JP6096769B2 - 相転移媒体を有したフィルター支持 - Google Patents

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Description

本発明は、単離された細胞、特に、循環性腫瘍細胞等の希少な細胞を処理して、該細胞を光学イメージングに適したものにするための方法に関し、当該方法は、(a)捕獲された細胞を含むフィルター材料を相転移媒体上に堆積させるステップ、(b)前記相転移媒体を、該媒体が前記フィルター材料の下で広がるまで融解させるステップ、及び、(c)前記相転移媒体の温度を、該媒体が凝固するまで下げ、固定された位置にて前記細胞を含む光学的に平面のフィルターを生じるステップ、を含む。当該方法は、さらに、フィルター材料上で細胞を捕獲する最初のステップを含んでもよい。相転移媒体、好ましくはパラフィンワックスは、該媒体を通った流体の通過を可能にする多孔性又は網目状の構造を含んでもよい。相転移媒体はさらに、ガラスキャリア又はポリマー材料のキャリア等のキャリア上に乗せてもよい。本発明は、さらに、当該方法によって取得可能な、光学イメージングに適した単離された細胞を含む処理されたフィルター材料、そのようなフィルター材料の、診断的、組織学的、微生物学的、生化学的、腫瘍学的、又は血液学的な解析に対する使用、並びに、細胞を単離するか又は細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための装置に関する。
原発部位から隣接していない続発部位への癌の転移、すなわち、癌の広がりは、癌の研究、診断、及び治療の主要な挑戦の1つである。転移は、限局性の侵入、血管内異物侵入、血行路を介した輸送、微小血管における静止、血管外漏出、微小転移の形成、休止状態、血管新生、定着、及び、マクロ転移の形成を含む一連の段階を介して発展すると信じられている(Weinberg、2007、The biology of cancer、Garland Science、New York)。循環系における、特に、血流におけるその輸送の間、腫瘍細胞は、循環性腫瘍細胞(CTC)と呼ばれる。CTCは、細胞癌、すなわち、上皮の悪性腫瘍の転移拡散において重大な役割を果たすと考えられている。その検出は、従って、重要な予後及び治療の意味を有し、とりわけ、臨床的ステージ、疾患再発、治療応答、及び患者の生存期間と付随している。CTCはさらに、再発のリスク及び治療のコースの評価に対する非依存的代替マーカーとして見られる。
しかし、CTCは、血流において非常に希少であり、転移性疾患を有した患者における1mlの全血あたり、同じ量において見つけることができる10の赤血球及び数百万もの白血球と比較して、1から10の細胞の出現頻度でのみ見つかる。従って、これらの希少な循環性腫瘍細胞を選択及び濃縮する必要がある。従来、濃縮プロセスは、密度遠心分離によって分けられたCTCの密度の差に基づいていた。けれども、回収率は非常に乏しい。さらに最近では、CTCの濃縮は、特異的な表面マーカー、特に、上皮細胞接着分子(EpCAM)の同定に基づいていた。CTCは、従って、例えば強磁性流体のナノ粒子によって、免疫磁気的に濃縮することができる。しかし、このアプローチは、おそらく表面マーカーの可変な発現によって約10から90%という広範な回収範囲によって妨害される(Zheng等、2011、Biomed Microdevices、13:203〜213)。
CTCの単離に対する選択肢として、細胞の分子ふるい方法の使用が、特に、CTCは上皮細胞として多くの場合において周囲の血液細胞よりも大きいという事実のため提案されてきた。無作為の位置にてポアを含むポリカーボネートフィルター、微細加工されたフィルター、微細加工された単層2Dフィルター、電界に基づく微小流体フィルター、ニッケル電気鋳造に基づくフィルター微細空洞アレイ装置、又は、3Dマイクロフィルター装置を含むいくつかのフィルターの種類が開発されてきた(Zheng等、2011、Biomed Microdevices、13:203〜213)。類似のアプローチが、例えば血流内又は特定の試料形態内のバクテリア細胞、骨髄細胞、又は脾臓細胞等の他の細胞タイプの選択に対しても開発されてきた。
しかし、溶液からの特定の細胞の選択は、例えば転移特徴等の細胞の特性を決定するのに必要とされる一連の反応のうちの単なる第1のステップである。従って、単離された後、細胞は、典型的に、染色及び光学的区別の手順を受ける。これらの後のステップの間のフィルター材料は、一般的に、扱うのが困難であり、薄くて脆く、さらには、容易に壊れ得る。
加えてフィルターは、しわが寄る場合が多くあり、光学的に平面ではなく、従って、細胞の光学イメージングのプロセスを複雑にする。従来技術は、例えば免疫磁気ビーズ及び磁石を使用して顕微鏡のカバーに対して細胞を引きつけることによって等、この問題を克服するためにアプローチを提供するけれども、これらの方法は、複雑であるか、時間がかかるか、又は、専門の機器を必要とする。
従って、捕獲された細胞を迅速且つ正確にフィルター材料上で画像化することができるように、単離された細胞を含むフィルター材料の取扱いを可能にする手段及び方法を提供する必要がある。
本発明は、これらの要求に取り組み、単離された細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための手段及び方法を提供する。上記目的は、特に、単離された細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための方法によって成し遂げられ、当該方法は、(a)捕獲された細胞を含むフィルター材料を相転移媒体上に堆積させるステップであり、前記相転移媒体がキャリアの上に乗せられるステップ、(b)前記相転移媒体を、該媒体が前記フィルター材料の下で広がるまで融解させるステップ、及び、(c)前記相転移媒体の温度を、該媒体が凝固するまで下げ、固定された位置にて前記細胞を含む光学的に平面のフィルターを生じるステップ、を含む。当該方法は、循環性腫瘍細胞等の濾過性の細胞を、シンプルで時間節約且つ正確な様式で、後の光学解析ステップのために処理することができるという利点を提供する。細胞は、特に、いかなる染色もなくても、標準的な明視野顕微鏡において非常に強いコントラストで画像化可能であると分かってきた。観察される処理された細胞の高品質の特性に対する説明は、媒体が光を散乱し、さらに、フィルター材料、光学成分、及び支持材料からの反射を抑制するということである。本発明の方法は、従って、非常に穏やかな様式で光学的に平坦なフィルター表面を確立する。さらに、フィルター上の処理された細胞は、依然として染色、固定化、生物学的若しくは機械的操作、又は培養のアプローチに利用できる。加えて、後の取扱いステップの間の表面領域の変形は、ガラス等のキャリア材料上での固定化によって回避することができる。開発された方法論は、従って、血液試料から得られる細胞タイプ、特にCTCの処理に非常によく適応している。加えて、開発された方法論は、一般的に、例えば後の光学解析を必要とする細胞等、(いかなる起源、タイプ、又はサイズの)細胞がフィルター材料上に存在するいかなる状況にも適用することができる。
本発明の好ましい実施形態において、上記の方法は、さらに、フィルター材料上で細胞を捕獲する最初のステップを含む。
本発明のさらに好ましい実施形態において、前記フィルター材料は、流体又は溶液から単離されることになる細胞をサイズ排除する能力を持つ。フィルター材料は、好ましくは、約0.5から20μm、より好ましくは約8μmのポアサイズを有してもよい。本発明のさらに好ましい実施形態において、上記のフィルター材料は、ポリマーのフィルター、より好ましくは、ポリカーボネート、パリレン、又はナイロンのフィルターである。本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上記のフィルター材料は、ノンポリマーのフィルター、より好ましくは、シリコンフィルターである。本発明のさらに別の好ましい実施形態において、前記フィルター材料は、3Dマイクロフィルターである。
本発明の別の好ましい実施形態において、前記相転移媒体は、約25℃から70℃の温度範囲で融解及び凝固する媒体である。
さらに好ましい実施形態において、上述の相転移媒体は、多孔性、網目状、開口、若しくは部分的に開口の構造を含み、及び/又は、チャネル、通路、若しくはパイプ要素を含み、前記構造又は要素は、前記媒体を通る流体の通過を可能にする。
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、前記相転移媒体は、n=20から40であるC2n+2の分子式を有する炭化水素ワックス、好ましくはパラフィンワックスである。
本発明のさらに別の好ましい実施形態において、上述の相転移媒体は、キャリアの上に乗せられる。本発明の特に好ましい実施形態において、前記キャリアは、ガラスキャリア又はポリマー材料のキャリアである。さらに好ましい実施形態において、例えばガラス又はポリマー材料のキャリア等の前記キャリアは、位置マーカーを含む。
さらに好ましい実施形態において、本明細書において先に記載された方法は、さらなるステップとして、1つ又は複数の単離された細胞を染色、固定化、放出、機械的に操作、生物学的に操作、及び生化学的に操作するステップの群から選択される活動を含む。
本発明の特に好ましい実施形態において、前記活動は、前記1つ又は複数の単離された細胞を、好ましくは栄養液を前記多孔性、網目状、開口、若しくは部分的に開口した相転移媒体に通して流すことを介して培養するステップを含む。
本発明の別の好ましい実施形態において、本明細書において先に述べられた単離されるか又はフィルター上に存在することになる細胞は、希少な細胞である。特に好ましい実施形態において、前記細胞は、循環性腫瘍細胞である。
さらに好ましい実施形態において、本明細書において先に記載された光学イメージングは、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、蛍光顕微鏡、原子間力顕微鏡、共焦点レーザー走査顕微鏡、又は超解像顕微鏡である。
別の態様において、本発明は、診断的、組織学的、微生物学的、生化学的、腫瘍学的、又は血液学的な解析に対する、光学イメージングに適した単離された細胞を含む処理されたフィルター材料の使用に関し、当該フィルター材料は、例えば本明細書において先に規定された本発明による方法によって得られる。
さらに別の態様において、本発明は、細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための装置に関し、当該装置は、
(a)細胞を捕獲するためのフィルター材料、
(b)前記フィルター材料上への細胞の単離を可能にする、前記フィルター材料に結合される除去可能な圧力送達システム、
)相転移媒体の層、
(d)前記フィルター材料及び/又は前記相転移媒体の層をキャリアまで輸送するための手段、
(e)前記相転移媒体を、該媒体が前記フィルター材料の下で広がるまで融解させるための加熱ユニット、並びに、
(f)前記相転移媒体の温度を、該媒体が凝固するまで下げ、1つの光学的な面において、且つ、固定された位置にて前記細胞を含むフィルターを生じるための冷却ユニット、
を含む。
最後に、特定の実施形態において、本発明は、本明細書において先に述べられた細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための装置に関し、当該装置は、さらに、フィルター材料に結合される除去可能な圧力送達システムを含み、フィルター材料上への細胞の単離を可能にし、並びに/又は、前記フィルター材料及び/若しくは前記相転移媒体の層を本明細書において先に述べられたキャリアまで輸送するための手段を含む。
