JP6720879B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用自動変速機の制御装置に関し、特に車両用自動変速機が有する油圧式摩擦係合装置に係合油圧を供給するソレノイドバルブの異常を検出する車両用自動変速機の制御装置に関するものである。
複数のソレノイドバルブから係合油圧がそれぞれ供給される複数の油圧式摩擦係合装置を有し、駆動力源からのトルクを受ける入力軸と駆動輪にトルクを伝達する出力軸との間で複数の変速段を選択的に成立させ、複数の油圧式摩擦係合装置のうちの所定の油圧式摩擦係合装置は、複数のソレノイドバルブのうちの第1ソレノイドバルブから係合油圧が供給されて作動する第1油圧ピストンと、第2ソレノイドバルブから係合油圧が供給されて作動する第2油圧ピストンとを有する車両用自動変速機の、制御装置が知られている。たとえば、特許文献1および2に記載された車両用自動変速機の制御装置がそれである。
特開2007−205580号公報 特開2004−003550号公報
上記特許文献1および2に記載された車両用自動変速機では、所定の油圧式摩擦係合装置すなわちブレーキが2つのピストンを有するダブルピストン構造によって押圧されている。これにより、ブレーキは、大きな受圧面積を得ることができるので大きなトルク容量が確保される。ところで、このようなダブルピストン構造からなる油圧式摩擦係合装置を備える車両では、ダブルピストンを構成する2つのピストンにそれぞれ係合油圧を供給する2つのソレノイドバルブが備えられている。このような油圧式摩擦係合装置では、2つのソレノイドバルブのうちの何れか一方のソレノイドバルブがオフ故障(クローズ故障)した場合に、他方のソレノイドバルブにより制御されたピストンによって確保できるトルク容量以上の分担トルクがブレーキに発生すると、たとえばスリップによる異常が発生することになる。上記特許文献1および2に記載された車両用自動変速機では、油圧式摩擦係合装置に生じるスリップによって、ダブルピストン構造におけるソレノイドバルブの故障による異常を検出していた。しかしながら、上記の技術では、ソレノイドバルブの故障による異常の検出が高車速、高トルク領域に限られるので異常の検出が遅れてしまう。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ダブルピストン構造が用いられた油圧式摩擦係合装置において、ピストンに係合油圧を供給するソレノイドバルブの故障による異常を低車速且つ低分担トルクでも検出できる車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、(a)複数のソレノイドバルブから係合油圧がそれぞれ供給される複数の油圧式摩擦係合装置を有し、駆動力源からのトルクを受ける入力軸と駆動輪に前記トルクを伝達する出力軸との間で複数の変速段を選択的に成立させ、前記複数の油圧式摩擦係合装置のうちの所定の油圧式摩擦係合装置は、前記複数のソレノイドバルブのうちの第1ソレノイドバルブから係合油圧が供給されて作動する第1油圧ピストンと、第2ソレノイドバルブから係合油圧が供給されて作動する第2油圧ピストンとを有する車両用自動変速機の、制御装置であって、(b)所定数の油圧ピストンに係合油圧をそれぞれ供給する所定数のソレノイドバルブの異常を検出する異常検出部と、(c)前記第1油圧ピストンおよび前記第2油圧ピストンがそれぞれ作動するように前記第1ソレノイドバルブおよび前記第2ソレノイドバルブにそれぞれ係合指令が出されているか否かを判定する係合指令判定部と、を備え、(d)車速が予め設定された所定値以下且つ前記所定の油圧式摩擦係合装置の分担トルクが予め設定された設定トルク以下であり、前記係合指令判定部によって前記第1油圧ピストンが作動するように前記第1ソレノイドバルブに係合指令が出されていると判定された場合に、前記第2油圧ピストンに供給される係合油圧が所定の油圧値以下になるように制御された後に、前記入力軸の回転数の変化量に基づいて、前記異常検出部が前記第1ソレノイドバルブの異常を検出し、(e)前記設定トルクは、前記第1油圧ピストンのみが作動したときに確保される第1トルク容量および前記第2油圧ピストンのみが作動したときに確保される第2トルク容量のうちの小さいトルク容量以下に設定されていることにある。
