JP2007231153A - 天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチ及びそれを用いたゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の再生ゴム及び粉ゴムに比して高い補強製を維持し、これにより、使用済みタイヤ等のゴム製品から得られる廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上することができる天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチ、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法であって、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持し、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】 天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法であって、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持し、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチ及びそれを用いたゴム組成物等に関し、更に詳しくは、廃タイヤなどのゴム製品廃材を再利用することができる天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチ及びそれを用いたゴム組成物に関する。
従来より、廃タイヤ等のゴム製品廃材の再利用が行われている。これらのゴム製品は、加硫ゴムからなるため、再利用するにあたっては、廃ゴム製品の加硫ゴムを粉砕し、新材の未加硫ゴムとブレンドして利用する方法や廃ゴムを粗粉砕した後、加硫ゴムを脱硫して再生脱硫ゴムとし、該脱硫ゴムを再加硫して利用する方法が一般的である。
一方、近年、環境問題の高まりと共に、タイヤゴム片あるいはゴム粉末をそのまま使用する、いわゆるマテリアルリサイクル率の向上が求められている。
廃ゴム製品の加硫ゴムを粉砕し、新材の未加硫ゴムとブレンドして利用する方法において、再利用するゴムを微粉砕すると、得られたゴム組成物の物性低下が抑制されることが知られている。
しかしながら、微粉砕した加硫ゴムを高充填すると効果が薄れ、期待される性能が確保できないという課題がある。
廃ゴム製品の加硫ゴムを粉砕し、新材の未加硫ゴムとブレンドして利用する方法において、再利用するゴムを微粉砕すると、得られたゴム組成物の物性低下が抑制されることが知られている。
しかしながら、微粉砕した加硫ゴムを高充填すると効果が薄れ、期待される性能が確保できないという課題がある。
他方、従来より、加工性に優れたゴムの製造方法としてウェットマスターバッチを用いることが知られている。これは、カーボンブラック等の充填材と水とを予め一定の割合で混合し機械的な力で充填材を水中に微分散させたスラリーと、天然ゴムラテックスを混合し、その後、酸、無機塩、アミン等の凝固剤を加えて凝固させたものを、回収、乾燥するものである(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、天然ゴムと、カーボンブラック等の無機充填材等からなるウェットマスターバッチは、合成ゴムのウェットマスターバッチに較べて、加工性の改良幅が小さく、充填材の良好な分散を得られにくいという課題がある。
また、分散が良好なスラリーを得るために、機械的なせん断力をかけすぎると、充填材のアグリゲート(ストラクチャー)が壊れてしまい、従ってゴムの補強性が低下し、耐摩耗性が悪化するという課題がある。
特公昭36−22729号公報(特許請求の範囲、実施例等)
特公昭51−43851号公報(特許請求の範囲、実施例等)
また、分散が良好なスラリーを得るために、機械的なせん断力をかけすぎると、充填材のアグリゲート(ストラクチャー)が壊れてしまい、従ってゴムの補強性が低下し、耐摩耗性が悪化するという課題がある。
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、従来の再生ゴム及び粉ゴムに比して高い補強性を維持し、これにより、使用済みタイヤ等のゴム製品から得られる廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上することができる天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチ、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意検討した結果、天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法において、1)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布が特定の範囲のものを用いること、2)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の物性が特定値以上を保持すること、3)廃ゴムである粉ゴムの特定量を製造工程中で混合することなどにより、上記目的の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチ、それを用いたゴム組成物及び空気入りタイヤが得られるを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(11)に存する。
