JP6135773B2 - 化学強化用ガラスおよび化学強化ガラス並びに化学強化ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タブレットPC、ノートPC、スマートフォンおよび電子書籍リーダー等の情報機器に備えられたタッチパネルディスプレイのカバーガラスおよびタッチセンサーガラス、液晶テレビおよびPCモニタ等のカバーガラス、太陽電池用カバーガラス、並びにビルや住宅の窓に用いられる複層ガラス等に用いられる化学強化ガラスの素板ガラスとして好適な化学強化用ガラスおよびそれを用いた化学強化ガラス並びにその製造方法に関する。
近年、情報機器は、タブレットPC、スマートフォンおよび電子書籍リーダー等に見られるようにタッチパネルディスプレイを備えるものが主流となっている。タッチパネルディスプレイは、ディスプレイ用ガラス基板の上にタッチセンサーガラスとカバーガラスを重ねた構造を有している。また、OGS(One・glass・solution)と呼ばれるタッチセンサーガラスとカバーガラスを一体化した構成のものもある。
タッチセンサーガラス、カバーガラスおよびOGSのガラスのいずれのガラスも薄く高強度であることが求められており、イオン交換で化学強化処理を施した化学強化ガラスが用いられている。
これらの化学強化ガラスの強化特性は、一般に、表面圧縮応力(CS;Compressive stress)と圧縮応力深さ(DOL;Depth of layer)で表現されている。通常のソーダライムガラスを素板ガラスとして化学強化処理を施した場合、一般的にはCSが500〜600MPa、DOLが6〜10μmとなる化学強化ガラスが得られる。
また、ソーダライムガラスよりも強度を向上させるために、イオン交換しやすい組成のアルミノシリケートガラスが提案されており、アルミノシリケートガラスを素板ガラスとして化学強化処理を施した場合、CSが700〜850MPa、DOLが20〜100μmとなる化学強化ガラスが得られる。
例えば、質量%で示して、SiO:60〜64%、Al:8〜12%、B:0〜1%、MgO:6〜10%、CaO:0〜1%、SrO:1〜3%、BaO:0〜1%、LiO:0〜1%、NaO:15〜20%、KO:0〜4%を含み、MgO+CaO+SrO+BaOが7〜12%の範囲にあるガラス組成物が開示されている(特許文献1参照)。また、リチウムを含まず、0.1〜10モル%のPおよび少なくとも5モル%のAlを含むイオン交換可能なアルミノケイ酸塩ガラスであって、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、銅、タリウム、および銀の内の少なくとも1つによりイオン交換可能であり、少なくとも100キロポアズの液相線粘度を有するイオン交換可能なアルミノケイ酸塩ガラスが開示されている(特許文献2参照)。
日本国特開2013−193887号公報 日本国特表2013−533838号公報
このようなアルミノシリケートガラスは、CSおよびDOLを高めるために、ガラス中のAl量を増加させている。ところがAlはガラスの粘性を増加させる成分であり、アルミノシリケートガラスには、粘度が10dPa・sとなる温度(T2)が高く、溶融しにくいという問題点があり、ガラス融液の清澄、製造に要するエネルギーコスト等の点で不利となってしまう。そこでT2を下げるために、アルカリ金属を増加させたり、アルカリ土類金属を増加させたりする等の手段があるが、これらの手段を採用すると、熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion;CTE)を上昇させ、耐熱衝撃性の悪化、熱反り、熱変形という別の問題が発生する。
このように、アルミノシリケートガラスは、強度は向上するが、溶解温度が増加するまたはCTEが上昇するという問題があった。
したがって、本発明の目的は、従来のソーダライムガラスよりも化学強化時に強化が入りやすく、かつアルミノシリケートガラスの溶融しにくいという問題点またはCTEが上昇するという問題点を解決する、化学強化用ガラスおよび化学強化ガラス並びに化学強化ガラスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、特定の組成を有するガラスによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを63〜75%、Al〜12%、MgOを3〜10%、CaOを0.5〜10%、SrOを0〜3%、BaOを0〜3%、NaOを10〜18%、KOを0〜8%、ZrOを0〜3%、及びFeを0.005〜0.25%含有するガラス板であって、粘度が10dPa・sとなる温度(T2)が1525℃以下であり、かつRO/Al(式中、ROはNaO+KOである)が2.0以上以下である化学強化用ガラス。
2.CaOを1%以上含有する前項1に記載の化学強化用ガラス。
3.RO/Alが2.4以上である前項1または2に記載の化学強化用ガラス。
4.ROが10〜18%である前項1から3のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
5.MgOが3.5%以上、CaOが5%以上、BaOが1%以下である前項1から4のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
