JP6103386B2 - レドックスフロー電池 - Google Patents

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Description

本発明は、レドックスフロー電池に関する。特に、電解液流通型のレドックスフロー電池において、内部抵抗が低減されたレドックスフロー電池に関する。
レドックスフロー電池(以下、RF電池という)は、正極用電解液に含まれるイオンと負極用電解液に含まれるイオンとの酸化還元電位の差を利用して充放電を行う電池である。図23に示すように、RF電池1は、水素イオン(プロトン)を透過させる隔膜101で正極セル102と負極セル103とに分離された電池セル100を備える。正極セル102には正極電極104が内蔵され、かつ正極用電解液を貯留する正極電解液用タンク106が導管108,110を介して接続されている。同様に、負極セル103には負極電極105が内蔵され、かつ負極用電解液を貯留する負極電解液用タンク107が導管109,111を介して接続されている。各タンク106,107に貯留される電解液は、充放電の際にポンプ112,113により各極セル102,103内に循環される。
上記電池セル100は通常、図24の下図に示すように、セルスタック200と呼ばれる構造体の内部に形成される。セルスタック200は、図24の上図に示すように、額縁状の枠体122に一体化された双極板121を備えるセルフレーム120、正極電極104、隔膜101、および負極電極105を、この順番で積層した構成を備える。この構成では、隣接する各セルフレーム120の双極板121の間に一つの電池セル100が形成されることになる。
セルスタック200における電池セル100への電解液の流通は、枠体122に形成される給液用マニホールド123,124と、排液用マニホールド125,126により行われる。正極用電解液は、給液用マニホールド123から枠体122の一面側(紙面表側)に形成される溝を介して双極板121の一面側に配置される正極電極104に供給される。そして、その正極用電解液は、枠体122の上部に形成される溝を介して排液用マニホールド125に排出される。同様に、負極用電解液は、給液用マニホールド124から枠体122の他面側(紙面裏側)に形成される溝を介して双極板121の他面側に配置される負極電極105に供給される。その負極用電解液は、枠体122の上部に形成される溝を介して排液用マニホールド126に排出される。
電池セル100を構成する各電極104,105は、流体である電解液の流通が給液側から排液側に向かう電解液の流通を阻害しないように多孔質の導電材で構成されることが多い。例えばカーボンフェルトなどが利用される(例えば、特許文献1)。
特開2002−367659号公報
RF電池の充放電反応は、電解液をカーボンフェルトなどの電極に流通させて行われる。その際、電解液の流通状態、例えば、電極における電解液の流通の均一性などはRF電池の内部抵抗に影響を及ぼす。しかし、従来のRF電池においては、電極での電解液の流通状態を十分に考慮した上で内部抵抗を低減することについては、必ずしも十分な検討がなされているとは言えなかった。
したがって、本発明の目的の一つは、内部抵抗が低減されたレドックスフロー電池を提供することにある。
本発明のレドックスフロー電池は、隔膜と、双極板と、前記隔膜および前記双極板の間に配置される電極と、前記電極に電解液を供給する導入口と、前記電極から前記電解液を排出する排出口とを備え、前記電解液を前記電極に流通させて充放電反応を行う。前記電極は、この電極の平面における方向A1と、前記方向A1と前記電極の平面において直交する方向A2とで透過率が異なる異方性電極層を備える。前記異方性電極層は、前記方向A1の透過率K1が前記方向A2の透過率K2よりも大きく、前記導入口と前記排出口との位置関係、および前記双極板の前記電極側の面の形状に基づいて定まる前記電極内での前記電解液の主たる流通方向と前記方向A1とが実質的に並行するように配置される。
本発明のRF電池によれば、内部抵抗が低減されたRF電池とすることができる。
実施形態1に係るRF電池が備える電極の一形態を表す概略側面図である。 実施形態1に係るRF電池が備える双極板に設けられた噛合型の対向櫛歯形状の流路を表す概略正面図である。 実施形態1に係るRF電池が備える双極板に設けられた噛合型の対向櫛歯形状の流路における電解液の流れを表す概略断面図である。 実施形態3に係るRF電池が備える双極板に設けられた非噛合型の対向櫛歯形状の流路を表す概略正面図である。 実施形態4に係るRF電池が備える双極板に設けられた一連の蛇行形状の流路を表す概略正面図である。 実施形態5に係るRF電池が備える双極板に設けられた一連のグリッド形状の流路を表す概略正面図である。 実施形態6に係るRF電池が備える双極板に設けられた断続形状の流路を表す概略正面図である。 試験例1−1における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例1−2における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例1−3における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例1−4における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例1−5における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例1−6における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−1における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−2における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−3における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−4における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−5における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−6における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−7における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 試験例2−8における主たる流通方向(X方向)の流速分布を示す概略図である。 透過率の測定に使用する圧力損失測定システムの概略構成図である。 RF電池の概略原理図である。 RF電池が備えるセルスタックの概略構成図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明者らは、RF電池の内部抵抗を低減するために、種々の検討を行った。この検討の過程で、同一の構成を備える複数のRF電池を同一の条件で運転したにもかかわらず、内部抵抗が高いRF電池と低いRF電池があることが判明した。本発明者らは、この内部抵抗の異なるRF電池についてさらなる検討を重ねたところ、次の知見を得た。
(A)電極には、電解液を流通させる方向によって電解液の流れやすさ(透過率)が異なるもの(以下、異方性電極という)がある。
(B)この異方性電極の特定方向を電極内での電解液の主たる流通方向(詳細は後述)に合わせたRF電池は、そうでないRF電池に比べて内部抵抗を低減できる。
