JP5523852B2 - ゴム組成物の混練方法 - Google Patents

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本発明は、シリカを含むゴム組成物のシリカ分散効率を向上させ得るゴム組成物の混練方法に関する。
従来、密閉式混練機(インターナルミキサー)を用いてゴム組成物を混練りする場合に、ゴム原材料の投入質量に対して一定質量の配合薬品類を投入して混練りする方法が一般的であった。
ところで、近年、タイヤ製造において、低発熱性の観点からシリカが多用されている。
しかし、シリカは多量に配合すると分散が困難となる傾向にあり、シリカの分散性のよいゴム組成物を得ることが困難となることが多かった。これにより、シリカを含むゴム組成物の製造においては、ゴム組成物の加硫後の物性を損なわないために、シリカを充分にゴム中に取り込み、分散させるために、カーボンブラックを含むゴム組成物と比較してシリカ投入混練工程をより多数回設ける必要があった。
以上の問題に対して、特許文献1は、(A)充填剤を含むゴムを混練ミキサーで混合する工程と、(B)該混練ミキサーから排出された混練ゴムをシーティングロールによりゴムシートを形成する工程と、(C)該ゴムシートを、ロール表面回転方向に多条の溝を有し、各ロールの溝を構成する凸面と凹面とが互いに対面している前後一対の波型ロール間を通過させることにより、該ゴムシートの肉厚を1/3以下とする工程と、を包含することを特徴とするゴムの混練方法を提案している。
また、特許文献2は、密閉式混合機を用いてゴム原材料(A)に配合薬品類(B)を混練りする工程において、該混練り前に及び/又は該混練り中に上記ゴム原材料(A)の粘度を実測或いは推測した値に基づいて、上記配合薬品類(B)中の少なくとも1種の配合量を制御することを特徴とするゴムの混練方法を提案している。
しかしながら、特許文献1の方法は、新たな設備を導入するものであり、経済性に劣ると共に消費電力が増大することとなる。また、特許文献2の方法は、ゴム原材料(A)の粘度を継続して実測或いは推測する必要があり、煩雑であると共に生産性が低く、かつシリカの分散性を向上することが困難であった。
そこで、新たな手法による、シリカを含むゴム組成物の混練方法の改善が求められている。
特開2002−347023号公報 特開2005−199503号公報
本発明は、上記の状況に鑑み、シリカを含むゴム組成物のシリカ分散効率を向上させて、混練工程の削減によりゴム組成物の生産性を向上させ、かつ消費電力低減が可能となるゴム組成物の混練方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シリカを含むゴム組成物の混練り方法を抜本的に新しくすることによりシリカを含むゴム組成物のシリカ分散効率を向上させ得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] シリカを含むゴム組成物を混練室内容積50リットル以上の密閉式混練機により混練する方法であって、シリカ投入混練工程のフィルファクター{(混練されているゴム組成物の体積/混練室内容積)×100}が50〜60%であることを特徴とするゴム組成物の混練方法、
[2] 単一の前記シリカ投入混練工程で前記シリカの全量を混練する上記[1]に記載のゴム組成物の混練方法、
[3] 前記シリカ投入混練工程の嵩充填率{(ゴム組成物を構成する原材料の全嵩体積/混練室内容積)×100}が110〜130%である上記[1]又は[2]に記載のゴム組成物の混練方法、及び
[4] 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物の混練方法である。
本発明のシリカを含むゴム組成物の混練方法によれば、シリカのゴム成分中への取り込み・分散効率を向上させて、混練工程の削減によりゴム組成物の生産性を向上させ、かつ消費電力低減を可能とすることができる。
本発明の混練方法においては、フィルファクターを低くしても、シリカ投入混練工程削減の効果が大きいので、全体として、混練時間を短縮し、消費エネルギーを低減することができる。
本発明のゴム組成物の混練方法において使用される密閉式混練装置及びその装置内での混練状態の1例を示す概略図である。 本発明のゴム組成物の混練方法及び比較例となるゴム組成物の混練方法における比エネルギー(KWH/kg)とシリカ・カーボンブラック取り込み率(%)との関係を示す概略図である。 本発明のゴム組成物の混練方法及び比較例となるゴム組成物の混練方法におけるシリカ投入混練工程の混練時間(sec)−混練機の負荷電力(KW/kg)曲線の例を示す概略図である。