6.CaOが5%未満、BaOが1%以下、RO/Alが3.2以下である前項1から4のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
7.KOが2%以下である前項1から6のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
8.酸化物基準の質量百分率表示で、1%以下のBをさらに含有する前項1から7のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
9.酸化物基準の質量百分率表示で、0.2%以下のTiOをさらに含有する前項1から8のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
10.T2が1510℃以下である前項1から9のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
11.ガラス転移点(Tg)が530℃以上である前項1から10のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
12.50〜350℃における平均線熱膨張係数が100×10−7−1以下である前項1から11のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
13.失透温度が、粘度が10dPa・sとなる温度(T4)以下である前項1から12のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
14.前記ガラス板は、フロート法により成形される前項1から13のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
15.前項1から14のいずれか1項に記載の化学強化用ガラスを化学強化処理して得られる化学強化ガラス。
16.表面圧縮応力が580MPa以上、圧縮応力深さが5μm以上30μm以下である前項15に記載の化学強化ガラス。
17.前項1から16のいずれか1項に記載の化学強化用ガラスをイオン交換処理する化学強化工程を含む化学強化ガラスの製造方法。
18.酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを63〜75%、Al〜12%、MgOを3〜10%、CaOを0.5〜10%、SrOを0〜3%、BaOを0〜3%、NaOを10〜18%、KOを0〜8%、ZrOを0〜3%、及びFeを0.005〜0.25%含有するガラス板であって、粘度が10dPa・sとなる温度(T2)が1525℃以下であり、かつRO/Al(式中、ROはNaO+KOである)が2.0以上以下であるガラス。
19.CaOを1%以上含有する前項18に記載のガラス。
20.RO/Alが2.4以上である前項18または19に記載のガラス。
21.ROが10〜18%である前項18から20のいずれか1項に記載のガラス。
22.MgOが3.5%以上、CaOが5%以上、BaOが1%以下である前項18から21のいずれか1項に記載のガラス。
23.CaOが5%未満、BaOが1%以下、RO/Alが3.2以下である前項18から21のいずれか1項に記載のガラス。
24.KOが2%以下である前項18から23のいずれか1項に記載のガラス。
25.酸化物基準の質量百分率表示で、1%以下のBをさらに含有する前項18から24のいずれか1項に記載のガラス。
26.T2が1510℃以下である前項18から25のいずれか1項に記載のガラス。
27.失透温度が、粘度が10dPa・sとなる温度(T4)以下である前項18から26のいずれか1項に記載のガラス。
28.前記ガラス板は、化学強化処理に対応可能である前項18から27のいずれか1項に記載のガラス。
29.前項28に記載のガラスを化学強化処理して得られる化学強化ガラス。
本発明の化学強化用ガラスは、特定の組成を有し、特にAl、MgOおよびCaOの含有量、並びに(NaO+KO)/Alが特定範囲であることにより、従来のソーダライムガラスよりも化学強化時に強化が入りやすく、かつアルミノシリケートガラスより溶融が容易でありながらCTEが低い、化学強化用ガラスおよび化学強化ガラス並びに化学強化ガラスの製造方法を提供することができる。
以下に本発明の一実施形態について説明する。本実施形態の化学強化用ガラスおよび該化学強化用ガラスに化学強化処理を施した化学強化ガラスを、本実施形態のガラスと総称する。
本実施形態の化学強化用ガラスは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを63〜75%、Alを3〜12%、MgOを3〜10%、CaOを0.5〜10%、SrOを0〜3%、BaOを0〜3%、NaOを10〜18%、KOを0〜8%、ZrOを0〜3%、及びFeを0.005〜0.25%含有するガラス板であって、粘度が10dPa・sとなる温度(T2)が1525℃以下であり、かつRO/Al(式中、ROはNaO+KOである)が2.0以上4.6以下であることを特徴とする。
本実施形態の化学強化用ガラスにおいて、ガラス組成を前記範囲に限定した理由を以下に説明する。
