JP2020129502A - 電池セル、セルスタック、及びレドックスフロー電池 - Google Patents

電池セル、セルスタック、及びレドックスフロー電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の反応抵抗を低減できる電池セルを提供する。【解決手段】電解液が供給される電極と、前記電極に対向して配置される双極板とを備える電池セルであって、前記双極板は、前記電極側の面に前記電解液が流通する複数の溝部を有し、前記電極と前記双極板との間に介在され、前記各溝部に連通する少なくとも1つの貫通孔を有する導電フィルムを備え、前記貫通孔の開口面積が前記溝部の開口面積よりも小さい、電池セル。【選択図】図5

Description

本開示は、電池セル、セルスタック、及びレドックスフロー電池に関する。
大容量の蓄電池の一つとして、レドックスフロー電池(以下、「RF電池」と呼ぶ場合がある)が知られている(特許文献1、2を参照)。RF電池は、正極電解液が供給される正極電極と、負極電解液が供給される負極電極と、両電極間に介在される隔膜とを備える電池セルを主な構成要素とする。1つの電池セルは、双極板の間に、隔膜を挟んで正負の電極が対向するように配置されて構成される。一般に、RF電池では、セルスタックと呼ばれる複数の電池セルを備える積層体が利用される。セルスタックは、双極板、正極電極、隔膜、負極電極を順に繰り返し積層した構造となっている。正極電極と負極電極との間には、双極板が配置される。
特開2015−210849号公報 国際公開第2016/189970号
RF電池において、電池性能の更なる向上が望まれている。具体的には、電池セルの内部抵抗を低減することが求められている。特に、電極の反応抵抗を低減することが求められている。
そこで、本開示は、電極の反応抵抗を低減できる電池セルを提供することを目的の一つとする。また、本開示は、電池性能を向上できるセルスタックを提供することを目的の一つとする。更に、本開示は、電池性能に優れるレドックスフロー電池を提供することを目的の一つとする。
本開示の電池セルは、
電解液が供給される電極と、前記電極に対向して配置される双極板とを備える電池セルであって、
前記双極板は、前記電極側の面に前記電解液が流通する複数の溝部を有し、
前記電極と前記双極板との間に介在され、前記各溝部に連通する少なくとも1つの貫通孔を有する導電フィルムを備え、
前記貫通孔の開口面積が前記溝部の開口面積よりも小さい。
本開示のセルスタックは、
上記本開示の電池セルを備える。
本開示のレドックスフロー電池は、
上記本開示の電池セル、又は上記本開示のセルスタックを備える。
本開示の電池セルは、電極の反応抵抗を低減できる。また、本開示のセルスタックは、電池性能を向上できる。更に、本開示のレドックスフロー電池は、電池性能に優れる。
図1は、実施形態に係るレドックスフロー電池の動作原理図である。 図2は、実施形態に係るレドックスフロー電池の一例を示す概略構成図である。 図3は、実施形態に係るセルスタックの一例を示す概略構成図である。 図4は、実施形態に係るセルスタックに備えるセルフレームを一面側から見た概略平面図である。 図5は、実施形態に係る電池セルに備える導電フィルムの一例を示す概略平面図である。 図6は、実施形態に係る電池セルの一例を示す概略断面図である。 図7は、実施形態に係る電池セルに備える導電フィルムの別の一例を示す概略平面図である。
特許文献1、2は、電池セル内における電解液の流通抵抗による圧力損失を低減することを目的として、双極板における電極と対向する面(電極側の面)に電解液が流通する複数の溝部からなる流路を形成することを開示する。更に、特許文献2は、電極の厚さ方向に電解液が浸透、拡散し易くすることを目的として、電極における双極板の流路に対向する領域に複数の凹部を設けることを開示する。特許文献2には、電極における特定の位置に複数の凹部を備えることで、電解液の拡散抵抗を低減できるため、電池セルの内部抵抗を低減できることが記載されている。
RF電池の電極は、電解液に含まれる活物質(金属イオン)の電池反応を促進させる反応場として機能する。電池セルを構成する電極には、カーボンフェルトなどの多孔質材料が利用されている。電池セルにおいて、電極内に電解液が浸透、拡散して、電解液中の活物質が電極内で電池反応を行い、反応後の電解液が電極から排出される。
RF電池の電池性能を向上させるためには、電池セルの内部抵抗(セル抵抗)を低減する必要がある。電池セルのセル抵抗の原因としては、電極の導電抵抗や反応抵抗が挙げられる。しかし、溝部を有する溝付き双極板に電極が直接接するように配置する従来の電池セルの構成では、電極の反応抵抗を低減させることについて、必ずしも十分な検討がなされているとは言えなかった。
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、従来の構成では、電極の反応抵抗が大きくなる場合がある。その理由は次のように考えられる。双極板に溝部を有する場合、溝部に流通する電解液が電極内に流入する、或いは、電極内を流通した電解液が溝部に流出するように流れる。双極板の溝部と電極との間を電解液が移動するとき、電極における双極板の溝部上に位置する部分では、電解液の流れが悪くなる。これは、電解液が電極の厚さ方向(双極板と電極との積層方向)よりも厚さ方向と直交する方向(電極の面に沿った方向)に流れ易いため、溝部上に位置する電極の部分で電解液が停滞し易いからである。したがって、溝部上に位置する電極の部分を電解液の電池反応に有効利用できない場合がある。この場合、電極の反応抵抗が大きくなるおそれがある。
