JP2009181805A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】電極へのガス供給性と電極から排出される水の排出性とを好適に両立させることによって燃料電池の発電効率を向上させることができるコレクタを有する燃料電池用セパレータを提供すること。
【解決手段】本発明の燃料電池用セパレータによれば、隣接する燃料電池間に配置されるときに、カソード極及びアノード極にそれぞれに当接されるコレクタのうち、カソード極に当接するコレクタには、多数の大径孔と、大径孔の相当直径より小さい相当直径を有する多数の小径孔とが開口されている。その結果、大径孔を空気流通孔として機能させ、小径孔を水流通孔として機能させることができる。その結果、カソード極へのガス供給性とカソード極から排出される水の排出性とを好適に両立させることができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、燃料電池用セパレータに関し、特に、燃料電池の発電効率を向上させることができるコレクタを有する燃料電池用セパレータに関するものである。
一般的に、固体高分子型燃料電池の単位セルは、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、その両面にそれぞれ積層されるセパレータとから構成される。
膜電極接合体は、Nafion(登録商標:デュポン社製)などの固体高分子電解質膜からなる電解質膜と、この電解質膜の一面に配置された触媒層及び拡散層から構成され酸化剤ガス(例えば、空気)が供給される酸素極(空気極、カソード極)と、電解質膜の他面に配置された触媒層及び拡散層とから構成され燃料ガス(例えば、水素ガス)が供給される燃料極(水素極、アノード極)とを有している。
セパレータは、導電性の材料から気密に成型され、膜電極接合体を間に挟んで積層された場合に、膜電極接合体における酸素極側に酸素室(空気室)を形成し、燃料極側に燃料室を形成する。
燃料電池スタックが構成される場合には、隣り合う単位セルはセパレータが共通とされている。そのため、セパレータは、各単位セルで発電された電気を集電する一方で、隣接する単位セルへのガスの移動を遮断する機能を有する。
近年、効率的な集電機能と膜電極接合体へのガスの効率的な供給機能と膜電極接合体の湿潤状態の維持等を達成するべく、単位セルの両電極の少なくとも空気極側の表面部分に、空気と水との混合流を透過する網目状の導電体を集電体(コレクタ)として採用したセパレータが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005−209470号公報
しかしながら、特許文献1などに記載される従来のセパレータは、特に、電極反応によって水が生成する空気極側のコレクタにおいて、生成水による網目の詰まりが生じ、空気極への酸化剤ガスの供給性が悪化し、発電効率を低下させるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、電極へのガス供給性と電極から排出される水の排出性とを好適に両立させることによって燃料電池の発電効率を向上させることができるコレクタを有する燃料電池用セパレータを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の燃料電池用セパレータは、固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する酸素極及び燃料極とを含んで構成される燃料電池を積層するときに、隣接する燃料電池間に配置されるものであって、導電性及びガス遮断性を有する板状のセパレータ本体と、前記隣接する燃料電池間に配置されるときに、前記酸素極及び前記燃料極にそれぞれ当接すると共に、多数の孔が開口されている導電性の板状のコレクタと、前記セパレータ本体と前記板状のコレクタとの間に介挿され、その配置によって前記酸素極又は前記燃料極へ供給するガスの流路を形成する複数本の導電性のリブ部材と、を備え、前記酸素極に当接するコレクタに開口される孔は、多数の大径孔と、前記大径孔の相当直径より小さい相当直径を有する多数の小径孔とから構成されている。
請求項2記載の燃料電池用セパレータは、請求項1記載の燃料電池用セパレータにおいて、前記小径孔の相当直径は、生成水によって前記酸素極における前記ガス流路側の表面に形成される水膜厚さの2倍以下である。
請求項3記載の燃料電池用セパレータは、請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータにおいて、前記小径孔は、その内壁に親水性処理が施されている。
請求項4記載の燃料電池用セパレータは、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータにおいて、前記小径孔は、前記ガスの流路を臨む側の周囲に形成された第1の突起部を有している。
請求項5記載の燃料電池用セパレータは、請求項4記載の燃料電池用セパレータにおいて、前記第1の突起部は、その表面に撥水性処理が施されている。
請求項6記載の燃料電池用セパレータは、請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータにおいて、前記大径孔の相当直径は、生成水によって前記酸素極における前記ガス流路側の表面に形成される水膜厚さの3倍以上である。
請求項7記載の燃料電池用セパレータは、請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池用セパレータにおいて、前記小径孔以外の孔の少なくとも一部は、前記酸素極又は前記燃料極に当接する側の周囲に形成された第2の突起部を有している。
