JP6407990B2 - アウグリン免疫学的検定 - Google Patents
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Description
(a)アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を含むことが疑われる試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、2つの抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体が、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と結合可能な条件であり、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片との三元複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
ここで前記第1と第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目にかけてのアミノ酸配列に含まれる複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、
前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は、別個の重複していない複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、および、
(b)2つの抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片との結合を検出する工程、を含む。
(a)アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を含むことが疑われる試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と前記第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とが複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
(b)前記試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と、前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体とが三元複合体を形成可能な条件で接触させる工程、
ここで、前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は、配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目にかけてのアミノ酸配列に含まれる複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、
前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は、別個の、重複していない複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、および、
(c)前記三元複合体を検出する工程、を含む。
(i)配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目、好ましくは71〜88番目、より好ましくは71〜83番目にかけてのアミノ酸配列に含まれる1つのエピトープ(an epitope)に特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、
(ii)配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目、好ましくは71〜88番目、より好ましくは79〜88番目にかけてのアミノ酸配列に含まれる1つのエピトープ(an epitope)に特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、
を含んでいる。
(a)アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を含むことが疑われる試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、2つの抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体が、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と結合可能な条件であり、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片との三元複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
ここで前記第1と第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目番目にかけてのアミノ酸配列に含まれる複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、
前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は、別個の重複していない複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、および、
(b)2つの抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片との結合を検出する工程、を含む。2つの抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体の特異的な結合が、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片が存在することの指標となる。