本発明は、これらの知見に基づきなされたものである。以下に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態に係るRF電池は、隔膜と、双極板と、前記隔膜および前記双極板の間に配置される電極と、前記電極に電解液を供給する導入口と、前記電極から前記電解液を排出する排出口とを備え、前記電解液を前記電極に流通させて充放電反応を行う。前記電極は、この電極の平面における方向A1と、前記方向A1と前記電極の平面において直交する方向A2とで透過率が異なる異方性電極層を備える。前記異方性電極層は、前記方向A1の透過率K1が前記方向A2の透過率K2よりも大きい。前記電極は、前記導入口と前記排出口との位置関係、および前記双極板の前記電極側の面の形状に基づいて定まる前記電極内での前記電解液の主たる流通方向と前記方向A1とが実質的に並行するように配置される。
RF電池においては、電極内での電解液の主たる流通方向が存在する。そして、主たる流通方向に流通する電解液が充放電反応(以下、電池反応という場合がある)に主として関与する。本実施形態のRF電池は、上記構成を備えることで、電解液が電極内を主たる流通方向へRF電池の運転に適した流速で流通する箇所を増加したり、主たる流通方向へ流通する電解液が電極内で滞留する箇所を低減したりしやすい。それに伴い、電極内での主たる流通方向の流速のばらつきが低減されやすい。以上より、電極の広範囲で電池反応が均一に行われやすいので、内部抵抗が低減されたRF電池とすることができる。
(2)実施形態のRF電池として、前記透過率K1が前記透過率K2の1.5倍以上100倍以下である形態が挙げられる。
透過率K1が透過率K2の1.5倍以上であることで、異方性電極層の異方性が顕著であるといえ、異方性を備えない電極(以下、等方性電極という)を用いた場合よりも電解液が電極内を主たる流通方向へRF電池の運転に適した流速で流通する箇所が増加しやすい。また、透過率K1が透過率K2の100倍以下であることで、主たる流通方向へ流通する電解液が電極内で滞留する箇所を低減しやすい。以上より、本実施形態のRF電池は、電極の広範囲で電池反応が均一に行われやすいので、内部抵抗がより低減されたRF電池とすることができる。さらに、透過率K1が透過率K2の1.5倍以上100倍以下であることで、電解液を電極内へ導入させやすく、電解液の圧力損失を小さくすることができると期待される。
(3)実施形態のRF電池として、前記双極板が、前記電極側の面に前記電解液が流通する流路を備える形態が挙げられる。前記流路は、互いに並列する複数の溝部を有する。前記主たる流通方向は、前記複数の溝部の並列方向である。
双極板が互いに並列する複数の溝部を有する流路を備えることで、電解液を流路に沿って電極の平面の広範囲に低圧損にて供給しやすい。また、互いに並列する複数の溝部同士の間で電極を介した主たる流通方向への電解液の流通を生じさせやすい。よって、電極内でも十分に電池反応が行われると期待されるので、反応電流量が増加しやすく、ひいては内部抵抗をより低減できると期待される。以上より、本実施形態のRF電池は、RF電池全体としてのエネルギー効率に優れる。
(4)上記(3)の実施形態のRF電池として、前記流路が、前記導入口と繋がる導入路と、前記排出口と繋がる排出路とを備える形態が挙げられる。前記導入路および前記排出路は、前記複数の溝部をそれぞれ有する。前記導入路と前記排出路とは連通しておらず独立している。
導入路と排出路とが連通しておらず独立していることで、電池反応にほとんど関与することなく導入口から排出口へ直通する電解液を減少させ、導入路と排出路との間で電極を介した電解液の流通を生じさせやすい。よって、電極内を主たる流通方向へ流れる電解液の量を増加させやすく、反応電流量が増加しやすいので、内部抵抗が低減されると期待される。以上より、本実施形態のRF電池は、RF電池全体としてのエネルギー効率に優れる。
(5)上記(4)の実施形態のRF電池として、前記導入路および前記排出路が櫛歯形状の溝部を備え、前記導入路と前記排出路とは、それぞれの櫛歯が互いに噛み合って対向するように配置される形態が挙げられる。
流路が互いに噛み合って対向するように配置される櫛歯を備えることで、導入路と排出路との間、特に隣り合う櫛歯同士の間で電極を介した電解液の主たる流通方向への流通を生じさせやすい。また、櫛歯の数や形成領域などによっては、電極の広範囲に電解液を均一に行き渡らせやすいので、電極の広範囲の領域から電極内に電解液が導入され、均一な電池反応が行われると期待される。したがって、反応電流量が増加しやすく、ひいては内部抵抗を低減できると期待される。以上より、本実施形態のRF電池は、RF電池全体としてのエネルギー効率に優れる。
(6)上記(3)の実施形態のRF電池として、前記流路は、前記導入口から前記排出口まで一連の蛇行形状であり、互いに隣り合うように並列する複数の長溝部と、前記複数の長溝部の一端同士または他端同士を交互に繋ぐ複数の短溝部とを備える形態が挙げられる。前記主たる流通方向は、前記複数の長溝部の並列方向である。
導入口から排出口まで一連の流路とすることで、流路を流れる電解液の流れがスムーズになり、電解液の圧力損失を低減することができる。一方で、このような一連の流路でありながら蛇行形状とすることで、隣り合う長溝部同士の間で電極を介した電解液の流通を生じさせやすい。また、長溝部の数や形成領域などによっては、電極の広範囲に電解液を均一に行き渡らせやすいので、電極の広範囲の領域から電極内に電解液が導入され、均一な電池反応が行われると期待される。以上より、本実施形態のRF電池は全体としてのエネルギー効率に優れる。
(7)上記(1)または(2)の実施形態のRF電池として、前記双極板の前記電極側の面の形状が平面状である形態が挙げられる。前記主たる流通方向は、前記導入口側から前記排出口側である。
双極板の電極側の面が溝部を備えない平面状であっても、方向A1と主たる流通方向とを実質的に並列させることで、この方向の対応がなされていない異方性電極層を用いたRF電池や、等方性電極を用いたRF電池よりも、上述した主たる流通方向の流速のばらつきが低減されやすい。よって、電極の広範囲にわたって電池反応が均一に行われやすく、内部抵抗が低減されたRF電池とすることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を参照して、実施形態のRF電池について説明する。各図において同一符号は、同一名称物を示す。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
(RF電池の概要)
実施形態1では、電極の平面における縦方向と横方向とで電解液の流れやすさが異なる異方性電極を用い、この異方性電極の電解液の流れやすい方向を電解液の主たる流通方向に並列させたRF電池を説明する。主たる流通方向とは、詳細は後述するが、代表的には各極セルの平面における上方向である。但し、双極板に複数の溝部が並列されている場合、その並列方向、例えば左右方向(幅方向)である。このRF電池は、図23、図24を参照して説明した従来のRF電池と共通する基本構成を備えるため、以下の説明は相違点に関連する電極および双極板を中心に行う。基本構成に関わる点については図23、図24を参照する。
(電極)
電極は電解液が流通することで電池反応を行うための導電性の部材である。通常、電解液との接触面積を確保するため、多孔質材料が用いられる。図1を用いて、本実施形態のRF電池が備える各電極104,105に用いられる異方性電極αを説明する。図1では、図面の左右方向を幅、図面の上下方向を高さ、図面の手前から奥へ向かう方向を厚さとする。異方性電極αは、電極の平面において、互いに直交する2方向における透過率が異なる異方性電極層α1を備える。図1では異方性電極層α1のみから構成される単層構造の異方性電極αを示している。