請求項8記載の燃料電池用セパレータは、請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池用セパレータにおいて、前記酸素極へ供給する酸化剤ガスを常圧で供給する燃料電池システムにて使用される。
請求項1記載の燃料電池用セパレータによれば、隣接する燃料電池間に配置されるときに、酸素極(空気極、カソード極)及び燃料極(水素極、アノード極)にそれぞれに当接されるコレクタのうち、酸素極に当接するコレクタには、多数の大径孔と、大径孔の相当直径より小さい相当直径を有する多数の小径孔とが開口されている。
一般的に、孔の径が小さい程、孔内に水が溜まり易く、孔の径が大きい程、孔内に水は溜まり難い。よって、大きさ(相当直径)の異なる孔をコレクタに設けたことにより、電極から排出される水による孔の選択性をコントロールすることが可能となる。
即ち、相当直径の小さい孔は、電極から排出された水が孔内に溜まり易く、小径孔へ水が選択的に流入されるので、水を排出し易い孔として機能する。その一方で、相当直径の大きい孔は、電極から排出された水による水膜が形成し難いので、水による閉塞が生じ難く、ガスの供給が阻害され難い。
従って、請求項1記載の燃料電池用セパレータによれば、酸素極側のコレクタにおいて、大径孔と小径孔とを開口したことにより、大径孔を空気流通孔として機能させ、小径孔を水流通孔として機能させることができる。その結果、酸素極へのガス供給性と酸素極から排出される水の排出性とを好適に両立させることができ、燃料電池の発電効率を向上させることができるという効果がある。
請求項2記載の燃料電池用セパレータによれば、請求項1記載の燃料電池用セパレータが奏する効果に加えて、次の効果を奏する。小径孔の相当直径が、生成水によって酸素極におけるガス流路側の表面に形成される水膜厚さの2倍以下である。
よって、小径孔の孔内に水が溜まり易くなって小径孔から水を選択的に排出させ易くすることができる。その一方で、小径孔から水を選択的に排出させ易くなったことにより、大径孔では相対的に水による閉塞が防止されて、酸素極へ供給されるガスの流路を確保することができる。従って、燃料電池の発電効率をより好適に向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の燃料電池用セパレータによれば、請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。小径孔の内壁に親水性処理が施されているので、小径孔の内壁の濡れ性が高まり、小径孔への流入に対する水の選択性を増すことができる。よって、電極から排出される水を優先的に小径孔に流入させることができ、その結果として、水による大径孔の閉塞をより有効に防止できる。従って、酸素極へ供給されるガスの流路が確保され、燃料電池の発電効率をより好適に向上させることができるという効果がある。
請求項4記載の燃料電池用セパレータによれば、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。小径孔におけるガスの流路を臨む側の周囲には、第1の突起部が形成されているので、かかる小径孔から排出される水の界面を、ガス流路を流通するガスに触れ易くすることができる。よって、ガス流によって水が小径孔から飛散され易くなり、小径孔からの水の排出が促進されるという効果がある。
請求項5記載の燃料電池用セパレータによれば、請求項4記載の燃料電池用セパレータの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。ガスの流路を臨む側の周囲に形成された突起部(第1の突起部)の表面に撥水性処理が施されているので、出口側における水の表面張力が大きくなり、かかる小径孔から排出される水の界面がガス流路側へ迫り出す。
よって、小径孔から排出される水がガス流に触れ易くなると共に、ガス流との接触面積が増えるので、水がガス流によって小径孔から飛散され易くなり、小径孔からの水の排出を促進することができるという効果がある。
請求項6記載の燃料電池用セパレータによれば、請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。大径孔の相当直径が、生成水によって酸素極におけるガス流路側の表面に形成される水膜厚さの3倍以上である。よって、大径孔において生成水による閉塞を防止することができるので、酸素極へ供給されるガスの流路を確保することができる。従って、燃料電池の発電効率をより好適に向上させることができるという効果がある。
請求項7記載の燃料電池用セパレータによれば、請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。小径孔以外の孔の少なくとも一部には、酸素極又は燃料極に当接する側の周囲に第2の突起部が形成されているので、燃料電池用セパレータを介挿しつつ燃料電池を積層して燃料電池スタックを構成した場合に、かかる第2の突起部が酸素極又は燃料極に食い込み、燃料電池(単位セル)の横ずれを防止できるという効果がある。
請求項8記載の燃料電池用セパレータによれば、請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。酸素極へ供給する酸化剤ガスを常圧で供給する燃料電池システムにて使用されるので、小径孔を介して酸素極から排出される水は、常圧の酸化剤ガス流によって飛散される。よって、酸化剤ガスの圧力によって小径孔からの水の排出が抑制されず、水の飛散を効率的に行い得るので、小径孔からの水の排出を促進することができ、酸素極のフラッディングを抑制できるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の燃料電池用セパレータであるセパレータ20(図4など参照)を含んで構成される燃料電池システム100の一実施形態を示す系統図である。
