JP6137271B2 - 記録材冷却装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
冷却装置9の下流側に、冷却装置9を通過した記録材Pを案内する案内部が設けられている。図2(a)に示す例では、案内部としての搬送ガイド板35と、切換爪25が設けられている。片面印刷時などに切換爪25が実線位置にあるときは、記録材Pは搬送ガイド板35に案内されて排出ローラ16により排紙トレイ20に排出される。両面印刷時には切換爪25は破線位置に切り換えられ、記録材Pは反転路26に導かれる。図2(b)に示す例では、案内部としてのローラ37および搬送ガイド板35と、切換爪25が設けられている。ローラ37により記録材Pは撓むことなく搬送ガイド板35および切換爪25側にガイドされ、切換爪25の位置に従って排出または反転される。
このように、空冷ヒートシンク構造を用いることによって、冷却液循環回路44を用いなくてすみ、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
本例では、冷却装置9は、回転する冷却ローラ71a,71bと、これに対向して配置され小径ローラ72に掛け回されたベルト73を2組有している。定着の際、記録材Pは、定着装置8の定着ローラ17によって表面のトナー画像を加熱定着されて高温となる。その記録材Pは、図示のように冷却ローラ71およびベルト73に挟持搬送されながら、初めに画像形成面である表面、次いで裏面の順に冷却される。このように画像形成面である表面だけでなく裏面からも冷却を行うことで、記録材からの全吸熱量は、2本の冷却ローラ71を記録材Pの表側に設ける場合より多くなる。
本例では、冷却装置9は、回転する冷却ローラ71a,71bと、これに対向して配置され小径ローラ72に掛け回されたベルト73を2組有しているが、これらの配置は図6のものとは上下逆になっている。従って、記録材Pは、初めに裏面、次いで画像形成面である表面の順に冷却される。
図8に示すように、定着装置8は、内部の図示しないヒータにより一定の温度に制御される定着ローラ17および加圧ローラ18を有しており、この定着装置8によって記録材Pの表面にトナー画像が定着される。このような装置で連続印刷を行う場合、ある記録材Pと後続の記録材Pの間には紙間が生じる。図示のように、加圧ローラ18はこの紙間に相当する部位Qにて定着ローラ17に直接接触する。よって、加圧ローラの部位Qは他の箇所に比べて高温になり、これが1回転して次の記録材Pと接触すると、この部位Qでは記録材Pの裏面が他の箇所よりも高温になる。
記録材Pの温度は、定着装置8の直後に配置したセンサ(不図示)により測定したものである。横軸は、センサで感知されたときの記録材の先端から後端までの用紙幅、縦軸は用紙温度である。図示のように、加圧ローラ18の部位Qと接触していた裏面の箇所は他の箇所よりも高温になり、裏面に対応する表面の箇所も熱の影響を受けて他の箇所に比べて少し高温になる。
まず片面印刷時において、1本目の冷却ローラ71aによって表面が冷却された直後の記録材表裏の温度は図10(a)に示すようになる。表面を冷却すると、表面の温度はトナー固化温度よりも低くなり、これに伴い裏面の温度も下がる。このとき、表面(第1面)に形成されたトナー画像は固化するが、裏面の一部はトナー固化温度以上の高温である。次いで、図10(b)に示すように、2本目の冷却ローラ71bによって裏面が冷却されたとき、裏面全体はトナー固化温度以下に冷却される。表面全体は、記録材内部の熱拡散による熱のぶり返しのため先ほどよりも高温となり、裏面より高温となるが、トナー固化温度より低温である。
図12〜14は、本発明の実施形態について説明する図である。
図12は、本実施形態の冷却装置の構成を示す側面図である。本例では、冷却装置9は、加圧ローラ側に配置された第1冷却部としての冷却ローラ71a、定着ローラ側に配置された第2冷却部としての冷却ローラ71b、加圧ローラ側に配置された第3冷却部としての冷却ローラ71cと、これらに対向して配置され小径ローラ72に掛け回されたベルト73とを3組有している。これは、図7の冷却装置において用紙搬送方向の最後尾に、第3冷却部としての冷却ローラ71cと、小径ローラ72に掛け回されたベルト73とをもう一対追加したものである。冷却ローラ71cは記録材Pの裏面を冷却するものである。