電極の異方性の決定は、電極における互いに直交する2方向の透過率Kを測定し、高い透過率K1を示す方向をA1方向、低い透過率K2を示す方向をA2方向とする。もっとも、複数の方向およびこの複数の各方向に直交する方向からなる複数対の方向について透過率Kを測定することが望ましい。透過率を測定する方向によっては、異方性の度合が異なる場合も想定されるからである。その場合、最も透過率の高い方向をA1方向、それに直交する方向をA2方向とすればよい。この異方性の決定手法は、円形の電極などの場合に特に有効と考えられる。矩形の電極の場合、通常、高さ方向と幅方向の一方がA1方向、他方がA2方向となる。
異方性電極αを用いて各極セル102,103(セルスタック200)を組み立てる際、高い透過率を示すA1方向が、電解液の主たる流通方向に並列するように異方性電極αを配置する。そのため、主たる流通方向が例えば各極セル102,103の幅方向であれば、矩形の異方性電極αの幅方向が透過率の高いA1方向、高さ方向が透過率の低いA2方向となるように異方性電極αを切り出しておく。ここでは、幅方向がA1方向であり、A1方向の透過率K1が高さ方向A2の透過率K2よりも大きい。
異方性電極層の具体例としては、カーボンフェルトやカーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。これらは、初めから異方性を備えるものや、等方性のものに熱処理等を行うことで異方性が備わるものがある。初めから異方性を備えるものとしては、例えば、縦繊維と横繊維の繊維径を異ならせたカーボンクロス等が挙げられる。また、等方性電極層に熱処理を施すことで、異方性電極層とできる場合や、異方性電極層に対して熱処理等を行うことで、さらに異方性が顕著になる場合もある。熱処理を行うことで異方性を付与したり異方性を顕著にしたりする場合には、熱処理条件を調整することで異方性の度合を調整することができる。好ましい熱処理条件としては、大気雰囲気中200℃以上1000℃以下、5分以上120分以下の条件が挙げられる。このような熱処理により、互いに直交する2方向で所定の透過率K1,K2を有する電極を得ることができる。熱処理条件としては、大気雰囲気中300℃以上800℃以下、20分以上100分以下の条件や、大気雰囲気中400℃以上600℃以下、40分以上80分以下の条件等が挙げられる。
透過率は、電極における電解液の流通しやすさを示す指標であり、その値が高いほど電解液が流れやすいことを示す。透過率K1が透過率K2の何倍であるかを示す透過率K1とK2との比K1/K2は、1.5以上、さらには3以上、特に9以上であることが好ましい。異方性電極層内を流通する電解液の主たる流通方向の流速が、RF電池の運転に適した流速でより均一になりやすいからである。但し、この比率K1/K2は100以下、さらには50以下が好ましい。電極内において、主たる流通方向へ流通する電解液が滞留する箇所が低減されるからである。これにより、RF電池の運転に適した流速で電解液が流通する箇所と電解液が滞留する箇所とが存在することによる電池反応のばらつきを低減でき、RF電池の内部抵抗を低減できると期待される。この比率K1/K2は、30以下、さらには10以下とすることが挙げられる。
異方性電極層α1の透過率K1は、7.0×10−14以上7.0×10−8以下であることが好ましい。透過率K1が上記の範囲にあることで、主たる流通方向の流速のばらつきが低減されやすく、内部抵抗が低減されたRF電池1とすることができるからである。7.0×10−14以上、さらには7.0×10−13以上、特には7.0×10−12以上とすれば、異方性電極と流路を有する双極板とを組み合わせることで、電解液の圧力損失を低減でき、エネルギー損失を小さくすることができる。一方、7.0×10−8以下、さらには7.0×10−9以下、特には7.0×10−10以下とすることで、主たる流通方向に流れる電解液をRF電池の運転に適した流速で流通させやすいと期待される。
同様の観点から、透過率K2は、4.7×10−14以上7.0×10−10以下、4.7×10−13以上7.0×10−11以下とすることが挙げられる。また、4.7×10−12以上7.0×10−12以下とすることもできる。透過率K2は、2.4×10−14以上1.4×10−9以下、2.4×10−13以上1.4×10−10以下、2.4×10−12以上1.4×10−11以下としてもよい。また、7.8×10−15以上2.3×10−9以下、7.8×10−14以上2.3×10−10以下、7.8×10−13以上2.3×10−11以下としてもよく、7.0×10−9以下としてもよい。加えて、透過率K2の下限は、4.65×10−14以上、4.65×10−13以上、または4.65×10−12以上とすることもできる。また、透過率K2の下限は、2.33×10−14以上、2.33×10−13以上、または2.33×10−12以上としてもよい。さらに、7.77×10−15以上2.33×10−9以下、7.77×10−14以上2.33×10−10以下、または7.77×10−13以上2.33×10−11以下としてもよく、7.77×10−9以下としてもよい。
特に、上記した透過率K1および透過率K2の具体的な範囲でK1/K2を1.5以上100以下とすることが好ましい。上記した各効果がより発揮されやすいと期待されるからである。透過率K1,K2の詳細な測定方法は後述する試験例にて説明する。
(双極板)
双極板121は、正負極の各電極104,105に挟まれて各電池セル100を仕切る板であり、電解液は通さない導電性の板から形成される。上述した異方性電極αの透過率K1を示す方向A1は、電極内における電解液の主たる流通方向に並列するよう配置される。この主たる流通方向の決定要因の一つとして、双極板121の電極側の面の形状がある。双極板121の電極側の面は、流路を備える場合と流路を備えない場合とがある。ここでは、図2を参照して、流路130を備える双極板を説明する。図2において、実線矢印は主として双極板121が備える流路130に沿った電極表面での電解液の流れを、破線矢印は電極内での電解液の主たる流通方向を示す。この点は、後述する図3〜図7においても同様である。
流路130は、各電極に流通される電解液の各セル内での流れを調整するために、双極板121の各電極104,105側の面の少なくとも一方の面に設けられる。この流路130は、互いに並列する複数の溝部を有する。ここでは、導入路131と排出路132とがそれぞれ櫛歯形状の溝部を備え、各櫛歯が互いに噛み合って対向するように配置される噛合型の対向櫛歯形状である(図2を参照)。導入路131(排出路132)は、双極板121の下部(上部)に設けられ、幅方向に伸びる一本の横溝131a(132a)と、この横溝から上方向(下方向)に伸びる複数本の縦溝131b(132b)とを備える。そして、導入路131と排出路132とは、互いに連通することなく独立して配置され、それぞれが備える縦溝131bと縦溝132bとが間隔をあけて並列される。
(異方性電極と双極板の配置)
上述した異方性電極αは、高い透過率K1を示す方向A1が、電極内における電解液の主たる流通方向に並列するよう配置される。主たる流通方向は、電極における電池反応に主として関与する電解液の流通方向のことである。電池反応に主として関与する電解液の流通方向は、電解液を電極内に導入する導入口と電極内から電解液を排出する排出口との位置関係、および双極板の電極側の面の形状に基づいて定まる。本実施形態では、図24における給液用マニホールド123(124)および排液用マニホールド125(126)が導入口および排出口に相当する。この導入口および排出口は、図24ではセルフレームの上下に設けているが、左右に設けてもよい。この点は、後述する実施形態2〜実施形態7のいずれにおいても同様である。