この燃料電池システム100は、燃料電池スタック40と、燃料ガスとしての水素ガスを、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10(図4など参照)の燃料極(水素極、アノード極)13(図4参照)へ供給するための水素ガス供給系50と、酸化剤ガスとしての空気を、燃料電池スタック40を構成する各単位セル10の空気極(酸素極、カソード極)12(図4参照)へ供給するための空気供給系60と、燃料電池スタック40の空気極12を湿潤させるための水供給系80とを備えている。
燃料電池スタック40は、燃料電池としての単位セル10(図4など参照)と、隣接する単位セル10の間に介装されて隣接する単位セル10を電気的に接続するセパレータ20(図4など参照)とを、単位セル10及びセパレータ20の厚み方向に積層した構成とされている。
燃料電池スタック40における図示されない空気流路の上流側には、空気を燃料電池スタック40の空気流路内に導入するための空気マニホールド41が設けられている。一方、空気流路の下流側には、排気マニホールド42及び凝縮器43が設けられており、過剰空気は、排気マニホールド42を経て、凝縮器43において水分を凝縮して除去した後、図示されない排気口から大気中へ排気される。
水素ガス供給系50は、水素源となる水素ボンベ51と、水素ボンベ51から供給される水素ガスの流量を調整する調整弁52〜56とを含んで構成され、燃料電池スタック40における図示されない水素ガス流路に接続されて、かかる水素ガス流路に水素ガスを供給する。また、水素ガス供給系50は、さらに、ポンプ58と、循環弁57とを含んでおり、燃料電池スタック40から排出された未反応水素ガスを、水素ガス供給流路に戻して循環できるように構成されている。
空気供給系60は、シロッコファンやターボファンなどの送風機61と、空気マニホールド41に接続される供給管62とを含んで構成され、送風機61により取り入れた外気を、供給管62及び空気マニホールド41を介して、燃料電池スタック40の空気流路へ供給する。よって、本実施形態の燃料電池システム100は、常圧の空気(酸化剤ガス)を燃料電池スタック40に供給するシステムである。
水供給系80は、水を貯留する水タンク81と、空気マニホールド41に配置されたノズル82と、水タンク81からノズル82へ水を圧送するポンプ83とを備えており、水タンク81に貯留されている水をノズル82から空気マニホールド41へ噴射させる。空気マニホールド41に噴射された水は、空気供給系60を流通する空気流によって霧状となって燃料電池スタック40へ送り込まれる。
なお、水タンク81と凝縮器43との間には、ポンプ84が設けられており、凝縮器43において凝縮した水分を、水タンク81へ送り、燃料電池スタック40を湿潤するための水分として再利用するように構成されている。
以上のように構成された燃料電池システム100を運転する場合には、空気供給系60の送風機61を駆動して、空気を空気マニホールド41から燃料電池スタック40の空気流路内へ供給すると共に、水供給系80のポンプ83を駆動により水を供給する。一方で、水素ガス供給系50の調整弁52〜56を調整して所定の圧力として燃料電池スタック40の水素ガス流路内へ供給する。
その結果、燃料電池スタック40を構成する各燃料電池10にて水素と酸素とによる水生成反応(電極反応)が行われ、生じた電流が負荷90へ流れる。かかる燃料電池システム100の運転中は、霧状となって供給される水によって各燃料電池10が冷却及び加湿される。
なお、本実施形態の燃料電池システム100は、図示されない制御装置を有している。この制御装置は、CPU、ROM、RAMなどを含んで構成され、各種センサにより検出される燃料電池スタック40へ供給されるガス(水素ガス及び空気)の流量や温度、又は、燃料電池スタック40からの出力電圧などに基づいて、空気供給系60における送風機61などの制御や、水素ガス供給系50における調整弁52〜56、ポンプ58、及び循環弁57などの制御や、水供給系80におけるポンプ83などの制御を行うものである。
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態における燃料電池スタック40の構成について説明する。
図2(a)は、本実施形態における燃料電池スタック40を模式的に示す上面図であり、図2(b)は、燃料電池スタック40を構成するセルモジュール30を模式的に示す上面図である。なお、図2(a)では、2つのセルモジュール30を代表として図示し、その他のセルモジュール30の図示を省略している。また、図2(b)では、理解を容易にする目的で、単位セル10とセパレータ20との位置関係のみ図示し、具体的構成は省略している。
また、図3(a)は、セルモジュール30を空気極側から見た正面図であり、図3(b)は、セルモジュール30を燃料極側から見た正面図である。図4(a)は、図3(a)のIVa−IVa矢視要部断面図であり、図4(b)は、図3(a)の矢視要部断面図である。
図2(a)に示すように、本実施形態における燃料電池スタック40は、セルモジュール30を複数積層して構成される。
