JP2000275537A - 伸展器 - Google Patents
伸展器Info
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- JP2000275537A JP2000275537A JP11078674A JP7867499A JP2000275537A JP 2000275537 A JP2000275537 A JP 2000275537A JP 11078674 A JP11078674 A JP 11078674A JP 7867499 A JP7867499 A JP 7867499A JP 2000275537 A JP2000275537 A JP 2000275537A
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- Japan
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- slide glass
- extender
- water
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- sample section
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Abstract
(57)【要約】
【課題】伸展器において、加温しプレパラートをつくる
ときに、スライドガラスと標本切片との間に空隙が生じ
るのを防止し、同時に、標本切片から流れ出た水が下端
部に溜らず、水を拭き取る作業を不要にする。 【解決手段】伸展器E1は傾斜した支持部1と垂直部2
とスタンド3とを含む。支持部1は傾斜した下方支持部
11と屈折部13で更に傾斜した上方支持部12とより
なる。下方支持部11と垂直部2との境界部近辺の上面
には、間隙を調整可能な固定板4を有する。固定板4
は、下方支持部11と垂直部2との境界部近辺の上面と
同じ形状であり、下部内面側にはネジが固着されてい
る。垂直部2には、通孔が設けられており、固定板4は
ネジを通孔に通してナットを締めて固定されている。吸
水体5が、間隙に挿入されている。
ときに、スライドガラスと標本切片との間に空隙が生じ
るのを防止し、同時に、標本切片から流れ出た水が下端
部に溜らず、水を拭き取る作業を不要にする。 【解決手段】伸展器E1は傾斜した支持部1と垂直部2
とスタンド3とを含む。支持部1は傾斜した下方支持部
11と屈折部13で更に傾斜した上方支持部12とより
なる。下方支持部11と垂直部2との境界部近辺の上面
には、間隙を調整可能な固定板4を有する。固定板4
は、下方支持部11と垂直部2との境界部近辺の上面と
同じ形状であり、下部内面側にはネジが固着されてい
る。垂直部2には、通孔が設けられており、固定板4は
ネジを通孔に通してナットを締めて固定されている。吸
水体5が、間隙に挿入されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伸展器に関するもの
である。更に詳しくは、顕微鏡で観察するためのプレパ
ラートを作るときの標本切片の伸展時に、水切りを良く
して、スライドガラスと当該スライドガラスの表面に貼
合わせられている標本切片との間に空隙が生じないよう
にする伸展器に関する。
である。更に詳しくは、顕微鏡で観察するためのプレパ
ラートを作るときの標本切片の伸展時に、水切りを良く
して、スライドガラスと当該スライドガラスの表面に貼
合わせられている標本切片との間に空隙が生じないよう
にする伸展器に関する。
【0002】
【従来の技術】生物等の組織の標本切片を顕微鏡で観察
するためにプレパラートが使用されている。プレパラー
トは、通常、次のような工程を経て作製される。 組織をカセットに収容し、組織にホルマリン等の固
定液を浸透させ組織の腐敗を防止する。 の固定液を水で除く。 濃度の異なる数種のアルコールに浸して組織内に含
まれる水分を除く。 アルコールと、最終的に浸透させるパラフィンとは
混合しないので、仲介剤として、その双方に混合するこ
とができるキシレンやクロロホルム等を浸透させる。 溶融パラフィンに浸し、パラフィンを組織内に浸透
させる。 薬液処理をした組織をカセットから取出し、包埋皿
等を使用してパラフィンブロックをつくる。 パラフィンブロックをミクロトーム等で2〜3ミク
ロンの厚さに薄切し、標本切片をつくり、水に浸し、ス
ライドガラスに貼合せる。 標本切片を貼合せたスライドガラスを、伸展器の支
持部に配置して加温し、標本切片を伸展する。 染色液に浸漬し、標本切片を染色する。
するためにプレパラートが使用されている。プレパラー
トは、通常、次のような工程を経て作製される。 組織をカセットに収容し、組織にホルマリン等の固
定液を浸透させ組織の腐敗を防止する。 の固定液を水で除く。 濃度の異なる数種のアルコールに浸して組織内に含
まれる水分を除く。 アルコールと、最終的に浸透させるパラフィンとは
混合しないので、仲介剤として、その双方に混合するこ
とができるキシレンやクロロホルム等を浸透させる。 溶融パラフィンに浸し、パラフィンを組織内に浸透
させる。 薬液処理をした組織をカセットから取出し、包埋皿
等を使用してパラフィンブロックをつくる。 パラフィンブロックをミクロトーム等で2〜3ミク
ロンの厚さに薄切し、標本切片をつくり、水に浸し、ス
ライドガラスに貼合せる。 標本切片を貼合せたスライドガラスを、伸展器の支
持部に配置して加温し、標本切片を伸展する。 染色液に浸漬し、標本切片を染色する。
【0003】上記の工程において、パラフィンは組織
内に浸透しているが、パラフィンと組織とは硬さや収縮
率が異なるためブロック内には歪みが生じている。その
ため、の工程において、薄切して得られた標本切片に
は皺が生じており、その皺を伸ばすために水に浸し、ス
ライドガラスに貼合せ、そして、の工程において、伸
展器で加温し皺をなくすための操作を実施する必要があ
る。
内に浸透しているが、パラフィンと組織とは硬さや収縮
率が異なるためブロック内には歪みが生じている。その
ため、の工程において、薄切して得られた標本切片に
は皺が生じており、その皺を伸ばすために水に浸し、ス
ライドガラスに貼合せ、そして、の工程において、伸
展器で加温し皺をなくすための操作を実施する必要があ
る。
【0004】従来、スライドガラスに貼合せられた標本
切片を加温し皺をなくすための伸展器として、例えば、
特開平9−196565号公報記載の伸展器がある(な
お、従来例として挙げた箇所の符号は、各公報にて使用
された符号を使用している。)。当該伸展器1は、加温
台2の天板3上に、縦断面が直角三角形の支持体4を当
該天板3と一体に複数並行に並べたものである。そし
て、スライドガラス10の表面に貼合わされた標本切片
11を加温し皺を伸ばすために、スライドガラス10は
