JP5305092B2 - ラック軸支持装置および車両用操舵装置 - Google Patents

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本発明はラック軸支持装置およびこれを含む車両用操舵装置に関する。
ラックアンドピニオン式のステアリング装置には、通例、ラックとピニオンとの間のバックラッシを除去するためのラック軸支持装置が提供されている(例えば特許文献1を参照)。
そのラック軸支持装置では、ハウジングに設けられた保持孔に、前後に摺動可能なサポートヨークと、このサポートヨークを付勢する圧縮コイルばねを収容している。圧縮コイルばねにより付勢されたサポートヨークによって、ラック軸を軸方向に摺動可能に支持するとともにラック軸をピニオン軸側へ押圧している。
特開2007−238089号公報
しかしながら、長期の使用によって、ラック軸およびサポートヨークの摺動部分の摩耗が進行すると、保持孔の深さ方向に関してサポートヨークのがたつきが大きくなり、その結果、ラトル音を発生するおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、長期にわたって騒音の発生を抑制することができる小型のラック軸支持装置および車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ハウジング(17)に形成された保持孔(16)内に上記保持孔の深さ方向(X1)に摺動可能に収容され且つラック軸(8)を摺動可能に支持するラック軸支持部材(18)と、上記保持孔の入口に固定された封止部材(19)と、上記ラック軸支持部材と封止部材との間に配置され中間部材であって、上記封止部材に設けられた支持する部分(34)によって支持される部分(35)を有し、上記支持される部分が上記封止部材の上記支持する部分によって支持されることによって、上記保持孔の中心軸線(C1)の回りに回転可能で且つ上記保持孔の深さ方向に移動可能に支持されている中間部材(20)と、上記封止部材に設けられた係合部(21;220)および上記中間部材に設けられ上記係合部に係合する被係合部(22;210)を含み、上記係合部および上記被係合部は上記支持する部分および上記支持される部分とは別に設けられているカム機構(23;230)と、一端(37)が上記中間部材に係合され他端が上記封止部材に係合されたぜんまいばね(25)と、上記中間部材を挿通するように設けられたねじ孔(46)と、上記封止部材に設けられた固定治具挿通孔(41)と、を備え、上記中間部材が所定の回転位置にあるときに、上記ねじ孔と上記固定治具挿通孔とが同一軸線上に並ぶようにされ、上記固定治具挿通孔を通してねじ孔にねじ込まれた固定治具を用いて、該固定治具の先端面(48a)が中間部材の端面(43a)から所定の突出量(P1)で突出する状態で上記封止部材および上記中間部材が互いに固定可能とされ、上記ラック軸支持部材と上記中間部材の端面との間には、上記所定の突出量に相当する量のクリアランスが設けられ、上記ぜんまいばねの捩じり戻しによる上記中間部材の回転力が、上記カム機構によって上記中間部材を上記ラック軸支持部材側へ押す力に変換されることを特徴とする。
本発明によれば、ラック軸支持部材とラック軸との摺動部分の摩耗の進行に伴って、ぜんまいばねによって中間部材が回転される。この中間部材の回転に伴って、カム機構の働きで、中間部材がラック軸支持部材側へ変位し、その結果、中間部材によって、ラック軸支持部材がラック軸側へ押されるので、ラックとピニオンの噛み合い部の押圧力を略一定に維持することができる。また、保持孔の中心軸線の回りに回転可能な中間部材に回転力を与えるためのぜんまいばねは、保持孔の深さ方向に場所をとらないので、保持孔の深さ方向に関して、本ラック軸支持装置を格段に小型にすることができる。特に、封止部材および中間部材を係合するカム機構を用いるので、構造を簡素化することができる