主たる流通方向は、双極板の電極側の面が平面である場合、各極セルにおける電解液の導入口の配置された側から排出口の配置された側である。例えば、図24において、導入口123(124)は各極セル(セルフレーム120)の下側、排出口125(126)は各極セル(セルフレーム120)の上側に配置されているため、上側が主たる流通方向となる。この場合、下側から導入された電解液は電極の左右方向に広がるものの上側に向かって優先的に流通し、この流通の過程で電池反応が行われるからである。導入口123(124)と排出口125(126)がセルフレーム120の幅方向にずれている場合であっても、両者のずれは考慮することなく互いの対向方向(図24では上下方向)のみをもって主たる流通方向とする。
これに対し、双極板の電極側の面が並列する複数の溝部を有する流路を備える場合、主たる流通方向は、導入口と排出口の対向方向に関わらず、原則として溝部の並列方向である。例えば、上述した噛合型の対向櫛歯形状の流路を備える場合、縦溝131b,132bの並列方向が主たる流通方向となる。
図2、図3を用いて、噛合型の対向櫛歯形状の流路130を備える場合において、電極内での電解液の流通状態を説明する。図3は図2の縦溝131b,132bが並列する箇所の幅方向断面図で、同図の上下方向を厚み(Z方向)、左右方向を幅(X方向)とする。図2に示すように、導入路131から電極内に導入された電解液は、各電極104,105を経て排出路132へ流通する。その際、導入路の縦溝131bと排出路の縦溝132bは、図3の上図に示すように、X方向に交互に並列されている。そのため、図3の拡大図に示すように、縦溝131bから電極に供給された電解液は、異方性電極層α1における縦溝131bと縦溝132bとの間に位置する部分を渡るように流れて、縦溝132bへと排出される。以下、電極において、双極板の流路が備える溝部と溝部に挟まれる部分を総称して畝部という。本実施形態では、(1)各電極104,105における縦溝131bと縦溝132bとの間に位置する部分、(2)横溝131a(132a)と縦溝132b(131b)との間に位置する部分が畝部である。電池反応は、この両縦溝131b,132bの間の畝部を渡るように電解液が流れる際に主に行われるため、この縦溝131b,132bの並列方向(X方向)が主たる流通方向となる(図2および図3中の破線矢印を参照)。
従って、双極板121の電極側の面が平面である場合、各極セル102,103における電解液の導入口123(124)の配置された側から排出口125(126)の配置された側(図24のセルフレームの上下方向)に電極の方向A1が実質的に並行するように異方性電極αを配置する。双極板121の電極側の面が並列される複数の溝部を有する流路130を備える場合、溝部の並列方向(図2のX方向)に電極の方向A1が実質的に並行するように異方性電極αを配置する。実質的に並行するように配置するとは、主たる流通方向と方向A1とが完全に並行して配置される場合のみならず、主たる流通方向と方向A1とに±30°以下の角度の差がある状態で配置される場合を含む。特に、この角度の差が±10°以下、さらには±5°以下であると電極における主たる流通方向の流速のばらつきを低減できると期待される。このような配置関係を持った異方性電極と双極板を用いて構成したセルスタックは、図23に示すように、交流/直流変換器300や変電設備310を介して、発電部400と負荷500との間に接続される。
(作用効果)
以上説明した本実施形態のRF電池は、以下の作用効果を奏する。
(1)異方性電極の透過率K1が高い方向を主たる流通方向と実質的に並行するように配置することで、電解液が電極内を主たる流通方向へRF電池の運転に適した流速で流通する箇所を増加したり、主たる流通方向へ流通する電解液が電極内で滞留する箇所を低減したりできる。それに伴い、主たる流通方向の流速のばらつきを低減できる。よって、電解液が電極内で広範囲にわたって均一に流通しやすいといえ、内部抵抗が低減されたRF電池とすることができる。
(2)双極板が複数の溝部を有する流路を備える場合には、電解液を溝部に沿って電極の広範囲に低圧損にて供給しやすく、かつ隣り合う溝部同士の間で電極を介した電解液の流通を生じさせやすい。よって、電極内を主たる流通方向へ流れる電解液の量を増加させやすく、反応電流量を増加させて、ひいては内部抵抗が低減されると期待される。これら低圧損による電解液の供給と、反応電流量の増加に伴い、RF電池全体としてのエネルギー効率を改善できる。
(RF電池の構成に関する補足)
実施形態1の主に特徴部分に係る構成や作用効果について説明したが、このRF電池は以下の構成を備えてもよい。
《電極の厚み》
異方性電極αの厚み(d)は、セルスタック200の構造、主として異方性電極αの圧縮程度により任意に調整することができる。特に、異方性電極αの厚みが、隔膜101と双極板121との間に配置された状態で1000μm以下であることが好ましい。異方性電極αが薄ければ、RF電池の内部抵抗を低減することができるからである。より好ましい異方性電極αの厚みは500μm以下、さらに好ましくは300μm以下である。但し、電極における電解液の圧力損失を考慮すれば、異方性電極αの厚みは50μm以上、さらには100μm以上が好ましい。異方性電極αが後述する積層電極である場合も、積層電極全体の厚みとして上記の厚みを有することが好ましい。
《双極板の材質と製造方法》
双極板の材料には、耐酸性および適度な剛性を有する材料であることがより好ましい。長期に亘って流路の断面形状や寸法が変化し難く、流路の効果を維持し易いからである。このような材料としては、例えば、炭素を含有する導電性材料が挙げられる。より具体的には、黒鉛およびポリオレフィン系有機化合物または塩素化有機化合物から形成される導電性プラスチックが挙げられる。また、黒鉛の一部をカーボンブラックおよびダイヤモンドライクカーボンの少なくとも一方に置換した導電性プラスチックでもよい。ポリオレフィン系有機化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが挙げられる。塩素化有機化合物としては、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィンなどが挙げられる。双極板がこのような材料から形成されることで、双極板の電気抵抗を小さくすることができる上に、耐酸性に優れる。
双極板は、上記の材料を射出成形、プレス成形、および真空成形等の公知の方法により板状に成形することで製造することができる。流路を備える場合、双極板の成形と同時に流路を成形すると、双極板の製造効率に優れる。他にも、流路を形成していない双極板を製造し、その後、この双極板の表面を切削して形成してもよい。
《その他の流路の構成》
流路(溝部)の断面形状は、任意の形状とすることができる。例えば、矩形状や半円状などの形状が挙げられる。矩形状や半円状は、(1)双極板に流路を形成しやすい(加工しやすい)、(2)流路を流通する電解液の圧力損失が少ない、と期待される。
溝部の一本当たりの幅は、0.1mm以上10mm以下であることが好ましい。(1)電極全体の流速の均一性がより向上する、(2)電極に流通する電解液の流量を増加させることができる、(3)電極が流路(溝部)に落ち込みにくい、(4)流路を流通する電解液の圧力損失をより低減できる、といった効果が期待できるからである。より好ましい流路の幅は、0.2mm以上2mm以下、さらに好ましい流路の幅は、0.5mm以上1.5mm以下である。
