JP6112350B2 - ラックガイド装置及びこれを含むステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、全体としての組立性の良いラックガイド装置およびこれを含むステアリング装置を提供することである。
また、請求項2のように、前記抜け止め突起は、前記凸部の外周に保持された弾性部材(26;37;38;39)を含んでいてもよい。
また、請求項4のように、前記抜け止め突起は、前記凸部の外周に形成された収容溝(36Q)に保持されたC形の止め輪(39)を含んでいてもよい。
また、請求項5のように、前記抜け止め突起は、前記凸部に単一の材料で一体に設けられた塑性変形突起(41)を含んでいてもよい。
また、請求項7のように、前記ラックガイドと前記封止部材との間に介在し、前記ラックガイドをラック軸側へ付勢する圧縮コイルばね(21)を備えていてもよい。
また、請求項2の発明によれば、弾性部材を凸部の外周の収容凹部に容易に装着して、該弾性部材によって抜け止め突起を構成することができるので、組立性が良い。
また、請求項4の発明によれば、汎用品で安価なC形の止め輪を用いることで、組立性の向上とともに製造コストを安価にすることができる。
また、請求項6の発明によれば、皿ばねとラックガイドとの接触を回避して、ラックガイドに摩耗が生ずることを抑制することができる。また、ラックガイド装置の組立前に、予め皿ばねと座板と封止部材をサブ組立しておくことができるので、全体としての組立性が向上する。
請求項8の発明によれば、筒状をなす凸部によって圧縮コイルばねの外径部を案内することができる。
図1は本発明の第1実施形態のラックガイド装置が適用されるステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸8とを有している。ピニオン軸7およびラック軸8により舵取り機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。
ステアリング装置1の要部の断面図である図2を参照して、ピニオン軸7は、例えば玉軸受からなる第1軸受12と、例えば円筒ころ軸受からなる第2軸受13とによって、ピニオンハウジング14内に回転可能に支持されている。ピニオン軸7のピニオン7aとラック軸8のラック8aとは、ピニオンハウジング14内で相互に噛み合わされている。
また、ラックガイド装置15は、収容部16においてラック軸8側とは反対側に設けられた外部開口端19に固定されたプラグ(栓)からなる封止部材20と、ラックガイド18と封止部材20との間に介在する圧縮コイルばね21および1ないし複数(本実施形態では複数の場合に則して説明する。)の皿ばね22と、皿ばね22とラックガイド18との間に介在し皿ばね22の荷重を受ける環状の座板23とを備えている。
抜け止め突起としてのOリング26(弾性部材)は、凸部25からの皿ばね22および座板23の抜けを抑制する機能を果たす。またOリング26は、凹部24の内周24a(円筒面)に摩擦係合しており、ラック軸8側からの入力荷重によってラックガイド18が封止部材20側に移動するときに、ラックガイド18に摩擦抵抗荷重を付与するように機能する。
ラックガイド18は、ラック軸8に対向する第1面181と、第1面181の反対側に設けられた第2面182と、円筒面からなる外周183とを有している。ラックガイド18の第1面181には、ラック軸8の背面8bの形状に概ね一致する形状の凹面27が形成されている。凹面27に沿うように湾曲状の摺接板28が取り付けられており、摺接板28が、ラック軸8の背面8bに摺接する。摺接板28としては、低摩擦係数を有する板を用いることが好ましく、例えば金属板や、フッ素樹脂を被覆した金属板を用いることができる。
図2および図3を参照して、封止部材20は、ラックガイド18(の第2面182)と対向する第1面201と、第1面201の反対側の第2面202とを有するプラグからなる。すなわち、封止部材20の外周203には、雄ねじ31が形成されている。一方、収容部16の外部開口端19から所定長の範囲に、雌ねじ32が形成され、この雌ねじ32に、封止部材20の雄ねじ31がねじ込まれて、封止部材20がハウジング17に固定されている。封止部材20の第2面202には、封止部材20をねじ込む工具が係合する多角形断面(例えば六角形断面)の工具係合孔33が設けられている。
