JP6099439B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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Description
つまり、洗浄槽を本体ケーシングから引き出した引出位置に位置させて、皿や茶碗等の食器類を洗浄槽の内部に収容し、その後、洗浄槽を本体ケーシングの内部の収納位置に位置させて、洗浄運転を行い、洗浄運転が終了した後においては、洗浄槽を本体ケーシングから引き出した引出位置に位置させて、皿や茶碗等の食器類を洗浄槽から取出すことになる。
この扉体の表面は、通常、キッチンカウンタの下方に配置される複数の収納部や固定パネル等の設置体の表面と、同一の色調で、同一の図柄となるように構成されて、色合い面において外観を美麗な状態にするように意図されている。
しかも、洗浄槽の前面に操作パネル等、収納部や固定パネル等の設置体の表面と色調や図柄の異なる部分が露呈するのを回避して、キッチン全体として統一感のある外観とするように意図されている。(例えば、特許文献1参照。)。
前記洗浄槽と前記扉体との間に位置されて、前記洗浄槽の前部の前記洗浄槽上下幅方向の全体及び前記洗浄槽横幅方向の全体を覆う前カバーが、前記洗浄槽の前部に装着され、
前記前カバーに、その前カバーと前記扉体との間の上端から浸入してそれらの間を流下する湯水を前カバー横幅方向の全幅又はその全幅に近い範囲で受け止め、受け止めた湯水を前記前カバーを通過させてその後面側に流動させて、前記本体ケーシング又は前記洗浄槽に設けられた水受け部に流下させる前カバー通過案内部が設けられている点にある。
そして、前カバーと扉体との間から湯水が浸入したとしても、前カバー通過案内部によって、前カバーと扉体との間を流下する湯水を前カバー横幅方向の全幅又はその全幅に近い範囲で受け止め、受け止めた湯水を前カバーを通過させてその後面側に流動させて、本体ケーシング又は洗浄槽に設けられた水受け部に流下させる。
つまり、前カバーは、洗浄槽に対する姿勢が調整される扉体に追随して、扉体に沿う姿勢に変更できるようにするため、上端部が洗浄槽に止着される程度に簡易に位置決めされるものではあるが、その後面側に流動する湯水を、水受け部に流動させることができるように構成されるものである。
そして、前カバーと扉体との間に浸入した湯水や、前カバーと洗浄槽との間に浸入した湯水を、前カバー通過案内部の案内作用にて水受け部に流動させることになるので、扉体の裏側から浸入した湯水がキッチンの床に滴下するのを十分に抑制することができるのである。
従って、洗浄槽の前部に装備されている機器類が損傷されることを回避し、しかも、洗浄槽に対して扉体を装着した状態において、扉体の裏側から浸入した湯水がキッチンの床面を汚損することを回避できる食器洗浄機を提供することができる。
前記前カバー通過案内部が、前記前カバーの前面部の上端側において、湯水を受け止め且つ受け止めた湯水を前記前カバーを通過させてその後面側に流動させるように作用する上方側作用部と、その上方側作用部が湯水を受け止める箇所よりも下方側にて、湯水を受け止め且つ受け止めた湯水を前記前カバーを通過させてその後面側に流動させるように作用する下方側作用部とを備えて構成されている点にある。
上方側作用部により、前カバーと扉体との間を流下する湯水の全てを受け止められず、その上方側作用部が湯水を受け止める箇所を通過して湯水が流下したとしても、下方側作用部により、前カバーと扉体との間を流下する湯水を前カバー横幅方向の全幅又はその全幅に近い範囲で受け止めて、受け止めた湯水を前カバーを通過させてその後面側に流動させて水受け部に流下させる。
つまり、前カバー上下幅方向の2箇所で、前カバー横幅方向の全幅又はその全幅に近い範囲で湯水を受け止めて、受け止めた湯水を前カバーを通過させてその後面側に流動させ、さらに、水受け部に流下させるように構成されている。
