JP6101085B2 - 周縁部に迷彩用ストリップを備えるカツラベース。 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪が植設されることでカツラを構成するカツラベースであって、その周縁部に迷彩効果を与えるストリップを備えたカツラベースに関する。
カツラは、一般的に装着者頭部の残毛状態に合わせた大きさで作製される。そのため、カツラを装着した時に頭部とカツラ周縁部との境界が目立つので、これを防止する迷彩効果を施すことが行われている。
例えば、特許文献1(実開昭62−114018号)では、ネット部材で構成されるカツラベースの前頭部領域をギザギザの凹凸状に構成することが開示されている。この構成によれば、カツラベースと頭部との境目における迷彩効果は期待できるが、ギザギザの凹凸状に加工されたネット部材のほつれが起こり易いという欠点がある。
また、特許文献2(実開昭63−98329号)では、ナイロンのモノフィラメントで構成されるネット部材を、幅10〜30mmを有する細長いストリップ状に切り取り、これを2つ折りにしてカツラベースの全周に溶着することが開示されている。
この構成も、カツラベースと頭部との境目の迷彩効果は期待できるが、次のような問題が残る。すなわち、2つ折りにしたネット部材が溶着によってカツラベース周縁部表面に固定されるが故に、当該周縁部だけが硬質で厚く形成されることとなり、その結果、当該周縁部がめくれ上がり易くなる。
一方、カツラベースがネット素材で構成されている場合、カツラを所定の大きさ及び形状に切断した際に、ネットを編成しているフィラメントのほつれが発生し易くなり、この状態でカツラを装着すると、カツラベース周縁部の外観が著しく低下する。これを防止するためには、カツラベース周端部に対して、ほつれ止めなどの処理を施す必要がある。
そのため、特許文献3(特開2008−144306号)では、カツラベースの外周を覆うようにネット周縁部を形成することが開示されている。しかしながら、特許文献3では、「ネット周縁端部」と名称が記載されているだけで、その詳細な構成については何ら触れられていない。
実開昭62−114018号公報 実開昭63−98329号公報 特開2008−144306号公報
カツラベースがネット素材で構成される場合、当該カツラベースの周縁部の処理に関して、頭部とカツラ周縁部との境目に迷彩効果を与えること、およびカツラベース周縁部のほつれ防止が重要となる。上述の通り、その両方について十分満足な効果が得られる構成は、これまで存在していない。
本発明はこれら従来技術における問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、ネット素材で構成されるカツラベースについて、上記「迷彩効果」および「ほつれ防止」の両方を有効に実現できる構成を提供することにある。
本発明により、以下の特徴を備えたカツラベースが提供される。
すなわち、毛髪が植設されることでカツラを構成するカツラベースであって、当該カツラベースは外周縁の少なくとも一部がネット素材から構成されていて、当該ネット素材からなる外周縁の少なくとも一部に対して、ネット素材からなるストリップ材が取り付けられている。
当該ストリップ材は、折畳みラインに沿って2つに折り畳んだ上で、その両サイド端縁をさらに内側に折り返してなる4重構造とされていて、上記カツラベースの外周縁を挟み込むようにして当該外周縁に取り付けられている。
そして、上記折畳みラインとカツラベースの外周縁との間に第1隙間を設けている。
本発明において、「ネット素材」とは、何らかの網目状構造を有するものをいい、網目の粗さや材質等については、適宜のものを採用することができる。
上記構成を備えた本発明のカツラベースによれば、第1隙間が存在するが故に、カツラベースの周縁部が外部からは殆ど視認することができず、その結果、頭部との境目における迷彩効果が非常に高いものとなる。さらに、カツラベース周縁部が頭部に直接触れることが無くなるので、ほつれも有効に防止できる。
このように、本発明によれば、ネット素材で構成されるカツラベースについて、「迷彩効果」および「ほつれ防止」の両方を有効に実現することができる。
なお、本発明においては、ストリップ材の折畳みラインと両サイド端縁との間に、第1隙間よりも大きい第2隙間を設けることが好ましく、それにより、カツラ周縁部における迷彩効果をさらに高めることができる。
本発明の一実施形態に係るカツラベース10を説明する概略図。 図2(a)は、図1中の2a−2a線断面図である。図2(b)は、ストリップ材20の折畳み態様を説明する図である。
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカツラベース10を説明する概略図である。カツラベース10に対して、人工または天然の毛髪15が植設されてカツラを構成し、これが使用者の頭部に着用される。
