームプリンタの概略構成を示す模式図である。
まず、画像形成部の概略を説明する。このプリンタは、制御回路部(制御部)100と通信可能に接続した外部ホスト装置200からの画像情報に応じて画像形成動作を実行し、記録材にフルカラー画像を形成して出力することができる。本実施例における制御回路部100は、中央演算処理装置(CPU)である。
外部ホスト装置200は、コンピュータ、イメージリーダー等である。制御回路部100は、外部ホスト装置200と信号の授受をする。また各種作像機器と信号の授受をし、画像形成シーケンス制御を司る。
8は無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと略記する)であり、二次転写対向ローラ9とテンションロ−ラ10との間で張架されていて、ローラ9が駆動されることにより矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。11は二次転写ローラであり、上記の二次転写対向ローラ9に対してベルト8を介して圧接させてある。ベルト8と二次転写ローラ11との当接部が二次転写部である。
1Y・1M・1C・1Bkは第1〜第4の4つの画像形成ユニットであり、ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成ユニットはレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)2を有する。各ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。各転写ローラ5はベルト8の内側に配置してあり、ベルト8の下行き側ベルト部分を介して対応するドラム2に対して圧接させてある。各ドラム2とベルト8との当接部が一次転写部である。7は各画像形成部のドラム2に対するレーザ露光装置であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
制御回路部100は外部ホスト装置200から入力されたカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成ユニットを動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成ユニット1Y・1M・1C・1Bkにおいて、それぞれ回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー像(未定着トナー像)が形成される。尚、ドラム2にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスについての説明は省略する。
各画像形成ユニットのドラム2の面に形成される上記のトナー像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト8の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト8の面に上記の4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
一方、所定の給紙タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下多段のカセット給紙部13A・13B・13Cのうちの選択された段位の給紙カセットの給紙ローラ14が駆動される。これにより、その段位の給紙カセットに積載収納されている記録材Pが1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。手差し給紙が選択されているときには、給紙ローラ18が駆動される。これにより、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)17上に積載セットされている記録材が1枚分離給紙されて縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。
レジストローラ16は、回転するベルト8上の上記のフルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8上のフルカラーのトナー像が一括して記録材Pの面に二次転写される。尚、トナー像を記録材に二次転写するために必要な構成を画像形成部とする。二次転写部を通過した記録材は、ベルト8の面から分離され、縦ガイド19に案内されて、定着装置(定着器)20に導入される。この定着装置20により、上記の複数色のトナー像が溶融されて記録材に定着される。定着装置20を出た記録材は搬送パス21を通って排紙ローラ22により排紙トレイ23上に排出される。二次転写部にて記録材を分離した後のベルト8の面はベルトクリーニング装置12により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。モノクロプリントモードの場合には、ブラックトナー像を形成する第4の画像形成ユニットBkのみが制御される。両面プリントモードが選択されている場合には、第1面プリント済みの記録材が排紙ローラ22により排紙トレイ23上に送り出されていき、後端部が排紙ローラ22を通過する前に排紙ローラ22の回転が逆転に変換される。これにより、記録材はスイッチバックされて再搬送パス24に導入される。そして、表裏反転状態になって再びレジストローラ16に搬送される。以後は、第1面プリント時と同様に、二次転写部、定着装置20に搬送されて、排紙トレイ23上に排出される。