本発明のゴム組成物の製造方法は、シリカを含むゴム組成物を混練室内容積50リットル以上の密閉式混練機により混練する方法であって、シリカ投入混練工程のフィルファクター{(混練されているゴム組成物の体積/混練室内容積)×100}が50〜60%であることを特徴とする。フィルファクター(以下、「F.F.」と略称することがある。)が50%未満であると1回のシリカ投入混練工程での処理量が低下し、本発明の課題を解決し得ない。一方、フィルファクターが60%を超えるとシリカのゴム成分中への取り込み・分散効率が低下することとなる。ここで、「混練されているゴム組成物の体積」とは、ゴム組成物のゴム成分中に全てのゴム成分以外の原材料が混練され取り込まれ分散している状態での体積をいう。例えば、シリカは嵩体積は大きい(すなわち、嵩比重は小さい)がゴム成分中に混練され取り込まれ分散している状態での体積は、嵩体積と比較して大幅に小さくなる。
また、密閉式混練機の混練室内容積を50リットル以上と限定するのは、混練室内容積が大きくなる程本発明の効果をより大きく享受できるからである。この観点から混練室内容積には上限なく、現在市販されている密閉式混練機の混練室内容積の最大値であっても良い。
本発明のゴム組成物の製造方法は、好ましくは単一の前記シリカ投入混練工程で前記シリカの全量を混練すると良い。シリカ投入混練工程が単一であれば、混練工程の削減によりゴム組成物の生産性がより向上し、かつ消費電力低減がより好適に可能となるからである。
さらに、前記シリカ投入混練工程の嵩充填率{(ゴム組成物を構成する原材料の全嵩体積/混練室内容積)×100}が110〜130%であると好ましい。嵩充填率が110%以上であればシリカ投入混練工程での処理効率が向上し、130%以下であれば密閉式混練機への前記原材料の投入がより容易になるからである。ここで、「ゴム組成物を構成する原材料の全嵩体積」とは、シリカ投入混練工程において密閉式混練機の混練室に投入されるゴム成分、シリカ等の充填材及びその他の原材料全ての嵩体積の全量をいう。
なお、本発明における嵩体積は、ホソカワミクロン株式会社製、パウダテスタ PT−N型 粉体特性測定装置又はそれと同等機能を有する装置を用いて、見掛比重法に基づき測定される。
本発明の混練方法で製造されるゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含むことが好ましい。シリカ50質量部以上を含むことにより本発明の効果をより大きく享受できるからである。
本発明の混練方法で製造されるゴム組成物のゴム成分は、制限されるものではないが、ジエン系ゴムが好ましい。このジエン系ゴムとしては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン三元共重合ゴム、クロロブレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム及びハロゲン化メチル基をもつスチレンとイソブチレンとの共重合体等が好ましく用いられる。
本発明に係るゴム組成物に用いられるシリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用充填材として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができる。
このシリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、中でも破壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性の両立効果が最も顕著である湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)としては100m2/g以上のものが好ましく、より好ましくは150m2/g以上、特に好ましくは170m2/g以上である。このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =190m2/g)、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m2/g)等の市販品を用いることができる。
本発明に係るゴム組成物には、所望により上述のシリカに加えて、カーボンブラック、シリカ以外の無機充填材を配合しても良い。
カーボンブラックとしても特に制限はなく、例えばSRF、GPF、FEF、HAF、N339、IISAF、1SAF、SAFなどが用いられ、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックを用いることにより、グリップ性能及び耐破壊特性の改良効果は大きくなるが、耐摩耗性に優れるHAF、N339、IISAF、ISAF、SAFが特に好ましい。
シリカ以外の無機充填材としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al23)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。