当該方法の断面図を描写した図であり、支持構造体を融解することによって、相転移媒体は対物レンズとフィルターとの間で均等に分布されている。凝固によって、フィルターは所定位置において固定され、単一の光学的平面において且つ対物レンズに対して固定された位置にて全ての細胞を置き、さらにはそこで維持する。 ポリカーボネートフィルターを支持するパラフィン構造体を融解するペルティエ素子を示した図である。 ポリカーボネートフィルターが冷却後に光学的に平面且つ固定されたフィルター表面を生じることを示した図である。 パラフィン支持構造体の融解後の8μmポア(小さい黒の点)を有するポリカーボネートフィルター(Whatman社製Cycloporeトラックエッチドメンブレン)の上面のMCF7(乳癌)細胞を示した図である。 パラフィン支持構造体の融解及び後のH&E染色後の8μmポア(小さい黒の点)を有するポリカーボネートフィルター(Whatman社製Cycloporeトラックエッチドメンブレン)の上面のMCF7(乳癌)細胞を示した図である。細胞は、フィルター上に残り、フィルターは、染色のプロトコルの間じゅうパラフィンを介して顕微鏡のスライドに固着したまま残る。 フィルタリングの集積された機能性及びフィルターの光学的な平たん化をテストするためのシンプルな装置の原型の作製に向かうステップを示した図である。 フィルターによって分けられた2つのチャンバーを有する実施形態を描写した図であり、融解可能な支持構造体を上面で示している。 フィルターによって分けられた2つのチャンバーを有する実施形態を描写した図であり、フィルターを支持する可能な支持構造体(4、図5A)を示している。第1のコンパートメントは、内部管(2)及び(支持構造体の上面の)フィルターによって密封されており、第2のコンパートメントは、内部管(2)及び外部管(3)によって密封されている。この実施形態において、細胞の供給及び真空発生機械装置は、容易に除去することができ、その後、フィルター(3)を平らにする及び画像形成してもよい。
本発明は、単離された細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための手段及び方法に関する。
本発明は特定の実施形態に関して記載されるけれども、この記載は、限定的な意味で解釈されることはない。
本発明の例証的な実施形態を詳細に記載する前に、本発明を理解するために重要な定義が与えられる。
本明細書及び付随の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の不定冠詞及び定冠詞は、その前後で何か他に明確に指示していない限り、それぞれの複数形も含む。
本発明と関連して、「約」及び「ほぼ」という用語は、くだんの特徴の技術的効果を依然として保証すると当業者が理解するであろう正確さの差を示している。この用語は、典型的に、±20%、好ましくは±15%、より好ましくは±10%、及び、さらにより好ましくは±5%の示された数値からの偏差を示している。
「含む」という用語は限定的ではないと理解すべきである。本発明の解釈上、「から成る(consisting of)」という用語は、「から構成される(comprising of)」という用語の好ましい具体化であると考慮される。以後、群が少なくとも特定数の具体化を含むよう規定される場合、これは、好ましくはこれらの具体化から成る群のみを包含するとも意味する。
さらに、本明細書及び特許請求の範囲において「第1」、「第2」、「第3」、又は、「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「(i)」、「(ii)」等の用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも順番又は時系列順を記述するために使用されているのではない。そのように使用されている用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書において記述されている本発明の実施形態は、本明細書に記述又は例示された順序以外の順序で操作できることが理解されたい。
「第1」、「第2」、「第3」、又は、「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「(i)」、「(ii)」等の用語が方法又は使用又はアッセイのステップに関する場合、ステップ間の時間又は時間間隔の一貫性はなく、すなわち、ステップは、同時に実行することができるか、又は、本明細書において上記又は下記に定められたように本願において示されていない限り、そのようなステップ間には秒、分、時、日、週、月、若しくは年さえの時間間隔があってもよい。
本発明は、本明細書において記載される特定の方法論、プロトコル、試薬等は変わり得るためこれらに限定されないことを理解されたい。本明細書において使用される用語法は特定の実施形態を記載する目的のみにあり、付随の特許請求の範囲によってのみ限定されることになる本発明の範囲を限定すると意図されないことも理解されたい。定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
先に述べたように、本発明は、一態様において、単離された細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための方法に関係し、当該方法は、(a)捕獲された細胞を含むフィルター材料を相転移媒体上に堆積させるステップ、(b)前記相転移媒体を、該媒体が前記フィルター材料の下で広がるまで融解させるステップ、及び、(c)前記相転移媒体の温度を、該媒体が凝固するまで下げ、固定された位置にて前記細胞を含む光学的に平面のフィルターを生じるステップ、を含む。
本明細書において使用される場合、「単離された細胞を処理する」という用語は、その環境から選択及び/又は濃縮された1つ又は複数の細胞の処置及び取扱いを意味し、すなわち、細胞の選択又は濃縮ステップの後に実行されるステップを意味する。本明細書において使用される場合、「細胞」は、いかなるタイプの細胞であってもよく、例えば、バクテリア細胞等の原核細胞、又は、下等の真核又は原生生物細胞等の真核細胞、又は、高等真核生物由来の細胞等である。典型的に、細胞は、哺乳類由来、好ましくはヒト由来の細胞である。細胞は、さらに、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、マウス、ラット、ニワトリ、又は、サルの細胞等、飼育動物又は家畜由来の細胞であってもよい。1つ又は複数の細胞は、特定の実施形態において、全血、血清、血漿、リンパ、羊水等の体液試料由来であってもよい。1つ又は複数の細胞は、或いは、例えば生検試料等の医学的又は法医学的試料由来であってもよい。さらなる実施形態において、細胞は、例えばカルス培養由来等、植物又は真菌由来であってもよい。細胞は、また、さらなる実施形態において、便、涙、唾液、鼻からの液体、痰、耳からの液体、生殖器液、乳房からの液体、母乳、初乳、胎盤からの液体、羊水、汗(perspirate)、滑液、腹水、脳脊髄液、胆汁、胃液、房水、硝子体液、胃腸液、滲出液、漏出液、胸水、心膜液、精液、上気道液、腹水、免疫応答の部位から収集した液体、プールされた回収部位から収集した液体、気管支肺胞洗浄液、又は相当する吸引液、又は尿、又は、例えば肺、筋肉、脳、肝臓、皮膚、膵臓、胃等、例えば全ての適した臓器からの生検材料、有核細胞試料、粘膜表面、髪、又は皮膚と付随する液体等の試料又はそれらを含む試料由来であってもよい。加えて、細胞は、例えば水の試料、肉又は家禽の試料、あり得る汚染源からの試料等、環境源の試料由来であってもよい。
細胞は、従って、固体の組織由来であるか又は自由に移動可能若しくは非付着性である等、いかなる既知の組織タイプ若しくは組織形状のものであってもよいか、又は、いかなる既知の組織タイプ若しくは組織形状由来であってもよい。固体の構造体が与えられる場合、細胞は、例えば適した緩衝液又は栄養液において、当業者には既知の適した溶解技術を利用することによって、そのような構造体から溶解することができる。一部の実施形態において、細胞は、試料から直接得ることができる。他の状況において、試料は、例えば部分精製を含む例えば標準的なプロトコルに基づく試料調製技術に供してもよい。例えば、血液試料は遠心分離してもよく、糞便試料は、区分して生理学的に容認できる緩衝液及び界面活性剤でホモジナイズしてもよく、痰試料は液化して分割してもよい。さらに、特定の実施形態において、抗生物質又は殺菌剤を試料に添加してもよい。三次元、又は、光学的に密な2つ以上の細胞層の構造若しくは形状で提供されていない単離された細胞を使用することが好ましい。従って、1つの細胞層の構造若しくは形状、又は、さらに開いた構造で提供される細胞を使用することが好ましい。特定の実施形態において、細胞は、単独で、すなわち、隣の細胞と直接接触することのない単細胞として、又は、例えば細胞の凝集若しくは細胞の対若しくは細胞の群として共に存在し得る。好ましくは、細胞は、集まっていない形態、より好ましくは、隣の細胞とは直接接触していない単細胞として存在する。さらなる実施形態において、細胞が集まった形態で、又は、隣の細胞と接触して存在する場合に、特に、そのような構造が、例えば循環微小栓子(circulating micro−emboli)の場合に、生物学的関連性を保有する場合に有利であり得る。
1つ又は複数の細胞は、いかなるサイズ、形状、表面、又は、表面構造を有してもよく、例えば、タンパク質構造体、又は、グリコシル化された若しくは非グリコシル化の表面実体等を含む。1つ又は複数の細胞は、従って、約0.5から5μmの小さな直径を有してもよく、又は、それ以上の、約7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25若しくは30μm、又はそれ以上の直径を有してもよい。
1つ又は複数の細胞は、例えば、増殖する能力を持つ、及び/若しくは、有糸分裂的に活性である、及び/若しくは、分裂することができる等、生細胞であってもよく、例えば有糸分裂的に不活性である、及び/若しくは、分裂することができないが、代謝的に活性である等、休止状態であってもよく、又は、例えば代謝的に不活性である等、死細胞であってもよい。さらなる実施形態において、細胞は、生細胞又は休止状態の細胞として単離することができ、さらに、本発明による処理の間に死んでもよい。他の実施形態において、細胞は、死細胞として単離することができる。さらなる特定の実施形態において、細胞は、生細胞として単離することができ、本発明による処理又は処理の一部の後も依然として生存可能であり得る。
単離、すなわち、細胞の選択及び/又は濃縮は、いかなる適した方法に従っても実行することができる。例えば、細胞は、例えばシングル、ダブル、又はトリプルフィルター装置に通過させる等、濾過することができる。或いは、細胞は、例えば表面マーカーと抗体等の対応するリガンド又は結合分子との特異的相互作用によって等、その表面構造に従って選択又は単離することができる。さらなる実施形態において、細胞は、例えばセルソーティング装置によって等、形状及び/又はサイズに従って選択又は単離することができる。さらに別の実施形態において、細胞は、例えばその代謝活性又はその有糸分裂活性をテストすることによって等、その生存能に従って選択又は単離することができる。さらなる実施形態において、例えば核のサイズ又は形状、ミトコンドリア、葉緑体、空胞の存在又は検出性等、細胞内構造体のサイズを、選択のために使用することができる。
本明細書において使用される場合、「光学イメージングに適した」という用語は、高解像度にて及び適した顕微鏡機器を用いて、典型的には明視野顕微鏡を用いて光学的に検出可能であるという細胞の能力を意味する。光学イメージングに適した細胞は、一般的に、1つの光学的平面において与えられ、すなわち、検出領域内の全細胞が、単離された細胞のほぼ平均の直径に加えて該直径の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は110%、好ましくは、該直径の約5%、10%、15%、20%、又は25%の厚さを有する層において存在する。さらに、又或いは、光学イメージングに適した細胞は、その周囲に対して強いコントラストを示し得る。そのような強いコントラストは、さらに、染色手順によって、及び/又は、散乱した光源を使用することによって、及び/又は、標本に関して干渉する反射を除去することによって増強することができる。
当該方法の第1のステップにおいて、本明細書において先に規定された捕獲された細胞を含むフィルター材料が、相転移媒体上に堆積される。本明細書において使用される場合、「フィルター材料」という用語は、1つ又は複数の細胞、好ましくは、10、50、100、500、1000、5000、又は10000を超える細胞の群を有するか又は維持する能力を持ついかなる材料も意味する。当該材料は、多孔性であるか又は開口を有して、水分子又は他の液体分子の透過を可能にしてもよい。当該材料は、さらに、空気又は酸素分子の透過を可能にする能力を持ち得る。特定の実施形態において、フィルター材料は、さらに、例えばポア又はポア様の構造体を提供して特定の細胞、細胞タイプ、細胞サイズ等の通過を可能にし且つ他の細胞を保持することによって、濾過又は保持機能を有してもよい。濾過又は保持機能を有するフィルター材料は、従って、いかなる適したポアサイズ、ポアの配置、厚さを有してもよく、及び/又は、当業者には既知のいかなる適した材料で構成されてもよい。フィルター材料は、いかなる適した形状を有してもよく、例えば、円形、楕円体、長方形、正方形、三角形であってもよく、又は、上述の形状の混合物を有してもよい。好ましいのは、円形のフィルター材料である。さらなる実施形態において、フィルター材料は、継続的な閉じた内部領域を覆ってもよく、又或いは、内部領域内に中心若しくは不均整の穴を有した輪の形状のものであってもよく、又は、内部領域内に2つ以上の開口を含んでもよい。