従って、扉体の裏側から浸入した湯水がキッチンの床に滴下するのを一層抑制することができるので、扉体の裏側から浸入した湯水がキッチンの床面を汚損するのを一層回避することができる。
前記上方側作用部が、前記前カバーの前面部における上端側の部分に、その前面部から前方に突出する状態で、前記前カバー横幅方向に沿って伸びるように設けられた上側前方突出部と、その上側前方突出部の上面部にて受けられた湯水を受け入れて前記前カバーの後面側に流出させるべく、前記前カバー横幅方向に伸びる状態で前記前カバーに形成された通水スリットと、その通水スリットから流出した湯水を前記前カバーの後方側に流動させて前記水受け部に流下させる後方側流動案内部を備えて構成されている点にある。
つまり、上方側作用部では、前カバーと扉体との間を流下する湯水を下方側作用部よりも先に受け止めることから、その受け止める湯水の量が多い場合が想定される。そこで、受け止めた湯水を前カバー横幅方向に伸びる通水スリットを通過させて、前カバーの後面側に流出させるようにすることにより、受け止めた湯水の量が多くとも、十分に前カバーの後面側に流出させることができるのである。
従って、扉体の裏側から浸入する湯水の量が多くとも、その湯水がキッチンの床に滴下するのを十分に抑制することができるので、扉体の裏側から浸入した湯水がキッチンの床面を汚損するのを回避することができる。
前記後方側流動案内部が、前記通水スリットから流出した湯水を受けるべく、前記前カバーの後面部から後方に突出する状態で、前記通水スリットにおける前記前カバー横幅方向の全幅にわたって設けられた上側後方突出部を備えて構成され、
前記上側後方突出部における前記前カバー横幅方向の所定の箇所に、前カバー上下幅方向に貫通する流下孔が設けられ、
前記上側後方突出部の上面部に、凹溝状の導水溝が、その底部が前記流下孔に近づくほど下位となる傾斜状になる状態で、前記前カバー横幅方向に沿って設けられている点にある。
つまり、前カバー横幅方向での流下孔の設置位置を、前カバー横幅方向において、洗浄槽と前カバーとの間に機器類が存在しない位置に設定する。そうすることにより、前カバー横幅方向に長く伸びる通水スリットから前カバーの後面側に流出した湯水を流下孔に集めて、その流下孔から、洗浄槽と前カバーとの間において機器類が存在しない箇所を通して水受け部に落下させることができるので、洗浄槽と前カバーとの間の機器類が濡れるのを防止することができる。
従って、前カバーの強度が低下するのを回避すると共に、洗浄槽と前カバーとの間の機器類が濡れるのを防止できながら、洗浄槽の上端部と扉体の上端部との間から浸入する湯水の量が多くとも、上方側作用部によって十分に湯水を受け止めてカバーの後面側に流出させて、水受け部に落下させることができる。
前記下方側作用部が、上面部が前記前カバー横幅方向の一端の流下用端部側ほど下位となる傾斜状になる形態で、前記前カバーの前面部から前方に突出する状態で設けられた下側前方突出部と、その下側前方突出部の上面部の前記流下用端部から流下する湯水を流下案内すべく、後方側に凹む凹溝状で前記前カバー上下幅方向に沿って設けられた流下案内路と、その流下案内路を流下する湯水を受け止めるべく、前記流下案内路の下端を閉止する形態で設けられた流下案内路閉止部と、その流下案内路閉止部にて受け止められた湯水を受け入れて前記前カバーの後面側に流出させるべく、前記前カバーにおける前記流下案内路の下端に相当する箇所に形成された通水孔と、その通水孔から流出した湯水を前記前カバーの後方側に流動させて前記水受け部に流下させるべく、前記前カバーの後面部から後方に突出する状態で設けられた下側後方突出部とを備えて構成されている点にある。
そして、流下案内路を流下する湯水は、流下案内路閉止部にて受け止められて、通水孔を通過して前カバーの後面側に流出し、更に、下側後方突出部を前カバーの後方側に流動して、水受け部に流下する。
従って、下方側作用部によって、洗浄槽と前カバーとの間の機器類が濡れるのを防止しながら、前カバーと扉体との間を流下する湯水を十分に受け止めてカバーの後面側に流出させて、水受け部に落下させることができる。
