JP5851763B2 - 複合体の製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

複合体の製造方法、ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、複合体の製造方法、該複合体を含むゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
充填剤のゴム中への分散性の改善、混練時の使用エネルギーの低減、作業環境の改善等の目的で充填剤をゴムにあらかじめ分散させたマスターバッチ(複合体)が開発され、利用されている(例えば、特許文献1)。特に、樹液にゴムが分散したラテックス状態で得られる天然ゴム、乳化重合により得られる乳化合成ゴムについては、充填剤の水分散液とゴムラテックスを混合してウェットマスターバッチ(複合体)として製造されている。
これらの複合体を製造する際には、充填剤を水中に分散させるために、界面活性剤が使用されている。そのため、界面活性剤が複合体に残留し、該複合体を配合したゴム組成物中に界面活性剤が混入することとなり、加硫ゴム組成物の物性に悪影響を与えている。特に、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度が悪化するという問題がある。
一方、界面活性剤を使用せずに、特殊な製造設備を用いて、充填剤を水中に分散させる方法が知られている。しかし、特殊な製造設備を用いた場合、水中での充填剤の分散は改善されるものの、得られた複合体をゴム組成物に配合しても、充填剤を複合体として配合せずにゴムと共に混練機に投入して混練した場合と比べて加硫ゴム組成物の物性におけるメリットは大きくなく、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度の向上という点では改善の余地がある。
特開2009−51955号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度をバランスよく改善できる複合体の製造方法を提供することを目的とする。また、該製造方法により得られる複合体を含むゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、一方の末端に充填剤と相互作用を有する官能基を、もう一方の末端には界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基を有する化合物(X)を含有する充填剤分散液と、ゴムラテックスとを混合して配合ラテックスを調製する工程(I)、工程(I)で得られた配合ラテックスを凝固させる工程(II)を含む複合体の製造方法に関する。
化合物(X)の充填剤と相互作用を有する官能基が、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
化合物(X)の界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基が−S−SOH又はその金属塩であることが好ましい。
化合物(X)が下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005851763
[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
上記式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンであることが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンであることがより好ましい。
ゴムラテックスが、天然ゴムラテックス、及びスチレンブタジエンゴムラテックスからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。天然ゴムラテックスが、脱蛋白処理された脱蛋白天然ゴムラテックス、及びケン化処理されたケン化天然ゴムラテックスからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
充填剤がカーボンブラック、シリカ、短繊維からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明は、上記製造方法により得られる複合体に関する。
本発明は、上記製造方法により得られる複合体を含むゴム組成物に関する。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、一方の末端に充填剤と相互作用を有する官能基を、もう一方の末端には界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基を有する化合物(X)を含有する充填剤分散液と、ゴムラテックスとを混合して配合ラテックスを調製する工程(I)、工程(I)で得られた配合ラテックスを凝固させる工程(II)を含む複合体の製造方法であるため、該製造方法により調製される複合体をゴム組成物に使用すると、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度をバランスよく改善できる。従って、該ゴム組成物をトレッドなどのタイヤ部材に使用することにより、これらの性能に優れた空気入りタイヤを提供できる。
<複合体の製造方法>
本発明の複合体の製造方法は、一方の末端に充填剤と相互作用を有する官能基を、もう一方の末端には界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基を有する化合物(X)を含有する充填剤分散液と、ゴムラテックスとを混合して配合ラテックスを調製する工程(I)、工程(I)で得られた配合ラテックスを凝固させる工程(II)を含む製法である。すなわち、まず、化合物(X)を使用して充填剤を水中に分散させた分散液と、ゴムラテックスとをそれぞれ調製した上で、該ゴムラテックスと該分散液を液体状態で混合して配合ラテックス(混合液)を作製し、凝固させることにより複合体が製造されている。このため、ゴム中に充填剤が均一に分散した複合体を製造できる。そのため、該複合体をゴム組成物に使用すると、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度を向上できる。
