JP6102894B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6102894B2
JP6102894B2 JP2014236036A JP2014236036A JP6102894B2 JP 6102894 B2 JP6102894 B2 JP 6102894B2 JP 2014236036 A JP2014236036 A JP 2014236036A JP 2014236036 A JP2014236036 A JP 2014236036A JP 6102894 B2 JP6102894 B2 JP 6102894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
operation position
shift
automatic transmission
reverse
gear stage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014236036A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016098902A (ja
Inventor
修司 豊川
修司 豊川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2014236036A priority Critical patent/JP6102894B2/ja
Priority to US14/944,591 priority patent/US9587738B2/en
Priority to DE102015120080.5A priority patent/DE102015120080A1/de
Priority to CN201510808224.XA priority patent/CN105626853B/zh
Publication of JP2016098902A publication Critical patent/JP2016098902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6102894B2 publication Critical patent/JP6102894B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/12Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/12Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures
    • F16H2061/1224Adapting to failures or work around with other constraints, e.g. circumvention by avoiding use of failed parts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/12Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures
    • F16H2061/1232Bringing the control into a predefined state, e.g. giving priority to particular actuators or gear ratios
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/12Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures
    • F16H2061/1256Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures characterised by the parts or units where malfunctioning was assumed or detected
    • F16H2061/1284Detecting malfunction or potential malfunction, e.g. fail safe; Circumventing or fixing failures characterised by the parts or units where malfunctioning was assumed or detected the failing part is a sensor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2306/00Shifting
    • F16H2306/14Skipping gear shift

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は、摩擦係合装置及び一方向クラッチの何れかが選択的に係合されることによりギヤ段が成立させられる自動変速機の制御装置に関するものである。
シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障時に、車両走行を可能にする自動変速機の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された自動変速機の油圧制御装置がそれである。この特許文献1には、シフトポジションが検出できない場合、前進1速段を形成する制御を行い、実シフトポジションが前進レンジであれば、その前進1速段がそのまま形成されることが開示されている。又、特許文献1には、シフトポジションが検出できない場合、実シフトポジションが後進レンジであれば、前進1速段の形成に必要な前進レンジ圧がシフトレバーに連動して作動するマニュアルシフトバルブから出力されず、又、マニュアルシフトバルブから出力された後進レンジ圧を後進段を形成する為の係合装置へ供給する油圧制御回路を構成することが開示されている。
特開2007−177934号公報
