JP6106023B2 - タイヤの製造方法 - Google Patents
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このように、ゲル化が著しく進行した天然ゴムはムーニー粘度が上昇し、加工性が大きく低下する。
一方、加工性を改善するために、ゴム素練りをおこなうこともできるが、分子量も同時に低下するためにゴム組成物の物性が低下してしまうこととなる。
特許文献1では、ゲル化の進行を抑制するために恒粘度剤を添加する方法を提案している。しかし、コストの上昇が避けられない。またラテックス状態でゲル化を抑制する手法は知られていないのが現状である。
同様に、乳化重合合成ゴムにおいては、重合率が60%を超えると分子鎖間の架橋が進行し、ゲル分含有率が上昇する。これによってゴム加工性は大きく低下し、通常の混練り機によりゴム組成物を製造することが非常に困難となっている。
このようにゲル分含有率が大きく増加してしまったゴムラテックスや固形ゴムを、タイヤ用組成物に適用する効果的な手法は示されていない。
ところで、ゴム成分中にカーボンブラックやシリカ等の充填材の分散を向上させる技術として、ゴムラテックスと、カーボンブラックやシリカ等の充填材を予め水中に分散させたスラリー溶液と混合してゴムウエットマスターバッチを作製する方法が知られている(例えば、特許文献2、3及び4参照)。
しかしながら、従来は、ゲル分含有率が大きくなると加工性が大きく低下すると考えられていたので、ゲル分含有率が大きく増加したゴムラテックスをゴムウエットマスターバッチに用いようとする視点が欠落していた。
すなわち、本発明は、
[1] ゴム固形分全量中のゲル分含有率が50〜88質量%であるジエン系ゴムラテックスと、充填材を予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合する工程(a)と、
該工程(a)を含む製造方法により得られたゴムウエットマスターバッチを配合する工程(m)と、
該工程(m)により得られたゴム組成物を用いる工程(n)とを含むことを特徴とするタイヤの製造方法、
[2] 前記ジエン系ゴムラテックスが、ジエン系合成ゴムラテックス及び/又は天然ゴムラテックスである前記[1]に記載のタイヤの製造方法、
[3] 前記ジエン系合成ゴムラテックスが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスである前記[2]に記載のタイヤの製造方法、
[4] 前記充填材が、カーボンブラック、シリカ及び一般式(I)
nM・xSiO y ・zH 2 O・・・・・・・・(I)
[式中,Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物、及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y、及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。]
で表される無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種の充填材である前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法、
[5] 前記工程(a)により得られた混合液を凝固処理する凝固工程(b)を含む前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法、
[6] 前記(b)工程で形成された凝固物を、固液分離手段を用いて取り出し、洗浄する工程(c)を含む前記[5]に記載のタイヤの製造方法、
[7] 前記(c)工程で取り出された凝固物を脱水する工程(d)を含む前記[6]に記載のタイヤの製造方法、
[8] 前記(d)工程で得られた脱水された凝固物を乾燥する工程(e)を含む前記[7]に記載のタイヤの製造方法、
[9] 前記(d)工程で凝固物の水分率を20〜70質量%とすることを特徴とする前記[7]又は[8]に記載のタイヤの製造方法、
[10] 前記工程(e)において、連続混練機を用いることを特徴とする前記[8]又は[9]に記載のタイヤの製造方法、及び
[11] 前記ゴム組成物において、ゴム成分の全量中、前記ゴムウエットマスターバッチにおけるゴム成分を30質量%以上含む前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法、
を提供するものである。
本発明のゴムウエットマスターバッチの製造方法は、ゴム固形分全量中のゲル分含有率が50〜88質量%であるジエン系ゴムラテックスと、充填材を予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合する工程を含むことを特徴とする。
ゴム固形分全量中のゲル分含有率が50質量%未満であると、低発熱性及び耐摩耗性が向上し得ない。また、88質量%を超えるとゴムウエットマスターバッチの加工性が低下することとなる。これらの観点から、ゴム固形分全量中のゲル分含有率は、60〜88質量%が好ましく、65〜88質量%がより好ましく、70〜88質量%が特に好ましい。
ここで、ゴム固形分全量中のゲル分含有率(以下、「ゲル分含有率」と略記する。)の測定方法は、以下の通りである。