図13は、本冷却装置による記録材Pの温度変化を示す図である。図13(a)〜(c)は、それぞれ図9,11(a),11(b)と共通である。図13(d)は、冷却ローラ71cにより記録材Pの裏面を冷却したときの記録材の温度分布を示す。図13(c)に示すように、記録材Pが表面を冷却する2本目の冷却ローラ71bを通過した直後では、裏面の温度が、トナー固化温度よりも低くてブロッキング現象が生じないトナー固着回避温度よりも高い。よって、記録材Pがこのまま下側の搬送ガイド板35に向けて排出され、これに摺擦すると、裏面のトナー画像が剥がされて上記の不具合が発生する虞がある。そこで、冷却ローラ71cで記録材Pの裏面をもう一度冷却し、図13(d)に示すように、記録材Pの裏面をトナーのブロッキング現象が生じないトナー固着回避温度以下に低下させ、下側の搬送ガイド板35に送ることで上記の不具合を回避している。なお、図13(d)において、表面全体は、記録材内部の熱拡散による熱のぶり返しのため図13(c)よりも高温となり、裏面より高温となるが、トナー固着回避温度より低温である。
図14(a)では、所定間隔内に2本の冷却ローラが記録材搬送方向に加圧ローラ側、定着ローラ側の順に設けられている。記録材Pが1本目の冷却ローラ71aを通過するとき、記録材Pが冷却ローラ71aに接触している間に裏面の温度は大きく下降し、その後記録材内部の熱拡散の影響のため緩やかに上昇する。そして、2本目の冷却ローラ71bを通過すると、表面からの冷却効果により裏面の温度は再び緩やかに下降する。一方、表面の温度は、1本目の冷却ローラ71aを通過後には裏面からの冷却効果により緩やかに低下し、2本目の冷却ローラ71bの通過時には大きく低下し、この時点で表面の温度は裏面よりも低くなる。その後、表面の温度は緩やかに上昇し、時間が経てば最終的に裏面と表面の温度は一致する。
また、所定間隔内に3本(又は4本)の冷却ローラ71a,71b,71cが設けられているため、装置が大型化することもない。
本実施形態では、定着装置8によって表面にトナー画像を加熱定着されて高温となった記録材Pが、回転する複数のローラ55,57,58に掛け回されて回動するベルト56および59によって構成される第1の搬送機構31および第2の搬送機構32により挟持搬送される。この搬送の際に、ベルト内周面に接触する第1、第2および第3冷却部である空冷ヒートシンク33a,33b,33cによって、記録材Pの熱はベルト56および59を介して裏面と表面から交互に吸収され、記録材Pは低温になって排出される。冷却装置は、記録材搬送方向に、加圧ローラ側に配置された第1冷却部としての空冷ヒートシンク33a、定着ローラ側に配置された第2冷却部としての空冷ヒートシンク33b、加圧ローラ側に配置された第3冷却部としての空冷ヒートシンク33cを有している。また、本例では、図5に示す空冷ヒートシンクとは異なり、吸熱面(受熱面)は平坦に形成されている。
この冷却装置は、空冷ヒートシンクを用いた冷却装置よりも冷却性能の高い液冷式の冷却装置である。本実施形態では、図4の形態と異なり、放熱部46としてラジエータと、液溜タンク49の配置が逆になっている。つまり、配管50は冷却部材33aの一方の開口部と放熱部46としてラジエータとを連結し、配管52は冷却部材33cの他方の開口部と液溜タンク49とを連結している。他の構成は図4の形態と同様である。液溜タンク49に貯留された冷却液は、ポンプ48によって送られ、ラジエータを通過し、外気への放熱を行って温度が低下する。こうして低温になった冷却液は、冷却部材33a,33b,33cを順に通過し、熱伝達によって冷却部材33a,33b,33cから熱を吸収し、高温になって液溜タンク49に戻る。
また、排紙部は記録材Pをストックする排紙トレイ20に限られず、排出された記録材Pに所定の後処理を施す後処理装置を設けるものであってもよい。
また、図3,5,12,15に示す冷却装置では、加圧ローラ側に配置された冷却部の数が定着ローラ側に配置された冷却部の数より多い。これは、加圧ローラ側の各冷却部により記録材から奪われる熱量の総和が、定着ローラ側に配置された冷却部により記録材から奪われる熱量よりも大きいことを意味する。
従って、この熱量の大小を満たす冷却部材であれば、加圧ローラ側の冷却部材の数と定着ローラ側の冷却部材の数は同じでもよい。この場合、図17に示すように、加圧ローラ側の第1冷却部としての冷却部材33aの吸熱面34aの広さ(記録材搬送方向の長さ)を、定着ローラ側の第2冷却部としての冷却部材33bの吸熱面34bの広さ(記録材搬送方向の長さ)より広くすればよい。一例として、吸熱面34aの広さを吸熱面34bの広さの3倍以上の広さとすることが好ましい。
また、図17の構成に替えて、図17に示す冷却部材33aの長さ分だけ、複数の冷却部材33aを記録材搬送方向に沿って配置してもよい。
9 冷却装置(記録材冷却装置)
17 定着ローラ(定着部材)
18 加圧ローラ(加圧部材)
20 排紙トレイ(排紙部)
26,29 反転路
33a,71a 液冷プレート、空冷ヒートシンク、冷却ローラ(第1冷却部)
33b,71b 液冷プレート、空冷ヒートシンク、冷却ローラ(第2冷却部)
33c,71c 液冷プレート、空冷ヒートシンク、冷却ローラ(第3冷却部)