ところで、上記故障時に、実操作ポジションに関係なく操作ポジションを前進走行操作ポジションと見なし、前進1速段を形成する指令を出力することに加え、例えば車速に応じてギヤ段を切り替える指令を出力することで、前進走行操作ポジション選択時に車両発進又は低車速域での走行性能に加え中高車速域での走行性能も確保することが望ましい。一方で、自動変速機の構成によっては、ワンウェイクラッチと共に係合させると駆動輪の後進方向の回転を規制する摩擦係合装置がある。そうすると、故障時且つ後進走行操作ポジション選択時の車両後進中に前進走行操作ポジションと見なされることで、ワンウェイクラッチと共に係合すると駆動輪の後進方向の回転を規制する摩擦係合装置が成立に関与する前進ギヤ段へ切り替える指令が出力されるおそれがある。この場合、後進中であれば駆動輪の回転が低下することとなる。このような問題に対して、例えば後進レンジ圧によって作動するフェールセーフ弁等のハード構成をワンウェイクラッチと共に係合すると後進時の駆動輪の回転を低下させる原因となる摩擦係合装置に対して追加し、後進走行操作ポジション選択時に当該摩擦係合装置が係合されることを防止することが考えられる。しかしながら、このようなハード構成の追加は、コストアップや配置スペース拡大の要因となるので好ましくなく、上記問題に対して、検討の余地がある。尚、上述したような課題は未公知である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、操作ポジションが検出されない故障時に操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令を出力する場合、ハード構成を追加することなく、後進走行中に駆動輪の回転が低下させられることを防止することができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1の発明の要旨とするところは、(a) 複数の摩擦係合装置及び一方向クラッチの何れかが選択的に係合されることによりギヤ比が異なる複数のギヤ段が成立させられる自動変速機において、シフト操作部材の操作ポジションが走行操作ポジションにあるときには所定のギヤ段を成立させる変速指令を出力する、自動変速機の制御装置であって、(b) 前記自動変速機は、前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障時、実際の操作ポジションが後進走行操作ポジションにあるときに発生させられる後進油圧を所定の後進ギヤ段の成立に関与する摩擦係合装置に供給する油圧制御回路を備えており、(c) 前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障が発生しているか否かを判定する操作ポジション検出故障判定部と、(d) 前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障が発生していると判定されたときには、前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときに成立させる所定の前進ギヤ段のうちで、前記一方向クラッチと共に係合すると駆動輪の後進方向の回転を規制する摩擦係合装置が成立に関与する前進ギヤ段を少なくとも除いて、前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令を出力する変速制御部とを、備えることにある。
このようにすれば、シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障時には、操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令が出力されることで、実際の操作ポジションが前進走行操作ポジションであるときは、故障時でないときと同程度の走行性能を確保することができる。又、上記故障時に実際の操作ポジションが後進走行操作ポジションであるときは、所定の後進ギヤ段が成立させられて後進走行性能を確保することができる。又、上記故障時には、所定の前進ギヤ段のうちで、前記一方向クラッチと共に係合すると駆動輪の後進方向の回転を規制する摩擦係合装置が成立に関与する前進ギヤ段への変速指令が出力されない。よって、操作ポジションが検出されない故障時に操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令を出力する場合、ハード構成を追加することなく、後進走行中に駆動輪の回転が低下させられることを防止することができる。
ここで、第2の発明は、前記第1の発明に記載の自動変速機の制御装置において、前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令は、車速に応じて前記所定の前進ギヤ段を切り替える変速指令であり、前記変速制御部は、前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障が発生していると判定されたときには、前記一方向クラッチと共に係合すると前記駆動輪の後進方向の回転を規制する前記摩擦係合装置が成立に関与する前進ギヤ段を飛ばして変速するように、前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令を出力することにある。このようにすれば、後進走行中に駆動輪の回転が低下させられることを防止することができるのはもちろんのこと、実際の操作ポジションが前進走行操作ポジションであるときは、車両発進又は低車速域での走行性能に加え中高車速域での走行性能も適切に確保することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における制御系統の要部を説明する図である。 トルクコンバータや自動変速機を説明する骨子図である。 自動変速機のギヤ段を成立させる際の摩擦係合装置及び一方向クラッチの作動の組み合わせを説明する作動図表である。 自動変速機の作動を説明する共線図である。 シフトレバーの操作ポジションの一例を示す図である。 クラッチ及びブレーキの各油圧アクチュエータの作動を制御するリニアソレノイドバルブ等に関する油圧制御回路の要部の一例を示す回路図である。 電子制御装置の変速制御において用いられる変速線図の一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち操作ポジションが検出されない故障時に操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令を出力する場合、後進走行中に駆動輪の回転が低下させられることを防止する為の制御作動を説明するフローチャートである。 後進走行中の駆動輪ロックの発生を防止することが可能なハード構成の一例であって、ハード構成を追加しない本実施例に対する比較例として示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源として機能するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間に設けられた動力伝達装置16とを備えている。動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース18(以下、ケース18という)内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20、トルクコンバータ20に連結された自動変速機22、自動変速機22の出力回転部材である出力軸24に連結されたプロペラシャフト26、そのプロペラシャフト26に連結された差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)28、その差動歯車装置28に連結された1対の車軸30等を備えている。このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、トルクコンバータ20、自動変速機22、プロペラシャフト26、差動歯車装置28、及び車軸30等を順次介して1対の駆動輪14へ伝達される。