ジエン系ゴムラテックスを凝固・乾燥して得た生ゴムを1mm×1mmに切断したサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのテトラヒドロフラン(THF)を加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してTHFに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥して質量を測定した。次の式によりゲル含有量(質量%)を求めた。
ゲル含有量(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
[(a)工程及び(b)工程]
(a)工程及び(b)工程は、ジエン系ゴムラテックスと、充填材を予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合する混合工程と、混合液を凝固処理する凝固工程であり、通常連続して行なわれる。
ジエン系ゴムラテックスとしては、ジエン系合成ゴムラテックス及び天然ゴムラテックスから選ばれる少なくとも一種のラテックスであることが好ましく、ジエン系合成ゴムラテックスとしては乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(以下、「乳化重合SBRラテックス」ということがある。)であることが好ましい。
ジエン系ゴムラテックスは、例えば乳化重合SBRラテックスの場合は、重合時に、単量体転化率を調整することによりゲル分含有率を制御することができる。単量体転化率を高くするとゲル分含有率が高くなるので、単量体転化率とゲル分含有率の関係を把握することにより、任意のゲル分含有率のジエン系ゴムラテックスが得られる。
また、天然ゴムラテックスは、ラテックスの窒素雰囲気下における加熱老化によりゲル分含有率が高くなるので、加熱老化条件とゲル分含有率の関係を把握することにより、任意のゲル分含有率の天然ゴムラテックスが得られる。
nM・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。]
で表される無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種の充填材であることが好ましい。
例えば、高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラックを使用できる。特に、SAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)は、好ましくは75〜160m2/g、より好ましくは85〜160m2/g、特に好ましくは90〜160m2/gである。また、カーボンブラックのDBP吸収量(JIS K 6217−4:2008に準拠して測定する)は、好ましくは70〜150cm3/100g、より好ましくは80〜150cm3/100g、特に好ましくは90〜150cm3/100gである。これらは単独に又は混合して使用することができる。
また、一般式(I)で表される無機充填材としては、Mがアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及びアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一種のものが好ましい。
高速せん断とは、せん断速度が1000/s以上であることが好ましく、2000/s以上であることがより好ましく、4000/s以上であることがさらに好ましい。
高速せん断ミキサーは、市販品としては、例えば特殊機化工業社製ホモミキサー、独PUC社製コロイドミル、独キャビトロン社製キャビトロン、英シルバーソン社製ハイシアーミキサーなどが挙げられる。
当該(b)工程においては、ゴム液、好ましくは上記のようにして得られたスラリー溶液を含むゴム液を凝固処理して、凝固物を形成させる。この凝固方法としては、従来公知の方法、例えば蟻酸、硫酸などの酸や、塩化ナトリウムなどの塩の凝固剤を用いて行われる。
(c)工程は、前記(b)工程で形成された凝固物を、従来公知の固液分離手段を用いて取り出し、充分に洗浄する工程である。洗浄は、通常水洗法が採用される。
(d)工程は、c)工程で取り出された凝固物を脱水する工程である。この(d)工程で凝固物の水分率を20〜70質量%とすることが好ましく、40〜70質量%とすることがさらに好ましい。凝固物の水分率が20〜70質量%の範囲であれば、次の(e)工程で好適に行なわれる機械的せん断を効果的に行なうことができる。
尚、水分率とは、(c)工程で取り出された凝固物中に含まれる水分の割合を示す。
また、このゴム組成物において、ゴム成分の全量中、上記ゴムウエットマスターバッチにおけるゴム成分を30質量%以上含むことが好ましい。
本発明はまた、前記本発明に係るゴム組成物を用いてなるタイヤをも提供する。
本発明に係るタイヤは、前記本発明に係るゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、ゴムウエットマスターバッチと共に必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で、例えばタイヤトレッドに加工され、タイヤ成型機上で通常の方法により貼り付け成型され、生タイヤが成型される。この生タイヤを加硫機中で加熱、加圧してタイヤが得られる。
このようにして得られた本発明のタイヤは、低発熱性及び耐摩耗性に優れている。
各実施例、比較例における各種測定は下記の方法により行なった。
