JP6968465B1 - 冷蔵処理黄麹菌胞子の活性化方法 - Google Patents

冷蔵処理黄麹菌胞子の活性化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷蔵処理により休止、休眠またはそれに近い状態にある発芽力が低下した黄麹菌胞子を活性化する方法を提供する。【解決手段】冷蔵処理黄麹菌胞子を、含水率50%以下の状態で30〜45℃の条件で加温する工程を有する、黄麹菌胞子の活性化方法を開示する。また、活性化黄麹菌胞子の保管方法、醸造食品製造用麹の製造方法、さらに醤油または味噌などの醸造食品の製造方法を開示する。【選択図】なし

Description

本発明は、冷蔵保管など冷蔵処理された黄麹菌胞子を活性化する方法に関する。より詳細には、冷蔵処理することで発芽力が低下した黄麹菌胞子を活性化することで、黄麹菌胞子の発芽を促進する方法に関する。また、本発明は、活性化黄麹菌胞子の調製方法、活性化黄麹菌胞子の保管方法、醸造食品製造用麹の製造方法、及び醸造食品の製造方法に関する。
従来、醤油や味噌などの醸造食品の製造に用いられる麹(醸造食品製造用麹)は、蒸煮した炭化水素原料又は/及びタンパク質原料に、種麹を接種して製造(製麹)される。当該種麹としては、通常、麹菌胞子そのものが用いられるか、麹菌胞子と培養基質との混合物を乾燥したものが用いられる。こうした麹菌胞子は、生理学的に休止、休眠またはそれに近い状態にあるため、製麹において胞子が発芽するまでに相当の時間を要し、それまでの間に一般菌が繁殖して麹が汚染されてしまうという問題があった(例えば、特許文献1及び2参照)。
このため、発芽までの期間を短縮することで麹の汚染を防止するために、麹菌胞子の発芽を促進するための方法がいくつか提案されている。例えば、糸状菌胞子をエチレンガスの存在下で少なくとも1時間保持する方法(特許文献1)、培養基から分離した麹菌胞子を大豆蒸煮液中で振盪培養する方法(非特許文献1)、含水率を20〜60%に調製した種麹を培養することで発芽を促進する方法(特許文献2)、休眠状態にある糸状菌胞子を70〜80℃の温度範囲に5〜60分間保持することで糸状菌胞子を活性化する方法(特許文献3)等が知られている。
特開昭48−48680号公報 特開2005−210903号公報 特開2000−236871号公報
埼玉県工業技術絵センター研究報告第4巻(2002年) 今野宏、Foods & Food Ingredients J. Jpn., Vol.221, No.1, 2016, pp.42-50
本発明は、冷蔵保管など冷蔵処理された黄麹菌胞子を活性化する方法を提供することを課題とする。より好ましくは、冷蔵処理することで発芽力が低下した黄麹菌胞子を活性化することで、黄麹菌胞子の発芽を促進する方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、活性化黄麹菌胞子の調製方法、醸造食品製造用麹の製造方法、及び醸造食品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、黄麹菌胞子を醸造食品製造用麹の種麹として使用するために種々の検討をしていたところ、冷蔵保管等、冷蔵処理した黄麹菌胞子は、冷蔵処理していない黄麹菌胞子と比較して著しく発芽力が低下し、発芽までに時間を要するという課題があることを知見した。この課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、冷蔵処理黄麹菌胞子を一旦加温処理することで、発芽力を活性化して発芽を促進することができることを見出した。また、一旦加温処理すれば、その後に再度冷蔵保管しても、一旦活性化された発芽力が維持されていることを確認した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を有するものである:
(I)黄麹菌胞子の活性化方法
(I−1)冷蔵処理黄麹菌胞子を、含水率50%以下の状態で30〜45℃の条件で加温する工程を有する、黄麹菌胞子の活性化方法。
(I−2)前記加温時間が少なくとも1時間である、(I−1)に記載する活性化方法。
(I−3)前記黄麹菌胞子の活性化が、冷蔵処理により低下した黄麹菌胞子の発芽力の回復である、(I−1)または(I−2)に記載する活性化方法。
(I−4)前記黄麹菌胞子の活性化が、再冷蔵処理による発芽力低下の抑制である、(I−1)または(I−2)に記載する活性化方法。
(II)活性化黄麹菌胞子の調製方法
(II−1)冷蔵処理黄麹菌胞子を、含水率50%以下の状態で30〜45℃の条件で加温する工程を有する、活性化黄麹菌胞子の調製方法。
(III)活性化黄麹菌胞子の保管方法
(III−1)(I−1)〜(I−4)のいずれか方法で活性化された黄麹菌胞子、または(II−1)の方法で調製された活性化黄麹菌胞子を冷蔵保存することを特徴とする、活性化黄麹菌胞子の保管方法。
(IV)醸造食品製造用麹の製造方法
(IV−1)下記の工程を有する、醸造食品製造用麹の製造方法:
(I−1)〜(I−4)のいずれかの方法で活性化された黄麹菌胞子、(II−1)の方法で調製された活性化黄麹菌胞子、または(III−1)の方法で冷蔵保管された活性化黄麹菌胞子を、種麹として炭水化物原料及び/又はタンパク質原料に接種して培養する工程。
(IV−2)前記醸造食品が醤油または味噌である、(IV−1)に記載する製造方法。
(V)醸造食品の製造方法
(V−1)(IV−1)または(IV−2)に記載する製造方法で得られた醸造食品製造用麹を麹原料として用いる醸造食品を製造する、醸造食品の製造方法。
本発明の黄麹菌胞子の活性化方法によれば、冷蔵処理により低下した黄麹菌胞子の発芽力を簡便な方法で回復することできる。本発明により活性化された冷蔵処理黄麹菌胞子は、短時間で発芽するため、これを製麹に使用することで製麹に要する時間を短縮することができる。
また本発明の方法で、黄麹菌胞子を一旦活性化すると、その後の冷蔵処理によっても胞子の発芽力は損なわれないため、発芽力を維持した状態で冷蔵保管する方法としても有用である。
実験例1の結果を示す。(A)及び(B)は、それぞれ、左から、培養調製直後(出麹直後)の黄麹菌胞子の発芽率(%)、並びに所定期間冷蔵保管(1日目、1週間目、2週間目、3週間目、1ヶ月目、2ヶ月目、3ヶ月目)した黄麹菌胞子の発芽率(%)及びトレハロース含量(mg/g乾燥胞子)を示す。 実験例2の結果を示す。(A)及び(B)は、それぞれ、4℃で1ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子(加温処理なし)の発芽率(%)、並びにこれを所定温度(30℃、37℃、45℃、55℃)で1時間加温処理した冷蔵処理黄麹菌胞子の発芽率(%)及びトレハロース含量(mg/g乾燥胞子)を示す。 実験例3の結果を示す。(A)は、1ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子、(B)は、2ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子、または(C)は3ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子を、それぞれ37℃で3〜48時間加温処理したものの発芽率(%)を示す。なお、図(A)〜(C)において、「0 h(4℃保管)」の結果は、加温処理なしの冷蔵黄麹菌胞子の発芽率(%)を示す。 