また、特許文献2のように、双極板の溝部上に位置する電極の部分に凹部を設けることによって、電極の厚さ方向に電解液を流れ易くすることが考えられる。しかし、電極に凹部を設けると、電極の体積が減ることから、反応場が減少することになる。反応場が減少すると、電極の反応面積を十分に確保できず、反応抵抗の増大を招く場合がある。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係る電池セルは、
電解液が供給される電極と、前記電極に対向して配置される双極板とを備える電池セルであって、
前記双極板は、前記電極側の面に前記電解液が流通する複数の溝部を有し、
前記電極と前記双極板との間に介在され、前記各溝部に連通する少なくとも1つの貫通孔を有する導電フィルムを備え、
前記貫通孔の開口面積が前記溝部の開口面積よりも小さい。
本開示の電池セルは、電極と双極板との間に介在される導電フィルムに双極板の各溝部に連通する貫通孔を有する。そのため、電解液が双極板の溝部と電極との間を移動するとき、電解液が導電フィルムの貫通孔を通ることによって、貫通孔の軸方向に沿った方向に電解液が案内される。これにより、貫通孔の軸方向に沿う方向に電解液の流れが生じる。つまり、貫通孔が開口する溝部上に位置する電極の部分において、電極の厚さ方向に電解液の流れが生じ、電極の厚さ方向に電解液が流れ易くなる。よって、電極における双極板の溝部上に位置する部分において電解液の流れがスムーズになり、溝部上に位置する電極の部分を電解液の電池反応に有効利用することが可能である。したがって、本開示の電池セルは、電極の反応抵抗を低減できる。そのため、本開示の電池セルは、電極の反応抵抗に起因するセル抵抗を低減でき、RF電池の電池性能を向上させることができる。
また、本開示の電池セルは、特許文献2のように双極板の溝部上に位置する電極の部分に凹部を設ける必要がないため、反応場を十分に確保できる。
更に、本開示の電池セルは、双極板における電極側の面に溝部を有することで、電池セル内を流れる電解液の流通抵抗を小さくできる。そのため、電池セルでの電解液の圧力損失を低減できる。
(2)本開示の電池セルの一形態として、
前記貫通孔は、前記溝部の長手方向に沿って複数設けられていることが挙げられる。
上記形態は、双極板の溝部の長手方向に沿って複数の貫通孔が導電フィルムに設けられていることで、電解液が各貫通孔を通って双極板の溝部と電極との間を移動する。上記形態は、電極における双極板の溝部上に位置する部分において電解液の分布を均一化し易い。そのため、溝部上に位置する電極の部分を電解液の電池反応により有効に利用できる。よって、上記形態は、電極の反応抵抗を効果的に低減できる。
(3)本開示の電池セルの一形態として、
前記溝部は、前記電解液を前記電極に導入する1つ以上の導入溝部と、前記電解液を前記電極から排出する1つ以上の排出溝部とを含み、
前記導入溝部と前記排出溝部とが交互に並んで配置されていることが挙げられる。
上記形態は、導入溝部と排出溝部とが交互に並んで配置されていることで、電解液が導入溝部と排出溝部との間を跨ぐように電極内を流通する。そのため、電極内に流通する電解液の量が増え、電解液の電池反応がより活性化される。よって、上記形態は、電極の反応抵抗をより低減できる。また、上記形態は、電極内における電解液の分布をより均一化し易く、電極の広範囲で電池反応が均一に起こり易くなる。そのため、電極の反応抵抗を効果的に低減できる。
(4)本開示の電池セルの一形態として、
前記排出溝部に連通する前記貫通孔の開口面積が前記導入溝部に連通する前記貫通孔の開口面積よりも小さいことが挙げられる。
上記形態は、排出溝部に連通する貫通孔の開口面積が導入溝部に連通する貫通孔の開口面積よりも小さいことで、貫通孔が開口する排出溝部上に位置する電極の部分において、電極の厚さ方向に電解液の流れが生じ易くなる。そのため、排出溝部上に位置する電極の部分を電解液の電池反応により有効に利用できる。よって、上記形態は、電極の反応抵抗をより効果的に低減できる。
(5)本開示の電池セルの一形態として、
前記双極板に前記導電フィルムが溶着されていることが挙げられる。
上記形態は、双極板に導電フィルムが溶着されていることで、双極板と導電フィルムとの間の接触抵抗を低減できる。よって、上記形態は、双極板と導電フィルムとの接触抵抗に起因するセル抵抗を低減できる。更に、双極板に導電フィルムが溶着されていることで、双極板に対する導電フィルムの位置ずれを防止できるので、電池セルの組立作業が容易になる。
(6)本開示の実施形態に係るセルスタックは、
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の電池セルを備える。
本開示のセルスタックは、上記本開示の電池セルを備えることで、電極の反応抵抗を低減できるため、セル抵抗を低減できる。したがって、本開示のセルスタックはRF電池の電池性能を向上させることができる。
(7)本開示の実施形態に係るレドックスフロー電池は、
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の電池セル、又は上記(6)に記載のセルスタックを備える。
本開示のレドックスフロー電池は、上記本開示の電池セル、又は本開示のセルスタックを備えることで、電極の反応抵抗を低減できるため、セル抵抗を低減できる。したがって、本開示のレドックスフロー電池は電池性能に優れる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電池セル、セルスタック、及びレドックスフロー電池(RF電池)の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一又は相当部分を示す。なお、本願発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
《RF電池》
