JP5778310B2 - かつら - Google Patents

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Description

本発明は、人の頭部の全体又は一部に装着されるかつらに関する。
従来、かつらを人の頭部に取り付ける際に用いる手法としては、かつらの底面を人の頭部に接着する手法、かつらに人の自毛を結びつける手法、かつら取付け具を用いる手法等が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
上記特許文献1には、かつらの周縁に沿って設けられた固定用糸に自毛を結び付け、その結び目を光硬化性樹脂により固定する手法が記載されている。
特開2010−53489号公報 特表2009−541605号公報 実開平2−10424号公報 特許第3950485号公報
上記特許文献1記載の手法では、例えばカギ針により固定用糸を引っ掛けて弛ませる必要があるため、弛み具合がかつらの位置ごと或いは施術者ごとにばらつく。これにより、弛ませた固定用糸のループから引き出される自毛の量もばらつく。また、固定用糸を弛ませた状態で自毛の引き出しや結着を行う作業は容易なものではない。
したがって、固定用糸を弛ませる作業は、熟練を要すると共に、かつらの取り付け作業を手間のかかるものにしていた。
本発明の課題は、かつらの取り付け作業性を向上させることができるかつらを提供することである。
本発明のかつらは、人工毛髪又は人毛が植毛されるかつらベースと、このかつらベースの周縁に配置された形状保持性の線状部材と、を備え、上記線状部材は、上記かつらベースの上記周縁からループ状に突出する凸部を有し、上記かつらベースの上記周縁に沿った上記凸部の幅は、上記かつらベースの上記周縁からの上記凸部の突出長さよりも長い構成とする。
好ましくは、上記凸部は、上記かつらベースの上記周縁から人の頭皮に沿った方向にループ状に突出する構成とする。
好ましくは、上記凸部は、上記かつらベースの上記周縁から略矩形又は略台形のループ状に突出する構成とする。
好ましくは、上記線状部材は、互いに間隔を隔てて位置する複数の上記凸部を有する構成とする。
好ましくは、上記線状部材の上記凸部及びこの凸部のループ内から引き出された自毛のうち少なくとも一方に固定される毛束ユニットを更に備える構成とする。
好ましくは、上記毛束ユニットは、毛束と、この毛束が固定されるシート状のベース部と、を有し、上記ベース部は、上記凸部のループ内から引き出された上記自毛及び引き出されていない自毛を挟み込むように配置される構成とする。
好ましくは、上記ベース部は、上記凸部並びにこの凸部のループ内から引き出された上記自毛及び引き出されていない上記自毛を挟み込むように配置される構成とする。
好ましくは、上記毛束ユニットは、毛束と、この毛束が固定されるシート状のベース部と、を有し、上記ベース部は、上記凸部及びこの凸部のループ内から引き出された上記自毛を挟み込むように配置される構成とする。
本発明によれば、かつらの取り付け作業性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係るかつら(頭部への装着前)を示す平面図である。 本発明の一実施の形態に係るかつらの毛束ユニットを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るかつらの取り付けに用いられる自毛引き出し用針を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るかつらの取り付けを説明するための説明図(その1)である。 本発明の一実施の形態に係るかつらの取り付けを説明するための説明図(その2)である。 本発明の一実施の形態に係るかつらの取り付けを説明するための説明図(その3)である。 本発明の一実施の形態に係るかつらの取り付けを説明するための説明図(その4)である。 本発明の一実施の形態に係るかつらの取り付けを説明するための説明図(その5)である。
以下、本発明の実施の形態に係るかつらについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るかつら1(頭部への装着前)を示す平面図である。
図1に示すかつら1は、図示しない人工毛髪又は人毛(以下、これらを「毛髪」と記す。)が植毛されるかつらベース10と、このかつらベース10の周縁11に配置された形状保持性の線状部材20と、を備える。
かつらベース10は、例えば網状に形成されている。かつらベース10の周縁11は、例えば、1回以上底面側に折り返されてその折り返し部分をミシン等で縫着されることにより2重以上に形成されている。
なお、かつらベース10は、必ずしも周縁11が2重以上に形成されている必要はない。また、かつらベース10は、毛髪が植毛されるものであれば、形状、材料などは特に限定されない。例えば、かつらベース10は、分け目部若しくは生え際などの一部又は全部が人工皮膚からなるものでもよい。
線状部材20は、例えば、金属、プラスチックなどの塑性変形可能な材料からなる。本実施の形態では、かつら1は、線状部材20を1本のみ備える。線状部材20は、かつらベース10の周縁11に沿って、前頭部を除いた部分、即ち、左右の側頭部及び後頭部に亘って配置されている。
線状部材20は、かつらベース10の周縁11からループ状に突出する凸部21を有する。本実施の形態では、線状部材20は、互いに間隔を隔てて位置する5つ(複数)の凸部21を有する。なお、それぞれ1つ以上の凸部21を有する2つ以上の線状部材20をかつら1が備えるようにしてもよい。