SiOは、ガラス微細構造の中で網目構造を形成する成分として知られており、ガラスを構成する主要成分である。SiOの含有量は、63%以上であり、好ましくは64%以上、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは67%以上である。また、SiOの含有量は、75%以下であり、好ましくは73%以下、より好ましくは71%以下、特に好ましくは70%以下である。SiOの含有量が63%以上であるとガラスとしての安定性や耐候性の点で優位である。また、網目構造を形成することにより膨張の増大を抑制できる。一方、SiOの含有量が75%以下であると溶解性および成形性の点で優位である。
Alは化学強化におけるイオン交換性能を向上させる作用があり、特にCSを向上する作用が大きい。ガラスの耐候性を向上する成分としても知られている。また、フロート法による成形時にボトム面からの錫の浸入を抑制する作用がある。さらに、SO処理を行った際に脱アルカリを促進させる作用がある。
Alの含有量は、3%以上であり、好ましくは3.8%以上、より好ましくは4%以上であり、さらに好ましくは4.5%以上であり、特に好ましくは5%以上、最も好ましくは5.5%以上である。また、Alの含有量は、12%以下であり、より好ましくは11%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは8%以下、最も好ましくは7%以下である。Alの含有量が3%以上であると、イオン交換により、所望のCS値が得られ、また、フロート法において、錫溶融バスに接している面(ボトム面)からの錫の浸入を抑制し化学強化時にガラスを反り難くする効果、水分量変化に対する安定性の効果、脱アルカリ促進効果が得られる。一方、Alの含有量が12%以下であると、ガラスの粘性が高い場合でも失透温度が大きくは上昇しないため、ソーダライムガラス生産ラインでの溶解、成形の点で優位である。
MgOは、ガラスを安定化させ、溶解性を向上させ、かつこれを添加することでアルカリ金属の含有量を低下させてCTEの上昇を抑制することのできる成分であり、必須である。MgOの含有量は、3%以上、好ましくは3.5%以上、より好ましくは4%以上であり、特に好ましくは5%以上である。また、MgOの含有量は、10%以下であり、好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下である。MgOの含有量が3%以上であると、CTEの上昇抑制効果を発揮する。一方、MgOの含有量が10%以下であると、失透の起こりにくさが維持され、もしくは充分なイオン交換速度が得られる。より好ましくは6%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは4.5%以下である。
CaOは、ガラスを安定化させる成分であり、MgOの存在による失透を防止し、かつCTEの上昇を抑制しながら溶解性を向上する効果を有し、必須である。CaOの含有量は、0.5%以上であり、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上、さらに好ましくは4%以上、特に好ましくは5%以上、最も好ましくは6%以上である。また、CaOの含有量は、10%以下であり、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。CaOの含有量が0.5%以上であると、高温での溶解性が良好になり、失透が起こり難くなり、CTEの上昇も抑制される。一方、CaOの含有量が10%以下であると、充分なイオン交換速度が得られ、所望のDOLが得られる。また、特段に化学強化におけるイオン交換性能を向上させたい場合には、CaOは6.5%未満であり、好ましくは6%以下であり、より好ましくは5%未満であり、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは2.5%以下である。
SrOは、ガラスの粘性および失透温度を下げるために有効な成分であり、特にMgO/CaOが3以上の時に失透温度を下げる効果が大きい。しかし、MgO、CaOに比べてイオン交換速度を低下させる効果が大きいので、含有する場合であっても3%以下である。
BaOは、ガラスの粘性および失透温度を下げるために有効な成分である。BaOの含有量は、3%以下であり、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。しかし、BaOはアルカリ土類金属酸化物の中でイオン交換速度を低下させる効果が最も大きいので、BaOは実質的に含有しないこととするか、含有する場合であってもその含有量は3%以下とする。
なお、本願でいう「実質的に含有しない」とは、原材料等に含まれる不可避の不純物を除いて含有しない、すなわち、意図的に含有させたものではないことを意味する。
NaOはイオン交換により表面圧縮応力層を形成させる必須成分であり、DOLを深くする作用がある。またガラスの溶解温度と失透温度を下げ、ガラスの溶解性、成形性を向上させる成分である。NaOは非架橋酸素(NBO;Non・bridge・oxygen)を生み出す成分であり、ガラス中の水分量が変化したときの化学強化特性の変動が少なくなる。