本明細書において使用される場合、「相転移媒体」は、生存している実体の処理に適した温度範囲内、好ましくは、約25℃から70℃の温度範囲内で固体相と液体相との相転移を示す媒体を意味する。好ましくは、相転移媒体は、例えば28℃よりも高い温度等、室温より上の温度で凝固する。相転移は、典型的には、媒体へのエネルギーの添加によって誘発することができる。例えば、紫外線、赤外線、又は直接暖房を使用することによって、相転移は誘発することができ、すなわち、媒体は、流体、好ましくは粘性になる。さらに、本発明に関して使用される相転移媒体は、さらに、固体相において半透明であるという特性を有しているべきである。本明細書において使用される場合、「半透明」という用語は、適用される光ビームの約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%通す能力を意味する。加えて、又或いは、相転移媒体は散乱性であり得る。本明細書において使用される場合、「散乱」という用語は、相転移媒体の、可視光線の散光器として機能する能力を意味する。従って、当該媒体は、有利に、1つの光学的平面に細胞を与えることに加えて、フィルター材料と、支持材料と、光学イメージング機器、特に、顕微鏡スライドの片面又は両面との間の反射光を効率的に除去することができる。相転移媒体のこれらの特性は、従って、全体の画質に寄与する。
本発明のさらなる実施形態において、相転移媒体は、例えば10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、若しくはそれ以上、又は、上述の値の間のいかなる値の厚さ等、約10から100μmの厚さを有してもよい。厚さは、特定の実施形態においてより薄くてもよい。特に好ましい実施形態において、相転移媒体は、約40μmの厚さを有する。いかなる液体の相転移媒体もフィルター材料のポア又は開口を通って出ないように、相転移媒体の厚さを調整することが特に好ましい。本発明の他の実施形態において、相転移媒体は、上述のフィルター材料の面積のうち約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、若しくはそれ以上、又は、これらの値の間のいかなる割合の面積も覆うことができる。
好ましい実施形態において、相転移媒体は、最初に固体の転移状態であってもよい。固体の転移状態において、相転移媒体は、例えば円形、楕円形、長方形、正方形、三角形等、いかなる適した形状を有してもよく、又は、上述の形状の混合物を有してもよい。好ましいのは、円形の相転移媒体である。さらなる実施形態において、相転移媒体は、継続的な閉じた内部領域を覆ってもよく、又或いは、内部領域内に中心若しくは不均整の穴を有した輪の形状を有してもよく、又は、内部領域内に2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の開口を含んでもよい。本発明によって構想される相転移媒体の形状の例は、図5Aにおいて描かれている。
相転移媒体は、例えば、フィルター材料と同じ、実質的に同じ、若しくは類似の形状、サイズ、面積、又は直径を有することによって、フィルター材料のサイズ、面積、又は直径に調整されることが好ましい。さらなる実施形態において、相転移媒体は、液体の転移状態にある前記相転移媒体がフィルター材料と同じ、実質的に同じ、若しくは類似の面積を覆う、及び/又は、フィルター材料と同じ、実質的に同じ、若しくは類似の形状、サイズ、又は直径を有して、フィルター材料下での相転移媒体の広がりを増す、及び/又は、平面を確立するのに必要とされる高い温度での時間を減らすように、フィルター材料のサイズ、面積、又は直径に調整することができる。
他の実施形態において、相転移媒体は、例えばフィルター材料が円形である場合に相転移媒体も円形である、フィルター材料が長方形の形状のものである場合に相転移媒体も長方形であり得る等、フィルター材料と同じ、実質的に同じ、若しくは類似の形状を有してもよい。さらなる実施形態において、相転移媒体は、フィルター材料とは異なる形状を有してもよい。好ましくは、相転移媒体は、フィルター材料よりも小さいサイズを有してもよい。好ましい実施形態において、相転移媒体は、輪のような形状を有し、フィルター材料は、円形の形状を有してもよい。或いは、相転移媒体は、格子又は網目状の構造を有し、フィルター材料は、長方形の形状等を有してもよい。
本明細書において使用される場合、「フィルター材料を相転移媒体上に堆積させる」という用語は、本明細書において先に規定されるフィルター材料、特に、細胞又は捕獲された細胞を含むフィルター材料が、濾過又は1つ又は複数の細胞を捕獲する部位から、相転移媒体が位置する部位、好ましくは、固体から液体相への転移が起こり得るように相転移媒体を処理することができる部位に移されることを意味する。フィルター材料は、典型的に、相転移媒体の上面に提供される。フィルター材料は、特定の実施形態において、下にある相転移媒体を覆ってもよい。特定の実施形態及び状況において、相転移材料は、フィルター材料の上面に置くか、又は、そこに存在してもよい。さらなる特定の実施形態において、相転移材料は、フィルター材料の周りの縁に、又は、輪の形状で位置してもよく、又は、フィルター材料の下で部分的に位置してもよい。さらなる実施形態において、相転移媒体は、フィルター材料の下及び上に部分的に配置してもよい。さらに別の実施形態において、フィルター材料は、サンドウィッチのような様式で相転移媒体の2つの層間に、すなわち、フィルター材料の下の1つの層と、フィルター材料の上の別の層との間に配置してもよい。相転移媒体がフィルター材料の上面、又は、両面で使用される場合、例えば捕獲された細胞の最大の厚さ、又は、捕獲された細胞の最大の厚さの50%、40%、30%、20%、10%を超えない等、薄い又は非常に薄い相転移媒体の層を有することが好ましい。
堆積手順は、特定の実施形態において、装置構造又は全体的な処理ワークフロー内にまとめてもよい。例は、濾過又は細胞捕獲処理に必要な装置ユニットの除去と一本化された、及び/又は、液体の残留性のフィルター材料の除去に関連づけられた堆積させるステップである。これらの実施形態において、相転移媒体は、例えば濾過処理又は細胞捕獲処理の間に、最初の相ですでに存在していてもよく、又は、相転移媒体は、濾過又は細胞捕獲処理を実行するために以前に使用した構造体の立場をとってもよい。好ましい実施形態において、全体的な処理ワークフローは、図5Bにおいて示されているコンパートメント構造の使用、又は、図4において示されている実体の使用を含んでもよい。
当該方法の第2のステップにおいて、本明細書において規定される相転移媒体は、当該媒体が、本明細書において規定されるフィルター材料の下で広がるまで融解される。融解するステップは、相転移媒体のタイプ、サイズ、厚さ、その温度特性、覆われる面積、室温、又はいかなる他の適したパラメータに従っても実行することができる。融解温度は、例えば約37℃から70℃等、本明細書において示される適した温度範囲内の高い値に設定して、相転移の速度を増すことができる。そのような実施形態において、細胞の生存能は、例えば後の固体化又は化学的処理等のため、重要ではない場合がある。他の実施形態において、融解温度は、例えば37から50℃以下、好ましくは37℃以下の値等、より低い値に設定することができる。この実施形態において、細胞は、融解手順後も生存可能であり得、生細胞に対する特定のテストを用いて後にテストすることができる。或いは、そのような細胞は、例えば適した栄養分等を提供することによって、フィルター材料上で生きたまま維持することができる。融解期間は、相転移媒体のタイプ、サイズ、厚さ、その温度特性、覆われる面積、室温、又は、いかなる他の適したパラメータに適応させてもよい。融解期間は、例えば、1秒、5秒、7秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、35秒、40秒、45秒、50秒、1分、2分、3分、4分、5分、7分、10分、15分、若しくはそれ以上の期間、又は、示された値の間のいかなる値の期間であってもよい。
相転移媒体の融解は、例えば加熱装置、紫外線源、赤外線源、マイクロ波源によって等、いかなる適したエネルギー移動ユニットによって行ってもよい。本発明によるエネルギー移動ユニットは、特定の実施形態において、フィルター材料の近く、又は、装置若しくは器具の構造体内に位置してもよい。好ましいエネルギー源は、ペルティエ素子である。
本発明の特定の実施形態において、融解される相転移媒体は、例えば注入器の形状で、又は、フィルター材料への流体接続を介して等、外部から提供されてもよい。これらの実施形態において、上述の堆積させるステップは、フィルター材料に対して特定の距離にて温度上昇活動が実行されるため、必要ではない。融解される相転移媒体は、さらに、弁、ポンプユニット、管形の実体、又は、いかなる他の微小流体の輸送手段の助けをかりて、フィルター材料まで運んでもよい。特定の実施形態において、輸送処理は、微小流体の装置又は器具のワークフロー内にまとめてもよい。
本明細書において使用される場合、「フィルター材料の下で広がる相転移媒体」という用語は、フィルター材料の全体の領域における完全又は本質的に完全な相転移媒体の分散を意味する。相転移媒体の広がり又は分散が、フィルター材料の全領域において本質的に同じ厚さ及び密度の媒体の等平面(equiplanar)を生じることが好ましい。広がった相転移媒体は、好ましくは、気泡を含まない、又は、本質的に含まなくてよい。
本発明のさらなる別の実施形態において、相転移媒体の分散又は広がりは、例えばフィルター材料の中心、フィルター材料の遠位のゾーン、例えば非常に少ない細胞のみがフィルター材料上に存在するという筋書きにおいて、フィルター材料上で細胞が位置するゾーン、又は、フィルター材料のいかなる他のゾーン等、フィルター材料の特定のゾーンに局在してもよい。ゾーンは、さらなる実施形態において、例えば融解される相転移媒体に溝を掘るフィルター構造の提供によって等、予め決定してもよい。
本発明のさらなる特定の実施形態において、本明細書において規定される融解するステップは、例えば、相転移媒体がフィルター材料の全領域において完全には広がらなかった場合に、又は、媒体の層が本質的に同じ厚さのものではない可能性がある場合に、1回又は複数回繰り返してもよい。
当該方法の第3のステップにおいて、相転移媒体が凝固するまで温度が下げられる。温度を下げるステップは、相転移媒体の融解及び/若しくは広がりの程度、その温度特性、覆われる面積、室温、又は、いかなる他の適したパラメータに従っても実行することができる。温度を下げる活動によって到達することができる最終温度は、例えば約4℃から35℃等、本明細書において示される適した温度範囲に設定することができる。最終温度は、好ましくは、約4、8、10、20、22、24、25、又は26℃という低い温度に設定して、相転移媒体の固体相に向かう相転移の速度を増すことができる。温度を下げるステップは、例えば融解される媒体を示された温度まで冷却することによって等、活動中の冷却処理によって、又は、例えば加熱、紫外線、若しくは赤外線又はマイクロ波の装置のスイッチをきり、さらに、相転移媒体にその温度を周囲の温度若しくは室温に適応させることによって等、加熱若しくは融解処理を止めることによって、実行することができる。
さらなる実施形態において、温度を下げるステップは、例えば、5℃、10℃、15℃、又は20℃のはね上がりで温度を下げることによって等カスケードで、又は、最終温度まで直接下げる、すなわち、冷却することによって、実行することができる。さらなる低減パターン又は温度低下プログラムは、当業者には既知であり、本発明によって構想もされる。
本発明のある種の特定の実施形態において、温度をカスケードで下げるステップは、部分的な温度の上昇と組み合わせてもよい。例えば、10℃温度を下げるステップの後、5℃の上昇を実行して、続いて、さらに温度を下げてもよい。
相転移媒体は、液体部分若しくは液体領域を含まないか又は本質的に含まない場合に凝固されたとして考慮することができる。
相転移媒体の温度を下げるステップは、いかなる適した冷却装置によっても行うことができる。そのような冷却装置は、特定の実施形態において、フィルター材料の近く、又は、装置若しくは器具の構造体内に位置してもよい。好ましい冷却装置はペルティエ素子である。さらに好ましい実施形態において、ペルティエ素子は、後の冷却するステップだけでなく、融解するステップにも使用することができる。さらに、ペルティエ素子は、当業者には既知の特定の融解及び冷却プログラムを行うよう指示することができる。
