JP5879302B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、ラックピニオン式のステアリング装置に関する。
ステアリング装置は、ステアリングの回転が伝達されるピニオン軸と、当該ピニオン軸に噛合するラックバーと、を備えており、前記ピニオン軸が回転し、前記ラックバーを軸方向に移動することによって操舵方向を変更するものである。
そして、ラック軸支持機構として、前記ラックバーを摺動支持するリテーナブッシュと、リテーナブッシュを嵌合保持するラックリテーナと、ラックリテーナをピニオン軸側に付勢するコイルばねとを備えており、このコイルばねの付勢力によって、リテーナブッシュがラックバーをピニオン軸側に付勢するようになっている。
自動車のパワーステアリング装置に適用される従来のラック軸支持機構として、例えば、以下の特許文献1が知られている。
特表2005−532511号公報
しかしながら、前記リテーナブッシュがラックバーとの摺動により摩耗した場合やピニオン歯とラック歯が摩耗した場合、コイルばねの付勢力が低下すると共に、ピニオン軸とラックバーとの間にバックラッシュが生じ、このバックラッシュに起因してラトル音が生じることがあった。
本発明はかかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、ステアリング装置において、リテーナブッシュや歯面が摩耗した場合でも、ラックバーからピニオン軸に対するバックラッシュ増加を抑制することが課題となる。
本願発明は、ラックリテーナ収容部内に、付勢部材によってラックリテーナ収容部の開口端側である他端側に向かって付勢され、前記他端側に第1傾斜面が形成されたスプリングシートと、リテーナ本体をラックバー側に付勢すると共にラックリテーナ収容部のラックバー側である一端側に第2傾斜面が形成され、前記他端側に第3傾斜面が形成された回転部材と、ハウジングに対して相対回転しないように設けられ、前記一端側に第4傾斜面が形成されたカバーと、を備え、スプリングシートの前記他端側への移動に伴い第1傾斜面と第2傾斜面の相対すべりにより回転部材が回転し、この回転部材の回転に伴い前記第3傾斜面と第4傾斜面との相対すべりに より、前記回転部材の付勢部がリテーナ本体を前記一端側方向へ付勢することを特徴とする。
本発明によれば、ステアリング装置において、リテーナブッシュ及び歯面が摩耗した場合でも、ラックバーからピニオン軸に対する付勢力の低下及びバックラッシュの増加を抑制することが可能となる。
本実施形態におけるステアリング装置を示す斜視図である。 ラックリテーナ収容部の断面図である。 ラックリテーナの分解斜視図である。 スプリングシートの斜視図である。 回転部材の斜視図である。 円盤ばねの装着状態を示す部分断面図である。 カバーの斜視図である。 プラグの斜視図である。 ラックリテーナの力学的作用を2次元モデルで表現した図である。 ラックリテーナの力学的作用を2次元モデルで表現した図である。 ラックリテーナの組立手順を示す図である。 ラックリテーナの組立手順を示す図である。 ラックリテーナの組立手順を示す図である。 ラックリテーナの組立手順を示す図である。 ラックリテーナの収容空間を示す図である。 ピニオン軸とラックバー間のフリクションを示すグラフである。
以下、本発明に係るステアリング装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1に示すように、本実施形態におけるステアリング装置は、いわゆるデュアルピニオン型のラックピニオン式電動パワーステアリング装置である。前記ステアリング装置は、ステアリングホイール(図示省略)に連係された入力軸1と、その入力軸1にトーションバー2を介して相対回転可能に連結され、先端側にピニオンギヤを有する第1ピニオン軸3と、第1ピニオン軸3に形成されたピニオンギヤと噛合するラックギヤが形成されたラックバー4と、を備え、ラックバー4の両端が車両の左右転舵輪(図示省略)に連係されている。
そして、周知のように、ステアリングホイールを回転させることで、入力軸1が回転して上記トーションバー2が捩られることとなり、このトーションバー2の捩れ変形に基づいて生ずる当該トーションバー2の弾性力により、入力軸1に追従して第1ピニオン軸3が回転する。そして、ピニオンギヤとラックギヤとが噛み合うことで構成されたラックピニオン機構をもって第1ピニオン軸3の回転運動がラックバー4の直線運動に変換され、このラックバー4が当該ラックバー4の軸方向(車両左右方向)に移動することによって左右転舵輪が操舵されることになる。