また、上記中間部材に設けられたねじ孔と、上記封止部材に設けられた固定治具挿通孔とを備え、上記中間部材が所定の回転位置にあるときに、上記ねじ孔と上記固定治具挿通孔とが同一軸線上に並ぶようにされ、上記固定治具挿通孔を通してねじ孔にねじ込まれた固定治具を用いて、該固定治具の先端面が中間部材の端面から所定の突出量で突出する状態で上記封止部材および上記中間部材が互いに固定可能とされ、上記ラック軸支持部材と上記中間部材の端面との間には、上記所定の突出量に相当する量のクリアンラスが設けられているので、下記の利点がある。すなわち、封止部材の固定治具挿通孔を挿通して中間部材のねじ孔にねじ込まれた固定治具を用いて、封止部材に対して中間部材を軸方向および回転方向に固定することができる。また、この状態で、封止部材、中間部材、ぜんまいばねおよび固定治具を含み、ぜんまいばねの捩じり量が精度良く管理されたサブアセンブリを構成することができるので、組立性が向上する。また、中間部材とラック軸支持部材との間のクリアンラス調整が容易である。
また、上記封止部材および上記中間部材の一方に、係合部としての突起(21;210)が設けられ、上記封止部材および上記中間部材の他方に設けられた筒状部(44;280)の内周または外周に、被係合部としての溝カム(22;220)が設けられている場合がある(請求項2)。この場合、カム機構の溝カムを筒状部の内周または外周に形成するので、保持孔の深さ方向に関して、ラック軸支持装置を小型化することができる。
また、請求項の発明は、ハウジングに形成された保持孔内に上記保持孔の深さ方向に摺動可能に収容され且つラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、上記保持孔の入口に固定された封止部材と、上記ラック軸支持部材と封止部材との間に配置され、上記保持孔の中心軸線の回りに回転可能で且つ上記保持孔の深さ方向に移動可能な中間部材と、上記封止部材および中間部材の一方に設けられた係合部および他方に設けられ上記係合部に係合する被係合部を含むカム機構と、一端が上記中間部材に係合され他端が上記封止部材に係合されたぜんまいばねと、上記中間部材を挿通するように設けられたねじ孔と、上記封止部材に設けられた固定治具挿通孔と、を備え、上記中間部材が所定の回転位置にあるときに、上記ねじ孔と上記固定治具挿通孔とが同一軸線上に並ぶようにされ、上記固定治具挿通孔を通してねじ孔にねじ込まれた固定治具を用いて、該固定治具の先端が中間部材の端面から所定の突出量で突出する状態で上記封止部材および上記中間部材が互いに固定可能とされ、上記ラック軸支持部材と上記中間部材の端面との間には、上記所定の突出量に相当する量のクリアランスが設けられ、上記ぜんまいばねの捩じり戻しによる上記中間部材の回転力が、上記カム機構によって上記中間部材を上記ラック軸支持部材側へ押す力に変換されることを特徴とする。
また、請求項において、上記封止部材および上記中間部材の一方に、係合部としての突起が設けられ、上記封止部材および上記中間部材の他方に設けられた筒状部の内周または外周に、被係合部としての溝カムが設けられている場合がある(請求項)。
また、上記封止部材と上記中間部材との間に弾性的に圧縮された状態で介在し、上記中間部材をラック軸支持部材側へ弾性的に付勢する弾性部材を備える場合がある(請求項)。この場合、封止部材および中間部材を係合するカム機構に起因して発生するおそれのある中間部材のがたつきを未然に防止することができる。
上記ラック軸支持装置を用いて上記ラック軸を軸方向に摺動可能に支持する車両用操舵装置であれば、好ましい(請求項)。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の一実施の形態のラックアンドピニオン式の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。 ラック軸支持装置が適用された車両用操舵装置の要部の断面図である。 図2の一部を拡大した拡大断面図である。 ラック軸支持装置の分解斜視図である。 ラック軸支持装置の一部破断斜視図である。 封止部材側から見たラック軸支持装置の外観を表す概略図である。 ぜんまいばねを係止した中間部材の概略図である。 (a)は中間部材の平面図であり、(b)は中間部材の側面図である。 ラック軸支持装置の組立の中間工程において形成されたサブアセンブリの断面図である。 本発明の別の実施の形態のラック軸支持装置の要部の断面図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸8とを有している。ピニオン軸7およびラック軸8により舵取り機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。