図1〜図6を参照して、実施形態に係るRF電池1、並びに、RF電池1に備える電池セル10及びセルスタック2の一例を説明する。図1、図2に示すRF電池1は、正極電解液及び負極電解液として、酸化還元により価数が変化する金属イオンを活物質として含有する電解液を使用する。RF電池1は、正極電解液に含まれるイオンの酸化還元電位と、負極電解液に含まれるイオンの酸化還元電位との差を利用して充放電を行う。ここでは、RF電池1の一例として、正極電解液及び負極電解液にバナジウム(V)イオンを含有するバナジウム電解液を使用したバナジウム系RF電池を示す。図1中の電池セル10内の実線矢印は充電反応を、破線矢印は放電反応をそれぞれ示している。RF電池1は、交流/直流変換器80を介して電力系統90に接続されている。RF電池1は、例えば、負荷平準化用途、瞬低補償、非常用電源などの用途、太陽光発電、風力発電といった自然エネルギー発電の出力平滑化用途に利用される。RF電池1は、正極電解液にマンガンイオンを含み、負極電解液にチタンイオンを含むマンガン−チタン系RF電池などでもよい。電解液は公知の組成のものを利用できる。
RF電池1は、充放電を行う電池セル10と、電解液を貯留するタンク106、107と、タンク106、107と電池セル10との間で電解液を循環させる循環流路100P、100Nとを備える。
《電池セル》
電池セル10は、図1に示すように、正極電極14と、負極電極15と、両電極14、15間に介在される隔膜11とを備える。電池セル10の構造は、隔膜11を挟んで正極セル12と負極セル13とに分離され、正極セル12に正極電極14、負極セル13に負極電極15が内蔵されている。電池セル10は、図2に示すように、双極板31の間に、正極電極14と負極電極15とが隔膜11を介して対向するように配置されて構成される(図3も参照)。
本実施形態の電池セル10の特徴の1つは、後述する図4に示すように、双極板31における正極電極14及び負極電極15の各電極に対向する面(以下、「電極側の面」という)に電解液が流通する複数の溝部400を有する点にある。また、電池セル10の特徴の1つは、図3に示すように、正極電極14及び負極電極15と双極板31との間に介在される導電フィルム5を備え、導電フィルム5が各溝部400に連通する少なくとも1つの貫通孔50(図5、図6参照)を有する点にある。以下では、RF電池1及び電池セル10の概要を先に説明し、その後に双極板31、導電フィルム5の詳細について説明する。
(電極)
正極電極14及び負極電極15の各電極には、電解液(正極電解液及び負極電解液)が供給される。正極電極14及び負極電極15は、電解液中の活物質が電池反応を行う反応場として機能する。正極電極14及び負極電極15は、導電性を有する多孔質材料で形成されている。各電極内には電解液が流通する。正極電極14及び負極電極15には、例えば、カーボンフェルト、カーボンクロス、カーボンペーパーなどが好適に利用できる。隔膜11は、例えば、水素イオンを透過するイオン交換膜で形成されている。
電池セル10(正極セル12及び負極セル13)には、図1、図2に示すように、循環流路100P、100Nを通して電解液(正極電解液及び負極電解液)が循環する。正極セル12には、正極電解液を貯留する正極電解液タンク106が正極循環流路100Pを介して接続されている。同様に、負極セル13には、負極電解液を貯留する負極電解液タンク107が負極循環流路100Nを介して接続されている。各循環流路100P、100Nは、各タンク106、107から電池セル10へ電解液を送る往路配管108、109と、電池セル10から各タンク106、107へ電解液を戻す復路配管110、111とを有する。各往路配管108、109には、各タンク106、107に貯留される電解液を圧送するポンプ112、113が設けられている。このポンプ112、113により電解液が電池セル10に循環される。
《セルスタック》
RF電池1は、単数の電池セル10を備える単セル電池であってもよいし、複数の電池セル10を備える多セル電池であってもよい。多セル電池では、図2に示すような、複数の電池セル10が積層されたセルスタック2が利用される。セルスタック2は、図3に示すように、複数のサブスタック200をその両側から2枚のエンドプレート220で挟み込み、両側のエンドプレート220を締付機構230で締め付けることで構成されている。図3は、複数のサブスタック200を備えるセルスタック2を例示している。サブスタック200は、セルフレーム3、正極電極14、隔膜11、負極電極15の順に繰り返し積層され、その積層体の両端に給排板210が配置された構造である。給排板210には、各循環流路100P、100N(図1、図2参照)の往路配管108、109及び復路配管110、111が接続される。
(セルフレーム)
セルフレーム3は、図3に示すように、正極電極14と負極電極15との間に配置される双極板31と、双極板31の周囲に設けられる枠体32とを有する(図4も参照)。双極板31の一面側には、正極電極14が対向するように配置される。双極板31の他面側には、負極電極15が対向するように配置される。枠体32の内側には、双極板31が設けられ、双極板31と枠体32により凹部32oが形成される。凹部32oは、双極板31の両側にそれぞれ形成される。一方の凹部32o内に正極電極14が収納され、他方の凹部32o内に負極電極15が収納されることにより、正極電極14及び負極電極15が双極板31を挟んで配置される。
双極板31は、電流を通すが電解液を通さない導電性材料、例えば導電性プラスチック(具体例プラスチックカーボン)などで形成されている。枠体32は、例えば、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などのプラスチックで形成されている。セルフレーム3は、双極板31の周囲に枠体32が射出成型などにより一体化することで製造することが挙げられる。その他、セルフレーム3は、双極板31の外周部と枠体32の内周部との間にシール部材を配置し、双極板31の外周部と枠体32の内周部とを重ね合わせることで製造することもできる。
