JPH0987433A - ゴム補強用シリカおよびゴム組成物 - Google Patents
ゴム補強用シリカおよびゴム組成物Info
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- JPH0987433A JPH0987433A JP26478495A JP26478495A JPH0987433A JP H0987433 A JPH0987433 A JP H0987433A JP 26478495 A JP26478495 A JP 26478495A JP 26478495 A JP26478495 A JP 26478495A JP H0987433 A JPH0987433 A JP H0987433A
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- silica
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゴム中への分散性に優れるゴム補強用シリカ
と、該シリカを配合した高耐摩耗性および低発熱特性を
備えたゴム組成物を提供する。 【解決手段】 極性プルーブの極性相互作用因子(Sf)が
配合ゴムとの良相溶性を示す表面性状の球状シリカから
なるゴム補強用シリカ。ベンセンを極性プルーブとした
極性相互作用因子(Sf)が1.45以下の球状シリカをスチレ
ンブタジエンゴムに配合するか、アセトニトリルを極性
プルーブとした極性相互作用因子(Sf)が2.40以下の球状
シリカを天然ゴムに配合したゴム組成物。球状シリカは
カーボンブラックと共にゴム成分に配合することができ
る。
と、該シリカを配合した高耐摩耗性および低発熱特性を
備えたゴム組成物を提供する。 【解決手段】 極性プルーブの極性相互作用因子(Sf)が
配合ゴムとの良相溶性を示す表面性状の球状シリカから
なるゴム補強用シリカ。ベンセンを極性プルーブとした
極性相互作用因子(Sf)が1.45以下の球状シリカをスチレ
ンブタジエンゴムに配合するか、アセトニトリルを極性
プルーブとした極性相互作用因子(Sf)が2.40以下の球状
シリカを天然ゴムに配合したゴム組成物。球状シリカは
カーボンブラックと共にゴム成分に配合することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム成分に対する
分散性に優れたゴム補強用シリカと、該ゴム補強用シリ
カをゴム成分に配合した高耐摩耗性ならびに低発熱特性
を兼備するゴム組成物に関する。
分散性に優れたゴム補強用シリカと、該ゴム補強用シリ
カをゴム成分に配合した高耐摩耗性ならびに低発熱特性
を兼備するゴム組成物に関する。
【0002】各種ゴム成分に配合する充填補強材として
は、カーボンブラックが汎用されているが、シリカも白
色ゴムや着色ゴム用の充填補強材として古くから使用さ
れている。ところが、シリカはカーボンブラックに比べ
て補強性能が劣り、補強機構が複雑なうえ、ゴム成分に
対する分散性に問題がある。このため、特に高度の耐摩
耗性が要求されるタイヤゴム用途には不向きとされてき
たが、近時、その性能が見直され単独またはカーボンブ
ラックと併用した混合形態でタイヤトレッドゴム等の充
填補強材に使用する試みがなされている。
は、カーボンブラックが汎用されているが、シリカも白
色ゴムや着色ゴム用の充填補強材として古くから使用さ
れている。ところが、シリカはカーボンブラックに比べ
て補強性能が劣り、補強機構が複雑なうえ、ゴム成分に
対する分散性に問題がある。このため、特に高度の耐摩
耗性が要求されるタイヤゴム用途には不向きとされてき
たが、近時、その性能が見直され単独またはカーボンブ
ラックと併用した混合形態でタイヤトレッドゴム等の充
填補強材に使用する試みがなされている。
【0003】
【従来の技術】例えば特開平7−149955号公報に
は、ゴム100重量部基準で (a)エポキシ化天然ゴム5
〜95重量部、 (b)シリカ充填剤5〜85重量部、 (c)
シリカカップリング剤0.5〜8.5重量部、および
(d)中ビニルポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、合成シス−1,4−ポリイソプレン、合成3,4−
ポリイソプレン、天然ゴム、シス−ポリブタジエン、ス
チレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタ
ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよび
これらの混合物よりなる群から選択されるゴム95〜5
重量部を含む硫黄硬化されたゴム組成物が開示され、こ
のゴム組成物はタイヤトレッドやカーカスプライコンパ
ウンド用として好適であると記載されている。
は、ゴム100重量部基準で (a)エポキシ化天然ゴム5
〜95重量部、 (b)シリカ充填剤5〜85重量部、 (c)
シリカカップリング剤0.5〜8.5重量部、および
(d)中ビニルポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、合成シス−1,4−ポリイソプレン、合成3,4−
ポリイソプレン、天然ゴム、シス−ポリブタジエン、ス
チレン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタ
ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよび
これらの混合物よりなる群から選択されるゴム95〜5
重量部を含む硫黄硬化されたゴム組成物が開示され、こ
のゴム組成物はタイヤトレッドやカーカスプライコンパ
ウンド用として好適であると記載されている。
【0004】特開平7−172815号公報には、BE
T表面積35〜350m2/g、BET/CTAB表面積比
0.8〜1.1、間隙率PV1.6〜3.4ml/g、シラ