本発明によれば、車両用自動変速機の制御装置は、所定数の油圧ピストンに係合油圧をそれぞれ供給する所定数のソレノイドバルブの異常を検出する異常検出部と、前記第1油圧ピストンおよび前記第2油圧ピストンがそれぞれ作動するように前記第1ソレノイドバルブおよび前記第2ソレノイドバルブにそれぞれ係合指令が出されているか否かを判定する係合指令判定部と、を備えている。さらに、車速が予め設定された所定値以下且つ前記所定の油圧式摩擦係合装置の分担トルクが予め設定された設定トルク以下であり、前記係合指令判定部によって前記第1油圧ピストンが作動するように前記第1ソレノイドバルブに係合指令が出されていると判定された場合に、前記第2油圧ピストンに供給される係合油圧が所定の油圧値以下になるように制御された後に、前記入力軸の回転数の変化量に基づいて、前記異常検出部が前記第1ソレノイドバルブの異常を検出し、前記設定トルクは、前記第1油圧ピストンのみが作動したときに確保される第1トルク容量および前記第2油圧ピストンのみが作動したときに確保される第2トルク容量のうちの小さいトルク容量以下に設定されている。これにより、前記所定の油圧式摩擦係合装置の摩擦係数や前記油圧ピストンの受圧面積などの要因によって前記第1ソレノイドバルブの故障による異常の検出可能領域が変化されることなく、車速が予め設定された所定値以下且つ前記所定の油圧摩擦係合装置の分担トルクが予め設定された所定値以下であっても前記第1ソレノイドバルブの故障による異常を検出することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における制御系統の要部を説明する図である。 図1の車両に設けられたトルクコンバータや車両用自動変速機を説明する骨子図である。 図2の車両用自動変速機の変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の係合の組み合わせとの関係を説明する係合作動表である。 図2の車両用自動変速機において、ダブルピストン構造が用いられた油圧式摩擦係合装置の制御回路の要部を簡略して示す図である。 図1の車両において、ダブルピストン構造が用いられた油圧式摩擦係合装置に係合油圧を供給する所定のソレノイドバルブの故障による異常を検出するための制御動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明の一実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。車両10は、図1に示すように、エンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた車両用動力伝達装置16(以下、動力伝達装置16という)とを備えている。動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース18(図2参照)内に配設されたトルクコンバータ(流体式伝動装置)20および車両用自動変速機22と、車両用自動変速機22の出力回転部材である変速機出力ギヤ24がリングギヤ26aに連結された差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)26と、差動歯車装置26に連結された一対の車軸28等とを備えている。動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力すなわちトルクは、トルクコンバータ20、車両用自動変速機22、差動歯車装置26、及び車軸28等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
エンジン12は、車両10の駆動力源であり、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。
図2は、トルクコンバータ20や車両用自動変速機22の一例を説明する骨子図である。なお、トルクコンバータ20や車両用自動変速機22等は、車両用自動変速機22の入力回転部材である入力軸30の軸心RCに対して略対称的に構成されており、図2ではその軸心RCの下半分が省略されている。また、図2中の軸心RCはエンジン12およびトルクコンバータ20の回転軸心である。
トルクコンバータ20は、図2に示すように、軸心RCと同心に配設されており、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び入力軸30に連結されたタービン翼車20tを備えている。ポンプ翼車20pには、機械式のオイルポンプ34が連結されている。機械式のオイルポンプ34は、エンジン12により回転駆動させられることによって、車両用自動変速機22を変速制御したり、動力伝達装置16の動力伝達経路の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧を発生する。