また、図1に示すステアリング装置においては、入力軸1と第1ピニオン軸3との上記トーションバー2を介した連結部にトルクセンサ(図示省略)が配設され、そのトルクセンサにより、入力軸1,第1ピニオン軸3の相対回転量、すなわち上記トーションバー2の捩れ量から運転者がステアリングホイールを操作する操舵トルクが検出されるようになっている。
そして、この操舵トルクの検出結果に基づいて電子制御ユニット10で制御される電動モータMから減速機構5,第2ピニオン軸(図示省略)を介してラックバー4に操舵アシストトルクが付与され、運転者の操舵がアシストされることになる。本実施形態では、減速機構5としていわゆるウォーム歯車機構を用いている。
前記電子制御ユニット10と前記電動モータ5とは、図1に示すように一体的に構成されてなり、ラックバー4に沿ってほぼ水平状態に配置される。
以下の説明では、図2の紙面に直交する方向をx軸,ラックバー4とピニオン軸3との接近離間方向をy軸方向とし、ピニオン軸3に平行な方向(鉛直方向)をz軸方向とする。
上記ラックピニオン機構を構成する第1ピニオン軸3,第2ピニオン軸およびラックバー4は図2に示すように、ステアリング装置の下部側に配置されるハウジング6内に収納されている。そのハウジング6は、x軸方向に延び、ラックバー4をx軸方向へ移動可能に収容するラックバー収容部7と、ラックバー4の前面側に臨みつつラックバー収容部7と交差するようにz軸方向に沿って形成され、第1ピニオン軸3を回転自在に収容する略円筒状の第1ピニオン軸収容部8と、第1ピニオン収容部8と同様に第2ピニオン軸を回転自在に収容する第2ピニオン軸収容部と、ラックバー4の背面に臨むようにラックバー収容部7からラックバー4の背面側に向けてy軸方向に延設され、内周側の断面形状が略円状に形成された筒状のラックリテーナ収容部9と、を内部にて連通可能に備えている。
次に、ラックリテーナについて説明する。ここでは、第1ピニオン軸について説明するが、第2ピニオン軸も同様に構成される。
図2,図3に示すように、ラックリテーナ収容部9には、ラックバー4の背面側に形成された摺動面4aを支持する当接面11bが形成されたリテーナ本体11と、ラックバー4をスムースに摺動させるリテーナブッシュ13と、リテーナブッシュ13に緩衝機能を持たせる緩衝材14,14と、前記リテーナ本体11よりもy軸方向においてラックリテーナ収容部9の開口端側(以下、y軸方向他端側と称する)に設けられたスプリングシート15と、y軸方向においてリテーナ本体11とスプリングシート15との間に介挿され、スプリングシート15をy軸方向他端側に付勢する付勢部材(以下、コイルばねと称する)12と、スプリングシート15よりも前記y軸方向他端側に設けられた回転部材16と、回転部材16とリテーナ本体11との間に設けられ撓みにより剛性を調整する弾性部材(以下、円盤ばねと称する)17と、回転部材16よりも前記y軸方向他端側に設けられ、ハウジング6と相対移動しないようにハウジング6に取り付けられたカバー18と、カバー18の後述する貫通孔18eに挿通されるプラグ20と、が収容されている。
図2,図3に示すように、前記リテーナ本体11は、ラックリテーナ収容部9内において微小な径方向隙間をもってy軸方向へ進退自在に収容されているとともに、当該リテーナ本体11の円筒外周面に形成された環状溝11aには周知のOリング19が弾性保持部材として嵌着されている。前記Oリング19,19は、リテーナ本体11の径方向隙間を閉塞し、ラックリテーナ収容部9と同心となる径方向位置でリテーナ本体11を弾性的に保持している。Oリング19は、リテーナ本体11とハウジング6との衝突音を緩和すると共に、ラックピニオン機構の歯面のラトル音低減にも効果を奏する。
図3に示すように、前記リテーナ本体11は、ラックバー4の斜面部4aを支持する一対の当接面11b,11bと、当接面11b,11b間においてラックバー4の軸方向に延設された断面略コ字状の溝部11cと、が形成されている。また、当接面11b,11bには、緩衝材14,14が嵌合する嵌合溝11d,11dが形成されている。