本発明に係るゴム組成物においては、シランカップリング剤をシリカ及び他の無機充填材の全配合量の1〜20質量%配合することが好ましい。シランカップリング剤は無機充填材の表面に存在するOH基とゴム成分の共役ジエン系重合体と反応して、該無機充填材とゴムとの結合橋として作用し補強相を形成する。シランカップリング剤は一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明で用いられるシランカップリング剤は、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフイド、ビス−(3−トリメトキシンリルプロピル)テトラスルフイド、ビス−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフイド、ビス−(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフイド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフイド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフイド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフイド、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリンドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフイド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフイドなどが挙げられる。
また、市販品として、Momentive Performance Materials社製の商品名「NXT Low−V Silane」(登録商標)、商品名「NXT Ultra Low−V Silane」(登録商標)、商品名「NXT Z」(登録商標)などが好適に用いられる。
本発明に係るゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤などの加硫系配合剤、プロセス油、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
次に、本発明において使用される典型的な密閉式混練装置を説明する。図1は、本発明のゴム組成物の混練方法において使用される密閉式混練装置及びその装置内での混練状態の1例を示す概略図である。
図1に示す密閉式混練装置は、接線式1翼型のバッチ式密閉式混練機であって、「インターナルミキサー」と称されるものである。この密閉式混練装置10は、混練機11と動力部21、油圧シリンダー19及びガイドロット20とから構成されている。この混練機11は混練機本体12とフローティングウェイト18との組合せにより構成されている。混練機本体12は、断面半円状に形成された円筒面を2個合体した形の混練室(混練チャンバ)13を形成している。該混練室13の上方には、円筒面に形成された開口部14が設けられている。
なお、上記のバッチ式密閉式混練機としては、バンバリー型や加圧ニーダーが一般的に用いられている。
上記混練室13の半円形円筒面の中心軸には、一対のローター15aと15bとが設けられ、第1のローター15aは回転軸16aを、第2のローター15bは回転軸16bを有している。第1のローター15aと第2のローター15bには各々第1の羽根17aと第2の羽根17bとが設けられている。一対のローター15a及び15bは、動力部21によって第1と第2の回転軸16a及び16bを軸として、両者間に向かって互いに回転し、互いの第1の羽根17aと第2の羽根17bによって、ゴム成分とシリカなどの原材料とをせん断を掛けながら混練し、混合物1を製造する様に構成されている。
フローティングウェイト18は、混練機本体12の開口部14内側に嵌合する外周面18aが設けられていると共に、油圧シリンダー19及びガイドロット20からの圧力によりゴム成分とカーボンブラック等のゴム用配合材料が混合し易い様に押え込み圧接している。
図1において、接線式1翼型のバッチ式密閉式混練機を有する密閉式混練装置を示したが、噛合式1翼型、接線式2翼型又は噛合式2翼型(2つの羽根を有するローターを2つ備えている。)あるいは接線式3翼型又は噛合式3翼型(3つの羽根を有するローターを2つ備えている。)も同様に用いられる。
本発明に係るシリカ投入混練工程終了後、得られた混合物は冷却され、所望により熟成工程{室温(23℃程度)に放置される。}を経て、通常、得られた混合物に前記加硫系配合剤を配合する加硫系配合剤混練工程を行うことにより、加硫性のゴム組成物となる。
なお、所望によりシリカ投入混練工程と加硫系配合剤混練工程との間に、シリカ投入混練工程で得られた混合物を再び混練りするマスターバッチ練り工程(「X−ミル工程」ともいう。)を行っても良い。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜2及び参考例1
図1に示す混練室内容積200リットルの密閉式混練装置を使用して、実施例1〜3及び比較例1〜2において、ゴム成分として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(JSR株式会社製、非油展)100質量部、充填材としてシリカ(東ソー・シリカ株式会社製、湿式シリカ)75質量部及びカーボンブラックISAF(旭カーボン株式会社製)15質量部からなるゴム組成物を単一のシリカ投入混練工程にて異なる5種類のフィルファクターにて混練した。実施例1のフィルファクターは50%、実施例2のフィルファクターは60%、実施例3のフィルファクターは55%、比較例1のフィルファクターは70%、比較例2のフィルファクターは65%であった。これら5種類のゴム組成物は、それぞれ、まず、ゴム成分を全量投入後、シリカ及びカーボンブラックの全量を一括投入して混練した。