支持体4の斜面9に載置される。また、同様の目的を達
成するために、実開平6−43546号公報には、他の
伸展器が記載されている。この伸展器は、パラフィン伸
展器1の水平な表面上に薄い枕(熱や有機溶剤に強い材
質)3を置いたものであり、スライドガラスの一方の端
を上記枕3で支えて、標本切片を加温し皺を伸ばそうと
するものである。
切片を加温し皺をなくすための伸展器として、例えば、
特開平9−196565号公報記載の伸展器がある(な
お、従来例として挙げた箇所の符号は、各公報にて使用
された符号を使用している。)。当該伸展器1は、加温
台2の天板3上に、縦断面が直角三角形の支持体4を当
該天板3と一体に複数並行に並べたものである。そし
て、スライドガラス10の表面に貼合わされた標本切片
11を加温し皺を伸ばすために、スライドガラス10は
支持体4の斜面9に載置される。また、同様の目的を達
成するために、実開平6−43546号公報には、他の
伸展器が記載されている。この伸展器は、パラフィン伸
展器1の水平な表面上に薄い枕(熱や有機溶剤に強い材
質)3を置いたものであり、スライドガラスの一方の端
を上記枕3で支えて、標本切片を加温し皺を伸ばそうと
するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の伸展器には、次のような課題があった。 (a) 上記特開平9−196565号公報記載の伸展
器1は、スライドガラス10が斜面9に載置されたとき
に、スライドガラス10と斜面9とが密接しているた
め、斜面9の温度がスライドガラス10に短時間のうち
に直に伝わる。そのとき、皺が温度の急激な変化に対応
できないので、皺が十分に伸びきらず、スライドガラス
10と標本切片11との間に空隙が生じる。このような
空隙があると、上記の工程、即ち染色液への数回の浸
漬を行う染色工程において、スライドガラス10から標
本切片11が離れ、標本切片11が流れてしまう。ま
た、最近では免疫染色もよく行われるため、表面がコー
ティングされたスライドガラスが使用されており、この
ような場合は、特にスライドガラスから標本切片が離れ
易かった。従って、スライドガラス10と標本切片11
との間に空隙が生じないようにするために、上記の工
程を行った後に、湯通しを行い、再度、の工程を行う
必要があり、作業能率が悪かった。
な従来の伸展器には、次のような課題があった。 (a) 上記特開平9−196565号公報記載の伸展
器1は、スライドガラス10が斜面9に載置されたとき
に、スライドガラス10と斜面9とが密接しているた
め、斜面9の温度がスライドガラス10に短時間のうち
に直に伝わる。そのとき、皺が温度の急激な変化に対応
できないので、皺が十分に伸びきらず、スライドガラス
10と標本切片11との間に空隙が生じる。このような
空隙があると、上記の工程、即ち染色液への数回の浸
漬を行う染色工程において、スライドガラス10から標
本切片11が離れ、標本切片11が流れてしまう。ま
た、最近では免疫染色もよく行われるため、表面がコー
ティングされたスライドガラスが使用されており、この
ような場合は、特にスライドガラスから標本切片が離れ
易かった。従って、スライドガラス10と標本切片11
との間に空隙が生じないようにするために、上記の工
程を行った後に、湯通しを行い、再度、の工程を行う
必要があり、作業能率が悪かった。
【0006】(b)また、標本切片11から流れ出た水
が、支持体4の下端部に溜り、標本切片11の乾燥を阻
害し伸展に相当な時間を要していた。従って、乾燥を迅
速に行なうために、支持体4の下端部に溜った水を手で
拭き取る作業が行われていた。その結果、余分の時間を
要し、また、作業中に手が標本切片11に触れて傷を付
けることが多かった。
が、支持体4の下端部に溜り、標本切片11の乾燥を阻
害し伸展に相当な時間を要していた。従って、乾燥を迅
速に行なうために、支持体4の下端部に溜った水を手で
拭き取る作業が行われていた。その結果、余分の時間を
要し、また、作業中に手が標本切片11に触れて傷を付
けることが多かった。
【0007】(c) 実開平6−43546号公報記載
の伸展器1により、スライドガラスの表面に貼合わせら
れた標本切片を加温し伸展するときには、標本切片から
流れ出た水がスライドガラスの他の一端(枕3に支えら
れている側と反対の側)の付近に溜り、標本切片の乾燥
を阻害し余分の時間を要していた。同時に、水を拭き取
る作業が必要となり、この作業中に手が触れて、標本切
片に傷を付けることも多かった。また、スライドガラス
は、パラフィン伸展器の水平な表面上に重ならないよう
に並べて載置するので、伸展器の表面積に応じた枚数し
か載置することができず、作業能率が悪かった。
の伸展器1により、スライドガラスの表面に貼合わせら
れた標本切片を加温し伸展するときには、標本切片から
流れ出た水がスライドガラスの他の一端(枕3に支えら
れている側と反対の側)の付近に溜り、標本切片の乾燥
を阻害し余分の時間を要していた。同時に、水を拭き取
る作業が必要となり、この作業中に手が触れて、標本切
片に傷を付けることも多かった。また、スライドガラス
は、パラフィン伸展器の水平な表面上に重ならないよう
に並べて載置するので、伸展器の表面積に応じた枚数し
か載置することができず、作業能率が悪かった。
【0008】本発明は、上記課題を解消するもので、標
本切片を貼合わせたスライドガラスを伸展器の支持部に
配置して加温し伸展するときに、スライドガラスと標本
切片との間に空隙が生じるのを防止することができる伸
展器を提供することを目的とする。また、標本切片から
流れ出た水が、支持部の下端部に溜らないようにして、
水を拭き取る作業が不要な伸展器を提供することを目的
とする。更に、スライドガラスの表面に貼合わせられた
標本切片を一度の工程で多数加温し伸展できる伸展器を
提供することを目的とする。
本切片を貼合わせたスライドガラスを伸展器の支持部に
配置して加温し伸展するときに、スライドガラスと標本
切片との間に空隙が生じるのを防止することができる伸
展器を提供することを目的とする。また、標本切片から
流れ出た水が、支持部の下端部に溜らないようにして、
水を拭き取る作業が不要な伸展器を提供することを目的
とする。更に、スライドガラスの表面に貼合わせられた
標本切片を一度の工程で多数加温し伸展できる伸展器を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、スライドガラスの背面側に空間部が設けら
れる状態で当該スライドガラスを傾斜して配置できるよ
うに形成されている支持部と、上記スライドガラスの下
端部が接する箇所に設けられている吸水手段と、を備え
ていることを特徴とする、伸展器である。
