JP6104229B2 - 餅麹の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、餅麹の製造方法に関する。詳しくは、無蒸煮の穀類を成形し、カビや酵母等の微生物を繁殖させたものである餅麹において、青臭生成を防止する製造方法に関する。
東アジアには、穀類や穀類の精白時等で得られる糠等に、カビ等の微生物を繁殖させた「麹」と呼ばれるものを用いて発酵食品を製造することが広く行われている。
醸造における麹の機能は主に二つあり、アミラーゼ等の酵素類によって穀類中のでんぷんを糖化し、アルコール発酵を行う酵母に糖質を供給する発酵スターターとしての機能と、代謝産物を醸造した酒に供給して酒らしい香味を付与する香味原料としての機能が挙げられる。
麹は、製造方法とその形態から、「散麹(ばらこうじ)」と「餅麹(もちこうじ)」の二つに大別される。
散麹の代表は、日本の清酒や焼酎である。蒸煮した米や麦等の穀類の粒は、加熱によってタンパク質が熱変性しているため、酸性カルボキシペプチダーゼ活性が高く熱変性したタンパク質を利用することができるアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)やアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)等の麹菌が選択的に繁殖することが特徴となっている。
一方、餅麹は、中国では酒薬・曲子、韓国ではヌルック、タイではルクパン、インドネシアではラギー、ネパールではチャン、等と様々な名で呼ばれて、東アジアの広い地域で普及している。餅麹とは、無蒸煮の穀類を粗く砕いて粉状とし、水あるいは草根木皮の浸出液を加えて、煉瓦状、団子状あるいは煎餅状に成形し、カビや酵母等の微生物を繁殖させたものをいう。散麹とは異なり、加熱によるタンパク質変性がないため、酸性カルボキシペプチダーゼ活性が低いものの繁殖力が強いリゾプス(Rhizopus)属やムコール(Mucor)属等のカビが優勢となる。また、多くの場合、成形した穀類を暖所に放置して、微生物を自然に繁殖させるため、前記のカビだけでなく、原料や自然環境に由来する種々の菌が繁殖する。
そのため、散麹とは比較にならないほど多様な微生物からなる菌相を有することになり、餅麹を原料とする酒は、それらの微生物が生成する代謝産物及びその化合物によって、複雑で深みのある個性的な香味を持つこととなる。すなわち、餅麹は、糖化スターターとしての機能に比べて、酒の個性を決定づける香味原料としての機能が極めて重要となっている。
このように、餅麹を原料として使用する酒は、個性的で複雑な香味を持つことが特徴となっているが、日本の専門家の一部には青っぽいにおい(以下「青臭」ともいう)が感じられると指摘するものもいる。青臭は、日本人にとってカビを連想させる場合があり、僅かであっても忌避される傾向がある。そのため、日本において、餅麹を使用した酒の受容性を高めるために、青臭を低減した餅麹の製造技術を開発することが、非常に重要であると考えられる。
アルコールと栄養−お酒とうまく付き合うために(光生館)糸川嘉則・安本教傅・栗山欣弥 責任編集 麹学(日本醸造協会)村上英也 編著
本発明は、上記のような事情に鑑み、餅麹を原料とする酒本来の複雑で深みのある香味を有しながら、青臭が認められない餅麹及び餅麹を原料とする酒、並びにその製造方法を提供することを課題とする。本発明者らは、鋭意検討を行った結果、餅麹の青臭の主要な原因物質の一つがジオスミン(geosmin)であること、ジオスミンが餅麹中の放線菌によって生成されることを見出した。更に、熟成期間中の餅麹成形物のpHを特定の範囲となるよう調整すること、及び/又は保管温度を特定の範囲となるよう調整すること、によって、餅麹本来の多様な微生物菌相を維持しつつ放線菌の増殖を抑制し、餅麹の個性的で複雑な香味を損なうことなく青臭を低減できることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明は、次のような餅麹の製造方法、及びそのような餅麹を添加して製造した酒類を提供する。
すなわち、本発明は、(1)無蒸煮の穀類の破砕物又は粉状物と、水又は植物性水抽出物とから成形物を形成し;
(2)前記成形物において微生物を繁殖させることにより熟成を行う;
工程を含んで成る餅麹の製造方法において、