溝部の深さは双極板の厚みの50%以上99%以下であることが好ましい。(1)電極全体の流速の均一性がより向上する、(2)電極の隔膜側の領域に流通する電解液の流量を増加させることができる、(3)電極が流路(溝部)に落ち込みにくい、(4)流路を流通する電解液の圧力損失をより低減できる、(5)流路を備えていても双極板の機械的強度を十分とすることができる、といった効果が期待できるからである。より好ましい流路の深さは、双極板の厚みの70%以上80%以下である。双極板の両面に溝を設ける場合には、平面透視した場合に重ならない位置に溝部を設けることで、上記の深さの溝部を双極板の両面に形成できる。
流路は、並列される複数の溝部(図2では縦溝131b,132b)の間隔が同一になるように配置することが好ましい。さらに、噛合型の対向櫛歯形状における隣り合う縦溝131b,132bの間隔と、縦溝131b(132b)の端縁と向かい合う横溝132a(131a)との間隔とが同一になるようにすることが好ましい。これらの間隔を渡るように電極を流れる電解液の流通が均一になり、圧力損失をより低減できると期待されるからである。
上述した縦溝131b,132bや横溝131a,132aの本数は、任意に調整することができる。例えば、上述した噛合型の対向櫛歯形状において縦溝131b,132bの本数が合計で10本を超えると、流路を流通する電解液の圧力損失の低減効果が大きいと期待される。
噛合型の対向櫛歯形状において、縦溝131bと縦溝132bとが噛み合う部分の長さは、できるだけ長いことが好ましい。主たる流通方向に流れる電解液の流速が電極全体でより均一になりやすく、RF電池1の内部抵抗の低減が期待できるからである。また、電解液の圧力損失がより低減されるので、RF電池のエネルギー効率により優れる。具体的には、縦溝131bと縦溝132bとが噛み合う部分の長さが双極板121の高さ方向(Y方向)の80%以上であることが好ましく、90%以上の長さであることがより好ましい。
《電解液》
電解液には、図23に示すように、バナジウムイオンを各極活物質としたバナジウム系電解液が好適に利用できる。その他、正極活物質として鉄(Fe)イオンを、負極活物質としてクロム(Cr)イオンを用いた鉄(Fe2+/Fe3+)−クロム(Cr3+/Cr2+)系電解液や、正極電解液にマンガン(Mn)イオン、負極電解液にチタン(Ti)イオンを用いるマンガン(Mn2+/Mn3+)−チタン(Ti4+/Ti3+)系電解液が好適に利用できる。
<実施形態2>
実施形態2では、横溝が縦方向に並列された実施形態1とは異なる噛合型の対向櫛歯形状の流路を有する双極板を備えるRF電池について説明する。この実施形態2のRF電池は、双極板の構成と異方性電極の配置方向以外は実施形態1と共通する構成を備えるため、これら相違点について説明し、他の構成の説明は省略する。後述する他の実施形態においても同様である。
本実施形態における噛合型の対向櫛歯形状は、導入路(排出路)が双極板の左側(右側)に設けられ、高さ方向(Y方向)に伸びる一本の縦溝と、この縦溝から右方向(左方向)に伸びる複数本の横溝とを備える。横溝同士が噛み合う噛合型の対向櫛歯形状の場合、電極においては、双極板の横溝同士の間に位置する畝部に対向する領域を渡るような流れが主流となる。よって、主たる流通方向は図2におけるY方向となる。したがって、異方性電極αは、方向A1がY方向と並行するように配置される。これにより、電極内を流通する電解液の主たる流通方向(Y方向)の流速のばらつきが低減されやすい。
<実施形態3>
実施形態3では、図4に示す非噛合型の対向櫛歯形状の流路を有する双極板を備えるRF電池について説明する。非噛合型の対向櫛歯形状は、導入路131と排出路132とが、互いに噛み合わない形状である。ここでは、導入路131と排出路132とは点対称な形状であり、双極板121の右側(左側)に設けられる一本の縦溝131b(132b)と、この縦溝131b(132b)から左側(右側)へ伸びる複数本の横溝131a(132a)とを備える形状である。この場合、各電極104,105においては、双極板121の横溝131aと横溝132aとの間に位置する畝部に対向する領域を渡るような流れが主流となる。よって、主たる流通方向は図4におけるY方向となる。したがって、異方性電極αは方向A1がY方向と並行するように配置される。これにより、電解液の主たる流通方向(Y方向)の流速のばらつきが低減されやすい。
また、導入路131(排出路132)は、複数本の縦溝131b(132b)と、この複数本の縦溝131b(132b)が立脚する一本の横溝131a(132a)とを備える形状としてもよい。この形状は、図2に示す噛合型の対向櫛歯形状において、導入路131と排出路132とが噛み合わない形状としたものである。この場合、縦溝131b(132b)が並行する方向(X方向)が主たる流通方向となるので、異方性電極αは方向A1がX方向と並行するように配置される。
<実施形態4>
実施形態4では、図5に示す一連の蛇行形状の流路を有する双極板を備えるRF電池について説明する。一連の蛇行形状は、導入口から排出口まで一連の流路であり、互いに隣り合うように双極板121の幅方向(X方向)に並列する複数の長溝部135bと、複数の長溝部135bの一端同士または他端同士を交互に繋ぐ複数の短溝部135aとを備える形状である。この場合、導入口側の長溝部135bからこの長溝部135bに隣り合う排出口側の長溝部135bに渡るような流れが主流となる(図5中の破線矢印を参照)。すなわち、長溝部135bが並列する方向(X方向)が主たる流通方向となる。したがって、異方性電極αは方向A1がX方向に並行するように配置される。
蛇行型形状は、互いに隣り合うように双極板121の高さ方向(図5におけるY方向)に並列される複数の長溝部135bと、複数の長溝部135bの一端同士または他端同士を交互に繋ぐ複数の短溝部135aとを備える形状としてもよい。この場合、並列される複数の長溝部135bが並列する方向(図5におけるY方向)が主たる流通方向となる。したがって、異方性電極αは方向A1がY方向に並行するように配置される。
(作用効果)
以上説明した本実施形態のRF電池は、以下の作用効果を奏する。
(1)一連の流路とすることで、流路を流れる電解液の流れがスムーズになり、電解液の圧力損失を低減することができる。
(2)一連の流路でありながら蛇行形状とすることで、隣り合う長溝部同士の間で異方性電極を介した電解液の流通を生じさせやすい。よって、反応電流量が増加し、ひいては内部抵抗が低減されると期待される。
(3)長溝部の数や形成領域によっては、異方性電極の平面に広範囲に電解液を均一に行き渡らせやすい。よって、異方性電極の平面の広範囲の領域から電極内に電解液が導入されるので均一な電池反応が行われると期待される。
<実施形態5>
実施形態5では、図6に示す一連のグリッド形状の流路を有する双極板を備えるRF電池について説明する。本実施形態では、縦グリッド形状としている。縦グリッド形状は、双極板121の高さ方向に伸びる複数の縦溝130bと、これら縦溝130bの上下端を一連に繋ぐように設けられる一対の横溝130aとを備える形状である。この場合、並列される複数の縦溝130bが並列する方向(X方向)が主たる流通方向となる。したがって、異方性電極αは方向A1がX方向に並行するように配置される。これにより、電解液の主たる流通方向(X方向)の流速のばらつきが低減されやすい。