ノール基密度(V2=NaOH消費量) 6〜20ml、平均凝集体
寸法250〜1500nm、CTAB表面積30〜350
m2/g、DBP数150〜300ml/100g 、Hgポロシメ
ーターによるV2 /V1 0.19〜0.46、DBP/
CTAB1.2〜3.9の沈降珪酸と、これを填料とし
て含有する加硫性弾性ゴムおよび加硫ゴムが提案され、
タイヤ、ベルトコンベア、パッキング等のゴム部材に使
用されると記載されている。
T表面積35〜350m2/g、BET/CTAB表面積比
0.8〜1.1、間隙率PV1.6〜3.4ml/g、シラ
ノール基密度(V2=NaOH消費量) 6〜20ml、平均凝集体
寸法250〜1500nm、CTAB表面積30〜350
m2/g、DBP数150〜300ml/100g 、Hgポロシメ
ーターによるV2 /V1 0.19〜0.46、DBP/
CTAB1.2〜3.9の沈降珪酸と、これを填料とし
て含有する加硫性弾性ゴムおよび加硫ゴムが提案され、
タイヤ、ベルトコンベア、パッキング等のゴム部材に使
用されると記載されている。
【0005】また、特開平7−196850号公報に
は、5〜50重量%のビニル化合物全含有量の共役ジエ
ンと芳香族ビニル化合物の共重合体と、BET比表面積
100〜250m2/g、CTAB表面積100〜250m2
/g、DBP吸油量150〜250ml/100g 、熱処理前に
おいて8500nm2 以上、熱−機械混合後に7000〜
8400nm2 の範囲のアグリゲート平均投影面積を有す
るシリカとからなる加硫可能なゴム組成物が開示され、
このゴム組成物はタイヤトレッド用として好適な低転動
抵抗、優れた摩耗抵抗、低転動ノイズを発揮することが
記載されている。
は、5〜50重量%のビニル化合物全含有量の共役ジエ
ンと芳香族ビニル化合物の共重合体と、BET比表面積
100〜250m2/g、CTAB表面積100〜250m2
/g、DBP吸油量150〜250ml/100g 、熱処理前に
おいて8500nm2 以上、熱−機械混合後に7000〜
8400nm2 の範囲のアグリゲート平均投影面積を有す
るシリカとからなる加硫可能なゴム組成物が開示され、
このゴム組成物はタイヤトレッド用として好適な低転動
抵抗、優れた摩耗抵抗、低転動ノイズを発揮することが
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シリカのゴム補強機能
は、シリカ粒子とゴム成分を構成するポリマー分子との
化学的結合のほかに、シリカ粒子のゴム成分中への分散
性に著しく影響される。特にシリカは粒子間の相互作用
によって凝集し易い性癖があり、これがゴム成分に対す
るシリカ粒子の均一分散性を損ねてゴム補強性能を減退
させる大きな要因となる。このような分散性の悪化を改
善するためには、粒子径の大きい(比表面積の小さ
い)シリカを配合する、ゴムへの配合混練時間を長く
する、分散助剤(油剤)を多量に使用する、などの手
段が有効とされているが、の方法ではシリカ粒子の大
粒径化(比表面積の低下)に伴ってゴム補強性が減退
し、の方法を採ると長時間の混練による生産性の低下
を招き、またの方法では多量の分散助剤(油剤)の配
合で補強性に悪影響を及ぼす問題点があり、いずれも好
適な解決手段とは言えない。
は、シリカ粒子とゴム成分を構成するポリマー分子との
化学的結合のほかに、シリカ粒子のゴム成分中への分散
性に著しく影響される。特にシリカは粒子間の相互作用
によって凝集し易い性癖があり、これがゴム成分に対す
るシリカ粒子の均一分散性を損ねてゴム補強性能を減退
させる大きな要因となる。このような分散性の悪化を改
善するためには、粒子径の大きい(比表面積の小さ
い)シリカを配合する、ゴムへの配合混練時間を長く
する、分散助剤(油剤)を多量に使用する、などの手
段が有効とされているが、の方法ではシリカ粒子の大
粒径化(比表面積の低下)に伴ってゴム補強性が減退
し、の方法を採ると長時間の混練による生産性の低下
を招き、またの方法では多量の分散助剤(油剤)の配
合で補強性に悪影響を及ぼす問題点があり、いずれも好
適な解決手段とは言えない。
【0007】シリカのゴム分散性を損ねる要因となるシ
リカ粒子間の凝集現象は、シリカ粒子の表面性状に大き
く依存するため、その粒子表面を改質すれば分散性を向
上させることが期待できる。本発明者は、この点に着目
して鋭意研究を進めた結果、シリカ粒子の表面吸着エネ
ルギーに関係する極性相互作用因子(Sf)がゴム成分と
配合する際にシリカ粒子相互の凝集現象と係わりがあ
り、前記極性相互作用因子(Sf)がゴム成分と良相溶性
を示す表面性状の球状シリカを選択することにより分散
性が飛躍的に向上し、タイヤ部材としても有効な優れた
耐摩耗性ならびに低発熱性を兼備するゴム組成物が得ら
れることを解明した。
リカ粒子間の凝集現象は、シリカ粒子の表面性状に大き
く依存するため、その粒子表面を改質すれば分散性を向
上させることが期待できる。本発明者は、この点に着目
して鋭意研究を進めた結果、シリカ粒子の表面吸着エネ
ルギーに関係する極性相互作用因子(Sf)がゴム成分と
配合する際にシリカ粒子相互の凝集現象と係わりがあ
り、前記極性相互作用因子(Sf)がゴム成分と良相溶性
を示す表面性状の球状シリカを選択することにより分散
性が飛躍的に向上し、タイヤ部材としても有効な優れた
耐摩耗性ならびに低発熱性を兼備するゴム組成物が得ら
れることを解明した。
【0008】本発明は前記の知見に基づいて完成された
もので、その目的とする解決課題はゴム成分に対する分
散性に優れたゴム補強用シリカと、該ゴム補強用シリカ
を配合した高耐摩耗性ならびに低発熱特性を兼備するゴ
ム組成物を提供することにある。
もので、その目的とする解決課題はゴム成分に対する分
散性に優れたゴム補強用シリカと、該ゴム補強用シリカ
を配合した高耐摩耗性ならびに低発熱特性を兼備するゴ
ム組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるゴム補強用シリカは、極性プルーブの