前記成形物のpHを、熟成期間中に2.0〜5.5の範囲を維持することを特徴とする、餅麹の製造方法、
を提供する。
上記の方法において、好ましくは、前記成形物に有機酸を含ませることによってpH調整を行う。当該有機酸として乳酸を用いることができ、前記成形物に乳酸菌を増殖させて乳酸発酵により生成させることができる。
本発明はまた、
(1)無蒸煮の穀類の破砕物又は粉状物と、水又は植物性水抽出物とから成形物を形成し;
(2)前記成形物において微生物を繁殖させることにより熟成を行う;
工程を含んで成る餅麹の製造方法において、
前記成形物のpHが、熟成期間中に常に5.5を超え、かつ10〜25℃の温度で熟成させることを特徴とする、餅麹の製造方法、
を提供する。
本発明はまた、上記の製造方法によって得られる、ジオスミン含有量が餅麹1kgあたり7μg以下である餅麹を提供する。
本発明はまた、上記の餅麹を使用して製造される酒類に関する。
本発明により、餅麹の青臭の原因となる香気成分を生成する、放線菌の増殖を抑制しつつ、餅麹本来の多様な微生物菌相を維持することができる。従って、餅麹本来の複雑な香味を有しながらも青臭の低減した餅麹が製造でき、日本人に受け入れられやすい高品質な酒類を提供することができる。
餅麹
本発明でいう餅麹とは、無蒸煮の穀類を粗く砕いて粉状とし、水又は植物性水抽出物を加えて、煉瓦状、団子状あるいは煎餅状等の形状に成形して成形物となし、カビや酵母等の微生物を繁殖させたものをいう。植物性抽出物として草根木皮を水で抽出した浸出液を用いることができる。
無蒸煮とは、原料の穀類を蒸気によって加熱しないことをいう。
穀類とは、醸造において通常用いられるものであればいかなる原料でもよく、具体的には米、小麦、粟、稗、黍、高粱等の穀類、又は穀類を精白する際に得られる糠等が挙げられる。
成形物に微生物を繁殖させるには、特定の微生物を成形物に接種してもよいし、成形物を適当な場所に放置して、微生物を自然に繁殖させてもよい。
成形後の成形物を、微生物の接種ないしは適当な場所に放置して、微生物を繁殖させて餅麹を完成させるまでの期間を、本明細書では熟成期間という。
本発明の目的は、熟成期間中の成形物の(1)pHと(2)保管温度の少なくとも一方の条件を、適切に管理することによって達せられる。
本条件について詳述する。
ア.熟成期間中の成形物のpHを2.0〜5.5の範囲に維持するようにpH調整する場合
本発明は、熟成期間中の成形物のpHを2.0〜5.5の範囲に維持するようpH調整する場合は、第二の条件:熟成期間中の成形物の保管温度、に限定されることなく、青臭が抑制された餅麹を製造することができる。成形物を前記のpH範囲に維持するためのpH調整の方法としては、予備実験によって熟成期間中のpH変化を予測し、あらかじめ熟成開始時の成形物を所定pHに調整する方法、及び/又は熟成期間中の餅麹のpHを適宜測定し、前記pH範囲に調整する方法、の二つの方法が挙げられ、これら二つの方法を必要に応じて実施することによって熟成期間中の成形物のpHを特定範囲に維持することができる。
成形物のpHを測定するには、成形物全体の数箇所を適当量採取し、水で希釈してその抽出液のpHを測定する。測定試料の採取箇所としては、少なくとも成形物の中央1箇所と外周部2箇所を含むように採取する。採取した餅麹20gを粒径10mm程度に粉砕し、純水100mlを加え、室温にて時々ふりまぜながら3時間浸出し、浸出液を濾紙で濾過してその濾液10mlを取りpH測定に供する。
pHの測定方法としては公知の方法を用いることができ、例えば、JIS Z 8802 pH測定方法に従って、pHメーター(JIS Z 8805 pH測定用ガラス電極)を用いて測定する。
放線菌の増殖抑制という目的は、成形物が前記pH範囲(2.0〜5.5)に維持されるようpH調整することによって達せられるが、良好な餅麹の製造に必要であるカビ等の微生物を増殖させるという観点からは、好ましくは3.0〜5.0、更に好ましくは4.0〜5.0に維持されるようpH調整することが望ましい。
