JP6100822B2 - プロカルシトニンの検出のためのイムノアッセイ - Google Patents

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Description

本発明は、臨床診断の分野である。特に本発明は、対象の体液由来のサンプル中のプロカルシトニン(PCT)のレベルの測定に関する。
プロカルシトニン(PCT)は、局所、及び全身性細菌感染、すなわち敗血症の存在、及び重症度を反映するバイオマーカーとして知られている(AssicotらによるLancet 1993;341:515-8;Mullerらによる、Crit Care Med 2000;28:977-83.;HarbarthらによるAm J Respir Crit Care Med 2001;164:396-402;BeckerらによるCrit Care Med 2008;36:941-52;BeckerらによるJ Clin Endocrinol Metab 2004;89:1512−52;NobreらによるAm J Respir Crit Care Med 2008;177:498- 505;Christ-CrainらによるLancet 2004;363:600-7;StolzらによるChest 2007;131:9-19;Christ-CrainらによるAm J Respir Crit Care Med 2006;174:84-93;BrielらによるArch Intern Med 2008;168:2000-7;discussion 7-8)。
抗原特異的抗体は、イムノアッセイの開発のための重要な手段である。PCT由来のペプチドに対するいくつかの抗体は記述されており、それはPCTを検出するためのイムノアッセイに用いられているが、しかし天然のPCTを検出するサンドイッチイムノアッセイにおける、それらの使用はごくわずかしか試されていない(表1)。PCTのカルシトニン-及びカタカルシン部分に対する抗体を用いるサンドイッチイムノアッセイは、日常的にヒトサンプル中のPCTを測定するために開発されている。
上昇したPCT濃度に関連する症状(甲状腺髄様癌をのぞく)、特に細菌感染、及び敗血症に関して、患者の血液循環中に、全長のPCT(約13 kDa)だけでなく、PCT由来の断片も存在すると考えられている。特に、PCTのカルシトニン部分からすぐ上流でのタンパク質分解的切断が起こると議論されており(MullerらによるCrit Care Med 2000;28:977-83.;WhangらによるJ Clin Endocrinol Metab 1998;83:3296-301)、それは二つの断片を導き得る(それぞれ約. 13 kDa)。しかしながら、これについての実験的証拠は薄い:循環するPCTが、PCTのカルシトニン部分に対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、敗血症患者から単離され、そしてPCT3-116が主に循環しているPCT種であると結論付けられている(WeglohnerらによるPeptides 2001;22:2099-103.)。しかしながら、この分析では、いくつかの選択ステップが行われ、すなわち、カルシトシンを含むエピトープを有するペプチドのみが精製され、後続の逆相HPLCからの全ての関連のある断片が分析されたとは限らない。PCTのためのイムノアッセイはまた、PCT断片化の問題を解決するために好適ではない。なぜなら、単一の抗体を含む競争的アッセイが(Whangらによる、J Clin Endocrinol Metab 1998;83:3296-301)、又はPCTのC末端側半分の中でお互いに接近して位置するエピトープを有する二つの抗体を含むが、PCTの広い部分を網羅しない、サンドイッチイムノアッセイのいずれかが用いられた(Morgenthalerらによる、Clin Chem 2002;48:788-90)からである。
PCTの極めてN末端に対する抗体は、完全なN末端を有する敗血症患者のPCT種のサンプルを検出するためのサンドイッチアッセイにおいて、PCTのカタカルシン部分に対する抗体と共に用いられる(DE 10 2007 009 751)。N末端の完全なPCT種は、インビボ反応速度論において、PCTのカルシトニン-及びカタカルシン部分に対する抗体を用いるサンドイッチイムノアッセイで検出されるPCT免疫反応性と異なることが分かった。さらに、これらのN末端の完全なPCT種は、PCTのカルシトニン-及びカタカルシン部分に対する抗体を用いたサンドイッチイムノアッセイを用いて検出されるPCT免疫反応性のたったの約10〜20%を占めることが分かった。しかしながら、PCTの極めてN末端側とカルシトニン部分の間のどの部位(複数)で、タンパク質分解的切断が、起こるかは不明であり、それは観察された検体の異なる濃度を導く。PCT3-116導かれるDPP IVの作用により、PCT1-116はN末端的で切断されると仮定される一方で(Weglohnerらによる、Peptides 2001;22:2099-103.;Wrengerらによる、FEBS Lett 2000;466:155-9)、さらには又はあるいはPCT1-116が、分子の中央の他の場所で切断され得るかは不明である。
