JP6108008B1 - 双極板、セルフレーム及びセルスタック、並びにレドックスフロー電池 - Google Patents

双極板、セルフレーム及びセルスタック、並びにレドックスフロー電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電池セルの組立時に電極の位置ずれを容易に防止できる双極板、セルフレーム及びセルスタック、並びにレドックスフロー電池を提供する。【解決手段】一面側に正極電極が配置され、他面側に負極電極が配置される電池用の双極板であって、当該双極板の少なくとも一面は、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、前記畝部は、隣り合う前記溝部の並列方向への前記正極電極又は前記負極電極の滑りを抑制する起伏部を備える双極板。【選択図】図2

Description

本発明は、双極板、セルフレーム及びセルスタック、並びにレドックスフロー電池に関する。
大容量の蓄電池の一つとして、電解液を電極に供給して電池反応を行うレドックスフロー電池(以下、RF電池と呼ぶことがある)が知られている。RF電池の用途としては、負荷平準化用途の他、瞬低補償や非常用電源などの用途、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの出力平滑化用途などが挙げられる。
RF電池は、代表的には、正極電解液が供給される正極電極と、負極電解液が供給される負極電極と、正極電極と負極電極との間に介在される隔膜とを備える電池セルを主な構成要素とする。大容量用途では、複数の電池セルを積層し、ある程度締め付けて構成されるセルスタックと呼ばれるものが利用される。隣り合う電池セル間には、通常、双極板が介在される。つまり、セルスタックは、ある双極板、正極電極、隔膜、負極電極、別の双極板、…と順に繰り返し積層して構成される。
RF電池は、代表的には、RF電池に電解液を循環供給する循環機構を備えるRF電池システムを構築して利用される。循環機構は、正極電解液及び負極電解液をそれぞれ貯留するタンクと、各タンクとRF電池とをそれぞれ接続する配管と、配管に設けられるポンプとを備える。特許文献1,2では、ポンプにより各電極に流通される電解液の各セル内での電解液の流れを調整するために、電解液が流通する複数の溝部を有する双極板を用いている。双極板における電極側の面に溝部を有することで、電極に流通される電解液の流れを調整して、電解液の圧力損失を低減している。また、双極板における電極側の面に溝部を有することで、溝部間に位置する部分(以下、畝部と呼ぶ)を介して隣り合う溝部を渡るように電解液が流れ、この畝部に対向する電極において電解液が電池反応を行い、未反応のまま排出される電解液を低減している。
特開2015−122230号公報 特開2015−210849号公報
特許文献1,2の双極板は、その最表面の大部分が各溝部間に位置する畝部で形成される。この畝部の表面は平坦面で構成されているため、電極と双極板との間に摩擦がなく、電池セルの組立時に、電極と双極板との間で位置ずれが発生する虞がある。
そこで、電池セルの組立時に電極の位置ずれを容易に防止できる双極板を提供することを目的の一つとする。また、電解液の拡散性にも優れる双極板を提供することを更なる目的の一つとする。上記双極板を備えるセルフレーム及びこのセルフレームを備えるセルスタック、並びにこのセルスタックを備えるレドックスフロー電池を提供することを別の目的の一つとする。
本開示に係る双極板は、
一面側に正極電極が配置され、他面側に負極電極が配置される電池用の双極板であって、
当該双極板の少なくとも一面は、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
前記畝部は、隣り合う前記溝部の並列方向への前記正極電極又は前記負極電極の滑りを抑制する起伏部を備える。
本開示に係るセルフレームは、上記本開示に係る双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備える。
本開示に係るセルスタックは、上記本開示に係るセルフレームと、正極電極と、隔膜と、負極電極とを複数積層してなる。
本開示に係るレドックスフロー電池は、上記本開示に係るセルスタックを備える。
上記双極板は、電池セルの組立時に電極の位置ずれを容易に防止できる。また、上記双極板は、電解液の拡散性にも優れる。上記セルフレーム及びセルスタック、並びにレドックスフロー電池は、電池セルの組立時に電極の位置ずれを防止でき、電解液の拡散性にも優れる。
実施形態1に係る双極板に設けられた対向櫛歯形状の流路を表す概略平面図である。 実施形態1に係る双極板に設けられた溝部及び畝部の形状を表す概略拡大断面図である。 実施形態2に係る双極板に設けられた溝部及び畝部の形状を表す概略拡大断面図である。 実施形態3に係る双極板に設けられた溝部及び畝部の形状を表す概略拡大断面図である。 レドックスフロー電池の概略説明図である。 レドックスフロー電池に備わるセルスタックの概略構成図である。 試験例1の双極板における段差とセル抵抗との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る双極板は、