セルスタック2(サブスタック200)では、隣接する各セルフレーム3の枠体32の一面側と他面側とが互いに対向して突き合わされる。隣接する各セルフレーム3における双極板31の間にそれぞれ1つの電池セル10が形成される(図3参照)。換言すれば、隣り合う電池セル10の間に双極板31が介在される。各電極14、15は、電池セル10を構成したときに枠体32の各凹部32o内に収納される。各セルフレーム3の枠体32の間には、電解液の漏洩を抑制するため、Oリング又は平パッキンなどの環状のシール部材37(図2、図3参照)が配置されている。枠体32には、シール部材37を配置するためのシール溝38(図4参照)が形成されている。
電池セル10における電解液の流通は、セルフレーム3の枠体32に貫通して形成された給液マニホールド33、34及び排液マニホールド35、36と、枠体32に形成された給液スリット33s、34s及び排液スリット35s、36sにより行われる。この例に示すセルフレーム3(枠体32)の場合、正極電解液は、枠体32の下部に形成された給液マニホールド33から枠体32の一面側に形成された給液スリット33sを介して双極板31の一面側に供給される。供給された正極電解液は、枠体32の上部に形成された排液スリット35sを介して排液マニホールド35に排出される。同様に、負極電解液は、枠体32の下部に形成された給液マニホールド34から枠体32の他面側に形成された給液スリット34sを介して双極板31の他面側に供給される。供給された負極電解液は、枠体32の上部に形成された排液スリット36sを介して排液マニホールド36に排出される。給液マニホールド33、34及び排液マニホールド35、36は、セルフレーム3が積層されることによって電解液の流路を構成する。これら流路は、給排板210(図3参照)を介して各循環流路100P、100N(図1、図2参照)の往路配管108、109及び復路配管110、111にそれぞれ連通している。これにより、給液マニホールド33、34及び排液マニホールド35、36を介して電池セル10内に電解液を流通させることが可能である。
この例に示す電池セル10では、双極板31の下縁側から電解液が供給され、双極板31の上縁側から電解液が排出されるように構成されている。この例では、双極板31の下縁部から上縁部に向かって電池セル10内を電解液が流れる。つまり、電池セル10における全体的な電解液の流れる方向は、紙面上方向となる。
(双極板)
双極板31は、図4に示すように、電極側の面に電解液が流通する複数の溝部400を有する流路40を備える。図4では、分かり易くするため、流路40(溝部400)が形成されていない部分にハッチングを付している。双極板31の平面形状は矩形状である。図4に示す双極板31の一面側(紙面表側)は、正極電極14(図3参照、図4では図示略)に対向する面である。双極板31の他面側(紙面裏側)は、負極電極15(図3参照、図4では図示略)に対向する面である。また、図4に示す双極板31において、給液スリット33sにつながる下側の縁部は正極電解液が供給される供給側である。双極板31において、排液スリット35sにつながる上側の縁部は正極電解液が排出される排出側である。図4中、紙面左側の太線矢印は、電解液の流通方向を示す。
複数の溝部400は、電解液の流通方向(紙面上下方向)に沿って形成され、互いに間隔をあけて並列に設けられている。図4に示す溝部400は、正極電解液を正極電極14(図3参照)に導入する導入溝部410と、正極電解液を正極電極14から排出する排出溝部420とを含む。導入溝部410と排出溝部420とは等間隔に交互に並んで配置されている。図4に示す流路40は、導入溝部410を有する導入路41と、排出溝部420を有する排出路42とを備える。
この例では、図4に示すように、導入溝部410は、その一端が双極板31の下側縁部に連通し、他端が上側縁部まで一定長さを残して形成されている。排出溝部420は、その一端が双極板31の上側縁部に連通し、他端が下側縁部まで一定長さを残して形成されている。導入溝部410(導入路41)と排出溝部420(排出路42)とは、連通せずに独立している。
また、この例では、導入路41は、双極板31の下側縁部に沿って形成された導入側整流溝部411を有する。各導入溝部410の一端が導入側整流溝部411に連通している。排出路42は、双極板31の上側縁部に沿って形成された排出側整流溝部421を有する。各排出溝部420の一端が排出側整流溝部421に連通している。導入側整流溝部411は、給液スリット33sから供給された電解液を各導入溝部410に分配する。排出側整流溝部421は、各排出溝部420から排出される電解液を排液スリット35sに集約する。この例では、導入側整流溝部411と排出側整流溝部421とを双極板31に設けているが、導入側整流溝部411と排出側整流溝部421は、枠体32に設けることも可能である。
流路40は、図4に示すように、導入路41と排出路42とがそれぞれ櫛歯形状の領域を有し、それぞれの櫛歯が互いに噛み合って対向するように配置される噛合型の対向櫛歯形状である。