セルモジュール30は、図2(b)に示すように、単位セル10と、隣接する単位セル10の間に介装されて隣接する単位セル10を電気的に接続するセパレータ20とを、単位セル10及びセパレータ20を支持するフレーム17,18を1セットとして、厚み方向に複数セット積層して構成される。なお、図2(b)に例示されるセルモジュール30は、単位セル10及びセパレータ20などを含む1セットが10セット積層されたものである。
セルモジュール30は、隣接する単位セル10が所定の間隔に離間されて配置されるように、単位セル10とセパレータ20とが、2種類のフレーム17,18を交互にスペーサとして多段に重ねられて積層されている。
セルモジュール30における積層方向の一端(図2(a)における上端面側)は、図3(a)に示すように、セパレータ20の空気極側コレクタ22の端面とフレーム17の端面とで終端している。一方で、セルモジュール30における積層方向の他端(図2(a)における下端面側)は、図3(b)に示すように、セパレータ20の燃料極側コレクタ23の端面とフレーム18の端面とで終端している。
図4(a)及び図4(b)に示すように、単位セル10は、固体高分子電解質膜11と、その固体高分子電解質膜11の一方の面に当接する空気極12と、固体高分子電解質膜11の他方の面に当接する燃料極13とから構成されている。
固体高分子電解質膜11としては、例えば、Nafion(登録商標:デュポン社製)やAciplex(登録商標:旭化成(株)製)など、固体高分子型燃料電池に適用可能な固体高分子電解質膜を使用することができる。
空気極12は、空気(酸化剤ガス)を拡散しながら透過する導電性材料からなる拡散層12a(図7参照)と、その拡散層12a上に形成され、固体高分子電解質膜11に当接される反応層(図示せず)とから構成されている。
燃料極13は、水素ガス(燃料ガス)を拡散しながら透過する導電性材料からなる拡散層(図示せず)と、その拡散層上に形成され、固体高分子電解質膜11に当接される反応層(図示せず)とから構成されている。
なお、空気極12及び燃料極13を構成する拡散層は、ガス拡散が可能なカーボン製の織物やカーボン製の紙等から構成されるものであり、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボン繊維からなる不織布等を用いることができる。また、空気極12及び燃料極13を構成する反応層しては、例えば、白金触媒が担持されたカーボンとPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とを含んで構成された反応層(触媒層)を採用することができる。
単位セル10を構成する部材のうち、空気極12及び燃料極13は、それらの支持部材とされるフレーム18開口部の横方向寸法(短手方向寸法)より若干長い横方向寸法と、開口部の縦方向寸法(長手方向寸法)より若干長い縦方向寸法を有するものとされている。また、固体高分子電解質膜11は、開口部の縦横方向寸法より一回り大きな縦横方向寸法を有するものとされている。
セパレータ20は、セパレータ本体21と、そのセパレータ本体21の一側に設けられ、単位セル10の空気極12の拡散層12a(図7参照)に当接される空気極側コレクタ22と、セパレータ本体21の他側に設けられ、単位セル10の燃料極13の拡散層(図示せず)に当接される燃料極側コレクタ23とから構成される。なお、このセパレータ20は、本発明の燃料電池用セパレータに該当する。
セパレータ本体21は、本発明におけるセパレータ本体に該当するものであり、隣接する単位セル10間のガス遮断部材として機能する板厚の薄い金属薄板である。セパレータ本体21を構成する金属としては、導電性と耐蝕性とを有する金属、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金などに金メッキなどの耐蝕導電処理を施したものが挙げられる。
空気極側コレクタ22は、空気極12と接触して集電すると共に、空気極12への空気の供給と空気極12からの生成水の排出とを可能にする多数の孔を有する導電性部材である。また、空気極側コレクタ22は、放熱板としても機能し、水供給系80のノズル82(図1参照)から噴射される水によって冷却される。なお、この空気極側コレクタ22の詳細構成については、図5などを参照して後述する。
燃料極側コレクタ23は、燃料極13と接触して集電すると共に、燃料極13への水素ガスの供給を可能にする多数の孔を有する導電性部材である。なお、この燃料極側コレクタ23は、空気極側コレクタ22と同様に構成できるので、詳細な説明は省略する。
セパレータ20の外側には、単位セル10を含めて所定の位置関係に保持できるよう、フレーム17,18が配置される。これらのフレーム17,18は、絶縁性材料から構成される。
より具体的には、空気極側コレクタ22の左右両側にフレーム17が配置され、燃料極側コレクタ23の周縁部にフレーム18が設けられている。なお、最も外端に配置されるフレーム17は、図3に示すように、その上下端が相互にバックアッププレート17a及び17bによって連結されて枠状に構成されている。
図4(a)及び図4(b)に示すように、空気極側コレクタ22側に配置されるフレーム17は、外端(図4(a)における最上端、図4(b)における左端)に配置されるものを除き、空気極側コレクタ22の短辺に沿う両側に配置される縦枠部171から構成されている。このフレーム17の板厚は、空気極側コレクタ22の厚みに匹敵する厚さとされている。
縦枠部171には、板厚方向に貫通する長孔172が水素ガス流路形成のために設けられている。なお、セパレータ本体21の面における縦横方向寸法は、フレーム17の面における縦横方向寸法に匹敵する大きさとされ、フレーム17の長孔172に重なる位置に、同様の長孔212を備える構成とされている。