図2は、トルクコンバータ20や自動変速機22を説明する骨子図である。尚、トルクコンバータ20や自動変速機22等は中心線(軸心RC)に対して略対称的に構成されており、図2ではその中心線の下半分が省略されている。又、図2中の軸心RCはエンジン12、トルクコンバータ20の回転軸心である。
図2において、トルクコンバータ20は、軸心RC回りに回転するように配設されており、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び自動変速機22の入力回転部材である変速機入力軸32に連結されたタービン翼車20tを備えている。ポンプ翼車20pには、自動変速機22を変速制御したり、動力伝達装置16の動力伝達経路の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ34が連結されている。
自動変速機22は、エンジン12から駆動輪14までの動力伝達経路の一部を構成し、複数の摩擦係合装置及びワンウェイクラッチ(一方向クラッチ)F1の何れかが選択的に係合されることによりギヤ比(変速比)が異なる複数のギヤ段(変速段)が成立させられる有段式の自動変速機として機能する遊星歯車式多段変速機である。例えば、公知の車両によく用いられる所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段変速機である。この自動変速機22は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置36と、ラビニヨ型に構成されているシングルピニオン型の第2遊星歯車装置38及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置40とを同軸線上(軸心RC上)に有し、変速機入力軸32の回転を変速して出力軸24から出力する。
第1遊星歯車装置36、第2遊星歯車装置38、及び第3遊星歯車装置40は、良く知られているように、サンギヤ(S1、S2、S3)、ピニオンギヤ(P1、P2、P3)を自転及び公転可能に支持するキャリヤ(CA1、CA2、CA3)、及びピニオンギヤを介してサンギヤと噛み合うリングギヤ(R1、R2、R3)によって各々3つの回転要素(回転部材)が構成されている。そして、それら各々3つの回転要素は、直接的に或いは摩擦係合装置(クラッチC1,C2,C3,C4、及びブレーキB1,B2)やワンウェイクラッチF1を介して間接的(或いは選択的)に、一部が互いに連結されたり、変速機入力軸32、ケース18、或いは出力軸24に連結されている。
上記クラッチC1,C2,C3,C4、及びブレーキB1,B2(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキB、或いは係合装置という)は、公知の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式の摩擦係合装置であって、油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される。このように構成されたクラッチC及びブレーキBは、自動変速機22に備えられた油圧制御回路50(図1、図6参照)が有するリニアソレノイドバルブSL1−SL6等からの油圧によりそれぞれのトルク容量(すなわち係合力)が変化させられて、係合と解放とが切り替えられる。
油圧制御回路50によってクラッチC及びブレーキBの係合と解放とが制御されることで、図3の係合作動表や図4の共線図に示すように、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて前進8段、後進1段の各ギヤ段が成立させられる。図3の「1st」-「8th」は前進ギヤ段としての第1速ギヤ段−第8速ギヤ段、「Rev」は後進ギヤ段、「N」は何れのギヤ段も成立させられないニュートラル状態、「P」はニュートラル状態且つ機械的に出力軸24の回転が阻止(ロック)される状態を意味しており、各ギヤ段に対応する自動変速機22のギヤ比γ(=変速機入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)は、第1遊星歯車装置36、第2遊星歯車装置38、及び第3遊星歯車装置40の各歯車比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
図3の係合作動表は、上記各ギヤ段とクラッチC及びブレーキBの各作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「◎」は例えば被駆動時のみ係合、空欄は解放をそれぞれ表している。このように、自動変速機22は、リニアソレノイドバルブSL1−SL6等からの油圧により所定の係合装置を係合することでギヤ段が択一的に成立させられる自動変速機である。但し、本実施例の自動変速機22においては、互いに一体的に連結されたキャリヤCA2及びキャリヤCA3とケース18との間に、それらキャリヤCA2及びキャリヤCA3の正回転(変速機入力軸32と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止するワンウェイクラッチF1がブレーキB2と並列に設けられている。従って、エンジン12側から駆動輪14側を回転駆動する駆動時には、ブレーキB2を係合しなくとも、ワンウェイクラッチF1の自動係合により第1速ギヤ段「1st」が成立させられる。
図1に戻り、車両10には、例えば自動変速機22の変速制御などに関連する自動変速機22の制御装置を含む電子制御装置60が備えられている。よって、図1は、電子制御装置60の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置60による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置60は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置60は、エンジン12の出力制御、自動変速機22の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン出力制御用や油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置60には、車両10が備える各種センサ(例えば各種回転速度センサ70,72,74、アクセル開度センサ76、スロットルセンサ78、シフトポジションセンサ80など)による検出信号に基づく各種実際値(例えばエンジン回転速度Ne、タービン回転速度Ntである変速機入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する出力軸回転速度Nout、アクセル開度θacc、スロットル弁開度θth、シフト操作部材としてのシフトレバー82の操作ポジション(シフトポジション又はレバーポジションともいう)Pshなど)が、それぞれ供給される。又、電子制御装置60からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、自動変速機22の変速に関する油圧制御の為の油圧制御指令信号Sp等が、それぞれ出力される。例えば、油圧制御指令信号Spとして、クラッチC、ブレーキBの各油圧アクチュエータACT1−ACT6へ供給される各油圧を調圧する各リニアソレノイドバルブSL1−SL6を駆動する為の指令信号(指令圧)が油圧制御回路50へ出力される。