それゆえ、PCTの極めてN末端(すなわちPCT1−116の1番)を含まず、PCTのカルシトシン部分よりおおよそ上流(正確には:53番より上流)にエピトープを有する抗体は、他のエピトープ、例えば53番より下流のエピトープ(例えばPCTのカルシトシン又はカタカルシン部分内のエピトープのように) を有する抗体とともに、PCTのカルシトニン部分中にエピトープを有する抗体、及び例えば、PCTのカタカルシン部分内にエピトープを有する抗体のように、その下流にエピトープを有する抗体を用いたサンドイッチイムノアッセイと同等に、患者サンプル中の天然のPCTを検出するためのサンドイッチイムノアッセイに用いられ得るかどうかは不明である。そのようなサンドイッチイムノアッセイは、検体として組み換え体PCTを用いて近頃記述されるが、しかし患者サンプルからの天然のPCTの回収は評価されておらず、PCT断片化の潜在的な問題は、我々の思案についてさらに議論さえされていない(Kramer et alらによるAnal Bioanal Chem 2008;392:727-36)。
本発明は、プロカルシトニンの2〜52番のアミノ酸に含まれるエピトープに対する抗体が、PCTは分子の中央で切断されないので、サンドイッチイムノアッセイを用いたPCTの測定に好適であるという、発明者らの驚くべき成果に部分的に基づく。
発明の説明
本発明は、PCTに対する抗体の新規の組み合わせに基づく、体液サンプル中のPCTレベルの測定のための改良された分析を提供する。
それゆえ、本発明は、対象から得られる体液由来の生物学的サンプル中のプロカルシトニン又は少なくとも20アミノ酸残基長のその断片の検出のためのインビトロ方法であって、以下のステップ:
a.前記サンプルと、プロカルシトニン内の異なるエピトープに対する少なくとも二つの抗体、又はその機能性断片とを接触させ、
b.プロカルシトニンに対する少なくとも二つの前記抗体又はその前記断片の結合、を定性的に又は定量的に検出すること、ここで、結合はサンプル中のプロカルシトニン又は前記断片の存在又は濃度を示す、
を含み、少なくとも1つの抗体又はその能性断片は、プロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する、方法に関する。
図1は、既存のアッセイ(A及びB:B-R-A-H-M-S PCT LIA及びB-R-A-H-M-S PCT sensitive LIA、それぞれ)と比較して用いられたアッセイ (C、D、及びE)の略図である。そのカルシトニン-及びカタカルシン部分とともにPCTが描かれ、それらのエピトープとともに抗体が示される。A及びB:1つの抗体が、カルシトニン部分に対するものであり、他方の抗体が、PCTのカタカルシン部分に対するものであり;C:1つの抗体が、PCTの21〜40のアミノ酸残基にまたがる配列のエピトープに対してであり、他方の抗体が、PCTのカタカルシン部分に対するものであるアッセイ。D,E:1つの抗体が、PCTの21〜40のアミノ酸残基にまたがる配列のエピトープに対してであり、他方の抗体が、PCTのカルシトニン部分に対するものであるアッセイ。 図2は、血清を含むサイズ分画PCTのPCT免疫反応性の結果である。画分は、アッセイAで測定され(図1で指定)、測定値は、それぞれの分画操作内でのそれぞれのアッセイの最大測定値に関連する。平均+標準誤差(SEM)を示す。 図3は、血清を含むサイズ分画PCTのPCT免疫反応性の結果である。画分はアッセイC及びDで測定され(それぞれパネルA及びB;図1で指定)、測定値は、それぞれの分画操作内でのそれぞれのアッセイの最大測定値に関連する。平均+標準誤差(SEM)を示す。 図4は、3つのPCTサンドイッチイムノアッセイの用量反応曲線である。本アッセイは、30分間(パネルA)又は2時間(パネルB)インキュベートした。PCT LIA及びPCT LIA sens.は、B R-A-H M S PCT LIA及びB-R-A-H-M S PCT sensitive LIAにそれぞれ対応する(図1でA及びBと指定される)。FXlG5/抗Calc.は、アッセイEを表す。 図5はプロカルシトニン(PCT)のアミノ酸配列(配列番号1)である。
本発明の関連において、プロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する抗体又はその機能性断片は、ポリクローナル又はモノクローナル抗体である。
本発明の関連において、プロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する抗体又はその機能性断片は、モノクローナル抗体であることが好ましい。
好ましくは、他の抗体又はその機能性断片は、プロカルシトニンの53〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する。
本発明の方法に用いられる少なくとも二つの抗体は、好ましくはそれぞれの他の抗体又は抗体(複数)のエピトープに対する顕著な交差反応性を(すなわち、>10%)示さない。プロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列中のエピトープに対する抗体は、このエピトープに特異的であり、それゆえプロカルシトニンの53〜116のアミノ酸残基にまたがる配列中のエピトープとの顕著な交差反応性を示さず、逆の場合も同じである。したがって、本発明の抗体は、PCT中のそれらのエピトープに特異的であり、他のエピトープ、とりわけ特にこのペプチド中で重なりのないエピトープとの顕著な交差反応性を示さない。