かかるフレーム17の配置により、左右両側の縦枠部171の間には、単位セル10の空気極12とセパレータ本体21とで囲まれた空気室が形成される。なお、詳細は後述するが、かかる空気室内には、図4(a)における紙面垂直方向に延びる線状のリブ部材222(空気極側コレクタ22の一部)が、複数本、平行に立設されており、かかるリブ部材222の設置により、一方向(図4(a)における紙面垂直方向)に全通する空気流路が形成される。
一方、図4(b)に示すように、燃料極側コレクタ23及び単位セル10を囲むフレーム18は、左右縦枠部と上下横枠部182とを有する枠状部材であり、枠状に構成されたフレーム17(図3(a))と同じ大きさに構成されている。なお、フレーム18における左右縦枠部は、図4(a)の記載範囲よりさらに右側に位置するために図示されていないが、フレーム17の両縦枠部171の左右両側端と同じ位置に両側端を有し、短手方向長さ(幅)が上下横枠部182の短手方向長さと略同じに構成されている。
図4(a)に示すように、かかるフレーム18は、外端(図2(b)における最下端、図3(b)示す面)に配置されるものを除き、左右縦枠部と平行に延び、燃料極側コレクタ23の左右端(図4(a)における左右方向の端部)に重なる薄板状のバックアッププレート18aと厚板状のバックアッププレート18bとから構成されている。なお、フレーム18の板厚は、燃料極側コレクタ23の厚みに匹敵する厚さとされている。
バックアッププレート18aと縦枠部171とにより囲まれる空間が、上述したフレーム17を板厚方向に貫通する長孔172と共に、水素ガス流路形成のための空間を構成している。また、各フレーム18の内周側に、単位セル10の燃料極13とセパレータ本体21とで囲まれた燃料室が形成される。
なお、かかる燃料室内には、リブ部材222と直交する方向(即ち、図4(b)における紙面垂直方向、図4(a)における左右方向)に延びる線状のリブ部材232(燃料極側コレクタ23の一部)が、複数本、平行に立設されている。かかるリブ部材232の設置により、上述した空気流路に直交する方向に(図4(b)における紙面垂直方向)に全通する水素ガス流路が形成される。
次に、図5〜図7を参照して、本実施形態における空気極側コレクタ22の詳細構成について説明する。図5(a)は、空気極側コレクタ22をセパレータ本体21側から見た正面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるVb方向から見た側面図である。なお、図5(a)及び図5(b)では、ベースコレクタ221に開口される孔221a,221bの図示を省略している。
また、図6は、図5(a)におけるVI部分の拡大図である。なお、理解を容易にするために、図6では、ベースコレクタ221に開口される孔221a,221bの配置間隔や配置個数などを模式的に示している。
また、図7(a)は、図6のVII−VII矢視要部断面図であり、図7(b)は、空気極側コレクタ22を介する空気の供給及び水の排出を示す模式図である。なお、理解を容易にするために、図7(a)及び図7(b)では、空気極側コレクタ22に当接する空気極12の拡散層12aを合わせて図示している。
図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施形態の空気極側コレクタ22は、ベースコレクタ221と、複数本のリブ部材222とから構成される。なお、ベースコレクタ221は、本発明におけるコレクタに該当し、リブ部材222は、本発明におけるリブ部材に該当する。
複数本のリブ部材222は、図5(a)及び図5(b)に示すように、各々、矩形状の断面を有する線状体であり、これらのリブ部材222は、ベースコレクタ221における空気極12との当接面とは反対側の面に、互いに略平行に配列された状態で立設される。リブ部材222は、例えば、拡散接合によってベースコレクタ221の表面に接合される。
このように、ベースコレクタ221上に立設されたリブ部材222は、空気極側コレクタ22において、ベースコレクタ221とセパレータ本体21との間に介挿されて、空気流路(空気室)となる空間を形成する。
燃料電池における高効率発電を実現すると共に、補機の動力損失を抑えるためには、空気流路の空気流れ抵抗を極力低くすることが好ましい。よって、単位セル10に空気を供給する流路の高さ、即ち、リブ部材222の高さ寸法を適切に確保する必要がある一方で、燃料電池スタック40の小型化、即ち、セルモジュール30の小型化を図るためには、リブ部材222の高さ寸法は低ければ低いほど好ましい。従って、リブ部材222の高さ寸法は、これらの条件を両立する高さに設定され、例えば、約0.5mm〜約0.9mm程度に設定される。
このリブ部材222は、導電性と耐蝕性とを有する金属から構成されている。なお、リブ部材222を構成する材料(材質)は、後述するベースコレクタ221と同材料であっても、相違する材料であってもよい。また、リブ部材222の断面形状は、図5(b)に示した矩形状に限らず、例えば、三角形や円形など、他の形状であってもよい。
一方、ベースコレクタ221は、単位セル10の空気極12に当接され、空気極12から集電する導電性の板状体である。かかるベースコレクタ221は、導電性と耐蝕性とを有する金属、例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金などに金メッキなどの耐蝕導電処理を施したものから作製される。
また、ベースコレクタ221は、図6に示すように、多数の孔が開口された多孔体として構成される。より詳細には、本実施形態のベースコレクタ221は、多数の大径孔221aと、大径孔221aの相当直径より小さい相当直径を有する多数の小径孔221bとを有するパンチングメタルとして構成されている。