ラック軸8は、車体に固定されるラックハウジング9内に、図示しない複数の軸受を介して、軸方向Z1に沿って直線往復動可能に支持されている。ラック軸8の両端部はラックハウジング9の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド10が結合されている。各タイロッド10は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪11に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン7aおよびラック8aによって、自動車の左右方向に沿ってのラック軸8の直線運動に変換される。これにより、転舵輪11の転舵が達成される。
図2を参照して、ピニオン軸7は、例えば玉軸受からなる第1の軸受12と、例えば円筒ころ軸受からなる第2の軸受13とによって、ピニオンハウジング14内に回転可能に支持されている。ピニオン軸7のピニオン7aとラック軸8のラック8aとは、ピニオンハウジング14内で相互に噛み合わされている。
車両用操舵装置1にはラック軸支持装置15が装備されている。ラック軸支持装置15は、円孔からなる保持孔16を有するハウジング17と、保持孔16に保持孔16の深さ方向X1に沿って摺動可能に収容され且つラック軸8のラック8aの背面8bを摺動可能に支持するラック軸支持部材としてのサポートヨーク18と、保持孔16の入口にねじ込まれて固定された中空の封止部材19とを備えている。
また、ラック軸支持装置15は、サポートヨーク18および封止部材19の間に介在した中間部材20と、封止部材19に設けられた係合部としての突起21および中間部材に設けられ上記突起21が係合する被係合部としての螺旋状の溝カム22によって構成されたカム機構23と、中間部材20およびサポートヨーク18の間に介在しサポートヨーク18をラック軸8側へ弾性的に付勢する例えば圧縮コイルばねからなる付勢部材24とを備えている。
中間部材20は、封止部材19によって保持孔16の中心軸線C1の回りに回転可能に且つ保持孔16の深さ方向X1に変位可能に支持されている。中間部材20の後述するベース43の前面43aとサポートヨーク18の後面18bとの間には、変動吸収のための隙間が確保されている。また、ラック軸支持装置15は、中間部材20に回転力を与えるためのぜんまいばね25を備えている。
ぜんまいばね25の捩じり戻しにより、中間部材20が回転されることにより、互いに係合する突起21と螺旋状の溝カム22の働きで、中間部材20の回転力が、中間部材20をサポートヨーク18側へ押す付勢力に変換される。具体的には、中間部材20が、サポートヨーク18へ移動することになる。
ラック軸支持装置15のハウジング17は、ピニオンハウジング14と単一の材料で一体に形成され、ラック軸8を隔ててピニオン軸7とは反対側に配置されている。ピニオンハウジング14およびハウジング17は例えばダイキャストにより製作される。
ラック軸支持部材としてのサポートヨーク18は、ラック軸8に対向する前面18aと、中間部材20に対向する対向面としての後面18bと、円筒面からなる外周面18cとを有している。サポートヨーク18の前面18aには、ラック軸8の背面8bの形状に概ね一致する形状の凹面26が形成されている。この凹面26に沿うように摺接板27が取り付けられており、この摺接板27がラック軸8の背面8bに摺接する。摺接板27としては、低摩擦係数を有する板を用いることが好ましく、例えば金属板や、フッ素樹脂を被覆した金属板を用いることができる。
図3を参照して、封止部材19は、筒状部28と、筒状部28の一端を閉塞する円形の端壁29と、筒状部28の内周から筒状部28の径方向内方に突出する上記突起21とを有している。突起21の断面は、例えば円形等の丸形である。図3および図4に示すように、筒状部28には、筒状部28の径方向に対向する一対の固定孔30が形成されている。各固定孔30に圧入固定されたピン31の一部が、筒状部28の内周から径方向内方に突出し、上記突起21を構成している。