200 画像形成装置
P 記録材
Claims (10)
- 熱源を有する定着部材と前記定着部材と接触して定着ニップを形成する加圧部材とによって記録材上の未定着画像を定着する定着装置の記録材搬送方向下流側に配置される記録材冷却装置であって、
前記記録材冷却装置は、記録材搬送方向に、前記加圧部材と接触した記録材の面に対向するように配置された第1冷却部、前記定着部材と接触した記録材の面に対向するように配置された第2冷却部、前記加圧部材と接触した記録材の面に対向するように配置された第3冷却部、を順次有し、
前記第1冷却部、前記第2冷却部、前記第3冷却部は、前記記録材に直接的に接触または前記記録材を搬送するためのベルトに接触することを特徴とする記録材冷却装置。 - 熱源を有する定着部材と前記定着部材と接触して定着ニップを形成する加圧部材とによって記録材上の未定着画像を定着する定着装置の記録材搬送方向下流側に配置される記録材冷却装置であって、
前記記録材冷却装置は、記録材搬送方向に、前記加圧部材と接触した記録材の面に対向するように配置され前記記録材から熱を受ける受熱面を有する第1冷却部、前記定着部材と接触した記録材の面に対向するように配置され前記記録材から熱を受ける受熱面を有する第2冷却部を順次有し、
前記第1冷却部により記録材から奪う熱量は、前記第2冷却部により記録材から奪う熱量よりも大きいことを特徴とする記録材冷却装置。 - 熱源を有する定着部材と前記定着部材と接触して定着ニップを形成する加圧部材とによって記録材上の未定着画像を定着する定着装置の記録材搬送方向下流側に配置される記録材冷却装置であって、
前記記録材冷却装置は、記録材搬送方向に、前記加圧部材と接触した記録材の面に対向するように配置され前記記録材を搬送するベルトに接触する第1冷却部、前記定着部材と接触した記録材の面に対向するように配置され前記記録材を搬送する他のベルトに接触する第2冷却部を順次有し、
前記第1冷却部により記録材から奪う熱量は、前記第2冷却部により記録材から奪う熱量よりも大きいことを特徴とする記録材冷却装置。 - 熱源を有する定着部材と前記定着部材と接触して定着ニップを形成する加圧部材とによって記録材上の未定着画像を定着する定着装置の記録材搬送方向下流側に配置される記録材冷却装置であって、
前記記録材冷却装置は、記録材搬送方向に、前記加圧部材と接触した記録材の面に対向するように配置され前記記録材から熱を受ける受熱面を有する第1冷却部、前記定着部材と接触した記録材の面に対向するように配置され前記記録材から熱を受ける受熱面を有する第2冷却部を順次有し、
前記第1冷却部における記録材搬送方向の長さは、前記第2冷却部における記録材搬送方向の長さよりも長いことを特徴とする記録材冷却装置。 - 熱源を有する定着部材と前記定着部材と接触して定着ニップを形成する加圧部材とによって記録材上の未定着画像を定着する定着装置の記録材搬送方向下流側に配置される記録材冷却装置であって、
前記記録材冷却装置は、記録材搬送方向に、前記加圧部材と接触した記録材の面に対向するように配置され且つ流体の流路を有する第1冷却部、前記定着部材と接触した記録材の面に対向するように配置され且つ流体の流路を有する第2冷却部、前記加圧部材と接触した記録材の面に対向するように配置され且つ流体の流路を有する第3冷却部、を順次有することを特徴とする記録材冷却装置。 - 前記第1冷却部、前記第2冷却部、前記第3冷却部は、前記記録材から熱を受ける受熱部を有することを特徴とする請求項1または5に記載の記録材冷却装置。
- 前記第2冷却部により冷却された前記記録材の表面と裏面のうちのより高温側を冷却する第4冷却部が、前記第2冷却部と前記第3冷却部の間に配置されることを特徴とする請求項1,5または6のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 前記第1冷却部は、前記第2冷却部よりも記録材搬送方向上流側に複数配置されることを特徴とする請求項2または3に記載の記録材冷却装置。
- 前記記録材冷却装置は冷却液が循環する液冷式の冷却装置であり、前記冷却液は、前記第1冷却部および前記第2冷却部の内部を通過することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録材冷却装置。
- 熱源を有する定着部材と、前記定着部材と接触して定着ニップを形成する加圧部材とによって記録材上の未定着画像を定着する定着装置と、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録材冷却装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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