そして、本発明では、界面活性作用を有する化合物(X)を使用しているが、化合物(X)をゴム組成物に配合した場合、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度を向上できる。そのため、化合物(X)がゴム組成物に混入することにより、上記性能が低下することはなく、むしろ上記性能をより向上させることができる。
このように、本発明では、化合物(X)を使用することにより、充填剤の分散性が向上したことにより得られる向上効果に加えて、ゴム組成物に化合物(X)自体を配合したことにより得られる向上効果も得られるため、相乗的に耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度を向上できる。特に、側鎖に二重結合を有さない天然ゴム等のジエン系ゴムにおいては、通常のシランカップリング剤では効果が少ないため、物性改善効果が大きい。
(工程(I))
ゴムラテックスとしては、天然ゴムラテックス、合成ジエン系ゴムラテックス(ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、クロロプレンゴム、ビニルピリジンゴム、ブチルゴムなどのラテックス)などが挙げられる。なかでも、得られるゴム組成物の耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度に優れるという理由から、天然ゴムラテックス、スチレンブタジエンゴムラテックス(SBRラテックス)が好ましい。
ゴムラテックス中のゴム成分(ゴム固形分)の濃度は特に限定されないが、ゴムラテックス(100質量%)中での均一分散性の点から、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは20〜60質量%である。
SBRラテックスにおけるSBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、加工性に優れるという理由から、E−SBRが好ましい。
天然ゴムラテックスとしては、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、天然ゴムラテックスを界面活性剤や酵素で脱蛋白処理した脱蛋白天然ゴムラテックス、天然ゴムラテックスをケン化処理したケン化天然ゴムラテックス等を使用できる。なかでも、得られるゴム組成物の耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度に優れるという理由から、脱蛋白天然ゴムラテックス、ケン化天然ゴムラテックスが好ましい。
脱蛋白天然ゴムラテックスは、公知の方法により調製でき、例えば、特開2004−197052号公報、特開2005−120153号公報に記載のように、天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素と必要に応じて界面活性剤とを添加して酵素処理する方法等により調製できる。脱蛋白処理を施すと、後述する工程(III)において、分解された蛋白質が洗浄除去されるので、調製される複合体に含まれる天然ゴム中の窒素含有量を抑えることができる。
ケン化天然ゴムラテックスは、例えば、特開2010−138359号公報に記載のように、天然ゴムラテックスをアルカリでケン化処理することにより調製できる。ケン化処理は、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することにより行うことができる。なお、必要に応じて撹拌等を行っても良い。ケン化処理を施すと、後述する工程(III)において、ケン化により分離したリン化合物が洗浄除去されるので、調製される複合体に含まれる天然ゴム中のリン含有量を抑えることができる。また、ケン化処理により、天然ゴム中の蛋白質が分解されるので、天然ゴムの窒素含有量を抑えることもできる。本発明では、天然ゴムラテックスにアルカリを添加してケン化できるが、天然ゴムラテックスに添加することにより、効率的にケン化処理を行えるという効果がある。
また工程(I)では、充填剤分散液が使用される。即ち、乾燥した充填剤の粉末ではなく、充填剤が水中に分散した分散液(スラリー)が使用される。上記分散液の使用により、充填剤を良分散させることができるため、優れた耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度が得られる。
上記充填剤分散液は、界面活性剤の代わりに又は界面活性剤と共に上記化合物(X)を使用する点以外は公知の方法で製造でき、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等を用いて調製できる。具体的には、コロイドミルに水を入れ、化合物(X)を添加して化合物(X)を溶解させた後、攪拌しながら充填剤を添加し、次いでホモジナイザーを用いて循環することにより、前記分散液を調製できる。なお、上記分散液中の充填剤の添加量は特に限定されないが、分散液(100質量%)中での均一分散性の点から、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは2〜25質量%である。
使用できる充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、短繊維、クレー、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ等が挙げられる。なかでも、優れた耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度が得られるという理由から、カーボンブラック、シリカ、短繊維からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、充分な補強性が得られ、充分な耐摩耗性、ゴム強度が得られる点から、30m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、80m/g以上が更に好ましい。また、カーボンブラックのNSAは、低発熱性(低燃費性)に優れる点から、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましい。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、充分な補強性が得られ、充分な耐摩耗性、ゴム強度が得られる点から、50ml/100g以上が好ましく、80ml/100g以上がより好ましく、90ml/100g以上が更に好ましい。また、カーボンブラックのDBPは、破断時伸び(EB)が低くなり、ゴム強度が低下する点から、200ml/100g以下が好ましく、150ml/100g以下がより好ましく、125ml/100g以下が更に好ましい。なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは30m/g以上、より好ましくは50m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。30m/g未満では、補強効果が小さく、耐摩耗性、ゴム強度が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは220m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。220m/gを超えると、シリカの分散性が低下し、充分な低燃費性、耐摩耗性が得られないおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
短繊維としては、ミクロフィブリル化植物繊維などが挙げられるが、ミクロフィブリル化植物繊維が好ましい。
ミクロフィブリル化植物繊維としては、良好な補強性が得られるという点から、セルロースミクロフィブリルが好ましい。セルロースミクロフィブリルとしては、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農作物残廃物、布、再生パルプ、古紙、バクテリアセルロース、ホヤセルロース等の天然物に由来するものが挙げられる。
ミクロフィブリル化植物繊維の製造方法としては特に限定されないが、例えば、上記セルロースミクロフィブリルの原料を水酸化ナトリウム等の薬品で化学処理した後、リファイナー、二軸混錬機(二軸押出機)、二軸混錬押出機、高圧ホモジナイザー、媒体撹拌ミル、石臼、グラインダー、振動ミル、サンドグラインダー等により機械的に磨砕ないし叩解する方法が挙げられる。この方法では、化学処理によって原料からリグニンが分離されるため、リグニンを実質的に含有しないミクロフィブリル化植物繊維が得られる。
ミクロフィブリル化植物繊維の平均繊維径は、ゴム補強効果と破断伸びのバランスが良好である観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μm以下である。ミクロフィブリル化植物繊維の平均繊維径の下限は特に限定されないが、工程(I)で水等の溶媒を用いた場合に、濾水性の悪化による作業性の悪化を抑制できる観点から、4nm以上であることが好ましい。
ミクロフィブリル化植物繊維の平均繊維長は、好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下であり、また、好ましくは1μm以上、より好ましくは50μm以上である。平均繊維長が下限未満の場合や上限を超える場合は、前述の平均繊維径と同様の傾向がある。
ミクロフィブリル化植物繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、走査型電子顕微鏡写真の画像解析、透過型顕微鏡写真の画像解析、X線散乱データの解析、細孔電気抵抗法(コールター原理法)等によって測定できる。
また、上記化合物(X)は、一方の末端に充填剤と相互作用を有する官能基を、もう一方の末端には界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基を有する。
耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度をより向上できるという理由から、充填剤と相互作用を有する官能基が、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、同様の理由により、界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基が−S−SOH又はその金属塩であることが好ましい。アミノ基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれでもよいが、1級アミノ基が好ましい。
化合物(X)のなかでも、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基と、−S−SOH又はその金属塩(好ましくは−S−SOH又はそのナトリウム塩)とが、炭素数2〜8(好ましくは2〜5)のアルキレン基で結合されている化合物が好ましく、このような化合物のなかでも、下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物がより好ましい。下記式(1)、(2)で表される化合物は、アミノ基の固体(充填剤)表面への吸着、又は、アルキレン基の疎水性による固体(充填剤)表面への吸着が生じる。さらに、スルホン酸塩(SO )による水への親和性により界面活性を示す。また、S−SO 構造中のS−S結合は、混練時等の高温下で切断され、Sラジカルが発生してゴムに結合する。このように、下記式(1)、(2)で表される化合物では、アミノ基やアルキレン基が充填剤と相互作用を有する官能基として作用し、S−SO が界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基として作用する。
Figure 0005851763
[式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
上記式(2)で表される化合物は任意の公知の方法により製造することができる。具体的には、ハロアルキルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩とジハロアルカンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