ここで、「相当直径」とは、孔の周長(外周の長さ)を円周とみなし、その円周に対応する直径である。即ち、相当直径をRとし、孔の周長をLとした場合、R=L/πである。なお、大径孔221aは、本発明における大径孔に該当し、小径孔221bは、本発明における小径孔に該当する。
このように、空気極12に当接されるベースコレクタ221には、多数の孔221a,221bが開口されているので、空気極12へ空気を供給できると共に、電極反応によって生成される水を空気極12から排出することができる。
一般的に、孔の径が小さい程、孔内に水が溜まり易く、径が大きい程、孔内に水は溜まり難い。よって、大きさ(相当直径)の異なる孔(大径孔221a,小径孔221b)をベースコレクタ221に形成したことにより、空気極12から排出される水による孔の選択性をコントロールすることが可能となる。
即ち、相当直径の小さい小径孔221bは、空気極12から排出された水が溜まり易いので、水が小径孔221bへ選択的に流入して排出され易い孔として機能する。その一方で、相当直径の大きい大径孔221aは、空気極から排出された水による水膜が形成し難いので、水による閉塞が生じ難く、空気の供給が阻害され難い。
従って、本実施形態のセパレータ20は、大径孔221aが空気流通孔として機能し、小径孔221bが水流通孔として機能する。よって、空気極12への空気の供給性(ガス供給性)と、空気極12から排出される水(生成水)の排出性とを好適に両立させることができる。
特に、小孔径221bの相当直径R2は、空気極12における空気流路側の表面(本実施形態では、拡散層12a(図6参照)の表面)に、空気極12から排出された生成水によって形成される水膜の厚さの2倍以下に設計することが好ましい。なお、空気極12における空気流路側の表面に形成される水膜の厚さは、ベースコレクタ221の材質などにより制御できるので、例えば、空気極12における空気流路側の表面に形成される水膜の厚さが約200μmである場合には、ベースコレクタ221に穿孔する小径孔221bの相当直径を約400μm以下に設計することが好ましい。
小孔径221bの相当直径R2を、空気極12における空気流路側の表面に、空気極12から排出された生成水によって形成される水膜の厚さの2倍以下とすることにより、かかる小径孔221bの孔内に水が溜まり易く(即ち、水が流入され易く)なるので、空気極12から排出される水(電極反応による生成水)は、小径孔221bから選択的に排出させ易くなる。
また、小径孔221bから水を選択的に排出させ易くなったことにより、大径孔221aでは相対的に水による閉塞が防止されて、空気極12へ供給される空気の流路が確保される。よって、単位セル10(燃料電池スタック40)の発電効率をより好適に向上させることができる。
一方、小孔径221aの相当直径R1は、空気極12における空気流路側の表面に、空気極12から排出された生成水によって形成される水膜の厚さの3倍以上に設計することが好ましい。例えば、空気極12における空気流路側の表面に形成される水膜の厚さが約200μmである場合には、ベースコレクタ221に穿孔する大径孔221aの相当直径を約600μm以上に設計することが好ましい。
大孔径221aの相当直径R1を、空気極12における空気流路側の表面に、空気極12から排出された生成水によって形成される水膜の厚さの3倍以上とすることにより、大径孔221aが、空気極12から排出される水(電極反応による生成水)によって閉塞されることを防止でき、空気極12へ供給される空気の流路が確保される。よって、単位セル10(燃料電池スタック40)の発電効率をより好適に向上させることができる。
また、小径孔221bは、その内壁に親水的処理を施しておくことが好ましい。小径孔221bの内壁に親水的処理を施すことにより、小径孔221bの内壁の濡れ性が高まり、小径孔221bへの流入に対する水の選択性を増すことができる。その結果、空気極12から排出される水を、優先的に、小径孔221bへ流入させることができる。一方で、相対的に、大径孔221aは水により閉塞され難くなるので、空気極12へ供給される空気の流路が確保される。従って、単位セル10(燃料電池スタック40)の発電効率をより好適に向上させることができる。
小径孔221bの内壁に施す親水性処理としては、例えば、親水性処理剤(親水性材料)を内壁に塗布して親水性被膜を形成する方法を採用することができる。親水性処理剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリウレタン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、又はポリビニルアルコール等の親水性ポリマーや、固体高分子電解質(例えば、Nafion(登録商標:デュポン社製))や、酸化チタン(TiO)などが挙げられる。あるいは、親水性処理として、小径孔221bの内壁の粗面化する処理(例えば、プラズマ処理)を採用してもよい。
図7(a)に示すように、本実施形態では、小径孔221bにおける空気流路を臨む側の周囲には、本発明における第1の突起部に該当する突起部223が形成されている。よって、図7(b)に示すように、小径孔221bから排出される水Wの界面を、空気流路を流通する空気に触れ易くすることができる。その結果、水Wが空気流によって小径孔221bから飛散され易くなるので、小径孔221bからの水Wの排出を促進することができる。なお、図7(b)では、空気は紙面奥側から手前側の方向(図6における上側から下側の方向)に流通している。