一面側に正極電極が配置され、他面側に負極電極が配置される電池用の双極板であって、
当該双極板の少なくとも一面は、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
前記畝部は、隣り合う前記溝部の並列方向への前記正極電極又は前記負極電極の滑りを抑制する起伏部を備える。
上記双極板は、正極電極や負極電極と接触する畝部に起伏部を備えることで、起伏部によって電極との間に摩擦が生じ、その摩擦によって電極の滑りを抑制することができる。よって、上記双極板は、双極板の表面に電極を配置するだけで電極を双極板上に保持することができ、電池セルの組立時であっても電極と双極板との間で位置ずれが発生することを容易に防止することができる。
また、上記双極板は、正極電極や負極電極と接触する畝部に起伏部を備えることで、隣り合う溝部間を渡るように電解液が流れるとき、起伏部によって電解液の流速が変化して乱流を生じさせ易い。畝部で乱流が生じると、畝部に対向配置される電極内へ電解液が強制拡散され、電解液に含まれる活物質イオンを電極内に均一的に供給することができ、電池反応性を向上できると考えられる。
(2)上記の双極板の一例として、前記起伏部は、前記畝部の表面の少なくとも一部に設けられた粗面を備え、前記粗面は、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上10μm以下である形態が挙げられる。
起伏部が粗面を備えることで、電極と双極板との間に摩擦を生じさせ易く、双極板に対する電極の位置ずれを防止し易い。粗面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上であることで、双極板に対する電極の位置ずれを防止できる。一方、粗面の表面粗さが算術平均粗さRaで10μm以下であることで、双極板に対して電極を隙間なく配置し易い。双極板と電極との間に隙間が生じると、畝部を介して隣り合う溝部間を渡るように流れる電解液が電極内へ拡散され難く、電解液が未反応となる虞があるためである。
(3)上記の双極板の一例として、前記起伏部は、隣り合う前記溝部の並列方向に高低差を有するように設けられた段差を備え、前記段差は、最大高低差が0.1mm以上0.5mm以下である形態が挙げられる。
起伏部が段差を備えることで、高い部分から低い部分に亘る稜線部分で電極を引っ掛けることができ、双極板に対する電極の位置ずれを防止し易い。また、起伏部が段差を備えることで、隣り合う溝部間を渡るように電解液が流れるとき、段状の高低差で電解液の流速を大きく変化させ易く、電解液の拡散性を向上させ易い。段差の最大高低差が0.1mm以上であることで、双極板に対する電極の位置ずれを防止できると共に、電解液の拡散性を向上させ易い。一方、段差の最大高低差が0.5mm以下であることで、双極板に対して電極を隙間なく配置し易い。
(4)上記の双極板の一例として、前記起伏部は、隣り合う前記溝部の一方の溝部側から他方の溝部側に向かって傾斜する傾斜面を備え、前記傾斜面の高低差が0.1mm以上0.5mm以下である形態が挙げられる。
起伏部が傾斜面を備えることで、傾斜面の高い側の縁部で電極を引っ掛けることができ、双極板に対する電極の位置ずれを防止し易い。また、起伏部が傾斜面を備えることで、隣り合う溝部間を渡るように電解液が流れるとき、傾斜面の高低差で電解液の流速を大きく変化させ易く、電解液の拡散性を向上させ易い。傾斜面の高低差が0.1mm以上であることで、双極板に対する電極の位置ずれを防止できると共に、電解液の拡散性を向上させ易い。一方、傾斜面の高低差が0.5mm以下であることで、双極板に対して電極を隙間なく配置し易い。
(5)上記の双極板の一例として、前記溝部は、互いに連通しない導入溝部と排出溝部とを備え、前記導入溝部と前記排出溝部とはそれぞれ櫛歯形状の領域を備え、これらの櫛歯が互いに噛み合って対向配置される形態が挙げられる。
「櫛歯形状」とは、一方向に延びる長尺な幹溝と、この幹溝から同方向に並列して分岐する複数の枝溝とを備える形状のことを言う。また、「互いに連通しない導入溝部と排出溝部とがそれぞれ櫛歯形状の領域を備える」とは、導入溝部と排出溝部とが、それぞれ独立した幹溝からそれぞれ独立した枝溝(櫛歯)が突出していることを言う。更に、「櫛歯が互いに噛み合って対向配置される」とは、導入溝部の櫛歯と排出溝部の櫛歯とが、平面視において互いに交互に配置されることを言う。
導入溝部と排出溝部の各櫛歯が互いに噛み合って対向配置されることで、導入溝部の櫛歯と排出溝部の櫛歯とが並列状態となり、これら並列された櫛歯間を渡るように電極における電池反応が行われる。この櫛歯間を渡る電池反応域に流通する電解液の量は、導入溝部と排出溝部とが噛み合っていない場合に比較して増加し易い。よって、上記構成によれば、電極の電池反応域における電池反応の活性化が期待でき、電極の電池反応域における電解液の流通状態が電極全体に亘って一様になり易く、電極の広い範囲で電池反応を均一的に行い易い。