また、筒状部28の外周28aに、雄ねじ32が形成されている。上記保持孔16の入口に対応して保持孔16の内周面16aには、雌ねじ部16bが形成され、この雌ねじ部16bに、上記封止部材19の雄ねじ32がねじ込まれて固定されている。封止部材19の外周の雄ねじ32に螺合されたロックナット33が、ハウジング17の端面に押圧されることより、封止部材19が、ハウジング17に止定されている。
封止部材19の筒状部28の内側には、端壁29の内面29aの中心から突出する支持筒34が設けられており、この支持筒34の内周に、中間部材20の支軸35が回転可能に且つ軸方向に摺動可能に嵌合されている。これにより、中間部材20が、封止部材19によって、保持孔16の中心軸線C1の回りに回転可能に支持されている。
また、図3および図4を参照して、封止部材19の筒状部28の内側には、保持孔16の中心軸線C1から所定距離離れた位置に、端壁29の内面29aから突出する係合軸36が設けられている。上記ぜんまいばね25は、封止部材19の内部に収容され、封止部材19の係合軸36と中間部材20の支軸35との間に配置されている。
すなわち、図4、図5および図7に示すように、ぜんまいばね25は、一端としての内端37と、他端としての外端38とを有している。図3および図7に示すように、ぜんまいばね25の内端37は、中間部材20の支軸35に設けられた係合溝39に係止されている。係合溝39は、支軸35を径方向に貫通するとともに、支軸35の軸方向に延び支軸35の先端に開放している。ぜんまいばね25の外端38、封止部材19の係合軸36に係止されている。
図3および図6を参照して、封止部材19の端壁29の外面29bの中央には、封止部材19を回転操作するときに工具を係合するための、例えば六角孔からなる操作部40が設けられている。また、図6に示すように、封止部材19の端壁29を筒状部28の軸方向に平行に挿通する複数の固定治具挿通孔41が設けられている。これらの固定治具挿通孔41は、端壁29の中心(保持孔16の中心軸線C1に相当)を中心とする円周の周方向に等間隔を隔てて配置されている。各固定治具挿通孔41は、例えばゴム製の栓42によって塞がれている。具体的には、固定治具挿通孔41の拡径部49に、栓42が圧入されている。
図8(a)および(b)に示すように、中間部材20は、円板状のベース43と、ベース43の後面43bからベース43と同心をなすように突出し、封止部材19の筒状部28の内周に嵌合された筒状部44と、ベース43の後面43bの中央部から中間部材20の回転中心C2に沿って突出する上記支軸35とを有している。
筒状部44の外周44aには、上記した螺旋状の溝カム22が形成されている。筒状部44には、筒状部44の軸方向とは平行に延び且つ筒状部44の径方向に対向する一対の導入溝45が形成されている。封止部材19と中間部材20を組み合わせるときに、封止部材19の一対の突起21を、それぞれ対応する導入溝45を通して、溝カム22内に組み入れるようにしている。
ベース43には、ベース43の中心を中心とする円周の周方向に等間隔を隔てて、複数のねじ孔46が形成されている。また、ベース43には、上記ねじ孔46が配置される上記円周上において、所定の一対のねじ孔46から等間隔の位置に、位置決め孔47が形成されている。各ねじ孔46および位置決め孔47は、ベース43の軸方向と平行に延びており、筒状部44内に配置されている。
図3に示すように、封止部材19の筒状部28の端面と、該端面に対向する中間部材20のベース43の後面43bとの間には、例えばOリングからなる環状の弾性部材53が弾性的に圧縮された状態で介在している。弾性部材53は中間部材20をサポートヨーク18側へ弾性的に付勢している。弾性部材53は、封止部材19に対して中間部材20が、がたつくことを防止し、がたによる騒音の発生を防止する。
上記弾性部材53としては、Oリングの他、環状の皿ばね、環状の波板ばね、環状のウレタンゴム等の弾性部材を用いることができる。環状の弾性部材53が、中間部材20を介してサポートヨーク18をラック軸8側へ弾性的に付勢する付勢部材として機能するので、付勢部材24を廃止することも可能である。