好ましくは本明細書において、プロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープは、プロカルシトニンの16〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープである。より好ましくは、プロカルシトニンの16〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープは、プロカルシトニンの21〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、プロカルシトニンの16〜35のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、及びプロカルシトニンの25〜37のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープからなる群から選択される。
プロカルシトニンの53〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープは、好ましくは、プロカルシトニンの96〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、又はプロカルシトニンの60〜91のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープである。
本発明の方法のある実施形態では、サンプル中のプロカルシトニン又はその断片の濃度は定量化される。
好ましくは、本発明による対象は、ヒト又はヒト以外の動物、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、対象はヒトである。
本発明の関連において、プロカルシトニンの53〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する抗体又はその断片は、ポリクローナル又はモノクローナル抗体である。好ましくは、プロカルシトニンの53〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する抗体又はその機能性断片は、モノクローナル抗体である。
抗体又はその機能性断片は、それはプロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対してであり、好ましくはIgG又はIgG由来である。同様に、抗体、又はその機能性断片は、プロカルシトニンの53〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する、好ましくはIgG又はIgG由来である。
本発明の方法の関連における体液は、好ましくは、血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、痰、及び胸水からなる群から選択される。
本発明の方法の好ましい実施形態では、少なくとも2つの抗体又はその機能性断片の少なくとも1つが、固体表面に固定化される。より好ましくは、少なくとも2つの抗体又はその機能性断片の1つが、固体表面に固定化される。少なくとも1つの他の抗体、又は抗体(複数)が、好ましくは化学発光又は蛍光色素の共有結合により標識されることが好ましい。
本方法のある実施形態では、プロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する抗体又はその機能性断片は、固体表面に固定化される。他の実施形態では、プロカルシトニンの53〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する抗体又は機能性断片は、固体表面に固定化される。
本発明はまた、プロカルシトニンの16〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する抗体又は機能性断片に関連する。
好ましくは、抗体又はその機能性断片は、プロカルシトニンの21〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、プロカルシトニンの16〜35のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、及びプロカルシトニンの27〜37のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープからなる群から選択されるエピトープに対する。抗体はモノクローナルであることが好ましい。
本発明の抗体は、好ましくは、遺伝子的免疫化によりつくられる。つまり、PCTに対するモノクローナル抗体は遺伝子的免疫化によりつくられ、例えば、CostagliolaらによるJ Immunol 1998;160:1458- 65に記載されている手順に主に従う。PCTコーディング配列は、標準的な手順によりベクターにクローン化することができる。動物、例えばマウスは、前記ベクターを注入される。注入は例えば3及び6週間後に繰り返される。動物は、例えば18週間後に屠殺される。屠殺された動物の脾臓細胞は、固定化された組み換えヒトPCTと結合する抗体を分泌する能力で選抜されたハイブリドーマ細胞株をつくるために、SP2/0ミエローマ細胞と融合される。