相転移媒体の温度を下げるステップは、フィルター材料が光学的に平面のフィルター、好ましくは、1つの光学的平面において与えられ、すなわち、検出領域内の全細胞が、単離された細胞のほぼ平均の直径に加えて該直径の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は110%、好ましくは、該直径の約5%、10%、15%、20%、又は25%の厚さを有する層において存在する細胞を含むフィルターに変えられるように、実行することができる。
さらなる好ましい実施形態において、細胞は、その相転移媒体における包埋により、フィルター上の固定された位置にあってもよい。この固定された位置を検出及び記憶して、例えば、第1周目の処理されたフィルターの顕微鏡等における分子解析の後等、後の解析ステップを可能にすることができる。従って、顕微鏡解析を介した特定の細胞の同定及び選択を通じて、固定位置は、例えばさらなる個々のテストに対して等、同定された細胞の後の除去又はタギングを可能にする。
本発明の好ましい実施形態において、上記の方法は、さらに、フィルター材料上で細胞を捕獲する最初のステップを含む。フィルター上で1つ又は複数の細胞を「捕獲するステップ」は、本明細書において先に又は以下に規定されるフィルター材料上に1つ又は複数の細胞の存在をもたらすいかなる適した手段によっても行うことができる。一実施形態において、捕獲するステップは、例えば圧力送達システムの利用、又は、例えば流体若しくは微小流体のシステム又は装置における流体の流れの使用を介して等、濾過処理によって実行することができる。さらなる実施形態において、フィルター材料上での細胞の捕獲は、例えば表面マーカーと抗体等の対応するリガンド又は結合分子との特異的な相互作用によって等、その表面構造に従って細胞を選択又は単離することによって行うことができる。好ましいのは、例えば上皮細胞接着分子(EpCAM)等に基づく接着技術である。本発明によって構造されるこれらの技術の種々の実施は、当業者には既知である。1つの好ましい実施形態は、例えば強磁性流体のナノ粒子に基づく、免疫磁気的な選択処理である。さらなる実施形態において、細胞は、濃縮及び/又は培養ステップの後、捕獲することができる。さらに、細胞は、濃縮するか又は特異的に処理して、画像形成に先立ち、あり得る過剰な免疫磁気粒子を除去することができる。
特定の実施形態において、異なるサイズ、特定の起源、又は特定の表面構成の細胞等の捕獲は、異なるサイズ又は形状の細胞を排除するフィルター材料又はフィルターのセットを使用することによって実施することができる。例えば、バクテリア細胞等の小さな細胞を捕獲するために、1つ、又は2つ、又は3つのフィルターセットを使用することができる。環境試料がテストされる場合、適切なポアサイズを有した1つのフィルターセットを使用することが有利であり得る。血液又は他の体液が使用される場合、1つのフィルターが例えばヒト細胞等の大きなものを捕獲する一方、より小さなポアを有する2つ目のフィルターがバクテリア細胞を捕獲する2つ又はそれ以上のフィルター装置を使用することが有利であり得る。さらなる詳細は、例えばSage and Neece、1984、J Clin Microbiol.、20(1):5〜8から等、適した刊行物から得ることができる。
好ましい実施形態において、フィルター材料は、例えば流体又は溶液から、典型的には血液試料から等、環境から単離されることになる細胞をサイズにより排除する能力を持ち得る。サイズ排除は、フィルター材料の特定のポア又は開口のサイズによって実施することができる。加えて、ポアの形状は、円筒形、円形、楕円形、長方形、又は菱形である。さらなる関連があるパラメータは、濾過又は捕獲処理の間の流速又は流体圧力である。流速は、例えば、1分あたり50mlから0.1mlに及び得る。しかし、本発明は、示された範囲未満又はそれを超えるさらなる流速も構想する。加えて、3次元のポア形状を改変して、特定のサイズ及び/又は可撓性による排除を達成することができる。特定の実施形態において、細胞における細胞膜の完全性の維持を可能にするフィルター材料を使用すること、すなわち、インタクトな細胞及び/又は生存可能な細胞を捕獲することが好ましい。別の実施形態において、必ずしも細胞膜の完全性を維持するということではないフィルター材料を使用することができる。フィルター材料及び任意で濾過手順若しくは濾過パラメータは、従って、捕獲されなければならない細胞のサイズ、及び/又は、捕獲される細胞に対する機能的要求、すなわち、インタクトであるか又は生存可能である等といった要求に適応させてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、フィルター材料は、例えば約0.5μm、0.75μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、20μm、若しくはそれ以上、又は、示された値の間のいかなる値のポアサイズ等、約0.5から20μmのポアサイズを有してもよい。ポアサイズは、単離されることになる細胞に従って選択することができる。本発明のさらなる特定の実施形態において、フィルター材料、又は、濾過手順内で実施されるフィルター材料は、例えば0.5μm、0.75μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、20μm、若しくはそれ以上、又は、示された値の間のいかなる値のサイズ排除等、約0.5から20μmのサイズ排除を有してもよい。本明細書において使用される場合、「サイズ排除」という用語は、例えば5μmの値で、約5μm以上の平均された直径を有する細胞がフィルター材料上で捕獲される一方、5μm未満の平均された直径を有する細胞はフィルターを通り捕獲されないことを意味する。
バクテリア細胞の捕獲に対して、約0.5μmから4μmのポアサイズのフィルター材料を使用することが好ましい。血小板のない血液成分の捕獲に対しては、約4から10μmのポアサイズのフィルター材料を使用することが好ましい。赤血球のない血液成分の捕獲に対しては、約7から12μmのポアサイズのフィルター材料を使用することが好ましい。腫瘍細胞の捕獲に対しては、約8から20μmのより大きなポアサイズを使用することができる。腫瘍細胞の単離に対して、特に、上皮腫瘍細胞の単離に対して十分なポアサイズとして考慮される8μmのポアサイズを使用することが特に好ましい。さらなる特定の実施形態において、ウイルス粒子、ウイルス、又はバクテリオファージも、例えば溶解された宿主細胞の懸濁液から等、試料から捕獲又は単離することができる。そのような捕獲手順に対して、約20nmから300nm、より好ましくは約20nmから約50nmのポアサイズを使用することができる。対応するフィルターは、Pall Corporation社によって市場に出されるUltiporフィルター等、サイズ排除/ウイルス除去のフィルターであってもよい。ウイルス、ウイルス粒子、又はバクテリオファージが捕獲若しくは単離されることになる場合、フィルターは、好ましくは、より大きなポアサイズの前置フィルターと組み合わされる。例えば、ウイルス粒子のAFM及び/又はSTM調査は、本発明による方法によって作製される均一で非常に平坦な表面で非常に利益を得るということが本発明の利点である。
好ましい実施形態において、使用されることになるフィルター材料は、弾力的、及び/又は、流体圧力に耐性、及び/又は、化学的に不活性な、すなわち、試料内の生物学的若しくは生化学的成分とは反応しない、及び/又は、例えば約−80℃から+130℃の範囲内の温度変化に耐性の材料で構成される。さらに、フィルター材料は、紫外線に耐性であり得る。
好ましい実施形態において、フィルター材料は、適したポリマー材料であってもよい。ポリマー材料の好ましい例は、ポリカーボネート、ナイロン、又はパリレンである。さらに構想されるのは、例えば3つ以上の層のフィルターが使用される場合等、類似の材料、又は、その派生物若しくは組み合わせである。さらなる好ましい実施形態において、フィルター材料は、適した非ポリマー材料であってもよい。非ポリマー材料の好ましい例はシリコンである。さらに構想されるのは、例えば3つ以上の層のフィルターが使用される場合等、類似の材料、又は、ポリマー及び非ポリマー材料の派生物若しくは組み合わせである。本発明のさらに好ましい実施形態において、フィルター材料は、例えばZheng等、2011、Biomed Microdevices、13:203〜213から得ることができるポア開口の下にボラード様構造を含む3次元の様式で配置されたパリレン部分で構成される3Dマイクロフィルターであってもよい。本発明の特に好ましい実施形態において、フィルター材料は、ポリカーボネートフィルター、より好ましくは、Whatman社製Cycloporeトラックエッチドメンブレンフィルター、さらにより好ましくは、8μmのポアを有するWhatman社製Cycloporeトラックエッチドメンブレンフィルターである。
本発明のさらに好ましい実施形態において、本明細書において先に規定された相転移媒体は、約25℃から70℃の温度範囲で融解及び/又は凝固する媒体である。例えば、相転移媒体は、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、若しくは70℃の温度、又は、これらの値の間のいかなる温度でも融解し得る。さらに、相転移媒体は、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、若しくは70℃の温度、又は、これらの値の間のいかなる温度でも凝固し得る。本明細書において使用される場合、「融解する」という用語は、相転移媒体の、固体相から液体相に完全又は本質的に完全に転移する能力を意味する。本明細書において使用される場合、「凝固する」という用語は、相転移媒体の、液体相から固体相に完全又は本質的に完全に転移する能力を意味する。同じ相転移媒体、すなわち、例えばパラフィンワックス等の明確に規定された分子組成物を有する相転移媒体に対して、その物理的な相転移特性は同じであるということに留意されたい。従って、そのような相転移媒体に対して、その媒体の融解温度は、その凝固温度と同じである。しかし、本発明は、上記の融解及び凝固温度の範囲を有する媒体から選択することができる異なる相転移媒体の利用を包含する。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、相転移媒体は、多孔性、網目状、開口、又は、部分的に開口の構造を含む。相転移媒体は、例えば、開口又は空洞の存在を可能にする特定の厚さの3次元構造を有してもよい。好ましい実施形態において、そのような開口は、チャネル、通路、若しくはパイプ要素の形状を有してもよい。これらの構造体は、例えば、流体に対する、及び/又は、例えば空気に対する等、気体状の実体に対する結合性等、相転移媒体の全てのセクター又は領域間の結合性を提供することができてもよい。好ましくは、そのような構造体又は要素は、相転移媒体の空洞を介する流体の通過を可能にする。
空洞、開口、又はチャネルの構造体は、例えば、相転移媒体のコンパクトなかたまりから、対応するセクターを彫るか又は切り抜くことによって提供することができる。或いは、相転移媒体は、対応する鋳型内に、融解されたか又は液体の材料として鋳造して、後に凝固し、続いて、鋳型を引き抜くことができる。或いは、レーザー又はレーザー装置を使用して、特定の箇所において材料を局所的に融解するか又は燃やすことによって構造体を切り抜くことができる。
フィルター材料が前記相転移媒体上に配置されるか、又は、前記相転移媒体に接続される場合、相転移媒体の多孔性、網目状、開口、若しくは、部分的に開口の構造、及び/又は、チャネル、通路、若しくはパイプ要素の存在は、前記フィルター材料上の捕獲された細胞への例えば栄養液等の流体又は溶液の送達に使用することができる。相転移媒体の結合性特徴を使用することによって、本明細書において記載されるフィルター材料上での捕獲された細胞、特に、生存可能な捕獲された細胞の培養が可能になる。従って、捕獲された細胞は、生きたまま維持し、約30分から数週間といった期間の間に、誘導因子又は抑制因子、選択された栄養分等を提供することができる。さらに、細胞は培養後、例えば、トリプシン処理等の標準的な細胞培養方法を使用することによって等、フィルターから除去し、後に、標準的な細胞培養フラスコに移すことができる。捕獲された細胞は、本明細書において記載のように、光学的なイメージング手順を介して解析するか又は処理することができる。典型的に、相転移媒体の多孔性、網目状、開口、若しくは、部分的に開口の構造は、例えば、相転移媒体上でのフィルター材料の堆積後、すなわち、いかなる融解するステップの前等、凝固された状態で存在し得る。本明細書において規定される融解するステップの後で、相転移媒体は、その多孔性、網目状、開口、若しくは、部分的に開口の構造を失ってもよく、さらに、光学的に平面のフィルターに変換されてもよい。特定の実施形態において、相転移媒体は、しかしながら、融解及び凝固された後に、多孔性、網目状の構造、又は、少なくとも部分的に開口の構造を依然として含んでもよい。例えば、特定の領域において、そのような構造が存在し得る一方、他の領域は、光学的に平面の構造を示す。