前記リテーナブッシュ13は、図3に示すように、ラックバー4を摺動自在に支持するバタフライ状の一対のシート部13a,13aと、該シート部13a,13aとの間に延設され、前記リテーナ本体11の溝部11cに嵌合保持された断面略コ字状の接続部13bと、が形成されている。前記シート部13a,13aは前記接続部13bを介して互いに接続されると共に、前記ラックバー4の斜面部4aと摺動する低摩擦材料で形成され、リテーナ本体11の当接面11bに支持されている。前記シート部13a,13aは前記ラックバー4の斜面部4aおよびリテーナ本体11の当接面11b,1bとほぼ同一の傾斜に形成されており、斜面部4a,4aおよび当接面11b,11bに密接するようになっている。このリテーナブッシュ13はラックバー4との摺動により摩耗する。
緩衝材14,14は、図2,図3に示すように、リテーナ本体11の嵌合溝11d,11dに嵌合し、リテーナ本体11の当接面11bとリテーナブッシュ13のシート部13aの間に介挿される。
前記コイルばね12は、一端部がリテーナ本体11の背面に弾接している一方、前記y軸方向他端側がスプリングシート15の底面内側に弾接している。これにより、スプリングシート15はコイルばね12の付勢力によって前記y軸方向他端側に付勢されている。
スプリングシート15は、図4に示すように、円盤状の底部15aと、底部15aの外周縁から立設した筒状の側壁15bとで有底筒体状に形成されている。前記側壁15b内周側にはコイルばね12が弾接している。また、底部15aにおける前記y軸方向他端側の外周縁には、傾斜面形成部が形成されている。この傾斜面形成部は、コイルばね12からのばね荷重をトルクに変換する第1傾斜面15cと、組立持の取付用平面15dが形成されている。第1傾斜面15cと取付用平面15dは周方向に分割して交互に形成されており、本実施形態では図4に示すように、それぞれ4つずつ形成されている。また、前記底部15aにはその中心に矩形状の貫通孔15eが形成されている。
回転部材16は、図5に示すように、円盤状の底部16aと、底部16aの外周縁から立設した筒状の側壁16bとで有底筒体状に形成されている。この側壁16bの自由端側はリテーナ本体11をy軸方向一端側へ付勢する付勢部16hとなる。また、側壁16bの内周側はy軸方向一端側が開口し、内部に収容空間が形成され、スプリングシート15の一部およびコイルばね12の一部はこの収容空間に収容される。前記底部16aにおける側壁16bの内周側にはスプリングシート15の傾斜面形成部と当接する傾斜面形成部が形成されている。この傾斜面形成部は、第1傾斜面15cと当接する第2傾斜面16cと、前記取付用平面15dと当接する組立時の取付用平面16dが形成されている。第2傾斜面16cと取付用平面16dは周方向に分割して交互に形成されており、本実施形態では図5に示すように4つずつ形成されている。また、底部16aにおける前記y軸方向他端側の面にはリードの緩やかな第3傾斜面16fが形成されている。第3傾斜面16fは周方向に分割して形成されており、本実施形態では4つ形成されている。なお、各傾斜面間の段差が組立時停止面16gとなる。また、前記底部16aにはその中心に貫通孔16eが形成されている。前記貫通孔16eは、略矩形状に形成されており、その矩形の長手方向中央は円状に拡径されている。
また、図6に示すように、回転部材16の付勢部16hとリテーナ本体11との間には弾性部材である円環状の円盤ばね17が挟持されている。この円盤ばね17の弾性力によってリテーナ本体11はy軸方向におけるピニオン軸3側に付勢される。また、円盤ばね17はピニオン軸3とラックバー4との圧力が大きくなりすぎて過大な摩擦が発生するのを抑制する緩衝材の役割を果たす。また、円盤ばね17が撓み易いように、回転部材16の付勢部16h側をR面とし、リテーナ本体11側に窪み11eを設けている。
前記カバー18は、図7に示すように、円盤状の底部18aと、底部18aの外周縁から立設した筒状の側壁18bとで有底筒体状に形成されている。底部18aの側壁18bの内周側には回転部材16の第3傾斜面16fと当接する第4傾斜面18cが形成されている。第4傾斜面18cは、周方向に分割して形成されており、本実施形態では、図7に示すように4つに分割して形成されている。また、各傾斜面間の段差が組立時停止面18hとなる。また、側壁18bの外周面にはハウジング6にねじ込むためのねじ溝18dが形成されている。さらに、底部18aの前記y軸方向他端側の面には中心に六角形状の突部18fが形成されている。前記突部18fには後述するプラグ20の鍔部20dが嵌合する矩形状溝18gが形成されており、その中央にはプラグ20が挿通される貫通孔18eが形成されている。