具体的には、qが6の化合物の場合、例えば、6−ハロヘキシルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩と1,6−ジハロヘキサンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
また、qが3の化合物の場合、例えば、3−ハロプロピルアミンとチオ硫酸ナトリウムとを反応させる方法、フタルイミドのカリウム塩と1,3―ジハロプロパンとを反応させて、得られた化合物とチオ硫酸ナトリウムとを反応させ、次いで、得られた化合物を加水分解する方法等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物は、例えば、上記式(2)で表される化合物とプロトン酸とを反応させることにより製造することができる。
本発明では、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物の混合物を用いることもできる。かかる混合物は、上記式(1)で表される化合物と上記式(2)で表される化合物とを混合する方法、金属アルカリ(上記Mで示される金属を含有する水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩等)を用いて上記式(1)で表される化合物の一部を金属塩化する方法、プロトン酸を用いて上記式(2)で表される化合物の一部を中和する方法により製造することができる。このようにして製造した上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、濃縮、晶析等の操作により、反応混合物から取り出すことができ、取り出された上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物は、通常0.1〜5%程度の水分を含む。本発明では、上記式(1)で表される化合物のみを用いることができ、また、上記式(2)で表される化合物のみを用いることもできる。また、複数種の上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物を併用することもできる。
式(1)中、pは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。式(2)中、qは2〜8の整数を表し、2〜5が好ましい。
r+で示される金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオンおよび亜鉛イオンが好ましく、リチウムイオン、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンがより好ましく、ナトリウムイオンが更に好ましい。rは金属イオンの価数を表わし、当該金属において可能な範囲であれば、限定されない。金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンのようなアルカリ金属イオンの場合、rは通常1であり、金属イオンがコバルトイオンの場合、rは通常2または3である。金属イオンが、銅イオンの場合、rは通常1〜3の整数であり、金属イオンが、亜鉛イオンの場合、rは通常2である。上記製法によれば、通常、上記式(1)で表される化合物のナトリウム塩が得られるが、カチオン交換反応を行うことにより、ナトリウム塩以外の金属塩に変換することができる。
上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物のメディアン径は、好ましくは0.05〜100μmの範囲であり、より好ましくは1〜100μmの範囲である。かかるメディアン径は、レーザー回折法にて測定することができる。
水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基と、−S−SOH又はその金属塩とが、炭素数2〜8のアルキレン基で結合されている化合物は、上記式(1)、(2)で表される化合物と同様の手法により合成できる。
なお、上記分散液の調製において、化合物(X)の添加量は特に限定されないが、分散液中の充填剤の均一分散性の点から、充填剤100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部が好ましい。
工程(I)では、ゴムラテックスと充填剤分散液とを公知の方法により混合し、その後、配合ラテックスが均一な溶液になるまで十分に攪拌することで、配合ラテックス(混合液)を調製できる。
混合方法としては、特に限定されず、例えば、ブレンダーミル中にゴムラテックスを入れ、撹拌しながら、充填剤分散液を滴下する方法や、充填剤分散液を撹拌しながら、これにゴムラテックスを滴下する方法等が挙げられる。また、一定の流量比のゴムラテックス流と充填剤分散液流とを激しい水力撹拌条件下で混合する方法等でもよい。
また、上記混合工程では、得られる複合体において、ゴム100質量部(固形分)に対して充填剤が5〜150質量部となるように充填剤分散液を混合することが好ましい。5質量部未満であると、マスターバッチとして使用する場合に、充填剤量が少なくなるおそれがある。150質量部を超えると、配合ラテックス中での充填剤の均一分散が得られにくくなり、ゴム組成物中での充填剤の均一分散性が低下する傾向がある。より好ましくは10〜120質量部、更に好ましくは10〜90質量部である。
(工程(II))
工程(II)では、上記工程(I)で得られた配合ラテックスを凝固(凝集)させる。配合ラテックスの凝固は、酸凝固、塩凝固、メタノール凝固などがあるが、ゴムラテックスと充填剤を均一分散させて凝固するためには、酸凝固、塩凝固又はこれらの併用が好ましい。凝固させるための酸としては、硫酸、塩酸、蟻酸、酢酸などが挙げられる。また、塩としては、例えば、1〜3価の金属塩(塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩など)が挙げられる。
なかでも、配合ラテックスの凝固は、酸又は塩の添加により配合ラテックスのpHを5〜9(好ましくは6〜8、より好ましくは6.5〜7.5)に調整して固形分を凝固させることで実施されることが好ましい。