(1) 天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法であって、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持し、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(2) 凝固後のウェットマスターバッチを乾燥させる工程で、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行うことを特徴とする上記(1)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(3) 連続混練機を用いて乾燥を行うことを特徴とする上記(2)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(4) 連続混練機が多軸混練押出機であることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(5) 粉ゴムは、100メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有することを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(6) 粉ゴムは、200メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有することを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(7) 粉ゴムを、天然ゴムゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において添加することを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(8) 粉ゴムを、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行う工程で添加することを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(9) 上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法により製造されたことを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチ。
(10) 上記(9)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチを用いたことを特徴とするゴム組成物。
(11) 上記(10)に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
(1) 天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法であって、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持し、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(2) 凝固後のウェットマスターバッチを乾燥させる工程で、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行うことを特徴とする上記(1)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(3) 連続混練機を用いて乾燥を行うことを特徴とする上記(2)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(4) 連続混練機が多軸混練押出機であることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(5) 粉ゴムは、100メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有することを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(6) 粉ゴムは、200メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有することを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(7) 粉ゴムを、天然ゴムゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において添加することを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(8) 粉ゴムを、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行う工程で添加することを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
(9) 上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法により製造されたことを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチ。
(10) 上記(9)に記載の天然ゴムウェットマスターバッチを用いたことを特徴とするゴム組成物。
(11) 上記(10)に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
本発明によれば、従来の再生ゴム及び粉ゴムに比して高い補強性を維持し、これにより、使用済みタイヤ等のゴム製品から得られる廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上することができる天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチが提供される。
また、本発明によれば、廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上したゴム組成物が得られると共に、タイヤ用途をはじめベルト、ホース、防振ゴムその他のゴム製品に適用可能であり、特にタイヤの用途に好適に用いられるゴム組成物及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤが提供される。