(6)本発明の実施形態に係るセルフレームは、上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備える。
上記セルフレームは、本発明の実施形態に係る双極板を備えるため、電池セルの組立時であっても電極と双極板との間で位置ずれが発生することを容易に防止することができる。また、畝部に対向配置される電極内へ電解液を強制拡散でき、電池反応性を向上できると考えられる。
(7)本発明の実施形態に係るセルスタックは、上記(6)に記載のセルフレームと、正極電極と、隔膜と、負極電極とを複数積層してなる。
上記セルスタックは、本発明の実施形態に係るセルフレームを備えるため、電池セル(セルスタック)の組立時であっても電極と双極板との間で位置ずれが発生することを容易に防止することができる。また、畝部に対向配置される電極内へ電解液を強制拡散でき、電池反応性を向上できると考えられる。
(8)本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池は、上記(7)に記載のセルスタックを備える。
上記レドックスフロー電池は、本発明の実施形態に係るセルスタックを備えるため、電池セル(セルスタック)の組立時であっても電極と双極板との間で位置ずれが発生することを容易に防止することができる。また、畝部に対向配置される電極内へ電解液を強制拡散でき、電池反応性を向上できると考えられる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るレドックスフロー電池(RF電池)に備わる双極板、及びその双極板を備えるRF電池を詳細に説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。
まず、図5,6を参照して、実施形態のRF電池100を備えるRF電池システムの基本構成を説明し、次に図1〜4を参照して、実施形態のRF電池100に備わる双極板の各実施形態について説明する。
〔RF電池の概要〕
実施形態に係るRF電池100は、図5に示すようなRF電池100に電解液を循環供給する循環機構が設けられたRF電池システムが構築されて利用される。RF電池100は、代表的には、交流/直流変換器や変電設備などを介して、発電部と、電力系統や需要家などの負荷とに接続される。RF電池100は、発電部を電源として充電を行い、負荷を電力消費対象として放電を行う。発電部は、例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所などが挙げられる。
〔RF電池の基本構成〕
RF電池100は、隔膜101で正極セル102と負極セル103とに分離された電池セル100Cを備える。正極セル102には、正極電解液が供給される正極電極104が内蔵され、負極セル103には、負極電解液が供給される負極電極105が内蔵されている。RF電池100は、代表的には、複数の電池セル100Cを備えて、隣り合う電池セル100C,100C間に双極板121(図6)を備える。
正極電極104及び負極電極105は、供給された電解液に含まれる活物質イオンが電池反応を行う反応場である。隔膜101は、正極電極104と負極電極105とを分離すると共に、所定のイオンを透過する分離部材である。双極板121は、正極電極104と負極電極105との間に介在され、電流を流すが電解液を通さない導電部材である。代表的には、図6に示すように双極板121の外周に形成された枠体122を備えるセルフレーム120の状態で利用される。枠体122は、その表裏面に開口し、双極板121上に配置された各電極104,105に電解液を供給する給液孔123,124及び電解液を排出する排液孔125,126を有する。枠体122には、その全周を取り囲むようにOリングなどのシール部材127が配置される。
複数の電池セル100Cは積層されて、セルスタック200と呼ばれる形態で利用される。セルスタック200は、図6に示すように、あるセルフレーム120の双極板121、正極電極104、隔膜101、負極電極105、別のセルフレーム120の双極板121、…と順に繰り返し積層されて構成される。セルスタック200における電池セル100Cの積層方向の両端に位置する電極104,105には、双極板121に代えて集電板(図示せず)が配置される。セルスタック200における電池セル100Cの積層方向の両端には代表的にはエンドプレート201が配置されて、一対のエンドプレート201,201間が長ボルトなどの連結部材202で連結されて一体化される。
〔RF電池システムの概要〕