(2)定着部
以下の説明において、定着装置またはこれを構成する部材について長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に平行である方向である。定着装置に関して、正面とは記録材導入側の面、左右とは装置を正面から見て左または右である。記録材の幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
図1は本実施例に係る定着装置(定着部)20A、送風部20Bの模式図である。図3は定着部20Aの正面模式図、図4はその断面模式図である。送風部20Bについては後で説明する。
31はフィルムアセンブリであり、加熱回転体としての筒状のフィルム33と、横断面が略半円弧状樋型であって耐熱性・剛性を有するガイド部材34と、ヒータ35と、を有する。ヒータ35は、ガイド部材34の外面に、ガイド部材34の長手方向に沿って設けられた凹部で支持されている。フィルム33は、ヒータ35を取り付けたガイド部材34に対してルーズに外嵌させてある。フィルムアセンブリ31は更に、横断面がU字型の補強部材としてのステイ36と、ステイ36の左右両端部の外方突出腕部36aにそれぞれ嵌着した端部ホルダ37と、を有する。端部ホルダ37は、フィルム33の長手方向の端面と接触するフランジ部37aを有する。
32は、加圧部材としての加圧ローラであり、芯金32aと、芯金32aの外側に形成されたシリコーンゴム等の弾性層32bと、を有する。加圧ローラ32は、表面性を向上させるために、弾性層32bの外側に、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層32cを有する構成であっても良い。加圧ローラ32は芯金32aの両端部を不図示の装置枠体の左右の側板間に軸受部材を介して回転自由に支持されている。
フィルムアセンブリ31を、ヒータ35側を加圧ローラ32に対向させて配列し、左右の端部ホルダ37と不図示の装置枠体が有する左右の固定のばね受け部材39との間に加圧ばね40を縮設してある。これにより、ステイ36、ガイド部材34、ヒータ35が加圧ローラ32に対して付勢される。その付勢力を所定値に設定して、フィルム33を挟んでヒータ35を加圧ローラ32に対して押圧し、フィルム33と加圧ローラ32との間に記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
フィルム33は、層構成を示す図5のように、内面側から外面側に順に、基層33a、弾性層33b、離型層33cの3層複合構造である。基層33aは、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性フィルムを使用できる。例えば、SUS、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PES、PPS、PTFE、PFA、FEP等のフィルムを使用できる。本実施例では、直径25mmの筒状のポリイミドフィルムを用いた。弾性層33bは、ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率4.18605×10−1W/m・℃(1×10−3[cal/cm.sec.deg])、厚さ200μmのシリコーンゴムを用いた。離型層33cは厚さ20μmのPFAコート層を用いた。PFAチューブを用いても良い。PFAコートは、厚さが薄く出来、材質についてもPFAチューブに比較してトナーをつつみ込む効果がより大きい点が優れている。一方、機械的及び電気的強度はPFAチューブがPFAコートよりも優っているので、場合により使い分けることが出来る。
ヒータ35は、記録材Pの搬送方向に直交する方向に長い低熱容量の板状のものである。図6は、そのヒータ35の断面模式図と制御系統図である。このヒータ35は、基板35aと、基板35a上に形成された発熱抵抗層35bと、保護層35cと、を有する。基板35aは、チッ化アルミニウム等のセラミックで形成されている。発熱抵抗層35bは、ヒータ基板35aのフィルム33に接触する面と反対側の面にスクリーン印刷等によりAg/Pd(銀/パラジウム)等の電気抵抗材料を厚さ約10μm、幅1〜5mmになるように形成されている。保護層35cは、発熱抵抗層35bを覆うようにガラスやフッ素樹脂等で形成されている。本実施例においては、ヒータ基板35aのフィルム33と接触する側の面に摺動部材(潤滑部材)35dを設けている。
ヒータ35は、ガイド部材34の外面の略中央部に長手方向に沿って形成された溝部に、摺動部材35dを設けたヒータ基板表面側を露呈させて支持させてある。定着ニップ部Nではこのヒータ35の摺動部材35dの面とフィルム33の内面が接触摺動する。そして、回転する加熱部材であるフィルム33がヒータ35により加熱される。
ヒータ35の発熱抵抗層35bに電力を供給することで、発熱抵抗層35bが発熱してヒータ35がヒータ長手方向の有効発熱幅Aの全域において昇温する。ヒータ35上に設けられたサーミスタTH1によってヒータ35の温度が検知され、その出力(温度に関する信号値)がA/Dコンバータを介して制御回路部100に入力する。制御回路部100は、その入力した温度情報に基づいて、サーミスタTH1の温度が目標温度に維持されるように電源(電力供給部、ヒータ駆動回路部)101から発熱抵抗層35bに供給される電力が制御される。