(工程(III))
工程(II)の後、通常工程(III)として、工程(II)で得られた凝固物(凝集ゴム、充填剤、及び化合物(X)を含む凝集物)を洗浄する。ここで、ゴムラテックスとしてケン化天然ゴムラテックスを使用した場合には、洗浄により、ゴム(天然ゴム)中のリン含有量を200ppm以下に調整(低減)し、ケン化処理後に洗浄処理を施すことにより、凝固物における天然ゴム中のリン量を200ppm以下に低減できる。また、ゴムラテックスとして脱蛋白天然ゴムラテックスを使用した場合には、洗浄により、ゴム(天然ゴム)中の窒素含有量を低減できる。
工程(III)の洗浄方法としては、例えば、ゴム分を水で希釈した後に、遠心分離する方法又は静置してゴムを浮かせ水相のみを排出する方法が挙げられる。
遠心分離する際は、まずゴムラテックスのゴム分が5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%となるように水で希釈し、次いで5000〜10000rpmで1〜60分間遠心分離すればよい。ケン化天然ゴムラテックスを使用した場合、所望のリン含有量、窒素含有量になるまで上記操作を繰り返せばよい。また、脱蛋白天然ゴムラテックスを使用した場合、所望の窒素含有量になるまで上記操作を繰り返せばよい。
また、静置してゴムを浮かせる場合も水の添加、攪拌を繰り返せばよい。ケン化天然ゴムラテックスを使用した場合、所望のリン含有量、窒素含有量になるまで水の添加、攪拌を繰り返せばよい。脱蛋白天然ゴムラテックスを使用した場合、所望の窒素含有量になるまで水の添加、攪拌を繰り返せばよい。
洗浄後、通常、公知の方法(オーブンなど)で乾燥される。乾燥後、2軸ロール、バンバリーなどでゴム練りを行うと、ゴム及び充填剤を含む複合体が得られる。ケン化天然ゴムラテックスを使用した場合、ケン化天然ゴム(HPNR)及び充填剤を含む複合体が得られる。脱蛋白天然ゴムラテックスを使用した場合、脱蛋白天然ゴム(DPNR)及び充填剤を含む複合体が得られる。上記複合体は充填剤がゴムマトリックスに均一に分散しており、マスターバッチとして使用できる。なお、上記複合体は、本発明の効果を阻害しない範囲で他の成分を含んでもよい。
上記複合体に含まれるケン化天然ゴムは、リン含有量が200ppm以下である。200ppmを超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなったり、優れた低燃費性が得られず、該性能と耐摩耗性やゴム強度をバランスよく改善できない傾向がある。該リン含有量は、好ましくは150ppm以下、より好ましくは100ppm以下である。ここで、リン含有量は、例えば、ICP発光分析等、従来の方法で測定することができる。リンは、リン脂質(リン化合物)に由来するものである。
上記複合体に含まれるケン化天然ゴムの窒素含有量は、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下である。0.3質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなったり、優れた低燃費性が得られず、該性能と耐摩耗性やゴム強度をバランスよく改善できない傾向がある。窒素はタンパク質に由来する。なお、本明細書において、窒素含有量は、例えばケルダール法等、従来の方法で測定することができる。
上記複合体に含まれるケン化天然ゴムは、固形分中のトルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。20質量%を超えると、ムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなる傾向がある。ゲル含有率とは、非極性溶媒であるトルエンに対する不溶分として測定した値を意味し、以下においては単に「ゲル含有率」又は「ゲル分」と称することがある。ゲル分の含有率の測定方法は次のとおりである。まず、天然ゴム試料を脱水トルエンに浸し、暗所に遮光して1週間放置後、トルエン溶液を1.3×10rpmで30分間遠心分離して、不溶のゲル分とトルエン可溶分とを分離する。不溶のゲル分にメタノールを加えて固形化した後、乾燥し、ゲル分の質量と試料の元の質量との比からゲル含有率が求められる。
上記複合体に含まれる脱蛋白天然ゴムの窒素含有量は、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下である。0.3質量%を超えると、貯蔵中にムーニー粘度が上昇して加工性が悪くなったり、優れた低燃費性が得られず、該性能と耐摩耗性やゴム強度をバランスよく改善できない傾向がある。窒素はタンパク質に由来する。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上記製法により得られる複合体を含有する。ゴム中に充填剤を均一分散させた複合体を使用しているため、同様に充填剤が均一に分散したゴム組成物が得られる。このため、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度をバランスよく改善できる。
本発明のゴム組成物は、上記複合体以外にも、必要に応じて他のゴム成分を含んでもよい。他のゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。
上記ゴム組成物に含まれるゴム成分(複合体中のゴム成分及び他のゴム成分)の総量100質量%中、上記複合体に含まれるゴム成分(固形分)の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。60質量%未満であると、充分な低燃費性、耐摩耗性、ゴム強度が得られないおそれがある。
上記ゴム組成物において、充填剤の含有量(複合体に配合された充填剤及び他に使用された充填剤の合計含有量)は、上記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。5質量部未満であると、充分な補強性が得られず、充分な耐摩耗性、ゴム強度が得られないおそれがある。該充填剤の含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは90質量部以下である。150質量部を超えると、充分な低燃費性、耐摩耗性、ゴム強度が得られないおそれがある。