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、スライドガラスの背面側に空間部が設けら
れる状態で当該スライドガラスを傾斜して配置できるよ
うに形成されている支持部と、上記スライドガラスの下
端部が接する箇所に設けられている吸水手段と、を備え
ていることを特徴とする、伸展器である。
【0010】第2の発明にあっては、台部と、当該台部
に所要数設けられており、スライドガラスの背面側に空
間部が設けられる状態で当該スライドガラスを傾斜して
配置できるように形成されている支持部と、上記スライ
ドガラスの下端部が接する箇所に設けられている吸水手
段と、を備えていることを特徴とする、伸展器である。
に所要数設けられており、スライドガラスの背面側に空
間部が設けられる状態で当該スライドガラスを傾斜して
配置できるように形成されている支持部と、上記スライ
ドガラスの下端部が接する箇所に設けられている吸水手
段と、を備えていることを特徴とする、伸展器である。
【0011】第3の発明にあっては、上部が開口されて
いる箱状の収容体と、上記収容体に所要数設けられてお
り、スライドガラスの背面側に空間部が設けられる状態
で当該スライドガラスを傾斜して配置できるように形成
されている支持部と、上記スライドガラスの当接箇所に
配置されている吸水手段と、を備えていることを特徴と
する、伸展器である。
いる箱状の収容体と、上記収容体に所要数設けられてお
り、スライドガラスの背面側に空間部が設けられる状態
で当該スライドガラスを傾斜して配置できるように形成
されている支持部と、上記スライドガラスの当接箇所に
配置されている吸水手段と、を備えていることを特徴と
する、伸展器である。
【0012】第4の発明にあっては、支持部が着脱可能
であることを特徴とする、第1または第2の発明に係る
伸展器である。
であることを特徴とする、第1または第2の発明に係る
伸展器である。
【0013】第5の発明にあっては、配置されるスライ
ドガラスの傾斜角度を調整するための角度調整手段を備
えていることを特徴とする、第1、第2、第3または第
4の発明に係る伸展器である。
ドガラスの傾斜角度を調整するための角度調整手段を備
えていることを特徴とする、第1、第2、第3または第
4の発明に係る伸展器である。
【0014】第6の発明にあっては、配置されるスライ
ドガラスを直接的にまたは間接的に加温するための加温
手段を備えていることを特徴とする、第1、第2、第
3、第4または第5の発明に係る伸展器である。
ドガラスを直接的にまたは間接的に加温するための加温
手段を備えていることを特徴とする、第1、第2、第
3、第4または第5の発明に係る伸展器である。
【0015】第7の発明にあっては、吸水手段が着脱可
能であることを特徴とする、第1、第2、第3、第4、
第5または第6の発明に係る伸展器である。
能であることを特徴とする、第1、第2、第3、第4、
第5または第6の発明に係る伸展器である。
【0016】第8の発明にあっては、吸水手段が多孔質
セラミックにより形成されていることを特徴とする、第
1、第2、第3、第4、第5または第6の発明に係る伸
展器である。
セラミックにより形成されていることを特徴とする、第
1、第2、第3、第4、第5または第6の発明に係る伸
展器である。
【0017】表面に標本切片を貼合わせたスライドガラ
スを配置したときに、当該スライドガラスとの間に空間
部が設けられるような支持部の上面の形状としては、特
に限定されないが、例えば、く状、凹状、凸状、網状、
下方に向う溝状などに形成されたものが挙げられる。ま
た、上面に別部材、例えば、帯状部材を表面の上部など
の適宜個所に付設したものなども挙げられる。
スを配置したときに、当該スライドガラスとの間に空間
部が設けられるような支持部の上面の形状としては、特
に限定されないが、例えば、く状、凹状、凸状、網状、
下方に向う溝状などに形成されたものが挙げられる。ま
た、上面に別部材、例えば、帯状部材を表面の上部など
の適宜個所に付設したものなども挙げられる。
【0018】スライドガラスの下端部が接する箇所また
は収容体の底面部に収容される吸水手段としては、多孔
質セラミックの他、高吸水性樹脂、その他木綿などの吸
水性のよい繊維からなる織布や不織布などが挙げられる
が、これらには限定されない。
は収容体の底面部に収容される吸水手段としては、多孔
質セラミックの他、高吸水性樹脂、その他木綿などの吸
水性のよい繊維からなる織布や不織布などが挙げられる
が、これらには限定されない。
【0019】支持部に配置されるスライドガラスの傾斜
角度を調整するための角度調整手段は、例えば、支持部
と台部との連結部または支持部と当該支持部のスタンド
との連結部などに、例えば、ラチェットやゼネバストッ
プなどを利用することによって設けることができる。し
かし、上記ラチェットやゼネバストップだけには限定さ
れない。
角度を調整するための角度調整手段は、例えば、支持部
と台部との連結部または支持部と当該支持部のスタンド
との連結部などに、例えば、ラチェットやゼネバストッ
プなどを利用することによって設けることができる。し
かし、上記ラチェットやゼネバストップだけには限定さ
れない。
【0020】スライドガラスが配置される支持部の加温
は、通常は、別体となっているヒータープレートなどの
上に載置することにより行われる。しかしながら、例え
ば、標本切片の種類や大きさなどによって、迅速に加温
し伸展したい場合などには、支持部自体に加温手段を組
み込んでもよい。
は、通常は、別体となっているヒータープレートなどの
上に載置することにより行われる。しかしながら、例え
ば、標本切片の種類や大きさなどによって、迅速に加温
し伸展したい場合などには、支持部自体に加温手段を組
み込んでもよい。
【0021】(作用)本発明に係る伸展器は、スライド
ガラスの背面側に空間部が設けられる状態でスライドガ
ラスを傾斜して配置できるように形成されている支持部
と、スライドガラスの下端部が接する箇所に設けられて
いる吸水手段とを備えている。従って、支持部に、標本
切片が貼合わせられているスライドガラスを配置して当
該標本切片を乾燥し伸展するときに、上記空間部が形成
されることにより、スライドガラスは殆どの部分が空気
の雰囲気中で加温され、当該スライドガラスの上面と下
面とにおける温度には大きな差が生じない。そして、上
記標本切片は全面において均等に加温され、一部分だけ
が強く加温されることはなく、そのことにより、スライ
ドガラスと標本切片との間に空隙が生じるのを防止する
ことができる。また、標本切片の乾燥、伸展時に流れ出
る水は、下端部で吸水手段により吸い取られる。その結
果、スライドガラスの下端部に水が溜ることはなく、従
来のような水を拭き取る作業が不要となり、その結果、
標本切片に傷が付くのを防止することができる。
ガラスの背面側に空間部が設けられる状態でスライドガ