加圧ローラ32は、モータ(駆動源)M1により図1に示す矢印の方向(反時計周り)に回転される。この加圧ローラ32の回転駆動による加圧ローラ32とフィルム33の外面との定着ニップ部Nにおける摩擦力でフィルム33に回転力が作用する。これにより、フィルム33が、その内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ35に密着して摺動しながら矢示の反時計方向にガイド部材34の外回りを回転する。フィルム33は加圧ローラ32の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転する。左右のフランジ部37aは、回転するフィルム33がガイド部材34の長手に沿って左方または右方に寄り移動したとき寄り移動側のフィルム端部を受け止めて寄り移動を規制する役目をする。定着ニップ部Nにおけるヒータ35とフィルム33との摺動性を向上させるためにヒータの面に摺動部材35dを配設し、フィルム33の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させる。そして、プリントスタート信号に基づいて、加圧ローラ32の回転が開始され、またヒータ35への電力供給が開始される。フィルム33の回転周速度が定常化し、ヒータ35の温度が所定温度に達したタイミングで、定着ニップ部Nにトナー画像tを担持させた記録材Pがトナー画像担持面側をフィルム33側にして導入される。記録材Pは定着ニップ部Nにおいてフィルム33を介してヒータ35に密着して定着ニップ部Nをフィルム33と一緒に移動する。その過程において、フィルム33の熱によってトナー画像tが記録材P面に加熱定着される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pはフィルム33の面から分離されて排出される。
記録材Pは記録材の幅方向の中央を装置の搬送基準に合わせて搬送する。本実施例の装置の搬送基準は、記録材の幅方向における装置の中央であり、所謂中央基準搬送が行なわれるように構成されている。従って、装置で使用可能な最大幅の記録材よりも幅の狭い記録材(以後、小サイズ記録材と記す)を搬送すると、非通紙領域が小サイズ記録材の両端部にできる。本実施例においては、定着フィルム33の長手中央も装置の搬送基準の位置と一致するので、記録材の幅方向の中央が定着フィルム33の長手中央を合うように記録材が搬送されることになる。Sはその記録材の搬送基準線(仮想線)である。
(3)温度検知部
ヒータ35もしくはフィルム33の温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタの位置について説明する。サーミスタTH1は、画像形成装置で使用する全ての記録材が通過するヒータ35の領域の温度を検知できるように設けられている。サーミスタH1の検知温度に応じてヒータ35に供給される電力を制御する。本実施例においては、サーミスタTH1は、ヒータ35の長手方中央部に設けられている。サーミスタTH2とTH3は、フィルム33の内面のうち記録材の非通紙領域の温度を検知するようにフィルム33の端部領域に設けられている。サーミスタTH2とTH3はそれぞれ、ガイド部材34に一端が固定された弾性支持部材としての板バネ38の他端(自由端)に設けられ、板バネの弾性力でフィルム33の内面に接触している。本実施例においてサーミスタTH2及びTH3が設けられている位置はそれぞれ、ヒータ35の長手中央から150mm、63mmの位置である。サーミスタTH1,TH2、TH3の検知情報(温度に関する信号値)は、A/Dコンバータを介して制御回路部100に入力される。
尚、本実施例においては、サーミスタTH1はヒータ35の温度を検知するように設けたものの、これに限定されない。サーミスタTH2、TH3のようにフィルム33の内面の温度を検知する構成にしても良い。また、サーミスタTH2とTH3は、ヒータ35の温度を検知するように設けてもよい。
(4)送風部
図1、図7、図8を参照して、本実施例に係る送風部20Bについて説明する。図7は、この送風部20Bの斜視図である。図8は、図7の送風部20BのA−A線断面図である。送風部20Bは、小サイズ記録材を連続的に定着処理した場合に生じる、フィルム33の非通紙部昇温を送風により抑制するために設けられている。送風部20Bは、ファン41と、ファン41の風を導くダクト42と、を有する。ダクト42は開口部43を有し、開口部43は、小サイズ記録材を定着処理するときに非通紙領域になるフィルム33の端部に対向する位置に設けられている。ファン41の風は、開口部43を介してフィルム33の端部に誘導される。送風部20Bは、開口部43の開口幅を、使用する記録材の幅に応じて調整する調整部材としてのシャッタ44と、シャッタ44を駆動するシャッタ駆動部45と、を有する。
ファン41、ダクト42、開口部43、シャッタ44は、フィルム33の長手方向の左右に対称に配置されている。49はファン41の吸気側に配設した吸気チャンネル部である。
尚、本実施例においてはファン41として軸流ファンを用いたが、シロッコファン等の遠心ファンを使用しても良い。