前記扉体と前記前カバーの前記上側前方突出部との間、及び、前記扉体と前記前カバーの前記下側前方突出部との間の夫々に、夫々の間を封止するシール部材が設けられている点にある。
従って、扉体の裏側から浸入した湯水がキッチンの床に滴下するのを更に抑制することができるので、扉体の裏側から浸入した湯水がキッチンの床面を汚損するのを更に回避することができる。
前記扉体が、その後面に取り付けた係合体を前記洗浄槽の前部に取り付けた係合部に係合させた状態で、前記洗浄槽の前部に装着されるように構成され、
前記前カバーに、前記係合体を構成する部材、又は、前記係合部を構成する部材を挿通する挿通開口が設けられ、
前記前カバーの前面部における前記挿通開口の上方側の部分に、前記前カバーの前面部から前方に庇状に突出する庇状突出部が設けられている点にある。
従って、洗浄槽と扉体との間に前カバーを位置させた状態で、扉体を洗浄槽の前部に装着するのを可能としながら、そのように扉体を洗浄槽の前部に装着するための係合体や係合部が湯水で濡れるのを防止することができる。
(食器洗浄機の構成)
図1に示すように、洗浄槽挿脱用開口Aが前部に形成された直方体状の本体ケーシング1が設けられ、平面視形状が四角状でかつ上部が開口された洗浄槽2が、本体ケーシング1の内部の洗浄運転用の収納位置と本体ケーシング1の前方に引き出された引出位置とにわたって洗浄槽挿脱用開口Aを通して出退移動自在な状態で、本体ケーシング1に支持されて、引出し式の食器洗浄機Sが構成されている。
図1及び図2に示すように、洗浄槽2の前部には、その洗浄槽2が収納位置に位置する状態において洗浄槽挿脱用開口Aを閉じる扉体3が、洗浄槽2の前部の洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体を覆う状態で装着されている。また、図2及び図9に示すように、洗浄槽2と扉体3との間に位置されて、洗浄槽2の前部の洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体を覆う前カバーMが、洗浄槽2の前部に装着される。
具体的には、扉体3は、その横幅が本体ケーシング1の横幅よりも少し大きく、且つ、その上下幅が本体ケーシング1の上下幅と同じ大きさとなるように構成されている。
さらに、扉体3には、引出し操作用の把手部4が設けられている。
尚、図26及び図27においては、食器洗浄機Sの下方に、設置体Dとして、引出し式の収納部が配置される場合を例示する。
さらに、洗浄槽2の前部に対する扉体3の装着位置を、洗浄槽上下幅方向及び洗浄槽横幅方向において調整可能な扉体装着位置調整機構P(図10及び図18参照)が設けられている。
尚、洗浄槽側レール部材6は、本体ケーシング1に設けた本体ケーシング側レール部材(図示せず)に対して、スライド自在に係合されることになる。
尚、各側壁2Sは、下方張出部2dと前方張出部2fとを一連に連なる板状で備える形態に、樹脂成型(例えば、PP樹脂)にて形成されている。
上述したように、食器洗浄機Sの扉体3は、食器洗浄機SをシステムキッチンKに設置する際に、その施工現場にて、洗浄槽2の前部に装着されるものであり、以下、扉体3を洗浄槽2の前部に装着する構成について説明する。
従って、扉体3の後面に取付けた係合体Eが、洗浄槽2の前部に設けた係合部Fに係合された状態で、扉体3が洗浄槽2の前部に装着されることになる。
本実施形態においては、左方取付け機構JLが、左方側係合体形成体10Lにおける上下の2箇所の夫々に設けられ、また、右方取付け機構JRが、右方側係合体形成体10Rにおける上下の2箇所の夫々に設けられている。
つまり、断面形状L型の軸状部10aは、その長手方向視にて、一辺側部分を扉体3の後面に当て付けた状態に装着されるものであって、軸状部10aにおける扉体3から起立姿勢となる他辺側部分に、上方板状部10u及び下方板状部10sが連設されている。