(a)アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を含むことが疑われる試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と前記第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とが複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
(b)前記試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と、前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体とが三元複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
ここで、前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は、配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目にかけてのアミノ酸配列に含まれる複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、
前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は、別個の、重複していない複数のエピトープ(epitopes)に特異的であり、および、
(c)前記三元複合体を検出する工程、を含む。試料中に三元複合体が含まれていると検出されることが、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片が存在することの指標となる。
(i)配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目、好ましくは71〜88番目、より好ましくは、71〜83番目にわたるアミノ酸配列に含まれる1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および
(ii)配列番号1のプレアウグリンの71〜107番目、好ましくは71〜88番目、より好ましくは、79〜88番目にわたるアミノ酸配列に含まれる1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、を含む。このキットは、好ましくは、
(i)配列番号1のプレアウグリンの71〜83番目にわたるアミノ酸配列に含まれる1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および
(ii)配列番号1のプレアウグリンの79〜88番目にわたるアミノ酸配列に含まれる1つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、を含む。抗体は好ましくは、モノクローナル抗体である。
(a)アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を含むことが疑われる試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体を、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と前記第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とが複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
(b)前記試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と、前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体とが三元複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
ここで、前記第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体は、プレアウグリンの79〜88番目のアミノ酸を標的とするモノクローナル抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体であり、第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体は、プレアウグリンの71〜83番目のアミノ酸を標的とするモノクローナル抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体であり、および
(C)三元複合体を検出する工程、を含む。この態様における免疫学的検定は、好ましくはサンドイッチ式ELISA測定法であり、より好ましくは、抗PQW14抗体であるAK439/F4をトレーサー抗体(「第2の抗体」)として、抗AUG−EL10抗体であるAK482/H7を固相抗体(「第1の抗体」)として使用する。しかしながら、前述した抗体の他の組み合わせも用いることができる。例えば、抗AUG−EL10抗体であるAK482/H7をトレーサー抗体として(「第2の抗体」)、かつ、抗PQW14抗体であるAK439/F4を固相抗体(「第1の抗体」)として使用することができる。