車両用自動変速機22は、エンジン12から駆動輪14までの動力伝達経路の一部を構成し、複数の油圧式摩擦係合装置の何れかが選択的に係合されることによりギヤ比(変速比)が異なる複数のギヤ段(変速段)が形成される有段式の自動変速機として機能する遊星歯車式多段変速機である。例えば、公知の車両によく用いられる所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う有段変速機である。この車両用自動変速機22は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置36と、ラビニヨ型に構成されているシングルピニオン型の第2遊星歯車装置38及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置40と、シングルピニオン型の第4遊星歯車装置42とを同軸線上(軸心RC上)に有し、入力軸30の回転を変速して出力軸32から出力する。
第1遊星歯車装置36、第2遊星歯車装置38、第3遊星歯車装置40、及び第4遊星歯車装置42は、サンギヤ(S1、S2、S3、S4)、ピニオンギヤ(P1、P2、P3、P4)を自転及び公転可能に支持するキャリヤ(CA1、CA2、CA3、CA4)、及びピニオンギヤを介してサンギヤと噛み合うリングギヤ(R1、R2、R3、R4)によって各々3つの回転要素(回転部材)が構成されている。そして、それら各々3つの回転要素は、直接的に或いは油圧式摩擦係合装置(クラッチC1,C2,C3,C4、及びブレーキB1,B2)を介して間接的(或いは選択的)に、一部が互いに連結されたり、入力軸30、ケース18、或いは出力軸32に連結されている。
上記クラッチC1,C2,C3,C4、及びブレーキB1,B2(以下、特に区別しない場合は、それ等を単にクラッチC、ブレーキB、あるいは油圧式摩擦係合装置という)は、公知の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置であって、油圧ピストンにより押圧される湿式多板型のクラッチやブレーキ、油圧ピストンによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される。このように構成されたクラッチC及びブレーキBは、車両用自動変速機22に備えられた油圧制御回路50(図1参照)が有するリニアソレノイドバルブSL1−SL6およびSC1等からの油圧によりそれぞれのトルク容量(すなわち係合力)が変化させられて、係合と解放とが切り替えられる。
図3は、車両用自動変速機22の変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の係合の組み合わせとの関係を説明する係合作動表である。油圧制御回路50によってクラッチC及びブレーキBの係合と解放とが制御されることで、図3の係合作動表に示すように、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて前進10段の各ギヤ段が形成される。図3に示す「1st」−「10th」はそれぞれ前進ギヤ段としての第1速ギヤ段−第10速ギヤ段を意味しており、各ギヤ段に対応する車両用自動変速機22のギヤ比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)は、第1遊星歯車装置36、第2遊星歯車装置38、第3遊星歯車装置40、及び第4遊星歯車装置42の各歯車比(=サンギヤの歯数/リングギヤの歯数)によって適宜定められる。
図3において、「○」はリニアソレノイドバルブSL1−SL6およびSC1を作動させる(オンする)係合指令信号の出力および油圧式摩擦係合装置の係合を、空欄は上記係合指令信号の非出力および油圧式摩擦係合装置の非係合(解放)をそれぞれ表している。このように、車両用自動変速機22は、所定のリニアソレノイドバルブSL1−SL6およびSC1等の作動による所定の油圧式摩擦係合装置への係合油圧の供給によってその所定の係合装置が係合されることにより複数のギヤ段が択一的(選択的)に形成される車両用自動変速機である。
図3の係合作動表で示すように、ブレーキB2には、リニアソレノイドバルブSL6およびSC1がそれぞれ作動することにより係合油圧が供給される。図4は、ブレーキB2の制御回路を簡略して示す図である。図4に示すように、ブレーキB2の複数の摩擦板は、2つの油圧ピストンを用いたダブルピストン構造により押圧される。具体的には、ブレーキB2の複数の摩擦板は、リニアソレノイドバルブSL6から係合油圧が供給されて作動(前進)し前記摩擦板に係合する第2油圧ピストンであるインナピストン60と、リニアソレノイドバルブSC1から係合油圧が供給されて作動(前進)し前記摩擦板に係合する第1油圧ピストンであるアウタピストン62とにより押圧される。