他のグリッド形状としては、横グリッド形状が挙げられる。横グリッド形状は、双極板の高さ方向(Y方向)に並列される複数の横溝と、これら横溝を一連に繋ぐように左右に設けられる一対の縦溝とを備える。この場合、複数の横溝が並列する方向(Y方向)が主たる流通方向となる。したがって、異方性電極αは方向A1がY方向に並行するように配置される。これにより、電解液の主たる流通方向(Y方向)の流速のばらつきが低減されやすい。
<実施形態6>
実施形態6では、図7に示す断続形状の流路を有する双極板を備えるRF電池について説明する。本実施形態では、図2に示した噛合型の対向櫛歯形状を構成する縦溝131b(132b)を、断続的に(非連続に)形成した断続形状としている。このようにすることで、電解液が幅方向の畝部だけでなく、高さ方向に隣り合う溝部(縦溝131b(132b))の間の畝部を渡るように各電極104,105を介して流通しやすくなるので(図7中の破線矢印を参照)、反応電流量が増加することが期待される。よって、RF電池の電流量が増加し、ひいてはRF電池の内部抵抗を低減することができると期待される。もちろん、横溝131a(132a)を断続的に形成してもよいし、流路130の一部のみを断続形状としてもよい。また、上記に例示した各実施形態は、その少なくとも一部を断続的に形成してもよい。
本実施形態でも、各電極104,105においては、双極板121の縦溝131bと横溝132bとの間に位置する畝部に対向する領域を渡るような流れが主流となる。よって、主たる流通方向は図7におけるX方向となる。したがって、異方性電極αは方向A1がX方向と並行するように配置される。これにより、電解液の主たる流通方向(X方向)の流速のばらつきが低減されやすい。
<実施形態7>
実施形態7では、異方性電極層α1を有する積層電極を備えるRF電池について説明する。この実施形態7のRF電池は、上記の実施形態1〜6において用いた単層電極を積層電極とした形態である。それ以外は上記の各実施形態と共通する構成を備えるため、積層電極についてのみ説明し、他の構成の説明は省略する。
積層電極としては、(1)それぞれ異方性の程度が異なる2以上の異方性電極層を積層させたもの、(2)1以上の異方性電極層α1と1以上の等方性電極層とを積層したもの、(3)1以上の異方性電極層α1と電解液が流通するが電池反応を生じない材料から構成される1以上の基材層とを積層したもの等が挙げられる。積層電極である場合、積層電極を形成する電極層や基材層を互いに引き剥がして分離させることで、異方性電極層α1の透過率を測定することができる。
2以上の異なる異方性電極層を含む積層電極の場合、透過率の大きさや各異方性電極層の厚みにもよるが、透過率K1が透過率K2の1.5倍以上100倍以下、さらには3倍以上50倍以下、特には9倍以上30倍以下である異方性電極層を基準として方向A1を規定すると良いと考えられる。上述したように、異方性が上記の範囲内にあると、電解液が電極内にてRF電池の運転に適した流速で電極内を均一に流通しやすかったり、主たる流通方向へ流通する電解液が電極内で滞留する箇所を低減しやすかったりすると期待されるからである。
2以上の異なる異方性電極層を含む積層電極の場合、異方性が上記の範囲内にある異方性電極層が隔膜101側に位置するようにすることが好ましいと期待される。このようにすることで、電解液が隔膜側まで流通したうえで主たる流通方向に流れる電解液の流れを形成しやすく、また、主たる流通方向の流速のばらつきが低減されることで、各電極間での水素イオンの伝達のばらつきが低減されると期待されるからである。よって、RF電池の内部抵抗をより低減できると期待される。同様の観点から、異方性電極層α1と等方性電極層とを積層した積層電極を電極として用いる場合には、異方性電極層α1が隔膜101側に位置するように配置することが好ましい。異方性電極層α1と基材層とを積層した積層電極を用いた場合も同様である。
<試験例1>
試験例1では、本実施形態のRF電池の特性をシミュレーションにて調べた。本試験例では、シミュレーション解析ソフト(アンシス・ジャパン株式会社製、ANSYS Fluent)を用いて、図2に示す噛合型の対向櫛歯形状の流路を備える双極板を備えるモデル1を構築した。モデル1は、正極セル及び負極セルをそれぞれ一つずつ備える単セル構造のRF電池である。この際、正極電極および負極電極には、同一の構成の異方性電極を設定した。また、モデル1では、上述した実施形態1と同様に、電解液は双極板の下部から導入され、上部から排出される。よって、上述した実施形態1と同様、上下方向を高さ(Y方向)、左右方向を幅(X方向)、X方向とY方向とに直交する方向を厚み(Z方向)とした。したがって、モデル1においては、異方性電極は方向A1(透過率が大きい方向)がX方向と並行するように配置される。
さらに、比較のために、等方性電極を用いた以外はモデル1と同一の構成のモデル2を構築した。そして、両モデルにおいて、電解液の流量を種々の値とした場合において、X方向およびY方向における電極内での電解液の流速分布(Y方向の電解液の流速に対するX方向の電解液の流速の速度比。以下、XY速度比という)を調べた。以下、詳細な試験条件を示すとともに、表1に得られた試験結果を、図8〜図13に各試験例におけるX方向の流速の分布を示す。表1におけるX方向流速、Y方向流速、およびXY速度比は、X方向の速度が最も遅くなる電極中央における値を示す。図8〜図13では、各図に記載したチャートに示した濃淡でX方向流速が表されている。ここでは、濃淡が薄くなるにしたがって右方向への流速が速いことを示し、濃淡が濃くなるにしたがって左方向への流速が速いことを示す。具体的な流速の値は、チャートに併記した数値により示される。正の値は右方向の流速を示し、値が大きくなるにしたがって右方向の流速が速いことを示す。負の値は左方向の流速を示し、値が小さくなるにしたがって左方向の流速が速いことを示す。また、各図において、濃淡がはっきりとした縦縞状の箇所(領域)ほど、主たる流通方向(X方向)へRF電池の運転に適した流速で電解液が流通している領域である。
(試験条件)
《電極》
長さ:15.8(cm)、幅:15.8(cm)、厚み:0.05(cm)
電極反応面積密度(A):50000(l/m)
電極反応速度定数(k):3.0×10(m/s)
透過率
[モデル1] K1:7.56×10−11 K2:1.95×10−11
[モデル2] K:7.00×10−11
《電解液》
硫酸V水溶液(V濃度:1.7mol/L、硫酸濃度:3.4mol/L)
充電状態(State of Charge;充電深度と言うこともある):50%
《電解液流量等》
入口流量:75、150、または300(ml/min)
出口流量:自由流出
流れモデル:層流モデル
《双極板》
高さ(Y方向)・幅(X方向):15.8(cm)
〔流路〕
溝形状:噛合型の対向櫛歯形状
縦溝数:導入路39本×排出路40本
縦溝長さ:21(cm)
溝幅:0.1(cm)
溝深さ:0.1(cm)
縦溝間隔:0.1(cm)
溝断面形状:正方形