なお、この例では、導入溝部410の一端が双極板31の下側縁部(導入側整流溝部411)に連通すると共に、排出溝部420の一端が双極板31の上側縁部(排出側整流溝部421)に連通する場合を説明したが、これに限定されない。導入溝部410の一端又は排出溝部420の一端はそれぞれ、双極板31の下側縁部(導入側整流溝部411)又は上側縁部(排出側整流溝部421)に連通していなくてもよい。この場合、導入溝部410の一端と双極板31の下側縁部との間、又は、排出溝部420の一端と双極板31の上側縁部との間に間隔が生じる。そして、導入溝部410の一端と双極板31の下側縁部との間の間隔と、排出溝部420の他端と双極板31の下側縁部との間の間隔とを比較したとき、導入溝部410の一端側の方が双極板31の下側縁部との距離が短く、間隔が小さい。そのため、給液スリット33sから供給される電解液は、主に導入溝部410を通って導入される。また、排出溝部420の一端と双極板31の上側縁部との間の間隔と、導入溝部410の他端と双極板31の上側縁部との間の間隔とを比較したとき、排出溝部420の一端側の方が双極板31の上側縁部との距離が短く、間隔が小さい。そのため、排液スリット35sから排出される電解液は、主に排出溝部420を通って排出されることになる。つまり、導入溝部410は、正極電極14(図3参照)に供給される電解液が主として流れる溝といえる。排出溝部420は、正極電極14(図3参照)から排出される電解液が主として流れる溝といえる。
双極板31は、電極側の面に溝部400を有することで、電池セル10(図2、図3参照)内を流れる電解液の流通抵抗を小さくできる。よって、電池セル10での電解液の圧力損失を低減できる。また、図4に示すように、双極板31において、導入路41(導入溝部410)と排出路42(排出溝部420)とを備えることで、供給された正極電解液を正極電極14(図3参照)の全面に均一に行き渡らせ易い。給液スリット33sから双極板31の一面側に供給された正極電解液は、導入路41の導入側整流溝部411を介して各導入溝部410を流れ、双極板31の一面側(正極電極14側の面)に広く行き渡る。各導入溝部410に流れる正極電解液は、後述する図5、図6に示すように、導電フィルム5の貫通孔50(導入孔51)を通って正極電極14に導入される。正極電極14内では、導入溝部410と隣り合う排出溝部420との間を跨ぐように正極電解液が流通し、電池反応が行われる。正極電極14内を流通した正極電解液は、導電フィルム5の貫通孔50(排出孔52)を通って各排出溝部420に排出される。各排出溝部420に流れる正極電解液は、排出側整流溝部421を介して排液スリット35sから排出される。本例のように、導入溝部410と排出溝部420とが交互に並んで配置されている場合、正極電解液が導入溝部410と排出溝部420との間を跨ぐように正極電極14内を流通することで、未反応のまま排出される電解液が減少することが期待できる。
図4では、双極板31の一面側(正極電極14側の面)しか図示していないが、双極板31の他面側(負極電極15側の面)にも、一面側と同様に、負極電解液が流通する複数の溝部を有する流路が形成されている。双極板31の他面側に形成された負極電解液用の溝部(流路)の構成は、図4に示す正極電解液用の溝部400(流路40)と同様であるので、その説明を省略する。
この例では、各溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)が電解液の流通方向に沿って直線的に形成されている。各溝部400の寸法(長さ、幅、深さ)は実質的に同じであり、各溝部400の開口面積が略同一である。各溝部400の断面形状(溝部400の長手方向(電解液の流通方向)に直交する断面の形状)は、実質的に等しく長手方向に一様である。ここでいう溝部400の長さとは、溝部400の一端から他端までの長さであり、電解液の流通方向(図4の上下方向)に沿った長さを意味する。溝部400の長さ、幅(開口幅)及び深さ、並びに、隣り合う溝部400の間隔及び溝部400の数は、双極板31のサイズ、厚さなどに応じて適宜選択することができ、特に限定されない。溝部400の断面形状は、例えば、矩形状、三角形状(V字状)、台形状、半円形状、半楕円形状などが挙げられる。この例では、溝部400の断面形状が略矩形状である(図6参照)。
溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)の長さが長いほど、電解液の流通抵抗を低減する効果が期待できる。また、溝部400の長さが長いほど、隣り合う導入溝部410と排出溝部420との間で双極板31の幅方向(図4の左右方向)に重複する範囲が増える。そのため、導入溝部410と排出溝部420との間を跨ぐように流れる電解液の量が増加することが期待できる。溝部400の長さ(図4中、Lgで示される一端から他端までの長さ)は、例えば双極板31の上下方向の長さの75%以上、更に80%以上、85%以上、90%以上であることが挙げられる。溝部400の長さの上限は、例えば双極板31の上下方向の長さの95%以下である。
溝部400の断面積(溝部400の長手方向に直交する断面の面積)が大きいほど、電解液の流通抵抗を低減できるため、圧力損失を低減できる。溝部400の幅は、溝部400の断面積を十分に確保できるように、溝部400の深さに応じて適宜選択することが挙げられる。溝部400の幅(図4中、Wgで示される開口幅)は、例えば0.5mm以上10mm以下、更に1mm以上5mm以下であることが挙げられる。溝部400の深さ(図6中、Dgで示される開口から底までの深さ)は、例えば双極板31の厚さの10%以上45%以下、更に35%以下であることが挙げられる。本例のように、双極板31の両面に溝部400(流路40)を設ける場合、双極板31を平面透視したとき、表裏の各溝部400を双極板31の厚さ方向に重複するように設けることが挙げられる。溝部400が深過ぎると、溝部400が形成された部分で双極板31の厚みが薄くなるため、機械的強度の低下を招く。具体的な溝部400の深さは、例えば0.5mm以上5mm以下、更に1mm以上3mm以下であることが挙げられる。
隣り合う溝部400の間隔(導入溝部410と排出溝部420との間隔)は、例えば溝部400の幅(開口幅)の1倍以上であることが挙げられる。溝部400の間隔が大き過ぎると、溝部400の本数が少なくなる。溝部400の間隔の上限は、例えば溝部400の幅(開口幅)の30倍以下、更に20倍以下である。具体的な溝部400の間隔は、例えば0.5mm以上30mm以下、更に1mm以上15mm以下であることが挙げられる。