極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムとの良相溶性を示す表
面性状の球状シリカからなることを構成上の特徴とす
る。
めの本発明によるゴム補強用シリカは、極性プルーブの
極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムとの良相溶性を示す表
面性状の球状シリカからなることを構成上の特徴とす
る。
【0010】また、本発明に係るゴム組成物は、ベンゼ
ンを極性プルーブとした極性相互作用因子(Sf)が1.4
5以下の球状シリカを、スチレンブタジエン系ゴム成分
100重量部に対し20〜100重量部の範囲で配合し
てなるか、あるいはアセトニトリルを極性プルーブとし
た極性相互作用因子(Sf)が2.40以下の球状シリカ
を、天然ゴム成分100重量部に対し20〜100重量
部の範囲で配合してなることを構成上の特徴とする。
ンを極性プルーブとした極性相互作用因子(Sf)が1.4
5以下の球状シリカを、スチレンブタジエン系ゴム成分
100重量部に対し20〜100重量部の範囲で配合し
てなるか、あるいはアセトニトリルを極性プルーブとし
た極性相互作用因子(Sf)が2.40以下の球状シリカ
を、天然ゴム成分100重量部に対し20〜100重量
部の範囲で配合してなることを構成上の特徴とする。
【0011】更に、本発明は上記のゴム組成物におい
て、球状シリカと共にカーボンブラック20〜100重
量部を配合してなるゴム組成物も包含する。
て、球状シリカと共にカーボンブラック20〜100重
量部を配合してなるゴム組成物も包含する。
【0012】本発明においてシリカの物性的要件となる
極性相互作用因子(Sf)は、シリカ粒子の表面吸着エネ
ルギーに関連する表面活性度合を示す尺度となるもの
で、次の方法により測定される。シリカ微粒子を外径4
mm、内径3mmのテフロンチューブに充填し、充填シリカ
の全表面積が10m2になるように吸着相を調製し、ガス
クロマトグラフ分析を行う。ガスクロマトグラフィの分
析条件は、インジェクション温度200℃、カラム内温
度150℃、検出器温度250℃とし、キャリアーガス
にヘリウムガスを用い30ml/min(石鹸膜流量計で測
定)の流速に設定する。プルーブは、直鎖アルカンプル
ーブとしてC5(n-ペンタン)、C6(n-ヘキサン)、
C7(n-ヘプタン)、C8(n-オクタン)を、また極性
プルーブとしてベンゼン、アセトニトリルを用いる。
極性相互作用因子(Sf)は、シリカ粒子の表面吸着エネ
ルギーに関連する表面活性度合を示す尺度となるもの
で、次の方法により測定される。シリカ微粒子を外径4
mm、内径3mmのテフロンチューブに充填し、充填シリカ
の全表面積が10m2になるように吸着相を調製し、ガス
クロマトグラフ分析を行う。ガスクロマトグラフィの分
析条件は、インジェクション温度200℃、カラム内温
度150℃、検出器温度250℃とし、キャリアーガス
にヘリウムガスを用い30ml/min(石鹸膜流量計で測
定)の流速に設定する。プルーブは、直鎖アルカンプル
ーブとしてC5(n-ペンタン)、C6(n-ヘキサン)、
C7(n-ヘプタン)、C8(n-オクタン)を、また極性
プルーブとしてベンゼン、アセトニトリルを用いる。
【0013】上記の一定条件下で、マイクロシリンジに
よりプルーブを0.025μl 注入し、それぞれのリテ
ンションタイムを測定し、測定されたリテンションタイ
ムとキャリアーガス流量、温度、圧力とから下記(1) 式
による補正を行う。 J= (3/2)×〔(Pi /Pou)2−1 〕/〔(Pi /Pou)3−1 〕…(1) 但し、(1) 式において、JはJames-Martinのカラム入口
圧力、出口圧力のガス補正係数、 Pi はカラム入口圧力
(Pa)、 Pouはカラム出口圧力(Pa)である。
よりプルーブを0.025μl 注入し、それぞれのリテ
ンションタイムを測定し、測定されたリテンションタイ
ムとキャリアーガス流量、温度、圧力とから下記(1) 式
による補正を行う。 J= (3/2)×〔(Pi /Pou)2−1 〕/〔(Pi /Pou)3−1 〕…(1) 但し、(1) 式において、JはJames-Martinのカラム入口
圧力、出口圧力のガス補正係数、 Pi はカラム入口圧力
(Pa)、 Pouはカラム出口圧力(Pa)である。
【0014】次いで、下記(2) 式により各プルーブの無
限希釈容積(VN )を推算する。 VN =D×J×(tr −tm ) × ( 1− Pw /PO ) ×( Tc /Tf ) …(2) 但し、(2) 式において、Dは石鹸膜流量計により測定さ
れた未補正流量(m3)、tr はプルーブのリテンションタ
イム(s) 、tm は未吸着プルーブ(メタン等)のリテン
ションタイム(s) 、 Pw はキャリアーガスの温度の飽和
蒸気圧(Pa)、P0はキャリアーガスの流れの圧力(Pa)、 T
c はカラム温度(K) 、 Tf はキャリアーガス温度(K) で
ある。
限希釈容積(VN )を推算する。 VN =D×J×(tr −tm ) × ( 1− Pw /PO ) ×( Tc /Tf ) …(2) 但し、(2) 式において、Dは石鹸膜流量計により測定さ
れた未補正流量(m3)、tr はプルーブのリテンションタ
イム(s) 、tm は未吸着プルーブ(メタン等)のリテン
ションタイム(s) 、 Pw はキャリアーガスの温度の飽和
蒸気圧(Pa)、P0はキャリアーガスの流れの圧力(Pa)、 T
c はカラム温度(K) 、 Tf はキャリアーガス温度(K) で
ある。
【0015】このようにして得られた無限希釈容積(V
N )の値を、下記(3) 式に代入して標準表面吸着エネル
ギーΔGo を算出する。 ΔGo =RT×ln(VN ・P)/(S・g・Ps )…(3) 但し、(3) 式においてRは気体定数、Tは温度(K) 、P