本発明の好ましい実施形態において、本明細書において記載される相転移媒体は、炭化水素ワックスである。「炭化水素ワックス」という用語は、n=20から40を有するC2n+2の分子式の炭化水素又は複数の炭化水素の混合物、又は、これらの炭化水素とさらなる分子、好ましくはさらなる有機分子との混合物を意味する。炭化水素ワックスは、例えば、飽和n−とイソアルカンとの混合物、並びに/又は、ナフテン、並びに/又は、アルキル−及びナフテンで置換された芳香族化合物、並びに/又は、シクロアルカンで構成されてもよい。炭化水素ワックスにおいて含まれるアルカン又は他の分子は、分枝状又は枝なしでもよく、又は、分枝状及び枝なしの分子の混合物を含んでもよい。分枝状分子は、異なる程度の分枝を有してもよく、又は、例えば1、2、3、又は、それ以上の分枝を含む等、異なる程度の分枝を有してもよく、又は、1つの分枝内でさらに分枝される、すなわち、1、2、3、又は、それ以上の第二世代の分枝を有してもよい。好ましい実施形態において、相転移媒体はパラフィンワックスである。「パラフィンワックス」は、n=20から40を有するC2n+2の分子式の炭化水素又は複数の炭化水素の混合物を含んでもよい。さらに構想され且つ潜在的に有用な相転移媒体の例は、n=24から36を有するか若しくはn=24を有するC2n+2、n=25を有するC2n+2、n=26を有するC2n+2、n=27を有するC2n+2、n=28を有するC2n+2、n=29を有するC2n+2、n=30を有するC2n+2、n=31を有するC2n+2、n=32を有するC2n+2、n=33を有するC2n+2、n=34を有するC2n+2、n=35を有するC2n+2、n=36を有するC2n+2、n=37を有するC2n+2、n=38を有するC2n+2、n=39を有するC2n+2、n=40を有するC2n+2、n=41を有するC2n+2、n=42を有するC2n+2、n=43を有するC2n+2、n=44を有するC2n+2、若しくは、n=45を有するC2n+2の分子式を有する分子、又は、これらの分子のいかなる混合物も含む。そのような混合物は、いかなる適した割合で存在してもよく、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の分子を含み、1つの分子を5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は、90%の量で含み、第二又はさらなる分子を対応する量で含む。
別の好ましい実施形態において、相転移媒体は、均一の光散乱特性を有する無秩序材料である。この材料の群の構想される例は、例えばカプリン酸からアラキジン酸等、C10からC20の有機酸である。この群は、炭素鎖の長さが異なるエステル及びアルコールを含んでもよい。相転移媒体は、他の実施形態において、ディールズ・アルダー機構に基づく可逆的なシステムで構成されてもよい。
本発明のさらに特定の実施形態において、相転移媒体は、動物蝋又は植物蝋であってもよい。典型的に、ワックスは、いくつかの植物又は動物によって生合成され、ワックスエステル、蝋酸、ワックスアルコール、及び、炭化水素を含んでもよい。ワックスエステルは、種々のカルボン酸及び種々の脂肪アルコールから得ることができる。動物蝋の組成物は、生物の種及び地理的位置に依存し得る。動物蝋の例として、蜜蝋、又は、他の昆虫により分泌された蝋、並びに、マッコウクジラの蝋が挙げられる。植物蝋の例として、ブラジルロウヤシから得られるカルナウバ蝋、並びに、カンデリラ蝋、オウリキュリーワックス、サトウキビ蝋、又は、レタモワックスが挙げられる。植物蝋は、好ましくは、置換された長鎖脂肪族炭化水素の混合物を含むか、又は、アルカン、脂肪酸、第一級及び第二級アルコール、ジオール、ケトン、及び/又は、アルデヒドを含有する、植物のエピクチクラワックスであってもよい。本発明のさらに好ましい実施形態において、相転移媒体は、キャリア上に乗せることができる。
本明細書において使用される場合、「キャリア」という用語は、相転移媒体を支持するのを可能にするいかなる構造体も意味する。キャリアは、好ましくは、本明細書において規定される融解/凝固手順に使用される温度に耐性であるべきである。加えて、又或いは、キャリアは、例えば相転移媒体に関して本明細書において先に規定されたように、半透明であってもよい。従って、キャリアは、例えば、日光のスペクトルに対して、及び/又は、日光の波長のスペクトル内、若しくは、日光の波長のスペクトル外の特定の波長範囲に対して、半透明であってもよい。そのような波長の例として、紫外線の波長が挙げられる。それによって、フィルター材料上の捕獲された細胞の光学イメージングが、実行可能になり得る。
好ましいキャリアは、ガラスキャリアである。さらに好ましいのは、例えば熱可塑性物質又はエラストマー材料等、ポリマー又はプラスチック材料で構成されるキャリアである。本明細書において使用される場合、「熱可塑性物質」という用語は、加熱されると液体になり、且つ、十分に冷却されるとガラス状態まで凍る熱軟化性プラスチックポリマーを意味する。熱可塑性物質は、弱いファンデルワールス力、強い双極子−双極子相互作用、及び水素結合、又は、芳香環の積み重ねを介して鎖が結合する高分子量ポリマーであってもよい。熱可塑性物質の例として、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリル樹脂(PMMA)、セルロイド、酢酸セルロース、シクロオレフィンコポリマー(COC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、フッ素樹脂(PTFE、FEPつき、PFA、CTFE、ECTFE、ETFE)、イオノマー、アクリル/PVC合金、液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール(POM又はアセタール)、ポリアクリレート(アクリル)、ポリアクリロニトリル(PAN又はアクリロニトリル)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK又はケトン)、ポリブタジエン(PBD)、ポリブチレン(PB)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリカーボネート(PC)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリケトン(PK)、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンクロリネート(PEC)、ポリイミド(PI)、ポリ乳酸(PLA)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリポロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリスルホン(PSU)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリウレタン(PU)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、及び、スチレン−アクリロニトリル(SAN)が挙げられる。本明細書において使用される場合、「エラストマー材料」という用語は、粘弾性の特性を有したポリマーを意味し、連結してポリマーを形成するそのモノマーは、典型的に、炭素、水素、酸素、及び/又はシリコンから作製される。エラストマー材料は、そのガラス転移温度を超えて存在する非晶質ポリマーであってもよいため、かなりのセグメント運動が可能である。周囲温度にて、エラストマー材料は、比較的柔らかく且つ変形可能であってもよい。エラストマー材料の例として、合成ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、スチレンブタジエンゴム(ポリスチレンとポリブタジエンの共重合体、SBR)、ニトリルゴム(ポリブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリクロロプレン、ネオプレン、EPM(エチレンプロピレンゴム、エチレンとプロピレンの共重合体)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ポリアクリルゴム(ACM、ABR)、シリコンゴム(SI、Q、VMQ)、フルオロシリコンゴム(FVMQ)、フルオロエラストマー(FKM及びFEPM)、ヴァイトン(Viton)、テクノフロン(Technoflon)、フルオレル(Fluorel)、アフラス(Aflas)、ペルフルオロエラストマー(FFKM)、テクノフロンPFR、カルレズ(Kalrez)、ケムラズ(Chemraz)、パーラスト(Perlast)、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)、エラストロン(Elastron)、熱可塑性オレフィン(TPO)、レジリン、エラスチン、及び、ポリスルフィドゴムが挙げられる。
特定の実施形態において、キャリアは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、及び、ポリシクロオレフィンの群から選択される有機ポリマーで構成されてもよい。本明細書において使用される場合、「ポリエチレン」は、モノマーエチレンの長鎖で構成されるポリマー材料を意味する。ポリエチレン材料は、種々の形状の密度及び/又は分枝で存在し得る。ポリエチレン材料の例として、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、超低分子量ポリエチレン(ULMWPE又はPE−WAX、)、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度架橋ポリエチレン(HDXLPE)、架橋ポリエチレン(PEX又はXLPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び、超低密度ポリエチレン(VLDPE)が挙げられる。本明細書において使用される場合、「ポリプロピレン」は、モノマープロピレン単位で構成される熱可塑性ポリマーを意味する。ポリプロピレンの例として、ホモポリマーポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、及び、ブロックコポリマーポリプロピレンが挙げられる。プロピレンは、ポリプロピレン及びエチレンの単位、又は、ポリエチレン単位を含むポリプロピレン誘導体も含んでよい。本明細書において使用される場合、「ポリスチレン」は、芳香族モノマースチレンから作製される芳香族ポリマーを意味する。ポリスチレンの例として、アイソタクティックなポリスチレン、アタクティックなポリスチレン、及び、シンジオタクティックなポリスチレンが挙げられる。本明細書において使用される場合、「ポリカーボネート」は、カーボネート基を含む熱可塑性ポリマーを意味する。ポリカーボネートは、ビスフェノールAとホスゲンとの組み合わせ、ビスフェノールA及びジフェニルカーボネートのエステル転移反応から得ることができる。ポリカーボネート材料は、一実施形態において、透明であってもよい。本明細書において使用される場合、「ポリシクロオレフィン」は、炭素原子の2つ以上の閉リングを含有するが芳香族の特徴を有さないアルケン炭化水素のものを意味する。ポリシクロオレフィンは、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、又は、1,5−シクロオクタジエン等のモノマーアルケンで構成されてもよい。さらなる実施形態において、キャリアは、例えば、レンズ、メガネ、サングラス、コンタクトレンズ等、光学機器の作製に適した材料から構成されてもよい。そのような材料の例は、例えば高屈折率を有したプラスチック材料等、高屈折率を有した材料である。光学機器の作製に適したプラスチック材料の群は、例えば、ポリアリルジグリコールカーボネート(PADC)若しくはCR−39、又は、その誘導体等、ポリカーボネートプラスチックを含む。
典型的な実施形態において、キャリアは、標準的な顕微鏡に使用されるガラススライドである。