(1)ゲル分含有率(質量%)
上記に記載された方法により行なった。
(2)低発熱性
レオメトリック社製「動的せん断粘弾性測定装置」を用い、測定温度50℃、歪5%、周波数15Hzで損失正接(tanδ)を求めた。比較例1及び9を100として下記の式により指数で求め、その数値が大きい程、低発熱性に優れることを示す。
低発熱性指数={(比較例1又は9のゴム組成物のtanδ)/(供試ゴム組成物のtanδ)}×100
(3)耐摩耗性
JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温(23℃)でスリップ率25%の条件で試験を行い、摩耗量の逆数を、比較例1及び9を100として下記の式により指数で示した。数値が大きい程、耐摩耗性にすぐれる。
耐摩耗性指数={(比較例1又は9のゴム組成物の摩耗量)/(供試ゴム組成物の摩耗量)}×100
窒素雰囲気下で、5℃で、撹拌した反応容器に下記に示した成分(キレート鉄錯体、重合停止剤を除く)を供給した。レドックス触媒乳化重合は、混合物内にキレート鉄錯体を添加することによって開始した。
重合体のゲル分含有率は単量体の転化率に相関しており、単量体転化率65%まではゲル分含有率はほぼ0%だが、その後、転化率に比例してゲル分含有率が上昇し、単量体転化率が97%のときには、ゲル分含有率が100%に到達した。ゲル分含有率が異なる6種類の乳化重合SBRラテックスは、上記の反応時間と単量体転化率及びゲル分含有率の関係を用いて、単量体転化率を変化させることにより調製した。なお、重合停止は重合停止剤の添加によって行った。
6種類の乳化重合SBRラテックスのゲル分含有率を測定したところ、実施例1及び7に用いる製造例1のラテックスのゲル分含有率は50質量%であり、実施例2及び8に用いる製造例2のラテックスのゲル分含有率は80質量%であり、実施例3及び9に用いる製造例3のラテックスのゲル分含有率は86質量%であり、比較例1及び9に用いる製造例4のラテックスのゲル分含有率は20質量%であり、比較例2及び10に用いる製造例5のラテックスのゲル分含有率は30質量%であり、比較例3及び11に用いる製造例6のラテックスのゲル分含有率は100質量%であった。
天然ゴムラテックスは、その生産地によってゲル成分の含有率が異なっている。また、ラテックスが採取された後の保存条件および期間によっても含有率が変動する。本実施例においては、意図的にゲル分含有率をコントロールするために、ラテックスの窒素雰囲気下における加熱老化によりゲル成分含有量の異なるラテックスを得た。本実施例においては、入手直後の天然ゴムラテックスのゲル成分含有量を測定したところ、20質量%であり、80℃24時間の窒素雰囲気下における加熱後では32質量%、336時間の加熱後ではゲル分含有率は90質量%に達した。この加熱時間とゲル分含有率の関係を利用することにより、ゲル分含有率が異なる6種類の天然ゴムラテックスを得た。
6種類の天然ゴムラテックスのゲル分含有率を測定したところ、実施例4及び10に用いる製造例7のラテックスのゲル分含有率は50質量%であり、実施例5及び11に用いる製造例8のラテックスのゲル分含有率は70質量%であり、実施例6及び12に用いる製造例9のラテックスのゲル分含有率は80質量%であり、比較例4及び12に用いる製造例10のラテックスのゲル分含有率は20質量%であり、比較例5及び13に用いる製造例11のラテックスのゲル分含有率は30質量%であり、比較例6及び14に用いる製造例12のラテックスのゲル分含有率は90質量%であった。
ローター径50mmのコロイドミルに脱イオン水1425gと、シリカ{東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =205m2/g)}75gを投入し、ローター・ステーター間隙1mm、回転数1500rpmで10分間攪拌した。
ローター径50mmのコロイドミルに脱イオン水1425gと、カーボンブラックN220(ISAF){旭カーボン株式会社製、商品名「旭#80」(N2SA=115m2/g、DBP吸収量(A法)=113ml/100g)}75gを投入し、ローター・ステーター間隙1mm、回転数1500rpmで10分間攪拌した。
(1)ゴムウエットマスターバッチの調製
以下のように、混合工程、凝固工程及び脱水工程を行なった。
国定ホモミキサー中に、上記の製造例1〜6又は製造例7〜12により調製されたラテックスの各々と、上記の製造例13又は製造例14により調製されたスラリー溶液の各々とを、第1表及び第3表に従って、ゴム分100質量部に対してシリカが50質量部となるよう添加し、又はゴム分100質量部に対してカーボンブラックが55重量部となるよう添加し、各々攪拌しながら、蟻酸をpH4.5になるまで加えた。凝固したマスターバッチを回収、水洗し、水分が約40質量%になるまで脱水を行った。ジエン系ゴムラテックスと充填材との組み合わせは第1表及び第3表に従った。
次に、乾燥工程として、神戸製鋼製2軸混練押出機(同方向回転スクリュー径 30mm、L/D=35、ベントホール3ヶ所)を用いて、バレル温度120℃、回転数100rpmで乾燥する2軸混練押出機法により行なった。得られたゴムウエットマスターバッチの内容は第1表及び第3表に示す。
(2)ゴム組成物の調製
第2表及び第4表に示すゴムウエットマスターバッチを用いて第3表及び第5表に示す配合処方によりバンバリーミキサーで混練してゴム組成物を得た。得られたゴム組成物について、低発熱性及び耐摩耗性を評価した。結果を第3表及び第5表に示す。なお、第2表と第3表の実施例番号と比較例番号は対応しており、第4表と第5表の実施例番号と比較例番号は対応している。