また、本発明によれば、廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上したゴム組成物が得られると共に、タイヤ用途をはじめベルト、ホース、防振ゴムその他のゴム製品に適用可能であり、特にタイヤの用途に好適に用いられるゴム組成物及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤが提供される。
以下に、本発明の実施形態を発明ごとに詳しく説明する。
本発明における天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法は、天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法であって、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持し、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することを特徴とするものである。
本発明における天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法は、天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法であって、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持し、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することを特徴とするものである。
本発明に用いる天然ゴムラテックスは、天然のゴムの木から得られたフィールドラテックスを意味し、ラテックスは市販のアンモニア処理ラテックス、新鮮なフィールドラテックスのいずれも使用することができる。
また、天然ゴムラテックスに、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素を加えてもよい。
更に、本発明では、天然ゴムラテックスに、ラテックスの安定性を向上させる目的で、界面活性剤を加えてもよい。
用いることができる界面活性剤は、例えば、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤を使用できるが、特に、アニオン系、ノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテックスの性状に応じて適宜調整しうるが、通常天然ゴムラテックスに対して、0.01重量%〜2重量%、好ましくは0.02重量%〜1重量%である。
また、天然ゴムラテックスに、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素を加えてもよい。
更に、本発明では、天然ゴムラテックスに、ラテックスの安定性を向上させる目的で、界面活性剤を加えてもよい。
用いることができる界面活性剤は、例えば、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤を使用できるが、特に、アニオン系、ノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の添加量は、天然ゴムラテックスの性状に応じて適宜調整しうるが、通常天然ゴムラテックスに対して、0.01重量%〜2重量%、好ましくは0.02重量%〜1重量%である。
上記天然ゴムラテックスとスラリー溶液とを混合する工程においては、予め、水中にカーボンブラックが分散したスラリー溶液を製造しておくことが必要であるが、このスラリー溶液の製造方法は公知の方法を用いることができ、特に限定されない。
例えば、ホモミキサーに所定量の充填材であるカーボンブラックと水を入れ、一定時間攪拌することで、当該スラリー溶液を調製することができる。
例えば、ホモミキサーに所定量の充填材であるカーボンブラックと水を入れ、一定時間攪拌することで、当該スラリー溶液を調製することができる。
次に、本発明では、スラリー溶液の製造に際しては、水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布と、充填材の24M4DBP吸油量とが特定範囲のものに限定される。
すなわち、本発明における天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法は、天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していること、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することが必要である。ここで、24M4DBP吸油量は、ISO 6894に準拠して測定される値である。
更に好ましくは、上記体積平均粒子径(mv)が1〜20μmで、かつ90体積%粒径(D90)が1〜25μmであることが望ましい。粒度が30μmを超えて大きすぎると、ゴム中の充填材分散が悪化し、補強性、耐摩耗性が悪化することがある。
他方、粒度を小さくするためにスラリーに過度のせん断力をかけると、充填材のストラクチャーが破壊され、補強性の低下を引き起こす。水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填剤の24M4DBP吸油量が、スラリーに投入する前の充填材の24MDBP吸油量の93%以上であることが必要である。さらに好ましくは96%以上である。なお、スラリーに投入する前の充填材の24MDBP吸油量の93%未満であると、ゴム組成物の弾性率が低下し、好ましくない。