図4に示すように、ピストンケース68の内周側環状溝68aに摺動可能に嵌め入れられたインナピストン60はたとえばOリング64、66によって内周側環状溝68aの内周面に対してシールされている。インナピストン60とピストンケース68との間には、B2インナ油室70が形成されている。インナピストン60には、インナピストン60をブレーキB2に対して離間する方向すなわち図4における右方向に付勢するリターンスプリング72が当接されている。ピストンケース68の外周側環状溝68bに摺動可能に嵌め入れられたアウタピストン62はたとえばOリング74、76によって外周側環状溝68bの内周面に対してシールされている。アウタピストン62とピストンケース68との間には、B2アウタ油室78が形成されている。インナピストン60の先端部は、アウタピストン62とブレーキB2の摩擦板との間に配設されている。ピストンケース68には、B2インナ油室70およびB2アウタ油室78に連通する図示しない油孔がそれぞれ設けられている。B2インナ油室70には、第2ソレノイドバルブすなわちリニアソレノイドバルブSL6によって制御された係合油圧が供給される。具体的には、リニアソレノイドバルブSL6は、ライン油圧PLを元圧としてインナピストン係合油圧Pb2inを出力する。B2インナ油室70にインナピストン係合油圧Pb2inが供給されることによってインナピストン60がブレーキB2の複数の摩擦板に係合してそれを押圧する。B2アウタ油室78には、第1ソレノイドバルブすなわちリニアソレノイドバルブSC1とB2コントロール弁80とによって制御された係合油圧が供給される。具体的には、リニアソレノイドバルブSC1は、モジュール圧PMを元圧として調圧された制御圧Psc1をB2コントロール弁80に出力して、B2コントロール弁80は、ライン油圧PLを元圧としてリニアソレノイドバルブSC1からの制御圧Psc1に応じた大きさのアウタピストン係合油圧Pb2outを出力する。アウタピストン62は、インナピストン60の先端部とピストンケース68との間に配設されており、B2アウタ油室78にアウタピストン係合油圧Pb2outが供給されることによって、アウタピストン62はインナピストン60を介してブレーキB2の複数の摩擦板に間接的に係合してそれを押圧する。
ブレーキB2は、インナピストン60とアウタピストン62とを有するダブルピストン構造により押圧されるため、大きい受圧面積により大きなトルク容量を得ることができる。
図1に戻り、車両10には、例えば車両用自動変速機22の変速制御などに関連する車両用自動変速機22の制御装置を含む電子制御装置56が備えられている。よって、図1は、電子制御装置56の入出力系統を示す図でもあり、又、電子制御装置56による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置56は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置56は、エンジン12の出力制御、車両用自動変速機22の変速制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン出力制御用電子制御装置や油圧制御用電子制御装置等に分けて構成される。
電子制御装置56には、車両10が備える各種センサにより検出される各種入力信号が供給されるようになっている。たとえば、エンジン回転速度センサ90、タービン回転速度センサ92、車速センサ94、アクセル開度センサ96、スロットル開度センサ98などによる検出信号に基づく、エンジン回転速度Ne(rpm)、タービン回転速度Nt(rpm)である入力軸回転速度Nin(rpm)、車速Vに対応する出力軸回転速度Nout(rpm)、アクセル開度θacc(%)、スロットル弁開度θth(%)などが、それぞれ供給される。また、電子制御装置56からは、エンジン12の出力制御のためのエンジン出力制御指令信号Se、車両用自動変速機22の変速に関する油圧制御のための油圧制御指令信号Spなどが、それぞれ出力される。油圧制御指令信号Spは、たとえば所定の油圧式摩擦係合装置を係合させるための係合指令信号であって、油圧式摩擦係合装置の油圧ピストンへ供給される各油圧を調圧制御するリニアソレノイドバルブSL1−SL6およびSC1を作動させるための係合指令信号であり、油圧制御回路50すなわちリニアソレノイドバルブSL1−SL6およびSC1へ出力される。
また、油圧制御回路50には、図示しないシフトレバーの切替操作に連動して機械的或いは電気的に油路が切り替えられる図示しないマニュアルバルブを備えている。マニュアルバルブは、シフトレバーが前進走行操作ポジションDにあるときには、入力されたライン油圧PLを前進油圧(Dレンジ圧)として出力し、シフトレバーが後進走行操作ポジションRにあるときには、入力されたライン油圧PLを後進油圧(Rレンジ圧)として出力する。又、マニュアルバルブは、シフトレバーがニュートラル操作ポジションN或いはパーキング操作ポジションPにあるときには、油圧の出力を遮断し、前進油圧及び後進油圧を排出側へ導く。
