JP6231146B2 - かつら - Google Patents
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Description
これに対処するため、基布の前端縁を波形の形状にする代わりに、基布の裏面側に擬毛を植設して、その擬毛の先端部分がかつらの前端縁から外方へ突出するようにしたかつらが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このようなかつらを装着したとき、基布の裏面及び使用者の頭皮が密着するので、基布の裏面側に植設された擬毛は、基布の裏面及び頭皮の間に挟み込まれて固定される。よって、擬毛の動きが制限されるために自然な外観を得るのが困難であり、擬毛どうしも重なり合いにくいので、基布の前端縁が露見し易くなる。更に、擬毛が直接基布に植設されるので、玉状の結び目が基布の表面から露見する問題も生じる。以上のように、特許文献1に記載の発明では、かつらを装着していることが露見されるのを充分に防ぐことができない。
基布と、
前記基布の表面に植設された表の擬毛と、
前記基布の裏面に取り付けられた所定の厚みを有する裏毛用部材と、
前記裏毛用部材に植設された裏の擬毛と、
を備え、
前記表の擬毛が、前記基布の外周の少なくとも一部である外端縁の近傍領域に少なくとも植設され、
前記裏毛用部材の外側の端面が、前記基布の外端縁から離間した位置に配置され、
前記裏の擬毛が前記基布の外端縁から外側へ伸びている。
基布と、
前記基布の表面に植設された表の擬毛と、
前記基布の裏面に取り付けられた所定の厚みを有する裏毛用部材と、
前記裏毛用部材に植設された裏の擬毛と、
を備え、
前記表の擬毛が、前記基布の外周の少なくとも一部である外端縁の近傍領域に少なくとも植設され、
前記裏毛用部材の外側の端面が、前記基布の外端縁から離間した位置に配置され、
前記裏の擬毛が前記基布の外端縁から外側へ伸びている。
基布の外周の少なくとも一部である外端縁は、基布の全外周の場合もあり得るし、外周の一部、例えば、前頭部に対応する前端縁、後頭部に対応する後端縁、側頭部に対応する横端縁の場合もあり得る。基布の外端縁の位置に対応して、裏毛用部材の外側の端面も、全周における外端面、前端面、後端面、横端面の場合があり得る。
裏毛用部材の外側の端面が基布の外端縁から離間している距離は、常に一定の離間距離の場合もあり得るし、領域によって離間距離が変化する場合もあり得る。また、裏の擬毛は、裏毛用部材の外側の端面に植設されるだけでなく、装着時に頭皮と対面する裏毛用部材の裏面にも植設される場合がある。
更に、所定の厚みを有する裏毛用部材に裏の擬毛を植設するので、基布に直接擬毛を植設する場合のように、玉状の結び目が基布の表面から露見する問題も回避できる。
以上のような様々な効果により、本実施態様に係るかつらを用いれば、かつらを装着していることが露見しにくくなる。
前記基布の外端縁が前端縁であり、
前記裏毛用部材の外側の端面が前端面である。
前記基布の裏面において、前記基布の外端縁及び前記裏毛用部材の外側の端面の間の領域に擬毛が植設されていない。
裏面側からの平面視において、前記裏毛用部材の外側の端面が波状の形状を有する。
前記基布の外端縁が、一様な凸の曲線形状を有する。
上記のように裏の擬毛によって基布の外縁部が露見しにくくするとともに、本実施態様では、基布の外端縁が一様な凸の曲線形状を有するので、充分な耐久性を有し、ブラッシング時にかつらがめくり上がる問題も抑制できる。
前記裏毛用部材が所定の幅の帯状部材から形成されている。
(1つの実施形態に係るかつらの説明)
(断面形状)
はじめに、図1を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係るかつら2の主に断面形状及び構造を説明する。図1は、本発明の1つの実施形態に係るかつら2を模式的に示す側面断面図である。(a)は、かつら2を使用者が装着したところを示し、(b)は、かつら2の基布4の前端縁4a近傍及び裏毛用部材6の設置領域を拡大して示す。なお、図1(b)では、植設された擬毛の記載を省略して示してある。
なお、基布4は、ネット素材に加えて、合成樹脂材料や天然材料からなる織物やシート部材、人工皮革等を重ねることもでききる。
基布4及び裏毛用部材6を裏面側から見た平面形状は、例えば、図2に示すように、波形の形状を有する場合も、図3に示すように、基布4の前端縁4aに対して一様に凸な曲線形状を有する場合もあり得る。詳細は後述するが、図2に示すように波形の形状を有している場合には、Lの値は周期的に変化し、図3に示すように一様に凸な曲線の場合には、Lの値はほぼ一定になる。
図4(a)に示すように、裏の擬毛10が裏毛用部材6の前端面6aにだけ植設される場合もあり得るし、図4(b)に示すように、裏の擬毛10が裏毛用部材6の前端面6a及び装着時に頭皮と対面する裏面6bに植設される場合もあり得る。
特に、髪の毛を後ろ側に流すヘアスタイルの場合には、裏の擬毛10どうしの重なり合いにより、基布4の前端縁4aの露見を効果的に防止できる。一方、髪の毛を前に垂らすヘアスタイルの場合には、裏の擬毛10及び表の擬毛8の重なり合いにより、基布4の前端縁4aの露見を効果的に防止できる。