アウグリンの前駆体ペプチド(プレアウグリン)のアミノ酸配列を配列番号1に示す。N端末シグナルペプチド(30アミノ酸)が切断されると、アウグリンのプレアウグリン配列の31〜148番目のアミノ酸残基に関する部分が放出される。アウグリンのアミノ酸配列を配列番号2に示す。エシリンはプレアウグリンの31〜68番目のアミノ酸残基に関する。エリシンのアミノ酸配列を配列番号3に示す。アルジリンはプレアウグリンの71〜148番目のアミノ酸残基に関する。アルジリンのアミノ酸配列を配列番号4に示す。アウグリンはまた、切断されるとΔ16(配列番号5)というC末端断片とΔ16−アウグリン(配列番号6)を生成し、Δl6はプレアウグリンの134〜148番目のアミノ酸配列に関し、Δ16−アウグリンはプレアウグリンの31〜130番目のアミノ酸配列に関する。Δl6−アウグリンをさらにΔ16−アルジリンへと切断することが可能であり、Δ16−アルジリンはプレアウグリンの71〜130番目のアミノ酸配列に関する(配列番号7)。
配列番号1(プレアウグリンのアミノ酸配列):
MAASPARPAV LALTGLALLL LLCWGPGGIS GNKLKLMLQK REAPVPTKTK VAVDENKAKE FLGSLKRQKR QLWDRTRPEV QQWYQQFLYM GFDEAKFEDD ITYWLNRDRN GHEYYGDYYQ RHYDEDSAIG PRSPYGFRHG ASVNYDDY
配列番号2(アウグリンのアミノ酸配列):
GNKLKLMLQK REAPVPTKTK VAVDENKAKE FLGSLKRQKR QLWDRTRPEV QQWYQQFLYM GFDEAKFEDD ITYWLNRDRN GHEYYGDYYQ RHYDEDSAIG PRSPYGFRHG ASVNYDDY
配列番号3(エシリンのアミノ酸配列):
GNKLKLMLQK REAPVPTKTK VAVDENKAKE FLGSLKRQ
配列番号4(アルジニンのアミノ酸配列):
QLWDRTRPEV QQWYQQFLYM GFDEAKFEDD ITYWLNRDRN GHEYYGDYYQ RHYDEDSAIG PRSPYGFRHG ASVNYDDY
配列番号5(Δ16のアミノ酸配列):
PYGFRHGASV NYDDY
配列番号6(Δ16−アウグリンのアミノ酸配列):
GNKLKLMLQK REAPVPTKTK VAVDENKAKE FLGSLKRQKR QLWDRTRPEV QQWYQQFLYM GFDEAKFEDD ITYWLNRDRN GHEYYGDYYQ RHYDEDSAIG PRS
配列番号7(Δ16−アルジリンのアミノ酸配列):
QLWDRTRPEV QQWYQQFLYM GFDEAKFEDD ITYWLNRDRN GHEYYGDYYQ RHYDEDSAIG PRS
配列番号8(PKE14のアミノ酸配列):
KTKVAVDENK AKE
配列番号9(PQW14のアミノ酸配列):
QLWDRTRPEV QQW
配列番号10(AUG−EL10のアミノ酸配列):
EVQQWYQQFL
配列番号11(PGY14のアミノ酸配列):
GFDEAKFEDD ITY
配列番号12(PDI14のアミノ酸配列):
DYYQRHYDED SAI
配列番号13(プレアウグリンの73〜78番目のアミノ酸配列):
WDRTRP
配列番号14(プレアウグリンの82〜87番目のアミノ酸配列):
QWYQQF
配列番号15(プレアウグリンの83〜87番目のアミノ酸配列):
WYQQF
配列番号16(PQD−61のアミノ酸配列):
QLWDRTRPEV QQWYQQFLYM GFDEAKFEDD ITYWLNRDRN GHEYYGDYYQ RHYDEDSAIG P
配列番号17(AUG−WF15のアミノ酸配列):
WDRTRPEVQQ WYQQF
配列番号18(プレアウグリンの71〜86番目):
QLWDRTRPEV QQWYQQ
配列番号19(プレアウグリンの73〜86番目のアミノ酸配列):
WDRTRPEVQQ WYQQ
配列番号20(プレアウグリンの74〜86番目のアミノ酸配列):
DRTRPEVQQW YQQ
配列番号21(プレアウグリンの75〜86番目のアミノ酸配列):
RTRPEVQQWY QQ
配列番号22(プレアウグリンの76〜86番目のアミノ酸配列):
TRPEVQQWYQ Q
配列番号23(プレアウグリンの68〜82番目のアミノ酸配列):
QKRQLWDRTR PEVQQ
配列番号24(プレアウグリンの68〜81番目のアミノ酸配列):
QKRQLWDRTR PEVQ
配列番号25(プレアウグリンの68〜80番目のアミノ酸配列):
QKRQLWDRTR PEV
配列番号26(プレアウグリンの68〜79番目のアミノ酸配列):
QKRQLWDRTR PE
配列番号27(プレアウグリンの76〜88番目のアミノ酸配列):
TRPEVQQWYQ QFL
配列番号28(プレアウグリンの76〜87番目のアミノ酸配列):
TRPEVQQWYQ QF
配列番号29(プレアウグリンの76〜85番目のアミノ酸配列):
TRPEVQQWYQ
配列番号30(プレアウグリンの76〜84番目のアミノ酸配列):
TRPEVQQWY
配列番号31(プレアウグリンの76〜83番目のアミノ酸配列):
TRPEVQQW
配列番号32(プレアウグリンの79〜91番目のアミノ酸配列):
EVQQWYQQFL YMG
配列番号33(プレアウグリンの80〜91番目のアミノ酸配列):
VQQWYQQFLY MG
配列番号34(プレアウグリンの81〜91番目のアミノ酸配列):
QQWYQQFLYM G
配列番号35(プレアウグリンの82〜91番目のアミノ酸配列):
QWYQQFLYMG
配列番号36(プレアウグリンの83〜91番目のアミノ酸配列):
WYQQFLYMG
配列番号37(プレアウグリンの84〜91番目のアミノ酸配列):
YQQFLYMG
ペプチド
ヒトプレアウグリンの既知のアミノ酸配列(配列番号1を参照のこと)から、5つの領域を選択し、それらを標準的な手法によって化学合成した(JPT有限責任会社、ベルリン、ドイツ)。これらのペプチドを、PKE14(プレアウグリンの48〜60番目のアミノ酸、配列番号8)、PQW14(プレアウグリンの71〜83番目のアミノ酸、配列番号9)、AUG−EL10(プレアウグリンの79〜88番目のアミノ酸、配列番号10)、PGY14(プレアウグリンの91〜103番目のアミノ酸、配列番号11)、PDI14(合成されたプレアウグリンの117〜129番目のアミノ酸、配列番号12)とした。