本発明によるプロカルシトニンの16〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対するモノクローナル抗体は、好ましくは、DSMZに受入番号DSM ACC2993又はDSM ACC2996又はDSM ACC2997として寄託されているハイブリドーマ細胞株により産生される。これらの細胞株は、本発明によるプロカルシトニンの16〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する特定のモノクローナル抗体を産生する。モノクローナル抗体FX7A7を産生するハイブリドーマ細胞株は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)に、2009年6月4日にDSM ACC2997の受入番号で寄託された。モノクローナル抗体FW5H6をつくるハイブリドーマ細胞株は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)に、2009年6月4日にDSM ACC2996の受入番号でとして寄託された。モノクローナル抗体FX1G5を産生するハイブリドーマ細胞株は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSMZ)に、2009年4月29日にDSM ACC2993の受入番号で寄託された。全てのハイブリドーマ細胞株は、本明細書の上記、及びより詳細には実施例1に記載された原理によって作製される。
さらなる態様では、本発明は少なくとも以下:
a.プロカルシトニンの2〜52のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する第一抗体又はその機能性断片、及び
b. プロカルシトニンの53−116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する第二抗体又はその機能性断片
を含むキットに関する。
好ましくは、キットの第一抗体が、プロカルシトニンの16〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対してであり、好ましくは、プロカルシトニンの21〜40のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、プロカルシトニンの16〜35のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、及びプロカルシトニンの27〜37のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープ、からなる群から選択されるエピトープに対するものである。
第一抗体がモノクローナル抗体であることが好ましい。第二抗体がモノクローナル抗体であることはまた、好ましい。
キットの好ましい実施形態では、第二抗体が、プロカルシトニンの60〜91のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対してであり、又はプロカルシトニンの96〜116のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対してである。
本発明はさらに、体液からの生物学的サンプル中のプロカルシトニン又はその断片の検出及び又は定量のためのサンドイッチイムノアッセイ形式における本発明によるキットの使用にさらに関する。そのような断片は少なくとも二つの抗体に対する二つのエピトープにまたがる配列を含む。
さらに、本発明は、体液からの生物学的サンプル中の、プロカルシトニン又はその断片の測定のための、又はプロカルシトニン又はその断片の定量のための、本発明による方法、本発明による抗体、又は本発明によるキットの使用に関する。
好ましくは、本方法、抗体、及びキットは、プロカルシトニンレベルの上昇に関連する疾患又は症状の治療手段の適用のための、診断、予後、危険度分類、治療法モニタリング、治療ガイダンス、又は分類のために用いられる。
疾患又は症状は、好ましくは、局所細菌感染(具体的には気道及び肺)、敗血症、重症敗血症、敗血性ショックからなる群から選択される。疾患又は症状はまた、循環器疾患(急性冠症候群、心不全、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、脳卒中)、癌、糖尿病、慢性胃腸疾患、慢性腎疾患、高血圧、骨粗鬆症を含む整形外科的疾患、及びアルツハイマー病を含む神経変性疾患を含むがこれらに限定されることない、非感染性疾患の群から選択される。全ての疾病及び上述の疾患は、1つ又はそれ以上の併存症と関連してもしなくてもよい。
本発明の抗体は、好ましくは、それぞれのエピトープに対して108〜1011M-1の範囲、好ましくは109M-1超の親和性を有する。
用語「抗体」は、一般的に、モノクローナル、及びポリクローナル抗体、及びその結合断片、特にFc-断片、及びいわゆる「単鎖抗体」(Bird R. Eらによる(1988) Science 242:423-6)、キメラの、ヒト化した、特にCDR移植抗体、及び二重又は四重特異性抗体(dia or tetrabody) (Holliger Pらによる(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:6444-8) を含む。例えば、サンプルに含まれる対象の分子に特異的に結合するファージディスプレイを含む技術を介して選択される免疫グロブリン様タンパク質は、含まれる。本明細書の用語「特異的な結合」は、対象の分子、又はその断片に対する抗体をいう。対象の分子、又は前述のその断片に対する親和性が、対象の分子を含んでいるサンプルに含まれる他の分子に対してよりも、少なくとも好ましくは50倍高く、より好ましくは100倍高く、より好ましくは少なくとも1000倍高い場合は、抗体は特異的であると考えられる。所定の特異性を有する作製、及び抗体の選択の方法は、当該分野ではよく知られている。本明細書の上記のように、モノクローナル抗体が好ましい。