は気体の圧力(N/m2)、Ps は吸着層の二次元圧〔3.38×
10-4〕(N/m) 、Sは吸着層の比表面積(m2/g)、gは吸着
層の表面積(m2) である。
N )の値を、下記(3) 式に代入して標準表面吸着エネル
ギーΔGo を算出する。 ΔGo =RT×ln(VN ・P)/(S・g・Ps )…(3) 但し、(3) 式においてRは気体定数、Tは温度(K) 、P
は気体の圧力(N/m2)、Ps は吸着層の二次元圧〔3.38×
10-4〕(N/m) 、Sは吸着層の比表面積(m2/g)、gは吸着
層の表面積(m2) である。
【0016】同様にして極性プルーブと同じ分子面積を
有するn-alkanes の表面吸着エネルギー(ΔGo alk )
を下記(4) 式により求める。 ΔGo alk =RT×ln(VN ・P)/(S・g・Ps )…(4)
有するn-alkanes の表面吸着エネルギー(ΔGo alk )
を下記(4) 式により求める。 ΔGo alk =RT×ln(VN ・P)/(S・g・Ps )…(4)
【0017】そして、(3) 式を(4) 式で除した下記(5)
式から極性相互作用因子(Sf)を算出する。算出された
極性相互作用因子(Sf)の値は、低いほどシリカの表面
活性度が低くなるためシリカ粒子相互の凝集化が抑制さ
れ、ゴム成分に対する分散性が向上する。 Sf =ΔGo /ΔGo alk …(5)
式から極性相互作用因子(Sf)を算出する。算出された
極性相互作用因子(Sf)の値は、低いほどシリカの表面
活性度が低くなるためシリカ粒子相互の凝集化が抑制さ
れ、ゴム成分に対する分散性が向上する。 Sf =ΔGo /ΔGo alk …(5)
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係るゴム補強用シリカ
は、珪酸ナトリウムを硫酸または塩酸等の無機酸で分解
し、凝固したシリカゲルを水洗する通常の湿式法で得ら
れる球状のシリカ微粒子を表面改質したもので、極性プ
ルーブの極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムとの良相溶
性を示す表面性状を呈するものである。極性プルーブの
極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムとの良相溶性を示す
表面性状とは、表面改質されたシリカ粒子がゴム成分の
モノマーに類似する極性プルーブとの関係において極性
相互作用因子(Sf)が一定値以下にあり、ゴム成分に配
合した際に極性の強いシリカ粒子相互の凝集を抑制しな
がら非極性のゴムポリマーとの親和性を高め、相溶性よ
く分散する表面性状を意味する。
は、珪酸ナトリウムを硫酸または塩酸等の無機酸で分解
し、凝固したシリカゲルを水洗する通常の湿式法で得ら
れる球状のシリカ微粒子を表面改質したもので、極性プ
ルーブの極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムとの良相溶
性を示す表面性状を呈するものである。極性プルーブの
極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムとの良相溶性を示す
表面性状とは、表面改質されたシリカ粒子がゴム成分の
モノマーに類似する極性プルーブとの関係において極性
相互作用因子(Sf)が一定値以下にあり、ゴム成分に配
合した際に極性の強いシリカ粒子相互の凝集を抑制しな
がら非極性のゴムポリマーとの親和性を高め、相溶性よ
く分散する表面性状を意味する。
【0019】すなわち、極性プルーブの極性相互作用因
子(Sf)の値が高い表面活性度の大きなシリカは、相対
的に表面に形成されているシラノール基(Si-OH) や水分
の含有率が高く、このOH含有成分の活性に基づいてシ
リカ粒子相互が凝集する現象を生じる。これに対し、本
発明のシリカは表面改質によりゴムモノマーに類似する
極性プルーブの極性相互作用因子(Sf)を一定値以下に
制御し、活性なシラノール基等のOH含有成分を低減化
してシリカ粒子相互が凝集化を抑制し、同時にゴム分子
との親和性を高めて分散性の向上を図ったものである。
このような表面改質化は、湿式法で製造された平均粒子
径5〜200μm 、BET比表面積150〜250m2/
g、pH5〜6.5、水分10%以下の物性を有する球
状シリカを、300〜500℃の温度域で熱処理するこ
とによって行うことができる。
子(Sf)の値が高い表面活性度の大きなシリカは、相対
的に表面に形成されているシラノール基(Si-OH) や水分
の含有率が高く、このOH含有成分の活性に基づいてシ
リカ粒子相互が凝集する現象を生じる。これに対し、本
発明のシリカは表面改質によりゴムモノマーに類似する
極性プルーブの極性相互作用因子(Sf)を一定値以下に
制御し、活性なシラノール基等のOH含有成分を低減化
してシリカ粒子相互が凝集化を抑制し、同時にゴム分子
との親和性を高めて分散性の向上を図ったものである。
このような表面改質化は、湿式法で製造された平均粒子
径5〜200μm 、BET比表面積150〜250m2/
g、pH5〜6.5、水分10%以下の物性を有する球
状シリカを、300〜500℃の温度域で熱処理するこ
とによって行うことができる。
【0020】極性プルーブの極性相互作用因子(Sf)が
配合ゴムとの関係で良好な相溶性を示す具体例として
は、ゴム成分がスチレンブタジエン系ゴムである場合
に、ベンゼンを極性プルーブとした極性相互作用因子
(Sf)が1.45以下の表面性状を有する球状シリカを
充填補強材とした組成、またゴム成分が天然ゴムである
場合に、アセトニトリルを極性プルーブとした極性相互
作用因子 (Sf)が2.40以下の表面性状を有する球状
シリカを充填補強材とした組成が挙げられ、これらの成
分組合せによってシリカ粒子相互の凝集を効果的に抑制
しながら優れた分散性をもたらし、配合ゴムに対し高度
の耐摩耗性と低発熱性を兼備し、併せて実用上十分な引