本発明のさらなる実施形態において、本明細書において先に規定されたキャリアは、位置マーカーを含んでもよく、又は、位置マーカーをさらに含んでもよい。本明細書において使用される場合、「位置マーカー」という用語は、細胞の位置、そのサイズ又は直径、隣接する細胞への距離等を決定するのを可能にする、マーキング、グリッド、線のシステム寸法若しくは長さの指標、数若しくは文字のコード、バーコード、マトリックスコード、又は、当業者には既知のいかなる他の適したサインを意味する。特定の実施形態において、位置マーカーは、特定の波長下での誘発後に検出可能な位置マーカーであってもよい。例えば、位置マーカーは、約540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、又はそれ以上の波長の光で励起された場合に検出可能であり得る。他の物理的なマーカーは、STM顕微鏡のAFMを促進するために存在し得る。
本発明のさらに好ましい実施形態において、本明細書において記載される単離された細胞を処理するための方法は、さらなるステップとして、単離された細胞上で実行されることになる活動を含む。そのような活動は、相転移媒体が融解及び凝固される前にフィルター材料上で捕獲された細胞上で行うことができるか、又は、相転移媒体の融解及び凝固後に行うことができる。その活動は、従って、例えば本発明による装置内等、インサイツで実行することができるか、又は、例えば特定の研究室、異なる装置において等、異なる箇所にて行うことができる。前記活動は、従って、例えば相転移媒体の存在又はその欠乏、キャリア等のさらなる実体の存在等、特定の状況に適応させてもよい。さらに構想されるのは、例えば微小流体システム又は環境における、その活動の自動化又は半自動化である。例えば、活動ステップは、ロボターによって、又は、コンピュータ化された制御ユニットにより制御される機械的に可動の部分を含むシステムによって実行することができる。
前記活動は、一実施形態において、固定化活動であってもよい。本明細書において使用される場合、「固定化」は、後の染色に対する調製ステップとして理解され、計画される解析のタイプに依存し得る。典型的には、固定化は、可能な限り細胞の形を保つことを目標とする。固定化は、特定の実施形態において、細胞を死滅させる、細胞に付着させる、及び、細胞を変えて細胞が染色を受け入れるのを可能にするために使用される熱固定であってもよい。或いは、細胞は、空気乾燥によって固定することができる。さらに別の実施形態において、化学的固定化を行うことができる。化学的固定化の構想される例は、ホルムアルデヒド、エタノール、メタノール、及び/又は、ピクリン酸の使用である。さらなる実施形態において、固定化の後に、マイクロ波放射への1又は複数の短い曝露の簡単な加熱等、抗原回収技術が続いてもよい。
前記活動は、さらなる実施形態において、染色活動であってもよい。本明細書において使用される場合、「染色」は、細胞又は細胞含有フィルター材料に対する(例えばDNA、タンパク質、脂質、炭水化物特異的等)クラス特異的な色素を添加して、前記化合物のクラスの存在を認定及び/又は定量化することを意味する。当該用語は、例えば蛍光ラベル又はマーカーを用いた、蛍光タギングも含む。染色は、in vivoで、すなわち、生細胞を用いて、好ましくは、本明細書において記載されるフィルター材料の上でインサイツで培養されている細胞を用いて、又は、本明細書において記載されるフィルター材料上の捕獲された生細胞を用いて実行することができる。典型的な実施形態において、染色は、本明細書において先に規定された固定されている細胞を用いて実行される。染色手順は、フィルター材料上に存在する細胞タイプに適応させてもよい。例えば、バクテリア細胞は、グラム染色手順に従って、又は、チール・ネールゼン染色によって染色することができる。さらに構想される染色手順は、ヘマトキシリン及びエオシンの染色、パップ染色、PAS染色、マッソン三色染色、ロマノフスキー染色、銀染色、又は、コンクリン染色を含む。さらに構想される染色の取り組み方法は、アクリジンオレンジ、ビスマルクブラウン、カルミン、クーマシーブルー、クリスタルバイオレット、DAPI、エオシン、臭化エチジウム、酸性フクシン、ヘキスト染色、ヨウ素、マラカイトグリーン、メチルグリーン、ニュートラルレッド、ナイルブルー、ナイルレッド、四酸化オスミウム、ローダミン、又は、サフラニンを用いた染色を含む。染色は、例えば蛍光ラベル若しくはマーカー、及び/又は、蛍光でタグをつけたか、若しくは、タグをつけられている若しくは認識可能な二次抗体によって認識される抗体を使用することによって等、蛍光タギング又は分子タギングも含んでよい。これは、例えば、検出分子に結合して、本発明によるフィルター材料上で捕獲された細胞の表面上又は細胞内の構造体又は実体を認識することができる適したラベルを使用して達成することができる。適したラベルの例として、(例えばフルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン、フルオレサミン等の)蛍光色素、(例えばロドプシン等の)発色団の色素、(例えばルミノール、イミダゾール等の)化学発光の化合物、及び、(例えばルシフェリン、ルシフェラーゼ、グリーン蛍光タンパク質、イエロー蛍光タンパク質、その誘導体等の)生物発光のタンパク質が挙げられる。抗体等の検出分子は、さらに、FITC、6−FAM、HEX、TET、ROX、Cy3、Cy5、テキサスレッドのような蛍光ラベルでラベルすることができ、及び/又は、同時に、TAMRA、Dabcyl、Black Hole Quencher、BHQ−1、又は、BHQ−2のようなクエンチングラベルでラベルすることができる。検出分子は、好ましくは、発光、蛍光、又は電気化学的シグナルを生じる酵素又は酵素的領域でラベルしてもよい。そのような酵素の特に好ましい例として、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及び、ベータラクタマーゼが挙げられる。さらなる実施形態において、検出分子は、(例えばH、14C、32P、33P、35S、125I、11C、13N、15O、18F、64Cu、62Cu、124I、76Br、82Rb、68Ga、若しくは、18F等の)放射性同位体、又は、(例えば金等の)粒子でラベルすることができる。異なるタイプのラベルを、例えばアミン反応又はチオール反応等の種々の化学的反応を使用して検出分子に結合させることができる。しかし、例えばアルデヒド、カルボン酸、及びグルタミン等、アミン及びチオール以外の反応基も使用することができる。特に好ましい実施形態において、染色は、上述の蛍光染色のいずれにも、より好ましくはFITCラベルに接続される抗EpCAM抗体を用いて実行することができる。さらに特に好ましいのは、DNA又はRNA分子に対するSyto9染色の使用である。
前記活動は、さらなる実施形態において、細胞の機械的操作であってもよい。本明細書において使用される場合、「機械的操作」は、本発明によるフィルター材料上で捕獲された1つの細胞、1つの細胞群、又は、全て若しくは本質的に全ての細胞に関する、いかなる外部からの介入も意味する。外部からの介入は、細胞の機械的な開口、細胞の物理的な移動又は回転を含んでもよい。さらに構想されるのは、1つの細胞又は細胞の群に関する電流の利用、液体を流すこと、圧力の使用、温度変更の利用による物理的な介入である。そのような活動は、例えば微小流体システム又は細胞調製システムの環境において等、例えば、ロボットのような又は半ロボットのような実体によって実行することができる。
前記活動は、さらなる特定の実施形態において、細胞放出活動を含む機械的操作であってもよい。本明細書において使用される場合、「放出」という用語は、フィルター材料から1つ又は複数の特定の細胞又は細胞の群を抽出することを意味する。抽出は、融解/凝固手順の前、間、若しくは後、又は、染色若しくは光学解析手順の前、間、若しくは後に行うことができる。例えば、潜在的に関心のある又はテストされる基準内にあるin vivoでの染色によって検出された細胞は、フィルター材料から放出して、後に、異なるキャリア、又は、例えば培地等の媒体まで輸送することができ、さらに、種々の方法論を用いて解析することができるか、又は、後の解析ステップ等に対して培養及び増幅することができる。細胞の放出は、本明細書において先に規定された位置マーカー要素の使用に基づき得る。例えば、位置マーカーコード又は対応する座標をセーブすることによって、最初の染色又は検出ステップの後で容易に細胞を同定若しくは再同定することができる。細胞の放出に対して、マイクロマニピュレータ又は吸引機器を使用することができる。固定した位置で細胞を含むフィルター材料を提供するための本発明による方法の有利な結果により、後の解析及び抽出手順は迅速且つ正確に実現できる。
前記活動は、さらなる実施形態において、細胞の生物学的操作であってもよい。本明細書において使用される場合、「生物学的操作」は、細胞に対して生物学的実体を適用して、その習性、サイズ、構造、組織構造等に影響を与えることを意味する。そのような生物学的操作の例として、抗体等の生物学的結合の実体の適用が挙げられる。さらなる例として、細胞の増殖及び有糸分裂を可能にする、細胞に対する栄養分の供給が挙げられる。さらに構想されるのは、リガンド等の結合因子又は増殖因子、転写因子、特定の糖クラスの利用、細胞抑制物質又は活性物質の使用等である。さらなる生物学的操作が、当業者には既知であり、本発明によっても構想される。
前記活動は、さらに別の実施形態において、生化学的操作であってもよい。本明細書において使用される場合、「生化学的操作」は、RNAi分子、分解酵素、分子反応を誘発する等、リガンド又は受容体に結合することによって特定の分子作用を有すると考えられる小分子等の生化学的に活性な実体に、本発明によるフィルター材料上の細胞を曝露するとして理解される。生化学的操作は、例えばインサイツでのポリメラーゼ連鎖反応の実行、インサイツでの遺伝子発現若しくはタンパク質発現の検出、タンパク質、脂質、DNA/RNA、蛍光/発色性インサイツハイブリダイゼーション(FISH/CISH)、グリコシド構造体、又は、1つ又は複数の細胞の中若しくはその上の他の実体の存在の検出等、インサイツでの生化学的反応の実行も含んでよい。さらなる生化学的操作が、当業者には既知であり、本発明によっても構想される。
本発明のさらなる特に好ましい実施形態において、前記活動は、1つ又は複数の単離された細胞を培養することを含む。多孔性、網目状、開口、又は部分的に開口の構造を含む相転移媒体上に好ましくは堆積されたフィルター材料上で捕獲された細胞に、増殖培地、又は、例えば糖等の炭素源、窒素源、ビタミン、ホルモン、増殖因子、塩、微量のミネラル、タンパク質等、栄養分を提供してもよい。培養は、例えばバクテリア細胞、ヒト細胞、上皮細胞等、捕獲された細胞に適応させてもよい。さらなる特定の実施形態において、増殖培地は、最少培地、選択培地であってもよく、又は、後の解析のために、例えば放射活性若しくは蛍光ラベル等のラベル、又は色素と共に濃縮してもよい。培養自体は、例えば空洞若しくは開口を含む相転移媒体の層内等、捕獲された細胞の下に増殖培地を通すか又は流すことによって行うことができる。流れは、弁又は移動ユニット、貯蔵容器、リサイクリング又は取り替えユニット等を含む管材料又は流体システムによって提供される一定の流れであってもよい。特定の実施形態において、培養は、微小流体環境において実行することができる。さらに、培養は、例えば28から40℃の範囲、好ましくは37℃等の例えば捕獲細胞の増殖に適した温度等、適した温度にて実行することができる。インキュベーション温度を変更することによって、細胞をさらに分子反応に誘導してもよく、後に光学的に検出することができる。培養は、例えば30分から数週間という期間の間等、いかなる適した時間の間にも実行することができる。
本発明のさらなる特に好ましい実施形態において、単離又は捕獲されることになる細胞は、希少な細胞である。本明細書において使用される場合、「希少な細胞」という用語は、細胞の、他の細胞の群における相対的な出現頻度を意味する。例えば、希少な細胞は、約1mlの試料の量における1つの細胞対10、10、10、10、又はそれ以上の細胞という比で存在する細胞であってもよい。特に好ましい希少細胞は、ヒト若しくは哺乳動物、又は、高等真核生物の血流を介して輸送される循環性腫瘍細胞、特に、上皮性腫瘍細胞である。さらなる特定の実施形態において、捕獲された細胞は、乳癌細胞、肺癌細胞、尿路上皮癌細胞、膀胱癌細胞、肉腫細胞、前立腺癌細胞、又は、非小細胞肺癌細胞等の腫瘍細胞であってもよい。