つまり、支持金具11は、扉体3の厚さ方向視(前後幅方向視)にて、帯板状に構成されるものであって、支持金具11の上下の縁部に対して、中間板状部10mの内縁部が摺接する状態となるように構成されている。
そして、接続部分11bには、接続体12が装備され、接続部分11bにおける上壁に相当する部分には、扉体3の横幅方向に沿う長孔13が形成されている。
本体部分12aが、支持金具11の接続部分11bに形成した長孔13の横幅よりも大きな横幅を有する状態に形成され、そして、突出部分12bが、支持金具11の接続部分11bに形成した長孔13の横幅よりも小さな横幅となる状態に形成されて、長孔13を通して、接続部分11bの外方に突出するように構成されている。
つまり、接続体12は、扉体3の横幅方向に移動自在な状態で、支持金具11の接続部分11bに装着されている。
そして、右方側係合体形成体10Rにおける連結片10rの先端が、接続体12に係合するように構成され、かつ、連結片10rを貫通する頭付ボルト14が、接続体12に螺合する状態で設けられている。
したがって、頭付ボルト14を操作しながら、右方側係合体形成体10Rの扉体3に対する横幅方向での位置を調節できるように構成されており、左方側係合体形成体10Lも同様である。
同様に、右方取付け機構JRが、右方側係合体形成体10Rの上下2箇所に対応して設けられるものであるから、右方側係合体形成体10Rの扉体3に対する横幅方向での位置を調節する際には、上下2箇所の頭付ボルト14を操作しながら行うことになる。
尚、上方側の左右一対の係合作用部Euは同様に構成され、下方側の左右一対の係合作用部Esも同様に構成されるものであるため、以下、右方側係合体形成体10Rが備える上方側の右方の係合作用部Eu、及び、下方側の右方の係合作用部Esを代表として説明し、左方側係合体形成体10Lが備える上方側の左方の係合作用部Eu、及び、下方側の左方の係合作用部Esについては、必要に応じて説明を加える。
すなわち、固定受け金具20は、横長枠体状の本体部20aと、その本体部20aの両端部の前後方向に沿う姿勢の板状部20bとから構成され、その板状部20bに、前後位置調整用回転体16が回転自在に支持され、また、固定用ボルト18が螺合する連結孔21が形成されている。
そして、前後位置調整用回転体16の軸部16Bが板状部20bに回転自在に嵌合されており、前後位置調整用回転体16の頭部16Aを回転操作することにより、右方側係合体形成体10Lの上方板状部10uを洗浄槽前後幅方向(扉体3の厚さ方向)に移動させることができるように構成されている。
すなわち、洗浄槽接続部材7の前端部に、前後方向に沿う姿勢の板体29が上方に向けて起立する状態で設けられ、その板体29に、前後位置調整用回転体23及び上下位置調整用回転体25が回転自在に支持され、また、固定用ボルト27が螺合する連結孔30が形成されている。
つまり、前後位置調整用回転体23を回転操作することにより、右方側係合体形成体10Rの下方板状部10sを洗浄槽前後幅方向(扉体3の厚さ方向)に移動させることができ、また、上下位置調整用回転体25を回転操作することにより、右方側係合体形成体10Rを洗浄槽上下幅方向(扉体3の上下幅方向)に移動させることができるように構成されている。
同様に、上方側の左方の係合作用部Eu及び下方側の左方の係合作用部Esが、上下位置調整用回転体25の回転操作により、上方側の左方の係合部分Fu及び下方側の左方の係合部分Fsに対する洗浄槽上下幅方向での位置が変更調節されることになる。
同様に、下方側の右方の係合部分Fsに、右方側係合体形成体10Rの洗浄槽上下幅方向での位置を調節すべく、下方側の右方の係合作用部Esを洗浄槽上下幅方向での位置を変更調節自在に受止め支持する右方側の受止め支持体として、上下位置調整用回転体25が設けられることになる。