本発明の好ましい分析及び検出方法は例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光及び蛍光イムノアッセイ、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ルミネックスに基づいた(Luminex-based)ビーズアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、及び例えば、免疫イムノクロマトグラフィー試験紙などの高速試験形式などの様々な形式のイムノアッセイを含む。
当該分析は、均質的な又は不均質な測定、競合的及び非競合的なサンドイッチアッセイでよい。本発明による二つの抗体を用いた特に好ましい実施形態では、分析は、サンドイッチアッセイの形式であり、それは非競合的なイムノアッセイであって、検出される及び/又は定量されるべきPCT又はその断片は、第一抗体及び第二抗体に結合される。第一抗体は固相、例えばビーズ、ウェル又は他の容器の表面、チップ又はストリップに結合され、第二抗体は、例えば色素、放射性同位体、又は反応性又は触媒活性部分で標識された抗体である。次いで、検体と結合した標識された抗体の量は、好適な方法により測定される。サンドイッチイムノアッセイに関連した一般的な組成物及び手順は、確立され、当業者に知られている(The Immunoassay Handbook、David Wild著、Elsevier LTD、Oxford;第3版(May 2005)、ISBN- 13:978-0080445267;Hultschig Cらによる、Curr Opin Chem Biol. 2006 Feb;10(l):4-10. PMID: 16376134)、参考のため本明細書に引用する)。
特に好ましい実施形態では、アッセイは、液体反応混合物中に双方ともに分散物として存在している本発明による二つの抗体を含み、ここで、第一の標識要素が第一抗体に結合され、前記第一の標識要素が、蛍光又は化学発光消光又は増幅に基づく標識系の一部であり、前記標識系の第二の標識要素が第二抗体と結合し、検体に双方の抗体が結合すると、それによってサンプルを含む溶液中の形成されたサンドイッチ複合体の検出を可能にする測定可能な信号が生成される。
さらに好ましくは、前記標識系は蛍光色素又は化学発光色素、特にシアニン型色素と組み合わせた希土類クリプテート又は希土類キレートを含む。
本発明との関連において、蛍光型分析は色素の使用を含み、それは例えば、FAM(5-又は6-カルボキシフルオレセイン)、VIC、NED、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、IRD- 700/800、CY3、CY5、CY3.5、CY5.5、Cy7などのシアニン色素、キサンテン、6-カルボキシ-2’,4’,7’,4,7-ヘキサクロロフクロレセイン(HEX)、TET、6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン(dimethodyfluorescein)(JOE)、N、N、N’、N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、5-カルボキシローダミン-6G(R6G5)、6-カルボキシローダミン-6G(RG6)、ローダミン、ローダミングリーン、ローダミンレッド、ローダミン110、BODIPY TMR5などのBODIPY色素、オレゴングリーン、ウンベリフェロンなどのクマリン、Hoechst 33258などのベンズイミド、テキサスレッドなどのフェナントリジン、ヤキマイエロー、アレクサフルオル、PET、エチジウムブロマイド、アクリジニウム色素、カルバゾール色素、フェノキサジン色素、ポルフィリン色素、ポリメチン色素などを含む群から選択される。
本発明の関連において、化学発光に基づく分析は色素の使用を含み、参考のため本明細書に引用される、Kirk-Othmer, Encyclopedia of chemical technology, 第4版, 編集責任者J. I. Kroschwitz; 編集者M. Howe-Grant, John Wiely & Sons, 1993, vol.15, p518-562、そして551-562頁における、化学発光材料について記載された物理的原理に基づく。好ましい化学発光色素は、アクリジニウムエステルである。
最後に、本発明はまた、DSMZに受入番号DSM ACC2993、DSM ACC2996及びDSM ACC2997として寄託されたハイブリド−マ細胞株に関連する。これらのハイブリドーマ細胞株は、N末端のエピトープ、具体的にはPCTの21〜40及び25〜37に対する本発明の好適な抗体を産生し、実施例1に示すように作製される。
Figure 0006100822
実施例1
材料と方法
A.モノクローナル抗体の開発