ラスを傾斜して配置できるように形成されている支持部
と、スライドガラスの下端部が接する箇所に設けられて
いる吸水手段とを備えている。従って、支持部に、標本
切片が貼合わせられているスライドガラスを配置して当
該標本切片を乾燥し伸展するときに、上記空間部が形成
されることにより、スライドガラスは殆どの部分が空気
の雰囲気中で加温され、当該スライドガラスの上面と下
面とにおける温度には大きな差が生じない。そして、上
記標本切片は全面において均等に加温され、一部分だけ
が強く加温されることはなく、そのことにより、スライ
ドガラスと標本切片との間に空隙が生じるのを防止する
ことができる。また、標本切片の乾燥、伸展時に流れ出
る水は、下端部で吸水手段により吸い取られる。その結
果、スライドガラスの下端部に水が溜ることはなく、従
来のような水を拭き取る作業が不要となり、その結果、
標本切片に傷が付くのを防止することができる。
【0022】台部と、当該台部に所要数設けられてお
り、スライドガラスの背面側に空間部が設けられる状態
でスライドガラスを傾斜して配置できるように形成され
ている支持部と、スライドガラスの下端部が接する箇所
に設けられている吸水手段とを備えているものは、スラ
イドガラスの表面に貼合わせられている標本切片の乾燥
と伸展を同時に複数実施することができる。
り、スライドガラスの背面側に空間部が設けられる状態
でスライドガラスを傾斜して配置できるように形成され
ている支持部と、スライドガラスの下端部が接する箇所
に設けられている吸水手段とを備えているものは、スラ
イドガラスの表面に貼合わせられている標本切片の乾燥
と伸展を同時に複数実施することができる。
【0023】また、上部が開口されている箱状の収容体
と、上記収容体に所要数設けられており、スライドガラ
スの背面側に空間部が設けられる状態でスライドガラス
を傾斜して配置できるように形成されている支持部と、
上記スライドガラスの当接箇所に配置されている吸水手
段とを備えているものは、スライドガラスの表面に貼合
わせられている標本切片は箱状の収容体の内部で乾燥し
伸展されるので、空気の流れの影響を受けにくく保温性
が良好であり、内部での温度差が小さくなる。従って、
標本切片は全面において均等に加温され、一部分だけが
強く加温されることはなく、そのことにより、スライド
ガラスと標本切片との間に空隙が生じるのを、より確実
に防止することができる。更に、スライドガラスを配置
できるように形成されている支持部が、収容体に所要数
設けることができるように構成されているので、例え
ば、当該支持部を多数密に設けることにより、スライド
ガラスの表面に貼合わせられている標本切片を同時に多
数乾燥し伸展することができる。
と、上記収容体に所要数設けられており、スライドガラ
スの背面側に空間部が設けられる状態でスライドガラス
を傾斜して配置できるように形成されている支持部と、
上記スライドガラスの当接箇所に配置されている吸水手
段とを備えているものは、スライドガラスの表面に貼合
わせられている標本切片は箱状の収容体の内部で乾燥し
伸展されるので、空気の流れの影響を受けにくく保温性
が良好であり、内部での温度差が小さくなる。従って、
標本切片は全面において均等に加温され、一部分だけが
強く加温されることはなく、そのことにより、スライド
ガラスと標本切片との間に空隙が生じるのを、より確実
に防止することができる。更に、スライドガラスを配置
できるように形成されている支持部が、収容体に所要数
設けることができるように構成されているので、例え
ば、当該支持部を多数密に設けることにより、スライド
ガラスの表面に貼合わせられている標本切片を同時に多
数乾燥し伸展することができる。
【0024】支持部が着脱可能であるものは、例えば、
支持部の下端部または収容体の底部に配置されている吸
水手段の取り替えや清掃などの維持管理を容易に行うこ
とができる。
支持部の下端部または収容体の底部に配置されている吸
水手段の取り替えや清掃などの維持管理を容易に行うこ
とができる。
【0025】配置されるスライドガラスの傾斜角度を調
整するための角度調整手段を備えているものは、乾燥と
伸展時に標本切片から流れ出る水の量に対応してスライ
ドガラスの傾斜を調整することにより、水を下端部に迅
速に集めることができるので、標本切片の乾燥と伸展を
効率的に行うことができる。
整するための角度調整手段を備えているものは、乾燥と
伸展時に標本切片から流れ出る水の量に対応してスライ
ドガラスの傾斜を調整することにより、水を下端部に迅
速に集めることができるので、標本切片の乾燥と伸展を
効率的に行うことができる。
【0026】配置されるスライドガラスを直接的にまた
は間接的に加温するための加温手段を備えているもの
は、標本切片の種類や大きさなどに対応して加温の程度
を調整することができる。
は間接的に加温するための加温手段を備えているもの
は、標本切片の種類や大きさなどに対応して加温の程度
を調整することができる。
【0027】吸水手段が着脱可能であるものは、標本切
片から流れ出る水の量に対応して吸水手段を取り替える
ことができるので、標本切片に適した乾燥と伸展を行う
ことができる。また、吸水手段の清掃も行い易い。
片から流れ出る水の量に対応して吸水手段を取り替える
ことができるので、標本切片に適した乾燥と伸展を行う
ことができる。また、吸水手段の清掃も行い易い。
【0028】吸水手段が多孔質セラミックにより形成さ
れているものは、多孔質セラミックが吸水性が大きく、
そして、吸水後、水が飽和状態になったときは上記多孔
質セラミックから出てくるので、吸水手段の取り替え時
期が分かり易い。従って、標本切片を効率良く乾燥し伸
展することができる。
れているものは、多孔質セラミックが吸水性が大きく、
そして、吸水後、水が飽和状態になったときは上記多孔
質セラミックから出てくるので、吸水手段の取り替え時
期が分かり易い。従って、標本切片を効率良く乾燥し伸
展することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係る伸展器の第
1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示す伸展器
の側面図である。
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係る伸展器の第
1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示す伸展器
の側面図である。
【0030】図中E1は伸展器である。伸展器E1は傾
斜したほぼ長方形板状の支持部1と当該支持部1の下端
から垂直に延びている垂直部2と当該垂直部2の下端か
ら上記支持部1の下方に位置するように直角に延びてい
るスタンド3とを含む。伸展器E1の上記各部材はアル