また、下方側操作用窓32を通して、下方側の右方の係合作用部Esと下方側の右方の係合部分Fsとの係合状態の確認や、下方側の右方の係合部分Fsが備える前後位置調整用回転体23及び上下位置調整用回転体25の回転操作を行うことができ、加えて、固定用ボルト27の装着作業を行えるように構成されている。
従って、上方側左方連結部UL、上方側右方連結部UR、下方側左方連結部SL、及び、下方側右方連結部SR、並びに、左方取付け機構JL及び右方取付け機構JRにより、扉体装着位置調整機構Pが構成されている。
前カバーMは合成樹脂製であり、図9、図20〜図22に示すように、正面視形状が概略長方形状に構成されるものであって、図2にも示すように、その左右両端縁夫々の上部側に、後面側に突出する状態で、ネジ挿通孔を備えた後方突起部39が設けられ、更に、図6にも示すように、左右両端縁夫々における後方突起部39の下方には、後面側に突出する状態で、板状の被せ部40が各端縁に沿って設けられている。そして、図2及び図9に示すように、前カバーMは、その左右の後方突起部39及び被せ部40を洗浄槽2の左右の前方張出部2fに被せた状態で、その上部側における左右の後方突起部39を介して、樹脂製の装着ネジ33にて洗浄槽2に止着されている。
また、前カバーMには、図6、図9及び図20に示すように、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rにおける支持金具11との接続部分を挿通させる4つの窓状の挿通開口35が形成されており、扉体3を洗浄槽2の前部に装着した状態において、前カバーMを、扉体3と洗浄槽2の間に位置させることができるように構成されている。
そして、洗浄槽2に扉体3を装着しない状態で、仮把手部操作用開口36を通して仮把手部20cを掴んで、洗浄槽2を引出し操作することが可能に構成されている。
そして、前カバーMは、上述した左右の後方突起部39及び左右の被せ部40、並びに、以下のように構成される前カバー通過案内部Zを一体的に備える形状に樹脂成型により形成される。
そして、その上側後方突出部48における前カバー横幅方向の所定の箇所に、前カバー上下幅方向(即ち、洗浄槽上下幅方向)に貫通する流下孔49が設けられ、上側後方突出部48の上面部48mに、凹溝状の導水溝50が、その底部が流下孔49に近づくほど下位となる傾斜状になる状態で、前カバー横幅方向に沿って設けられている。
図20及び図21に示すように、前カバーMの前面部から前方に突出する上側前方突出部41は、前カバー上下幅方向において左右の後方突起部39の上端と略同位置に位置させて、前カバー横幅方向に沿って前カバーMにおける前カバー横幅方向の全長にわたって直線状に伸びる状態で、前カバーMの前面部に設けられている。
つまり、この上側前方突出部41の上面部41mは、前カバー横幅方向及び洗浄槽前後幅方向(即ち、前カバー厚さ方向)に沿うように構成されて、食器洗浄機SがシステムキッチンKに設置された状態では、略水平方向に沿うように構成されている。
そして、この上側前方突出部41の上面部41mにより、湯水Wを前カバーMにおける前カバー横幅方向の全幅にわたって受け止めることが可能なように構成されている。
図25に示すように、上側前方突出部41と各通水スリット42との前カバー上下幅方向における相対位置関係は、上側前方突出部41の上面部41mと、各通水スリット42の開口縁における前カバー上下幅方向の下方の開口縁部分とが、前カバー上下幅方向において略同位置に位置する(即ち、略同高さとなる)位置関係に設定されている。
尚、以下の説明では、2個の下側前方突出部43,43を区別して説明する場合、正面視において左側のもの(図20及び図21の紙面上で左側のもの)を左側の下側前方突出部43と称し、右側のもの(図20及び図21の紙面上で右側のもの)を右側の下側前方突出部43と称する。
つまり、流下案内路44は、左右の下側前方突出部43,43により凹溝の両側部が囲われて、洗浄槽前後幅方向の後方側に凹む凹溝状に構成され、その流下案内路44が、前カバーMの前面部における前カバー横幅方向の略中央に、前カバー上下幅方向に沿って前カバーMの下端にまで伸びる状態で設けられている。