PCTに対するモノクローナル抗体は、主に記述されている手順(CostagliolaらによるJ Immunol 1998;160:1458- 65)に従って、遺伝子的免疫化によりつくられた。手短に言えば、PCTコーディング配列は、標準的な手順によりベクターpcDNAIII(Invitrogen、Karlsruhe、Germany)にクローン化され、BALB/cマウスは、前脛骨筋に0日に100 mg pcDNAIII-PCT、25%スクロースを注入された。注入はその後3週間及び6週間繰り返された。血液サンプルは、最初の免疫化後8及び11週間に眼球後血管から取得され、18週間後に屠殺し、そのときに脾臓及び甲状腺はともに取り除かれた。脾臓細胞は、ハイブリドーマ細胞株をつくるために、SP2/0ミエローマ細胞と融合された。細胞株は、固定化した組み換えヒトPCT(InVivo GmbH, Hennigsdorf, Germany)に結合する抗体を分泌する能力により選抜された。本手法とともに、モノクローナル抗体FX7A7(受入番号DSM ACC2997として2009年6月4日にDSMZに寄託されたハイブリドーマ細胞株で産生された)、FW5H6(受入番号DSM ACC2996として2009年6月4日にDSMZに寄託されたハイブリドーマ細胞株で産生された)、及びFX1G5 (受入番号DSM ACC2993として2009年4月29日にDSMZに寄託されたハイブリドーマ細胞株で産生された) を分泌する細胞株はつくられた。
B.エピトープマッピング
3つのモノクローナル抗体FX7A7、FW5H6、及びFX1G5のPCT内のエピトープのマッピングは、標準的な手順 (JPT GmbH、Berlin、Germany) によってペプチドマイクロアレイ上で行われた。ペプチドマイクロアレイは、オーバーラッピングペプチドスキャン(形式 13/11:53ペプチド;形式20/15:21ペプチド)として提示された74のペプチドから成り、それゆえガラス表面上でPCT配列全体を網羅した。マイクロアレイはブロッキングバッファ (Pierce、Superblock、周囲温度で2時間)で前処理され、続いて、pH8のTBSバッファ及び水(それぞれ3回)で洗浄された。それぞれの前処理されたマイクロアレイは、バックグラウンド対照のためにAxon Genepix 4000B Scannerを用いて解析された(信号は検出されなかった)。それぞれのマイクロアレイは、測定バッファ(Pierce Superblock中最終濃度60μg/mL;全測定容量350μL、インキュベーション時間3時間)中で抗体とインキュベートされた。マイクロアレイはpH8のTBSバッファで洗浄され、続いて蛍光標識された第二抗体(抗マウス-Dylight-647;Pierce 31015、1μg/mL、インキュベーション時間45分)とインキュベートされた。蛍光標識された第二抗体(抗マウス-Dylight-647;Pierce 31015、1μg/mL、インキュベーション時間45分)との対照インキュベーションは記述した実験方法と平行して行われる。マイクロアレイは好適な波長設定をしたAxon Genepix 4000B Scannerを用いて分析される。SPOT認識ソフトウェアパッケージArrayProがデータ解析に用いられた。それぞれのマイクロアレイ画像上の3つの同一のサブアレイからの信号強度(局所的なバックグラウンドを補正済)の平均が、データの評価に用いられた。
C.イムノアッセイ
化学発光/被膜チューブ形式のサンドイッチイムノアッセイは下記のように構成された:
アッセイA:
商業的に入手可能なPCTのためのサンドイッチアッセイが用いられた(BRAHMS PCT LIA sensitive)。それは固相としてPCTのカタカルシン部分に対する1つの抗体、及び標識された抗体(BRAHMS AG, Hennigsdorf, Germany)としてPCTのカルシトニン部分に対する1つの抗体が使用されている。様々な濃度の組み換えPCTは、標準として用いられる。アッセイE(下記参照)と比較して、インキュベーション条件はアッセイEに記載した条件;すなわち50μlサンプル及び200μl標識抗体溶液は使用され、テストチューブ中で、1ステップ反応で、30分又は2時間インキュベートされる、に適合させた。
アッセイB
商業的に入手可能なPCTのためのサンドイッチアッセイが用いられ(BRAHMS PCT LIA)、それは固相としてPCTのカタカルシン部分に対する1つの抗体、及び標識抗体(BRAHMS AG, Hennigsdorf, Germany)としてPCTのカルシトニン部分に対する1つのモノクローナル抗体が使用されている。様々な濃度の組み換えPCTは、標準として用いられる。アッセイE(下記参照)と比較して、インキュベーション条件はアッセイEに記載した条件;すなわち50μlサンプル及び200μl標識抗体溶液は使用され、テストチューブ中で、1ステップ反応で、30分又は2時間インキュベートされる、に適合させた。
他のアッセイについては、アッセイの構成要素は下記に従ってつくられた:
抗体の標識
抗体FX1G5の標識は、標準的な手順によって行われた(EP1488209、EP 1738178):
精製した抗体の濃度は1 g/Lに調整され、抗体は化学発光標識MACN-アクリジニウム-NHS-エステル(1 g/L;InVent GmbH、Hennigsdorf、Germany)とモル比1:5で、周囲温度で20分間でインキュベーションされることによって標識された。反応は、周囲温度で10分間、1/10の容量の50 mmol/Lグリシンを添加することにより止められた。標識された抗体は、NAP-5カラム(GE Healthcare、Freiburg、Germany)及びBio-Sil(登録商標) SEC-400-5 HPLCカラムのサイズ排除クロマトグラフィーにより、遊離の標識から分離された。