すなわち、本発明における天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法は、天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していること、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することが必要である。ここで、24M4DBP吸油量は、ISO 6894に準拠して測定される値である。
更に好ましくは、上記体積平均粒子径(mv)が1〜20μmで、かつ90体積%粒径(D90)が1〜25μmであることが望ましい。粒度が30μmを超えて大きすぎると、ゴム中の充填材分散が悪化し、補強性、耐摩耗性が悪化することがある。
他方、粒度を小さくするためにスラリーに過度のせん断力をかけると、充填材のストラクチャーが破壊され、補強性の低下を引き起こす。水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填剤の24M4DBP吸油量が、スラリーに投入する前の充填材の24MDBP吸油量の93%以上であることが必要である。さらに好ましくは96%以上である。なお、スラリーに投入する前の充填材の24MDBP吸油量の93%未満であると、ゴム組成物の弾性率が低下し、好ましくない。
カーボンブラックの水分散スラリー溶液の製造には、ローター・ステータータイプのハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等が用いることができる。例えば、コロイドミルに所定量のカーボンブラックと水を入れ、高速で一定時間攪拌することで、当該スラリー溶液を調製することができる。
本発明の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法において、用いられるカーボンブラックとしては、通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独にまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記カーボンブラックのスラリー濃度は、スラリーに対して0.5重量%〜60重量%が好ましく、特に好ましい範囲は1重量%〜30重量%である。
また、カーボンブラックは、天然ゴムウェットマスターバッチのゴム成分100重量部に対して、5〜100重量部添加されるのが好ましく、特には10〜70重量部の範囲であることが好ましい。カーボンブラックの量が5重量部より少ないと充分な補強性が得られない場合があり、また100重量部を超えると加工性が悪化する場合があるからである。
また、カーボンブラックは、天然ゴムウェットマスターバッチのゴム成分100重量部に対して、5〜100重量部添加されるのが好ましく、特には10〜70重量部の範囲であることが好ましい。カーボンブラックの量が5重量部より少ないと充分な補強性が得られない場合があり、また100重量部を超えると加工性が悪化する場合があるからである。
更に、本発明においては、上記天然ゴムウェットマスターバッチの製造工程中に、更に、天然ゴムウェットマスターバッチのゴム成分100重量部中に粉ゴムを1〜40重量部混合することが必要であり、好ましくは、1〜20重量部混合することが好ましい。
用いる粉ゴムは、廃タイヤ、ベルト、ホース、防振ゴムなどのゴム製品の廃ゴムを微粉砕したゴムをいう。粉ゴム中のゴム成分は、原料となる廃ゴムに含まれているものであり、その種類は特に限定されず、天然ゴム及び合成ゴムの中から選ばれる少なくとも1種を含むものであればよい。合成ゴムとしては、ジエン系ゴムが好ましく、例えば、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、イソプレン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
また、前記粉ゴムの原料となる廃ゴムには、ゴム工業で通常使用されている硫黄、過酸化物などの架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、老化防止剤、プロセス油、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸などが配合されていてもよい。
用いる粉ゴムは、廃タイヤ、ベルト、ホース、防振ゴムなどのゴム製品の廃ゴムを微粉砕したゴムをいう。粉ゴム中のゴム成分は、原料となる廃ゴムに含まれているものであり、その種類は特に限定されず、天然ゴム及び合成ゴムの中から選ばれる少なくとも1種を含むものであればよい。合成ゴムとしては、ジエン系ゴムが好ましく、例えば、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、イソプレン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
また、前記粉ゴムの原料となる廃ゴムには、ゴム工業で通常使用されている硫黄、過酸化物などの架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、老化防止剤、プロセス油、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸などが配合されていてもよい。
本発明で用いる粉ゴムの原料としては、加硫ゴムからなる廃タイヤ・チューブ等を従来の方法で粉砕して得られる粉ゴムに限らず、タイヤ製造時に発生する未加硫ゴムスクラップ物、タイヤ加硫時に発生するスピュー片などを粉砕した粉ゴムも使用できる。
本発明において、粉ゴムの微粉砕する方法としては、ロール粉砕、冷凍粉砕、石臼粉砕などを挙げることができ、特に方法には限定されない。
本発明において、粉ゴムの微粉砕する方法としては、ロール粉砕、冷凍粉砕、石臼粉砕などを挙げることができ、特に方法には限定されない。
粉ゴムは、好ましくは、大粒子成分によるゴム補強性の低下を防止する点から、100メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有するものが好ましく、更に好ましくは、200メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有するものを用いることが望ましい。
