JP6137537B2 - ラックガイド装置及びこれを含むステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、全体としての組立性の良いラックガイド装置およびこれを含むステアリング装置を提供することである。
また、請求項4の発明は、前記ラックガイド装置を含むステアリング装置(1)を提供する。
また、皿ばねを保持する保持部材を、摩擦係合部材を介して封止部材に保持することができる。
また、保持部材が、皿ばねの径方向端部(例えば内径部)を案内する案内筒の一端に設けられた座板によって、皿ばねの荷重を受けるので、皿ばねによるラックガイドの摩耗等の発生を抑制することができる。
また、案内筒とラックガイドの対向部を軸方向に重ねて配置することができるので、軸方向の小型化を図ることができる。
また、保持部材、摩擦係合部材および皿ばねを含むユニットをサブアセンブリとして構成することで、組立性をより向上することができる。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結された中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されたピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸8とを有している。ピニオン軸7およびラック軸8により舵取り機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。
ステアリング装置1の要部の断面図である図2を参照して、ピニオン軸7は、例えば玉軸受からなる第1軸受12と、例えば円筒ころ軸受からなる第2軸受13とによって、ピニオンハウジング14内に回転可能に支持されている。ピニオン軸7のピニオン7aとラック軸8のラック8aとは、ピニオンハウジング14内で相互に噛み合わされている。
ラックガイド18は、ラック軸8に対向する第1面181と、第1面181の反対側に設けられた第2面182と、円筒面からなる外周183とを有している。ラックガイド18の第1面181には、ラック軸8の背面8bの形状に概ね一致する形状の凹面25が形成されている。凹面25に沿うように湾曲状の摺接板26が取り付けられており、摺接板26が、ラック軸8の背面8bに摺接する。摺接板26としては、低摩擦係数を有する板を用いることが好ましく、例えば金属板や、フッ素樹脂を被覆した金属板を用いることができる。
案内筒37の大部分は、ラックガイド18の収容凹部35内に挿入され収容されている。圧縮コイルばね21は、案内筒37内を挿通している。案内筒37の内周374と圧縮コイルばね21の外径との間には、所定量の隙間が設けられている。
封止部材20の筒状部36の内周364は、案内筒37の外周373と所定の隙間を設けて対向する対向部として機能する。摩擦係合部材としての弾性部材23は、案内筒37の外周373に設けられた収容溝39によって保持されて、筒状部36の内周364(対向部)に摩擦係合している。弾性部材23は、例えばOリングからなる。弾性部材23は、筒状部36の内周364と案内筒37の外周373との間で、弾性圧縮されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、ラック軸8側からのラックガイド18に荷重が入力されて、封止部材20によって封止部材20側への移動が規制されている保持部材24に対して、ラックガイド18が変位するときに、摩擦係合部材としての弾性部材23がラックガイド18(の筒状部36の内周364)に対して摩擦摺動して摩擦抵抗荷重を発生する。また、皿ばね22が複数である場合には、弾性部材23による摩擦抵抗荷重の発生に加えて、複数の皿ばね22間の接触面どうしが、皿ばね22の圧縮変位に伴って摩擦摺動して摩擦抵抗荷重を発生する。弾性部材23(摩擦係合部材)および皿ばね22による摩擦抵抗荷重が、ラック軸8側からの荷重入力に抗する対抗荷重として寄与するので、圧縮コイルばね21および皿ばね22による対抗荷重と摩擦抵抗荷重による対抗荷重を含めて、全体としての対抗荷重を増大させることができる。
また、皿ばね22を保持する保持部材24を、摩擦係合部材(弾性部材23)を介してラックガイド18に保持することができる。
また、保持部材24が、皿ばね22の内径部22a(径方向端部)を案内する案内筒37と、案内筒37の軸方向X1の一端から径方向に延びて皿ばね22の荷重を受ける座板38とを備える。座板38が、皿ばね22による封止部材20(具体的には封止部材20の第1面201)の摩耗等の発生を防止する。