ラック軸支持装置15の組立の中間工程において、図9に示すように、固定治具挿通孔41を通してねじ孔46にねじ込まれた固定治具48を用いて、封止部材19および中間部材20が互いに固定可能とされている。具体的には、封止部材19、中間部材20、ぜんまいばね25、弾性部材53および固定治具48を含むサブアセンブリSAが構成されている。
このサブアセンブリSAを組み立てるには、まず、封止部材19および中間部材20を軸方向に相対移動させて、一対の突起21をそれぞれ対応する導入溝45に導入する。次いで、中間部材20のベース43の前面43a側から位置決め孔47に、回り止めピン(図示せず)を挿入して、中間部材20の回転を規制する。
このように中間部材20の回転を規制した状態で、中間部材20に対して封止部材19を回転させながら、一対の突起21を導入溝45から溝カム22内に導入する。このとき、封止部材19および中間部材20の相対回転に伴って、ぜんまいばね25が、封止部材19の係合軸36と中間部材20の支軸35との間で、捩じられる。
中間部材20に対して封止部材19を所定量(例えば90度)回転させたときに、封止部位19の所定の固定治具挿通孔41と中間部材20の所定のねじ孔46とが同一軸線上に並ぶようにされている。同一軸線上にある上記所定の固定治具挿通孔41を通して、ねじからなる固定治具48を、上記所定のねじ孔46にねじ込む。これにより、封止部材19、中間部材20、ぜんまいばね25、弾性部材53および固定治具48を含むサブアセンブリSAを組み立てることができる。
固定治具48として、工具係合孔50を形成した頭部51を有し、先端にねじ部52が形成されたねじを用いることができる。固定治具48は、封止部材19の固定治具挿通孔41に挿通され、固定治具48の先端のねじ部52が、中間部材21のねじ孔46にねじ込まれている。固定治具48の先端面48aは、中間部材20の前面43aから所定の突出量P1だけ突出するようになっている。上記所定の突出量P1は、固定治具48の長さに応じて予め一義的に定まる量であり、例えば50〜100μmの範囲で所望の量(例えば50μm)に設定される。
また、頭部51は、封止部材19の固定治具挿通孔41の入口の拡径部49の底によって受けられている。これにより、サブアセンブリSAでは、固定治具48によって、封止部材19および中間部材20が、互いの軸方向および回転方向の移動が規制され、且つぜんまいばね25の捩じり量が所望に設定された状態となる。
このようなサブアセンブリSAをハウジング17の保持孔16にねじ込み、中間部材20のベース43の前面43aから上記所定の突出量P1だけ突出している3本(図9では1本のみを示してある)の固定治具48の先端面48aをサポートヨーク18の後面18bに当接させる。これにより、ベース43の前面43aとサポートヨーク18の後面18bとの間に、上記所定の突出量P1に相当する所定のクリアランス量を確保することができる。すなわち、サブアセンブリSAを単に、ねじ込み可能な位置まででねじ込むだけで、所定のクリアランス量を確保することができ、したがって、従来行っていたような面倒なクリアランス調整の手間をかける必要がない。なお、仕様に応じてクリアランス量を変更する場合には、長さの異なる固定治具48を用いることになる。
次いで、ロックナット33を用いて、封止部材19を止定した後、固定治具48を取り外す。これにより、ぜんまいばね25の捩じり戻し力が、中間部材20に負荷されるようにする。
なお、固定治具48を取り外したのち、図3に示すように、封止部材19の固定治具挿通孔41の入口に形成された拡径部49に、栓42が嵌め入れられ、これにより、固定治具挿通孔41の入口が塞がれている。具体的には、栓42を構成する雄ねじが、拡径部49の内周に形成された雌ねじに、ねじ込まれている。
本実施の形態によれば、サポートヨーク18とラック軸8との摺動部分の摩耗の進行に伴って、ぜんまいばね25が捩じり戻されることにより、中間部材20が回転される。その結果、封止部材19の突起21と中間部材20の溝カム22の働きで、中間部材20がサポートヨーク18側へ駆動される。これにより、長期にわたって、ラック8aとピニオン7aの噛み合い部の押圧力を略一定に維持することができ、その結果、長期にわたって、騒音を確実に抑制することができる。