抗体の被膜
PCTのカルシトニン部分に対するモノクローナル抗体(BRAHMS AG、Hennigsdorf, Germany)の被膜は、標準的な手順によって行われた(EP1488209、EP1738178):ポリスチレンスターチューブ(Greiner)は精製した抗体(チューブあたり、10 mmol/L Tris、100 mmol/L NaCl、pH 7.8、300μL中に抗体2μg)を用いて22℃で一晩被膜された。チューブはそれから30 g/LカリオンFP(Merck)、5 g/Lプロテアーゼ無しのウシ血清アルブミン(Sigma)を含む10 mmol/Lリン酸ナトリウム(pH 6.5)でブロックされ、凍結乾燥された。
これらの構成要素を用いて、下記のアッセイは組み立てられた。
アッセイC:
抗カタカルシン抗体で被膜されたチューブ及び標準(組み換えPCT)は、アッセイB.R.A.H.M.S PCT LIA sensitive (B.R.A.H.M.S AG、Hennigsdorf、Germany)から用いられた。MACN標識された抗体FX1G5は標識抗体として用いられた。測定バッファは、300 mmol/Lリン酸カリウム、pH 7.0、100 mmol/L NaCl、10 mmol/L EDTA、0.9 g/Lアジ化ナトリウム、5 g/Lプロテアーゼ無しのウシ血清アルブミン(Sigma)、1 g/L 非特異的ウシIgG、1 g/L非特異的ヒツジIgG、1 g/L非特異的マウスIgG、及び200μl あたり2x106発光量(relative light units (RLU)) を含むMACN標識抗体である。100μlの標準又はサンプルと200μlのMACN標識抗体を含む測定バッファは、被膜されたチューブ中でピペッティングされた。チューブは、22℃で2時間、撹拌下でインキュベートされた。その後、チューブは1 mLのB.R.A.H.M.S 洗浄溶液(B.R.A.H.M.S AG、Hennigsdorf、Germany)で5回洗浄され、LB952T luminometer (Berthold)で、チューブあたり1秒間、結合した化学発光が測定された。サンプルの濃度はソフトウェアMultiCalc (Spline Fit)を用いて計算された。
アッセイD:
抗カルシトニン抗体で被膜されたチューブが用いられた。標準(組み換えPCT)はアッセイBRAHMS PCT LIA sensitive (BRAHMS AG, Hennigsdorf, Germany)から用いられた。MACN標識された抗体FX1G5は標識抗体として用いられた。測定バッファは、300 mmol/Lリン酸カリウム、pH 7.0、100 mmol/L NaCl、10 mmol/L EDTA、0.9 g/Lアジ化ナトリウム、5 g/Lプロテアーゼ無しのウシ血清アルブミン(Sigma)、1 g/L非特異的ウシIgG、1 g/L非特異的ヒツジIgG、1 g/L非特異的マウスIgG、及び200μl あたり2x106発光量(relative light units (RLU))を含むMACN標識抗体である。100μlのスタンダー又はサンプルと200μlのMACN標識抗体を含む測定バッファは、被膜されたチューブ中でピペッティングされた(pipetted)。チューブは、22℃で2時間、撹拌下でインキュベートされた。その後、チューブは1 mLのB.R.A.H.M.S洗浄溶液(B.R.A.H.M.S AG、Hennigsdorf、Germany)で5回洗浄され、LB952T luminometer (Berthold)で、チューブあたり1秒間、結合した化学発光が測定される。サンプルの濃度はソフトウェアMultiCalc (Spline Fit)を用いて計算された。
アッセイE
FX1G5抗体で被膜されたチューブが用いられた。標準(組み換えPCT)及び標識されたポリクローナル抗カルシトニン抗体は、アッセイBRAHMS PCT LIA sensitive (BRAHMS AG, Hennigsdorf, Germany)から用いられた。50μlの標準又はサンプル及び、200μlのMACN標識抗体を含む測定バッファは、被膜されたチューブ中でピペッティングされた(pipetted)。チューブは、22℃で30分又は2時間、撹拌下でインキュベートされた。その後、チューブは1 mLのB.R.A.H.M.S 洗浄溶液(B.R.A.H.M.S AG、Hennigsdorf、Germany)で5回洗浄され、LB952T luminometer (Berthold)で、チューブあたり1秒間、結合した化学発光が測定された。
D.サイズ排除クロマトグラフィー