通水孔46は、左右の下側前方突出部43,43の間の流下案内路44内における前カバー上下幅方向の下端に位置させて、前カバー厚さ方向に貫通するように、前カバーMに形成されている。
この上側後方突出部48の上面部48mは、前カバー横幅方向及び前カバー厚さ方向に沿うように構成されており、食器洗浄機SがシステムキッチンKに設置された状態では、略水平方向に沿うように構成されている。
さらに、下側後方突出部47には、平面視において、上側後方突出部48の流下孔49と重なるように、即ち、その流下孔49の鉛直方向の下方に位置させて、通水用切り欠き51が形成されている。
各庇状突出部52における前カバー横幅方向の外方側の端部は上方に屈曲され、前カバー横幅方向の内方側の端部は下方に屈曲されている。
次に、扉体3を前カバーMが装着された状態の洗浄槽2に装着する手順について、説明を加える。
図23、図24及び図25に示すように、扉体3を前カバーMが装着された状態の洗浄槽2に装着するときは、前カバーMの前面部において、その上端に位置させて1段目のシール部材54が装備され、上側前方突出部41の前部に位置させて2段目のシール部材55が装備され、左右の下側前方突出部43,43夫々の前部の上端に夫々位置させて左右一対の3段目のシール部材56が装備され、左右の下側前方突出部43,43夫々の前部の下端側の部分に夫々位置させて左右一対の4段目のシール部材57が装備される。
1段目のシール部材54は、その上端縁を前カバーMの前面部の上端縁に合わせた状態で、前カバーMの前面部の上端に前カバー横幅方向の全長にわたって設けられている。
2段目のシール部材55は、その上端縁を上側前方突出部41の上端縁に合わせた状態で、前カバーMの上側前方突出部41の前部に前カバー横幅方向の全長にわたって設けられている。
同様に、左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rにおける下方板状部10sの係合孔24を、下方側の係合部分Fuの前後位置調整用回転体23に係合させ、かつ、下方板状部10sの接当部26を下方側の係合部分Fsの上下位置調整用回転体25に接当する状態に載せ付ける。
また、上方側の左右一対の係合部分Fuに装備した前後位置調整用回転体16及び下方側の左右一対の係合部分Fsに装備した前後位置調整用回転体23の回転操作により、扉体3の洗浄槽前後幅方向での位置を調節することになる。
この際、左右の前後位置調整用回転体16及び左右の前後位置調整用回転体23の回転操作により、扉体3の上方側の左右両側部分及び下方側の左右両側部分についての洗浄槽前後幅方向での位置を調節することにより、扉体3の前後方向での傾きや左右方向での傾きを調節することができる。
また、2段目のシール部材55により、前カバーMの上側前方突出部41と扉体3との間が、前カバー横幅方向の全長にわたって、湯水Wを通さないように封止される。
また、左側の3段目のシール部材56により、左側の下側前方突出部43の前部の上端縁部と扉体3との間が、その下側前方突出部43の上端縁の全長にわたって、湯水Wを通さないように封止され、右側の3段目のシール部材56により、右側の下側前方突出部43の前部の上端縁部と扉体3との間が、その下側前方突出部43の上端縁の全長にわたって、湯水Wを通さないように封止される。
さらに、左側の4段目のシール部材57により、左側の下側前方突出部43の前部の下方側部分と扉体3との間が、前カバー横幅方向の全長にわたって、湯水Wを通さないように封止され、右側の4段目のシール部材57により、右側の下側前方突出部43の前部の下方側部分と扉体3との間が、前カバー横幅方向の全長にわたって、湯水Wを通さないように封止される。
次に、図21、図22及び図25に基づいて、このように洗浄槽2の上部の開口から飛び出した湯水Wが1段目のシール部材54を通過した場合の挙動を矢印にて説明する。但し、図25においては、矢印を記載していない。