図1では、毛髪15を一部しか示していないが、カツラベース10の全体に渡って、適宜毛髪15が植設される。また、後述するストリップ20に対しても毛髪を植設してもよい。
本発明においては、カツラベース10をネット素材で構成しており、その周縁部10aにおける迷彩効果の付与、およびほつれ防止を目的として、ストリップ材20を設ける。ストリップ材20もネット素材から構成される。図1において、ストリップ材20はその一部のみを実線で示しているが、破線で示しているようにカツラベースの全周に渡ってストリップ部材20を設けてもよいし、特定の箇所においてのみストリップ材20を設けてもよい。
図2(a)は、図1中の2a−2a線断面図であり、カツラベース周縁部10aおよびストリップ材20の詳細を拡大して示している。図2(b)は、ストリップ材20を部分的に示しており、その折畳み態様を説明するものである。
ストリップ材20は、所定長の細長い短冊状に切断したものを、まず中央の折畳みライン21に沿って2つ折りにし、次に、破線a、bで示した箇所に沿って両サイド端縁23a、23bをさらに内側に折り返し、この状態で、カツラベース10の周縁部10aを挟み込むようにして、当該周縁部10aに取り付ける。
周縁部10aに対するストリップ材20の取り付けは、図2(a)中に破線Cで示した位置において縫着することが好ましい。
図2(a)に示しているように、「カツラベースの周縁部10a」と「ストリップ材の折畳みライン21」との間に第1隙間Xを設けている。第1隙間Xを設けると、そのような隙間が無い場合と比較して、カツラベースの周縁部10aのラインが外部からは殆ど視認することができず、その結果、頭部との境目における迷彩効果が非常に高いものとなる。
さらに、カツラベース周縁部10aが頭部に直接触れることが無くなるので、ほつれも有効に防止できる。
さらに、ストリップ材20は、図2(a)に示したように、4重構造となっているが故に、強固で耐久性が高い。しかも、カツラベース10の表面側と裏面側において等しく2枚のネット素材が重なるが故に、カツラ周縁部に歪みが生じることがなく、めくれ上がりも生じ難くなる。
特に、縫着によりストリップ材20を周縁部10aに固定した場合には、「当該ストリップ20を溶着で固定した従来例(特許文献2等)のように、溶着部だけが硬質となってめくれ上がる」といった不都合も生じない。
本発明においては、図2(a)に示しているように、ストリップ材の折畳みライン21と両サイド端縁23a、23bとの間に、第1隙間Xよりも大きい第2隙間Yを設けることが好ましい。このような構成を採用すると、図2(a)において、4重構造部分から折畳みライン21に向かうにつれて徐々に先細りとなる断面構造が得られ、これにより、周縁部における迷彩効果をさらに高めることができる。
なお、第1隙間Xおよび第2隙間Yにおける「第1」および「第2」という表現は、単に両者を区別する意味で用いているだけである。
≪他の構成≫
図面を参照して説明した実施形態では、カツラベース10は全頭タイプのものであったが、本発明においては、カツラベースの大きさは、特定のものに限定されることはなく、部分カツラ用のカツラベースであってもよい。
また、カツラベースはその全領域がネット素材で構成されている必要はなく、少なくともカツラベース外周縁の一部領域がネット素材で構成されていれば、本発明を適用可能である。さらに、そのようなネット素材で構成される一部領域に対して、そのさらにその一部に対してのみ上記ストリップ材20を取り付けることとしてもよい。
10 カツラベース
10a カツラベースの周縁部
15 毛髪
20 ストリップ材
21 折畳みライン
23a、23b 両サイド端縁

Claims (1)

  1. 毛髪が植設されることでカツラを構成するカツラベース(10)であって、
    当該カツラベースは外周縁(10a)の少なくとも一部がネット素材から構成されていて、当該ネット素材からなる外周縁(10a)の少なくとも一部に対して、ネット素材からなるストリップ材(20)が取り付けられており、
    当該ストリップ材(20)は、折畳みライン(21)に沿って2つに折り畳んだ上で、その両サイド端縁(23a、23b)をさらに内側に折り返してなる4重構造とされていて、上記カツラベースの外周縁(10a)を挟み込むようにして当該外周縁(10a)に取り付けられており、
    上記折畳みライン(21)とカツラベースの外周縁(10a)との間に第1隙間(X)
    を設け、
    上記ストリップ材の折畳みライン(21)と両サイド端縁(23a、23b)との間に、上記第1隙間(X)よりも大きい第2隙間(Y)を設けることにより、
    上記4重構造部分から上記折畳みライン(21)に向かうにつれて徐々に先細りとなる断面構造を有することを特徴とする、カツラベース。
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