ミニウムや銅などの熱伝導性の良い金属により一体的に
形成されている。なお、各部材を接合して形成すること
もできる。
斜したほぼ長方形板状の支持部1と当該支持部1の下端
から垂直に延びている垂直部2と当該垂直部2の下端か
ら上記支持部1の下方に位置するように直角に延びてい
るスタンド3とを含む。伸展器E1の上記各部材はアル
ミニウムや銅などの熱伝導性の良い金属により一体的に
形成されている。なお、各部材を接合して形成すること
もできる。
【0031】支持部1は、ほぼ45°に傾斜した下方支
持部11と当該下方支持部11の上部を起点として更に
5°上方に傾斜した上方支持部12とより形成されてい
る。上方支持部12の上端は下方にほぼ直角に折り曲げ
られている。垂直部2には二個所に雌ねじ21が刻設さ
れている。スタンド3にはほぼ中央部に後記する台部S
に固定するための嵌合孔32が設けられている。下方支
持部11と垂直部2との境界部近辺の上面には、ステン
レススチールで形成された固定板4が、上記上面に対し
て間隙を自由に調整できるように取り付けられている。
持部11と当該下方支持部11の上部を起点として更に
5°上方に傾斜した上方支持部12とより形成されてい
る。上方支持部12の上端は下方にほぼ直角に折り曲げ
られている。垂直部2には二個所に雌ねじ21が刻設さ
れている。スタンド3にはほぼ中央部に後記する台部S
に固定するための嵌合孔32が設けられている。下方支
持部11と垂直部2との境界部近辺の上面には、ステン
レススチールで形成された固定板4が、上記上面に対し
て間隙を自由に調整できるように取り付けられている。
【0032】上記固定板4は、下方支持部11と垂直部
2との境界部近辺の上面と同じ形状になるように折り曲
げられており、下部内面側にはネジ41が固着されてい
る。垂直部2には、ネジ41と対応する通孔21が設け
られており、固定板4はネジ41を通孔21に通してナ
ット42を締めることにより垂直部2に固定されてい
る。帯板状の多孔質セラミックである吸水体5は、下方
支持部11と固定板4との間の間隙に挿入し、固定板4
をネジ41で締め付けることにより取り付けられる。
2との境界部近辺の上面と同じ形状になるように折り曲
げられており、下部内面側にはネジ41が固着されてい
る。垂直部2には、ネジ41と対応する通孔21が設け
られており、固定板4はネジ41を通孔21に通してナ
ット42を締めることにより垂直部2に固定されてい
る。帯板状の多孔質セラミックである吸水体5は、下方
支持部11と固定板4との間の間隙に挿入し、固定板4
をネジ41で締め付けることにより取り付けられる。
【0033】上記のようにして構成されている伸展器E
1を使用してスライドガラス表面に貼合わされた標本切
片を乾燥し伸展する工程を説明する。図3はスライドガ
ラス表面に貼合わされた標本切片を示す斜面図、図4は
図3に示すスライドガラス表面に貼合わされた標本切片
を伸展器に配置した状態を示す斜視図である。
1を使用してスライドガラス表面に貼合わされた標本切
片を乾燥し伸展する工程を説明する。図3はスライドガ
ラス表面に貼合わされた標本切片を示す斜面図、図4は
図3に示すスライドガラス表面に貼合わされた標本切片
を伸展器に配置した状態を示す斜視図である。
【0034】先ず、常法により、次のようにして図3に
示すスライドガラス表面に貼合わされた標本切片を作
る。組織(生検検査用標本)をホルマリン、アルコー
ル、クロロホルムなどによる薬剤処理を行い、当該組織
内に溶融パラフィンを浸透させ、包埋皿等を使用してパ
ラフィンブロックを作る。上記パラフィンブロックをミ
クロトームで2〜3ミクロンの厚さに薄切し、標本切片
61をつくる。この標本切片61は上記のように極く薄
く皺状になっている。
示すスライドガラス表面に貼合わされた標本切片を作
る。組織(生検検査用標本)をホルマリン、アルコー
ル、クロロホルムなどによる薬剤処理を行い、当該組織
内に溶融パラフィンを浸透させ、包埋皿等を使用してパ
ラフィンブロックを作る。上記パラフィンブロックをミ
クロトームで2〜3ミクロンの厚さに薄切し、標本切片
61をつくる。この標本切片61は上記のように極く薄
く皺状になっている。
【0035】上記標本切片61を湯(温度は溶融パラフ
ィンの融点よりの少し低い)に浸し、引上げ、スライド
ガラス62上に載置し貼合わせて、貼合わせ体6を作
る。標本切片61を上にして、伸展器E1の支持部1に
貼合わせ体6を配置する。このとき、スライドガラス6
2の裏面と支持部1との間に空間部7が形成される。こ
の伸展器E1を、上面が水平なヒータープレート(図5
に図示)上にスタンド3が接するようにして置く。
ィンの融点よりの少し低い)に浸し、引上げ、スライド
ガラス62上に載置し貼合わせて、貼合わせ体6を作
る。標本切片61を上にして、伸展器E1の支持部1に
貼合わせ体6を配置する。このとき、スライドガラス6
2の裏面と支持部1との間に空間部7が形成される。こ
の伸展器E1を、上面が水平なヒータープレート(図5
に図示)上にスタンド3が接するようにして置く。
【0036】(作用)所定時間が経つと伸展器E1の支
持部1とスライドガラス62とが加温され、同時にスラ
イドガラス62上に配置されていた標本切片61自体及
び当該標本切片61とスライドガラス62との間に存在
していた水(または湯)が下方に流れ出し、吸水シート
5によって迅速に吸い取られる。吸水シート5により、
上記のようにして水が吸い取られるので、下方支持部1
1の下部に水が溜ることはない。
持部1とスライドガラス62とが加温され、同時にスラ
イドガラス62上に配置されていた標本切片61自体及
び当該標本切片61とスライドガラス62との間に存在
していた水(または湯)が下方に流れ出し、吸水シート
5によって迅速に吸い取られる。吸水シート5により、
上記のようにして水が吸い取られるので、下方支持部1
1の下部に水が溜ることはない。
【0037】従って、下部に溜った水を手で拭き取る作
業が不要となり、標本切片61を傷付けない。また、上
記のようにして得られた貼合わせ体6においては、標本
切片61とスライドガラス62の間には空隙は形成され
ず、その後、貼合わせ体6を染色液に数回浸漬して染色
を行ったが、標本切片61はスライドガラス62から剥
離しなかった。
業が不要となり、標本切片61を傷付けない。また、上
記のようにして得られた貼合わせ体6においては、標本
切片61とスライドガラス62の間には空隙は形成され
ず、その後、貼合わせ体6を染色液に数回浸漬して染色
を行ったが、標本切片61はスライドガラス62から剥
離しなかった。
【0038】図5は本発明に係る伸展器の第2の実施の
形態を示す側面説明図、図6は図5中に示す結合部の拡
大断面図である。図中E2は伸展器、Sは台部、Hはヒ
ータープレートである。伸展器E2は、第1の実施の形