RF電池システムは、RF電池100と、以下の正極循環機構及び負極循環機構を備えて、正極電極104に正極電解液を循環供給すると共に、負極電極105に負極電解液を循環供給する。図5に、正極電解液及び負極電解液の活物質にバナジウム(V)イオンを含有するバナジウム電解液を使用したバナジウム系のRF電池100の動作原理を示す。この循環供給によって、RF電池100は、各極の電解液中の活物質となるイオンの価数変化反応に伴って充放電を行う。図5中の電池セル100C内の実線矢印は充電反応を、破線矢印は放電反応をそれぞれ示す。
正極循環機構は、正極電極104に供給する正極電解液を貯留する正極タンク106と、正極タンク106とRF電池100との間を接続する配管108,110と、供給側の配管108に設けられたポンプ112とを備える。同様に、負極循環機構は、負極電極105に供給する負極電解液を貯留する負極タンク107と、負極タンク107とRF電池100との間を接続する配管109,111と、供給側の配管109に設けられたポンプ113とを備える。複数のセルフレーム120を積層することで給液孔123,124及び排液孔125,126(図6)は電解液の流通管路を構成し、この管路に配管108〜111が接続される。RF電池システムの基本構成は、公知の構成を適宜利用できる。
〔RF電池の主な特徴点〕
実施形態のRF電池100は、正極電極104との対向面及び負極電極105との対向面の少なくとも一方の面に、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う溝部間に位置する畝部とを備える双極板を備える。この双極板は、正極電極104又は負極電極105を配置したとき、双極板に対する電極104,105の位置ずれを防止できる構成を備える点を特徴の一つとする。具体的には、畝部が、隣り合う溝部の並列方向への正極電極104又は負極電極105の滑りを抑制する起伏部を備える。以下、上述した実施形態のRF電池100に備わる双極板について詳細に説明する。図2〜4に示す各双極板は、説明の便宜上、正極電極104及び負極電極105よりも厚みを厚くしている。
≪実施形態1≫
図1,2を参照して、実施形態1に係る双極板1について説明する。双極板1は、図1に示すように、長方形状の平板である。双極板1の表裏面はそれぞれ、隣り合う電池セル100Cの正極電極104と負極電極105とが配置される。双極板1は、各電極104,105との対向面に、複数の溝部10と、隣り合う溝部10,10間に位置する畝部20とを備える。複数の溝部10は、電解液が流通する流路として機能し、ポンプ112,113により各電極104,105に流通される電解液の各電池セル100C内での流れを調整するために設けられる。正極電極104が対向配置される双極板1の一面に設けられた溝部10には正極電解液が流通され、負極電極105が対向配置される双極板1の他面に設けられた溝部10には負極電解液が流通される。各電池セル100C内での電解液の流れは、溝部10の形状や寸法等によって調整することができる。
・溝部
溝部10は、図1に示すように、各電解液を各電極に導入する導入溝部12と、各電解液を各電極から排出する排出溝部14とを備える。導入溝部12と排出溝部14とは、連通せずに独立している。導入溝部12と排出溝部14とはそれぞれ櫛歯形状の領域を備える。本例では、導入溝部12の櫛歯と排出溝部14の櫛歯とが互いに噛み合って対向配置される噛合型の対向櫛歯形状である。
導入溝部12は、給液孔123(又は124、図6)に繋がって電解液が供給される導入口12iと、導入口12iに連なり、双極板1の縦方向(図1では上下方向)に延設される一つの導入縦溝部12yと、導入縦溝部12yから双極板1の横方向(図1では左右方向)に延設され、所定の間隔W(図1)をあけて並列配置される複数の導入横溝部12xとを備える。導入口12i、導入縦溝部12y、導入横溝部12xは連続している。
排出溝部14は、導入溝部12と類似の形状である。排出溝部14は、排液孔125(又は126、図6)に繋がって導入溝部12から各電極104,105を経た電解液を排出する排出口14oと、排出口14oに連なり、双極板1の縦方向に延設される一つの排出縦溝部14yと、排出縦溝部14yから双極板1の横方向に延設され、所定の間隔Wをあけて並列配置される複数の排出横溝部14xとを備える。排出口14o、排出縦溝部14y、排出横溝部14xは連続している。
本例では、溝部10の断面形状は、図2に示すように長方形状である。溝部10の断面形状は、長方形状以外に、V字状、U字状、半円状等であってもよい。また、本例では、双極板1の表裏面に溝部10を備える場合に双極板1を平面透視したとき、重なる位置に各横溝部12x,14xを備える。溝部10は、双極板1を平面透視した場合に各横溝部12x,14xの一部が重なる位置に設けてもよいし、重ならない位置に設けてもよい。
・畝部
畝部20は、図1,2に示すように、隣り合う溝部10,10間に位置する部分である。本例では、溝部10は、導入溝部12と排出溝部14の各櫛歯が互いに噛み合って対向配置される噛合型の対向櫛歯形状であるため、畝部20は、導入横溝部12xと排出横溝部14xとの間に位置する部分のことを言う(図2を参照)。畝部20は、双極板1の最表面の大部分を形成する。よって、電池セル100Cを組み立てたとき、畝部20が各電極104,105と接触することになる。