NaOの含有量は、10%以上であり、好ましくは11%以上、より好ましくは13%以上である。また、NaOの含有量は、18%以下であり、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。NaOの含有量が10%以上であると、イオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することができ、水分量変化に対する変動も抑えられる。一方、NaOの含有量が18%以下であると、充分な耐候性が得られ、フロート法による成形時にボトム面からの錫の浸入量も抑制でき、化学強化処理後にガラスを反り難くすることができる。
Oはイオン交換速度を増大しDOLを深くし、ガラスの溶解温度を下げる効果があり、非架橋酸素を増大させる成分であるため、8%以下の範囲で含有してもよい。8%以下であるとDOLが深くなり過ぎず、また充分なCSが得られ、ガラスの溶解温度を下げることができる。KOを含有する場合は5%以下が好ましく、より好ましくは4%以下、さらに好ましくは2%以下である。また、KOは溶融塩の劣化による化学強化時の表面圧縮応力の低下が大きくなるため、強化特性の劣化を考慮する場合には、実質的には含まない方が良い。含有する場合は、0.4%以下に抑えることが好ましく、より好ましくは0.3%以下である。一方で、少量のKOは、フロート法による成形時にボトム面からの錫の浸入を抑える効果があるため、フロート法により成形する際には含有することが好ましい。この場合、KOの含有量は0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上である。
ZrOは必須ではないが、CTEを上げずに高温での粘性を低下させるために、または表面圧縮応力を大きくするために、または耐酸性を向上させるために3%までの範囲で含有してもよい。ZrOを過剰に添加すると逆に溶解温度が上昇するが、3%以下とすることにより粘性の増加と失透の発生を抑制できる。好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。
Feはガラスの溶解時に熱を吸収するので溶解性向上のための必須の成分である。Feの含有量は、0.005%以上であり、好ましくは0.008%以上、より好ましくは0.01%以上である。またFeの含有量は、0.25%以下であり、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.15%以下である。窯の敷温度上昇を防ぐためには、Feの含有量が0.005%以上であると良い。一方、Feの含有量が0.25%以下であると、着色を抑えることができる。
本発明者は、アルミノシリケートガラスに対する溶融温度の低下、CTEの低下、ソーダライムガラスに対する化学強化時の強化の入りやすさ、特にはCSの向上効果を得るためには、RO/Al(式中、ROはNaO+KOである)を2.0以上4.6以下に設定することが有効であることを見出した。
AlはCSを向上させる作用があるのに対し、溶解温度の上昇をもたらす。NaOはCSの向上効果がある。KOはイオン交換速度を増大しDOLを深くする作用がある。なお、NaOおよびKOはガラスの溶解温度の上昇を抑制するとともにCTEを上昇させる作用がある。
したがって、Al、NaO、KOを特定の比率で含有することにより、溶融温度の上昇抑制、CTEの上昇抑制と同時に、CSの向上効果を高めることができる。この見地から、(NaO+KO)/Alの比率は4.6以下であり、好ましくは4.2以下であり、より好ましくは4以下であり、さらに好ましくは3.8以下、特に好ましくは3.2以下である。(NaO+KO)/Alの比率は、2.0以上であり、好ましくは2.4以上、より好ましくは2.6以上、さらに好ましくは3.0以上である。(NaO+KO)/Alの比率が4.6以下であることにより、CTEを低下させ、CSを向上させることができる。(NaO+KO)/Alの比率が2.0以上であることにより、溶融温度が良好となる。
なお、(NaO+KO)/Alの比率が特定値以下であるということは、Alに対するNaOおよびKOの量が少ないことを意味するが、前記ガラスの粘性の維持という観点では、MgOがこれらのアルカリ金属の役割を補填できることを本発明者は見出した。
この他、ガラスの溶融の清澄剤として、塩化物、フッ化物などを適宜含有してもよい。本実施形態のガラスは本質的に以上で説明した成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合、それら成分の含有量の合計は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、典型的には1%以下である。以下、上記その他成分について例示的に説明する。
TiOは必須ではないが、天然原料中に多く存在し、黄色の着色源となることが知られている。TiOを含有する場合は、0.2%以下であることが好ましい。
SOは必須ではないが、ガラスの溶融の清澄剤として知られている。SOを含有する場合は、0.3%以下であることが好ましい。