この場合、上方の左右の挿通開口35の上方には庇状突出部52が設けられていて、湯水Wがその庇状突出部52にて受け止められるので、湯水Wが上方の左右の挿通開口35の前方を落下したり、その挿通開口35を通って前カバーMの後面側に流動するのが防止される。従って、上方の左右の挿通開口35の挿通されている左方側係合体形成体10Lや右方側係合体形成体10Rの支持金具11との接続部分が湯水Wで濡れるのを回避することができる。
そのように各庇状突出部52における前カバー横幅方向の内方側の端部から流下して前カバーMの前面部を伝って流下する湯水Wや、前カバーMの前面部における左右の庇状突出部52の間を伝って流下する湯水Wは、左側の下側前方突出部43の右下がり傾斜状の上面部43mや左側の3段目のシール部材56の上面部、あるいは、右側の下側前方突出部43の左下がり傾斜状の上面部43mや右側の3段目のシール部材56の上面部にて受け止められて、前カバー横幅方向の中央側に流動して、流下用端部43eから流下案内44に流下流入し、その流下案内路44を流下する。
従って、洗浄槽2の上部の開口から飛び出した湯水Wが前カバーMの上端部と扉体3の上端部との間に浸入したとしても、キッチンの床上に滴下するのを十分に抑制することができる。
尚、洗浄槽2の上部の開口から飛び出した湯水Wが前カバーMと洗浄槽2の上端部との間に浸入したとしても、浸入した湯水Wは、前カバーMの後面部を伝って流下して、下側後方突出部47に受け止められ、その後端縁からドレンパンMに落下するので、湯水Wがキッチンの床上に滴下することはない。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 前カバー通過案内部Zの具体的な構成は、上記の実施形態において例示した構成、即ち、湯水Wを受け止め且つ受け止めた湯水Wを前カバーMを通過させてその後面側に流動させるように作用する作用部として、上方側作用部Zuと下方側作用部Zsとの2つを備えた構成に限定されるものではない。例えば、前カバー通過案内部Zを構成するに、前述の作用部を湯水Wを受け止める箇所を洗浄槽上下幅方向に異ならせた状態で、3つ以上備えて構成しても良い。
また、前カバー通過案内部Zを構成するに、湯水Wを洗浄槽上下幅方向の1箇所で受け止めるように構成しても良い。
あるいは、前カバー通過案内部Zを構成するに、湯水Wを洗浄槽上下幅方向の複数箇所で受け止めて、受け止めた湯水Wを前カバーMを通過させてその後面側に流動させ、そのように複数箇所夫々から後面側に流動する湯水Wを1箇所に集まるように流動させて、ドレンパン37に流下させるように構成しても良い。
2 洗浄槽
3 扉体
10L 左方側係合体形成体(係合体を構成する部材)
10R 右方側係合体形成体(係合体を構成する部材)
35 挿通開口
37 ドレンパン(水受け部)
41 上側前方突出部
41m 上面部
42 通水スリット
43 下側前方突出部
43e 流下用端部
43m 上面部
44 流下案内路
45 流下案内路閉止部
46 通水孔
47 下側後方突出部
48 上側後方突出部
48m 上面部
49 流下孔
50 導水溝
52 庇状突出部
55 シール部材
56 シール部材
57 シール部材
A 洗浄槽挿脱用開口
E 係合体
F 係合部
M 前カバー
W 湯水
Y 後方側流動案内部
Z 前カバー通過案内部
Zs 下方側作用部
Zu 上方側作用部
Claims (7)
- 洗浄槽挿脱用開口が前部に形成された本体ケーシングと、前記本体ケーシングの内部の洗浄運転用の収納位置と前記本体ケーシングの前方に引き出された引出位置とにわたって前記洗浄槽挿脱用開口を通して出退移動自在な状態で、前記本体ケーシングに支持された洗浄槽とを備え、
前記洗浄槽が前記収納位置に位置する状態において前記洗浄槽挿脱用開口を閉じる扉体が、前記洗浄槽の前部の洗浄槽上下幅方向の全体及び洗浄槽横幅方向の全体を覆う状態で、前記洗浄槽の前部に装着された食器洗浄機であって、
