JP2007197549A - カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムへのカーボンブラックの分散性を高め、改良された耐摩耗性を有するカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチ及び収率が改善されたその製造方法、並びにこれを用いたゴム組成物及びタイヤを提供すること。
【解決手段】ゴムラテックスとカーボンブラックの水分散スラリ−を液相で混合する工程、凝固工程および乾燥工程を有するカーボン含有ゴムマスターバッチを製造する方法であって、ASTM D1512に準じて測定されるpHが7.0を超えるカーボンブラックの水分散スラリーのpHを7.0以下に調整後、ゴムラテックスと混合することを特徴とするカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、同マスターバッチを用いて得られるゴム組成物、及びそれを用いたタイヤである。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチ及びその製造方法、並びにこれを用いたゴム組成物及びタイヤに関する。さらに、詳しくは、耐摩耗性の改善されたカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチおよび収率の高いその製造方法、並びにこれを用いたゴム組成物及びタイヤに関する。
ゴム業界では、加工性に優れたゴムの製造方法としてウェットマスターバッチを用いることが知られている。これは、カーボンブラック、シリカ等の充填材と水とをあらかじめ一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を水中に微分散させたスラリーと、ゴム溶液またはゴムラテックスを混合し、その後、酸、無機塩、アミン等の凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。ウェットマスターバッチを用いることにより、ドライマスターバッチを使用する場合と比べてカーボンブラック等充填材の分散性に優れ、加工性・補強性などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を使用することによって耐摩耗性の優れたタイヤ等のゴム製品を製造することができる。
たとえば、特許文献1においては、カーボンブラックを水中に分散させたスラリーと、ゴムラテックスを混合後、凝固工程における2個以上の凝固層において、後段の凝固層のpHを前段の凝固層のpHより低く調整し、かつ、異なる酸を使用することにより、微粒子の発生を少なくして分離操作を容易にしている。
また、特許文献2においては、カーボンブラックを水中に分散させたスラリーと、ゴムラテックスを別々の連続流の形で導入して均一な混合物を形成させ剪断力で噴霧して凝固させることにより、耐摩耗性の改良されたマスターバッチを得ている。また、特許文献3には、天然ゴムラテックス中のアミド結合含有成分のアミド結合を分解する工程を取り入れることにより、耐摩耗性の改良されたカーボンブラック等充填材含有の天然ゴムマスターバッチを得ている。
特公昭51−43851号公報 特公昭54−10576号公報 特開2004−99625公報
このような状況下で、本発明は上記のような複雑な手段を用いることなく、きわめて簡単な手段により、所望のカーボン配合部数を有し、耐摩耗性の改善されたカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの収率の高い製造方法、並びにこれを用いたゴム組成物及びタイヤを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、カーボンブラックの水スラリーを塩基性である場合、そのままゴムラテックスと混合すると、カーボン粒子がゴム粒子中に取り込まれにくく、所望のカーボン配合部数を有するカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチが得られなかったのではないかと考え、カーボンブラックの水スラリーをゴムラテックスと混合する前に弱酸性側に調整してみた結果、所望のカーボン配合部数を有し、耐摩耗性の改善されたカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチが高い収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記(1)〜(10)、
(1)ゴムラテックスとカーボンブラックの水分散スラリ−を液相で混合する工程、凝固工程および乾燥工程を有するカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを製造する方法であって、ASTM D1512に準じて測定されるpHが7.0を超えるカーボンブラックの水分散スラリーのpHを7.0以下に調整後、ゴムラテックスと混合することを特徴とするカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、
(2)前記カーボンブラックの水分散スラリー中のカーボンブラックの粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつカーボンブラックの水分散スラリーから乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量は、水に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上保持するものである前記(1)に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、
(3)前記ゴムラテックスが、天然ゴムラテックスである前記(1)又は(2)に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、
(4)前記天然ゴムラテックスおよび/または前記スラリーに界面活性剤を加える上記(1)〜(3)のいずれかに記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、
(5)前記乾燥工程で機械的剪断力を付与しながら乾燥を行なう前記(1)〜(4)のいずれかに記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、