図5は、シフトレバー82の操作ポジションPshの一例を示す図である。図5に示すように、シフトレバー82は、操作ポジション「P」、「R」、「N」、「D」、又は「S」へ手動操作される。操作ポジション「P」は、自動変速機22のパーキングポジション(Pポジション)を選択し、自動変速機22を動力伝達経路が遮断されたニュートラル状態(中立状態)とし且つ機械的に出力軸24の回転を阻止する為のパーキング操作ポジションPである。又、操作ポジション「R」は、自動変速機22の後進走行ポジション(Rポジション)を選択し、後進走行する為の後進走行操作ポジションRである。この後進走行操作ポジションRは、自動変速機22の後進ギヤ段を用いて後進走行を可能とする走行操作ポジションである。又、操作ポジション「N」は、自動変速機22のニュートラルポジション(Nポジション)を選択し、自動変速機22をニュートラル状態とする為のニュートラル操作ポジションNである。又、操作ポジション「D」は、自動変速機22の前進走行ポジション(Dポジション)を選択し、前進走行する為の前進走行操作ポジションDである。この前進走行操作ポジションDは、自動変速機22の変速を許容する変速範囲(Dレンジ)で第1速ギヤ段「1st」−第8速ギヤ段「8th」の総ての前進ギヤ段を用いて自動変速制御を実行して前進走行を可能とする走行操作ポジションである。又、操作ポジション「S」は、自動変速機22のDポジションにおいてギヤ段の変速範囲を制限する為のシーケンシャル操作ポジションSである。このシーケンシャル操作ポジションSは、変速可能な高車速側(ハイ側)のギヤ段が異なる複数種類の変速レンジを切り替えることにより手動変速を可能とする走行操作ポジションである。この操作ポジション「S」においては、シフトレバー82の操作毎に変速範囲をアップ側にシフトさせる為のアップシフト操作ポジション「+」、シフトレバー82の操作毎に変速範囲をダウン側にシフトさせる為のダウンシフト操作ポジション「−」が備えられている。
図6は、クラッチC及びブレーキBの各油圧アクチュエータACT1−ACT6の作動を制御するリニアソレノイドバルブSL1−SL6等に関する油圧制御回路50の要部を示す回路図である。図6において、油圧制御回路50は、油圧供給装置52と、リニアソレノイドバルブSL1−SL6とを備えている。
油圧供給装置52は、オイルポンプ34が発生する油圧を元圧としてライン油圧PLを調圧する例えばリリーフ型のプライマリレギュレータバルブ54と、スロットル弁開度θth等で表されるエンジン負荷(例えばエンジントルクTeや変速機入力トルクTat等)に応じてライン油圧PLが調圧される為にプライマリレギュレータバルブ54へ信号圧Psltを供給するリニアソレノイドバルブSLTと、ライン油圧PLを元圧としてモジュレータ油圧PMを一定値に調圧するモジュレータバルブ56と、シフトレバー82の切替操作に連動して機械的に油路が切り替えられるマニュアルバルブ58とを備えている。マニュアルバルブ58は、シフトレバー82が前進走行操作ポジションD或いはシーケンシャル操作ポジションSにあるときには、入力されたライン油圧PLを前進油圧(Dレンジ圧、ドライブ油圧)PDとして出力し、シフトレバー82が後進走行操作ポジションRにあるときには、入力されたライン油圧PLを後進油圧(Rレンジ圧、リバース油圧)PRとして出力する。又、マニュアルバルブ58は、シフトレバー82がニュートラル操作ポジションN或いはパーキング操作ポジションPにあるときには、油圧の出力を遮断し、ドライブ油圧PD及びリバース油圧PRを排出側へ導く。このように、油圧供給装置52は、ライン油圧PL、モジュレータ油圧PM、ドライブ油圧PD、及びリバース油圧PRを出力する。
クラッチC1,C2,C4の各油圧アクチュエータACT1,ACT2,ACT4には、ドライブ油圧PDを元圧としてそれぞれリニアソレノイドバルブSL1,SL2,SL4により調圧された油圧Pc1,Pc2,Pc4が供給される。又、クラッチC3、ブレーキB1,B2の各油圧アクチュエータACT3,ACT5,ACT6には、ライン油圧PLを元圧としてそれぞれリニアソレノイドバルブSL3,SL5,SL6により調圧された油圧Pc3,Pb1,Pb2が供給される。リニアソレノイドバルブSL1−SL6は、基本的には何れも同じ構成であり、電子制御装置60によりそれぞれ独立に励磁、非励磁や電流制御が為される。尚、油圧制御回路50は、切替えバルブ59を更に備えており、後述するように、油圧Pc3,Pb2はこの切替えバルブ59を介して油圧アクチュエータACT3,ACT6へ供給される。
図1に戻り、電子制御装置60は、エンジン出力制御手段すなわちエンジン出力制御部62、及び変速制御手段すなわち変速制御部64を備えている。
エンジン出力制御部62は、例えば予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)関係(例えば駆動力マップ)に実際のアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで要求駆動力Fdemを算出し、その要求駆動力Fdemが得られる目標エンジントルクTetgtを設定し、その目標エンジントルクTetgtが得られるようにエンジン12を出力制御するエンジン出力制御指令信号Seをそれぞれスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置などへ出力する。
変速制御部64は、シフトレバー82の操作ポジションPshに応じて係合装置の係合と解放とを切り換える制御を行う。具体的には、変速制御部64は、操作ポジションPshがニュートラル操作ポジションN或いはパーキング操作ポジションPである場合には、何れの係合装置も解放する。又、変速制御部64は、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションD、シーケンシャル操作ポジションS、及び後進走行操作ポジションRのうちの何れかの走行操作ポジションにある場合には、例えば図3に示す係合表に従って所定のギヤ段を成立させるように係合装置を係合する変速指令を出力する。例えば、変速制御部64は、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにある場合には、例えば図7に示すような車速V及びアクセル開度Accを変数として予め定められた関係(変速マップ、変速線図)に実際の車速V及びアクセル開度Accを適用することで変速判断を行い、その判断した所定の前進ギヤ段が得られるように自動変速機22の変速に関与する係合装置を係合及び/又は解放させる変速指令として油圧制御指令信号Spを油圧制御回路50へ出力する。この油圧制御指令信号Spに従って、自動変速機22の変速が実行されるように油圧制御回路50内のリニアソレノイドバルブSL1−SL6が駆動させられて、その変速に関与する係合装置の油圧アクチュエータACT1−ACT6が作動させられる。図7の変速マップにおいて、実線はアップシフトが判断される為のアップシフト線であり、破線はダウンシフトが判断される為のダウンシフト線である。又、図7の変速マップは自動変速機22で変速が実行される第1速ギヤ段「1st」−第8速ギヤ段「8th」のうちで第1速ギヤ段「1st」−第6速ギヤ段「6th」における変速線が例示されている。