PKE14(プレアウグリンの48〜60番目のアミノ酸、配列番号8)、PQW14(プレアウグリンの71〜83番目のアミノ酸、配列番号9)、PGY14(プレアウグリンの91〜103番目のアミノ酸、配列番号11)、PDI14(プレアウグリンの117〜129番目のアミノ酸、配列番号12)を標的とするポリクロ−ナル抗体を、標準手法によって生成した(欧州特許出願第1488209号A1、欧州特許出願第1738178号A1を参照のこと)。簡単に説明すると、MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)を使って、ペプチドを担体タンパク質のキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)(ピアス、ロックフォード、イリノイ、米国)と連結させた。この抱合体を用い、以下の様式でヒツジを免疫化した:最初、ヒツジに100μgの抱合体(重量は抱合体のペプチド部分を指す)を接種し、その後、4週間ごとに2回、各回50μgずつの抱合体を用いて追加免疫した。初回接種から4か月後、ヒツジから300mlの抗血清を得た。それぞれの抗血清から、抗原特異的抗体を以下のように精製した:各ペプチド5mgを5mLのスルフォリンク(SulfoLink)−ゲル(ピアス、ロックフォード、イリノイ、米国)に結合させた。抗血清50mLはバッチ式ゲルと共に、室温で4時間培養した。これらの材料をカラム(空のNAP25カラム、ファルマシア)に移した。素通り画分を捨て、ゲルを100mlの洗浄緩衝液(100mM リン酸カリウム、0.1%ツイーン20、pH6.8)で洗浄し、特異的に結合した抗体を50mMのクエン酸(pH2.7)で溶出した。溶出物を50mM リン酸ナトリウム、100mL 塩化ナトリウム、pH8.0で透析した。
PQW14(プレアウグリンの71〜83番目のアミノ酸、配列番号9)とAUG−EL10(プレアウグリンの79〜88番目のアミノ酸、配列番号10)を標的とするモノクローナル抗体を標準的な手法で生成した(ハーロウE、レーンD、抗体−研究室マニュアル。コールドスプリングハーバー、コールドスプリング研究室、1988、Lane、1985、免疫学的手法雑誌(Journal of Immunology Methods)、81:223−228)。簡単に説明すると、スルホ−MBS(m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)使って、ペプチドをBSAに抱合させた。これらの抱合体でBalb/cマウスを免疫化し、追加免疫を行い、膵臓細胞をSP2/0骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマ細胞株を生成した。細胞株を、ポリスチレン固相の表面にコーティングしておいた免疫ペプチドと結合する抗体を分泌する能力を指標にスクリーニングした。この方法から、モノクローナル抗体であるAK439/F4およびAK439/H10(PQW14を標的とする抗体)、AK482/H7、AK482/H2、AK482/G9、AK482/H10(AUG−EL10を標的とする抗体)を分泌する細胞株を生成した。さらなる実験用に、プロテインGアフィニティクロマトグラフィによって、モノクローナル抗体を培養上清から精製した。
抗体を標準的な手法に従って標識化した(欧州特許出願第1488209号A1、欧州特許出願第1738178号A1)。精製したそれぞれの抗体の濃度を1g/Lに調整し、この抗体を1対5のモル比で化学発光標識であるMACN−アクリジニウム−NHS−エステル(1g/L;インベント有限責任会社,へニッヒスドルフ、ドイツ)と室温で20分間培養することで標識化した。容積比で10分の1量の50mmol/Lのグリシンを室温で10分間追加することで、反応を停止させた。NAP−5カラム(GEヘルスケア、フライブルク、ドイツ)とBio−Sil(登録商標)SEC−400−5HPLCカラム(バイオラッド)を用いたサイズ排除クロマトグラフィによって、標識化された抗体と結合していない標識を分離した。
抗体を標準的な手法に従ってコーティングした(欧州特許出願第1488209号A1、欧州特許出願第1738178号A1)。ポリスチレン製のスターチューブ(グライナー)を22℃で一晩かけて、精製した抗体でコーティングした(チューブ1本当たり、300μLの10mmol/Lトリス、100mmol/Lの塩化ナトリウム、pH7.8に抗体2μgを溶解したものを使用した)。次いで、10mmol/Lのリン酸ナトリウム(30g/LのカリオンFP(メルク)、プロテアーゼを含んでいない5g/Lの血清アルブミンを含む、pH6.5)でチューブをブロッキングし、凍結乾燥した。
前述したポリクローナル成分を使用して、複数のサンドイッチ式免疫学的検定を準備した。抗PKE14抗体を用いたすべてのサンドイッチ式検定では、供血者の血漿プールでシグナルは認められなかったが、抗PQW14、抗PGY14および抗PDI14抗体を使ったサンドイッチ式検定ではシグナルが検出された。抗PQW14(プレアウグリンの71〜83番目のアミノ酸を標的とする、配列番号9)をトレーサー抗体とし、抗PDI14(プレアウグリンの117〜129番目のアミノ酸を標的とする、配列番号12)を固相抗体として使用したときに最も高いシグナルが検出された。以降の実験は、これらポリクローナル抗体の組み合わせを使って実施した。
前述したモノクローナル抗体を使って、複数のサンドイッチ式免疫学的検定を準備した。抗PQW14抗体および抗AUG−EL10抗体、ならびに供血者の血漿プールを使用したすべてのサンドイッチ式検定でシグナルが得られた。抗PQW14抗体であるAK439/F4をトレーサー抗体として、抗AUG−EL10抗体であるAK482/H7を固相抗体として使用したときに、よりも高いシグナルが得られた。以降の実験は、これらモノクローナル抗体の組み合わせを使って実施した。