封止部材20の凸部25の外周25aと、凹部24の内周24aとは所定の隙間を設けて対向する対向部として機能する。Oリング26(弾性部材)は、凸部25の外周25aに設けられた収容溝36によって保持されて、凹部24の内周24a(対向部)に摩擦係合している。Oリング26は、凹部24の内周24aと凸部25の外周25aの間で、弾性圧縮されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、抜け止め突起を構成する弾性部材(Oリング)26が、ラックガイド18の凹部24の内周24aに摩擦係合している。したがって、ラック軸8側からの荷重入力で封止部材20側へ変位するラックガイド18に対して、弾性部材(Oリング26)が付与する摩擦抵抗荷重を、皿ば22の反力荷重に重畳することができる。これにより、ラック軸8側からの逆入力に抗する対抗荷重を増大することができる。
(第2実施形態)
次いで、図5は、本発明の第2実施形態のラックガイド装置における、サブアセンブリSAPを示している。図5を参照して、第2実施形態が図4の第1実施形態と主に異なるのは、下記である。すなわち、第1実施形態では、抜け止め突起を構成する弾性部材としてOリング26を用いている。
巻きブッシュ37の外周37aは、ラックガイドの凹部の内周(第1実施形態の図3において、ラックガイド18の凹部24の内周24aに相当)に摩擦係合が可能であれば、摩擦係合層としての金属層で形成されていてもよい。巻きブッシュ37の外周37aが、径方向の弾性を有する摩擦係合層としての樹脂層で形成されることで、巻きブッシュ37が弾性部材として機能していてもよい。
次いで、図6は、本発明の第3実施形態のラックガイド装置における、サブアセンブリSAQを示している。図6を参照して、第3実施形態が図4の第1実施形態と主に異なるのは、下記である。すなわち、第1実施形態では、抜け止め突起を構成する弾性部材としてOリング26を用いている。
凸部25Qの外周25Qaに、高さ方向に延びる収容溝36Qが、周方向K1の等間隔に形成され、各収容溝36Qに、対応する弾性棒38が、収容され保持されている。各収容溝36Qに保持された弾性棒38は、凸部25Qの高さ方向への移動が規制されている。
図6の第3実施形態の構成要素において、図4の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図4の第1実施形態の構成要素と同じ参照符号を付してある。本第3実施形態においても、第1実施形態と同じ作用効果を奏することができ、ラックガイド装置の組立前に、予め組み立てられたサブアセンブリSAQを用いることで、組立性を向上することができる。また、複数の弾性棒38が、図6では示されていないが、ラックガイドの凹部の内周に摩擦係合するので、ラック軸側からの逆入力に抗して、弾性棒38が、ラックガイドに摩擦抵抗荷重を付与して、逆入力に対する対抗荷重を増大することができる。
次いで、図7は本発明の第4実施形態のラックガイド装置15Rの断面図であり、図8は、第4実施形態のラックガイド装置15Rの組立前に予め組み立てられたサブアセンブリSARの断面図である。
図7の第4実施形態のラックガイド装置15Rが、図3の第1実施形態のラックガイド装置15と主に異なるのは下記である。すなわち、図3の第1実施形態では、抜け止め突起として、中実の凸部25の外周25aの収容溝36に保持されたOリング26(弾性部材)を用いている。また、Oリング26は、凹部24の内周24aに摩擦係合して、ラックガイド18の移動に摩擦抵抗を付与する。
封止部材20Rの凸部25Rの収容溝36Rに保持されたC形の止め輪39の外径D1Rが、皿ばね22の内径D2や座板23の内径D3よりも大きくされている(D1R>D2。D1R>D3)。これにより、止め輪39によって、凸部25Rからの皿ばね22や座板23の抜脱が抑制されている。