本発明のゴム組成物には、上記の材料以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられているシランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤等の各種材料が適宜配合されていてもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。天然ゴムを含むゴム組成物を製造する場合、ゴム成分、充填剤などの各成分の混練り工程前に、通常、天然ゴムの素練り工程が行われる。素練り工程が行われることにより、天然ゴムの分子鎖が切断され、加工性は向上するものの、得られるゴム組成物の耐摩耗性、ゴム強度が低下してしまう。一方、本発明では、天然ゴムを含有する複合体を使用することにより、該素練り工程を行わなくても良好に混練り工程を実施できるため、耐摩耗性、ゴム強度に優れたゴム組成物が得られる。
上記ゴム組成物は、タイヤの各部材に適用できるが、なかでも、トレッド、サイドウォール、ブレーカークッション等に好適に用いることができる。
<空気入りタイヤ>
本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に適用される。この場合、ゴム中に充填剤を均一分散させた複合体を使用しているため、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度をバランスよく改善できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形することにより未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
また、本発明の空気入りタイヤは、乗用車、トラック・バス、及び地球環境保全に対応した低公害車両(エコカー)に好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(化合物X−1)の調製)
反応容器内の気体を窒素ガスに置換した。該反応容器に、3−ブロモプロピルアミン臭素酸塩25g(0.11モル)、チオ硫酸ナトリウム・五水和物28.42g(0.11モル)、メタノール125mlおよび水125mlを仕込み、得られた混合物を70℃で4.5時間還流した。反応混合物を放冷し、減圧下でメタノールを除去した。得られた残渣に、水酸化ナトリウム4.56gを加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。減圧下で溶媒を完全に除去した後、残渣にエタノール200mlを加えて1時間還流した。熱ろ過により副生成物である臭化ナトリウムを除去した。ろ液を減圧下で、結晶が析出するまで濃縮し、その後静置した。結晶をろ過により取り出し、エタノール、次いでヘキサンで洗浄した。得られた結晶を真空乾燥して、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(下記式で表される化合物)を得た。
H−NMR(270.05MHz,MeOD)δppm:3.1(2H,t,J=6.3Hz),2.8(2H,t,J=6.2Hz),1.9−2.0(2H,m)
得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩のメディアン径(50%D)を、(株)島津製作所製SALD−2000J型を用い、レーザー回折法(測定操作は下記のとおり)により測定したところ、メディアン径(50%D)は66.7μmであった。得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を粉砕し、そのメディアン径(50%D)が14.6μmであるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を調製した。メディアン径(50%D)が14.6μmであるS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を以下の実施例で使用した。
<測定操作>
得られたS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩を下記の分散溶媒(トルエン)と分散剤(10質量%スルホこはく酸ジー2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間撹拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した。(屈折率:1.70−0.20i)
また、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩10.0gを水30mlに溶解させて得られる水溶液のpHは11〜12であった。
Figure 0005851763
(S−(N,N−ジメチル(3−アミノプロピル))チオ硫酸のナトリウム塩(化合物X−2)の調製)
N,N−ジメチル(3−ブロモプロピルアミン)を出発物質として、(化合物X−1)と同様の手法で調製を行い、調製した化合物(S−(N,N−ジメチル(3−アミノプロピル))チオ硫酸のナトリウム塩(下記式で表される化合物))の確認を行った。
Figure 0005851763
(S−(3−ヒドロキシルプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(化合物X−3)の調製)
3−ブロモプロパノールを出発物質として、(化合物X−1)と同様の手法で調製を行い、調製した化合物(S−(3−ヒドロキシルプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(下記式で表される化合物))の確認を行った。
Figure 0005851763
(S−(3−カルボキシルプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(化合物X−4)の調製)
4−ブロモ酪酸を出発物質として、(化合物X−1)と同様の手法で調製を行い、調製した化合物(S−(3−カルボキシルプロピル)チオ硫酸のナトリウム塩(下記式で表される化合物))の確認を行った。
Figure 0005851763