この例では、各溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)の寸法及び断面形状が同じであるが、各導入溝部410及び各排出溝部420の寸法が異なっていてもよいし、それぞれの断面形状が異なっていてもよい。更に、各導入溝部410と隣り合う排出溝部420との間隔を異ならせることも可能である。また、この例では、各溝部400は、その全長にわたって幅及び深さ(断面積)が一様であるが、溝部400の形態はこれに限定されるものではない。例えば、溝部400の一端から他端に向かって徐々に溝部400の幅が狭くなる形態でもよいし、或いは、溝部400の一端から他端に向かって徐々に溝部400の深さが浅くなる形態でもよい。例えば、導入溝部410の幅及び深さの一方又は双方が、双極板31の下側縁部(導入側整流溝部411)側から上側縁部(排出側整流溝部421)側に向かって小さくなることが挙げられる。排出溝部420の幅及び深さの一方又は双方が、双極板31の上側縁部(排出側整流溝部421)側から下側縁部(導入側整流溝部411)側に向かって小さくなることが挙げられる。
双極板31には、例えば導電性プラスチックが好適に利用できる。双極板31の構成材料としては、炭素材と有機材とを含有する複合材料、具体的には、黒鉛などの導電性無機材と有機化合物とを含有する導電性プラスチックが挙げられる。炭素材としては、黒鉛、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの粒子及び繊維の少なくとも一方が挙げられる。炭素材には、黒鉛を用いることが好ましい。炭素材は、黒鉛を主成分とし、その一部をカーボンブラック、DLCなどに置換してもよい。導電性無機材には、炭素材に加えて、アルミニウムなどの金属の粒子及び繊維の少なくとも一方が含まれる。有機化合物としては、ポリオレフィン系有機化合物、塩素化有機化合物などが挙げられる。ポリオレフィン系有機化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが挙げられる。塩素化有機化合物としては、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィンなどが挙げられる。
(導電フィルム)
導電フィルム5は、正極電極14及び負極電極15の各電極と双極板31との間に介在される(図3参照)。導電フィルム5は、電極及び双極板31と接触する。導電フィルム5は、図5、図6に示すように、双極板31の各溝部400に連通する貫通孔50を有する。貫通孔50の開口面積は溝部400の開口面積よりも小さい。ここでは、導入溝部410に連通する貫通孔50を導入孔51と呼び、排出溝部420に連通する貫通孔50を排出孔52と呼ぶ。図5では、導電フィルム5を双極板31の一面側に配置した状態を示しており、説明の便宜上、正極電極14を図示していない。なお、図5、図6では、双極板31の一面側(正極電極14側の面)に配置される導電フィルム5のみを図示しているが、双極板31の他面側(負極電極15側の面)にも、一面側と同様に、導電フィルムが配置されている。双極板31の他面側に配置された導電フィルムの構成は、図5に示す導電フィルム5と同様であるので、その説明を省略する。
導電フィルム5は、図5に示すように、双極板31の電極側の面の全面を覆うように形成されている。この例では、導電フィルム5の平面形状が双極板31と同じ矩形状であり、導電フィルム5の面積が双極板31の面積と略等しい。
導電フィルム5は、双極板31と正極電極14との間の電気的な導通を確保する観点から、導電性材料で形成されている。導電フィルム5の構成材料には、例えば導電性プラスチック、導電性金属が好適に利用できる。導電性金属としては、高い導電性と電解液に対する耐食性とを有する金属、例えばチタンなどが挙げられる。導電フィルム5は、双極板31よりも導電率が高いことが好ましい。そのため、導電フィルム5は、導電性金属で形成されていることが好ましく、例えば、導電性金属で形成された基材の表面にカーボンがコーティングされたものが挙げられる。導電フィルム5の厚さは、例えば0.1mm以上1mm以下、更に0.3mm以上0.5mm以下であることが挙げられる。導電フィルム5の厚さが1mm以下であることで、電池セル10(図3参照)を薄型化することができ、延いてはセルスタック2を小型化できる。
導電フィルム5は、双極板31の電極側の面に溶着されていることが好ましい。これにより、双極板31と導電フィルム5との間の接触抵抗を低減できる。更に、双極板31に導電フィルム5が溶着されていることで、双極板31に対する導電フィルム5の位置ずれを防止できるので、電池セル10(図3参照)の組立作業が容易になる。導電フィルム5は、双極板31に接着されていてもよい。導電フィルム5と双極板31とが接する面同士が部分的に溶着又は接着されていてもよいし、全面的に溶着又は接着されていてもよい。
導電フィルム5には、図5、図6に示すように、その厚さ方向に貫通する貫通孔50が設けられている。この例では、貫通孔50(導入孔51及び排出孔52)が双極板31の各溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)に対応する位置に形成されている。また、1つの溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)に対し、複数の貫通孔50(導入孔51及び排出孔52)が溝部400の長手方向に沿って等間隔に設けられている。本例のように、双極板31に導入側整流溝部411、排出側整流溝部421が設けられている場合は、導入側整流溝部411及び排出側整流溝部421の少なくとも一方に対応する位置に貫通孔50が形成されていてもよい。