ここで、シフトポジションセンサ80の接点異常、シフトポジションセンサ80からの信号を送信する信号線の断線或いはショートなどによって、シフトレバー82の操作ポジションPshが検出されない故障が発生する可能性がある。変速制御部64は、このような操作ポジションPshが検出されない故障時には、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力する。つまり、上記故障時には、実際の操作ポジションに関係なく操作ポジションPshを前進走行操作ポジションDと見なすのである。具体的には、変速制御部64は、上記故障時には、例えば図7に示すような変速マップに実際の車速V及びアクセル開度Accを適用することで変速判断を行い、その変速判断に基づいて変速指令を出力する。これにより、上記故障時に、実際の操作ポジションが前進走行操作ポジションD(或いはシーケンシャル操作ポジションS)であれば、油圧供給装置52から出力されるライン油圧PL及びドライブ油圧PDを元圧として調圧された各油圧Pc1,Pc2,Pc3,Pc4,Pb1,Pb2がギヤ段の成立に関与する係合装置の各油圧アクチュエータACT1−ACT6へ供給されるので、上記変速判断に従ってギヤ段が切り替えられる。又、上記故障時に、実際の操作ポジションがニュートラル操作ポジションN、パーキング操作ポジションP、或いは後進走行操作ポジションRであれば、油圧供給装置52からドライブ油圧PDが出力されず、油圧Pc1,Pc2,Pc4が油圧アクチュエータACT1,ACT2,ACT4へ供給されないので、前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令が出力されても何れの前進ギヤ段も成立させられない。
上記故障時に、実際の操作ポジションが後進走行操作ポジションRであれば、油圧供給装置52からリバース油圧PRが出力される。そこで、このリバース油圧PRを用いて、後進ギヤ段を成立させる。具体的には、油圧制御回路50に備えられた切替えバルブ59は、例えば油圧Pc3が流通する油路Lc3を油圧アクチュエータACT3へ接続し、且つ油圧Pb2が流通する油路Lb2を油圧アクチュエータACT6へ接続する弁位置Aと、リバース油圧PRが流通する油路Lrを油圧アクチュエータACT3へ接続し、且つ油路Lrを油圧アクチュエータACT6へ接続する弁位置Bとに、スプール弁子の弁位置が択一的に切り替えられる。切替えバルブ59は、スプール弁子を弁位置A側へ付勢するスプリング59sと、スプール弁子を弁位置A側へ付勢する油圧Pb1を受け入れる油室59caと、スプール弁子を弁位置B側へ付勢するライン油圧PLを受け入れる油室59cbとを備えている。このような切替えバルブ59において、ライン油圧PLがエンジン負荷に応じて調圧された値である場合には、スプリング59sの付勢力によりスプール弁子が弁位置Aに保持される。一方で、ライン油圧PLが最大ライン油圧PLmaxとなるように調圧された値である場合には、スプール弁子が弁位置Bに保持される。他方で、ライン油圧PLが最大ライン油圧PLmaxであっても、油圧Pb1が出力されている場合には、スプール弁子が弁位置Aに保持される。従って、上記故障時に、油圧Pb1が出力されず且つライン油圧PLが最大ライン油圧PLmaxとされ、実際の操作ポジションが後進走行操作ポジションRであれば、弁位置Bに保持された切替えバルブ59を介してリバース油圧PRが油圧アクチュエータACT3,ACT6へ供給されて、後進ギヤ段が成立させられる。又、上記故障時でなければ、ライン油圧PLがエンジン負荷に応じて調圧された値とされ、弁位置Aに保持された切替えバルブ59を介して油圧Pc3,Pb2が油圧アクチュエータACT3,ACT6へ供給される。このように、油圧制御回路50は、操作ポジションPshが検出されない故障時、実際の操作ポジションが後進走行操作ポジションRにあるときに発生させられるリバース油圧PRを所定の後進ギヤ段の成立に関与する摩擦係合装置であるクラッチC3及びブレーキB2に供給する。
上述したように、上記故障時に、シフトレバー82が後進走行操作ポジションRへ操作された場合、前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令が出力されても後進走行は可能である。ところで、上記故障時の後進走行中には、車速Vの上昇に伴って、第2速ギヤ段「2nd」を形成する為にクラッチC1及びブレーキB1を係合する変速指令が出力される。クラッチC1に対する油圧Pc1はドライブ油圧PDを元圧とする為に出力されないが、ブレーキB1に対する油圧Pb1はライン油圧PLを元圧とするので出力される。この油圧Pb1は切替えバルブ59の油室59caにも供給されるので、第2速ギヤ段「2nd」への変速指令時には切替えバルブ59は弁位置Aに保持される。従って、クラッチC3及びブレーキB2は解放されるので、ブレーキB1が係合されても自動変速機22のインターロック(二重係合)は回避される。一方で、クラッチC3及びブレーキB2が解放されても、後進走行中にブレーキB1が係合されると、例えば図4の共線図に示す破線Aの状態を形成しようとする。しかしながら、この自動変速機22にはワンウェイクラッチF1が設けられている為、破線Aの状態には成り得ず、ブレーキB1の係合とワンウェイクラッチF1の作用とによって駆動輪14の回転が低下させられ、駆動輪14の回転を止めようとする現象である駆動輪ロックが発生してしまう(図4の共線図の破線B参照)。
そこで、変速制御部64は、操作ポジションPshが検出されない故障時には、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときに成立させる所定の前進ギヤ段のうちで、ワンウェイクラッチF1と共に係合すると駆動輪14の後進方向の回転を規制する係合装置が成立に関与する前進ギヤ段を少なくとも除いて、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力する。例えば、変速制御部64は、操作ポジションPshが検出されない故障時には、ワンウェイクラッチF1と共に係合すると駆動輪14の後進方向の回転を規制する係合装置が成立に関与する前進ギヤ段を飛ばして変速するように、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力する。自動変速機22では、ワンウェイクラッチF1と共に係合すると駆動輪14の後進方向の回転を規制する係合装置が成立に関与する前進ギヤ段は、第2速ギヤ段「2nd」及び第8速ギヤ段「8th」である。従って、上記故障時の変速指令は、「1st」←→「3rd」←→「4th」←→「5th」←→「6th」←→「7th」にて変速するように出力される