ここで、シャッタ44の駆動構成について説明する。シャッタ駆動部35は、支持板46、ラック歯47、ピニオンギア48、モータM2を有する。左右の2つのシャッタ44は、開口部43を形成した、左右方向に延びる支持板46の板面に沿って左右方向にスライド移動可能に支持されている。シャッタ44を、ラック歯47とピニオンギア48によって連絡させ、ピニオンギア48をモータ(パルスモータ)M2の正逆転駆動によって正逆回転させる。このピニオンギア48の正逆回転によって、2つのシャッタ44は連動してそれぞれに対応する開口部43に対して開閉することができる。左右の2つの開口部43は、長手中央から74mm(W2/2)〜155mm(W1/2)の範囲が開口するように設けられている。左右のシャッタ44は、支持板46の長手中央から外側に向けて開口部43を所定量だけ閉じる(塞ぐ)ことができるように構成されている。
次に、図6を用いて送風部20Bの制御について説明する。ユーザ入力や給紙カセット13や手差しトレイ17に設けられた記録材の幅の自動検知機構から記録材の幅(サイズ)に関する情報Wが制御回路部100にインプットされる。そして、制御回路部100は、記録材の幅に関する情報Wに基づき、モータM2を駆動しシャッタ44を移動して開口部43の開口幅を調整する。制御回路部100は、装置で使用可能な最大幅を有する記録材(本実施例ではA3サイズ)であるときは、シャッタ駆動部45を制御して、図9のように開口部43がシャッタ44によって完全に閉ざされる全閉位置にシャッタ44を移動する。また、A5Rサイズの幅未満の幅を有する小サイズ記録材であるときは、図10のように、開口部43が全開する全開位置にシャッタ44を移動する。シャッタ44が全開位置にあるとき、開口部43の開口幅は開口部43の幅に一致する。尚、小サイズ記録材がLTR−R、EXE、K8、LTR等である場合には、制御回路部100は、開口部43の開口幅が、これらの記録材の非通紙領域の幅に応じた幅になるようにシャッタ44を移動する。シャッタ44の位置情報はシャッタ44の所定位置に配置されたフラグ50を支持板46上に配置されたセンサ51により検出する。具体的には、図9のように、開口部43を完全に閉じるシャッタ位置でホームポジションを定め、開口幅はモータM2の回転量から検出している。
尚、シャッタ44の位置を直接的に検出するセンサを設けて、そのセンサの検出情報によってシャッタ44の移動を制御しても良い。
次に、本実施例の特徴的な構成及び制御について説明する。図3におけるaは開口部43の幅であり、開口部43の開口幅の最大値でもある。図3のW1は、左右の開口部43の長手中央から遠い側の端部間の領域である。本実施例におけるW1の幅は310mmである。W2は左右の開口部43の長手中央から近い側の端部間の領域、すなわち送風部30Bによる直接的な送風による冷却されない非送風領域である。本実施例におけるW2の幅は、A5サイズ短手幅148mmに一致するように構成されている。
ここで、小サイズ記録材としてW3(105mm)の幅を有する記録材(COM10)を使用する場合、非通紙領域aと非通紙領域bとが生じる。非通紙領域aは、開口部43に対向する領域なので送風部20B(ファン41)の送風によって直接的に冷却される。しかしながら、非通紙領域bは、非送風領域W2の一部であるから送風部20Bの送風によって直接的に冷却されない。従って、W3の幅を有する小サイズ記録材を連続的に定着処理する場合は、非通紙領域bの方が非通紙領域aよりも過昇温になりやすい。
そこで、本実施例の特徴的な構成は、非送風領域W3に含まれる非通紙領域bにサーミスタTH3を設けている点である。更に、本実施例の特徴的な制御は、W3の幅を有する小サイズ記録材を連続的に定着処理する場合は、サーミスタTH3の検知温度に基づいてファン41の制御を行うことである。これによって、非通紙領域(a+b)のうち最も高温になる非通紙領域bの温度をモニタリングしながらファン41を制御できるので、スループット(生産性)を落とさずにW3の幅を有する小サイズ記録材を定着処理できる。
図10及び図11を参照して本実施例の効果について説明する。本実施例では、制御回路部100は、図10に示すように、使用する記録材の幅がW3であるという情報に基づいて、シャッタ44を全開位置まで移動させて、送風部20Bのファン41を駆動する。制御回路部100は、サーミスタTH3の検知温度に応じてファン41を制御する。
図11は、W3の幅を有する記録材を連続的に定着処理する場合に、ファン41の送風による冷却を実施した場合と、実施しない場合におけるフィルム33の表面温度の長手方向の分布である。ファン41の送風による冷却を実施しない場合は、ピーク温度が非通紙領域aと非通紙領域bとでそれほど大きな差はないものの、非通紙領域のピーク温度は高い。よって、定着処理を続けるためには、先行する記録材と、後続する記録材と、のインターバルになる期間を延長して非通紙部昇温を抑制する必要がある。一方、ファン41の送風による冷却を実行する場合は、非通紙領域のピーク温度はそれほど高くないものの、非通紙領域bの方に局所的なピークを有する温度分布になっていることがわかる。従って、非通紙領域bの温度を検知するサーミスタTH3を有していない装置は、非通紙領域bの局所的な温度ピークを検知することができないので、ファン41の制御を行うことが困難である。本実施例では、非通紙領域bの温度をサーミスタTH3で検知できるので、W3の幅の記録材であっても送風部20Bによる送風をしながら定着処理を行うことができる。また、非通紙領域bの昇温がフィルム33の破壊温度(閾値温度)T1に到達する前に、先行する記録材と、後続する記録材と、のインターバルになる期間を延長して非通紙部昇温を抑制することができる。