用いる粉ゴムの使用量が、天然ゴムウェットマスターバッチのゴム成分100重量部に対して1重量部未満では、マテリアルリサイクルへの貢献度が低くなり、一方、40重量部を越えると、補強性が大幅に低下することとなり、好ましくない。
用いる粉ゴムの使用量が、天然ゴムウェットマスターバッチのゴム成分100重量部に対して1重量部未満では、マテリアルリサイクルへの貢献度が低くなり、一方、40重量部を越えると、補強性が大幅に低下することとなり、好ましくない。
粉ゴムの添加時は、天然ゴムウェットマスターバッチの製造工程中であれば特に限定されないが、好ましくは、均一性の点から、天然ゴムゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程中、具体的には、凝固タンク内に所望の粉ゴムを添加すること、または、粉ゴムを、後述する機械的なせん断力をかけながら乾燥を行う工程中で添加することが望ましい。
次に、前記スラリー溶液と天然ゴムラテックスとの混合方法としては、例えば、ホモミキサー中に該スラリー溶液を入れ、攪拌しながら、ラテックスを滴下する方法や、逆にラテックスを攪拌しながら、これに該スラリー溶液を滴下する方法がある。また、一定の流量割合をもったスラリー流とラテックス流とを、激しい水力攪拌の条件下で混合する方法などを用いることもできる。
マスターバッチの凝固方法としては、通常と同様、蟻酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩の凝固剤を用いて行われる。また、本発明においては、凝固剤を添加せず、天然ゴムラテックスと前記スラリーとを混合することによって、凝固がなされる場合もある。
また、マスターバッチには、所望に応じて、カーボンブラックの充填材以外に、加硫剤、老化防止剤、着色剤、分散剤等の薬品など種々の添加剤を加えることができる。
また、マスターバッチには、所望に応じて、カーボンブラックの充填材以外に、加硫剤、老化防止剤、着色剤、分散剤等の薬品など種々の添加剤を加えることができる。
マスターバッチ製造の最終工程として、乾燥が通常行われる。本発明においては、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー等の通常の乾燥機を用いることができるが、さらに充填材の分散性を向上させるためには、機械的せん断力をかけながら乾燥を行なうことが好ましい。これにより、加工性、補強性、低燃費性に優れたゴムを得ることができる。この乾燥は、一般的な混練機を用いて行なうことができるが、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の2軸混練押出機などの多軸混練押出機を用いることがより好ましい。
また、上記のせん断力をかけながら乾燥を行う工程においては、乾燥工程前のマスターバッチ中の水分量は10%以上であることが好ましい。この水分量が10%未満であると、乾燥工程での充填材分散の改良幅が小さくなってしまうことがある。
すなわち、本発明におけるウェットマスターバッチは、天然ゴムラテックスとカーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合し、凝固させて得られた天然ゴムウェットマスターバッチであり、粉ゴムは、例えば、上記混合工程、又上記械的なせん断力をかけながら乾燥を行う乾燥工程中に添加することにより得られるものである。
本発明によれば、従来の再生ゴム及び粉ゴムに比して高い補強性を維持し、これにより、使用済みタイヤ等のゴム製品から得られる廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上することができる天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチが得られるものとなる。
すなわち、本発明におけるウェットマスターバッチは、天然ゴムラテックスとカーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合し、凝固させて得られた天然ゴムウェットマスターバッチであり、粉ゴムは、例えば、上記混合工程、又上記械的なせん断力をかけながら乾燥を行う乾燥工程中に添加することにより得られるものである。
本発明によれば、従来の再生ゴム及び粉ゴムに比して高い補強性を維持し、これにより、使用済みタイヤ等のゴム製品から得られる廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上することができる天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法、天然ゴムウェットマスターバッチが得られるものとなる。
次に、本発明のゴム組成物は、前記の天然ゴムウェットマスターバッチを用いることにより得られるが、このゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを添加することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、このゴム組成物をタイヤ部材、例えば、タイヤトレッド部材などに用いたものである。
これらの本発明によれば、廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上したゴム組成物が得られると共に、タイヤ用途をはじめベルト、ホース、防振ゴムその他のゴム製品に適用可能であり、特にタイヤの用途に好適に用いられるゴム組成物及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤが得られるものとなる。
また、本発明の空気入りタイヤは、このゴム組成物をタイヤ部材、例えば、タイヤトレッド部材などに用いたものである。