乳化重合SBR又は天然ゴム100質量部に対して、シリカ50質量部及びカーボンブラック5質量部を配合して、第3表に示す配合処方によりバンバリーミキサーで通常練りを行い、2種類のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物について、低発熱性及び耐摩耗性を評価した。結果を第3表に示す。
乳化重合SBR又は天然ゴム100質量部に対して、カーボンブラック55質量部を配合して、第5表に示す配合処方によりバンバリーミキサーで通常練りを行い、2種類のゴム組成物を得た。得られたゴム組成物について、低発熱性及び耐摩耗性を評価した。結果を第5表に示す。
*1: 製造例1〜6により得られた乳化重合SBRラテックス。
*2: 製造例7〜12により得られた天然ゴムラテックス。
*3: 湿式シリカ{東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =205m2/g)}
*4: 乳化重合SBR、製造例1により得られた乳化重合SBRラテックスを凝固し、脱水し、乾燥して得た生ゴムを用いた。
*5: 天然ゴム、製造例2により得られた天然ゴムラテックスを凝固し、脱水し、乾燥して得た生ゴムを用いた。
*6: カーボンブラックN220(ISAF)、{旭カーボン株式会社製、商品名「旭#80」(N2SA=115m2/g、DBP吸収量(A法)=113ml/100g)}
*7: 三共油化工業株式会社製、商品名「A/O MIX」
*8: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*9: 1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
*10: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーDM」
*11: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーNS」
また、実施例4〜6、10〜12及び比較例4〜6、8、12〜14、16のゴム組成物をトレッド接地部(キャップトレッド)に用いたタイヤサイズ11R22.5のトラック・バス用大型ラジアルタイヤを常法により製造し、低発熱性(転がり抵抗・ドラム試験)及び耐摩耗性(実地試験)を評価したところ、実施例4〜6、10〜12のタイヤは比較例4〜6、8、12〜14、16の対比すべきタイヤと比較して、低発熱性及び耐摩耗性の双方が優れていた。
Claims (11)
- ゴム固形分全量中のゲル分含有率が50〜88質量%であるジエン系ゴムラテックスと、充填材を予め水中に分散させてなるスラリー溶液とを混合する工程(a)と、
該工程(a)を含む製造方法により得られたゴムウエットマスターバッチを配合する工程(m)と、
該工程(m)により得られたゴム組成物を用いる工程(n)とを含むことを特徴とするタイヤの製造方法。 - 前記ジエン系ゴムラテックスが、ジエン系合成ゴムラテックス及び/又は天然ゴムラテックスである請求項1に記載のタイヤの製造方法。
- 前記ジエン系合成ゴムラテックスが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスである請求項2に記載のタイヤの製造方法。
- 前記充填材が、カーボンブラック、シリカ及び一般式(I)
nM・xSiOy・zH2O・・・・・・・・(I)
[式中,Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物、及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y、及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。]
で表される無機充填材の中から選ばれる少なくとも一種の充填材である請求項1〜3のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。 - 前記工程(a)により得られた混合液を凝固処理する凝固工程(b)を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。
- 前記(b)工程で形成された凝固物を、固液分離手段を用いて取り出し、洗浄する工程(c)を含む請求項5に記載のタイヤの製造方法。
- 前記(c)工程で取り出された凝固物を脱水する工程(d)を含む請求項6に記載のタイヤの製造方法。
- 前記(d)工程で得られた脱水された凝固物を乾燥する工程(e)を含む請求項7に記載のタイヤの製造方法。
- 前記(d)工程で凝固物の水分率を20〜70質量%とすることを特徴とする請求項7又は8に記載のタイヤの製造方法。
- 前記工程(e)において、連続混練機を用いることを特徴とする請求項8又は9に記載のタイヤの製造方法。
- 前記ゴム組成物において、ゴム成分の全量中、前記ゴムウエットマスターバッチにおけるゴム成分を30質量%以上含む請求項1〜10のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。
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