畝部20は、図2に示すように、隣り合う導入横溝部12xと排出横溝部14xの並列方向への各電極104,105の滑りを抑制する起伏部22を備える。本例では、起伏部22は、畝部20の表面に設けられた粗面で構成される点を特徴の一つとする。
起伏部22を構成する粗面は、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上10μm以下である。正極電極104及び負極電極105は、一般的に繊維を含む多孔体で構成される。粗面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上であることで、畝部20に各電極104,105を構成する繊維を引っ掛けることができるため、双極板1に対する各電極104,105の位置ずれを防止できる。一方、粗面の表面粗さが算術平均粗さRaで10μm以下であることで、双極板1に対して電極104,105を隙間なく配置し易い。双極板1と電極104,105との間に隙間が生じると、畝部20を介して隣り合う溝部12x、14x間を渡るように流れる電解液が電極104,105内へ拡散され難く、電解液が未反応となる虞があるためである。粗面の表面粗さは算術平均粗さRaで、更に6.4μm以下、3.2μm以下、特に0.2μm以上1.6μm以下が好ましい。
双極板1では、導入口12iから導入された電解液は、溝部10に沿った流れ(図1で示す実線矢印の方向)と、導入横溝部12xと排出横溝部14xとの間の畝部20を介して幅方向(図1の上下方向)に渡るような流れ(図1で示す破線矢印の方向)とを形成する。導入口12iから導入されて排出口14oに至るまでの間に溝部10を流通する電解液は、双極板1に対向配置される各電極104,105に浸透して拡散する。各電極104,105内に浸透、拡散した電解液は、各電極104,105内で電池反応を行う。本例では、電解液が畝部20を渡るように流れるため、未反応のまま排出される電解液量を減少できる。特に、畝部20に起伏部22を備えることで、起伏部22の細かい高低差によって電解液の流速が変化し、電解液に乱流を生じさせることができると考えられる。畝部20で乱流が生じると、畝部20に対向配置される各電極104,105内へ電解液が強制拡散され、電解液に含まれる活物質イオンを各電極104,105内に均一的に供給することができ、電池反応性を向上できると考えられる。
導入溝部12と排出溝部14の各櫛歯の噛み合う部分の長さL(図1)は、長いほど畝部20を渡るように流れる電解液の量が増加すると考えられる。よって、上記噛み合う部分の長さは、双極板1の長さ(図1の左右方向の長さ)の80%以上、更に90%以上であることが挙げられる。
また、導入溝部12と排出溝部14との間隔W、つまり畝部20の幅Wは、長いほど畝部20を渡るように流れる電解液の量が増加すると考えられる。よって、畝部20の幅Wの長さは、溝部10の幅の100%以上700%以下、更に200%以上500%以下であることが挙げられる。
本例では、起伏部22は、畝部20の全幅Wに亘って設けている。起伏部22は、畝部20の幅方向の一部分に設けてもよい。
双極板1の構成材料は、電気抵抗が小さい導電性材料であって、電解液と反応せず、電解液に対する耐性(耐薬品性、耐酸性など)を有するものが好適に利用できる。更に、双極板1の構成材料は、適度な剛性を有することが好ましい。溝部10の形状や寸法が長期に亘って変化し難く、溝部10を有することによる流通抵抗の低減効果、圧力損失の低減効果を維持し易いからである。具体的な構成材料は、炭素材と有機材とを含有する複合材料、より具体的には黒鉛などの導電性無機材とポリオレフィン系有機化合物や塩素化有機化合物などの有機材とを含む導電性プラスチックが挙げられる。
炭素材は、黒鉛の他、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などが挙げられる。カーボンブラックは、アセチレンブラックやファーネスブラックなどが挙げられる。炭素材は、黒鉛を含むことが好ましい。黒鉛を主体とし、一部としてカーボンブラック及びDLCの少なくとも一方を含むことができる。導電性無機材は、炭素材に加えて、アルミニウムなどの金属を含むことができる。導電性無機材は、粉末や繊維が挙げられる。
ポリオレフィン系有機化合物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが挙げられる。塩素化有機化合物は、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィンなどが挙げられる。
