JP5523852B2 - ゴム組成物の混練方法 - Google Patents
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Description
ところで、近年、タイヤ製造において、低発熱性の観点からシリカが多用されている。
しかし、シリカは多量に配合すると分散が困難となる傾向にあり、シリカの分散性のよいゴム組成物を得ることが困難となることが多かった。これにより、シリカを含むゴム組成物の製造においては、ゴム組成物の加硫後の物性を損なわないために、シリカを充分にゴム中に取り込み、分散させるために、カーボンブラックを含むゴム組成物と比較してシリカ投入混練工程をより多数回設ける必要があった。
また、特許文献2は、密閉式混合機を用いてゴム原材料(A)に配合薬品類(B)を混練りする工程において、該混練り前に及び/又は該混練り中に上記ゴム原材料(A)の粘度を実測或いは推測した値に基づいて、上記配合薬品類(B)中の少なくとも1種の配合量を制御することを特徴とするゴムの混練方法を提案している。
しかしながら、特許文献1の方法は、新たな設備を導入するものであり、経済性に劣ると共に消費電力が増大することとなる。また、特許文献2の方法は、ゴム原材料(A)の粘度を継続して実測或いは推測する必要があり、煩雑であると共に生産性が低く、かつシリカの分散性を向上することが困難であった。
そこで、新たな手法による、シリカを含むゴム組成物の混練方法の改善が求められている。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] シリカを含むゴム組成物を混練室内容積50リットル以上の密閉式混練機により混練する方法であって、シリカ投入混練工程のフィルファクター{(混練されているゴム組成物の体積/混練室内容積)×100}が50〜60%であることを特徴とするゴム組成物の混練方法、
[2] 単一の前記シリカ投入混練工程で前記シリカの全量を混練する上記[1]に記載のゴム組成物の混練方法、
[3] 前記シリカ投入混練工程の嵩充填率{(ゴム組成物を構成する原材料の全嵩体積/混練室内容積)×100}が110〜130%である上記[1]又は[2]に記載のゴム組成物の混練方法、及び
[4] 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物の混練方法である。
本発明の混練方法においては、フィルファクターを低くしても、シリカ投入混練工程削減の効果が大きいので、全体として、混練時間を短縮し、消費エネルギーを低減することができる。
また、密閉式混練機の混練室内容積を50リットル以上と限定するのは、混練室内容積が大きくなる程本発明の効果をより大きく享受できるからである。この観点から混練室内容積には上限なく、現在市販されている密閉式混練機の混練室内容積の最大値であっても良い。
なお、本発明における嵩体積は、ホソカワミクロン株式会社製、パウダテスタ PT−N型 粉体特性測定装置又はそれと同等機能を有する装置を用いて、見掛比重法に基づき測定される。
このシリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、中でも破壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性の両立効果が最も顕著である湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)としては100m2/g以上のものが好ましく、より好ましくは150m2/g以上、特に好ましくは170m2/g以上である。このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =190m2/g)、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m2/g)等の市販品を用いることができる。
カーボンブラックとしても特に制限はなく、例えばSRF、GPF、FEF、HAF、N339、IISAF、1SAF、SAFなどが用いられ、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックを用いることにより、グリップ性能及び耐破壊特性の改良効果は大きくなるが、耐摩耗性に優れるHAF、N339、IISAF、ISAF、SAFが特に好ましい。
また、市販品として、Momentive Performance Materials社製の商品名「NXT Low−V Silane」(登録商標)、商品名「NXT Ultra Low−V Silane」(登録商標)、商品名「NXT Z」(登録商標)などが好適に用いられる。