張り強度を付与することが可能となる。
配合ゴムとの関係で良好な相溶性を示す具体例として
は、ゴム成分がスチレンブタジエン系ゴムである場合
に、ベンゼンを極性プルーブとした極性相互作用因子
(Sf)が1.45以下の表面性状を有する球状シリカを
充填補強材とした組成、またゴム成分が天然ゴムである
場合に、アセトニトリルを極性プルーブとした極性相互
作用因子 (Sf)が2.40以下の表面性状を有する球状
シリカを充填補強材とした組成が挙げられ、これらの成
分組合せによってシリカ粒子相互の凝集を効果的に抑制
しながら優れた分散性をもたらし、配合ゴムに対し高度
の耐摩耗性と低発熱性を兼備し、併せて実用上十分な引
張り強度を付与することが可能となる。
【0021】したがって、本発明に係る第1のゴム組成
物は、ベンゼンを極性プルーブとした極性相互作用因子
(Sf)が1.45以下の球状シリカを、スチレンブタジエ
ン系ゴム成分100重量部に対し20〜100重量部の
範囲で配合した組成により構成される。前記の極性相互
作用因子(Sf)が1.45を越えるシリカを配合した場合
には分散性が改善されず、配合ゴムに高度の耐摩耗性と
低発熱性を兼備させることができない。より好ましい極
性相互作用因子(Sf)は、1.42以下である。
物は、ベンゼンを極性プルーブとした極性相互作用因子
(Sf)が1.45以下の球状シリカを、スチレンブタジエ
ン系ゴム成分100重量部に対し20〜100重量部の
範囲で配合した組成により構成される。前記の極性相互
作用因子(Sf)が1.45を越えるシリカを配合した場合
には分散性が改善されず、配合ゴムに高度の耐摩耗性と
低発熱性を兼備させることができない。より好ましい極
性相互作用因子(Sf)は、1.42以下である。
【0022】また、本発明による第2のゴム組成物は、
アセトニトリルを極性プルーブとした極性相互作用因子
(Sf)が2.40以下の球状シリカを、天然ゴム成分10
0重量部に対し20〜100重量部の範囲で配合する組
成により構成される。前記の極性相互作用因子(Sf)が
2.40を上回るシリカを配合した場合には分散性の改
善が不十分となり、配合ゴムに高度の耐摩耗性と低発熱
性を兼備させることができなくなる。
アセトニトリルを極性プルーブとした極性相互作用因子
(Sf)が2.40以下の球状シリカを、天然ゴム成分10
0重量部に対し20〜100重量部の範囲で配合する組
成により構成される。前記の極性相互作用因子(Sf)が
2.40を上回るシリカを配合した場合には分散性の改
善が不十分となり、配合ゴムに高度の耐摩耗性と低発熱
性を兼備させることができなくなる。
【0023】球状シリカをゴム成分100重量部当たり
20〜100重量部の比率で配合する理由は、この配合
量が20重量部未満ではゴムに対する補強性付与効果が
不十分となり、100重量部を越えると加工性(作業
性)が悪化するためである。このほか、ゴム組成物には
加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、その他
常用の添加成分を配合することができる。とくに本発明
においては、球状シリカとともにゴム成分100重量部
に対しシランカップリング剤を0.1〜20重量部と加
硫促進剤を0.1〜5.0重量部の範囲で配合すること
が好ましい。シランカップリング剤はシリカとゴム分子
との化学的結合を向上させるために添加するものである
が、前記の配合量が0.1重量部未満では添加効果がな
く、20重量部を越えると加硫ゴムの引張り強度が低下
するようになる。また、加硫促進剤は0.1重量部未満
では同様に効果がなく、5.0重量部を上回ると加硫ゴ
ムのモジュラスが高くなり過ぎてゴム焼けの原因とな
る。加硫剤(硫黄)は必ずしも配合しなくてもよいが、
4重量部以下の分量で加硫促進剤とのバランスをとりな
がら配合して、ゴム架橋を調整することができる。
20〜100重量部の比率で配合する理由は、この配合
量が20重量部未満ではゴムに対する補強性付与効果が
不十分となり、100重量部を越えると加工性(作業
性)が悪化するためである。このほか、ゴム組成物には
加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、酸化防止剤、その他
常用の添加成分を配合することができる。とくに本発明
においては、球状シリカとともにゴム成分100重量部
に対しシランカップリング剤を0.1〜20重量部と加
硫促進剤を0.1〜5.0重量部の範囲で配合すること
が好ましい。シランカップリング剤はシリカとゴム分子
との化学的結合を向上させるために添加するものである
が、前記の配合量が0.1重量部未満では添加効果がな
く、20重量部を越えると加硫ゴムの引張り強度が低下
するようになる。また、加硫促進剤は0.1重量部未満
では同様に効果がなく、5.0重量部を上回ると加硫ゴ
ムのモジュラスが高くなり過ぎてゴム焼けの原因とな
る。加硫剤(硫黄)は必ずしも配合しなくてもよいが、
4重量部以下の分量で加硫促進剤とのバランスをとりな
がら配合して、ゴム架橋を調整することができる。
【0024】本発明のゴム組成物は、上記したように球
状シリカ単独でも配合ゴムに耐摩耗性と改善された発熱
特性を同時に付与することができるが、球状シリカとと
もにカーボンブラックを併用することにより高耐摩耗性
ならびに低発熱性を一層高めることができる。併用する
カーボンブラックの種類はゴムの使用目的に応じて適宜
に選定されるが、配合量はゴム成分100重量部に対し
20〜100重量部の範囲に設定する。この配合量が2
0重量部未満ではゴムに対する補強性付与効果が得られ
ず、100重量部を越えると加工性(作業性)を損ねる
原因となる。
状シリカ単独でも配合ゴムに耐摩耗性と改善された発熱
特性を同時に付与することができるが、球状シリカとと
もにカーボンブラックを併用することにより高耐摩耗性
ならびに低発熱性を一層高めることができる。併用する