上述した双極板1は、上記の構成材料を射出成型、プレス成型、真空成型などの公知の方法によって板状に成形すると共に、溝部10と畝部20は勿論、畝部20に起伏部22を成形することで製造できる。溝部10と起伏部22とを同時成形すれば双極板1の製造性に優れる。溝部10を有していない平板材に切削加工などを行って、溝部10や起伏部22を形成することもできる。また、畝部20にブラスト加工を施すことで、畝部20に粗面を形成することもできる。
≪実施形態2≫
図3を参照して、実施形態2に係る双極板2について説明する。双極板2は、畝部20に備わる起伏部22が段差で構成される点を特徴の一つとする。実施形態2の双極板2は、起伏部22の形態が実施形態1の双極板1と異なり、その他の構成については同様である。図3は、双極板2の一面側のみを示す。
起伏部22を構成する段差Hは、図3に示すように、隣り合う導入横溝部12xと排出横溝部14xの並列方向に高低差を有する。本例では、導入横溝部12x側から排出横溝部14x側に向かって双極板2の厚さが薄くなるような段差を一つ備える。本例では、導入横溝部12x側を高部22h、排出横溝部14x側を低部22pと呼ぶ。
起伏部22を構成する段差Hは、最大高低差が0.1mm以上0.5mm以下である。段差の最大高低差が0.1mm以上であることで、高部22hと低部22pとの稜線部分で各電極104,105を引っ掛けることができるため、双極板2に対する各電極104,105の位置ずれを防止できる。また、段差の最大高低差が0.1mm以上であることで、畝部20を介して導入横溝部12x側から排出横溝部14x側に流れる電解液の流速が大きく変化し、電解液に乱流が生じ易い。それは、電池セル100Cを組み立てて圧縮すると、図3に示すように、双極板2と隔膜101との間の間隔が、高部22h側よりも低部22p側で大きくなるため、高部22h側よりも低部22p側で流速が遅くなるためである。一方、段差の最大高低差が0.5mm以下であることで、双極板2に対して各電極104,105を隙間なく配置し易い。最大高低差は、更に0.2mm以上0.4mm以下が好ましい。
本例では、畝部20の幅方向の中央部分に一つの段差を設けているが、複数の段差を設けてもよい。また、本例では、導入横溝部12x側を高部22h、排出横溝部14xを低部22pとしているが、導入横溝部12x側を低部22p、排出横溝部14xを高部22hとしてもよい。一つの畝部20に複数の段差を設ける場合、畝部20の幅方向の一方から他方に向かって高さが順次低くなる又は高くなる必要はなく、例えば、幅方向の両側を高部22h(低部22p)とし、中央部分を低部22p(高部22h)としてもよいし、高部22hと低部22pとを不規則に設けてもよい。
双極板2の畝部20は、表面粗さが算術平均粗さRaで1.0μm未満の平滑面であってもよいし、表面粗さがRaで1.0μm以上の粗面で構成してもよい。
≪実施形態3≫
図4を参照して、実施形態3に係る双極板3について説明する。双極板3は、畝部20に備わる起伏部22が傾斜面で構成されている点を特徴の一つとする。実施形態3の双極板3は、起伏部22の形態が実施形態1の双極板1と異なり、その他の構成については同様である。図4は、双極板3の一面側のみを示す。
起伏部22を構成する傾斜面は、図4に示すように、隣り合う導入横溝部12x及び排出横溝部14xの一方の溝部12x側から他方の溝部14x側に向かって傾斜する。本例では、導入横溝部12x側から排出横溝部14x側に向かって双極板2の厚さが薄くなるように傾斜している。本例では、導入横溝部12x側を高部22h、排出横溝部14x側を低部22pと呼ぶ。
起伏部22を構成する傾斜面は、高低差が0.1mm以上0.5mm以下である。傾斜面の高低差が0.1mm以上であることで、高部22h側で各電極104,105を引っ掛けることができるため、双極板3に対する各電極104,105の位置ずれを防止できる。また、傾斜面の高低差が0.1mm以上であることで、畝部20を介して導入横溝部12x側から排出横溝部14x側に流れる電解液の流速が大きく変化し、電解液に乱流が生じ易い。それは、電池セル100Cを組み立てて圧縮すると、図4に示すように、双極板3と隔膜101との間の間隔が、高部22h側よりも低部22p側で大きくなるため、高部22h側よりも低部22p側で流速が遅くなるためである。一方、傾斜面の高低差が0.5mmであることで、双極板3に対して各電極104,105を隙間なく配置し易い。傾斜面の高低差は、更に0.2mm以上0.4mm以下が好ましい。
本例では、導入横溝部12xの側縁から排出横溝部14xの側縁まで連続した傾斜面としているが、両側縁の間において、傾斜面に加えて平坦面や段差を設けてもよい。また、本例では、導入横溝部12x側を高部22h、排出横溝部14xを低部22pとしているが、導入横溝部12x側を低部22p、排出横溝部14xを高部22hとしてもよい。
双極板3の畝部20は、表面粗さが算術平均粗さRaで1.0μm未満の平滑面であってもよいし、表面粗さがRaで1.0μm以上の粗面で構成してもよい。
≪変形例≫
実施形態1〜3の双極板1〜3は、溝部10の配置形態を以下とすることができる。