さらなる好ましい実施形態において、細胞は、例えば、Neisseria meningitidis等のナイセリア属のバクテリア、例えばS.pneumoniae等のストレプトコッカス属のバクテリア、例えばS.aureus等のスタフィロコッカス属のバクテリア、例えばH.influenza等のヘモフィルス属のバクテリア、例えばE.coli等のエシェリキア属のバクテリア、又は、例えばM.tuberculosis若しくはM.leprae等のマイコバクテリウム属のバクテリア等、バクテリア細胞であってもよい。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、本発明の方法に従って処理された細胞の光学イメージング又は光学解析は、適した顕微鏡及び顕微鏡技術を用いて行うことができる。そのような顕微鏡技術の例として、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、蛍光顕微鏡、原子間力顕微鏡、超解像顕微鏡、及び、共焦点レーザー走査顕微鏡が挙げられる。本明細書において記載される方法論に従って処理された細胞を、シンプルで広く知られた多用途且つ実行が可能な明視野顕微鏡に基づいて改善された品質で画像化又は可視化することができるということが、本発明の特に有利な態様である。記載される細胞処理は、他の顕微鏡技術を使用したイメージングの取り組み方法にさらによく適している。することは、本発明の方法論の特定の特徴及びパラメータを、選択された顕微鏡の取り組み方法に適応させることは、当業者の能力の範囲内である。例えば、染色、蛍光マーカーの使用、励起の波長、及び、検出等を適用させてもよく、キャリアを適用させてもよい。さらに、特定の実施形態において、カバースリップを使用して、フィルター材料上の処理された細胞を覆うことができる。
さらなる態様において、本発明は、光学イメージングに適した単離された細胞を含む処理されるフィルター材料に関し、本明細書において使用される処理方法によって得ることができる。フィルター材料は、従って、本明細書において記載される融解及び凝固処理の後に、1つの光学的な平面に位置する捕獲された細胞を含んでもよい。フィルター材料は、光学解析に使用するか、又は、さらなる染色又は操作ステップに供することができる。従って、提供されたフィルター材料を、捕獲された細胞に関する延命措置にさらに使用することができる。フィルター材料は、従って、本明細書において規定される増殖培地と接触させてもよく、又は、例えば冷蔵庫又は冷却室において等、冷たい環境において保管させてもよい。或いは、例えば−20℃又は−80℃にてフィルター材料を凍らせて、後の解析ステップのために保存してもよい。凍らせる前に、フィルター材料は、例えば当業者には既知の適した凍結媒体を添加することによって等、凍結条件に対して準備することができる。
本発明のさらに別の態様において、本明細書において記載される方法に従って得られた処理されるフィルター材料は、いかなる適した診断又は解析テストにも使用することができる。当該フィルター材料は、例えば組織学的検討に、好ましくは本明細書において記載される染色ステップの後に、使用することができる。さらに、当該フィルター材料は、例えば捕獲されたバクテリア又はウイルスの同定及び特徴づけ等、微生物学的又はウイルス学的な解析に使用することができる。さらなる実施形態において、当該フィルター材料は、例えば、捕獲された細胞に影響を与える活性小分子の同定及び選択、捕獲された細胞に対する抑制又は誘発分子のテスト、細胞の代謝、生存能の構造に関する生化学的変更の試験に対して等、生化学的目的に使用することができる。処理されるフィルター材料は、特に好ましい実施形態において、例えば循環性腫瘍細胞等の捕獲された希少な細胞の検出及び特徴づけ等、腫瘍学的な解析に使用することができる。細胞は、例えば、表面マーカーへの抗体の結合、及び、同時若しくは後の蛍光色素を用いた染色、又は、DNA又はRNAに対する区分された特定の色素を用いた染色に従って同定して、有糸分裂活動を解析することができる。さらなる特に好ましい実施形態において、処理されるフィルター材料は、血液学的な解析に使用することができる。従って、処理されるフィルター材料の細胞は、例えば、白血球細胞、又は、特定の白血球タイプ若しくはクラスを含む血液試料から得ることができる。細胞は、従って、その出現頻度、サイズ、生存能等に対して解析することができる。
さらに別の態様において、本発明は、細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための装置に関し、当該装置は、(a)本明細書において先に規定された細胞を捕獲するためのフィルター材料、(b)本明細書において先に規定された相転移媒体の層、並びに、(c)加熱及び/又は冷却ユニット、を含む。当該装置は、一実施形態において、例えば、濾過ユニットまで移動可能又は濾過装置内に挿入される等、除去可能なフィルター材料を含んでもよく、1つ又は複数の細胞、好ましくは本明細書において先に規定された希少な細胞、又は、本明細書において先に規定されたバクテリア細胞等のいかなる他の細胞タイプも、フィルター材料上で捕獲される。細胞の捕獲は、例えば、抗体等の結合分子への選択的結合、免疫磁気的単離手順を介して等、種々の方法によって行うこともできる。後に、フィルター材料は、本発明による細胞を処理するための装置内に再導入することができる。
別の実施形態において、細胞を捕獲するためのフィルター材料には、例えば独立した装置若しくは濾過ユニットにおいて、又は、本明細書において述べられる別の捕獲手順において濾過又は細胞捕獲処理を行った後等、捕獲された細胞がその上にすでに提供されているか又は該細胞と共に存在していてもよい。特定の実施形態において、当該装置は、例えば2、3、4、5、6、7、10、15、又はそれ以上のフィルター材料若しくはフィルター等、2つ以上のフィルター材料を含み、平行又は半平行の処理を可能にしてもよい。2つ以上のフィルター材料又はフィルターの連続処理も、本発明によって構想される。
さらなる実施形態において、当該装置は、1つ又は複数の捕獲された細胞を含むフィルター材料若しくはフィルターの挿入を可能にする挿入スロット、ノッチ、又は導入ゾーンを含んでもよい。そのようなゾーンは、フィルターの迅速な導入、及び、処理ステップ後の、すなわち、固定された位置にて1つ又は複数の細胞を含む光学的に平面のフィルター材料としてのその除去のために供給することができる。特定の実施形態において、当該装置は、例えば2、3、4、5、6、7、10、15、又はそれ以上の挿入スロット、ノッチ、又は、導入ゾーン等、2つ以上の挿入スロット、ノッチ、又は、導入ゾーンを含み、平行又は半平行の処理を可能にしてもよい。前記挿入ゾーンにおける連続処理も構想される。
本発明の別の実施形態において、本明細書において規定される装置は、本明細書において先に規定された1つ又は複数の相転移媒体の層を含む。これらの相転移媒体の層は、例えば、貯蔵容器又はマガジンコンパートメント内に提供してもよく、さらに、細胞を含むフィルター材料の装置内への導入後にフィルター材料と結合させてもよい。或いは、当該装置は、1つ以上のフィルターに対する処理手順の完了後の、外部からの相転移媒体の補充を定めてもよい。相転移媒体は、例えば、適した環境において、すぐ使用できる様式で保管することができ、さらに、新たな処理サイクルの開始後に装置内に導入することができる。これは、好ましくは、例えば、ロボットによる技術を使用することによって、又は、自動化された送達システムを介して等、自動的に行うことができる。さらなる実施形態において、相転移媒体は、例えば熱い貯蔵容器又は加熱ユニットにおいて維持される等、融解した形状で提供し、さらに、好ましくは本明細書において先に記載されたように、処理サイクルの開始後に鋳型内に鋳造してもよい。これは、処理スキームの全サイクルにおいて繰り返すことができる。鋳型は、従って、相転移媒体が凝固した後に取り除くことができる。融解した相転移媒体に対する貯蔵容器は、特定の実施形態において、本発明による装置の一部であってもよい。これらの貯蔵容器は、或いは、除去可能であってもよく、さらに、必要な場合にのみ装置と付随させてもよい。
さらなる特定の実施形態において、当該装置は、本明細書において先に規定されたキャリアの存在も定めることができる。例えば、当該装置は、細胞を含むフィルター材料の装置内への導入後にフィルター材料及び相転移媒体と付随させることができるマガジンコンパートメント又はキャリアに対する送達システムを含んでもよい。或いは、キャリア材料は、すでに、相転移媒体に接続していてもよく、さらに、装置内へのその導入後に(組み合わせとして)フィルター材料と付随させてもよい。予め製造されたキャリア−相転移媒体の組又は束が、例えばマガジンコンパートメント内等、装置内に提供されることも好ましい。処理サイクルの開始後、キャリア−相転移媒体の束は、処理箇所内に挿入することができる。その束は、例えば冷たい環境又は乾燥した環境において等、適した環境において維持することができる。
本発明のさらなる実施形態において、相転移媒体、又は、相転移媒体とキャリアの組み合わせは、装置内の培養若しくは細胞増殖が可能な環境において提供することができる。当該装置には、従って、管又は結合部が提供されてもよく、並びに/又は、例えば水、化学物質、成分、栄養分、増殖因子、炭素若しくは窒素源等の液体に対する貯蔵容器及び保管容器、又は、温度制御ユニット及びCO供給等、細胞を培養するのに使用されることになるいかなる他の実体を含んでもよい。当該装置は、例えば、上記の接続及び貯蔵容器含む流体又は微小流体システムにまとめることができる。さらに含まれるのは、液体の流れ、pH、温度、分子の濃度等を制御するためのユニットであってもよい。さらなる実施形態において、先に記載された培養ユニットは、装置から除去可能であってもよく、従って、例えば生細胞を処理する場合等、必要に応じて使用してもよい。
さらなる好ましい実施形態において、本明細書において規定される装置は、フィルター材料及び付随する相転移媒体を加熱して、特に、本明細書において先に規定された相転移媒体を融解することの可能性を提供することができるユニットを含んでもよい。さらなる実施形態において、当該装置は、さらに、冷却ユニットを含んで、特に、本明細書において記載される凝固処理を高めることの可能性を提供することができる。さらなる実施形態において、加熱又は冷却ユニットは、さらに、装置における培養するステップの温度を制御するために使用可能であり得る。冷却装置は、さらに、本発明による処理されたフィルター材料のインサイツでの保護に使用することができる。そのような保護は、例えば、後の染色手順又は光学イメージング解析が実行されるまでのインサイツでの冷蔵であってもよい。処理されたフィルター材料は、例えば、約4から8℃の温度まで冷却してもよい。さらに構想されるのは、本明細書において記載される処理されたフィルター材料の凍結を可能にする、装置内の凍結ユニットの存在である。凍結したフィルター材料は、インサイツで維持するか、又は、装置から除去して、例えば−80℃若しくは−20℃、又は、いかなる他の適した温度で等、フリーザー内で保管してもよい。さらなる実施形態において、先に記載された凍結又は冷却ユニットは、装置から除去可能であってもよく、従って、例えばフィルター材料の保管が必要される場合等、必要に応じて使用することができる。
特に好ましい実施形態において、冷却又は加熱ユニットは、加熱及び冷却活動を可能にするペルティエ素子であってもよい。
本発明の別の好ましい実施形態において、本明細書において先に規定される装置は、本明細書において先に規定されるフィルター材料上への細胞の単離又は捕獲を可能にする濾過又は捕獲ユニットを含んでもよい。濾過又は捕獲ユニットは、例えば、本明細書において先に規定されたフィルター材料上へ圧力を提供する、又は、試料材料の液体の流れを提供して、フィルター材料を通り抜ける力を生じる能力を持ち得る。或いは、捕獲ユニットには、磁気ビーズ又は免疫性要素等を備えて、細胞の免疫磁気性又は免疫性の選択を可能にしてもよい。
先に規定される装置が除去可能な圧力送達システムを含むことが特に好ましい。当該システムは、一実施形態において、フィルター材料に直接結合することができる。1つの特定の実施形態において、除去可能な圧力送達システムは、例えば真空ポンプ等、真空又は低圧力発生ユニットに接続された針であってもよい。針は、フィルター材料、又は、濾過又は細胞単離ステップを行った後にフィルター材料が位置するコンパートメントから除去可能であり得る。
さらなる特定の実施形態において、先において記載された除去可能な圧力送達システムは、例えばエタノールの残り等、フィルター材料から水又は液体の残留物を除去するために実施することができる。
さらに、本発明による装置は、コンパートメント又は入れ子状態のコンパートメント構造を有してもよい。構想されるコンパートメント構造の例は、図5Bにおいて提供されており、図5Aは、装置において使用されることになる可能な相転移媒体を示している。そのような統合装置の形状は、例えば温度ユニット、貯蔵容器、マガジンユニット、管等、本明細書において先に又は以下に記載されるさらなるユニットと組み合わせることができる。