ZnOはガラスの高温での溶融性を向上するために、たとえば2%まで含有してもよい。しかし、フロート法で製造する場合には、フロートバスで還元され製品欠点となるので実質的に含有しないことが好ましい。
は高温での溶融性またはガラス強度の向上のために、4%以下の範囲で含有してもよい。好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。一般的には、NaOまたはKOのアルカリ成分とBを同時に含有すると揮散が激しくなり、煉瓦を著しく浸食するので、Bは実質的に含有しないことが好ましい。
LiOは歪点を低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した表面圧縮応力層を得られなくする成分であるので含有しないことが好ましく、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下、特に好ましくは0.01%未満である。
本実施形態のガラスは、通常、板形状をしているが、平板でも曲げ加工を施したガラス板でもよい。本実施形態のガラスは、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法など、既知のガラス成形方法によって平板形状に成形されたガラス板である。
本実施形態の化学強化用ガラスは、既存の成形法で成形可能な寸法を有する。すなわち、フロート法で成形すれば、フロート成形幅の連続したリボン状のガラスが得られる。また、本実施形態のガラスは、最終的には使用目的に適した大きさに切断される。
すなわち、タブレットPCまたはスマートフォン等のディスプレイの大きさであったり、ビルまたは住宅の窓ガラスの大きさとなる。本実施形態のガラスは、一般的には矩形に切断されているが、円形または多角形などの他の形状でも問題なく、穴あけ加工を施したガラスも含まれる。
フロート法で成形されたガラスは化学強化後に反りが生じて平坦性が損なわれることが報告されている(例えば、日本国特許第2033034号公報)。該反りは、フロート法による成形時に溶融錫と接触しないガラス面であるトップ面と、溶融錫と接触するガラス面であるボトム面との化学強化の入り方が異なることにより生じるとされている。
本実施形態のガラスは、溶融錫と接触しても化学強化特性の変化が少なく、水分量の相違による化学強化特性の変化も少ないことから、特にフロート法での成形において、化学強化時の反りを低減できる効果を発揮する。このことにより、本実施形態のガラスは、薄板にしても化学強化処理後の反りが小さく、また、化学強化処理を施すことにより、反りが小さく高強度となる。
フロート法で成形されたガラスは、トップ面から水分が揮散するためトップ面とボトム面では含有する水分量が異なる。NaO、KOおよびAlの割合を前述の範囲とすることによって、水分量変化に起因する化学強化後のガラスの反りを低減することも可能となる。
この他、化学強化後のガラスの反りを低減する手段として、表層のアルカリ濃度を制御することが有効である。具体的にはトップ面表層の脱アルカリ処理を行い、トップ面のイオン交換能力を低下させ、化学強化で発生するトップ面の応力をボトム面の応力と釣り合わせることで反りを低減できる。
脱アルカリの手法として、トップ面表層をSOガス、HClガスまたはHFガス等から選ばれる少なくとも1種の酸性ガス、もしくはこれらから選ばれる少なくとも1種の酸性ガスを含む混合ガスで処理することが有効である。本発明者らは、Alの含有量を増加することにより、SO処理による脱アルカリが効果的に進むことを見出した。
ガラス中のAlが増えることでガラスのネットワーク構造の隙間を広げ、NaとHのイオン交換が促進するためと考えられる。Alの含有量を3%以上とすることによって、SOガスによる脱アルカリ処理が効果的に進み、化学強化後のガラスの反りを容易に制御することが可能となる。
ガラスの板厚は用途に応じて3倍以上変化し得るため、CSおよびDOLの値を論ずるためにはガラスの板厚を規定することが好ましく、0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.2mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。また、通常3mm以下であり、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.3mm以下、特に好ましくは1.1mm以下である。
0.1mm以上の板厚であると化学強化処理により充分な強度向上の効果がある。また、3mmを超える板厚のガラスは物理強化処理が容易であるため、化学強化処理を施す必要性が高いのは3mm以下のガラスの場合である。一方で、3mm以上の板厚のガラスであっても、化学強化後の切断性を良好にする等の理由から、圧縮応力層深さの大きい物理強化ではなく、圧縮応力層深さの小さい化学強化が好まれる場合もある。