より具体的には、電子制御装置60は、操作ポジション検出故障判定手段すなわち操作ポジション検出故障判定部66を更に備えている。操作ポジション検出故障判定部66は、例えば操作ポジションPshの検出信号が電子制御装置60に入力されていないか否かに基づいて操作ポジションPshが検出されない故障が発生しているか否かを判定する。
図8は、電子制御装置60の制御作動の要部すなわち操作ポジションPshが検出されない故障時に操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力する場合、後進走行中に駆動輪14の回転が低下させられることを防止する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。
図8において、先ず、操作ポジション検出故障判定部66に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、操作ポジションPshが検出されない故障が発生しているか否かが判定される。このS10の判断が否定される場合は変速制御部64に対応するS20において、各操作ポジションPshに応じた制御が行われる。一方で、このS10の判断が肯定される場合は変速制御部64に対応するS30において、ライン油圧PLを最大ライン油圧PLmaxとする油圧指令がリニアソレノイドバルブSLTへ出力される。又、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令が出力され、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDとして制御される。この際、第2速ギヤ段「2nd」及び第8速ギヤ段「8th」が禁止され、その第2速ギヤ段「2nd」及び第8速ギヤ段「8th」を飛ばして変速するように変速指令が出力される。
上述のように、本実施例によれば、操作ポジションPshが検出されない故障時には、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令が出力されることで、実際の操作ポジションが前進走行操作ポジションDであるときは、故障時でないときと同程度の走行性能を確保することができる。又、上記故障時に実際の操作ポジションが後進走行操作ポジションRであるときは、後進ギヤ段が成立させられて後進走行性能を確保することができる。又、上記故障時には、前進走行操作ポジションDにあるときに形成される所定の前進ギヤ段のうちで、ワンウェイクラッチF1と共に係合すると駆動輪ロックを生じさせる係合装置(本実施例ではブレーキB1)が成立に関与する前進ギヤ段(本実施例では第2速ギヤ段「2nd」及び第8速ギヤ段「8th」)への変速指令が出力されない。よって、操作ポジションPshが検出されない故障時に操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力する場合、後進走行中の駆動輪ロックの発生を防止することができる。
又、例えば図9に示すような、リバース油圧PRの入力によって油圧Pb1を油圧アクチュエータACT5へ供給する油路を遮断する切替えバルブ90を油圧制御回路50に追加することで、後進走行中の駆動輪ロックの発生を防止することが可能である。これに対して、図8のフローチャートで示すような本実施例では、図9に示すようなハード構成を追加することなく、後進走行中の駆動輪ロックの発生を防止することができる。従って、コストダウン、重量低減、又は省スペース化が可能となる。
また、本実施例によれば、操作ポジションPshが検出されない故障時には、第2速ギヤ段「2nd」及び第8速ギヤ段「8th」を飛ばして変速するように、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力するので、後進走行中に駆動輪ロックされることを防止できるのはもちろんのこと、実際の操作ポジションが前進走行操作ポジションDであるときは、車両発進又は低車速域での走行性能に加え中高車速域での走行性能も適切に確保することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、操作ポジションPshが検出されない故障時には、第2速ギヤ段「2nd」及び第8速ギヤ段「8th」を飛ばして変速するように、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力したが、この態様に限らない。例えば、第8速ギヤ段「8th」を除く、第3速ギヤ段「3rd」よりもハイ側のギヤ段を用いて変速するように変速指令が出力されても良いし、第1速ギヤ段「1st」、第3速ギヤ段「3rd」、及び第5速ギヤ段「5th」の固定ギヤ段を用いて変速するように変速指令が出力されても良い。要は、少なくとも第2速ギヤ段「2nd」及び第8速ギヤ段「8th」を除いて変速指令が出力されれば良い。又、後進ギヤ段にて第8速ギヤ段「8th」へ変速する車速Vまで上昇することはないと考えられるので、上記故障時の変速指令は、「1st」←→「3rd」…「7th」←→「8th」にて変速するように出力されても良い。このような場合、図8のS30は「操作ポジションDとして制御する。ただし、2速を禁止する。」となり、このS30では、操作ポジションPshが前進走行操作ポジションDとして制御される際、第2速ギヤ段「2nd」が禁止され、その第2速ギヤ段「2nd」を飛ばして変速するように変速指令が出力される。又、上記故障時に前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を出力することを前提として、車両10の後進走行中を判定したときには、前進走行操作ポジションDにあるときの変速指令を後進走行操作ポジションRにあるときの変速指令に切り替えても良い。例えば、変速機入力軸回転速度Nin及び出力軸回転速度Noutに基づいて算出した自動変速機22の実際のギヤ比γが後進ギヤ段のギヤ比であれば後進走行中であると判定し(或いはセンサで検出した回転方向に基づいて後進走行中であると判定し)、後進走行操作ポジションRにあるときの変速指令に切り替える。
また、前述の実施例では、切替えバルブ59は油圧Pb1によって弁位置が切り替えられたが、この態様に限らない。例えば、上記故障時に第2速ギヤ段「2nd」を飛ばして変速するのであれば、切替えバルブ59は油圧Pb1によって弁位置が切り替えられる構成としなくとも良い。この場合、油圧Pb1を受け入れる油室59caは設けられない。