カーボンブラックの種類はゴムの使用目的に応じて適宜
に選定されるが、配合量はゴム成分100重量部に対し
20〜100重量部の範囲に設定する。この配合量が2
0重量部未満ではゴムに対する補強性付与効果が得られ
ず、100重量部を越えると加工性(作業性)を損ねる
原因となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。なお、シリカ原料には表1に示す性状
特性を有する市販の球状シリカを用いた。
体的に説明する。なお、シリカ原料には表1に示す性状
特性を有する市販の球状シリカを用いた。
【0026】
【表1】 〔表注〕Nipsilは日本シリカ工業 (株) 製、Vulkasilはバイエル社製。BETは 窒素吸着比表面積である。
【0027】実施例1〜7 、比較例1〜11 (1)極性相互作用因子Sf の調整 表1に示した各球状シリカを容器に薄く敷いて電気炉に
入れ、大気中で50℃、100℃、300℃および50
0℃の温度で2時間加熱処理を施した。熱処理したシリ
カを極性プルーブとしてベンゼンを用いて極性相互作用
因子(Sf)を測定した。その結果を熱処理温度と対比さ
せて表2に示した。
入れ、大気中で50℃、100℃、300℃および50
0℃の温度で2時間加熱処理を施した。熱処理したシリ
カを極性プルーブとしてベンゼンを用いて極性相互作用
因子(Sf)を測定した。その結果を熱処理温度と対比さ
せて表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】(2) ゴム配合評価 表2に示した極性相互作用因子(Sf)値を有する各球状
シリカを、表3の配合割合でスチレンブタジエンゴムに
配合し、B型バンバリーミキサーにより充填率55%、
ローター回転数86rpm 、循環水温15℃、混練時間4
分45秒の条件で混練したのち、混練物を145℃の温
度で25分間加硫して厚さ2mmのシート状ゴム組成物を
作製した。
シリカを、表3の配合割合でスチレンブタジエンゴムに
配合し、B型バンバリーミキサーにより充填率55%、
ローター回転数86rpm 、循環水温15℃、混練時間4
分45秒の条件で混練したのち、混練物を145℃の温
度で25分間加硫して厚さ2mmのシート状ゴム組成物を
作製した。
【0030】
【表3】 〔表注〕 *:Degussa社製、SI-69
【0031】得られた各ゴム組成物について各種ゴム試
験を行い、その結果を極性相互作用因子Sf(ベンゼン)
の値と対比させて表4に示した。なお、ゴム特性の測定
は下記の方法によった。 引張り強さ(kg/cm2);JIS K6251「加硫ゴム
物理試験法」。 損失係数(tanδ);Visco Elastic Spectrometer
(岩本製作所製)を用い、試験片:厚さ2mm、長さ30
mm、幅5mm、周波数:50HZ、動的歪率:1.2、温
度:60℃の条件で測定した。この値が小さいほど低発
熱性、すなわち発熱特性が優れていることを示す。 ピコ耐摩耗;ピコ摩耗試験機を用い、ASTM D2
228に準拠して測定した。試験結果は、表3の配合に
おいてシリカに代えて標準カーボンブラックIRB #6
を配合して作製したゴム組成物(基準試料)の摩耗量を
100とした場合の指数(基準試料摩耗量/試料摩耗量
×100 )として示した。したがって、この値が大きいほ
ど耐摩耗性が優れていることを示す。
験を行い、その結果を極性相互作用因子Sf(ベンゼン)
の値と対比させて表4に示した。なお、ゴム特性の測定
は下記の方法によった。 引張り強さ(kg/cm2);JIS K6251「加硫ゴム
物理試験法」。 損失係数(tanδ);Visco Elastic Spectrometer
(岩本製作所製)を用い、試験片:厚さ2mm、長さ30
mm、幅5mm、周波数:50HZ、動的歪率:1.2、温
度:60℃の条件で測定した。この値が小さいほど低発
熱性、すなわち発熱特性が優れていることを示す。 ピコ耐摩耗;ピコ摩耗試験機を用い、ASTM D2
228に準拠して測定した。試験結果は、表3の配合に
おいてシリカに代えて標準カーボンブラックIRB #6
を配合して作製したゴム組成物(基準試料)の摩耗量を
100とした場合の指数(基準試料摩耗量/試料摩耗量
×100 )として示した。したがって、この値が大きいほ
ど耐摩耗性が優れていることを示す。
【0032】
【表4】
【0033】表4の結果から、ベンゼンを極性プルーブ
とした極性相互作用因子(Sf)の値が1.45以下の球
状シリカをスチレンブタジエンゴムに配合した実施例に
よるゴム組成物は、本発明の要件を外れる比較例のゴム
組成物に比べていずれも引張り強さ、ピコ耐摩耗指数が
高位にあり、また発熱特性の指標となるtanδ(損失
係数)が低く改善されていることが認められた。
とした極性相互作用因子(Sf)の値が1.45以下の球
状シリカをスチレンブタジエンゴムに配合した実施例に
よるゴム組成物は、本発明の要件を外れる比較例のゴム
組成物に比べていずれも引張り強さ、ピコ耐摩耗指数が
高位にあり、また発熱特性の指標となるtanδ(損失
係数)が低く改善されていることが認められた。
【0034】実施例8〜14、比較例12〜23 (1)極性相互作用因子Sf の調整 表1に示した各球状シリカを容器に均一敷いて電気炉に
入れ、大気中で50℃、100℃、300℃および50
0℃の温度で2時間加熱処理を施した。熱処理したシリ
カを極性プルーブとしてアセトニトリルを用いて極性相
互作用因子(Sf)を測定した。その結果を熱処理温度と
対比させて表5に示した。
入れ、大気中で50℃、100℃、300℃および50
0℃の温度で2時間加熱処理を施した。熱処理したシリ
カを極性プルーブとしてアセトニトリルを用いて極性相
互作用因子(Sf)を測定した。その結果を熱処理温度と
対比させて表5に示した。
【0035】
【表5】
【0036】(2) ゴム配合評価 表5に示した極性相互作用因子(Sf)値を有する各球状
シリカを、表6の配合割合で天然ゴムに配合し、B型バ