図1に示す密閉式混練装置は、接線式1翼型のバッチ式密閉式混練機であって、「インターナルミキサー」と称されるものである。この密閉式混練装置10は、混練機11と動力部21、油圧シリンダー19及びガイドロット20とから構成されている。この混練機11は混練機本体12とフローティングウェイト18との組合せにより構成されている。混練機本体12は、断面半円状に形成された円筒面を2個合体した形の混練室(混練チャンバ)13を形成している。該混練室13の上方には、円筒面に形成された開口部14が設けられている。
なお、上記のバッチ式密閉式混練機としては、バンバリー型や加圧ニーダーが一般的に用いられている。
フローティングウェイト18は、混練機本体12の開口部14内側に嵌合する外周面18aが設けられていると共に、油圧シリンダー19及びガイドロット20からの圧力によりゴム成分とカーボンブラック等のゴム用配合材料が混合し易い様に押え込み圧接している。
図1において、接線式1翼型のバッチ式密閉式混練機を有する密閉式混練装置を示したが、噛合式1翼型、接線式2翼型又は噛合式2翼型(2つの羽根を有するローターを2つ備えている。)あるいは接線式3翼型又は噛合式3翼型(3つの羽根を有するローターを2つ備えている。)も同様に用いられる。
なお、所望によりシリカ投入混練工程と加硫系配合剤混練工程との間に、シリカ投入混練工程で得られた混合物を再び混練りするマスターバッチ練り工程(「X−ミル工程」ともいう。)を行っても良い。
実施例1〜3、比較例1〜2及び参考例1
図1に示す混練室内容積200リットルの密閉式混練装置を使用して、実施例1〜3及び比較例1〜2において、ゴム成分として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(JSR株式会社製、非油展)100質量部、充填材としてシリカ(東ソー・シリカ株式会社製、湿式シリカ)75質量部及びカーボンブラックISAF(旭カーボン株式会社製)15質量部からなるゴム組成物を単一のシリカ投入混練工程にて異なる5種類のフィルファクターにて混練した。実施例1のフィルファクターは50%、実施例2のフィルファクターは60%、実施例3のフィルファクターは55%、比較例1のフィルファクターは70%、比較例2のフィルファクターは65%であった。これら5種類のゴム組成物は、それぞれ、まず、ゴム成分を全量投入後、シリカ及びカーボンブラックの全量を一括投入して混練した。
また、参考例1において、ゴム成分として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(JSR株式会社製、非油展)100質量部、充填材としてカーボンブラックISAF(旭カーボン株式会社製)90質量部からなるゴム組成物を単一のカーボンブラック投入混練工程にてフィルファクター70%で混練した。参考例1においては、ゴム成分を全量投入後、カーボンブラックの全量を投入して混練した。
これに対して、比較例1のフィルファクター70%のゴム組成物の混練方法では、シリカ取り込み速度が著しく低下し、シリカ分散効率が低かった。これにより混練工程の削減が困難となり、消費電力も低減できなかった。
図3から明らかなように、フィルファクター50〜60%の範囲内の実施例2及び3のゴム組成物の混練方法では、混練時間(sec)の初期における負荷電力(密閉式混練装置に負荷される電力)が高くなり、シリカの凝集塊の破壊が迅速になされるので、上述のようにシリカ取り込み速度が速くなった。
これに対して、比較例2のフィルファクター65%のゴム組成物の混練方法では、、混練時間(sec)の初期から負荷電力が高くなるまでの時間がかかり、シリカ取り込み速度が著しく低下したので、シリカ分散効率が低かった。
10 密閉式混練装置
11 混練機
12 混練機本体
13 混練室
14 開口部
15a 第1のローター
15b 第2のローター
16a 第1の回転軸
16b 第2の回転軸
17a 第1の羽根
17b 第2の羽根
18 フローティングウェイト
18a 外周面
19 油圧シリンダー
20 ガイドロット
21 動力部
Claims (3)
- シリカを含むゴム組成物を混練室内容積50リットル以上の密閉式混練機により混練する方法であって、シリカ投入混練工程のフィルファクター{(混練されているゴム組成物の体積/混練室内容積)×100}が50〜60%であり、前記シリカ投入混練工程の嵩充填率{(ゴム組成物を構成する原材料の全嵩体積/混練室内容積)×100}が110〜130%であることを特徴とするゴム組成物の混練方法。
- 単一の前記シリカ投入混練工程で前記シリカの全量を混練する請求項1に記載のゴム組成物の混練方法。
- 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含む請求項1又は2に記載のゴム組成物の混練方法。
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