PCT濃度の上昇した9人の患者(敗血症患者を含む)からの血漿サンプルは、Bio-Sil(登録商標)SEC-125-5 HPLCカラム(BIO-RAD)のHPLCカラムを用いて分画した。サンプルの容量は100μlである。ランニング(送液)バッファは、PBS pH 7.4.であった。流速は0.8 mL/分であった。0.4 mL画分が回収され、アッセイA、C、Dで測定された。下記のペプチドは、較正に用いられた:組み換えPCT(分子量=約13 kDa;InVivo GmbH、Hennigsdorf、 Germany)、preproADM 45-92 (Sequence ELRMSS SYPTGLADVK AGPAQTLIRP QDMKGASRSP EDSSPDAARI RV;分子量=5.1 kDa; JPT GmbH、Berlin、Germany)、 ビタミンB12 (分子量 1.3 kDa)。組み換えPCT及びpreproADM 45-92は、アッセイBRAHMS PCT LIA sensitive、及びBRAHMS MR-proADM LlA (BRAHMS AG, Hennigsdorf, Germany)から得られるスタンダードマトリックスに溶解させ、それらのサイズ分画HPLCの溶出結果はこれらのアッセイを用いて決定された。ビタミンB12はランニングバッファで希釈され、クロマトグラフィーに付され;吸収は280 nmで記録された。
E.サンプルの測定
局所細菌感染、敗血症、敗血性ショックの患者の30の血清サンプルが、アッセイA、C、Dで測定された。
結果
モノクローナル抗体
3つのマウスモノクローナル抗体は、PCT全体コーディング配列を用いた遺伝子的免疫化により産生された。エピトープマッピングは、3つ全ての抗体の結果は全く同一ではないが、よく似ていることがと明らかにした(表2)。抗体FW5H6及びFX7A7は、ペプチドEARLLLAALVQDYVQMKASE(PCTの21〜40番)に最大の結合を示し、抗体FX1G5の最大の結合は、前記のペプチド由来のペプチド、すなわちLLAALVQDYVQMK (25-37番)で観察された。これらの領域の外側には、3つの抗体について、PCT配列内に他の有意の結合部位がないことが判明した。本明細書で用いられた免疫化の方法は、1つの例に過ぎない。他の方法は、よく知られており、それは、記述した領域及び、より一般的には53番より上流にエピトープに対する抗体を作製することが代わりに適用され、例えば、担体ペプチドに結合させた化学的に合成したペプチドは抗原として用いることができた。
サイズ排除クロマトグラフィー
見かけの天然のPCTの分子量及び様々なサンドイッチイムノアッセイの検出能は、サイズ排除HPLCを用いて上昇した天然のPCT濃度を有する患者(敗血症患者を含む)からの血清サンプルの分画することにより、分析された。分画はアッセイA、C又はD(図1)で測定されようが、されまいが、本質的には同じ免疫反応性結果が観察された:天然のPCTの溶出時間は、組み換えPCTと区別できないほどであった(図2、及び3)。実質的には、13 kDaより小さい分子量に対応するPCT免疫反応性は、3つのいずれのアッセイによっても検出されなかった。中でも注目すべきは、分子量約6 kDaに対応するPCT免疫反応性は、アッセイAで検出されなかった;このことは、最先端の仮説、PCTがPCTのカルシトニン部分からすぐ上流で分割され得る、が正しいかどうか、期待される。これらの結果は、最先端の推論に反対することを明らかにし、上昇したPCT濃度を有する患者(甲状腺髄様癌をのぞく)において、PCTは、分子の中央で検出可能な分割はされず、A、C又はD型のサンドイッチイムノアッセイは同じ抗原を検出した。
サンプルの測定
局所細菌感染、敗血症、敗血性ショックの患者の30の血清サンプルが、アッセイA、C、Dで測定された。スピアマンの相関係数は下記に示す:アッセイA対C:r= 0.9893;アッセイA対D:r=0.9844。重症度の様々な感染を有する患者からのサンプルの有意な数の測定から得られるこれらの理想的な相関関数は、標準以上に上昇したときに、PCTが分子の中央で分断されないことが一般的に結論付けられるように、サイズ排除クロマトグラフィーにより得られた結果を疑いなく裏付ける。
アッセイの特性
本発明で記載された抗体の1つの使用、PCTの25−37番に体操するエピトープを有するFX1G5は、抗カルシトニン抗体を第二抗体として用いるサンドイッチアッセイ(アッセイE)において、最先端のPCTアッセイと比較されて分析され、それは同じ検出技術(被膜チューブ/化学発光標識);すなわち、BRAHMS PCT LIA sensitive(アッセイA)及びBRAHMS MR-proADM LlA(アッセイB)が用いられる。驚くべきことに、インキュベーション時間とは無関係に、双方の確立しているアッセイより、アッセイEは、より大幅に動的な用量反応曲線を示した(図4)。
表1:抗PCT抗体及びイムノアッセイでのそれらの使用
Figure 0006100822
表2:エピトープマッピングの結果:3つの抗体のPCT配列全体のサブ配列を示す列挙されたペプチドとの観察された結合信号は、抗体につき得られた最大の結合と関連した(B/Bmax)。
Figure 0006100822
Figure 0006100822

Claims (1)

  1. 対象から得られた体液由来の生物学的サンプル中のプロカルシトニン、又は少なくとも20アミノ酸残基長のその断片の検出のためのインビトロ方法であって、以下のステップ:
    a. 前記サンプルと、プロカルシトニン内の異なったエピトープに対する少なくとも二つの抗体又はその機能性断片とを接触させ、及び
    b. 前記の少なくとも二つの抗体の、プロカルシトニン又はその前記断片への結合を定性的又は定量的に検出すること、ここで、結合は前記サンプル中のプロカルシトニン又は前記断片の存在又は濃度を示す、
    を含み、
    少なくとも1つの抗体又はその機能性断片はプロカルシトニンの2537のアミノ酸残基にまたがる配列に含まれるエピトープに対する、方法。
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