実験例3の結果を示す。(D)は、1ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子、(E)は、2ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子、または(F)は3ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子を、それぞれ37℃で3〜48時間加温処理したもののトレハロース含量(mg/g乾燥胞子)を示す。なお、図(D)〜(F)において、「0 h(4℃保管)」の結果は、加温処理なしの冷蔵黄麹菌胞子のトレハロース含量(mg/g乾燥胞子)を示す。 実験例4の結果を示す。(A)は4℃で1ヶ月間冷蔵処理した黄麹菌胞子(冷蔵保管)の発芽率(%)、4℃冷蔵処理後、37℃で加温処理した黄麹菌胞子(加温直後)の発芽率(%)、並びに加温処理後、再度4℃で1週間、2週間、3週間、及び1ヶ月間冷蔵保管した黄麹菌胞子の発芽率(%)を測定した結果を示す。(B)は、上記(A)に対応する黄麹菌胞子のトレハロース含量(mg/g乾燥胞子)を示す。 実験例4の結果を示す。(C)〜(E)は、上記図4−1(A)に対応する黄麹菌胞子のマンニトール含量、エリスリトール含量、及びグリセロール含量(いずれもmg/g乾燥胞子)を示す。
(I)黄麹菌胞子の活性化方法
本発明は、冷蔵処理された黄麹菌の胞子(これを、本発明では「冷蔵処理黄麹菌胞子」と称する)を活性化して、低下した発芽力を回復する方法である。
当該方法は、冷蔵処理黄麹菌胞子を、含水率50%以下の状態で30〜45℃の温度条件で加温することで実施することができる。
本発明が対象とする黄麹菌は、食品(例えば、味噌、醤油、清酒、焼酎、味醂、食酢、発酵調味料、麹漬け食品など)に使用される麹菌であり、Aspergillus(アスペルギルス)属に属する微生物を挙げることができる。黄麹菌(種麹)として使用されるAspergillus属に属する微生物として、具体的にはAspergillus oryzae(アスペルギルス オリゼー)、Aspergillus sojae(アスペルギルス ソーヤ)、及びAspergillus tamari(アスペルギルス タマリ)を挙げることができる。好ましくはAspergillus oryzae(アスペルギルス オリゼー)及びAspergillus sojae(アスペルギルス ソーヤ)であり、より好ましくはAspergillus oryzae(アスペルギルス オリゼー)である。
本発明が対象とする黄麹菌胞子は、前記黄麹菌の分生胞子であり、冷蔵処理されたものである。本発明の方法は、冷蔵処理黄麹菌胞子を前記条件下で加温する工程を有するものであればよく、その限りにおいて、加温処理に供する材料(被験物)は特に制限されない。当該材料は、具体的には、冷蔵処理黄麹菌胞子のみからなるものであっても、また当該胞子に加えて菌糸を含むものであっても、さらに培養基(培養栄養分)を含むものであってもよい。好ましくは、麹の種菌として使用される「種麹」と称されるものである。当該種麹は、穀物の粉砕物などを培養基として黄麹菌を培養することで、胞子が十分に形成及び着生した状態にあるものである。
種麹は、定法に従って調製することができる。制限されないが、例えば、種麹の一般的な製造方法は、非特許文献2の「2.種麹の製法」欄に記載されている。また、味噌や醤油、清酒や焼酎などの各社醸造会社が所有する種麹や、都道府県の公設試験研究機関が所有する種麹を使用することもできる。
種麹は、胞子に加えて菌糸や培養基を含有するものであってもよいが、乾燥した種麹(菌糸や培養基を含む)を、例えば、80メッシュと150メッシュ位の2段階の振盪篩いに掛けて培養基及び菌糸を除去することで、胞子のみを回収することもできる。