しかし、本実施形態では、厚みtを有する裏毛用部材6に裏の擬毛10を植設するので、基布4に直接擬毛を植設する場合のように、結び目(結び玉)10aが基布4の表面4bから露見する問題を回避できる。
以上のような様々な効果により、本実施形態に係るかつら2を用いれば、かつら2を装着していることが露見しにくくなる。
これにより、裏毛用部材6に植設された裏の擬毛10の移動を妨げることなく、より自然な外観を得ることができる。また、基布4に直接擬毛を植設していないので、結び目(結び玉)がかつら2の表面から露見する問題も回避できる。
これらを総合的に考慮すると、距離Lは、2〜12mmが好ましく、2〜8mmがより好ましい。
次に、図2を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係るかつらの主に平面形状を説明する。図2は、本発明に係るかつらの1つの平面形状を示すため、かつらを裏面側から見た模式的な平面図である。
はじめに、基布4の平面形状について説明する。基布4の全体形状は、部分かつらであるか全頭かつらであるか、またその用途に応じて、任意の平面形状を有することができる。
本実施形態では、基布4の前端縁4aが、一様な凸の曲線形状を有している。ここで、一様な凸の曲線形状とは、凹凸形状が切り替わる変曲点を有さない曲線形状を意味する。
次に、裏毛用部材6の1つの平面形状を説明すると、図2に示すように、裏毛用部材6が幅B(幅寸法の値がB)の帯状部材から形成されている。図2に示す裏毛用部材6の幅寸法Bの値は概ね同一あるが、波形状の凹凸に応じて、若干値が増減する場合もあり得る。幅Bの値として、2〜20mmを例示できるが、これに限られるものではない。基布4への充分な取り付け強度が得られ、充分な量の裏の擬毛10を植設できる幅寸法であれば、その他の任意の値を採用することができる。
帯状の裏毛用部材6を配置する範囲は、かつらの前頭部に対応する領域の場合もあり得るし、かつらの全周であってもよい。
図1に示す断面図に対応する平面形状は、図2に示す形状に限られず、図3に示すようなその他の平面形状も考えられる。図3は、本発明に係るかつらのその他の平面形状を示すため、かつらを裏面側から見た模式的な平面図である。次に、図3を参照しながら、裏毛用部材6のその他の平面形状を説明する
図2及び図3に示す平面形状では、裏毛用部材6が帯状部材から形成されているが、これに限られるものではない。基布4の前端縁4a及び裏毛用部材6の前端面6aの間の領域を除いて、基布4及び裏毛用部材6が全て重なり合っている場合もあり得るし、基布4及び裏毛用部材6が重なっている領域と基布4だけの領域とが混在する場合もあり得る。
上述の実施形態では、裏毛用部材6の前端面6aが基布4の前端縁4aから離間して配置されており、かつらの前頭部に対応する領域において、基布4の前端縁4aが露見するのを防いでいる。しかし、かつらの前頭部だけでなく、後頭部、側頭部をはじめとするその他の領域、または全周領域において、裏毛用部材の外側の端面が基布の外端縁から離間して配置されるようにすることもできる。
次に、図1及び図2に示す実施形態に基づき、実際に製造したかつらの実施例について、図5から図7を参照しながら説明する。図5は、かつらの一実施例の外形を裏面側から示す図(写真)であり、図6は、図5に示す実施例において、基布の前端縁近傍を拡大して示す図(写真)であり、図7は、図6に示す基布の前端縁近傍について、裏面側の斜め上方から示す図(写真)である。
図6及び図7から、裏毛用部材の厚みにより、基布の前端縁及び裏毛用部材の前端面の間に、裏の擬毛が自由に移動できる空間が形成されるのが明らかである。
4 基布
4a 前端縁
4b 表面
4c 裏面
6 裏毛用部材
6a 前端面
6b 裏面
8 表の擬毛
8a 結び目(結び玉)
10 裏の擬毛
10a 結び目(結び玉)
20 かつらベース
30 頭皮
A 基布の裏面と使用者の頭皮との間の空間
t 裏毛用部材の厚み
L 基布の前端縁及び裏毛用部材の前端面の間の距離
B 裏毛用部材の幅
Claims (5)
- 基布と、
前記基布の表面に植設された表の擬毛と、
前記基布の裏面に取り付けられた所定の厚みを有する裏毛用部材と、
前記裏毛用部材に植設された裏の擬毛と、
を備え、
前記表の擬毛が、前記基布の外周の少なくとも一部である外端縁の近傍領域に少なくとも植設され、
前記裏毛用部材の外側の端面が、前記基布の外端縁から離間した位置に配置され、
前記裏の擬毛が前記基布の外端縁から外側へ伸びており、
裏面側からの平面視において、前記裏毛用部材の外側の端面が波状の形状を有することを特徴とするかつら。
- 前記基布の外端縁が前端縁であり、
前記裏毛用部材の外側の端面が前端面であることを特徴とする請求項1に記載のかつら。
- 前記基布の裏面において、前記基布の外端縁及び前記裏毛用部材の外側の端面の間の領域に擬毛が植設されていないことを特徴とする請求項1または2に記載のかつら。
- 前記基布の外端縁が、一様な凸の曲線形状を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のかつら。
- 前記裏毛用部材が所定の幅の帯状部材から形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のかつら。
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