凸部21は、かつらベース10の周縁11から人の頭皮(頭部表面)に沿った方向に略矩形又は略台形のループ状に突出している。なお、凸部21を台形のループ状にする場合、かつらベース10の周縁側が幅広で、突出した先端が幅狭とするのがより望ましい。
かつらベース10の周縁11に沿った凸部21の幅(L1)は、かつらベース10の周縁11からの凸部21の突出長さ(L2)よりも長い。本実施の形態の凸部21の幅(L1)は30mmであり、凸部21の突出長さ(L2)は3mmであるが、これらの大きさは特に限定されず、幅(L1)が突出長さ(L2)よりも長いことが望ましくはあるが、大小関係を逆としてもよい。
線状部材20のうち凸部21以外の部分は、かつらベース10の周縁11に縫着される凹部22(図1では周縁11の裏側(底面側)又は内部に位置するため点線で図示)である。なお、かつらベース10の周縁11とは、かつらベース10の外周端部のみならず、外周端部から例えば3cm以内の領域をいうものとする。
図2は、本実施の形態に係るかつら1の毛束ユニット30を示す斜視図である。
図2に示す毛束ユニット30は、毛束31と、この毛束31が固定されるシート状のベース部32と、を有する。ベース部32は、長手方向の中央で折り返され、折り返された両方に毛束31が固定されている。
毛束ユニット30は、線状部材20の凸部21、及び、この凸部21のループ内から引き出された自毛、の少なくとも一方に固定される。詳しくは後述するが、本実施の形態では、毛束ユニット30は、線状部材20の凸部21と、この凸部21のループ内から引き出された自毛との両方に、ベース部32において固定される。
毛束31は、複数本の毛髪がベース部32の長手方向に並んで配置され且つベース部32の長手方向と直交する方向に延びるように、ベース部32の折り返し後の外側の面に固定されている。
ベース部32は、例えばポリウレタンのシートからなり、細長い矩形のリボン状(帯状)を呈する。
図3は、本実施の形態に係るかつら1の取り付けに用いられる自毛引き出し用スティック100を示す斜視図である。
図3に示す自毛引き出し用スティック100は、略円柱状の把持部101と、この把持部101が設けられた基端部102と、この基端部102の先端で屈曲した屈曲部103と、この屈曲部103の先端で屈曲する、自毛を引き出すための直線部104と、この直線部104の先端に設けられたカギ部105と、を備える。基端部102、屈曲部103、直線部104及びカギ部105は、例えば、金属材料から一体に形成されている。
直線部104は、線状部材20の凸部21のループに挿抜されるため、線状部材20に平行か或いはそれに近い傾きで挿抜される場合には、凸部21の上記幅(L1)よりも小さいか或いは同程度の長さとするとよい。
なお、自毛引き出し用スティック100の形状は好ましい一例であって、自毛を引き出すことができるものであれば代用可能である。また、自毛を作業者がつまむ手法を採用する場合には、自毛引き出し用スティック100を省略することも可能である。
図4A〜図4Eは、本実施の形態に係るかつら1の取り付けを説明するための説明図である。
まず、図1に示すかつら1を装着者の頭部に載せる。
そして、図4Aに示す装着者の自毛201を、図4Bに示すように自毛引き出し用スティック100の直線部104によりすくい上げる。具体的には、凸部21のループ内に自毛引き出し用スティック100の直線部104を外側から挿入して、自毛201を直線部104によりすくい上げる。
これにより、図4Cに示すように、自毛201は、凸部21のループの内側から外側に引き出される。
次に、図4Cに示す引き出された自毛201、及び、この自毛201の内側に位置する自毛(引き出されていない自毛)202を、図4Dに示すように、毛束ユニット30のベース部32の折り返し部分の両側で挟み込む。なお、図4Dでは、毛束ユニット30をベース部32のみ図示し、毛束31の図示は省略している。
そして、ベース部32の折り返し部分の両側で、例えば、両面テープ、接着剤、或いは、エネルギー硬化性樹脂により、凸部21及び自毛201,202を挟み込むように固定することにより、図4Eに示すように、かつら1が凸部21において自毛201,202に固定される。
なお、ベース部32が凸部21及び引き出された自毛201のみを挟み込むように配置され、ベース部32が引き出されていない自毛202を挟み込まない構成としてもよいが、引き出されていない自毛202をもベース部32により挟み込むことで、より強固にかつら1を固定することができる。
また、本実施の形態では、ベース部32が、凸部21及び自毛201,202を挟み込むが、凸部21よりも引き出された自毛201の先端側で自毛201,202のみを挟み込むようにしてもよい。
上述の作業を、例えば、装着者の左右の側頭部側の凸部21から後頭部側の凸部21へ順に行うことにより、かつら1が装着者の頭部に強固に固定される。なお、かつら1を装着者の頭部から取り外す場合には、溶剤で固定部分を溶かすなどすればよい。
以上説明した本実施の形態では、かつらベース10の周縁11に配置された形状保持性の線状部材20は、周縁11からループ状に突出する凸部21を有する。そのため、凸部21の形状は一定となり、凸部21のループの大きさが意図せずにばらつくのが抑えられる。これにより、例えば凸部21のループ内から自毛201を引き出す場合には、引き出す自毛201の量が一定となり、凸部21ごと或いは施術者ごとに装着具合に差が出るのを防止することができる。また、凸部21の形状を維持するために凸部21を作業者の指などで押さえたまま、例えは、凸部21のループ内からの自毛201の引き出しや凸部21への毛束ユニット30の固定などを行う必要がなくなる。