(6)機械的剪断力を連続混練機で付与する前記(5)に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、
(7)前記連続混練機が多軸混練押出機である前記(6)に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法、
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法により製造されたカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチ、
(9)前記(8)に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを用いたゴム組成物および
(10)前記(9)に記載のゴム組成物を用いたタイヤ
を提供する。
本発明によれば、カーボンブラックの水分散スラリ−を酸性側に調整した後、ゴムラテックスと混合し、ついで凝固、乾燥することにより、耐摩耗性の改善されたカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを高い収率で製造することができる。このマスターバッチを使用したゴム組成物は特にタイヤ用ゴムとして好適に使用される。
本発明におけるカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチは、pHを酸性側に調整したカーボンブラックの水分散スラリーとゴムラテックスとを混合する工程、次いで、凝固工程および乾燥工程を経由して製造される。
カーボンブラックの水分散スラリー中の濃度は、スラリー基準で通常0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。
このようなカーボンブラック濃度範囲に調整された水分散スラリーのpHはカーボンブラックの種類によって異なるが、通常、5.0〜10.0である。
本発明のポイントは、このうち、pHが7.0を超える範囲を有するカーボンブラックの水分散スラリーのpHを7.0以下に調整した後、ゴムラテックスと混合することにある。pHは、好ましくは、4.0〜7.0である。pHを7.0以下に調整することにより、凝固工程において高い収率で優れた耐摩耗性を有するカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチが得られる。本発明においては、カーボンブラックは主として中性または塩基性を示すファーネスブラックが用いられる。
pH調整のために用いられる酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等の有機酸または硫酸等の無機酸であるが、中でも有機酸である蟻酸、酢酸が好ましい。有機酸または無機酸は通常、水溶液の状態で使用される。
カーボンブラックは、カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対して、5〜100質量部になるように添加されるのが好ましく、特には10〜70質量部の範囲であることが好ましい。カーボンブラックの量を5質量部〜100質量部の範囲にコントロールすることにより、加工性が悪化するのを防止することができるからである。また、カーボンブラックは単独で用いても良く、または二種以上のものを混合して用いてもよい。
カーボンブラックの水分散スラリー中のカーボンブラックの粒度分布において、体積平均粒子径(mv)を25μm以下、90体積%粒径(D90)を30μm以下、かつカーボンブラックの水分散スラリーから乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量を、水に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上、特に95%以上に保持することが好ましい。
各特性を上記のようにコントロールすることによりゴム中のカーボンブラックの分散性が悪化することによる補強性、耐摩耗性の悪化を防止することができる。各特性を上記のようにコントロールするためには、このカーボンブラックの水分散スラリーの調製工程において、高剪断ミキサーを用いることが好ましい。
ここで、高剪断ミキサーとは、ローターとステーター部からなる高剪断ミキサーであって、高速で回転するローターと、固定されたステーターが狭いクリアランスで設置され、ローターの回転によって高い剪断速度を生み出す。
高い剪断とは、剪断速度が2000/秒以上、好ましくは4000/秒以上であることを意味する。
高剪断ミキサーは、市販品としては、例えば特殊機化工業社製ホモミクサー、独PUC社製コロイドミル、独キャビトロン社製キャビトロン、英シルバーソン社製ハイシアーミキサーなどが挙げられる。
次に、カーボンブラックの水分散スラリーとラテックスとの混合方法について述べる。混合方法としては、例えば、ホモミキサー中にカーボンブラックの水分散スラリーを入れ、攪拌しながら、ラテックスを滴下する方法や、逆にラテックスを攪拌しながら、これにカーボンブラックの水分散スラリーを滴下する方法がある。また、一定の流量割合をもったカーボンブラックの水分散スラリー流とゴムラテックス流とを、激しい攪拌条件下で混合する方法なども用いることもできる。
次に、本発明で使用するゴムラテックスについて述べる。
ゴムラテックスには、天然または合成ゴムラテックスが含まれる。
天然ゴムラテックスとしては、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱蛋白ラテックス、前記のものを組み合わせたものなど、いずれも使用することができる。
合成ゴムラテックスとしては、例えばスチレン−ブタジエン重合体ゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴムなどのラテックスが含まれる。
これらの中で、天然ゴムまたは合成ゴムラテックスが好ましく、本発明の製造方法は天然ゴムを使用する場合に特に有効である。ラテックス状態で使用する場合、水を媒体とするのが特に好ましい。