態に係る伸展器E1と台部Sとを組み合せたものであ
る。上記組み合わせは、台部Sの上面に伸展器E1のス
タンド3の下面が接するようにして載置することにより
実施される。
形態を示す側面説明図、図6は図5中に示す結合部の拡
大断面図である。図中E2は伸展器、Sは台部、Hはヒ
ータープレートである。伸展器E2は、第1の実施の形
態に係る伸展器E1と台部Sとを組み合せたものであ
る。上記組み合わせは、台部Sの上面に伸展器E1のス
タンド3の下面が接するようにして載置することにより
実施される。
【0039】当該載置は結合部31により実施され、結
合部31は、スタンド3のほぼ中央部設けられている嵌
合孔32と台部S上面に設けられている挿入突起33と
より構成されており、挿入突起33は嵌合孔32に対し
て挿脱自在である。上記のようにして構成された伸展器
E2は、貼合わせ体6を構成している標本切片61を乾
燥し、伸展するときには、ヒータープレートH上に載置
される。
合部31は、スタンド3のほぼ中央部設けられている嵌
合孔32と台部S上面に設けられている挿入突起33と
より構成されており、挿入突起33は嵌合孔32に対し
て挿脱自在である。上記のようにして構成された伸展器
E2は、貼合わせ体6を構成している標本切片61を乾
燥し、伸展するときには、ヒータープレートH上に載置
される。
【0040】(作用)伸展器E2では、台部S上に支持
部1を複数取付けることができるので、スライドガラス
62上の標本切片61の乾燥と伸展を同時に複数実施す
ることができる。また、着脱可能であるので、必要に応
じて伸展器E1単独での使用も可能である。
部1を複数取付けることができるので、スライドガラス
62上の標本切片61の乾燥と伸展を同時に複数実施す
ることができる。また、着脱可能であるので、必要に応
じて伸展器E1単独での使用も可能である。
【0041】図7は本発明に係る伸展器の第3の実施の
形態を示す側面説明図である。図中E3は伸展器、Rは
角度調整具である。伸展器E3は、第2の実施の形態に
係る伸展器E2において、台部Sと当該台部Sと接して
組み合わせられているヒータープレートHとの一つの端
部(図7においては左端)をラチェットのような角度調
整具Rにより、水平なヒータープレートHに対して台部
Sの傾斜を段階的に変化できるように構成されている。
形態を示す側面説明図である。図中E3は伸展器、Rは
角度調整具である。伸展器E3は、第2の実施の形態に
係る伸展器E2において、台部Sと当該台部Sと接して
組み合わせられているヒータープレートHとの一つの端
部(図7においては左端)をラチェットのような角度調
整具Rにより、水平なヒータープレートHに対して台部
Sの傾斜を段階的に変化できるように構成されている。
【0042】(作用)台部Sの角度を調整することによ
り、支持部1に配置されている貼合わせ体6の傾斜を所
望の角度に変えることができるので、標本切片61及び
当該標本切片61とスライドガラス62との間から流れ
出る水の量に対応して水切りの速度を調整でき、より効
率よく乾燥と伸展を行うことができる。従って、水を吸
水体5に迅速に集めることができる。
り、支持部1に配置されている貼合わせ体6の傾斜を所
望の角度に変えることができるので、標本切片61及び
当該標本切片61とスライドガラス62との間から流れ
出る水の量に対応して水切りの速度を調整でき、より効
率よく乾燥と伸展を行うことができる。従って、水を吸
水体5に迅速に集めることができる。
【0043】図8は本発明に係る伸展器の第4の実施の
形態を示す分解斜視説明図、図9は図8の縦断面図であ
る。図中E4は伸展器である。伸展器E4は上部が開口
された箱形の収容体8と上記収容体8の底面部に敷設さ
れている高吸水性樹脂製の吸水シート5aと上記収容体
8の内部に並設されている支持部1とを備えている。
形態を示す分解斜視説明図、図9は図8の縦断面図であ
る。図中E4は伸展器である。伸展器E4は上部が開口
された箱形の収容体8と上記収容体8の底面部に敷設さ
れている高吸水性樹脂製の吸水シート5aと上記収容体
8の内部に並設されている支持部1とを備えている。
【0044】収容体8の対向している両側璧81上端か
ら下部に向って等傾斜(傾斜は上辺に対して約60°で
ある)の切込み部82がそれぞれ九個所に等間隔で設け
られている。上記支持部1は切込み部82に着脱可能に
嵌め込まれている。支持部1は板状で、上端には両側に
突出部14が形成されている。当該突出部14は切込み
部82に嵌合されている。下端には屈折部13が形成さ
れており、その先端は吸水シート5a上に等間隔で載置
されている。
ら下部に向って等傾斜(傾斜は上辺に対して約60°で
ある)の切込み部82がそれぞれ九個所に等間隔で設け
られている。上記支持部1は切込み部82に着脱可能に
嵌め込まれている。支持部1は板状で、上端には両側に
突出部14が形成されている。当該突出部14は切込み
部82に嵌合されている。下端には屈折部13が形成さ
れており、その先端は吸水シート5a上に等間隔で載置
されている。
【0045】(作用)貼合わせ体6は上部側を支持部1
の上端に当てられて配置される。下端を屈折部13に当
てられる。尚、貼合わせ体6は、最前部(図9では左側
端)では下端は吸水体6と側壁83とで形成された角部
84に当てられ、最後部(図9では右側端)では上部側
は側壁83の上端85に当てられる。このようにして、
貼合わせ体6は収容体8の内部に10枚並設される。
の上端に当てられて配置される。下端を屈折部13に当
てられる。尚、貼合わせ体6は、最前部(図9では左側
端)では下端は吸水体6と側壁83とで形成された角部
84に当てられ、最後部(図9では右側端)では上部側
は側壁83の上端85に当てられる。このようにして、
貼合わせ体6は収容体8の内部に10枚並設される。
【0046】貼合わせ体6の列は、例えば、13列形成
され、この収容体8をヒータープレートHの上に載置し
加温すると、130枚の貼合わせ体6を同時に乾燥し、
標本切片61を伸展することができ、非常に効率的であ
る。また、貼合わせ体6は箱状の収容体8の内部で乾燥
し、標本切片61が伸展されるので、空気の流れの影響
を受けにくく保温性が良好であり、内部での温度差が小
さくなる。従って、標本切片61は一部分だけが強く加
温されることはなく全面において均等に加温され、それ
によりスライドガラス62と標本切片61との間に空隙
が生じるのを、確実に防止することができる。
され、この収容体8をヒータープレートHの上に載置し
加温すると、130枚の貼合わせ体6を同時に乾燥し、
標本切片61を伸展することができ、非常に効率的であ
る。また、貼合わせ体6は箱状の収容体8の内部で乾燥
し、標本切片61が伸展されるので、空気の流れの影響
を受けにくく保温性が良好であり、内部での温度差が小
さくなる。従って、標本切片61は一部分だけが強く加