図12はファン41の送風による冷却を実施した場合と、実施しない場合のフィルム33の表面の最大温度の時間推移である。ファン41の送風による冷却を実施した場合の方が実施しない場合に比べて、フィルム表面の温度が抑制され、最高温度が低くなっている。W3の幅を有する小サイズ記録材を定着処理する場合、非通紙領域bを送風によって直接的に冷却することができないものの、非通紙領域aを送風によって直接的に冷却することにより、非通紙領域bから非通紙領域aへの熱の移動が促進されるためである。
比較例1として、W3の幅の小サイズ記録材(COM10)を連続的に定着処理した場合に、ファンの送風による冷却を実施した場合としない場合と、の小サイズ記録材のプリント生産性を比較した。フィルム33の表面の最大温度が210℃に達したら、スループットを低下させて装置を保護する仕様になっている。本実施例においては、先行する記録材と後続する記録材とのインターバルになる期間を延ばすことでスループットを低下させる。プリント初期のスループットは14PPM、スループットダウン後は9PPMとする。下表にファン41の送風による冷却の有無によるスループットの比較をした結果を示す。
Figure 0006929033
100枚を連続的にプリントした場合の所要時間はファン41の送風による冷却なしでは平均9.5PPMに対して、冷却有りでは14PPMを維持しており、スループットが約47%向上している。
尚、小サイズ記録材がA5サイズ縦(148mm)以上の幅であって装置で搬送可能な最大幅よりも狭い幅を有する記録材の場合は、非送風領域W2よりも外側が非通紙領域になる。従って、記録材の幅方向において非送風領域W2よりも外側に設けられたサーミスタTH2の検知温度に応じてファン41を制御する。つまり、非送風領域W2が全て通紙領域となり、サーミスタTH2の温度検知領域が非通紙領域となる記録材を連続的に定着処理する場合は、サーミスタTH2の検知温度に応じてファン41を制御する。
以上述べたように、本実施例によると、非通紙領域をファンの送風によって冷却する定着装置において、非送風領域の一部が非通紙領域となる小サイズ記録材であっても生産性を低下させずに定着処理することができる。
尚、本実施例における画像形成装置で使用可能な最小幅、最大幅の記録材は定型サイズのものであり、不定形サイズのものではない。
1Y、1M、1C、1K 画像形成ユニット
8 ベルト
11 二次転写ローラ
20A 定着部
20B 送風部
32 加圧ローラ
33 フィルム
35 ヒータ
41 ファン
43 開口部
100 制御回路部
N 定着ニップ部
P 記録材
TH1 第1の温度検知部材
TH2 第2の温度検知部材
TH3 第3の温度検知部材

Claims (3)

  1. 記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、
    加熱部材と、前記加熱部材との間にニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で前記未定着トナー像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー像を記録材に定着する定着部と、
    ファンと、前記加熱部材の端部に対向するように設けられた開口部と、前記開口部の開口幅を調整する調整部材と、を備え、前記開口部を介して前記ファンの風を前記加熱部材に誘導する送風部と、
    前記ファンを制御する制御部と、
    を備え、
    記録材の搬送方向に直交する記録材の幅方向において、前記開口部よりも前記加熱部材の中央に近い側の前記加熱部材の領域が前記開口幅を最大にしても前記送風部による送風がされない非送風領域になるように構成され、
    前記非送風領域の一部が非通紙領域になる幅を有する小サイズ記録材を使用可能な画像形成装置において、
    前記非送風領域のうち前記小サイズ記録材の非通紙領域になる前記加熱部材の領域の温度を検知する第1の温度検知部材を有し、
    前記制御部は、前記小サイズ記録材を搬送する場合は、前記第1の温度検知部材の検知温度に応じて前記ファンを制御し、
    前記記録材の幅方向において前記加熱部材の前記非送風領域よりも外側の領域の温度を検知する第2の温度検知部材を有し、
    前記非送風領域の全域が通紙領域であって前記第2の温度検知部材の温度検知領域が非通紙領域となる記録材を連続的に定着処理する場合は、前記制御部は、前記第2の温度検知部材の検知温度に応じて前記ファンを制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1の温度検知部材の検知温度が閾値温度に達した場合、先行する記録材と、後続する記録材と、のインターバルになる期間を延長することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記加熱部材は、筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触するヒータと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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