ゴムラテックス中におけるゴム成分の濃度は2〜70質量%、好ましくは5〜30質量%程度である。したがって、pH調整後のカーボンブラックの水分散スラリ−とゴムラテックスは最終的に得られるカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチ中のゴム成分100質量部に対してカーボンブラックの量が5〜100質量部になるような比率で混合される。
凝固工程は通常行われているように、蟻酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩の凝固剤を用いて行われる。
本発明においては、凝固剤を添加せず、ゴムラテックスとカーボンブラックの水分散スラリーとを水流による撹拌で混合することによって、凝固がなされてもよい。
本発明におけるカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチには、所望に応じて、カーボンブラック以外に、界面活性剤、加硫剤、老化防止剤、着色剤、分散剤等の薬品など種々の添加剤を加えることができる。界面活性剤や分散剤を添加するとゴム中のカーボンブラックの分散状態が改善される。
特に、界面活性剤はゴムラテックスおよび/またはカーボンブラックの水分散スラリ−の段階で加えるとゴム中のカーボンブラックの分散状態が改善されるので好ましい。
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等が使用でき、特に、非イオン界面剤、陰イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンエーテル系、ポリオキシアルキレンエステル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、糖脂肪酸エステル系、及びアルキルポリグリコシド系などが好適である。陰イオン性界面活性剤としては、例えばカルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系、及びリン酸エステル系などが好適である。
本発明におけるカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチは、凝固工程の後に乾燥工程を経由して製造される。
乾燥工程においては、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー等の通常の乾燥機を用いることができるが、さらにカーボンブラックの分散性を向上させるためには、混練機を用いて機械的剪断力を付与しながら乾燥を行なうことが好ましい。機械的剪断力を付与することにより、加工性、補強性、低燃費性に優れたゴムを得ることができる。混練機としては、工業規模で製造する場合は生産性の観点から、連続混練機を用いることが好まく、同方向回転、あるいは異方向回転の2軸混練押出機のような多軸混練押出機を用いることがより好ましい。
また、上記のように機械的剪断力を付与しながら行う乾燥工程においては、湿潤状態のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチ中の水分は10%以上であることが好ましい。この水分が10%以上に保持されることにより、乾燥工程でのカーボンブラックの分散状態の改良幅を広く確保することができる。
本発明のゴム組成物は、上記の方法で得られたカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチに他の成分を配合することにより得られる。本発明のゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、ステアリン酸等の通常ゴム業界で用いられる各種薬品を添加することができる。
また、他のゴム成分を配合することができる。上記カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチに配合される他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物などが挙げられる。本発明のゴム組成物全体のゴム成分中カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチに由来するゴム成分が30質量%以上になるように配合することが好ましい。
本発明のゴム組成物は、タイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業用品等の用途にも用いることができる。特にタイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばトレッドゴム、サイドゴム、プライコーティングゴム、ビードフイラーゴム、ベルトコーティングゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
各実施例、比較例における各特性の測定は下記により行なった。
(1)スラリー中の充填材の粒度分布測定(体積平均粒子径(mv)、90体積%粒径(D90))
レーザー回折型粒度分布計(MICROTRAC FRA型)を使用し、水溶媒(屈折率1.33)を用いて測定した。粒子屈折率(Particle refractive index)は全ての測定において1.57を用いた。また、カーボンブラックの再凝集を防ぐため、分散後直ちに測定を行った。
(2)カーボンブラックの24M4DBP吸油量
ISO 6894に準拠して測定した。
(3)収率
下記の式で計算した。
MB×[CB/(100+CB)]×100/FCB
MB:作製したカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの質量
CB:カーボンブラック部数
FCB:仕込んだカーボンブラックの部数
(4)カーボンブラックの部数
カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを1mm角にカットした後、80℃で5分間熱分解させて残った成分を秤量し、下記式で計算した。
[RW/(TW−RW)]×100
RW:残渣質量
TW:全質量
(5)ランボーン耐摩耗性試験
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率40%で摩耗量を測定し、その逆数を、比較例1のマスターバッチを100とする指数でインデックス表示した。値が大きいほど質量減少が少なく耐摩耗性は良好であることを示す。
<カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造>