異方性電極のX方向の透過率(方向A1の透過率K1)と等方性電極の透過率Kとがおおむね等しいにもかかわらず、いずれの流量の場合においても、方向A1を主たる流通方向であるX方向に並列するように配置したモデル1のほうが、等方性電極を用いたモデル2よりもXY速度比が大きいことが表1より判る。また、流量が等しい場合における主たる流通方向(X方向)の流速分布を比較すると、例えば、試験例1−2(モデル2)においては、電極中央から上下方向に広がるように形成される濃淡の薄い縦縞状の領域の割合が大きい(図9を参照)。この領域は、流速がRF電池の運転に適した流速と比較して遅い領域である。このような領域が多く存在すると、RF電池の運転に適した流速で電解液が流通している領域が少なくなるので、流速のばらつきが大きいといえる。主たる流通方向へ流通する電解液の流速にばらつきがあると、電極全体で電池反応が均一に行われないため、内部抵抗が上昇する場合がある。一方、試験例1−1(モデル1)では、試験例1−2と比較して、流速が遅い領域が減少し、電極の上下から中央方向に広がる濃淡のはっきりとした縦縞状の領域が大きくなっている(図8と図9とを比較して参照)。この領域は、RF電池の運転に適した流速の領域である。このように、異方性電極の方向A1を主たる流通方向(X方向)に並列するように配置することで、濃淡がはっきりとした縦縞状の領域が増加し、RF電池の運転に適した流速で電解液が流通している領域が広がることが判る。
さらに、試験例1−2では、電極中央の左端および右端において、縦縞が途切れている部分が電極中央の左端と右端とにみられる(図9参照)。これは、本来であれば左端においては右方向へ、右端においては左方向へ流れる電解液が、それぞれ逆方向へ流れている、または左右方向のどちらにも流通せずに滞留しているためと考えられる。すなわち、左右方向の電解液の流通が乱れたり、流速が著しく低い箇所が発生したりしているので、この点からも電極内の流速のばらつきが発生しているといえる。一方、試験例1−1では、そのような箇所がない(図8参照)。流量を異ならせた場合にも、これらと同様のことが言える(試験例1−4(図11)と試験例1−3(図10)とを、試験例1−6(図13)と試験例1−5(図12)とをそれぞれ比較)。
このように、異方性電極の方向A1を主たる流通方向(X方向)に並列するように配置することで、RF電池の運転に適した流速で電解液が流通している領域が広がったり、主たる流通方向へ流通する電解液が電極内で滞留する箇所を低減しやすかったりする。それにより、流速のばらつきが低減され、内部抵抗が低減されると考えられる。
<試験例2>
試験例2では、主たる流通方向と異方性電極の対応関係について調べた。まず、電極の構成と電解液の流量とをそれぞれ試験例1のモデル1と異ならせたモデル3を構築した。そして、電解液の主たる流通方向(X方向)に並行する方向の透過率Kxを一定の値とし、電極の平面で主たる流通方向に直交する方向の透過率Kyを種々の値とした場合におけるX方向流速、Y方向流速、およびXY速度比を調べた。ここでは、試験例2−1〜試験例2−5が異方性電極の方向A1を主たる流通方向であるX方向に並列するように配置した場合に、試験例2−6が等方性電極を用いた場合に、試験例2−7、試験例2−8が異方性電極の方向A1を主たる流通方向であるX方向に直交するように配置した場合に相当する。以下、試験例1と異なる条件を示すと共に、試験結果を表2に、図14から図21に各試験例におけるX方向の流速の分布を示す。XY速度比、および各図に記載したチャートについては、試験例1と同様である。
(電解液流量等)
入口流量:0.3(ml/min/cm
表2に示すように、異方性電極の方向A1を主たる流通方向であるX方向に並列するように配置した場合に相当する試験例2−1〜試験例2−5では、等方性電極を用いた場合に相当する試験例2−6や、異方性電極の方向A1を主たる流通方向であるX方向に直交するように配置した場合に相当する試験例2−7、試験例2−8よりもXY速度比が大きいことが判る。特に、試験例2−7、試験例2−8から、異方性電極の透過率が大きい方向を主たる流通方向(X方向)と直交するように配置した場合には、主たる流通方向であるX方向の流速がY方向の流速を下回ることが判る。また、試験例2−5より、異方性電極の方向A1を主たる流通方向であるX方向に並列するように配置した場合に、Kx/Ky(ここではK1/K2に相当)を3.0以上とすることで、XY速度比を4.6以上とできることが判る。同様に、試験例2−4より、Kx/Ky(K1/K2)を9.0以上とすることで、XY速度比が20近くまで上昇することが、試験例2−3より、Kx/Ky(K1/K2)を100以上とすることで、XY速度比が40近くまで上昇することが、試験例2−2より、Kx/Ky(K1/K2)を1000以上とすることで、XY速度比が50近くまで上昇することが、試験例2−1より、Kx/Ky(K1/K2)を10000以上とすることで、XY速度比が60近くまで上昇することが判る。
図17から図21を比較すると、主たる流通方向(X方向)の透過率Kxが、主たる流通方向と直交する方向の透過率Kyよりも大きくなるにしたがって、RF電池の運転に適した流速の領域(濃淡のはっきりとした縦縞状の領域)が大きくなっていくことが判る。このように、少なくともKx/Kyが10となる程度までは、Kx/Kyが大きくなるにしたがって、濃淡がはっきりとした縦縞状の縦縞状の領域が増加し、RF電池の運転に適した流速で電解液が流通している領域の割合が大きくなることが判る。
Kx/Ky(K1/K2)が10000である試験例2−1(図14)、およびKx/Ky(K1/K2)が1000である試験例2−2(図15)では、電極の左右に縦縞状の領域が確認できない。これは、この領域に存在する電解液の流速が、電解液が電極内で滞留しているとみなせる程度の流速であるからである。換言すれば、流速が0に近いため、各図に用いたチャートの構成上、濃淡がはっきりとした縦縞状とならない。上述したように、RF電池の運転に適した流速で電解液が流通する領域と電解液が滞留する領域とが存在すると、電池反応にばらつきが生じやすい。その結果、RF電池の内部抵抗が上昇する要因の一つになると考えられる。このように、主たる流通方向(X方向)の透過率Kxが、主たる流通方向と直交する方向の透過率Kyよりも大きすぎると、RF電池の内部抵抗が上昇するおそれがある。一方で、Kx/Ky(K1/K2)が100である試験例2−3では、試験例2−1や試験例2−2と比べて、主たる流通方向へ流通する電解液が電極内で滞留する領域が大幅に低減されていることが判る(図16を参照)。
以上より、Kx/Kyが1.5以上100以下であると、すなわち、K1がK2の1.5倍以上100倍以下であると、X方向へRF電池の運転に適した流速で電解液が流通している領域の割合が大きくなったり、主たる流通方向へ流通する電解液が電極内で滞留する領域が低減されたりすることで内部抵抗が低減されると期待される。
<試験例3>
試験例3では、単セル構造の小型RF電池を用いて充放電試験を行い、内部抵抗を調べた。この小型RF電池も、図2に示す噛合型の対向櫛歯形状の流路を備える双極板を備え、正極電極および負極電極は、同一の電極を用いた。電解液は、実施形態1と同様に、電解液は双極板の下部から導入され、上部から排出される。よって、上下方向を高さ(Y方向)、左右方向を幅(X方向)、X方向とY方向とに直交する方向を厚み(Z方向)とした。そして、異方性電極の方向A1を主たる流通方向であるX方向に並列するように配置した場合(試験例3−1)、および、方向A1を主たる流通方向(X方向)と直交するように配置した場合(試験例3−2)における内部抵抗をそれぞれ測定した。本試験例では、上述のように単セル構造のRF電池としているので、電池の内部抵抗はセル抵抗率と同義となる。よって、内部抵抗はセル抵抗率として表す。以下、詳細な試験条件を示すと共に、結果を表3に示す。表3におけるセル抵抗率は、下記に示すセル抵抗率の計算手法により求めた2サイクル目および3サイクル目におけるセル抵抗率の値の平均値を表す。
(試験条件)
《電極》
種類:カーボン電極(SGLカーボンジャパン株式会社製、GDL10AA)
高さ:3.1(cm)、幅:2.9(cm)、厚み:0.02(cm)
《電解液》
硫酸V水溶液(V濃度:1.7mol/L、硫酸濃度:3.4mol/L)