プラグ20は、図8に示すように、断面略長方形状に形成された先端部20aと、断面略円状の形成された中央部20bと、中央部20bよりも拡径したエラストマ等の材料から成る基端部20cと、断面略矩形状に形成された鍔部20dと、で形成されている。また、先端部20aの更に先端には、組立時にスプリングシート15と回転部材16が脱落するのを防止するためのスナップリング21を取り付ける環状溝20eが形成されている。
図9,図10は本実施形態におけるラックリテーナの力学的作用の2次元モデルで表現した図である。図9に示すように、スプリングシート15に定常付加されたバネ荷重を、スプリングシート15および回転部材16の第1,第2傾斜面15c,16cのリード角θsによりトルクFaに変換する。リテーナブッシュ13に摩耗が生じてもばね荷重によって発生したトルクFaはコイルばね12により微小にしか低下しないが、回転部材16の第3傾斜面16fとカバー18の第4傾斜面18c間の摩擦力Fsは低下する。そして、摩擦力Fs<トルクFaの条件が成立した場合に回転部材16は回転する。
そのため、リテーナブッシュ13に摩耗が生じた場合に摩擦力Fs<トルクFaの条件が成立する必要がある。よって、図9に示すように、各傾斜面のリード角は、第3,第4傾斜面θp<第1,第2傾斜面θsが成立するように形成し、リテーナブッシュ13に摩耗が生じた場合に回転部材16が回転するようにしている。なお、バックラッシュの自動調整は外力が小さいかほとんどない状態(例えば、キーオフ時等)で機能する。
また、ラックバー4よりリテーナ本体11に逆入力が付加された場合を図10に基づいて説明する。ラックバー4からリテーナ本体11への外力(逆入力)が発生した場合、回転部材16がリテーナ本体11に押され、第3,第4傾斜面θpより、回転部材16を回転させる力Frが発生する。ここで、回転部材16が回転して回転部材16がカバー18側へ移動し、第1ピニオン軸3とラックバー4間にバックラッシュが生じることを抑制する必要がある。そのため、ラックバー4からリテーナ本体11に逆入力が付加された場合、回転部材16を回転させる力Frより回転部材16とカバー18の第3,第4傾斜面16f,18c間の摩擦力Fsが大きくなるように、第3,第4傾斜面16f,18cのリード角θpを設定している。
次に組立手順について図11〜図14に基づいて説明する。組立時にバックラッシュ調整機構が働くとカバー18が締め付けられないため、バックラッシュ調整機構を無効にする下記の手順で行う。
(1)図11(a)に示すように、カバー18の第4傾斜面18cに対して、回転部材16の第3傾斜面16fを限界まで進めた状態(図5,図7における組立時停止面16gと組立時停止面18hが当接した状態)で、プラグ20の先端部20aまで挿入する。この時、図11(b)に示すように、回転部材16は回転部材16の貫通孔16eとプラグ20の先端部20aの形状により回転位置が固定される。
(2)ここで、回転部材16が回転することを防止するため、図11(c)に示すように、回転部材16に対してプラグ20が中央部20bまで差し込まれないようにする必要がある。そのため、プラグ20の鍔部20dがカバー18の矩形状溝18gに嵌合されない位置で固定するように、治具22によりプラグ20を固定する。
治具22は図11(c)に示すように、矩形状の平面部22aと、この平面部22aの対向する角部から立設する突部22bと、プラグ20の鍔部20dが回転するのを抑制する回転防止部20cと、が形成されている。この突部22bをカバー18における矩形状溝18gに隣接して設けられた嵌入穴18iに嵌入することにより、鍔部20dがプラグ20の周方向において回転防止部22cに係止され、プラグ20の回転位置が固定される。この治具22は、カバー18をハウジング6に締め付ける際、スプリングシート15が回転しないようにする目的でも使用する。
(3)次にスプリングシート15をプラグ20に組み付ける。スプリングシート15の第1傾斜面15cと回転部材16の第2傾斜面16cを噛み合わせず、スプリングシート15と回転部材16の取付用平面15d,16dが当接した状態で、図12(a)に示すように、プラグ20の先端部20aをスプリングシート15の貫通孔15eに挿通する。プラグ20の先端部20aとスプリングシート15の貫通孔15eとの形状により、スプリングシート15の回転位置は固定される。ここで、スプリングシート15や回転部材16がプラグ20から脱落しないようにするため、図12(b)に示すように、プラグ20の先端にはスナップリング21を装着する。ここまでのプラグ20,カバー18,回転部材16,スプリングシート15、をサブアッセンブリとする。