したがって、本ラック軸支持装置15が適用された車両用操舵装置1では、ラック8aとピニオン7aの噛み合い部の押圧力が過大になることに伴って、操舵フィーリングが悪くなるようなことがない。また、騒音を確実に抑制することができる。
特に、中間部材20に回転力を与えるために、ぜんまいばね25を用いており、ぜんまいばね25は、保持孔16の深さ方向X1に場所をとらないので、保持孔16の深さ方向X1に関して、ラック軸支持装置15を格段に小型にすることができる。しかも、封止部材19および中間部材20を係合するカム機構23を用いるので、構造を簡素化でき、この点からもラック軸支持装置15を小型にすることができる。
また、固定治具48によって封止部材19および中間部材20の回転位置が固定されたサブアセンブリSAの状態で、封止部材19の所望の固定治具挿通孔41と中間部材20の所望のねじ孔46とを位置合わせされているので、ラック軸支持装置15に組み込む前において、ぜんまいばね25の捩じり量を調整することができる。したがって、ラック軸支持装置15に組み込まれた後に、ぜんまいばね25の発生する捩じりトルクを精度良く管理することができる。したがって、ラック8aとピニオン7aの噛み合い部の押圧力のばらつきを抑制することができる。
また、ぜんまいばね25の内端37が、中間部材20の回転中心C2に沿って延びる支軸35に係合しているので、ぜんまいばね25の捩じり戻しによって、中間部材20を円滑に回転させることができる。また、互いに反対側に配置された一対の突起21が溝カム22に嵌合しているので、中間部材20の回転が安定する。
また、中間部材20の支軸35に、ぜんまいばね25の内端37を係合する係合溝39が形成されているので、構造を簡素化することができる。また、サポートヨーク18と中間部材20との間に介在する付勢部材24によって、サポートヨーク18をラック軸8側へ弾性的に付勢することができる。
また、封止部材19と中間部材20との間に弾性的に圧縮された状態で介在し、中間部材20をサポートヨーク18へ弾性的に付勢する環状の弾性部材53を設けたので、封止部材19および中間部材20を係合するカム機構23の係合部分(突起21および溝カム22)に起因して発生するおそれのある中間部材20のがたつきを未然に防止することができる。
ねじ込み位置が調整された封止部材19をロックナット33で止定した後は、固定治具48を取り外し、固定治具挿通孔41の入口を栓42で閉塞するので、封止部材19の内部に水分や塵埃が入ることがない。
また、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、図10に示すラック軸支持装置150のように、封止部材190の筒状部280の内周に、被係合部としての螺旋状の溝カム220を設け、中間部材200の筒状部440の外周から突出する係合部としての突起210を設けて、カム機構230を構成するようにしてもよい。
また、溝カム22,220に係合する突起21,210は、丸形断面の軸であってもよいし、軸方向に延びる一対の平坦面を有し、一対の平坦面間に二面幅が形成される軸であってもよい。その他、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことができる。
1…車両用操舵装置、15;150…ラック軸支持装置、16…保持孔、17…ハウジング、18…サポートヨーク(ラック軸支持部材)、19,190…封止部材、20,200…中間部材、21,210…突起(係合部)、22,220…溝カム(被係合部)、23,230…カム機構、24…付勢部材、25…ぜんまいばね、28,280…筒状部、35…支軸、36…係合軸、37…内端(一端)、38…外端(他端)、39…係合溝、41…固定治具挿通孔、42…栓、44,440…筒状部、45…導入溝、46…ねじ孔、47…位置決め孔、48…固定治具

Claims (6)

  1. ハウジングに形成された保持孔内に上記保持孔の深さ方向に摺動可能に収容され且つラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、