6つのモノクローナル抗体であるAK439/F4、AK439/H10、AK482/H7、AK482/H2、AK482/G9ならびにAK482/H10が標的とするプレアウグリンのエピトープの位置を、プレアウグリン配列中に含まれている種々のペプチドを使用して決定した。用いた種々のペプチドは、スペーサーを加え、N末端かC末端のいずれかをビオチン化して合成した。チューブ1本当たり2μgのニュートラアビジン(ビオチン結合タンパク質:サーモサイエンティフィック、ピアスプロテインバイオロジー製品)を使い、前述したようにチューブをコーティングした。ピペットを使って、各ペプチド50ngを含む300μLのペプチド溶液をチューブに入れ、室温で撹拌しながら3時間培養した。その後、チューブを1mLのB.R.A.H.M.S洗浄溶液で4回洗浄した。各抗体50ngを含む200μLの抗体溶液を、室温で撹拌しながら16時間培養し、再度前述したように4回洗浄した。モノクローナル抗体と種々のペプチドとの結合能を検出するために、200μLのトレーサー溶液(化学発光物質であるMACN−アクリジニウム−NHS−エステルを使用して前述したように標識化したヤギ抗マウス抗体を含む)をチューブに入れ、室温で撹拌しながら2時間培養した。その後、再び4回洗浄し、結合した化学発光物質をLB952T照度計(ベルトール)を使用して、チューブ1本につき1秒間測定した。
4種類の材料(血清、EDTA化血漿、クエン酸化血漿およびヘパリン化血漿)を10の試料に分け、それぞれを22℃で、様々な期間保存した。その後、モノクローナル抗体を使った免疫学的検定を使用してバッチごとに測定した。0時点、つまり22℃で保存しなかった試料を、基準として100%に設定した。図4に示すように、血清は室温で6時間安定しており、23時間保存後には10%減少し、31.5時間保存した後には20%減少している。EDTA化、クエン酸化およびヘパリン化した血漿中の分析物は、22℃で少なくとも31.5時間安定していた。
前述したモノクローナル免疫学的検定では、組換えプレアウグリン(配列番号1)を標準物質として使用することで用量反応曲線を作成することが可能である。典型的な用量反応曲線を図5に示す。
健常人対象から得た100のEDTA化血漿試料を、モノクローナル免疫学的検定を使って測定した。これらの試料で見られたアウグリンの免疫活性の度数分布を図6に示す。アウグリンの免疫活性は全試料で測定可能で、中間値が1119pmol/L(95%CIが1071〜1195)、最小値が385pmol/Lそして最大値が1880pmol/Lであった。75番目と97.5番目の値はそれぞれ、1333と1744pmol/Lであった。女性におけるアウグリンの免疫活性(n=64;中間値1073pmol/L)は、男性の免疫活性(n=36;中間値1328pmol/L)と比べて、有意に低かった(p<0.01)。アウグリンの免疫活性と年齢との間に相関はなかった(スピアマンの相関係数、r=0.076、p>0.05)。
実施例8:本発明のモノクローナル抗体を用いたサンドイッチ式免疫学的検定およびフェニックスから購入したペプチド由来の競合的プレプロアウグリン(71〜107番目)免疫学的検定、ならびに例2で示した基準となるサンドイッチ式免疫学的検定の比較。
Claims (15)
- アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を検出するための免疫学的検定法であって、
(a)アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を含むことが疑われる試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体を、2つの抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体が、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と結合可能な条件で、接触させる工程、
ここで第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体は、配列番号1に記載のプレアウグリンのアミノ酸71〜83番目にまたがる配列に含まれる一つのエピトープに特異的であり、第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体は配列番号1に記載のプレアウグリンのアミノ酸79〜88番目にまたがる配列に含まれる一つのエピトープに特異的であり、並びに
(b)2つの抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片との結合を検出する工程、を含む。 - アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を検出するための免疫学的検定法であって、
(a)アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を含むことが疑われる試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と前記第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とが複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
(b)前記試料と、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片に特異的な第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体とを、アウグリンまたはその前駆体もしくは断片と、前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体との三元複合体を形成可能な条件で、接触させる工程、