また、参考例1において、ゴム成分として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(JSR株式会社製、非油展)100質量部、充填材としてカーボンブラックISAF(旭カーボン株式会社製)90質量部からなるゴム組成物を単一のカーボンブラック投入混練工程にてフィルファクター70%で混練した。参考例1においては、ゴム成分を全量投入後、カーボンブラックの全量を投入して混練した。
図2は、本発明のゴム組成物の混練方法(実施例1及び2)及び比較例となるゴム組成物の混練方法(比較例1及び参考例1)における比エネルギー(KWH/kg)とシリカ・カーボンブラック取り込み率(%)との関係を示す概略図である。ここで、比エネルギー(KWH/kg)とは、シリカ投入混練工程において密閉式混練装置に負荷される電力を混練するゴム組成物の全質量で割った値であり、ゴム組成物単位質量当りの負荷電力をいう。シリカ・カーボンブラック取り込み率(%)とは、シリカ投入混練工程において配合したシリカ及びカーボンブラックがゴム成分中に取り込まれた率(%)を表わし、混練の途中で混練を中止し、その時点でゴム成分中に取り込まれたシリカ及びカーボンブラックの量を熱分析法により定量化して算出した。
図2から明らかなように、フィルファクター50〜60%の範囲内の実施例1及び2のゴム組成物の混練方法では、カーボンブラック単独配合でフィルファクター70%の参考例のゴム組成物の混練方法と同水準のシリカ取り込み速度が得られた。これにより、シリカ分散効率を向上させて、混練工程の削減によりゴム組成物の生産性を向上させことができた。また、消費電力低減も可能となった。
これに対して、比較例1のフィルファクター70%のゴム組成物の混練方法では、シリカ取り込み速度が著しく低下し、シリカ分散効率が低かった。これにより混練工程の削減が困難となり、消費電力も低減できなかった。
図3は、本発明のゴム組成物の混練方法(実施例2及び3)及び比較例となるゴム組成物の混練方法(比較例2)におけるシリカ投入混練工程の混練時間(sec)−混練機の負荷電力(KW/kg)曲線の例を示す概略図である。ここで、混練時間(sec)は、ゴム成分を全量投入後、シリカ及びカーボンブラックの全量を一括投入した直後から開始する。
図3から明らかなように、フィルファクター50〜60%の範囲内の実施例2及び3のゴム組成物の混練方法では、混練時間(sec)の初期における負荷電力(密閉式混練装置に負荷される電力)が高くなり、シリカの凝集塊の破壊が迅速になされるので、上述のようにシリカ取り込み速度が速くなった。
これに対して、比較例2のフィルファクター65%のゴム組成物の混練方法では、、混練時間(sec)の初期から負荷電力が高くなるまでの時間がかかり、シリカ取り込み速度が著しく低下したので、シリカ分散効率が低かった。
本発明のゴム組成物の混練方法により混練工程が削減可能となり、ゴム組成物の生産性を向上させ、かつ消費電力低減が可能となるので、各種タイヤ用ゴム組成物、特に、タイヤトレッド用ゴム組成物の製造に好適に用いられ、乗用車用、軽自動車用、軽トラック用、トラック・バス用、オフザロード用の各種タイヤの生産性を向上できることとなる。また、本発明のゴム組成物の混練方法は、ベルトコンベア、ラバーダム、ゴムホースなどの各種工業用ゴム製品のゴム部材、靴底などの日用品のゴム部材などの製造にも好適に用いられる。
1 混合物
10 密閉式混練装置
11 混練機
12 混練機本体
13 混練室
14 開口部
15a 第1のローター
15b 第2のローター
16a 第1の回転軸
16b 第2の回転軸
17a 第1の羽根
17b 第2の羽根
18 フローティングウェイト
18a 外周面
19 油圧シリンダー
20 ガイドロット
21 動力部

Claims (3)

  1. シリカを含むゴム組成物を混練室内容積50リットル以上の密閉式混練機により混練する方法であって、シリカ投入混練工程のフィルファクター{(混練されているゴム組成物の体積/混練室内容積)×100}が50〜60%であり、前記シリカ投入混練工程の嵩充填率{(ゴム組成物を構成する原材料の全嵩体積/混練室内容積)×100}が110〜130%であることを特徴とするゴム組成物の混練方法。
  2. 単一の前記シリカ投入混練工程で前記シリカの全量を混練する請求項1に記載のゴム組成物の混練方法。
  3. 前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して、シリカ50質量部以上を含む請求項1又は2に記載のゴム組成物の混練方法。
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