    上記保持孔の入口に固定された封止部材と、
    上記ラック軸支持部材と封止部材との間に配置された中間部材であって、上記封止部材に設けられた支持する部分によって支持される部分を有し、上記支持される部分が上記封止部材の上記支持する部分によって支持されることによって、上記保持孔の中心軸線の回りに回転可能で且つ上記保持孔の深さ方向に移動可能に支持されている中間部材と、
    上記封止部材および中間部材の一方に設けられた係合部および他方に設けられ上記係合部に係合する被係合部を含み、上記係合部および上記被係合部は上記支持する部分および上記支持される部分とは別に設けられているカム機構と、
    一端が上記中間部材に係合され他端が上記封止部材に係合されたぜんまいばねと、
    上記中間部材を挿通するように設けられたねじ孔と、
    上記封止部材に設けられた固定治具挿通孔と、を備え、
    上記中間部材が所定の回転位置にあるときに、上記ねじ孔と上記固定治具挿通孔とが同一軸線上に並ぶようにされ、
    上記固定治具挿通孔を通してねじ孔にねじ込まれた固定治具を用いて、該固定治具の先端が中間部材の端面から所定の突出量で突出する状態で上記封止部材および上記中間部材が互いに固定可能とされ、
    上記ラック軸支持部材と上記中間部材の端面との間には、上記所定の突出量に相当する量のクリアランスが設けられ、
    上記ぜんまいばねの捩じり戻しによる上記中間部材の回転力が、上記カム機構によって上記中間部材を上記ラック軸支持部材側へ押す力に変換されることを特徴とするラック軸支持装置。
  2. 請求項1において、上記封止部材および上記中間部材の一方に、係合部としての突起が設けられ、上記封止部材および上記中間部材の他方に設けられた筒状部の内周または外周に、被係合部としての溝カムが設けられていることを特徴とするラック軸支持装置。
  3. ハウジングに形成された保持孔内に上記保持孔の深さ方向に摺動可能に収容され且つラック軸を摺動可能に支持するラック軸支持部材と、
    上記保持孔の入口に固定された封止部材と、
    上記ラック軸支持部材と封止部材との間に配置され、上記保持孔の中心軸線の回りに回転可能で且つ上記保持孔の深さ方向に移動可能な中間部材と、
    上記封止部材および中間部材の一方に設けられた係合部および他方に設けられ上記係合部に係合する被係合部を含むカム機構と、
    一端が上記中間部材に係合され他端が上記封止部材に係合されたぜんまいばねと、
    上記中間部材を挿通するように設けられたねじ孔と、
    上記封止部材に設けられた固定治具挿通孔と、を備え、
    上記中間部材が所定の回転位置にあるときに、上記ねじ孔と上記固定治具挿通孔とが同一軸線上に並ぶようにされ、
    上記固定治具挿通孔を通してねじ孔にねじ込まれた固定治具を用いて、該固定治具の先端が中間部材の端面から所定の突出量で突出する状態で上記封止部材および上記中間部材が互いに固定可能とされ、
    上記ラック軸支持部材と上記中間部材の端面との間には、上記所定の突出量に相当する量のクリアランスが設けられ、
    上記ぜんまいばねの捩じり戻しによる上記中間部材の回転力が、上記カム機構によって上記中間部材を上記ラック軸支持部材側へ押す力に変換されることを特徴とするラック軸支持装置。
  4. 請求項において、上記封止部材および上記中間部材の一方に、係合部としての突起が設けられ、上記封止部材および上記中間部材の他方に設けられた筒状部の内周または外周に、被係合部としての溝カムが設けられていることを特徴とするラック軸支持装置。
  5. 請求項1からの何れか1項において、上記封止部材と上記中間部材との間に弾性的に圧縮された状態で介在し、上記中間部材をラック軸支持部材側へ弾性的に付勢する弾性部材を備えることを特徴とするラック軸支持装置。
  6. 請求項1からの何れか1項に記載のラック軸支持装置を用いて上記ラック軸を軸方向に摺動可能に支持することを特徴とする車両用操舵装置。
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