温されることはなく全面において均等に加温され、それ
によりスライドガラス62と標本切片61との間に空隙
が生じるのを、確実に防止することができる。
【0047】なお、本明細書で使用している用語と表現
はあくまで説明上のものであって、限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定され
るものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形
が可能である。
はあくまで説明上のものであって、限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定され
るものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形
が可能である。
【0048】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a) 本発明に係る伸展器は、スライドガラスの背面
側に空間部が設けられる状態でスライドガラスを傾斜し
て配置できるように形成されている支持部と、スライド
ガラスの下端部が接する箇所に設けられている吸水手段
とを備えている。従って、支持部に、標本切片が貼合わ
せられているスライドガラスを配置して当該標本切片を
乾燥し伸展するときに、上記空間部が形成されることに
より、スライドガラスは殆どの部分が空気の雰囲気中で
加温され、当該スライドガラスの上面と下面とにおける
温度には大きな差が生じない。そして、上記標本切片は
全面において均等に加温され、一部分だけが強く加温さ
れることはなく、そのことにより、スライドガラスと標
本切片との間に空隙が生じるのを防止することができ
る。また、標本切片の乾燥、伸展時に流れ出る水は、下
端部で吸水手段により吸い取られる。その結果、スライ
ドガラスの下端部に水が溜ることはなく、従来のような
水を拭き取る作業が不要となり、その結果、標本切片に
傷が付くのを防止することができる。
する。 (a) 本発明に係る伸展器は、スライドガラスの背面
側に空間部が設けられる状態でスライドガラスを傾斜し
て配置できるように形成されている支持部と、スライド
ガラスの下端部が接する箇所に設けられている吸水手段
とを備えている。従って、支持部に、標本切片が貼合わ
せられているスライドガラスを配置して当該標本切片を
乾燥し伸展するときに、上記空間部が形成されることに
より、スライドガラスは殆どの部分が空気の雰囲気中で
加温され、当該スライドガラスの上面と下面とにおける
温度には大きな差が生じない。そして、上記標本切片は
全面において均等に加温され、一部分だけが強く加温さ
れることはなく、そのことにより、スライドガラスと標
本切片との間に空隙が生じるのを防止することができ
る。また、標本切片の乾燥、伸展時に流れ出る水は、下
端部で吸水手段により吸い取られる。その結果、スライ
ドガラスの下端部に水が溜ることはなく、従来のような
水を拭き取る作業が不要となり、その結果、標本切片に
傷が付くのを防止することができる。
【0049】(b) 台部と、当該台部に所要数設けら
れており、スライドガラスの背面側に空間部が設けられ
る状態でスライドガラスを傾斜して配置できるように形
成されている支持部と、スライドガラスの下端部が接す
る箇所に設けられている吸水手段とを備えているもの
は、スライドガラスの表面に貼合わせられている標本切
片の乾燥と伸展を同時に複数実施することができる。
れており、スライドガラスの背面側に空間部が設けられ
る状態でスライドガラスを傾斜して配置できるように形
成されている支持部と、スライドガラスの下端部が接す
る箇所に設けられている吸水手段とを備えているもの
は、スライドガラスの表面に貼合わせられている標本切
片の乾燥と伸展を同時に複数実施することができる。
【0050】(c) また、上部が開口されている箱状
の収容体と、上記収容体に所要数設けられており、スラ
イドガラスの背面側に空間部が設けられる状態でスライ
ドガラスを傾斜して配置できるように形成されている支
持部と、上記スライドガラスの当接箇所に配置されてい
る吸水手段とを備えているものは、スライドガラスの表
面に貼合わせられている標本切片は箱状の収容体の内部
で乾燥し伸展されるので、空気の流れの影響を受けにく
く保温性が良好であり、内部での温度差が小さくなる。
従って、標本切片は全面において均等に加温され、一部
分だけが強く加温されることはなく、そのことにより、
スライドガラスと標本切片との間に空隙が生じるのを、
より確実に防止することができる。更に、スライドガラ
スを配置できるように形成されている支持部が、収容体
に所要数設けることができるように構成されているの
で、例えば、当該支持部を多数密に設けることにより、
スライドガラスの表面に貼合わせられている標本切片を
同時に多数乾燥し伸展することができる。
の収容体と、上記収容体に所要数設けられており、スラ
イドガラスの背面側に空間部が設けられる状態でスライ
ドガラスを傾斜して配置できるように形成されている支
持部と、上記スライドガラスの当接箇所に配置されてい
る吸水手段とを備えているものは、スライドガラスの表
面に貼合わせられている標本切片は箱状の収容体の内部
で乾燥し伸展されるので、空気の流れの影響を受けにく
く保温性が良好であり、内部での温度差が小さくなる。
従って、標本切片は全面において均等に加温され、一部
分だけが強く加温されることはなく、そのことにより、
スライドガラスと標本切片との間に空隙が生じるのを、
より確実に防止することができる。更に、スライドガラ
スを配置できるように形成されている支持部が、収容体
に所要数設けることができるように構成されているの
で、例えば、当該支持部を多数密に設けることにより、
スライドガラスの表面に貼合わせられている標本切片を
同時に多数乾燥し伸展することができる。
【0051】(d)支持部が着脱可能であるものは、例
えば、支持部の下端部または収容体の底部に配置されて
いる吸水手段の取り替えや清掃などの維持管理を容易に
行うことができる。
えば、支持部の下端部または収容体の底部に配置されて
いる吸水手段の取り替えや清掃などの維持管理を容易に
行うことができる。
【0052】(e) 配置されるスライドガラスの傾斜
角度を調整するための角度調整手段を備えているもの
は、乾燥と伸展時に標本切片から流れ出る水の量に対応
してスライドガラスの傾斜を調整することにより、水を
下端部に迅速に集めることができるので、標本切片の乾
燥と伸展を効率的に行うことができる。
角度を調整するための角度調整手段を備えているもの
は、乾燥と伸展時に標本切片から流れ出る水の量に対応
してスライドガラスの傾斜を調整することにより、水を
下端部に迅速に集めることができるので、標本切片の乾
燥と伸展を効率的に行うことができる。