(1)噛合型の対向櫛歯形状とする場合に、導入溝部12の櫛歯と排出溝部14の櫛歯とが縦方向(図1では上下方向)に延びており、双極板の横方向(図1では左右方向)に交互に配置される。
(2)導入溝部12と排出溝部14とが互いに噛み合わない非噛合型の対向櫛歯形状である。例えば、導入横溝部と排出横溝部とが、双極板の横方向に間隔をあけて対向配置された形態とすることができる。非噛合型の櫛歯形状であっても、各電極104,105において、隣り合う溝部間に位置する畝部に対向配置される領域が電池反応域として機能する。
(3)導入溝部12及び排出溝部14の少なくとも一方を連続した溝部ではなく、断続した複数の溝部とする。例えば、導入横溝部や排出横溝部を、その横方向に間隔をあけて設けられた複数の溝群とすることができる。
〔その他のRF電池の構成部材〕
・正極電極及び負極電極
正極電極104及び負極電極105は、隔膜101と双極板1〜3との間に介在される。各電極104,105は、主として双極板1〜3の溝部10を介して電解液が供給され、この電解液が各電極104,105に浸透、拡散して、電解液中の活物質が各電極104,105上で電池反応を行う。この目的から、各電極104,105は、多数の微細な細孔を有する多孔体で構成される。各電極104,105の構成材料は、炭素繊維を含む多孔体、例えば、カーボンフェルトやカーボンペーパーなどが好適に利用できる。公知の電極を利用できる。
・隔膜
隔膜101は、例えば、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜といったイオン交換膜が挙げられる。イオン交換膜は、(1)正極活物質のイオンと負極活物質のイオンとの隔離性に優れる、(2)電池セル100C内での電荷担体であるHイオンの透過性に優れる、といった特性を有しており、隔膜101に好適に利用できる。公知の隔膜を利用できる。
〔電解液〕
RF電池100に利用する電解液は、金属イオンや非金属イオンなどの活物質イオンを含む。例えば、正極活物質及び負極活物質として、価数の異なるバナジウムイオン(図5)を含むバナジウム系電解液が挙げられる。その他、正極活物質として鉄(Fe)イオン、負極活物質としてクロム(Cr)イオンを含む鉄−クロム系電解液、正極活物質としてマンガン(Mn)イオン、負極活物質としてチタン(Ti)イオンを含むマンガン−チタン系電解液などが挙げられる。電解液は、活物質に加えて、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸から選択される少なくとも1種の酸又は酸塩を含む水溶液などを利用できる。
〔用途〕
実施形態の双極板は、レドックスフロー電池の双極板として好適に利用可能である。実施形態のレドックスフロー電池は、太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーの発電に対して、発電出力の変動の安定化、発電電力の余剰時の蓄電、負荷平準化などを目的とした蓄電池に利用できる。また、実施形態のレドックスフロー電池は、一般的な発電所に併設されて、瞬低・停電対策や負荷平準化を目的とした蓄電池としても利用できる。特に、実施形態のレドックスフロー電池は、上述の目的の大容量の蓄電池に好適に利用できる。
[試験例1]
試験例1では、双極板に噛合型の櫛歯形状の流路を有すると共に、畝部に段差で構成される起伏部を形成したものを用い(図3を参照)、この双極板を所定位置に配置したRF電池を想定した流体シミュレーション(マイクロソフト社製のエクセル(登録商標)の表計算ソフトウェアによる数値解析)を行い、RF電池のセル抵抗を求めた。試験例1では、正極電極−隔膜−負極電極を重ねた電池セルを、双極板を備えるセルフレームで挟んだ単セル構造のRF電池とした。以下に、試験の詳細な条件を示す。
・双極板
寸法:長さ200mm、幅198mm、厚み6.2mm
溝部形状:導入溝部と排出溝部とを備える噛合型の対向櫛歯形状(図3を参照)
横溝部について
数:導入溝部16本×排出溝部16本
長さL:150mm
櫛歯の重複長さ:142mm
溝部の幅:1.3mm
溝部の深さ:1.0mm
溝部の断面形状:矩形形状
畝部の幅W:3.9mm
縦溝部について
長さ:170mm
構成材料:黒鉛80質量%とマトリックス樹脂としてポリプロピレン20質量%とを圧粉成形した双極板
・電極
寸法:長さ170mm、幅150mm、厚み0.5mm
構成材料:炭素繊維とバインダー炭素とを含むカーボンフェルト
SGLカーボンジャパン株式会社製 GDL10AA
・隔膜
構成材料:デュポン株式会社製 ナフィオン(登録商標)212
・電解液
組成:硫酸V水溶液(V濃度:1.7mol/L、硫酸濃度:4.3mol/L)
流量:300mL/min