導電フィルム5が双極板31の各溝部400に連通する貫通孔50を有することで、電解液が双極板31の溝部400と正極電極14との間を移動するときの電解液の流れを調整することができる。この例では、図5、図6に示すように、各導入溝部410に流れる正極電解液が、導入孔51を通って正極電極14に導入され、導入溝部410と排出溝部420との間を跨ぐように正極電極14内を流通する。正極電極14内を流通した後、正極電解液は排出孔52を通って各排出溝部420に排出される。電解液が導電フィルム5の貫通孔50(導入孔51及び排出孔52)を通ることによって、貫通孔50の軸方向に沿う方向に電解液が案内され、その方向に電解液の流れが生じる。つまり、貫通孔50(導入孔51及び排出孔52)が開口する溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)上に位置する正極電極14の部分において、電極の厚さ方向に電解液の流れが生じ、その方向に電解液が流れ易くなる。よって、正極電極14における双極板31の溝部400上に位置する部分での電解液の流れがスムーズになり、溝部400上に位置する正極電極14の部分を電解液の電池反応に有効利用することが可能である。したがって、電極の反応抵抗が減少する。図5中、上方向の破線矢印は、各溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)での電解液の流れを模式的に示し、左右方向の実線矢印は、正極電極14(図示せず)での電解液の流れを模式的に示す。図6中、実線矢印は、溝部400と正極電極14との間を移動するときの電解液の流れを示す。
各溝部400に連通する貫通孔50の開口面積は各溝部400の開口面積よりも小さい。ここで、1つの溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)に対して貫通孔50(導入孔51及び排出孔52)が複数ある場合、貫通孔50の開口面積は各貫通孔50の合計の開口面積とする。溝部400の開口面積は、溝部400の一端から他端までの開口面積であり、導入側整流溝部411及び排出側整流溝部421の部分を含まないものとする。溝部400の開口面積に対する貫通孔50の開口面積の割合(%)は、例えば5%以上70%以下、更に10%以上60%以下、20%以上50%以下であることが挙げられる。貫通孔50の開口面積の割合が5%以上、特に10%以上であることで、正極電極14内に流通する電解液の量を確保し易い。貫通孔50の開口面積の割合が70%以下、特に60%以下であることで、貫通孔50の軸方向に沿う方向に電解液の流れがより生じ易い。これにより、貫通孔50が開口する溝部400上に位置する正極電極14の部分において、電解液の滞留を効果的に抑制できる。そのため、溝部400上に位置する正極電極14の部分において、電極の厚さ方向への電解液の流れを確保し易い。
本例の導電フィルム5のように、双極板31の各溝部400に連通する貫通孔50が溝部400の長手方向に沿って複数設けられている場合、正極電極14における溝部400上に位置する部分での電解液の分布を均一化し易い。そのため、溝部400上に位置する正極電極14の部分をより有効に電解液の電池反応に利用できるので、電極の反応抵抗を効果的に低減できる。
この例に示す各貫通孔50の開口形状は円形状である。貫通孔50の開口形状は、円形状に限定されるものではなく、例えば、楕円形状、多角形状などであってもよい。多角形状としては、例えば、三角形状、四角形状、六角形状などが挙げられる。四角形状には、例えば、長方形状、台形状、菱形状などが含まれる。
この例では、各貫通孔50の開口寸法(開口幅、開口長さ)が実質的に同じであり、各貫通孔50の開口面積が略同一である。貫通孔50の開口幅及び開口長さは、各溝部400の寸法に応じて適宜選択することができる。貫通孔50の開口幅とは、溝部400の幅方向に沿った幅の最大値をいう。貫通孔50の開口長さとは、溝部400の長手方向に沿った長さの最大値をいう。貫通孔50の開口形状が円形状の場合、貫通孔50の開口幅及び開口長さが貫通孔50の開口径(直径)に等しい。貫通孔50の開口幅は、例えば溝部400の開口幅の10%以上100%以下、更に20%以上80%以下であることが挙げられる。具体的な貫通孔50の開口幅は、例えば0.1mm以上2mm以下、更に0.5mm以上1.5mm以下、0.8mm以上1mm以下であることが挙げられる。貫通孔50の開口長さは、貫通孔50の開口面積が上記割合を確保できるように、貫通孔50の開口幅に応じて適宜選択することが挙げられる。また、本例のように、溝部400に対して複数の貫通孔50が設けられている場合、各貫通孔50の開口長さは、各貫通孔50の合計の開口面積が上記割合を満たすように選択すればよい。
各溝部400に対する貫通孔50の数は、溝部400の長さに応じて適宜選択することが挙げられる。溝部400の長手方向に隣り合う貫通孔50の間隔は、例えば50mm以下、更に30mm以下、10mm以下であることが挙げられる。貫通孔50の間隔が50mm以下、特に10mm以下であることで、正極電極14内に流通する電解液の分布を均一化し易い。貫通孔50の間隔の下限は、例えば1mm以上である。
この例では、各溝部400(導入溝部410及び排出溝部420)に対する各貫通孔50(導入孔51及び排出孔52)の開口面積及び開口形状が同じであるが、各貫通孔50の開口面積及び開口形状の少なくとも一方が異なっていてもよい。更に、導入孔51と排出孔52とで、開口面積及び開口形状の少なくとも一方が異なっていてもよい。例えば、導入孔51の開口面積よりも排出孔52の開口面積を小さくすることが挙げられる。また、例えば、導入孔51及び排出孔52のうち、一方の開口形状を円形状とし、他方を長方形状とすることが挙げられる。その他、導入孔51の数と排出孔52の数とを異ならせることも可能である。例えば、導入孔51の数よりも排出孔52の数を少なくすることが挙げられる。導入孔51の位置と排出孔52の位置とが互いに溝部400の長手方向にずれていてもよい。例えば、隣り合う導入溝部410及び排出溝部420において、溝部400の並び方向に沿って見たとき、導入孔51同士の間に排出孔52が位置することが挙げられる。