本発明で、使用する種麹は、4℃以下で冷蔵保管されてなるものである(冷蔵処理黄麹菌胞子)。冷蔵保管期間は、胞子が発芽可能な状態で生存している期間であればよく、特に制限されない。好ましくは6カ月以内、より好ましくは3カ月以内、より好ましくは2カ月以内、特に好ましくは1カ月以内を例示することができる。
また、胞子の生存率を長期間高く維持するために、種麹は、含水率が15%以下、好ましくは10%以下になるように、乾燥処理されたものであることが好ましい。なお、含水率は、105℃で20時間乾燥処理することで蒸散(消失)した水分の割合(%)として求めることができ、乾燥処理前後の質量から算出することができる。
本発明の方法は、前述する冷蔵処理黄麹菌胞子を所定条件下で加温することを特徴とする。具体的には、加温は、前記冷蔵処理黄麹菌胞子を、その含水率が50%を超えないように、30〜45℃の温度条件下に晒すことで実施することができる。当該加温処理は、制限されないものの、冷蔵処理黄麹菌胞子を収容した容器を、例えば恒温槽または恒湿恒温槽等に入れて、上記条件で加温する方法を例示することができる。
加温温度は、30〜45℃の範囲であればよいが、好ましくは30〜40℃、より好ましくは35〜40℃である。加温時間は、本発明の活性化効果を奏する限り、制限されないものの30分以上、好ましくは1時間以上である。上限時間は、制限されない。但し、24時間以上加温しても、それ以上の効果は得られないことから、経済的観点からいえば、24時間である。
後述する実験例に示すように、本発明の方法によれば、冷蔵処理黄麹菌胞子が活性化されて、冷蔵保管(冷蔵処理)により低下した黄麹菌胞子の発芽力を回復することが可能になる。このため、本発明の黄麹菌胞子の活性化方法は、冷蔵処理黄麹菌胞子の発芽力を回復する方法であるともいえる。また本発明によれば、発芽力が低下した冷蔵処理黄麹菌胞子を原料として、発芽力が活性化された黄麹菌胞子を調製する方法を提供することができる。当該発芽力が活性化された黄麹菌胞子を用いて製麹を行うことで、冷蔵処理黄麹菌胞子を用いながらも速やかに発芽させることができるため、製麹時間を短縮することができる。
なお、実験例で示すように、黄麹菌胞子の発芽率と当該胞子に含まれるトレハロースとの間には正の相関関係が認められる。このため、本発明の黄麹菌胞子の活性化方法は、黄麹菌胞子のトレハロース含量を増加させる方法ということもできる。また、冷蔵処理により低下した胞子中のトレハロース含量を回復する方法ということもできる。トレハロース含量を回復することで、冷蔵処理により低下した黄麹菌胞子の発芽力を回復促進させることができ、製麹に有効に使用することが可能になる。
さらに、後述する実験例4に示すように、本発明の方法により一旦加温処理した冷蔵処理黄麹菌胞子は、再び冷蔵保管しても、その発芽率は殆ど低下せず、長期間にわたって維持されている。つまり、本発明の方法によれば、冷蔵処理黄麹菌胞子に対して、加温処理後に再び冷蔵蔵処理することによる発芽力低下に耐性を付与し、発芽力低下を抑制することが可能である。このため、本発明の方法によって一旦活性化された黄麹菌胞子は、その後の冷蔵保管に適しており、製麹に有効に使用することが可能になる。なお、冷蔵保管は、4℃以下の低温条件下で、含水率が15%以下、好ましくは10%以下になるように、乾燥状態で保管されることが好ましい。その期間は、制限されないものの、1日〜1年、好ましくは6カ月以内、より好ましくは3カ月以内を例示することができる。
(II)醸造食品製造用麹の製造方法(製麹方法)