また、前述の実施例では、自動変速機22は、クラッチC3及びブレーキB2の係合により後進ギヤ段が成立させられたが、例えばクラッチC4及びブレーキB2の係合によっても後進ギヤ段が成立させられ得る。又、自動変速機22は、前進8段の各ギヤ段が成立させられたが、この態様に限らない。又、操作ポジションPshが検出されない故障時に変速指令から除かれる前進ギヤ段は、ワンウェイクラッチF1と共に係合すると駆動輪ロックを生じさせる係合装置(すなわち駆動輪14の回転を停止させる係合装置)が成立に関与する前進ギヤ段であったが、駆動輪14の回転を低下させる係合装置(例えばクラッチC4及びブレーキB2の係合によって後進ギヤ段を成立させる場合におけるクラッチC3)が成立に関与する前進ギヤ段であっても良い。要は、自動変速機22は、複数の係合装置及び一方向クラッチF1の何れかが選択的に係合されることによりギヤ比が異なる複数のギヤ段が成立させられる自動変速機であって、操作ポジションPshが検出されない故障時に、ワンウェイクラッチF1と共に係合すると駆動輪14の後進方向の回転を規制する係合装置が成立に関与する前進ギヤ段を有する自動変速機であれば、本発明は適用され得る。この駆動輪14の後進方向の回転を規制するということは、回転を停止させることはもちろんのこと、回転を低下させることも含んでいる。
また、前述の実施例では、駆動力源としてエンジン12を例示したが、これに限らない。例えば、前記駆動力源は、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジン12と組み合わせて採用することもできる。又、エンジン12の動力は、トルクコンバータ20を介して自動変速機22へ伝達されたが、これに限らない。例えば、トルクコンバータ20に替えて、トルク増幅作用のない流体継手(フルードカップリング)などの他の流体式伝動装置が用いられても良い。或いは、この流体式伝動装置は必ずしも設けられなくても良い。又、操作ポジション「S」は、シフトレバー82の操作に応じて自動変速機22のギヤ段を切り替える為の手動変速操作ポジションであっても良いし、必ずしも設けられなくても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
14:駆動輪
22:自動変速機
50:油圧制御回路
60:電子制御装置(制御装置)
64:変速制御部
66:操作ポジション検出故障判定部
82:シフトレバー(シフト操作部材)
B:ブレーキ(摩擦係合装置)
C:クラッチ(摩擦係合装置)
F1:一方向クラッチ

Claims (2)

  1. 複数の摩擦係合装置及び一方向クラッチの何れかが選択的に係合されることによりギヤ比が異なる複数のギヤ段が成立させられる自動変速機において、シフト操作部材の操作ポジションが走行操作ポジションにあるときには所定のギヤ段を成立させる変速指令を出力する、自動変速機の制御装置であって、
    前記自動変速機は、前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障時、実際の操作ポジションが後進走行操作ポジションにあるときに発生させられる後進油圧を所定の後進ギヤ段の成立に関与する摩擦係合装置に供給する油圧制御回路を備えており、
    前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障が発生しているか否かを判定する操作ポジション検出故障判定部と、
    前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障が発生していると判定されたときには、前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときに成立させる所定の前進ギヤ段のうちで、前記一方向クラッチと共に係合すると駆動輪の後進方向の回転を規制する摩擦係合装置が成立に関与する前進ギヤ段を少なくとも除いて、前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令を出力する変速制御部と
    を、備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令は、車速に応じて前記所定の前進ギヤ段を切り替える変速指令であり、
    前記変速制御部は、前記シフト操作部材の操作ポジションが検出されない故障が発生していると判定されたときには、前記一方向クラッチと共に係合すると前記駆動輪の後進方向の回転を規制する前記摩擦係合装置が成立に関与する前進ギヤ段を飛ばして変速するように、前記操作ポジションが前進走行操作ポジションにあるときの変速指令を出力することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
JP2014236036A 2014-11-20 2014-11-20 自動変速機の制御装置 Active JP6102894B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236036A JP6102894B2 (ja) 2014-11-20 2014-11-20 自動変速機の制御装置
US14/944,591 US9587738B2 (en) 2014-11-20 2015-11-18 Automatic shift control system
DE102015120080.5A DE102015120080A1 (de) 2014-11-20 2015-11-19 Automatisches Schaltsteuersystem
CN201510808224.XA CN105626853B (zh) 2014-11-20 2015-11-19 自动变速控制系统

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014236036A JP6102894B2 (ja) 2014-11-20 2014-11-20 自動変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016098902A JP2016098902A (ja) 2016-05-30
JP6102894B2 true JP6102894B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=55914386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014236036A Active JP6102894B2 (ja) 2014-11-20 2014-11-20 自動変速機の制御装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9587738B2 (ja)
JP (1) JP6102894B2 (ja)
CN (1) CN105626853B (ja)
DE (1) DE102015120080A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9951865B2 (en) * 2015-06-11 2018-04-24 Honda Motor Co., Ltd. Control apparatus