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明する。
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックスを使用
SBRラテックス:日本ゼオン(株)製のLX112(E−SBR、スチレン含量:37.5質量%、ビニル含量:18質量%、ゴムラテックス中のゴム成分の濃度:40.5質量%)
蛋白質分解酵素:花王(株)製のアルカリプロテアーゼ
Emal−E:花王(株)製の界面活性剤エマールE−70C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
DEMOL:花王(株)製の界面活性剤デモールN(β−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩)
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN220(NSA:120m/g、DBP:114ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
セルロースナノファイバー: ダイセル化学工業(株)製のセリッシュKY−100G(ミクロフィブリル化植物繊維(セルロースミクロフィブリル)、平均繊維長:0.5mm、平均繊維径:0.02μm、固形分:10質量%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tetr−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
(脱蛋白天然ゴムラテックスの調製)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gと蛋白質分解酵素0.6gを加え、室温(25℃)で24時間酵素処理を行い、脱蛋白天然ゴムラテックスを得た。
(ケン化天然ゴムラテックスの調製)
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温(25℃)で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。
(天然ゴム(固形ゴム)の調製)
天然ゴムラテックスを固形分が30%になるように希釈した後、硫酸によりpH7に調整して凝固させた。得られた固形物をろ過してゴム分を回収し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して、固形ゴム(天然ゴム)を得た。
(脱蛋白天然ゴム(DPNR)(固形ゴム)の調製)
上記で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスに水を添加して固形分濃度(DRC)を15%(w/v)に調整した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(脱蛋白天然ゴム(DPNR))を得た。
(ケン化天然ゴム(HPNR)(固形ゴム)の調製)
上記で得られたケン化天然ゴムラテックスに水を添加して固形分濃度(DRC)を15%(w/v)に調整した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム(HPNR))を得た。
(SBR(固形ゴム)の調製)
SBRラテックスを固形分が30%になるように希釈した後、硫酸によりpH7に調整して凝固させた。得られた固形物をろ過してゴム分を回収し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して、固形ゴム(SBR)を得た。
[複合体(A)の調製]
表1に示す配合量で、複合体(A)の調製を行った。なお、ゴムの量(質量部)は、ゴム固形分の量(質量部)を示し、充填剤、添加剤の量(質量部)は、ゴム固形分100質量部に対する量(質量部)を示す。
(充填剤分散液の調製)
ローター径30mmのコロイドミルに脱イオン水1200gに化合物X−1を6g添加して溶解した後、カーボンブラック(N220)300gを投入し、ローター・ステーター間隔1mm、回転数2000rpmで10分間撹拌した。その後、圧力式ホモジナイザーを用いて3回循環させて、充填剤分散液を調製した。
(配合ラテックスの調製、凝固、複合体の調製)
得られた充填剤分散液にゴム固形分で600g相当の天然ゴムラテックスを混合して、配合ラテックスを調製した。配合ラテックスが均一になるまで十分に撹拌した後、配合ラテックスを硫酸によりpH7に調整して凝固させた。得られた凝固物(固形物)をろ過してゴム分を回収し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して、複合体(A)を得た。
(複合体(B)〜(X)の調製)
表1に従い、充填剤、添加剤、ゴムの種類、これらの量を変更した以外は、複合体(A)と同様にして複合体(B)〜(X)を調製した。
Figure 0005851763
天然ゴム(固形ゴム)、脱蛋白天然ゴム(固形ゴム)、ケン化天然ゴム(固形ゴム)、複合体(A)、(B)、(F)、(J)、(K)、(O)〜(X)に含まれる天然ゴム、複合体(C)、(G)、(L)に含まれる脱蛋白天然ゴム、複合体(D)、(H)、(M)に含まれるケン化天然ゴムについて、以下に示す方法により、窒素含有量、リン含有量、ゲル含有率を測定した。結果を表2に示す。
(窒素含有量の測定)
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、各複合体、ケン化天然ゴム又はTSRのサンプル約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
(リン含有量の測定)
ICP発光分析装置(ICPS−8100、(株)島津製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
(ゲル含有率の測定)
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
Figure 0005851763