[実施形態の効果]
実施形態に係る電池セル10は、双極板31の電極側の面に溝部400を有することで、電解液の流通抵抗を小さくして、電池セル10での電解液の圧力損失を低減できる。更に、電池セル10は、電極と双極板31との間に介在される導電フィルム5に各溝部400に連通する貫通孔50を有する。電解液が双極板31の溝部400と電極との間を移動するとき、電解液が貫通孔50を通ることによって、貫通孔50の軸方向に沿う方向に電解液の流れが生じる。即ち、溝部400上に位置する電極の部分において、電極の厚さ方向に電解液が流れ易くなる。そのため、従来、電解液の電池反応に有効利用できていなかった溝部400上に位置する電極の部分を電池反応に有効利用できるので、電極の反応抵抗が減少する。その結果、電極の反応抵抗に起因するセル抵抗を低減でき、RF電池1の電池性能を向上させることができる。
導入溝部410と排出溝部420とが交互に並んで配置されていることで、電解液が導入溝部410と排出溝部420との間を跨ぐように電極内を流通する。そのため、正極電極14内に流通する電解液の量が増え、電解液の電池反応がより活性化される。よって、電極の反応抵抗をより低減できる。また、この場合、電極内における電解液の分布をより均一化し易く、電極の広範囲で電池反応が均一に起こり易くなるので、電極の反応抵抗を効果的に低減できる。
双極板31に導電フィルム5が溶着されている場合、双極板31と導電フィルム5との接触抵抗を低減でき、接触抵抗に起因するセル抵抗を低減できる。
実施形態に係るセルスタック2は、上記電池セル10を備えることで、電極の反応抵抗を低減できるため、セル抵抗を低減できる。
実施形態に係るRF電池1は、上記電池セル10又は上記セルスタック2を備えることで、電極の反応抵抗を低減できるため、セル抵抗を低減できる。よって、RF電池1は電池性能に優れる。
〈変形例〉
図7を参照して、導電フィルム5の変形例を説明する。図7に示す導電フィルム5は、排出孔52の開口面積が導入孔51の開口面積よりも小さい点が、上述した図5に示す導電フィルム5と相違する。以下では、図5に示す導電フィルム5との相違点を中心に説明し、図7において、図5と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図7に示す導電フィルム5は、排出溝部420に連通する各排出孔52の開口径が導入溝部410に連通する各導入孔51の開口径よりも小さい。そのため、各排出孔52の開口面積が各導入孔51の開口面積よりも小さくなっている。
排出孔52の開口面積が導入孔51の開口面積よりも小さいことで、排出孔52が開口する排出溝部420上に位置する正極電極14(図6参照)の部分において、電極の厚さ方向に電解液の流れが生じ易くなる。そのため、排出溝部420上に位置する正極電極14の部分をより有効に電解液の電池反応に利用できるので、電極の反応抵抗をより効果的に低減できる。
1 レドックスフロー電池(RF電池)
2 セルスタック
10 電池セル
11 隔膜
12 正極セル 13 負極セル
14 正極電極 15 負極電極
3 セルフレーム
31 双極板 32 枠体
32o 凹部
33、34 給液マニホールド 35、36 排液マニホールド
33s、34s 給液スリット 35s、36s 排液スリット
37 シール部材 38 シール溝
40 流路
41 導入路 42 排出路
400 溝部
410 導入溝部 411 導入側整流溝部
420 排出溝部 421 排出側整流溝部
5 導電フィルム
50 貫通孔
51 導入孔 52 排出孔
100P 正極循環流路 100N 負極循環流路
106 正極電解液タンク 107 負極電解液タンク
108、109 往路配管 110、111 復路配管
112、113 ポンプ
200 サブスタック
210 給排板 220 エンドプレート 230 締付機構
80 交流/直流変換器 90 電力系統

Claims (7)

  1. 電解液が供給される電極と、前記電極に対向して配置される双極板とを備える電池セルであって、
    前記双極板は、前記電極側の面に前記電解液が流通する複数の溝部を有し、
    前記電極と前記双極板との間に介在され、前記各溝部に連通する少なくとも1つの貫通孔を有する導電フィルムを備え、
    前記貫通孔の開口面積が前記溝部の開口面積よりも小さい、
    電池セル。
  2. 前記貫通孔は、前記溝部の長手方向に沿って複数設けられている請求項1に記載の電池セル。
  3. 前記溝部は、前記電解液を前記電極に導入する1つ以上の導入溝部と、前記電解液を前記電極から排出する1つ以上の排出溝部とを含み、
    前記導入溝部と前記排出溝部とが交互に並んで配置されている請求項1又は請求項2に記載の電池セル。
  4. 前記排出溝部に連通する前記貫通孔の開口面積が前記導入溝部に連通する前記貫通孔の開口面積よりも小さい請求項3に記載の電池セル。
  5. 前記双極板に前記導電フィルムが溶着されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池セル。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電池セルを備える、
    セルスタック。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電池セル、又は請求項6に記載のセルスタックを備える、
    レドックスフロー電池。
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