突起部223は、例えば、ベースコレクタ221を構成するパンチングメタルのバリを利用することができる。即ち、板材に小径孔221bを穿孔する際に、空気極12との当接面となる側から空気流路側の面へ向けて(図7(a)では、下側から上側へ向けて)小径孔221bを打ち抜いた場合に生じるバリを利用することができる。あるいは、凸材の接合や、鋳造や、プレス加工などによって突起部223を形成してもよい。
なお、図7(a)及び図7(b)では、半円形の断面を有する突起部223を例示したが、突起部223の断面形状は、半円形に限らず、三角形や台形や矩形などの他の形状であってもよい。ここで、突起部223の断面形状は、小径孔221bの径より、水Wの出口となる部分の径を広げるテーパー部分を有していると、水Wが排出され易くなり、好ましい。また、突起部223の高さ(小径孔221bの出口から空気流路側へ向かう高さ)は極力高く設定する方が、空気流と接触し易くなるので好ましい。
突起部223の表面(特に、小径孔221bに連設して水Wの排出経路上となる表面)には、撥水性処理を施しておくことが好ましい。突起部223の表面に撥水性処理を施すことにより、出口側における水Wの表面張力が大きくなり、小径孔221bから排出される水Wの界面が空気流路側へ迫り出す。よって、小径孔221bから排出される水Wが空気流に触れ易くなると共に、空気流との接触面積が増えるので、水Wが空気流によって小径孔221bから飛散され易くなり、かかる水Wの排出を促進することができる。
突起部223の表面に施す撥水性処理としては、例えば、撥水性処理剤(撥水性材料)を当該表面に塗布して撥水性被膜を形成する方法を採用することができる。撥水性処理剤としては、例えば、PTFEなどのフッ素系樹脂や、シリコーン樹脂などが挙げられる。
また、図7(a)に示すように、大径孔221aにおける空気極12に当接する側の周囲には、本発明における第2の突起部に該当する突起部224が形成されている。よって、かかる突起部224を有するセパレータ20を介挿しつつ燃料電池スタック40を構成した場合には、図7(a)に示すように、突起部224が空気極12の拡散層12aに食い込み、単位セル10の横ずれを防止することができる。
かかる突起部224は、上述した突起部223と同様に、ベースコレクタ221を構成するパンチングメタルのバリを利用することができる。なお、突起部224を形成する場合には、突起部223を形成する場合とは逆に、空気流路側の面から空気極12との当接面となる側へ向けて(図7(a)では、上側から下側へ向けて)小径孔221bを打ち抜いた場合に生じるバリを利用する。また、凸材の接合や、鋳造や、プレス加工などによって突起部224を形成してもよい。
ベースコレクタ221に開口される孔(大径孔221a及び小径孔221b)の開口率は、約30〜約50%程度であることが好ましい。また、ベースコレクタ221に開口される大径孔221a及び小径孔221bは、図6に示すように、空気の流れに沿った方向に略平行に配列されることが好ましい。かかる配列によって、小径孔221bから排出された水が大径孔221aに戻されることを抑制できる。
以上説明したように、本発明の燃料電池用セパレータであるセパレータ20によれば、空気極側コレクタ22のベースコレクタ221に、相当直径の異なる孔(大径孔221a,小径孔221b)を開口したことにより、大径孔221aを空気排出孔として機能させ、小径孔221bを水排出孔として機能させることができる。
このように、相当直径の大きさに応じて空気排出孔としての機能と水排出孔としての機能を分離することができるので、空気極12への空気の供給性(ガス供給性)と、空気極12から排出される水(生成水)の排出性とを好適に両立させることができ、単位セル10及び燃料電池スタック40の発電効率を向上させることができる。
また、本発明の燃料電池用セパレータであるセパレータ20は、常圧の空気(酸化剤ガス)を燃料電池スタック40に供給する燃料電池システム100において使用されるので、小径孔221bを介して空気極12から排出される水は、常圧の空気流によって飛散される。よって、空気の圧力によって小径孔221bからの水の排出が抑制されず、水の飛散を効率的に行い得るので、小径孔221bからの水の排出が促進され、空気極12のフラッディングを抑制することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、空気極側コレクタ22についてのみ説明したが、燃料極側コレクタ23も、空気極側コレクタ22と同様に構成することができる。即ち、燃料極側コレクタ23を、ベースコレクタ221に相当するベースコレクタ231(図4(b)参照)と、リブ部材222に相当するリブ部材232(図4(b)参照)とから構成すればよい。燃料極側コレクタ23を空気極側コレクタ22と同様に構成し、大径孔221aに相当する多数の大径孔と小径孔221bに相当する多数の小径孔とをベースコレクタ232に開口することにより、空気極側コレクタ22と同様の効果を得ることができる。
特に、燃料極側コレクタ23のベースコレクタ232に開口される大径孔221に相当する孔における燃料極13に当接する側の周囲に突起部224に相当する突起部を形成することにより、燃料電池スタック40が構成された場合に、かかる突起部を燃料極13の表面に食い込ませることができるので、単位セル10の横ずれ防止に有効である。
なお、燃料極側コレクタ23のベースコレクタ232に開口される孔は、全て同径の孔としてもよい。ベースコレクタ232に開口される孔を全て同径の孔とした場合には、少なくとも一部の孔における燃料極13に当接する側の周囲には突起部224に相当する突起部を形成することにより、燃料電池スタック40における単位セル10の横ずれ防止に有効となる。