表2に示すように、ケン化天然ゴム(固形ゴム)、複合体(D)、(H)、(M)に含まれるケン化天然ゴムでは、天然ゴム(固形ゴム)、複合体(A)、(B)、(F)、(J)、(K)、(O)〜(X)に含まれる天然ゴムに比べて、リン含有量、窒素含有量、ゲル含有率が低減していた。また、脱蛋白天然ゴム(固形ゴム)、複合体(C)、(G)、(L)に含まれる脱蛋白天然ゴムは、天然ゴム(固形ゴム)、複合体(A)、(B)、(F)、(J)、(K)、(O)〜(X)に含まれる天然ゴムに比べて、窒素含有量、ゲル含有率が低減していた。
(ゴム試験片の作製)
表3〜6に示す配合に従って、1.7Lバンバリーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りした。次に、ロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加して練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫して加硫ゴム組成物を得た。
得られた各加硫ゴム組成物を下記により評価し、結果を表3〜6に示した。なお、表3〜6の基準配合は、それぞれ比較例8,14,18,19とした。
(転がり抵抗)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各配合(加硫ゴム組成物)の損失正接(tanδ)を測定し、基準配合の損失係数tanδを100として、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど転がり抵抗特性(低燃費性)に優れる。
(転がり抵抗指数)=(基準配合のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(摩耗試験)
ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。更に、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、基準配合のランボーン摩耗指数を100とし、下記計算式により、各配合(加硫ゴム組成物)の容積損失量を指数表示した。なお、ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(基準配合の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
(ゴム強度)
得られた加硫ゴム組成物を用いて、3号ダンベル型ゴム試験片を作製し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を行い、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、その積(TB×EB)を算出した。基準配合のTB×EBを100として、下記計算式により、各配合(加硫物)のゴム強度(TB×EB)を指数表示した。なお、ゴム強度指数が大きいほど、ゴム強度に優れることを示す。
(ゴム強度指数)=(各配合のTB×EB)/(基準配合のTB×EB)×100
Figure 0005851763
Figure 0005851763
Figure 0005851763
Figure 0005851763
表3〜6の結果から、上記化合物(X)を含有する充填剤分散液と、ゴムラテックスとを混合して配合ラテックスを調製する工程(I)、工程(I)で得られた配合ラテックスを凝固させる工程(II)を含む製造方法により得られた複合体を配合した実施例は、耐摩耗性、低燃費性、ゴム強度をバランスよく向上できた。

Claims (8)

  1. 一方の末端に充填剤と相互作用を有する官能基を、もう一方の末端には界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基を有する化合物(X)を含有する充填剤分散液と、ゴムラテックスとを混合して配合ラテックスを調製する工程(I)、工程(I)で得られた配合ラテックスを凝固させる工程(II)を含み、
    化合物(X)の充填剤と相互作用を有する官能基が、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    化合物(X)の界面活性作用を有すると共に分解後ラジカルにより結合を生じることが可能な官能基が−S−SOH又はその金属塩であり、
    充填剤がカーボンブラック、シリカ、及び短繊維からなる群より選択される少なくとも1種である複合体の製造方法。
  2. 化合物(X)が下記式(1)及び/又は下記式(2)で表される化合物である請求項1記載の複合体の製造方法。
    Figure 0005851763
    [式(1)中、pは2〜8の整数を表す。式(2)中、qは2〜8の整数を表す。Mr+は金属イオンを表し、rはその価数を表す。]
  3. 式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンである請求項2記載の複合体の製造方法。
  4. 式(2)中のMr+で表される金属イオンが、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンである請求項2記載の複合体の製造方法。
  5. ゴムラテックスが、天然ゴムラテックス、及びスチレンブタジエンゴムラテックスからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の複合体の製造方法。
  6. 天然ゴムラテックスが、脱蛋白処理された脱蛋白天然ゴムラテックス、及びケン化処理されたケン化天然ゴムラテックスからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5記載の複合体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる複合体と、硫黄とを混練する工程を含むゴム組成物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られるゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工する工程を含む空気入りタイヤの製造方法。
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