本発明が提供する製麹方法は、前述する方法で活性化された黄麹菌胞子を種麹として用いることを特徴とする。具体的には、前記方法で活性化された黄麹菌胞子(以下、「活性化黄麹菌胞子」と称する)を炭水化物原料及び/又はタンパク質原料に接種して培養する工程を有することを特徴とする。なお、ここで対象とする活性化黄麹菌胞子には、前述する方法で一旦活性化した黄麹菌胞子を、再度冷蔵保管した黄麹菌胞子も含まれる。
炭水化物原料及び/又はタンパク質原料は、製造する醸造食品の種類に応じて、公知のものから適宜選択することができる。醸造食品としては、制限されないが、醤油、味噌、清酒、焼酎、味醂、食酢、発酵調味料、及び麹漬け食品などを例示することができる。好ましくは醤油、及び味噌である。
炭水化物原料としては、制限されないものの、米類(精白米、胚芽米、玄米を含む)、麦類(大麦、小麦、ライ麦、エン麦等を含む)、豆類(大豆、インゲン豆、エンドウ豆、そら豆、小豆等を含む)、雑穀類(粟、稗、蕎麦、とうもろこし等を含む)、芋類(サツマイモやジャガイモ等を含む)、その他、糠、胚芽、及びふすまなど、通常、麹の原料として使用されるものを例示することができる。タンパク質原料としては、制限されないものの、前記米類、麦類、豆類、殺穀類及び芋類等に加えて、魚醤の原料となる各種魚介類等も使用することができる。
これらの原料は、前記活性化黄麹菌胞子の添加(植菌)に際して、予め粉砕及び含水させて加熱処理をしておくことが好ましい。含水及び加熱処理としては、制限されないものの、蒸す、茹でる、水炊きする、含水後に電磁波処理若しくは遠赤外線処理する等の湿熱処理方法を挙げることができる。当該方法には、蒸す等の湿熱処理することで炭水化物原料に含まれる澱粉をアルファ化する方法が含まれる。
前記活性化黄麹菌胞子の炭水化物原料及び/又はタンパク質原料への接種は、製造した麹を使用する醸造食品の種類に応じて、定法に従って行うことができる。接種量としては、制限されないが、例えば、10〜10個/g原料の範囲から選択調整することができる。具体的には、醸造食品が清酒である場合、10〜10個/g原料、好ましくは10〜10個/g原料の範囲から選択調整することができ、また、清酒以外の例えば醤油や味噌等醸造食品については、10〜10個/g原料、好ましくは10〜10個/g原料の範囲から選択調整することができる。
製麹は、製造した麹を使用する醸造食品の種類に応じて、定法に従って行うことができる。例えば、炭水化物原料及び/又はタンパク質原料に活性化黄麹菌胞子を接種した後、15〜45℃、好ましくは25〜40℃の温度条件で、42〜68時間(例えば42〜45時間[3日麹]、66〜68時間[4日麹])かけて培養する。湿度条件は、制限されないものの、通常90〜50%の範囲を例示することができる。
培養期間中、必要に応じて、培養物を撹拌してもよい。特に、麹菌は好気性菌であることから、撹拌(切り返し撹拌)若しくは振盪するか、または別の方法で通気を行いながら、培養することが好ましい。
培養は、麹培養の定法に従って行うことができる。例えば、古来の麹箱を用いて培養する方法、円盤型製麹機やドラム式製麹機などの製麹機械を用いる方法などを挙げることができる。
(III)醸造食品の製造方法
前記の製麹方法で得られた醸造食品製造用麹は、定法に従って、所望の醸造食品に製造に使用することができる。
つまり、本発明によれば、前記の製造方法で得られた醸造食品製造用麹を用いて醸造食品を製造する工程を有する、醸造食品の製造方法を提供することができる。対象とする醸造食品は、前述するように、制限されないものの、醤油、味噌、清酒、焼酎、味醂、食酢、発酵調味料、及び麹漬け食品などを例示することができる。好ましくは醤油、及び味噌である。