図1に示す電子制御装置56は、制御機能の要部として、車速判定手段すなわち車速判定部100、分担トルク判定手段すなわち分担トルク判定部102、係合指令判定手段すなわち係合指令判定部104、油圧制御手段すなわち油圧制御部106、入力軸回転数検出手段すなわち入力軸回転数検出部108、異常判定手段すなわち異常判定部110、異常検出手段すなわち異常検出部112を機能的に備えている。
車速判定部100は、車速センサ94によって検出される車速Vが予め設定された所定値である設定車速Va以下であるか否かを判定する。設定車速Vaは予め実験的に求められる値である。具体的には、設定車速Vaは、インナピストン60およびアウタピストン62の両方が作動(前進)し前記摩擦板に係合させられてブレーキB2が係合した場合に形成されるギヤ段すなわち第1速ギヤ段から第3速ギヤ段に対応する程度の低車速値に設定されている。
分担トルク判定部102は、車両用自動変速機22に用いられるブレーキ全体で受け持つ反力トルクTのうちのブレーキB2の分担トルクTb2が予め設定された所定値である設定トルクTa以下であるか否かを判定する。設定トルクTaは予め実験的に求められる値である。具体的には、設定トルクTaは、インナピストン60のみが作動(前進)し前記摩擦板に係合した場合に確保できるトルク容量Tb2inおよびアウタピストン62のみが作動(前進)し前記摩擦板に係合した場合に確保できるトルク容量Tb2outのうちの小さいトルク容量以下になる程度の低トルク値に設定されている。
係合指令判定部104は、インナピストン60およびアウタピストン62がそれぞれ作動(前進)し前記摩擦板に係合するようにリニアソレノイドバルブSL6およびSC1にそれぞれ係合指令が出されているか否かを判定する。具体的には、本実施例では、アウタピストン62が作動(前進)し前記摩擦板に係合するようにリニアソレノイドバブルSC1を作動させるための係合指令すなわち電子制御装置56から係合指令信号が出力されているか否かを判定する。
油圧制御部106は、油圧式摩擦係合装置に供給される係合油圧を制御する。具体的には、車速Vが設定車速Va以下であると車速判定部100で判定され且つ分担トルクTb2が設定トルクTa以下であると分担トルク判定部102で判定されて、さらに、アウタピストン62が(前進)し前記摩擦板に係合するようにリニアソレノイドバブルSC1に係合指令が出力されていると係合指令判定部104で判定された場合に、ブレーキB2のインナピストン60に係合油圧を供給するリニアソレノイドバルブSL6への油圧指示値を所定の油圧値以下に制御する。具体的には、リニアソレノイドバルブSL6への油圧指示値を略0に制御する。また、車速Vが設定車速Va以下でない場合には、車速Vに基づく所定の変速比に対応する従来の係合油圧の油圧指示値をリニアソレノイドバルブSL6に指示する。
入力軸回転数検出部108は、車両10が備えるタービン回転速度センサ92から出力されるパルス信号に基づき、所定の変速段での入力軸30の回転数を検出する。具体的には、油圧制御部106によってインナピストン60に供給される係合油圧を略0に制御された状態での入力軸30の入力軸回転数Nin0(rpm)を検出する。また、インナピストン60に供給される係合油圧を略0にする制御が実行されていない状態すなわち油圧制御部106による制御が実行される前における入力軸回転数Nin(rpm)を検出する。
異常判定部110は、入力軸回転数Nin(rpm)と入力軸回転数検出部108で検出された入力軸回転数Nin0(rpm)との変化量に基づく異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、異常判定部110は、リニアソレノイドバルブSL6への油圧指示値を略0に制御することにより入力軸回転数Nin0(rpm)が入力軸回転数Nin(rpm)と比べて回転数が変化して差回転が大きくなる場合に引き起こされるエンジン吹きなどの異常が発生しているか否かを判定する。