ここで第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体は、配列番号1に記載のプレアウグリンのアミノ酸71〜83番目にまたがる配列に含まれる一つのエピトープに特異的であり、第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体は配列番号1に記載のプレアウグリンのアミノ酸79〜88番目にまたがる配列に含まれる一つのエピトープに特異的であり、並びに
前記第1および第2の抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体は、別個の、重複していない複数のエピトープに特異的であり、および、
(c)前記三元複合体を検出する工程、を含む。 - 前記エピトープ間がアミノ酸6個分より多く離れていない、請求項1または2に記載の免疫学的検定法。
- 前記エピトープ間がアミノ酸3個分より多く離れていない、請求項3に記載の免疫学的検定法。
- 前記抗体またはそれらの抗原結合断片もしくは誘導体が、ポリクロ−ナル抗体、モノクローナル抗体または遺伝子操作されたモノクローナル抗体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫学的検定法。
- 前記抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体がモノクローナル抗体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫学的検定法。
- 前記第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体が、DSM ACC3208として寄託されている細胞株482/H2、DSM ACC3209として寄託されている細胞株482/H10、DSM ACC3210として寄託されている細胞株482/H7、または、DSM ACC3211として寄託されている細胞株482/G9から選択されるハイブリドーマ細胞株によって産生される、請求項6に記載の免疫学的検定法。
- 前記第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体が、DSM ACC3206として寄託されている細胞株439/F4、またはDSM ACC3207として寄託されている細胞株439/H10、から選択されるハイブリドーマ細胞株によって産生される、請求項6に記載の免疫学的検定法。
- 前記試料が、対象の体液または組織に由来するものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の免疫学的検定法。
- アウグリンまたはその前駆体もしくは断片を検出するためのキットであって、
(i)配列番号1に記載のプレアウグリンのアミノ酸71〜83番目にまたがる配列に含まれる一つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、および
(ii)配列番号1に記載のプレアウグリンのアミノ酸79〜88番目にまたがる配列に含まれる一つのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体、
を含んでいるキット。 - (i)前記第1の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体が、DSM ACC3208として寄託されている細胞株482/H2、DSM ACC3209として寄託されている細胞株482/H10、DSM ACC3210として寄託されている細胞株482/H7、または、DSM ACC3211として寄託されている細胞株482/G9によって産生されるものであり、および、
(ii)前記第2の抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体が、ACC3206として寄託されている細胞株439/F4、またはDSM ACC3207として寄託されている細胞株439/H10によって生成されるものである、
請求項10に記載のキット。 - 抗アウグリン抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体であって、抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体が、プレアウグリン配列の6アミノ酸WDRTRP(配列番号13)を含む一つのエピトープに特異的であるか、またはプレアウグリン配列の6アミノ酸QWYQQF(配列番号14)もしくは5アミノ酸WYQQF(配列番号15)を含む一つのエピトープに特異的である、抗アウグリン抗体またはその抗原結合断片もしくは誘導体。
- DSM ACC3206として寄託されている細胞株439/F4、DSM ACC3207として寄託されている細胞株439/H10、DSM ACC3208として寄託されている細胞株482/H2、DSM ACC3209として寄託されている細胞株482/H10、DSM ACC3210として寄託されている細胞株482/H7、またはDSM ACC3211として寄託されている細胞株482/G9、から選択されるハイブリドーマ細胞株によって産生される、モノクローナル抗体。
- 請求項13の抗体と同じエピトープに結合する抗体。
- DSM ACC3206として寄託されている細胞株439/F4、DSM ACC3207として寄託されている細胞株439/H10、DSM ACC3208として寄託されている細胞株482/H2、DSM ACC3209として寄託されている細胞株482/H10、DSM ACC3210として寄託されている細胞株482/H7、またはDSM ACC3211として寄託されている細胞株482/G9、から選択されるハイブリドーマ細胞株。
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