麹として、前記製麹方法で得られた醸造食品製造用麹を使用する以外は、各種の醸造食品の慣用の方法に従って製造することができる。例えば、醤油や味噌は大豆を原料として、仕込み段階で前記醸造食品製造用麹を用いることで製造することができる。酒は、米を原料として、酒母や醪仕込み段階において、前記醸造食品製造用麹を用いることで製造することができる。いずれの醸造食品を製造する場合でも、活性化黄麹菌胞子を用いることで製麹期間が短縮された麹を用いているにも関わらず、従前と同様の醸造食品を得ることができる。
以上、本明細書において、「含む」及び「含有する」の用語には、「からなる」及び「から実質的になる」という意味が含まれる。
以下、本発明の構成及び効果について、その理解を助けるために、実験例を用いて本発明を説明する。但し、本発明はこれらの実験例によって何ら制限を受けるものではない。以下の実験は、特に言及しない限り、室温(25±5℃)、及び大気圧条件下で実施した。なお、特に言及しない限り、以下に記載する「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
実験例1 冷蔵保管による黄麹菌胞子の発芽率低下とトレハロース含量
(1)処理黄麹菌胞子の調製
黄麹菌(Aspergillus oryzae、HL15株:非冷蔵処理物、含水率50%以下、ヒガシマル醤油株式会社所有)を、パン粉と小麦フスマと水とを1:1:1(質量比)の割合で混合して調製した固体培地(殺菌処理済み)に植菌し、定法に従って、30±1℃の条件で4日間培養した。
培養後、一部を培地ごと4℃に設定した冷蔵庫に入れて、菌がコンタミしないように冷蔵保管した。
(2)冷蔵処理した黄麹菌胞子の発芽率の測定
前記の方法で調製した黄麹菌胞子(培養直後の未冷蔵処理黄麹菌胞子、出麹直後)、冷蔵保管から1日目、1週間目、2週間目、3週間目、1ヶ月目、2ヶ月目、及び3ヶ月目の黄麹菌胞子(冷蔵処理黄麹菌胞子)のそれぞれを、滅菌水に懸濁し、これを滅菌した固形の麹汁培地に塗布植菌した。なお、麹汁培地は、麹1kgに対して水4L加え、55℃で15時間糖化した後、濾過して得られた濾液に寒天を加えて調整した麹汁培地を、滅菌後、冷却固化させたものを使用した。
これを、30℃で4時間培養し、その時点で発芽している黄麹菌胞子の数から発芽率を求めた。具体的には、顕微鏡にて200個の黄麹菌胞子を観察し、胞子全体の数に対する発芽胞子の数の割合(百分率)を発芽率(%)とした。
結果を図1(A)に示す。
図1(A)に示すように、冷蔵保管することで黄麹菌胞子の発芽率が低下することが確認された。また発芽率の低下の程度は、保管期間が長くなるにつれて大きくなることが確認された。
(3)冷蔵処理した黄麹菌胞子のトレハロース含量
前記の方法で調製した黄麹菌胞子(培養直後の未冷蔵処理黄麹菌胞子、出麹直後)、冷蔵保管から1日目、1週間目、2週間目、3週間目、1ヶ月目、2ヶ月目、及び3ヶ月目の黄麹菌胞子(冷蔵処理黄麹菌胞子)のトレハロース含量を下記の方法で測定し、黄麹菌胞子の乾燥物1gあたりの量に換算した。
[トレハロース含量の測定方法]
・黄麹菌胞子を50mL容量の遠心管に入れ、蒸留水を加えて激しく懸濁する。
・懸濁液をろ紙を用いてろ過し、70℃で完全に乾燥する。
・乾燥した胞子を、1質量%濃度になるように蒸留水で懸濁する。
・懸濁液を沸騰浴中で15分間加熱して抽出する。これを3回繰り返す。
・得られた抽出物を合わせて、遠心分離(10,000rpm、10分間)に掛ける。
・得られた上清を蒸留水で10倍希釈し、0.45μm孔のフィルターにかける。
・ろ液を30μL容量のエッペンに取り、内部標準液として0.01%のスクロース溶液30μlを同時に加え、DRY BLOCK BATHにて乾固する。
・メトキシアミン塩酸塩(20mg/ml、ピリジン溶液)100μLを加え、30℃で90分間インキュベートする。