異常検出部112は、所定数の油圧ピストンに係合油圧をそれぞれ供給する所定数のソレノイドバルブの異常を検出する。本実施例では、異常判定部110により異常が発生していると判定された場合には、リニアソレノイドバルブSC1が異常であることを検出する。具体的には、異常検出部112は、アウタピストン62の係合指令が出力され且つインナピストン60に供給される係合油圧が略0に制御されている状態において、入力軸30の回転数が変化させられて差回転が大きくなる場合に引き起こされるエンジン吹きなどの異常が発生していると異常判定部110によって判定された場合には、アウタピストン62に係合油圧を供給するリニアソレノイドバルブSC1がオフ故障(クローズ故障)していることに基づく異常を検出する。ここで、ブレーキB2が確保できるトルク容量は、ブレーキB2の摩擦係数やインナピストン60およびアウタピストン62の受圧面積などの要因によって影響されるので、予め設定された所定値である設定トルクTa以下の低トルク領域で発生する異常を検出することにより、ブレーキB2の摩擦係数やインナピストン60およびアウタピストン62の受圧面積などの要因で異常の検出領域が変化することがない。また、リニアソレノイドバルブSL6への油圧指示値を略0に制御することにより、たとえばリニアソレノイドバルブSC1がオフ故障(クローズ故障)している場合には、車両発進時に完全なニュートラル状態を形成する。
図5は、ダブルピストン構造が用いられた油圧式摩擦係合装置すなわちブレーキB2に係合油圧を供給するリニアソレノイドバルブSC1の故障による異常を検出するための電子制御装置56の制御動作の要部を説明するフローチャートであり、繰り返し実行される。
車速判定部100に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10では、車速Vが予め設定された所定値すなわち設定車速Va以下であるか否かが判定される。車速Vが設定車速Va以下でない場合には、S20が実行される。油圧制御部106に対応するS20では、車速に基づく所定の変速比に対応する従来の油圧指示値をリニアソレノイドバルブSL6へ指示が実行されて、本ルーチンは終了させられる。車速Vが設定車速Va以下である場合には、分担トルク判定部102に対応するS30が実行される。
分担トルク判定部102に対応するS30では、ブレーキB2の分担トルクTb2が予め設定された所定値である設定トルクTa以下か否かが判定される。ブレーキB2の分担トルクTb2が設定トルクTa以下でない場合には、S20が実行されて、本ルーチンは終了させられる。ブレーキB2の分担トルクTb2が設定トルクTa以下である場合には、係合指令判定部104に対応するS40が実行される。
係合指令判定部104に対応するS40では、アウタピストン62が作動(前進)し前記摩擦板に係合するようにリニアソレノイドバルブSC1に係合指令が出力されているか否かが判定される。リニアソレノイドバルブSC1に係合指令が出力されていない場合には、S20が実行されて、本ルーチンは終了させられる。リニアソレノイドバルブSC1に係合指令が出力されている場合には、油圧制御部106に対応するS50が実行される。
油圧制御部106に対応するS50では、リニアソレノイドバブルSC1に係合指令が出力されていると係合指令判定部104により判定された場合に、リニアソレノイドバルブSL6への油圧指示値は略0に制御される。
次に、入力軸回転数検出部108に対応するS60では、リニアソレノイドバルブSL6への油圧指示値が略0に制御された後の入力軸回転数Nin0が検出される。入力軸回転数Nin0が検出されると、異常判定部110に対応するS70が実行される。
異常判定部110に対応するS70では、入力軸回転数Ninに対する入力軸回転数Nin0の変化量に基づいて、エンジン吹きによるショックなどの異常が発生したか否かを判定する。入力軸30の回転数の変化量に基づく異常が発生していない場合には、本ルーチンは終了させられる。入力軸30の回転数の変化量に基づく異常が発生した場合には、異常検出部112に対応するS80が実行される。
異常検出部112に対応するS80では、S70の判定結果に基づき、リニアソレノイドバルブSC1が異常であることを検出する。その後、本ルーチンは終了させられる。
このように、本実施例によれば、ブレーキB2は、リニアソレノイドバルブSL6から係合油圧が供給されて作動(前進)し前記摩擦板に係合するインナピストン60と、リニアソレノイドバルブSC1から係合油圧が供給されて作動(前進)し前記摩擦板に係合するアウタピストン62とを有している。また、電子制御装置56は、所定数の油圧ピストンに係合油圧をそれぞれ供給する所定数のソレノイドバルブの異常を検出する異常検出部112と、インナピストン60およびアウタピストン62がそれぞれ作動(前進)し前記摩擦板に係合するようにリニアソレノイドバルブSL6およびリニアソレノイドバルブSC1にそれぞれ係合指令が出されているか否かを判定する係合指令判定部104と、を備えている。さらに、車速Vが予め設定された所定値である設定車速Va以下且つブレーキB2の分担トルクTb2が予め設定された所定値である設定トルクTa以下であり、係合指令判定部104によってアウタピストン62が作動(前進)し前記摩擦板に係合するようにリニアソレノイドバルブSC1に係合指令が出されていると判定された場合に、インナピストン60に供給される係合油圧が所定の油圧値以下の略0になるように制御された後に、入力軸30の回転数の変化量に基づいて、異常判定部110が異常の発生を判定して、異常検出部112がリニアソレノイドバルブSC1の異常を検出する。