よって、本実施の形態によれば、かつら1の取り付け作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、凸部21は、周縁11から人の頭皮に沿った方向にループ状に突出する。そのため、凸部21がかさ張るのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、凸部21は、周縁11から略矩形又は略台形のループ状に突出する。そのため、自毛201の引き出しが容易となり、より一層、かつら1の取り付け作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、かつらベース10の周縁11に沿った凸部21の幅(L1)は、かつらベース10の周縁11からの凸部21の突出長さ(L2)よりも長い。そのため、凸部21を目立たせずに、かつら1の取り付け作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、線状部材20は、互いに間隔を隔てて位置する複数の凸部21を有する。そのため、単一の凸部21を備える線状部材20を複数本配置する場合に比較して、線状部材20が回転するのを防ぐことができると共に部品点数を減らすことができる。したがって、より一層、かつら1の取り付け作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、毛束ユニット30は、線状部材20の凸部21及びこの凸部21のループ内から引き出された自毛201のうち少なくとも一方(本実施の形態では両方)に固定される。そのため、毛束ユニット30によりかつら1の外観を自然にすることができる。
また、本実施の形態では、毛束ユニット30は、毛束31と、この毛束31が固定されるシート状のベース部32と、を有する。また、ベース部32は、凸部21のループ内から引き出された自毛201及び引き出されていない自毛202を挟み込むように配置される。そのため、シート状のベース部32によって、毛束ユニット30を目立たなくすることができると共に、かつら1を自毛201,202に強固に固定することができる。
また、本実施の形態では、ベース部32は、凸部21及び自毛201,202を挟み込むように配置される。そのため、かつら1を自毛201,202により強固に固定することができる。
なお、ベース部32が、引き出されていない自毛202を挟み込まず、凸部21及び引き出された自毛201のみを挟み込むように配置することでも、かつら1を自毛201に強固に固定することができる。
また、本実施の形態では、かつら1に毛束ユニット30を配置するが、毛束ユニット30を省略して、例えば、自毛201,202を凸部21に結び付けるか、或いは、自毛201,202と凸部21とを接着その他の固着手段により固定してもよい。
また、本実施の形態では、線状部材20の凸部21は、かつらベース10の周縁11から略矩形又は略台形のループ状に突出するが、円形その他のループ状に突出するようにしてもよい。
1 かつら
10 かつらベース
11 周縁
20 線状部材
21 凸部
22 凹部
30 毛束ユニット
31 毛束
32 ベース部
100 自毛引き出し用スティック
101 把持部
102 基端部
103 屈曲部
104 直線部
105 カギ部
201,202 自毛

Claims (8)

  1. 人工毛髪又は人毛が植毛されるかつらベースと、
    前記かつらベースの周縁に配置された形状保持性の線状部材と、
    を備え、
    前記線状部材は、前記かつらベースの前記周縁からループ状に突出する凸部を有し、
    前記凸部は、前記かつらベースの前記周縁から略矩形又は略台形のループ状に突出する、
    ことを特徴とするかつら。
  2. 前記凸部は、前記かつらベースの前記周縁から人の頭皮に沿った方向にループ状に突出することを特徴とする請求項1記載のかつら。
  3. 前記かつらベースの前記周縁に沿った前記凸部の幅は、前記かつらベースの前記周縁からの前記凸部の突出長さよりも長いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のかつら。
  4. 前記線状部材は、互いに間隔を隔てて位置する複数の前記凸部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載のかつら。
  5. 前記線状部材の前記凸部及び該凸部のループ内から引き出された自毛のうち少なくとも一方に固定される毛束ユニットを更に備えることを特徴とする請求項記載のかつら。
  6. 前記毛束ユニットは、毛束と、該毛束が固定されるシート状のベース部と、を有し、
    前記ベース部は、前記凸部のループ内から引き出された前記自毛及び引き出されていない自毛を挟み込むように配置される、
    ことを特徴とする請求項5記載のかつら。
  7. 前記ベース部は、前記凸部並びに該凸部のループ内から引き出された前記自毛及び引き出されていない前記自毛を挟み込むように配置されることを特徴とする請求項6記載のかつら。
  8. 前記毛束ユニットは、毛束と、該毛束が固定されるシート状のベース部と、を有し、
    前記ベース部は、前記凸部及び該凸部のループ内から引き出された前記自毛を挟み込むように配置される、
    ことを特徴とする請求項5記載のかつら。
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