前記洗浄槽と前記扉体との間に位置されて、前記洗浄槽の前部の前記洗浄槽上下幅方向の全体及び前記洗浄槽横幅方向の全体を覆う前カバーが、前記洗浄槽の前部に装着され、
前記前カバーに、その前カバーと前記扉体との間の上端から浸入してそれらの間を流下する湯水を前カバー横幅方向の全幅又はその全幅に近い範囲で受け止め、受け止めた湯水を前記前カバーを通過させてその後面側に流動させて、前記本体ケーシング又は前記洗浄槽に設けられた水受け部に流下させる前カバー通過案内部が設けられている食器洗浄機。 - 前記前カバー通過案内部が、前記前カバーの前面部の上端側において、湯水を受け止め且つ受け止めた湯水を前記前カバーを通過させてその後面側に流動させるように作用する上方側作用部と、その上方側作用部が湯水を受け止める箇所よりも下方側にて、湯水を受け止め且つ受け止めた湯水を前記前カバーを通過させてその後面側に流動させるように作用する下方側作用部とを備えて構成されている請求項1に記載の食器洗浄機。
- 前記上方側作用部が、前記前カバーの前面部における上端側の部分に、その前面部から前方に突出する状態で、前記前カバー横幅方向に沿って伸びるように設けられた上側前方突出部と、その上側前方突出部の上面部にて受けられた湯水を受け入れて前記前カバーの後面側に流出させるべく、前記前カバー横幅方向に伸びる状態で前記前カバーに形成された通水スリットと、その通水スリットから流出した湯水を前記前カバーの後方側に流動させて前記水受け部に流下させる後方側流動案内部を備えて構成されている請求項2に記載の食器洗浄機。
- 前記後方側流動案内部が、前記通水スリットから流出した湯水を受けるべく、前記前カバーの後面部から後方に突出する状態で、前記通水スリットにおける前記前カバー横幅方向の全幅にわたって設けられた上側後方突出部を備えて構成され、
前記上側後方突出部における前記前カバー横幅方向の所定の箇所に、前カバー上下幅方向に貫通する流下孔が設けられ、
前記上側後方突出部の上面部に、凹溝状の導水溝が、その底部が前記流下孔に近づくほど下位となる傾斜状になる状態で、前記前カバー横幅方向に沿って設けられている請求項3に記載の食器洗浄機。 - 前記下方側作用部が、上面部が前記前カバー横幅方向の一端の流下用端部側ほど下位となる傾斜状になる形態で、前記前カバーの前面部から前方に突出する状態で設けられた下側前方突出部と、その下側前方突出部の上面部の前記流下用端部から流下する湯水を流下案内すべく、後方側に凹む凹溝状で前記前カバー上下幅方向に沿って設けられた流下案内路と、その流下案内路を流下する湯水を受け止めるべく、前記流下案内路の下端を閉止する形態で設けられた流下案内路閉止部と、その流下案内路閉止部にて受け止められた湯水を受け入れて前記前カバーの後面側に流出させるべく、前記前カバーにおける前記流下案内路の下端に相当する箇所に形成された通水孔と、その通水孔から流出した湯水を前記前カバーの後方側に流動させて前記水受け部に流下させるべく、前記前カバーの後面部から後方に突出する状態で設けられた下側後方突出部とを備えて構成されている請求項4に記載の食器洗浄機。
- 前記扉体と前記前カバーの前記上側前方突出部との間、及び、前記扉体と前記前カバーの前記下側前方突出部との間の夫々に、夫々の間を封止するシール部材が設けられている請求項5に記載の食器洗浄機。
- 前記扉体が、その後面に取り付けた係合体を前記洗浄槽の前部に取り付けた係合部に係合させた状態で、前記洗浄槽の前部に装着されるように構成され、
前記前カバーに、前記係合体を構成する部材、又は、前記係合部を構成する部材を挿通する挿通開口が設けられ、
前記前カバーの前面部における前記挿通開口の上方側の部分に、前記前カバーの前面部から前方に庇状に突出する庇状突出部が設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
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