・インキュベート後、50μLのMSTFAを加え、37℃で30分間インキュベートしたのち、下記条件のGC/MSに供する。
[GC/MS分析条件]
カラム:SH-Rxi-5sil MS,30m×0.25mm(i.d.)、膜厚0.25μm
昇温条件:80℃(2min保持)→330℃(15℃/min)→330℃(13min保持)
注入方法:スプリット スプリット比1:3
注入量:1μl
結果を図1(B)に示す。
図1(B)に示すように、冷蔵保管により、黄麹菌胞子のトレハロース含量も減少する傾向が認められた。
実験例2 加温による冷蔵処理黄麹菌胞子の発芽率回復効果とトレハロース含量
(1)冷蔵処理黄麹菌胞子の加温処理と、その発芽率の測定
実験例1と同様にして培養調製した黄麹菌胞子を、4℃で1ヶ月間暗所に保管した冷蔵処理黄麹菌胞子を、30〜55℃の各温度条件に設定した恒湿恒温槽内で1時間加温処理した。その後、実験例1に記載するように、固体培地(滅菌固体麹汁培地)に植菌して、30℃で4時間培養し、発芽率(%)を測定した。
結果を図2(A)に示す。
図2(A)に示すように、4℃で冷蔵保管した冷蔵処理黄麹菌胞子(加温処理なし、図中、「4℃」と表記)の発芽率は61%であったのに対して、冷蔵処理黄麹菌胞子を45℃以下、好ましくは30℃〜45℃の温度条件で加温することで発芽率が回復することが確認された。一方、55℃まで加温すると、発芽率の回復は認められず、むしろ低下することが確認された。
なお、上記実験後の冷蔵処理黄麹菌胞子の含水率(105℃で24時間加熱して、その前後の質量から計算)はいずれも50%以下であった。このことから、前記の加温処理は、冷蔵処理黄麹菌胞子の含水率が50%を超えない条件であることを確認した(以下の実験例3〜4も同じ)。
(2)加温処理した冷蔵処理黄麹菌胞子のトレハロース含量の測定
上記で処理した冷蔵処理黄麹菌胞子のトレハロース含量を、実験例1と同様の方法で測定し、黄麹菌胞子の乾燥物1gあたりのトレハロース含量(mg)を求めた。結果を図2(B)に示す。
図2(B)に示すように、4℃で保管した冷蔵処理黄麹菌胞子(加温処理なし、図中、「4℃」と表記)のトレハロース含量は20.6mg/g乾燥胞子であったのに対して、これを45℃以下で加温することでトレハロース含量が増加することが確認された。一方、55℃まで加温すると、トレハロース含量の増加は認められず、むしろ低下することが確認された。
実験例3 冷蔵保管期間が異なる冷蔵処理黄麹菌胞子に対する加温による発芽率回復効果とトレハロース含量
(1)冷蔵処理黄麹菌胞子の加温処理と、その発芽率の測定
実験例1と同様にして4℃で1、2及び3ヶ月間暗所保管した冷蔵処理黄麹菌胞子を、37℃の恒湿恒温槽内で3〜48時間加温処理した。その後、実験例1に記載するように、固体培地(滅菌固体麹汁培地)に植菌して、30℃で4時間培養し、その発芽率(%)を測定した。1、2及び3ヶ月間冷蔵保管した冷蔵処理黄麹菌胞子の発芽率を、加温時間毎に測定した結果を、それぞれ図3−1(A)、(B)及び(C)に示す。
図3−1(A)〜(C)に示すように、1〜3ヶ月間冷蔵保管することで低下した冷蔵処理黄麹菌胞子(加温処理なし、図中、「0h(4℃保管)」と表記)の発芽率は、37℃で3〜48時間、加温処理することでいずれも回復することが確認された。また37℃の加温条件下では3〜24時間、特に10〜20時間の加温処理により高い回復効果が得られ、それよりも長く加温してもそれ以上の効果は認められず、むしろ徐々に発芽率の回復効果が低下する傾向が認められた。
(2)加温処理した冷蔵処理黄麹菌胞子のトレハロース含量の測定
上記で処理した各冷蔵処理黄麹菌胞子のトレハロース含量を、実験例1と同様の方法で測定し、黄麹菌胞子の乾燥物1gあたりのトレハロース含量(mg)を求めた。結果を図3−2(D)、(E)及び(F)に示す。