US10514094B2 (en) * 2017-07-13 2019-12-24 GM Global Technology Operations LLC Method for controlling the internal electronic range selection for a 9 speed automatic transmission
JP7069735B2 (ja) * 2018-01-15 2022-05-18 トヨタ自動車株式会社 自動車

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04181061A (ja) * 1990-11-13 1992-06-29 Mazda Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
JPH11101336A (ja) * 1997-09-29 1999-04-13 Mazda Motor Corp 自動変速機の制御装置
KR20040046829A (ko) * 2002-11-28 2004-06-05 현대자동차주식회사 차량용 자동변속기의 변속 제어방법 및 장치
JP2006046542A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP2006153211A (ja) 2004-11-30 2006-06-15 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP4353148B2 (ja) * 2005-07-13 2009-10-28 トヨタ自動車株式会社 自動変速機の制御装置
JP4291807B2 (ja) * 2005-09-22 2009-07-08 ジヤトコ株式会社 自動変速機の故障時制御装置
JP4484816B2 (ja) 2005-12-28 2010-06-16 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 自動変速機の油圧制御装置
JP4283295B2 (ja) * 2006-09-25 2009-06-24 ジヤトコ株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP4305556B2 (ja) * 2007-11-28 2009-07-29 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
KR101139184B1 (ko) * 2007-12-27 2012-04-26 아이신에이더블류 가부시키가이샤 자동 변속기의 제어 장치
JP4450093B2 (ja) * 2008-05-13 2010-04-14 トヨタ自動車株式会社 シフト切換機構の異常判定装置および異常判定方法
JP5152107B2 (ja) * 2009-06-15 2013-02-27 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 自動変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE102015120080A1 (de) 2016-05-25
US20160146340A1 (en) 2016-05-26
JP2016098902A (ja) 2016-05-30
CN105626853A (zh) 2016-06-01
CN105626853B (zh) 2017-11-21
US9587738B2 (en) 2017-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4158792B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP4353148B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4333632B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP5273109B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4779938B2 (ja) 車両用油圧制御装置
JP6449820B2 (ja) 車両の制御装置
JP2017155779A (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP6102894B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP5633579B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP6225884B2 (ja) 車両の制御装置
JP4830622B2 (ja) 車両の制御装置
US10253877B2 (en) Vehicle and control method for vehicle
JP5904043B2 (ja) 油圧制御装置
JP4654872B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP6439661B2 (ja) 車両用有段式自動変速機の制御装置
JP5494827B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP6269691B2 (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
JP6627562B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP7513535B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4983218B2 (ja) 車両の油圧制御装置
JP5904042B2 (ja) 油圧制御装置
JP2017203544A (ja) 車両用変速機の油圧回路制御装置
JP2016114107A (ja) 自動変速機の制御装置
JP6720879B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2017088010A (ja) 車両用自動変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160304

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170213

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6102894

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151