双極板の畝部に形成される段差H(起伏部:最大高低差)を変えたときのセル抵抗(段差Hが0mmのときのセル抵抗を1として規格化)のグラフを図7に示す。図7において、横軸が段差H(mm)であり、縦軸が規格化したセル抵抗である。図7より、段差Hが0.01mmのときのセル抵抗Rsに比較して、段差Hを変えたときのセル抵抗Rxの低減率((Rs−Rx)/Rs)は、段差Hが0.1mmのとき約2%、段差Hが0.2mmのとき約4%、段差Hが0.3mmのとき約6%、段差Hが0.4mmのとき約7%、段差Hが0.5mmのとき約9%であった。つまり、段差Hが大きいほどセル抵抗が低減され、電解液の拡散性に優れることがわかる。ただし、段差Hが大き過ぎると、双極板と正極電極や負極電極との間に隙間が生じ、畝部を介して隣り合う溝部間を渡るように流れる電解液が電極内へ拡散され難く、電解液が未反応となる虞がある。また、段差Hが大きくなり、双極板と正極電極や負極電極との間の隙間が広がると、圧縮率が減少し、双極板と正極電極や負極電極との間の接触抵抗が増加するといった問題も発生し得る。よって、段差Hは、0.5mm以下とすることが好ましいと言える。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、双極板の溝部の仕様(横溝部や縦溝部の大きさ、形状、個数など)、電解液の種類などを変更することができる。
100 レドックスフロー電池(RF電池)
100C 電池セル
101 隔膜
102 正極セル 103 負極セル
104 正極電極 105 負極電極
106 正極タンク 107 負極タンク
108〜111 配管
112,113 ポンプ
200 セルスタック 201 エンドプレート 202 連結部材
120 セルフレーム 121 双極板 122 枠体
123,124 給液孔 125,126 排液孔
127 シール部材
1,2,3 双極板
10溝部
12 導入溝部 12i 導入口
12x 導入横溝部 12y 導入縦溝部
14 排出溝部 14o 排出口
14x 排出横溝部 14y 排出縦溝部
20 畝部 22 起伏部 22h高部 22p 低部

Claims (7)

  1. 一面側に正極電極が配置され、他面側に負極電極が配置される電池用の双極板であって、
    当該双極板の少なくとも一面は、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
    前記溝部は、互いに連通しない導入溝部と排出溝部とを備え、
    前記畝部は、隣り合う前記溝部の並列方向への前記正極電極又は前記負極電極の滑りを抑制する起伏部を備え
    前記起伏部は、前記畝部の表面の少なくとも一部に設けられた粗面を備え、
    前記粗面は、表面粗さが算術平均粗さRaで0.1μm以上10μm以下である双極板。
  2. 一面側に正極電極が配置され、他面側に負極電極が配置される電池用の双極板であって、
    当該双極板の少なくとも一面は、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
    前記溝部は、互いに連通しない導入溝部と排出溝部とを備え、
    前記畝部は、隣り合う前記溝部の並列方向への前記正極電極又は前記負極電極の滑りを抑制する起伏部を備え
    前記起伏部は、隣り合う前記溝部の並列方向に高低差を有するように設けられた段差を備え、
    前記段差は、最大高低差が0.1mm以上0.5mm以下である双極板。
  3. 一面側に正極電極が配置され、他面側に負極電極が配置される電池用の双極板であって、
    当該双極板の少なくとも一面は、電解液が流通する複数の溝部と、隣り合う前記溝部間に位置する畝部とを備え、
    前記溝部は、互いに連通しない導入溝部と排出溝部とを備え、
    前記畝部は、隣り合う前記溝部の並列方向への前記正極電極又は前記負極電極の滑りを抑制する起伏部を備え
    前記起伏部は、隣り合う前記溝部の一方の溝部側から他方の溝部側に向かって傾斜する傾斜面を備え、
    前記傾斜面は、高低差が0.1mm以上0.5mm以下である双極板。
  4. 前記導入溝部と前記排出溝部とは、以下の(A)から(C)のいずれかを満たす請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の双極板。
    (A)前記導入溝部と前記排出溝部とはそれぞれ櫛歯形状の領域を備え、これらの櫛歯が互いに噛み合って対向配置される噛合型の対向櫛歯形状である。
    (B)前記導入溝部と前記排出溝部とはそれぞれ櫛歯形状の領域を備え、これらの櫛歯が互いに噛み合わない非噛合型の対向櫛歯形状である。
    (C)前記導入溝部及び前記排出溝部の少なくとも一方が断続した複数の溝部で構成される。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の双極板と、前記双極板の外周に設けられる枠体とを備えるセルフレーム。
  6. 請求項に記載のセルフレームと、正極電極と、隔膜と、負極電極とを複数積層してなるセルスタック。
  7. 請求項に記載のセルスタックを備えるレドックスフロー電池。
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