(4)図13に示すように、ラックリテーナ収容部9に、リテーナブッシュ13,緩衝材14,リテーナ本体11,コイルばね12,円盤ばね17を組み付け、前記サブアッセンブリをハウジング6に規定トルクで締め付ける。
(5)図14に示すように、そして、治具22を外し、プラグ20の鍔部20dをカバー18の矩形状溝18gに嵌るように回転させ規定の深さまで押し込む。これにより、スプリングシート15はプラグ20の回転に伴って回転し、スプリングシート15と回転部材16の第1,第2傾斜部15c,16cが噛み合うようになる。また、プラグ20の先端部20aにより回転規制されていた回転部材16はプラグ20の中央部20bに移動して回転可能になる。
その結果、コイルばね12のばね荷重がスプリングシート15と回転部材16の第1,第2傾斜面15c,16cによりトルクに変換され、リテーナ本体11とラックバー4間のクリアランスがゼロ化するように調整される。
以下、本実施形態のステアリング装置における旋回操作持のラックリテーナの作用効果について説明する。
前記第1ピニオン軸3が回転するに伴い、ラックバー4は回転部材16から円盤ばね17,リテーナ本体11,リテーナブッシュ13を介して第1ピニオン軸3(または、第2ピニオン軸)側に付勢されつつx軸方向に移動する。これにより、バックラッシュに起因するラトル音が抑制される。
ここで、ラックバー4がx軸方向に移動することによって、ラックバー4の斜面部4aがリテーナブッシュ13のシート部13aに摺動する。この摺動により、リテーナブッシュ13のシート部13aが摩耗すると、リテーナ本体11と接触している回転部材16とカバー18間の摩擦力Fsが低下する。当該摩擦力Fsよりも、コイルばね12の付勢力によりスプリングシート15,回転部材16の第1,第2傾斜面15c,16cで発生するトルクFaが大きくなると、スプリングシート15がy軸方向他端側へ移動する。スプリングシート15と回転部材16はともに、第1傾斜面,第2傾斜面15c,16cで噛み合っているため、スプリングシート15の移動に伴い、回転部材16が回転する。回転部材16のy軸方向他端側に形成された第3傾斜面16fはカバー18に形成された第4傾斜面18cと噛み合っており、回転部材16が回転すると回転部材16は第1ピニオン軸3方向に移動し、円盤ばね17を介してリテーナ本体11を第1ピニオン軸3方向に押し進める。これにより、上記リテーナブッシュ13におけるシート部13aの摩耗部分がリテーナ本体11の軸方向の移動によって補償され、ラックバー4に対する第1ピニオン軸3側への付勢力低下が抑制され、操舵フィーリングの経持変化を抑制すると共に、バックラッシュに起因するラトル音の発生を抑制する。
また、リテーナ本体11と回転部材16の付勢部16hとの間には円盤ばね17が設けられているため、この円盤ばね17によりリテーナ本体11の付勢力(剛性)の調整をすることができ、操舵フィーリングの向上を図ることができる。
スプリングシート15とコイルばね12の少なくとも一部を回転部材16の収容空間に収容する構造としたため、装置のy軸方向寸法の小型化を図ることが可能となる。
また、スプリングシート15,回転部材16の第1,第2傾斜面15c,16cのリード角θsが、回転部材16,カバー18の第3,第4傾斜面16f,18cのリード角θpよりも大きいため、スプリングシート15の軸方向移動により回転部材15をより回転させやすく、また回転部材16がカバー18に対して回転方向に戻り難い構造とすることができる。
さらに、図15,図16に示すように、第1ピニオン3の切り返し時には、リテーナブッシュ13のシート部13aとラックバー4の斜面部4aの起動フリクションが大きくなり、ラックバー4が動きづらく微小なバックラッシュによりラトル音が発生することがある。
本実施形態では、リテーナブッシュ13とリテーナ本体11との間に緩衝材14を介挿しているため、緩衝材14の弾性変位により、第1ピニオン軸3の切り返し時におけるラックバー4移動時のフリクションの上昇変位が緩やかになり起動フリクションの値も減少する。
その結果、第1ピニオン軸3の切り返し時において、ラックバー4は移動しやすくなり、微小なバックラッシュによるラトル音の発生を抑制する。