ンバリーミキサーにより充填率50%、ローター回転数
90rpm 、循環水温20℃、混練時間7分の条件で混練
したのち、混練物を145℃の温度で25分間加硫して
厚さ2mmのシート状ゴム組成物を作製した。
シリカを、表6の配合割合で天然ゴムに配合し、B型バ
ンバリーミキサーにより充填率50%、ローター回転数
90rpm 、循環水温20℃、混練時間7分の条件で混練
したのち、混練物を145℃の温度で25分間加硫して
厚さ2mmのシート状ゴム組成物を作製した。
【0037】
【表6】 〔表注〕 *;Degussa社製 SI-69 、**;ジベンゾチ
アジル・ジスルフィド。
アジル・ジスルフィド。
【0038】得られた各ゴム組成物について各種ゴム試
験を行い、その結果を極性相互作用因子Sf(アセトニト
リル)の値と対比させて表7に示した。
験を行い、その結果を極性相互作用因子Sf(アセトニト
リル)の値と対比させて表7に示した。
【0039】
【表7】
【0040】表7の結果から、アセトニトリルを極性プ
ルーブとした極性相互作用因子(Sf)の値が2.40以
下の球状シリカを天然ゴムに配合した実施例によるゴム
組成物は、本発明の要件を外れる比較例のゴム組成物に
比べて引張り強さ、ピコ耐摩耗指数、発熱特性が共に改
善されていることが認められた。
ルーブとした極性相互作用因子(Sf)の値が2.40以
下の球状シリカを天然ゴムに配合した実施例によるゴム
組成物は、本発明の要件を外れる比較例のゴム組成物に
比べて引張り強さ、ピコ耐摩耗指数、発熱特性が共に改
善されていることが認められた。
【0041】実施例15 実施例2の球状シリカ〔ベンゼンの極性相互作用因子(S
f)値;1.33〕を用い、表3に示すゴム配合時にカーボン
ブラック〔東海カーボン (株) 製、シーストKH (N-33
9)〕をスチレンブタジエンゴム100重量部当たり50
重量部(カーボンブラック:シリカ=25:25 )の割合で
配合し、以後は同一条件によりシリカとカーボンブラッ
クを充填補強剤としたゴム組成物を作製した。このゴム
組成物について、ゴム物性を評価したところ、引張り強
さ281kg/cm2、tanδ(損失係数)0.103、ピ
コ耐摩耗指数121の結果が得られ、球状シリカを単独
で配合した実施例2に比べてゴム性能が一層向上した。
f)値;1.33〕を用い、表3に示すゴム配合時にカーボン
ブラック〔東海カーボン (株) 製、シーストKH (N-33
9)〕をスチレンブタジエンゴム100重量部当たり50
重量部(カーボンブラック:シリカ=25:25 )の割合で
配合し、以後は同一条件によりシリカとカーボンブラッ
クを充填補強剤としたゴム組成物を作製した。このゴム
組成物について、ゴム物性を評価したところ、引張り強
さ281kg/cm2、tanδ(損失係数)0.103、ピ
コ耐摩耗指数121の結果が得られ、球状シリカを単独
で配合した実施例2に比べてゴム性能が一層向上した。
【0042】実施例16 実施例8の球状シリカ〔アセトニトリルの極性相互作用
因子(Sf)値;2.25〕を用い、表6に示すゴム配合時にカ
ーボンブラック〔東海カーボン (株) 製、シーストKH
(N-339)〕を天然ゴム100重量部当たり50重量部
(カーボンブラック:シリカ=25:25 )の割合で配合
し、以後は同一条件によりシリカとカーボンブラックを
充填補強剤としたゴム組成物を作製した。このゴム組成
物について、ゴム物性を評価したところ、引張り強さ2
63kg/cm2、tanδ(損失係数)0.101、ピコ耐
摩耗指数115.4の結果が得られ、球状シリカを単独
で配合した実施例2に比べて一層ゴム性能の向上が認め
られた。
因子(Sf)値;2.25〕を用い、表6に示すゴム配合時にカ
ーボンブラック〔東海カーボン (株) 製、シーストKH
(N-339)〕を天然ゴム100重量部当たり50重量部
(カーボンブラック:シリカ=25:25 )の割合で配合
し、以後は同一条件によりシリカとカーボンブラックを
充填補強剤としたゴム組成物を作製した。このゴム組成
物について、ゴム物性を評価したところ、引張り強さ2
63kg/cm2、tanδ(損失係数)0.101、ピコ耐
摩耗指数115.4の結果が得られ、球状シリカを単独
で配合した実施例2に比べて一層ゴム性能の向上が認め
られた。
【0043】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば極性プル
ーブの極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムと良好な相溶性
を示す表面性状の球状シリカをゴム補強用シリカとし、
これを単独またはカーボンブラックと併用して極性プル
ーブと類似するモノマーのゴム成分に配合することによ
り高耐摩耗性ならびに低発熱性を兼備するゴム組成物を
提供することができる。したがって、タイヤトレッド、
タイヤカーカス等のタイヤ用ゴム、その他高補強性能が
要求される各種工業用ゴム製品として有用なゴム組成物
を供給される。
ーブの極性相互作用因子(Sf)が配合ゴムと良好な相溶性
を示す表面性状の球状シリカをゴム補強用シリカとし、
これを単独またはカーボンブラックと併用して極性プル
ーブと類似するモノマーのゴム成分に配合することによ
り高耐摩耗性ならびに低発熱性を兼備するゴム組成物を
提供することができる。したがって、タイヤトレッド、
タイヤカーカス等のタイヤ用ゴム、その他高補強性能が
要求される各種工業用ゴム製品として有用なゴム組成物
を供給される。
Claims (4)
- 【請求項1】 極性プルーブの極性相互作用因子(Sf)が
配合ゴムとの良相溶性を示す表面性状の球状シリカから
なることを特徴とするゴム補強用シリカ。 - 【請求項2】 ベンゼンを極性プルーブとした極性相互
作用因子(Sf)が1.45以下の球状シリカを、スチレン
ブタジエン系ゴム成分100重量部に対し20〜100
重量部の範囲で配合してなることを特徴とするゴム組成