【0053】(f) 配置されるスライドガラスを直接
的にまたは間接的に加温するための加温手段を備えてい
るものは、標本切片の種類や大きさなどに対応して加温
の程度を調整することができる。
的にまたは間接的に加温するための加温手段を備えてい
るものは、標本切片の種類や大きさなどに対応して加温
の程度を調整することができる。
【0054】(g) 吸水手段が着脱可能であるもの
は、標本切片から流れ出る水の量に対応して吸水手段を
取り替えることができるので、標本切片に適した乾燥と
伸展を行うことができる。また、吸水手段の清掃も行い
易い。
は、標本切片から流れ出る水の量に対応して吸水手段を
取り替えることができるので、標本切片に適した乾燥と
伸展を行うことができる。また、吸水手段の清掃も行い
易い。
【0055】(h) 吸水手段が多孔質セラミックによ
り形成されているものは、多孔質セラミックが吸水性が
大きく、そして、吸水後、水が飽和状態になったときは
上記多孔質セラミックから出てくるので、吸水手段の取
り替え時期が分かり易い。従って、標本切片を効率良く
乾燥し伸展することができる。
り形成されているものは、多孔質セラミックが吸水性が
大きく、そして、吸水後、水が飽和状態になったときは
上記多孔質セラミックから出てくるので、吸水手段の取
り替え時期が分かり易い。従って、標本切片を効率良く
乾燥し伸展することができる。
【図1】本発明に係る伸展器の第1の実施の形態を示す
斜視図。
斜視図。
【図2】図1に示す伸展器の側面図。
【図3】プレパラートの斜面図。
【図4】図3に示すプレパラートを伸展器に配置した状
態を示す斜視図。
態を示す斜視図。
【図5】本発明に係る伸展器の第2の実施の形態を示す
側面説明図。
側面説明図。
【図6】図5中に示す結合部の拡大断面図。
【図7】本発明に係る伸展器の第3の実施の形態を示す
側面説明図。
側面説明図。
【図8】本発明に係る伸展器の第4の実施の形態を示す
分解斜視説明図。
分解斜視説明図。
【図9】図8の縦断面図。
E1 伸展器 E2 伸展器 E3 伸展器 E4 伸展器 H ヒータープレート S 台部 R 角度調整具 1 支持部 11 下方支持部 12 上方支持部 13 屈折部 14 突出部 2 垂直部 21 通孔 3 スタンド 31 結合部 32 嵌合孔 33 挿入突起 4 固定板 41 ネジ 42 ナット 5 吸水体 5a 吸水シート 6 貼合わせ体 61 標本切片 62 スライドガラス 7 空間部 8 収容体 81 側壁 82 切込み部 83 側壁 84 角部 85 上端
Claims (8)
- 【請求項1】 スライドガラス(62)の背面側に空間部
(7)が設けられる状態で当該スライドガラス(62)を傾斜
して配置できるように形成されている支持部(1)と、 上記スライドガラス(62)の下端部が接する箇所に設けら
れている吸水手段と、を備えていることを特徴とする、 伸展器。 - 【請求項2】 台部(S)と、 当該台部(S)に所要数設けられており、スライドガラス
(62)の背面側に空間部(7)が設けられる状態で当該スラ
イドガラス(62)を傾斜して配置できるように形成されて
いる支持部(1)と、 上記スライドガラス(62)の下端部が接する箇所に設けら
れている吸水手段と、 を備えていることを特徴とする、 伸展器。 - 【請求項3】 上部が開口されている箱状の収容体(8)
と、 上記収容体(8)に所要数設けられており、スライドガラ
ス(62)の背面側に空間部(7)が設けられる状態で当該ス
ライドガラス(62)を傾斜して配置できるように形成され
ている支持部(1)と、 上記スライドガラス(62)の当接箇所に配置されている吸
水手段と、 を備えていることを特徴とする、 伸展器。 - 【請求項4】 支持部(1)が着脱可能であることを特徴
とする、 請求項2または3記載の伸展器。 - 【請求項5】 配置されるスライドガラス(62)の傾斜角
度を調整するための角度調整手段を備えていることを特
徴とする、 請求項1、2、3または4記載の伸展器。 - 【請求項6】 配置されるスライドガラス(62)を直接的
にまたは間接的に加温するための加温手段を備えている
ことを特徴とする、 請求項1、2、3、4または5記載の伸展器。 - 【請求項7】 吸水手段が着脱可能であることを特徴と
する、 請求項1、2、3、4、5または6記載の伸展器。 - 【請求項8】 吸水手段が多孔質セラミックにより形成
されていることを特徴とする、 請求項1、2、3、4、5、6または7記載の伸展器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11078674A JP2000275537A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | 伸展器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11078674A JP2000275537A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | 伸展器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000275537A true JP2000275537A (ja) | 2000-10-06 |
Family
ID=13668426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11078674A Pending JP2000275537A (ja) | 1999-03-23 | 1999-03-23 | 伸展器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2000275537A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014523534A (ja) * | 2011-07-13 | 2014-09-11 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 相転移媒体を有したフィルター支持 |
-
1999
- 1999-03-23 JP JP11078674A patent/JP2000275537A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014523534A (ja) * | 2011-07-13 | 2014-09-11 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ | 相転移媒体を有したフィルター支持 |
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