また、燃料極側コレクタ23のベースコレクタ232をパンチングメタルから構成することなく、他の多孔性の板材(例えば、エキスパンドメタル)から構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、大径孔221aの内壁に対する処理を未処理としたが、大径孔221aの内壁に撥水性処理を施すように構成してもよい。かかる撥水性処理は、突起部223の表面に施す撥水性処理として例示した方法によって行うことができる。大径孔221aの内壁に撥水性処理を施すことにより、水を優先的に小径孔221bへ流入させることができ、大径孔221aにおける水による閉塞を防止できる。
また、上記実施形態では、ベースコレクタ221へ開口する孔を大径孔221a及び小径孔221bの2種類としたが、相当直径の異なる3種類以上の孔を設ける構成としてもよい。しかし、ベースコレクタ221へ開口する孔は、大径孔221a及び小径孔221bの2種類とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、常圧の空気(酸化剤ガス)を燃料電池スタック40に供給する燃料電池システム100としたが、加圧された空気燃料電池スタック40に供給する燃料電池システムに対して、本発明の燃料電池用セパレータであるセパレータ20を用いることも可能である。しかし、空気流路を加圧空気が流通させた場合には、空気の圧力によって小径孔221bから水が排出され難くなる傾向があるので、上記実施形態において例示した燃料電池システム100にて、本発明の燃料電池用セパレータであるセパレータ20は最もその有効性を発揮させることができる。
本発明の燃料電池用セパレータを含んで構成される燃料電池システムの一実施形態を示す系統図である。 (a)は、本実施形態における燃料電池スタックを模式的に示す上面図であり、(b)は、燃料電池スタックを構成するセルモジュールを模式的に示す上面図である。 (a)は、セルモジュールを空気極側から見た正面図であり、(b)は、セルモジュールを燃料極側から見た正面図である。 (a)は、図3(a)のIVa−IVa矢視要部断面図であり、(b)は、図3(a)の矢視要部断面図である。 (a)は、空気極側コレクタをセパレータ本体側から見た正面図であり、(b)は、(a)におけるVb方向から見た側面図である。 図5(a)におけるVI部分の拡大図である。 (a)は、図6のVII−VII矢視要部断面図であり、(b)は、空気極側コレクタを介する空気の供給及び水の排出を示す模式図である。
符号の説明
10 単位セル(燃料電池)
11 固体高分子電解質膜
12 空気極(酸素極)
13 燃料極
20 セパレータ(燃料電池用セパレータ)
21 セパレータ本体
221 ベースコレクタ(コレクタ)
221a 大径孔
221b 小径孔
222 リブ部材
223 突起部(第1の突起部)
224 突起部(第2の突起部)
40 燃料電池スタック
100 燃料電池システム

Claims (8)

  1. 固体高分子電解質膜とその固体高分子電解質膜を両側から挟持する酸素極及び燃料極とを含んで構成される燃料電池を積層するときに、隣接する燃料電池間に配置される燃料電池用セパレータであって、
    導電性及びガス遮断性を有する板状のセパレータ本体と、
    前記隣接する燃料電池間に配置されるときに、前記酸素極及び前記燃料極にそれぞれ当接すると共に、多数の孔が開口されている導電性の板状のコレクタと、
    前記セパレータ本体と前記板状のコレクタとの間に介挿され、その配置によって前記酸素極又は前記燃料極へ供給するガスの流路を形成する複数本の導電性のリブ部材と、を備え、
    前記酸素極に当接するコレクタに開口される孔は、多数の大径孔と、前記大径孔の相当直径より小さい相当直径を有する多数の小径孔とから構成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記小径孔の相当直径は、生成水によって前記酸素極における前記ガス流路側の表面に形成される水膜厚さの2倍以下であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記小径孔は、その内壁に親水性処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記小径孔は、前記ガスの流路を臨む側の周囲に形成された第1の突起部を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記第1の突起部は、その表面に撥水性処理が施されていることを特徴とする請求項4記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記大径孔の相当直径は、生成水によって前記酸素極における前記ガス流路側の表面に形成される水膜厚さの3倍以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 前記小径孔以外の孔の少なくとも一部は、前記酸素極又は前記燃料極に当接する側の周囲に形成された第2の突起部を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  8. 前記酸素極へ供給する酸化剤ガスを常圧で供給する燃料電池システムにて使用される請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。



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