多くの場合、成形物のpHは前記のpH範囲より高いため、pHを下げることによってpH調整を行う。pHを下げる手段は、特に限定されず、公知の手段を用いることができる。具体的な手段のひとつとして、成形物に有機酸を含む液を含ませることが挙げられる。有機酸は、食品に添加することができる有機酸であれば何ら限定されずに用いることができる。具体的には、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を挙げることができる。これらの有機酸は、食品添加物として通常市販されているものを用いてもよいし、有機酸を含む食品原料の汁液又は浸出液等を用いてもよい。また、有機酸発酵あるいは有機酸を生成する微生物の培養液を用いることもできる。
例えば、乳酸菌を培養し、乳酸菌が分泌する乳酸を利用してもよい。乳酸菌を成形物に接種して成形物中で増殖させ、分泌される乳酸によってpHを調整することもできるし、成形物とは別の培地に接種して増殖させ、分泌される乳酸を成形物に含ませてpHを調整することもできる。ここで用いる乳酸菌の属種、接種量、培養条件等は、pH調整の目的が達せられるよう適宜設定することができる。
イ.熟成期間中の成形物のpHが常に5.5を超え、かつpH調整を行わない場合
熟成期間中の成形物のpHが常に5.5を超え、かつpH調整を行わない場合は、成形物の保管温度を10〜25℃に管理することによって、青臭が抑制された餅麹を製造することができる。ここでいう温度とは、熟成期間中に成形物が置かれている環境の雰囲気の温度をいう。10℃を下回ると、カビ等の有用な微生物の増殖速度も低下し、生産性に悪影響を及ぼすため好ましくない。25℃を超えると、放線菌が増殖するリスクが高まるため好ましくない。
成形物の熟成期間の終点は特に限定されず、目的とする品質に達したと判断され、かつ放線菌による青臭が認められない範囲で決めることができる。放線菌による青臭が認められないとは、訓練された複数のパネリストによって成形物を官能評価し、青臭が認められないとの結論に至った場合をいうが、青臭の原因物質のひとつであるジオスミン含有量として定義することもできる。餅麹1kgあたりのジオスミン含有量が、7μg以下のとき、本発明の餅麹を使用して製造された酒から青臭が認められないため好ましく、5μg以下のとき、青臭がより低減するためより好ましく、3μg以下のとき、更に青臭が低減するため更に好ましい。餅麹のジオスミン含有量は、次のようにして測定する。
<餅麹の前処理方法>
まず、試料の餅麹を、香気成分の飛散を防止するため、ビニール袋などに密封した状態で粉砕して均一な粉とする。次にこの粉砕餅麹10gを計り取り、イオン交換水50gを加えて水蒸気蒸留し、その留液200 mlを採取する。この留液について、次の条件にてガスクロマトグラフィ(GC)分析を行う。
<GC分析条件>
装置:Gerstel TDS3-Agilent 689ON GC/5975 MS
カラム:HP-INNOWAX 30m, 0.25mm, 0.50μm
検出器:MSD
TDS3温度:20℃にて1.0分間保持した後、60℃/minにて昇温し、250℃にて10分間保持する。
CIS温度:−120℃にて0.01分間保持した後、12℃/sにて昇温し、250℃にて10分間保持する。
トランスファーライン:250℃
脱着流量:50ml/min(ヘリウム)
注入モード:ソルベントベント(パージ時間2.0分間)
オーブン:40℃にて5分間保持した後、10℃/minにて昇温し、250℃にて15分間保持する。
カラム流量:定流量1.0 ml/min
イオン源温度:230℃
測定モード:SIM
測定フラグメントイオン:M/Z=112
検量線:標準添加法(2点)
<餅麹1kgあたりのジオスミン濃度x(μg/kg−餅麹)算出計算>
<餅麹の前処理方法>にて得られた留液の分析値y(μg/kg−餅麹)とすると、試料餅麹中のジオスミン濃度x(μg/kg−餅麹)は以下の式によって求めることができる。
x=y×0.2×1000/10=20y
熟成期間を経た餅麹はそのまま醸造原料に用いることもできるし、利便性のために適当な大きさに粉砕して用いることもできる。
餅麹を利用した酒類
本発明の餅麹は、酒の原料として醸造に供することができる。目的とする酒の種類は何ら限定されない。餅麹として青臭の生成が十分抑制されているので、醸造の結果得られた酒にも青臭が認められず、日本人の嗜好に合致した品質となる。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
植菌液の調製