例えば、本実施形態でもっとも好ましい事例である、0.7mmまたは1.1mmの板厚のガラス板において、化学強化ガラスのCSの値は、通常550MPa以上であり、好ましくは580MPa以上であり、より好ましくは600MPa以上であり、さらに好ましくは650MPa以上である。化学強化処理後の切断を可能とするためには、900MPa以下が好ましく、より好ましくは850MPa以下である。CSの調整は、イオン交換に用いる溶融硝酸カリウム塩中のNa濃度、強化時間および溶融塩温度を調整することにより可能である。より高いCSを得るためには、Na濃度を低減する。具体的には、Na濃度は3wt%以下が好ましく、2.5wt%以下であることがより好ましく、1wt%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の化学強化ガラスのDOLの値は、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは7μm以上である。特にガラスの扱い傷の影響を受ける場合には10μm以上であることが好ましい。化学強化処理後の切断を可能とするためには、30μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。DOLの調整は、イオン交換に用いる溶融硝酸カリウム塩中のNa濃度、強化時間および溶融塩温度を調整することにより可能である。より高いDOLを得るためには、溶融塩の温度を上げる。具体的には、溶融硝酸カリウム塩の温度は400℃以上であることが好ましく、より好ましくは420℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは430℃以上である。
本実施形態のガラスは、製造特性、商品特性の両面で、通常のソーダライムガラスから容易に変更可能であることに特徴がある。通常のソーダライムガラスは、ガラス溶解時の基準となる粘度である10dPa・sとなる温度(T2)が、一般に1445〜1475℃である。
溶解時にT2の上昇がプラス50℃くらいまでの範囲であれば、通常のソーダライムガラスを溶解していた生産窯で容易に製造可能である。本実施形態のガラスの溶解におけるT2は1525℃以下であり、好ましくは1510℃以下であり、より好ましくは1500℃以下、さらに好ましくは1490℃以下である。また、T2は、1450℃以上であることが好ましい。T2が1525℃以下であることにより、従来のアルミノシリケートガラスが溶融しにくいという問題点を解決することができる。
またT2の調整は、SiOおよびAlの総量と、ROおよびRO(式中、ROはMgO、CaO、SrOおよびBaOである)総量の差分、すなわちNBO量を調整すること等により可能である。
通常のソーダライムガラスは、フロート法によるガラス成形時の基準となる粘度である10dPa・sとなる温度(T4)が、一般に1020〜1050℃である。この粘性となる温度T4の上昇がプラス30℃くらいまでの範囲であれば、通常のソーダライムガラスを成形していた生産窯で容易に製造可能である。本実施形態のガラスの成形におけるT4は1080℃以下であることが好ましく、より好ましくは1070℃以下、さらに好ましくは1060℃以下である。
失透温度は、フロート法でガラスを製造する際には、前述のT4と比較して失透発生の危険性に関係する。一般にガラスの失透温度がT4より15℃高い温度以下であればフロート法で失透の発生なしに製造可能であり、好ましくはT4以下、より好ましくはT4より10℃低い温度以下、さらに好ましくはT4より20℃低い温度以下、最も好ましくはT4より30℃低い温度以下である。
本実施形態における失透温度は、白金製の皿の上に粉砕されたガラス粒子を入れ、一定温度に制御された電気炉中で17時間熱処理を行い、熱処理後の光学顕微鏡観察によって、ガラスの表面および内部に結晶が析出する最高温度と結晶が析出しない最低温度との平均値である。
本実施形態のガラスのガラス転移点(Tg)は、例えば530℃以上であり、540℃以上であることが好ましく、550℃以上であることがより好ましく、550〜600℃であることがさらに好ましい。Tgが530℃以上であることにより、化学強化処理時の応力緩和の抑制、熱反りの抑制等の点で有利となる。またTgの調整は、SiOおよびAlの総量と、ROおよびROの量を調整すること等により可能である。
本実施形態のガラスのCTEは、50〜350℃の温度範囲において、例えば80〜100×10−7−1であり、82〜98×10−7−1であることがより好ましく、84〜97×10−7−1であることがさらに好ましく、85〜95×10−7−1であることが特に好ましい。CTEが80×10−7−1以上であることにより、金属や他の物質との熱膨張係数のマッチングの点で有利となる。またCTEが100×10−7−1以下であることにより、耐熱衝撃性、反り特性等の点で有利となる。またCTEの調整は、ROおよびROの量を調整すること等により可能である。好ましいCTEを達成するためには、ROの量は10〜18質量%であることが好ましく、12〜17質量%がより好ましく、13〜16質量%であることが特に好ましい。
なお、ディスプレイ用のガラスは、成膜や貼り合わせなど様々な工程を経て情報機器などの製品となるため、CTEは、従来の値から大きく変動しないことが求められる。通常のソーダライムガラスのCTEは、50〜350℃の温度範囲において、一般的に85×10−7〜93×10−7−1の値となっており、本実施形態のガラスのCTEは、この範囲であることが好ましい。