[実施例1]
水中にカーボンブラック(窒素表面積:130m2/g、24M4DBP吸油量:115ml/100g、ASTM D1512に準じて測定されたpH:8.6)を5質量%の割合になるように添加し、シルバーソン社製ハイシアーミキサーにて微分散させてカーボンブラックの水分散スラリーを作製した。ここで得られたスラリー中のカーボンブラックの粒度分布は中心粒径mv=13.1μm、D90(90%粒径)=18.3μmで、スラリーのpHは8.8で、24M4DBP吸油量は111で、保持率は97%であった。
次に、pH8.8の上記スラリーにギ酸を添加してpHを6.5に調整した。
上記のように調整したカーボンブラックの水分散スラリーと濃度10質量%の天然ゴムラテックスの等量を撹拌しながら混合してギ酸でpHを4.5に調整してカーボンブラックを含むゴム成分として凝固させた。
次いで、凝固物を分離して水洗後、神戸製鋼所製の2軸混練押出機KT30X(同方向回転スクリュー径:30mm、L/D:35、ベントホール3ヶ所、バレル温度120℃、回転数100rpm)を用いて乾燥してカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを製造した。
[実施例2]
SMT社製圧力式ホモジナイザー(圧力:100MPa)を用いて水分散スラリーを作製した以外は実施例1と同様に行ない、カーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを製造した。得られた水分散スラリー中のカーボンブラックの粒度分布は中心粒径mv=2.5、D90=8.6で、24M4DBPは103、保持率は90%であった。
[比較例1]
スラリーのpH調整を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にしてカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを製造した。
[比較例2]
スラリーのpHを7.5に調整した以外は実施例1と同様にしてカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを製造した。

<ゴム組成物の製造>
上記実施例および比較例で得られた各カーボンブラック含有天然ゴムマスターバッチ(天然ゴム100質量部)に対して酸化亜鉛3質量部、硫黄1.2質量部、ステアリン酸2質量部、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)1質量部およびN−フェニル−N'−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(6C)1質量部を配合プラストミルで混練してゴム組成物を得た。得られたゴム組成物について、150℃で30分間加硫して得たゴム試験片についてランボーン耐摩耗性試験を行なった。結果を表1に示す。
表1
実施例1 比較例1 比較例2 実施例2
収率 98% 86% 93% 97%
マスターバッチ中のカーボンブラックの部数
49.1 38.5 45.2 49.4
ランボーン耐摩耗性 140 100 115 116
上記の結果より、比較例では収率が低く、理論部数に対するカーボンブラック量が少ないが、実施例ではそれらが改善されている。
ゴムへのカーボンブラックの分散性を高め、改良された耐摩耗性を有するカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチが高い収率で得られ、このマスターバッチを使用することにより、特にタイヤ等への用途に有用なゴム組成物が得られる。

Claims (10)

  1. ゴムラテックスとカーボンブラックの水分散スラリ−を液相で混合する工程、凝固工程および乾燥工程を有するカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを製造する方法であって、ASTM D1512に準じて測定されるpHが7.0を超えるカーボンブラックの水分散スラリーのpHを7.0以下に調整後、ゴムラテックスと混合することを特徴とするカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
  2. 前記カーボンブラックの水分散スラリー中のカーボンブラックの粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつカーボンブラックの水分散スラリーから乾燥回収したカーボンブラックの24M4DBP吸油量は、水に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上保持するものである請求項1記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
  3. 前記ゴムラテックスが、天然ゴムラテックスである請求項1又は2に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
  4. 前記天然ゴムラテックスおよび/または前記スラリーに界面活性剤を加える請求項1〜3のいずれかに記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
  5. 前記乾燥工程で機械的剪断力を付与しながら乾燥を行なう請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
  6. 機械的剪断力を連続混練機で付与する請求項5に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
  7. 前記連続混練機が多軸混練押出機である請求項6記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により製造されたカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチ。
  9. 請求項8に記載のカーボンブラック含有ゴムウェットマスターバッチを用いたゴム組成物。
  10. 請求項9に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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