また、ラックガイド18は、案内筒37の外周373に対向する対向部(筒状部36の内周364)を含み、弾性部材23(摩擦係合部材)が、案内筒37の外周373と封止部材20の対向部(筒状部36の内周364)との間に介在している。したがって、案内筒37とラックガイド18の対向部(筒状部36の内周364)とを軸方向X1に重ねて配置することができるので、軸方向X1(収容部16としての円孔の深さ方向に相当)の小型化を図ることができる。
<第1参考形態>
次いで、図6は、本発明の第1参考形態のラックガイド装置15Aの要部の断面図である。図6の第1参考形態が、図3の第1実施形態と主に異なるのは、下記である。
これに対して、図6の第1参考形態では、摩擦係合部材としての弾性部材23Aが、ラックガイド18Aの筒状部36Aの内周364Aに設けられた収容溝39Aに保持されて、保持部材24Aの案内筒37Aの外周373Aに摩擦係合してもよい。図6の第1参考形態の構成要素において、第1実施形態と同じ構成要素には、第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
<第2参考形態>
次いで、図7は本発明の第2参考形態のラックガイド装置15Bの要部の断面図である。図7を参照して、本第2参考形態が図3の第1実施形態と主に異なるのは、ラックガイド18Bが、筒状部36内に突出する凸部40を設けることで、凸部40と筒状部36との間に、環状の収容凹部35Bが形成されている点にある。凸部40の外周401に形成された収容溝39Bに摩擦係合部材としての弾性部材23B(例えばOリング)が収容され保持されている。弾性部材23Bは、保持部材24Bの案内筒37Bの内周374Bに摩擦係合している。
本第2参考形態においては、弾性部材23Bがラックガイド18Bに保持されているので、第1実施形態の図4のような第1サブアセンブリSA1を構成することができない。この点を除いて、本第2参考形態においても第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
すなわち、本参考形態によれば、皿ばね22を保持する保持部材24Bを摩擦係合によりラックガイド18Bに一体に保持させる簡単な作業で、皿ばね22、保持部材24Bおよびラックガイド18Bを容易に一体化させて、サブアセンブリ(第2サブアセンブリSA2Bに相当)を構成することができるので、全体としての組立性を向上することができる。
<第3参考形態>
図9は、本発明の第3参考形態のラックガイド装置15Cの要部の断面図である。図9の第3参考形態が、図7の第2参考形態と主に異なるのは、下記である。
これに対して、図9の第3参考形態では、保持部材24Cの案内筒37Cの内周374Cに設けられた収容溝39Cに保持されてラックガイド18Cの凸部40Cの外周401Cに摩擦係合している。案内筒37Cの外周373Cは、筒状部36の内周364に軸方向X1に移動可能に嵌合している。図9の第3参考形態の構成要素のうち、図7の第2参考形態と同じ構成要素には、図7の第2参考形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
<第4参考形態>
図10は、本発明の第4参考形態のラックガイド装置15Dの要部の断面図である。図10の第4参考形態が、図7の第2参考形態と主に異なるのは、下記である。
これに対して、図10の第4参考形態では、ラックガイド18Dの筒状部36の内周364に、摩擦係合部材としての巻きブッシュ41の外周412が圧入され固定されている。巻きブッシュ41の内周411が、保持部材24Dの案内筒37Dの外周373Dに摩擦係合している。案内筒37Dの内周374Dは、凸部40D(図9の第3参考形態の凸部40Cに相当)の外周401Dに軸方向X1に移動可能に嵌合している。
図10の第4参考形態の構成要素のうち、図7の第2参考形態の構成要素と同じ構成要素には、図7の第2参考形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
<第2実施形態>
図12および図13は、本発明の第2実施形態の第2サブアセンブリSA2Eおよび第1サブアセンブリSA1Eをそれぞれ示している。本発明の第2実施形態が図10,図11の第4参考形態と異なるのは、下記である。
これに対して、図12の第2実施形態では、摩擦係合部材としての巻きブッシュ41Eが、保持部材24Dに圧入により保持されてラックガイド18Dに摩擦係合する。具体的には、巻きブッシュ41Eの内周411Eが、保持部材24Dの案内筒37Dの外周373Dに圧入により保持されている。また、巻きブッシュ41Eの外周412Eが、封止部材20Bの筒状部36の内周364に摩擦係合している。これにより、皿ばね22と保持部材24Dと巻きブッシュ41Eと封止部材20Bとシール部材34とを含む第2サブアセンブリSA2Eが構成されている。
<第5参考形態>
図14は、本発明の第5参考形態のラックガイド装置15Fの要部の断面図である。図14の第5参考形態が、図10の第4参考形態と主に異なるのは、下記である。