充電状態:50%
《電解液流量等》
入口流量:0.31(ml/min/cm
出口流量:自由流出
《双極板》
高さ(Y方向):3.1(cm)、幅(X方向):2.9(cm)
〔流路〕
溝形状:噛合型の対向櫛歯形状
縦溝数:導入路8本×排出路7本
縦溝長さ:2.6(cm)
溝幅:0.1(cm)
溝深さ:0.1(cm)
縦溝間隔:0.1(cm)
溝断面形状:正方形
《充放電条件》
充放電方法 :定電流
電流密度 :70(mA/cm
充電終了電圧:1.55(V)
放電終了電圧:1.00(V)
温度 :25℃
《セル抵抗率(内部抵抗)》
計算手法:R=(V2−V1)/2I
R:セル抵抗率(Ω・cm
I:電流密度(A/cm
V1:充電時間の中点における電圧(V)
V2:放電時間の中点における電圧(V)
表3に示すように、異方性電極の方向A1を主たる流通方向であるX方向に並列するように配置した試験例3−1のほうが、方向A1を主たる流通方向(X方向)と直交するように配置した試験例3−2よりも内部抵抗が小さい。これは、上述の試験例1、試験例2で示したように、試験例3−1では、異方性電極の方向A1と主たる流通方向(X方向)とを並列するように配置したことで、電極内において、主たる流通方向へ流通する電解液の流速のばらつきが低減されたためと考えられる。
(透過率の測定手法)
試験例3に用いた異方性電極の透過率は、図22に示す圧力損失測定システム600を用いて圧力損失ΔPと流体の流量Qとを測定し、その測定結果とΔP=(h/K)μ(Q/wd)により示される式(ダルシー・ワイズバッハの式と呼ばれる。詳細については後述)とにより求めた。圧力損失測定システム600は、測定セル610と、流体槽620と、ポンプ640と、流量計650と、差圧計660と、これらの機器をつなぐ配管630とを備える。測定セル610は透過率Kを求めたい電極(電極層)を収納する。流体槽620は電極に導入される流体622(水等)を貯留する。ポンプ640は配管630を介して流体622を各機器に圧送し、流量計650はポンプ出口側の流体の流量を測定する。差圧計660は測定セル610と並列に配管630で接続され、圧力損失ΔPを測定する。測定セル610は、電極を収納する収納部(図示せず)を備え、収納部には電極の厚みdを0.2〜0.5mmに確保するためのスペーサー(図示せず)が配置される。流量計650と差圧計660とは、配管630に取り付けられる。図22中の一点鎖線矢印は、流体622が流通される方向を示す。
測定セル610に高さhを100mm、幅dを50mmとした電極を上記収納部に押し込む。そして、電極層を保持する測定セル610に流体622(ここでは水、粘度μは定数とする)をポンプ640により流通させる。電極層には、その側面(断面積wdを有する面)から流体622が導入され、その高さ方向に流通される。このとき、ポンプ640を調整して、流量Qを種々の値に変更させた場合の圧力損失ΔPを、それぞれ差圧計660により測定する。そして、流量Qを横軸、圧力損失ΔPを縦軸としてプロットする。これらのプロットした測定点を、上記のダルシー・ワイズバッハの式で近似して、この近似直線の傾きを高さ方向の透過率Kとする。
ダルシー・ワイズバッハの式において、Kは透過率(m)であり、ΔPは圧力損失(Pa)を、Qは電極へ導入される流体の流量(m/s)を、μは流通される流体の粘度(Pa・s)を、hは電極の高さ(m)を、wは電極αの幅(m)を、dは電極のセルスタック200内で圧縮された状態での厚み(m)をそれぞれ示す。透過率Kは、流体の種類によらず電極層固有の値であるので、上述したように、水等の粘度が既知の流体を用いて測定することができる定数である。
本発明のレドックスフロー電池は、太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーの発電に対して、発電出力の変動の安定化、発電電力の余剰時の蓄電、負荷平準化などを目的とした大容量の蓄電池に好適に利用することができる。また、本発明のレドックスフロー電池は、一般的な発電所や大型商業施設等に併設されて、瞬低・停電対策や負荷平準化を目的とした大容量の蓄電池としても好適に利用することができる。
1 レドックスフロー電池(RF電池)
100 電池セル
101 隔膜 102 正極セル 103 負極セル
104 正極電極 105 負極電極
106 正極電解液用タンク 107 負極電解液用タンク
108,109,110,111 導管
112,113 ポンプ
200 セルスタック
120 セルフレーム
121 双極板
130 流路
131 導入路 132 排出路
130a,131a,132a 横溝(溝部)
130b,131b,132b 縦溝(溝部)
135a 短溝部 135b 長溝部
122 枠体
123,124 導入口(給液用マニホールド)
125,126 排出口(排液用マニホールド)
α 異方性電極
α1 異方性電極層
300 交流/直流変換器 310 変電設備
400 発電部 500 負荷
600 圧力損失測定システム
610 測定セル 620 流体槽 622 流体
630 配管 640 ポンプ
650 流量計 660 差圧計

Claims (7)

  1. 隔膜と、双極板と、前記隔膜および前記双極板の間に配置される電極と、前記電極に電解液を供給する導入口と、前記電極から前記電解液を排出する排出口とを備え、前記電解液を前記電極に流通させて充放電反応を行うレドックスフロー電池であって、
    前記電極が、
    この電極の平面における方向A1と、前記方向A1と前記電極の平面において直交する方向A2とで透過率(m が異なる異方性電極層を備え、
    前記異方性電極層は、前記方向A1の透過率K1が前記方向A2の透過率K2よりも大きく、
    前記導入口と前記排出口との位置関係、および前記双極板の前記電極側の面の形状に基づいて定まる前記電極内での前記電解液の主たる流通方向と前記方向A1とが実質的に並行するように配置されるレドックスフロー電池。
  2. 前記透過率K1が前記透過率K2の1.5倍以上100倍以下である請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記双極板が、前記電極側の面に前記電解液が流通する流路を備え、
    前記流路は互いに並列する複数の溝部を有し、
    前記主たる流通方向が、前記複数の溝部の並列方向である請求項1または請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記流路が、前記導入口と繋がる導入路と、前記排出口と繋がる排出路とを備え、
    前記導入路および前記排出路は、前記複数の溝部をそれぞれ有し、
    前記導入路と前記排出路とが連通しておらず独立している請求項3に記載のレドックスフロー電池。
  5. 前記導入路および前記排出路が櫛歯形状の溝部を備え、
    前記導入路と前記排出路とは、それぞれの櫛歯が互いに噛み合って対向するように配置される請求項4に記載のレドックスフロー電池。
  6. 前記流路は、前記導入口から前記排出口まで一連の蛇行形状であり、互いに隣り合うように並列する複数の長溝部と、前記複数の長溝部の一端同士または他端同士を交互に繋ぐ複数の短溝部とを備え、
    前記主たる流通方向が、前記複数の長溝部の並列方向である請求項3に記載のレドックスフロー電池。
  7. 前記双極板の前記電極側の面の形状が平面状であり、
    前記主たる流通方向が、前記導入口側から前記排出口側である請求項1または請求項2に記載のレドックスフロー電池。
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