これらの本発明によれば、廃ゴムのマテリアルリサイクル率を向上したゴム組成物が得られると共に、タイヤ用途をはじめベルト、ホース、防振ゴムその他のゴム製品に適用可能であり、特にタイヤの用途に好適に用いられるゴム組成物及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤが得られるものとなる。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明は、下記実施例によってなんら限定されるものではない。
各実施例、比較例における各種測定は下記により行なった。
(1)スラリー溶液中の充填材であるカーボンブラックの粒度分布測定(体積平均粒子径(mv)、90体積%粒径(D90)は、レーザー回折型粒度分布計(MICROTRAC FRA型)を使用し、水溶媒(屈折率1.33)を用いて測定した。粒子屈折率(Particle refractive index)は全ての測定において1.57を用いた。また、充填材の再凝集を防ぐため、分散後直ちに測定を行った。
(2)カーボンブラックの24M4DBP吸油量
ISO 6894に準拠して測定した。
(3)ムーニー粘度(ML1+4)
JIS K6300−1994に準拠し、130℃で測定した。結果を指数表示した。数値が小さいほど加工性が良好である。
(1)スラリー溶液中の充填材であるカーボンブラックの粒度分布測定(体積平均粒子径(mv)、90体積%粒径(D90)は、レーザー回折型粒度分布計(MICROTRAC FRA型)を使用し、水溶媒(屈折率1.33)を用いて測定した。粒子屈折率(Particle refractive index)は全ての測定において1.57を用いた。また、充填材の再凝集を防ぐため、分散後直ちに測定を行った。
(2)カーボンブラックの24M4DBP吸油量
ISO 6894に準拠して測定した。
(3)ムーニー粘度(ML1+4)
JIS K6300−1994に準拠し、130℃で測定した。結果を指数表示した。数値が小さいほど加工性が良好である。
(4)補強性(破壊強力)
JIS K6251−1993に準拠し、23℃で測定した時の引張強さを求めた。値が大きいほど補強性が高い。
(5)耐摩耗性(指数)
耐摩耗試験は、TBR1000R20タイヤを作製し、30000km走行後のタイヤ溝深さを測定し、摩耗量(mm)を求め、下式により算出した。
耐摩耗性指数=(供試試験タイヤの走行距離/摩耗量)/(比較例1タイヤの走行距離/摩耗量)
JIS K6251−1993に準拠し、23℃で測定した時の引張強さを求めた。値が大きいほど補強性が高い。
(5)耐摩耗性(指数)
耐摩耗試験は、TBR1000R20タイヤを作製し、30000km走行後のタイヤ溝深さを測定し、摩耗量(mm)を求め、下式により算出した。
耐摩耗性指数=(供試試験タイヤの走行距離/摩耗量)/(比較例1タイヤの走行距離/摩耗量)
〔実施例1〜5及び比較例1〜4〕
A.ラテックスの調製
1)ラテックス
天然ゴムのフィールドラテックス(ゴム分24.2%)を脱イオン水で希釈し、ゴム分20%のものにした。
A.ラテックスの調製
1)ラテックス
天然ゴムのフィールドラテックス(ゴム分24.2%)を脱イオン水で希釈し、ゴム分20%のものにした。
B.カーボンブラック(充填材)の水分散スラリーの調製
1)スラリー
ローター径50mmのコロイドミルに脱イオン水1425gと、カーボンブラック(N110)の75グラムを投入し、ローター・ステーター間隙1mm、回転数1500rpmで10分間攪拌した。
1)スラリー
ローター径50mmのコロイドミルに脱イオン水1425gと、カーボンブラック(N110)の75グラムを投入し、ローター・ステーター間隙1mm、回転数1500rpmで10分間攪拌した。
上記で得られた水分散スラリー中の充填材の粒度分布(mv,D90)と、乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量(以下、24M4DBPという)及びその保持率を下記表1に示す。なお、スラリー投入前の充填材の24M4DBPは、下記表1の注に記載した。
C.粉ゴム
粉ゴムA:市販の粉ゴム、24メッシュ品(村岡ゴム工業社製)
粉ゴムB:100メッシュのフィルターに掛けて通過したものを含む粉ゴム
粉ゴムC:200メッシュのフィルターに掛けて通過したものを含む粉ゴム
これらの粉ゴムを凝固時、2軸押出機による乾燥時、後述するプラストミルでの配合時のいずれかで10部加えた。
D.凝固工程
ホモミキサー中に、上記により調製されたラテックスとスラリーを、ゴム分100重量部に対して、下記表2に示すカーボンブラックを45重量部になるよう添加し、攪拌しながら、蟻酸をpH4.5になるまで加えた。凝固したマスターバッチを回収、水洗し、水分が約40%になるまで脱水を行った。
粉ゴムA:市販の粉ゴム、24メッシュ品(村岡ゴム工業社製)
粉ゴムB:100メッシュのフィルターに掛けて通過したものを含む粉ゴム
粉ゴムC:200メッシュのフィルターに掛けて通過したものを含む粉ゴム
これらの粉ゴムを凝固時、2軸押出機による乾燥時、後述するプラストミルでの配合時のいずれかで10部加えた。
D.凝固工程
ホモミキサー中に、上記により調製されたラテックスとスラリーを、ゴム分100重量部に対して、下記表2に示すカーボンブラックを45重量部になるよう添加し、攪拌しながら、蟻酸をpH4.5になるまで加えた。凝固したマスターバッチを回収、水洗し、水分が約40%になるまで脱水を行った。
E.乾燥工程
バンドドライヤーを用いて温度120℃で乾燥するバンドドライヤー法、又は2)神戸製鋼製2軸混練押出機(同方向回転スクリュー径 30mm、L/D=35、ベントホール3ヶ所)を用いて、バレル温度120℃、回転数100rpmで乾燥する2軸混練押出機法のいずれかの方法により行なった。
上記により得られたマスターバッチ中の充填材量はいずれも、天然ゴム100重量部に対して、約45重量部であった。
バンドドライヤーを用いて温度120℃で乾燥するバンドドライヤー法、又は2)神戸製鋼製2軸混練押出機(同方向回転スクリュー径 30mm、L/D=35、ベントホール3ヶ所)を用いて、バレル温度120℃、回転数100rpmで乾燥する2軸混練押出機法のいずれかの方法により行なった。