図3−2(D)、(E)及び(F)に示すように、4℃で冷蔵保管した冷蔵処理黄麹菌胞子(加温処理なし、図中、「0h(4℃保管)」と表記)のトレハロース含量は、加温することで増加することが確認された。
実験例4 加温処理後の冷蔵保管による発芽率及びトレハロース含量への影響
(1)冷蔵処理黄麹菌胞子の加温及び再冷蔵処理と、その発芽率の測定
実験例1と同様にして4℃で1ヶ月間暗所保管した冷蔵処理黄麹菌胞子を、37℃の恒湿恒温槽内で16時間(1晩)加温処理した。その後、再び、温度4℃に調整した恒湿恒温槽内で1週間〜1ヶ月間保管した(再冷蔵処理)。次いで、実験例1に記載するように、固体培地(滅菌固体麹汁培地)に植菌して、30℃で4時間培養し、各黄麹菌胞子の発芽率(%)を測定した。結果を図4−1(A)に示す。
図4−1(A)に示すように、冷蔵保管することで低下した冷蔵処理黄麹菌胞子(図中、「冷蔵保管」と表記)の発芽率は、加温処理することで回復し(図中、「加温直後」の結果参照)、回復した発芽率は、その後、再度冷蔵保管(1週間、2週間、3週間、1ヶ月)しても、高い状態のまま維持されることが確認された。
(2)加温処理した再冷蔵処理黄麹菌胞子の糖アルコール含量の測定
上記で加温処理した再冷蔵処理黄麹菌胞子の糖アルコール(トレハロース、マンニトール、エリスリトール、グリセロール)の含量を、実験例1と同様の方法で測定し、黄麹菌胞子の乾燥物1gあたりの糖アルコール含量(mg)を求めた。具体的には、対象の黄麹菌胞子を0.01%濃度になるように蒸留水に懸濁し、沸騰水浴で15分間の加熱処理を3回行い、糖アルコールを抽出して、含量を測定した。結果を図4―1(B)及び図4−2(C)〜(E)に示す。
図4−1(B)に示すように、再冷蔵処理黄麹菌胞子のトレハロース含量は、発芽率の回復と同様に、加温処理することで増加し(図中、「加温直後」の結果参照)、増加したトレハロース含量は、その後、再度冷蔵保管しても高い状態のまま維持されることが確認された。このように、黄麹菌胞子の発芽力とトレハロース含量との間には相関関係が認められたものの、他の糖アルコール含量との間には相関関係は認められなかった。

Claims (6)

  1. 4℃以下の温度条件下で1週間以上冷蔵保管された冷蔵処理黄麹菌胞子を、含水率50%以下の状態で30〜45℃の条件で1時間以上加温する工程を有する、黄麹菌胞子の活性化方法。
  2. 4℃以下の温度条件下で1週間以上冷蔵保管された冷蔵処理黄麹菌胞子を、含水率50%以下の状態で30〜45℃の条件で1時間以上加温する工程を有する、活性化黄麹菌胞子の調製方法。
  3. 請求項1の方法で活性化された黄麹菌胞子、または請求項2の方法で調製された活性化黄麹菌胞子を冷蔵保存することを特徴とする、活性化黄麹菌胞子の保管方法。
  4. 下記の工程を有する、醸造食品製造用麹の製造方法:
    請求項1の方法で活性化された黄麹菌胞子、請求項2の方法で調製された活性化黄麹菌胞子、または請求項3の方法で保管された活性化黄麹菌胞子を、種麹として炭水化物原料及び/又はタンパク質原料に接種して培養する工程。
  5. 前記醸造食品が醤油または味噌である、請求項4に記載する製造方法。
  6. 下記の工程を有する、醸造食品の製造方法:
    請求項1の方法で活性化された黄麹菌胞子、請求項2の方法で調製された活性化黄麹菌胞子、または請求項3の方法で保管された活性化黄麹菌胞子を、種麹として炭水化物原料及び/又はタンパク質原料に接種して培養する工程、
    前記工程で製造された醸造食品製造用麹を麹原料として用いて醸造食品を製造する工程
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