通常のソーダライムガラスは、室温での比重が2.490〜2.505である。本実施形態のガラスと通常のソーダライムガラスを同一の窯で交互に生産することを考えると、比重の変動が、0.01以下であると組成変更が容易である。本実施形態のガラスの比重は、2.480以上、2.515以下であることが好ましい。
化学強化処理を施す温度は、ガラスの歪点を基準に有効な処理温度を決定することができる。一般に化学強化処理は、歪点より50〜100℃低い温度で実施されている。通常のソーダライムガラスの歪点は、490〜520℃である。
本実施形態のガラスは、これまでと同じ化学強化処理を適用するため、歪点が480〜540℃であることが好ましく、より好ましくは、490〜530℃である。歪点の測定は熟練した技術を必要とするため、熱膨張係数を測定してTgを求め、これで代用することがある。一般にTgは歪点よりも約40℃高い温度となる。
本実施形態のガラスは、これまでに通常のソーダライムガラスに適用されてきた通常の化学強化処理を施すことにより、より強度の高い化学強化ガラスを得ることが可能となる。例えば、410〜470℃の硝酸カリウム溶融塩中に1〜24時間浸漬することで、化学強化処理を行うことができる。
本実施形態のガラスは、化学強化処理後に切断することが可能である。切断方法は、通常のホイールチップカッターによるスクライブとブレイクを適用することが可能であり、レーザーによる切断も可能である。ガラス強度を維持するため、切断後に切断エッジの面取り加工を施してもよい。面取りは、機械的な研削加工でもよいし、フッ酸等の薬液で処理する方法を用いることもできる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
〔評価方法〕
(1)比重
比重はアルキメデス法で測定した。
(2)CTE、ガラス転移点(Tg)
CTEはJIS R 1618:2002に基づき、ガラス転移点(Tg)の測定と同時に熱膨張計(ブルカー・エイエックスエス社製、TD5000SA)を用いて5℃/分の昇温速度で測定し50〜350℃の平均線熱膨張係数を求めた。
(3)表面圧縮応力(CS)および圧縮応力層深さ(DOL)
表面圧縮応力および圧縮応力層深さは、折原製作所社製表面応力計FSM−6000にて測定した。
(4)高温粘性
粘度が10dPa・sとなる温度(T2)、粘度が10dPa・sとなる温度(T4)は回転式粘度計を用いて測定した。
〔実施例1〜24、比較例1〜3〕
下記表1〜3の酸化物基準の質量百分率表示で示す組成になるように、硅砂、ソーダ灰、ドロマイト、長石、芒硝、その他の酸化物、炭酸塩、水酸化物等、一般に使用されているガラス原料を適宜選択し、ガラスとして1kgとなるように秤量した。ただし、芒硝はSO量にして2倍の量を投入量とした。秤量した原料を混合し、白金製るつぼに入れ、1480℃の抵抗加熱式電気炉に投入し、3時間溶融し、脱泡、均質化した。
得られた溶融ガラスを型材に流し込み、Tg+50℃の温度で1時間保持した後、0.5℃/分の速度で室温まで冷却し、数個のガラスブロックを得た。化学強化処理を施す試料については、このガラスブロックを切断、研削し、最後に両面を鏡面に加工して、サイズが30mm×30mm、板厚が1.0mmであるガラス板を得た。このガラス板の比重、CTE、Tg、T2およびT4を測定した。その結果を表1〜3に示す。なお、括弧で記載した値は計算値である。
また、下記表1〜3に記載のガラスを、実験室で、それぞれ425℃の混合塩(硝酸カリウム97.8wt%+硝酸ナトリウム2.2wt%)中に150分間浸漬し化学強化処理を施した。化学強化処理後の各ガラスについて、折原製作所社製表面応力計FSM−6000にて表面圧縮応力CS(単位:MPa)および圧縮応力層深さDOL(単位:μm)を測定した。その結果を表1〜3に示す。なお、括弧で記載した値は推定値である。
Figure 0006135773
Figure 0006135773
Figure 0006135773
各実施例で調製した本発明の化学強化用ガラスは、特にAl、MgOおよびCaOの含有量、並びに(NaO+KO)/Alが特定範囲であることにより、T2が低く、CTEの上昇が抑制されるとともに、化学強化処理によるCSの値を効果的に向上させることができることが判明した。
これに対し、比較例1の化学強化用ガラスは、(NaO+KO)/Alが2.0未満となっている。このため、比較例1では、T2が1669℃と高く溶解性が悪化している。一方、比較例2ではSiOが63%以下であり、T2を低下させているが、CTEが109×10−7―1に増加している。また、比較例3の化学強化用ガラスは、Alが3%未満であり、(NaO+KO)/Alが4.6超となっている。このため、比較例3ではCSが低くなっている。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2013年12月13日付けで出願された日本特許出願(特願2013−258465)、2014年2月7日付けで出願された日本特許出願(特願2014−022725)及び2014年3月28日付けで出願された日本特許出願(特願2014−070099)に基づいており、その全体が引用により援用される。