上記により得られたマスターバッチ中の充填材量はいずれも、天然ゴム100重量部に対して、約45重量部であった。
F.ゴム組成物の調製
上記のウェットマスターバッチ又は比較例1〜4については、天然ゴム(SMR)100重量部、カーボンブラック45重量部に対して、亜鉛華(1号亜鉛華、白水化学社製)3重量部、硫黄(軽井沢精錬所社製)1.5重量部、ステアリン酸(BR−ステアリン酸、日本油脂社製)2重量部、老化防止剤〔N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ノクラック6C、大内新興化学工業社製〕1重量部、加硫促進剤〔N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ノクラックCZ、大内新興化学工業社製〕1重量部、を配合し、プラストミルで混練してゴム組成物を得た。
このゴム組成物について、ムーニー粘度を測定すると共に、150℃で30分間加硫して得たゴムについて、破壊強力(引張強さ)を測定した。この結果を下記表2及び表3に示す。
上記のウェットマスターバッチ又は比較例1〜4については、天然ゴム(SMR)100重量部、カーボンブラック45重量部に対して、亜鉛華(1号亜鉛華、白水化学社製)3重量部、硫黄(軽井沢精錬所社製)1.5重量部、ステアリン酸(BR−ステアリン酸、日本油脂社製)2重量部、老化防止剤〔N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ノクラック6C、大内新興化学工業社製〕1重量部、加硫促進剤〔N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ノクラックCZ、大内新興化学工業社製〕1重量部、を配合し、プラストミルで混練してゴム組成物を得た。
このゴム組成物について、ムーニー粘度を測定すると共に、150℃で30分間加硫して得たゴムについて、破壊強力(引張強さ)を測定した。この結果を下記表2及び表3に示す。
G.空気入りタイヤの作製
上記で得られたゴム組成物を用いて、TBR1000R20タイヤを作製し、30000km走行後のタイヤ溝深さを測定し、摩耗量(mm)を求め、耐摩耗性指数を算出した。この結果を下記表2及び表3に示す。
上記で得られたゴム組成物を用いて、TBR1000R20タイヤを作製し、30000km走行後のタイヤ溝深さを測定し、摩耗量(mm)を求め、耐摩耗性指数を算出した。この結果を下記表2及び表3に示す。
上記表2及び表3において、実施例1〜5は、本発明における製造方法を用いない比較例1〜4の場合(ドライ練り等)に較べて、加工性、補強性、耐摩耗性が高いレベルでバランスしていることが判った。
Claims (11)
- 天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程を少なくとも含む天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法であって、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持し、更に、(iii)粉ゴム1〜40重量部を乾燥までの製造工程中で混合することを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 凝固後のウェットマスターバッチを乾燥させる工程で、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行うことを特徴とする請求項1に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 連続混練機を用いて乾燥を行うことを特徴とする請求項2に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 連続混練機が多軸混練押出機であることを特徴とする請求項2又は3に記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 粉ゴムは、100メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 粉ゴムは、200メッシュのフィルターを通過したものを75質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 粉ゴムを、天然ゴムゴムラテックスと、カーボンブラックを予め水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において添加することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 粉ゴムを、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行う工程で添加することを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
- 請求項1〜8の何れか一つに記載の天然ゴムウェットマスターバッチの製造方法により製造されたことを特徴とする天然ゴムウェットマスターバッチ。
- 請求項9に記載の天然ゴムウェットマスターバッチを用いたことを特徴とするゴム組成物
- 請求項10に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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-
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- 2006-03-01 JP JP2006054576A patent/JP2007231153A/ja active Pending
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