なお、本実施形態では、特定の構成のステアリング装置についてのみ説明したが、ラックリテーナが設けられたステアリング装置であれば適用可能である。
3…ピニオン軸
4…ラックバー
6…ハウジング
7…ラックバー収用部
8…ピニオン軸収容部
9…ラックリテーナ収容部
11…リテーナ本体
12…コイルばね
13…リテーナブッシュ
14…緩衝材
15…スプリングシート
16…回転部材
17…円盤ばね
18…カバー
20…プラグ

Claims (4)

  1. ステアリングホイールの回転が伝達されるピニオン軸と、
    前記ピニオン軸と噛合うラックギヤが形成され、前記ピニオン軸の回転運動を軸方向運動に変換し、転舵輪の転舵操作を行うラックバーと、
    前記ピニオン軸を収容するピニオン軸収容部と、前記ラックバーを収容するラックバー収容部と、前記ラックバーに対し前記ピニオン軸収容部の反対側に設けられ前記ラックバーの長手方向をx軸としたとき前記x軸に対し、径方向となるy軸方向に延びるように、内周側の断面形状が略円形に筒状に形成されたラックリテーナ収容部と、を有するハウジングと、
    前記リテーナ収容部内において前記y軸方向に進退自在に設けられ、前記y軸方向両端のうち前記ラックバーに近い一端側において前記ラックバーと当接する当接面を有するリテーナ本体と、
    前記ラックリテーナ収容部内において、前記リテーナ本体よりも前記y軸方向両端のうちラックバーに遠い他端側に設けられたスプリングシートと、
    前記ラックリテーナ収容部内において、前記y軸方向における前記リテーナ本体と前記スプリングシートとの間に介挿され、前記スプリングシートを前記y軸方向他端側に向かって付勢する付勢部材と、
    前記ラックリテーナ収容部内において前記スプリングシートよりも前記y軸方向他端側に設けられ、前記y軸方向一端側に形成された傾斜面形成部と、前記y軸方向一端側に延設されると共に、前記リテーナ本体を直接的または間接的に前記y軸方向一端側に向かって付勢可能に形成された付勢部と、を有する回転部材と、
    前記y軸方向および前記y軸周りの回転方向において前記ハウジングと相対移動しないように、前記回転部材よりも前記y軸方向他端側において前記ハウジングに設けられたカバーと、を備え、
    前記スプリングシートの前記y軸方向他端側には第1傾斜面が形成され、
    前記回転部材の前記y軸方向一端側には、前記第1傾斜面と対向するように設けられ、スプリングシートの前記y軸方向他端側への移動に伴い、第1傾斜面との相対すべりにより回転部材を回転させる第2傾斜面が形成され、
    前記回転部材の前記y軸方向他端側には、第3傾斜面が形成され、
    前記カバーの前記y軸方向一端側には、前記y軸方向において前記第3傾斜面と対向するように設けられた傾斜面であって、前記回転部材の回転に伴い前記第3傾斜面との相対すべりに より前記付勢部が前記リテーナ本体を前記y軸方向一端側へ付勢するように前記回転部材を前記y軸方向一端側へ移動させる第4傾斜面が形成されたことを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記リテーナ本体と前記回転部材の付勢部の間に、前記y軸方向に弾性力を発揮する弾性部材が設けられたことを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記回転部材は、前記付勢部が筒状に形成され、前記第2傾斜面が前記付勢部よりも内周側に設けられることにより、前記y軸方向一端側が開口し且つ内部に収容空間が形成されるように構成され、前記スプリングシートの少なくとも一部および前記付勢部材の少なくとも一部は、前記回転部材の前記収容空間に収容されるように設けられることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  4. 前記第1傾斜面と前記第2傾斜面は同じリード角を有し、前記第3傾斜面と前記第4傾斜面は同じリード角を有し、
    前記第1傾斜面と第2傾斜面のリード角は、前記第3傾斜面と前記第4傾斜面のリード角よりも大きくなるように形成されることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
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