これにより、ブレーキB2の摩擦係数やインナピストン60およびアウタピストン62の受圧面積などの要因によってリニアソレノイドバルブSC1の故障による異常の検出可能領域が変化されることなく、車速Vが予め設定された設定車速Va以下且つブレーキB2の分担トルクTb2が予め設定された設定トルクTa以下であってもリニアソレノイドバルブSC1の故障による異常を検出することができる。これにより、ブレーキB2の耐久力の低下が回避される。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例においては、ダブルピストン構造のブレーキB2において、アウタピストン62に係合油圧を供給するリニアソレノイドバルブSC1の故障による異常を検出していたが、必ずしもこれに限らず、ダブルピストン構造のブレーキB2において、インナピストン60に係合油圧を供給するリニアソレノイドバルブSL6の故障による異常を検出するものであってもよい。たとえば、車速Vが予め設定された設定車速Va以下且つブレーキB2の分担トルクTb2が予め設定された設定トルクTa以下であって、インナピストン60の係合指令がリニアソレノイドバルブSL6に出力されていると係合指令判定部104で判定されている場合に、リニアソレノイドバルブSC1への油圧指示値を略0に油圧制御部106で制御することにより異常判定部110で異常が発生していると判定されると異常検出部112でリニアソレノイドバルブSL6の異常を検出するものであってもよい。
また、前述の実施例においては、入力軸回転数Nin0を検出した後に異常判定部110でリニアソレノイドバルブSC1の異常を判定していたが、必ずしもこれに限らず、たとえば入力軸回転数Nin0を検出せず、油圧制御部106によるリニアソレノイドバルブSL6への油圧指示値を略0に制御したことによるエンジン吹きなどのショックから異常判定部110でリニアソレノイドバルブSC1の異常を判定するものであってもよい。
なお、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン(駆動力源)
22:車両用自動変速機
30:入力軸
32:出力軸
60:インナピストン(第2油圧ピストン)
62:アウタピストン(第1油圧ピストン)
104:係合指令判定部
112:異常検出部
SL6:リニアソレノイドバルブ(第2ソレノイドバルブ)
SC1:リニアソレノイドバルブ(第1ソレノイドバルブ)
C1−C4:クラッチ(油圧式摩擦係合装置)
B1、B2:ブレーキ(油圧式摩擦係合装置)
V:車速
Ta:分担トルク

Claims (1)

  1. 複数のソレノイドバルブから係合油圧がそれぞれ供給される複数の油圧式摩擦係合装置を有し、駆動力源からのトルクを受ける入力軸と駆動輪に前記トルクを伝達する出力軸との間で複数の変速段を選択的に成立させ、前記複数の油圧式摩擦係合装置のうちの所定の油圧式摩擦係合装置は、前記複数のソレノイドバルブのうちの第1ソレノイドバルブから係合油圧が供給されて作動する第1油圧ピストンと、第2ソレノイドバルブから係合油圧が供給されて作動する第2油圧ピストンとを有する車両用自動変速機の、制御装置であって、
    所定数の油圧ピストンに係合油圧をそれぞれ供給する所定数のソレノイドバルブの異常を検出する異常検出部と、
    前記第1油圧ピストンおよび前記第2油圧ピストンがそれぞれ作動するように前記第1ソレノイドバルブおよび前記第2ソレノイドバルブにそれぞれ係合指令が出されているか否かを判定する係合指令判定部と、を備え、
    車速が予め設定された所定値以下且つ前記所定の油圧式摩擦係合装置の分担トルクが予め設定された設定トルク以下であり、前記係合指令判定部によって前記第1油圧ピストンが作動するように前記第1ソレノイドバルブに係合指令が出されていると判定された場合に、前記第2油圧ピストンに供給される係合油圧が所定の油圧値以下になるように制御された後に、前記入力軸の回転数の変化量に基づいて、前記異常検出部が前記第1ソレノイドバルブの異常を検出し、
    前記設定トルクは、前記第1油圧ピストンのみが作動したときに確保される第1トルク容量および前記第2油圧ピストンのみが作動したときに確保される第2トルク容量のうちの小さいトルク容量以下に設定されていることを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
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