これに対して、図14の第5参考形態のラックガイド装置15Fでは、凸部40Dの外周401Dに保持された摩擦係合部材としての巻きブッシュ41Fが備えられている。具体的には、巻きブッシュ41Fの内周411Fが、凸部D40の外周401Dにプレスフィットにより嵌合保持されている。巻きブッシュ41Fの外周412Fが、保持部材24Fの案内筒37Fの内周374Fに摩擦係合している。案内筒37Fの外周373Fは、筒状部36の内周364に軸方向X1に移動可能に嵌合されている。
<第3実施形態>
第1〜第2実施形態や第1〜第5参考形態では、摩擦係合部材を提供する弾性部材として環状のものを用いている。本第3実施形態のように、摩擦係合部材を提供する弾性部材として環状でないものを用いてもよい。
<第6参考形態>
各前記実施形態(第1〜第3実施形態)および各前記参考形態(第1〜第5参考形態)では、保持部材が摩擦係合部材を介して封止部材に間接的に保持されている。これに対して、例えば図5の第1実施形態の変更例としての、図17の第6参考形態の第2サブアセンブリSA2Hでは、保持部材24Hが、例えば弾性を有する樹脂により形成されて、保持部材24Hが、ラックガイド18に直接摩擦係合されて保持されていてもよい。
図17の第6参考形態の構成要素において、図5の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図5の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。本第6参考形態によれば、図5の第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。さらに、本第6参考形態によれば、保持部材24Hとは別に摩擦係合部材を設ける必要がない。したがって、構造を簡素化することができる。
<第7参考形態>
図18の第7参考形態は、図10の第4参考形態の変更例を示している。すなわち、図18の第7参考形態の第2サブアセンブリSA2Jでは、保持部材24Jが、例えば弾性を有する樹脂により形成されて、保持部材24Jの案内筒37Jの外周373Jおよび内周374Jの少なくとも一方が、ラックガイド18Dの対応する筒状部36の内周364および凸部40Dの外周401Dに直接摩擦係合されて保持されている。
また、各前記実施形態では、保持部材の案内筒が皿ばね22の径方向端部としての内径部22aを案内する内径ガイドとして機能しているが、保持部材の案内筒が皿ばね22の径方向端部としての外径部をガイドする外径ガイドとして機能するようにしてもよい。その他、本発明は請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
Claims (4)
- ピニオン軸に噛み合うラック軸を挿通させるハウジングに形成された収容部内に、ラック軸側に向かって進退可能に収容され、且つラック軸を当該ラック軸の軸方向に摺動可能に支持するラックガイドと、
前記収容部においてラック軸側とは反対側に設けられた外部開口端に固定された封止部材と、
前記封止部材と前記ラックガイドとの間に介在し前記ラックガイドをラック軸側へ付勢する少なくとも1枚の皿ばねと、
前記皿ばねを保持し前記ラックガイドに直接または間接的に摩擦係合されて保持された保持部材と、
前記ラックガイドおよび前記保持部材の少なくとも一方に保持されて他方に摩擦係合する摩擦係合部材と、を備え、
前記保持部材は、前記皿ばねの径方向端部を案内する案内筒と、前記案内筒の軸方向の一端から径方向に延びて前記皿ばねの荷重を受ける環状の座板と、を含み、
前記ラックガイドは、前記案内筒の周面に対向する対向部を含み、
前記摩擦係合部材は、前記案内筒の周面と前記ラックガイドの対向部との間に介在しており、
前記摩擦係合部材は、前記案内筒の周面に保持されて、前記保持部材と前記摩擦係合部材と前記皿ばねとを含むサブアセンブリが構成され、
前記摩擦係合部材および前記皿ばねは、前記案内筒の径方向の同側に配置され、
前記皿ばねは、前記案内筒の軸方向に関して、前記摩擦係合部材と前記座板との間に配置され、
前記サブアセンブリの状態で、前記案内筒の軸方向から見て、前記摩擦係合部材の一部が前記皿ばねの一部と重なっているラックガイド装置。 - 請求項1において、前記摩擦係合部材は、弾性部材を含むラックガイド装置。
- 請求項1または2において、前記封止部材と前記ラックガイドとの間に介在し前記ラックガイドを前記ラック軸側に付勢する圧縮コイルばねを備えるラックガイド装置。
- 請求項1から3の何れか一項に記載のラックガイド装置を含むステアリング装置。
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