韓国の餅麹の一種であるヌルック(Nuruk)より単離した菌株の中から、青臭の原因菌として放線菌(ストレプトマイセス(Streptomyces)属及びサッカロポリスポラ(Saccharopolyspora)属)を、そして醸造における糖化と香味付与に寄与する微生物として、カビ(ムコール(Mucor)属及びリゾムコール(Rhizomucor)属)を供した。放線菌はYS寒天培地(酵母エキス0.2%、可溶性デンプン1%、寒天1.5%、pH7.0)を用いて35℃で、そしてカビはポテトデキストロース寒天培地(日水製薬社製)を用いて28℃でそれぞれ培養した。検出されたコロニーを白金耳にて採取して生理食塩水に懸濁し、植菌液とした。
培地の調製
培地として、放線菌にはYS寒天培地(酵母エキス0.2%、可溶性デンプン1%、寒天1.5%)を、カビにはポテトデキストロース寒天培地(日水製薬社製)を使用した。オートクレーブによる殺菌後、寒天が固まらない程度に培地を温めながら、塩酸を添加することで培地のpHを調整し、8水準(pH 2.0〜7.0)の培地を作製した。
増殖試験
作製した植菌液を白金耳で培地上に画線し、それぞれ7水準(10〜35 ℃)の培養温度で恒温器にて14日間培養した。
評価
培養開始後1日ごとに、放線菌のコロニー形成及び青臭の生成、並びにカビのコロニー形成を確認し、それぞれの培養開始日からの日数をA及びBとした。餅麹で検出されるカビは極めて早く生育し、放線菌の生育速度より早いため、常にA>Bであるが、培地pHと培養温度条件によってA−Bの値は変動した。A−Bの値が大きいほど、すなわちカビの生育が早く、放線菌の生育が遅いほど、餅麹における糖化力の向上と複雑な香味の形成が早く、青臭生成が遅いと考えられ、A−Bの値が小さいほど、すなわちカビの生育が遅く、放線菌の生育が早いほど、餅麹における糖化力の向上と複雑な香味の形成が遅く、青臭生成が早いと考えられる。
つまり、A−Bの値が大きいほど、餅麹の熟成期間中の青臭生成が抑えられ、一方、A−Bの値が小さいほど、餅麹の熟成完了前に青臭が多く発生されてしまうものと考えられる。以上から、A−Bの値が大きいことが、青臭が抑制され、香味品質の良好な餅麹の製造に有利な条件と考えられるため、A−Bの値から各条件の有効性を4段階で評価した。A−Bの値が、10以上のとき+++、4〜9のとき++、2又は3のとき+、そして1のとき−、とした。
Figure 0006104229
結果
B値に関しては、30℃培養、pH 4.0〜7.0の範囲では常に1であり、pHに対する感受性が低いことが示唆された。また、28℃以上の培養温度では1であるが、25℃以下では2となり、温度に対する感受性も低いと考えられるものの、25℃以下でやや増殖性が低下することが示唆された。
一方、A値に関しては、30℃培養、pH 6.0〜7.0の範囲で2であるが、pH 5.5で3、pH 5.0で6、pH 4.5で14となり、pH 4.0では14日間の培養期間中にはコロニーも青臭も認められなかった。従って、pHに対する感受性が非常に高いことが示唆された。また、28℃以上の培養温度では2であるが、25℃では4、20℃では11となり、温度に対する感受性も高く、25℃以下、特に20℃以下で増殖性が低下することが示された。
以上から、餅麹の成形物をpH 5.5以下に調整することによって培養温度と関係なく青臭が認められない良好な品質の餅麹が製造でき、好ましい。また、pH 5.0以下に調整すると放線菌がより生育しにくくなるためより好ましく、pH 4.5以下に調整すると更に放線菌が生育しにくくなるため、更に好ましい。pH 5.5を超える場合であっても、培養温度を25℃以下に管理することによって、放線菌の生育速度をカビの生育速度より十分低く抑えることができるため青臭が認められない良好な品質の餅麹を製造することができ、好ましい。

Claims (1)

  1. (1)無蒸煮の穀類の破砕物又は粉状物と、水又は植物性水抽出物とから成形物を形成し;
    (2)前記成形物において、放線菌の繁殖を抑制しながら、リゾプス(Rhizopus)属及び/又はムコール(Mucor)属の微生物を優勢に繁殖させることにより熟成を行う;
    工程を含んで成る餅麹の製造方法において、
    前記成形物のpHが、熟成期間中に常に5.5を超え、かつ10〜25℃の温度で熟成させることを特徴とする、餅麹の製造方法。
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