本明細書において先に規定された装置が、本明細書において先に規定されたフィルター材料を、本明細書において先に規定されたキャリアまで輸送するための手段を含むことが特に好ましい。そのような輸送ユニットは、ロボットのような実体又は送達システムであってもよい。さらに構想されるのは、半自動的な輸送手段である。本明細書において先に規定された装置が、本明細書において先に規定されたキャリアまで相転移媒体の層を輸送するための手段を含むことがさらに特に好ましい。そのような輸送ユニットは、ロボットのような実体又は送達システムであってもよい。さらに構想されるのは、半自動的な輸送手段である。
本発明のさらなる実施形態において、先に規定された装置は、下流の処理及び/又は解析ユニット若しくは機器に接続させることができる。例えば、当該装置には、染色、固定化、機械的操作、生物学的操作、及び/又は、生化学的操作のユニット、又は、そのような活動を可能にする入口若しくは出口を備えることができる。そのようなユニット内で又は該ユニットによって実行することができる可能な活動の詳細は、本明細書において先に提供されている。さらに、当該装置は、例えば顕微鏡等の光学イメージングシステムに接続することができる。本発明の装置と付随させることができるか、又は、該装置内に統合することができる顕微鏡の例として、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、蛍光顕微鏡、原子間力顕微鏡、共焦点レーザー走査顕微鏡、及び超解像顕微鏡が挙げられる。さらに構想されるのは、光源、光学フィルター、カメラユニット、及び、光学イメージングに必要な他の要素の存在である。好ましくは、当該装置には、装置の活動の実行、監視、及び調和のとれた統合を可能にする制御ユニット又はコンピュータユニットも備えることができる。制御ユニットは、さらに、装置のプログラミング、監視、及び構成を可能にするユーザインターフェースを有してもよい。さらに、当該装置には、遠隔制御等を可能にするインターネット又はインターネットインターフェースを提供してもよい。さらに構想されるのは、例えばコンピュータ装置の形状の画像キャプチャ及び記憶ユニットの使用である。この画像キャプチャ及び記憶ユニットには、さらに、細胞の特徴づけ又は細胞の組織学的検査を可能にする、又は、例えば腫瘍細胞の場合に等、診断解析手順を可能にする、適した解析ソフトウェア又はプログラムを備えることができる。さらに構想されるのは、バクテリア細胞又はウイルスが解析される場合の微生物学的な同定プログラムの使用である。
さらに別の態様において、本発明は、光学的に平面のフィルター材料を作製する方法に関する。当該方法は、本明細書において先に規定された相転移媒体を、該媒体がフィルター材料の下で広がるまで融解するステップ、及び、相転移媒体の温度を、該媒体が凝固するまで下げて光学的に平面のフィルターを生じるステップを含む。好ましい実施形態において、当該方法は、例えば本明細書において先に規定された希少な細胞又はバクテリア細胞等、捕獲又は単離された細胞を含むフィルター材料を用いて行われる。当該方法は、特定の実施形態において、ウイルス粒子、金属、木、プラスチック、又は、事故、品質管理測定、製品テスト測定等から得られるそのような材料のマイクロメーターの寸法に合わされた一部等の他の材料等、無機実体等の要素を含むフィルター材料の調製にも使用することができる。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の方法論に適した相転移媒体を作製するための方法に関する。当該方法は、固体の相転移媒体のブロックから空洞を切り取る又は彫るステップを含む。相転移媒体には、従って、多孔性、網目状、開口、又は部分的に開口の構造、1つ又は複数のチャネル、1つ又は複数の通路、或いは、1つ又は複数のパイプ要素を提供することができる。切り取るステップは、例えば、レーザー又はレーザー装置によって行うことができる。チャネル又は通路は、1つ又は複数の相転移媒体の縁との接続を有していてもよく、又は、相転移媒体の外側と接触していてもよい。さらに、通路、開口部等は、相互に連結していてもよい。開口部は、フィルター材料上で捕獲された細胞の下又はその近くで、適した液体、特に増殖又は培地の流れを可能にすることが好ましい。さらなる実施形態において、当該方法は、融解したか又は液体の状態の相転移媒体を、対応する鋳型内に鋳造するステップ、及び、材料を後に凝固させ、鋳型の抽出が続くステップを含んでもよい。
以下の実施例及び図は、例示的な目的のために提供される。従って、実施例及び図は、限定的であるとして解釈されないことを理解されたい。当業者は、明確に、本明細書において設定される原理のさらなる修正を構想することができるであろう。
MCF7(乳癌)細胞の調製
濾過手順
90%融合性のMCF7細胞を有した75cmの細胞培養フラスコ(Nunc)を、6分間トリプシン処理(トリプシン+EDTA、Invitrogen社)し、さらに、FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン、及びGlutamax(Invitrogen社)で補ったRPMI1640培地において再懸濁した。細胞は、次に、遠心分離(5分、1000RPM)によって一度洗浄され、10mlDPBS(Invitrogen社)において再懸濁される。細胞懸濁液は、細胞が、10mlのDPBSにおいて利用可能なフィルター領域の約10%覆う方法で希釈される。ガラスの微量分析フィルターホルダー(Millipore社)を使用し、フロースルーのコンパートメントにおいて適度の真空を適用することによって10mlの細胞懸濁液を濾過した。
フィルターの調製及び可視化
フィルターを、後に、フィルターホルダーから除去し、さらに、20μlの固体のパラフィンワックスが堆積された標準的な顕微鏡スライドの上面に置いた。顕微鏡スライドを、ペルティエ素子に移し、熱を提供してパラフィンワックスを融解した(図2Aを参照)。パラフィンワックスが完全に融けた瞬間に、顕微鏡スライドを取り除き、パラフィンが再度凝固するまで室温にて冷却した(図2Bを参照)。スライドを、次に、反射光を使用して標準的な顕微鏡(Zeiss社)上で画像化した(図3Aを参照)か、又は、標準的なHemotoxilin and Eosin(H&E)染色手順に入れた(図3Bを参照)。後者は、より強いコントラストを与えている。
上記の手順に従って処理した場合に、(染色手順に先立ち固定化してもしなくても)フィルターはパラフィン層に付いたまま完全に残り、さらに、細胞はフィルターに付いたまま完全に残った。これは、H&Eプロトコルがいくつかの異なる液体容器に対して何百もの浸しを必要とし、さらに、水道水を流しながらのフラッシングを必要とするため注目に値することである。生物学的細胞を、非常に高い画質で画像化した。高い画質は、光学的に平らな表面によって、及び、凝固されるパラフィンワックス層が非常に優れた散光器として作用するという事実によって生じる。
統合された流れシステムを有した融解可能なフィルター支持構造体
約400μlの融解したパラフィンを、多量の熱湯内にピペットで移し、後に冷却させることによって、薄くて平らな、均一のパラフィンのパッチを生じた。ホットスタンプを使用して、顕微鏡スライド上にパッチから円をあけた(1)。円の内部を、より小さな円形のコールドスタンプを使用して除去した(2)。次に、針を加熱して、円形の支持構造体の側壁内に固定した(3、4)。フィルターを適用し(5)、大きなホットスタンプを使用して(1)、フィルターを輪の支持構造体上に固定した(6)。針に対して真空を適用することによって、フィルターの下のコンパートメントにおいて低い圧力を生じ、濾過処理が発生するのを可能にした(図4を参照)。
真空の圧力は、例えば基板材料におけるポア若しくは穴によって、又は、支持するパラフィンワックスにおけるポア若しくは穴によって等、針以外の手段によって適用することもできる。フィルター材料(細胞付き)は、加熱することによって顕微鏡スライドに付着させることができる。加熱は、(実施例1のように)パラフィンワックスに融解させ、さらに、フィルターを顕微鏡スライドに付着させる。
細胞はフィルター及び顕微鏡スライドに対して固定されるため、1つ又は複数の同じ細胞を処置前後に位置づけることができる。

Claims (13)

  1. 単離された細胞を処理して、該細胞を光学イメージングに適したものにするための方法であって、
    (a)捕獲された細胞を含むフィルター材料を相転移媒体上に堆積させるステップであり、前記相転移媒体がキャリアの上に乗せられるステップ、
    (b)前記相転移媒体を、該媒体が前記フィルター材料の下で広がるまで融解させるステップ、及び、
    (c)前記相転移媒体の温度を、該媒体が凝固するまで下げ、1つの光学的な面において、且つ、固定された位置にて前記細胞を含むフィルターを生じるステップ、
    を含む方法。
  2. フィルター材料上で細胞を捕獲する最初のステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記フィルター材料は、流体又は溶液から単離されることになる細胞をサイズ排除する能力を持ち、約0.5から20μmのポアサイズを有し、前記フィルター材料はポリマーのフィルターである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記相転移媒体は、約25℃から70℃の温度範囲で融解及び凝固する媒体である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記相転移媒体は、多孔性、網目状、開口、若しくは部分的に開口の構造を含み、及び/又は、チャネル、通路、若しくはパイプ要素を含み、前記構造又は要素は、前記媒体を通る流体の通過を可能にする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記媒体は、炭化水素ワックスである、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記キャリアは、ガラスキャリア又はポリマー材料のキャリアであり、前記キャリアは、位置マーカーを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. さらなるステップとして、1つ又は複数の前記単離された細胞を染色、固定化、放出、機械的に操作、生物学的に操作、及び生化学的に操作するステップの群から選択される活動を含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記活動は、前記1つ又は複数の単離された細胞を、栄養液を前記多孔性、網目状、開口、若しくは部分的に開口した相転移媒体に通して流すことを介して培養するステップを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記細胞は、希少な細胞、又は、バクテリア細胞である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記光学イメージングは、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、蛍光顕微鏡、原子間力顕微鏡、共焦点レーザー走査顕微鏡、又は超解像顕微鏡である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 診断的、組織学的、微生物学的、生化学的、腫瘍学的、又は血液学的な解析に対する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法によって得られる、光学イメージングに適した単離された細胞を含む処理されたフィルター材料の使用。
  13. 細胞を処理して該細胞を光学イメージングに適したものにするための装置であって、
    (a)細胞を捕獲するためのフィルター材料、
    (b)前記フィルター材料上への細胞の単離を可能にする、前記フィルター材料に結合される除去可能な圧力送達システム、
    (c)相転移媒体の層、
    (d)前記フィルター材料及び/又は前記相転移媒体の層をキャリアまで輸送するための手段、
    (e)前記相転移媒体を、該媒体が前記フィルター材料の下で広がるまで融解させるための加熱ユニット、並びに、
    (f)前記相転移媒体の温度を、該媒体が凝固するまで下げ、1つの光学的な面において、且つ、固定された位置にて前記細胞を含むフィルターを生じるための冷却ユニット、
    を含む装置。
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