物。 - 【請求項3】 アセトニトリルを極性プルーブとした極
性相互作用因子(Sf)が2.40以下の球状シリカを、天
然ゴム成分100重量部に対し20〜100重量部の範
囲で配合してなることを特徴とするゴム組成物。 - 【請求項4】 球状シリカと共にゴム成分100重量部
に対しカーボンブラック20〜100重量部を配合して
なる請求項2又は3記載のゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26478495A JPH0987433A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | ゴム補強用シリカおよびゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26478495A JPH0987433A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | ゴム補強用シリカおよびゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987433A true JPH0987433A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17408155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26478495A Pending JPH0987433A (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | ゴム補強用シリカおよびゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987433A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097304A (ja) * | 2000-09-21 | 2002-04-02 | Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
JP2004352995A (ja) * | 2004-07-05 | 2004-12-16 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | エコタイヤ |
JP2004359878A (ja) * | 2003-06-06 | 2004-12-24 | Tokuyama Corp | クリアラバー用充填材 |
JP2009029884A (ja) * | 2007-07-25 | 2009-02-12 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ |
JP2011153191A (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-11 | Bridgestone Corp | ゴム組成物の混練方法 |
JP2012246331A (ja) * | 2011-05-25 | 2012-12-13 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | シリカ含有ゴムマスターバッチ及びその製造方法 |
CN114761356A (zh) * | 2020-02-05 | 2022-07-15 | 东曹硅化工株式会社 | 橡胶增强填充剂用水合硅酸和含有水合硅酸的橡胶组合物 |
-
1995
- 1995-09-19 JP JP26478495A patent/JPH0987433A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002097304A (ja) * | 2000-09-21 | 2002-04-02 | Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
JP2004359878A (ja) * | 2003-06-06 | 2004-12-24 | Tokuyama Corp | クリアラバー用充填材 |
JP2004352995A (ja) * | 2004-07-05 | 2004-12-16 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | エコタイヤ |
JP2009029884A (ja) * | 2007-07-25 | 2009-02-12 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ |
JP2011153191A (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-11 | Bridgestone Corp | ゴム組成物の混練方法 |
JP2012246331A (ja) * | 2011-05-25 | 2012-12-13 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | シリカ含有ゴムマスターバッチ及びその製造方法 |
CN114761356A (zh) * | 2020-02-05 | 2022-07-15 | 东曹硅化工株式会社 | 橡胶增强填充剂用水合硅酸和含有水合硅酸的橡胶组合物 |
US12104039B2 (en) | 2020-02-05 | 2024-10-01 | Tosoh Silica Corporation | Hydrous silica for rubber reinforcing fillers and rubber composition containing hydrous silica |
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