本発明の化学強化用ガラスを化学強化処理にすることにより得られる本発明の化学強化ガラスは、タブレットPC、ノートPC、スマートフォンおよび電子書籍リーダー等の情報機器に備えられたタッチパネルディスプレイのカバーガラスおよびタッチセンサーガラス、液晶テレビおよびPCモニタ等のカバーガラス、太陽電池用カバーガラス、並びにビルや住宅の窓に用いられる複層ガラス等に利用することができる。

Claims (27)

  1. 酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを63〜75%、Alを4〜10%、MgOを3〜10%、CaOを0.5〜10%、SrOを0〜3%、BaOを0〜3%、NaOを10〜18%、KOを0〜8%、ZrOを0〜3%、及びFeを0.005〜0.25%含有するガラス板であって、粘度が10dPa・sとなる温度(T2)が1525℃以下であり、かつRO/Al(式中、ROはNaO+KOである)が2.4以上4以下である化学強化用ガラス。
  2. CaOを1%以上含有する請求項1に記載の化学強化用ガラス。
  3. Oが10〜18%である請求項1または2に記載の化学強化用ガラス。
  4. MgOが3.5%以上、CaOが5%以上、BaOが1%以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  5. CaOが5%未満、BaOが1%以下、RO/Alが3.2以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  6. Oが2%以下である請求項1から5のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  7. 酸化物基準の質量百分率表示で、0%以上1%以下のBをさらに含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  8. 酸化物基準の質量百分率表示で、0%以上0.2%以下のTiOをさらに含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  9. T2が1510℃以下である請求項1から8のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  10. ガラス転移点(Tg)が530℃以上である請求項1から9のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  11. 50〜350℃における平均線熱膨張係数が100×10−7−1以下である請求項1から10のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  12. 失透温度が、粘度が10dPa・sとなる温度(T4)以下である請求項1から11のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  13. 前記ガラス板は、フロート法により成形される請求項1から12のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の化学強化用ガラスを化学強化処理して得られる化学強化ガラス。
  15. 表面圧縮応力が580MPa以上、圧縮応力深さが5μm以上30μm以下である請求項14に記載の化学強化ガラス。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の化学強化用ガラスをイオン交換処理する化学強化工程を含む化学強化ガラスの製造方法。
  17. 酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを63〜75%、Alを4〜10%、MgOを3〜10%、CaOを0.5〜10%、SrOを0〜3%、BaOを0〜3%、NaOを10〜18%、KOを0〜8%、ZrOを0〜3%、及びFeを0.005〜0.25%含有するガラス板であって、粘度が10dPa・sとなる温度(T2)が1525℃以下であり、かつRO/Al(式中、ROはNaO+KOである)が2.4以上4以下であるガラス。
  18. CaOを1%以上含有する請求項17に記載のガラス。
  19. Oが10〜18%である請求項17または18に記載のガラス。
  20. MgOが3.5%以上、CaOが5%以上、BaOが1%以下である請求項17から19のいずれか1項に記載のガラス。
  21. CaOが5%未満、BaOが1%以下、RO/Alが3.2以下である請求項17から19のいずれか1項に記載のガラス。
  22. Oが2%以下である請求項17から21のいずれか1項に記載のガラス。
  23. 酸化物基準の質量百分率表示で、0%以上1%以下のBをさらに含有する請求項17から22のいずれか1項に記載のガラス。
  24. T2が1510℃以下である請求項17から23のいずれか1項に記載のガラス。
  25. 失透温度が、粘度が10dPa・sとなる温度(T4)以下である請求項17から24のいずれか1項に記載のガラス。
  26. 前記ガラス板は、化学強化処理に対応可能である請求項17から25のいずれか1項に記載のガラス。
  27. 請求項26に記載のガラスを化学強化処理して得られる化学強化ガラス。
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