次いで、図9は本発明の第5実施形態のラックガイド装置15Sの断面図であり、図10は、第5実施形態のラックガイド装置15Sの組立前に予め組み立てられたサブアセンブリSASの断面図である。
図9の第5実施形態のラックガイド装置15Sが、図7の第4実施形態のラックガイド装置15Rと主に異なるのは下記である。すなわち、図3の第1実施形態では、抜け止め突起として、封止部材20Rの凸部25Rの外周25Raの収容溝36Rに保持されたC形の止め輪39を用いている。
図9および図10の第5実施形態において、図7および図8の第4実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図7および図8の第4実施形態の構成要素と同じ参照符号を付してある。本第5実施形態においても、第4実施形態と同じ作用効果を奏することができ、ラックガイド装置の組立前に、予め組み立てられたサブアセンブリSASを用いることで、組立性を向上することができる。また、凸部25Sと単一の材料で一体に形成された塑性変形突起によって抜け止め突起を形成するので、部品点数を削減することができ、製造コストを安価にすることができる。
次いで、図11は、本発明の第6実施形態のラックガイド装置15Tの断面図である。図11の第6実施形態が図9の第5実施形態と主に異なるのは、下記である。すなわち、図9の第5実施形態では、皿ばね22と圧縮コイルばね21とは、並列に配置されている。また、封止部材20Sの中空の凸部25Sの凹部40に、圧縮コイルばね21の一部が挿入されている。
図11の第6実施形態において、図9の第5実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図9の第5実施形態の構成要素と同じ参照符号を付してある。本第6実施形態においても、第5実施形態と同じ作用効果を奏することができ、ラックガイド装置の組立前に、予め組み立てられたサブアセンブリ(図示せず)を用いることで、組立性を向上することができる。また、皿ばね22と圧縮コイルばね21とを直列に配置するので、ラックガイド18を付勢する荷重設定の自由度を向上することができる。
Claims (8)
- ピニオン軸に噛み合うラック軸を挿通させるハウジングに形成された収容部内に、ラック軸側に向かって進退可能に収容され、且つラック軸を当該ラック軸の軸方向に摺動可能に支持するラックガイドと、
前記収容部においてラック軸側とは反対側に設けられた外部開口端に固定された封止部材と、
前記封止部材と前記ラックガイドとの間に介在し前記ラックガイドをラック軸側へ付勢する少なくとも1枚の皿ばねと、
前記封止部材に対向する前記ラックガイドの対向部に設けられた凹部と、
前記封止部材に設けられ、前記皿ばねを挿通して前記凹部に挿入される凸部と、
前皿ばねよりも前記凸部の先端側において前記凸部の外周に一体または別体で設けられ、前記凸部からの前記皿ばねの抜けを抑制する抜け止め突起とを備えるラックガイド装置。 - 請求項1において、前記抜け止め突起は、前記凸部の外周に保持された弾性部材を含むラックガイド装置。
- 請求項2おいて、前記弾性部材は、前記凹部の内周に摩擦係合しているラックガイド装置。
- 請求項2または3において、前記抜け止め突起は、前記凸部の外周に形成された収容溝に保持されたC形の止め輪を含むラックガイド装置。
- 請求項1において、前記抜け止め突起は、前記凸部に単一の材料で一体に設けられた塑性変形突起を含むラックガイド装置。
- 請求項1から5の何れか1項において、前記皿ばねと前記ラックガイドとの間に介在し前記皿ばねの荷重を受ける環状の座板を備え、
前記抜け止め突起によって、前記凸部からの前記座板の抜けが抑制されているラックガイド装置。 - 請求項1から6の何れか1項において、前記ラックガイドと前記封止部材との間に介在し、前記ラックガイドをラック軸側へ付勢する圧縮コイルばねを備えるラックガイド装置。
- 請求項7において、前記凸部は、前記圧縮コイルばねの外径部を案内するように筒状をなしているラックガイド装置。
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