JP6412566B2 - 懸滴中で生体細胞を培養するための培養容器および方法 - Google Patents

懸滴中で生体細胞を培養するための培養容器および方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の懸滴(haegenden Tropfen)中で生体(生物)細胞を培養するよう適合化された培養容器、特に、複数の懸滴を収容するための培養領域が内部空間に設けられた培養容器に関する。また、本発明は、複数の懸滴において生体細胞を培養するための方法に関する。本発明は、生体細胞の培養、特に幹細胞の培養に使用される。
懸滴中での生体細胞の培養(増殖および/または分化)は広く使いられる培養法である。生体細胞は懸滴中で培養でき、その際、固体基質(基板)表面との接触が回避され、自然界での増殖および分化の期間における各細胞の配置に類似した各細胞の幾何学的配置が実現される。各懸滴を形成しそれに各細胞を配置するために、以下の技術が従来知られている。
典型的には手を使って実行される方法では、平坦な底部を有する浅いシャーレ(皿)、例えばペトリ皿のカバーまたは上皿が使用される。最初に、そのカバーは、カバーの内側表面が露出するように支持体上に配置される。細胞懸濁液の複数の液滴がピペットでその表面上に配置され、その後、カバーは、複数の液滴が付着配置された表面が下を向くように、旋回運動により反転される。旋回運動は非常に急速に行われる必要があり、従って、液滴は流れずにそれぞれの位置に留まり、結果的に、旋回後、カバー部の下向き内側表面上で自由に懸下する。培養において、カバーは、水溶液で満たされたペトリ皿のその関連の底部上に、乾燥に対して保護するように配置される。この技術は、実行するのが簡単であるという利点を有する。しかし、カバーの必然的に迅速かつ急激な旋回運動には、ユーザの高度の技術を必要とし、限定された程度でしか自動化が可能でない、という欠点がある。さらに、望ましくない剪断力が、各液滴中に生じる可能性があり、これは、傷つきやすい敏感な細胞、特に幹細胞に悪影響を与える可能性がある。
代替形態として、各懸滴は、毛細管力によって液滴を保持するための各保持リング(円環)によってプレートの下面において包囲された複数の開口を有する複数の細胞培養プレート上に形成することができる。複数の液滴の形成と複数の保持リングの1つへの配置(装填)は、細胞懸濁液(サスペンション)がプレートにおけるその関連の開口中に供給されて保持リング上で液滴として懸下する(ぶら下がる)ことによって、行われる(国際公開第2008/1235347号をも参照)。細胞培養プレートは、培養方法の自動化および前述の剪断力の回避に有利である。しかし、欠点として、この技術は、周囲からの望ましくない影響と、隣接の液滴の相互汚染とを防止するための特別な対策が必要である。
国際公開第2012/025564号 米国特許第7026385号 米国特許出願公開第2012/0219566号 米国特許出願第2012/0219367号 米国特許第6737472号
本発明の目的は、懸滴において生体細胞を培養するよう構成されかつ通常の技術の欠点を回避できる改良された培養容器を実現することである。培養容器は、特に、懸滴の穏やかな形成を可能にし、懸滴の保護を提供し、および/または自動化可能であるべきである。本発明の別の目的は、懸滴中で生体細胞を培養するための改良された方法を実現することであり、それによって通常の技術の欠点が回避される。その方法によって、特に、懸滴の形成が簡単になり、望ましくない剪断力を最小化または排除することができ、および/または所定の再現可能な(reproduzierbarer:生殖または繁殖可能な)培養条件の実現が可能になる。
これらの目的は、独立請求項の特徴を有する、培養容器、および培養容器を用いた培養方法によって、達成される。本発明の有利な実施形態および適用例が従属請求項に開示されている。
本発明の第1の観点によれば、上述の目的は、懸滴中で生体細胞を培養するよう構成された培養容器であって、カバー部および底部を有する容器壁を有する培養容器によって、達成される。そのカバー部は、複数の懸滴を収容する培養領域を形成するよう構成されている。その培養領域は、培養容器が生体細胞を培養するために使用されるとき、垂直下向き、即ち重力方向に向いた表面を有する。その底部は、液体を収容するよう構成されている。その底部は、例えば生体細胞を有する水媒体または水性溶媒を、特に培地(培養基)における細胞懸濁液を含む液体用の貯留槽を形成する。カバー部および底部は、薄板状の、好ましくは平面状のまたは少なくとも部分的に湾曲した広がりを有し、培養期間での使用において、好ましくは水平方向におよび/または実質的に一定の間隔で伸びる。
容器壁は、培養容器の内部空間がカバー部と底部によって全方向が包囲されるように、形成される。内部空間は、容器壁によって周囲から区切られている。利点として、これによって、培養条件の局所的な設定が可能になり、例えば、培養容器において、ガス状の培地、特定の空気湿度、および/または特定の温度が実現できる。
本発明によれば、培養領域に、各懸滴を位置決めするよう構成された複数の保持要素が設けられる。複数の保持要素は、それらの保持要素が培養液で濡れたときに、培養液の収集および懸滴の形成がそれらの保持要素上で支援される形態で、形成される。内部空間は、培養領域が、自由に懸下する液滴を収容できるように形成される。カバー部および底部は、液滴が底部上の液体に触れることなく培養容器の内部空間における培養領域で自由に懸下できるような、相互作動距離を有することが好ましい。
さらに、本発明によれば、培養容器の容器壁は、保持要素が底部からの液体で濡らすことができるように、可動に構成されている。容器壁の可動性は、培養容器全体が、例えば旋回装置で動けること、または、容器壁の複数の部品が相対的に互いに動けることを意味する。また、容器壁の可動性は、底部からの液体が一時的にカバー部と接触することを意味する。本発明による培養容器は、培養容器が動いている期間中、閉じた内部空間を有するので、液体は周囲に出る(漏れる)ことなく動くことができる。培養容器の急激な動きは、上述の手による手法と異なり、回避できる。液体中の任意の望ましくない剪断力は最小化または排除することができる。
本発明の第2の観点によれば、上述の目的は、本発明の第1の観点による培養容器を使用して、懸滴中で生体細胞を培養する方法によって達成される。液体、特に懸濁液は、液体媒体中に生体細胞を含むものであり、培養容器の底部に配置される。培養容器の容器壁は、培養領域が、生体細胞を含む懸濁液で濡れように、動かされる。その後、容器壁が元の状態に戻され、培養領域が底部上の懸濁液から分離され、複数の細胞を有する懸濁液の複数の液滴が複数の保持要素上に収集される。その後、懸滴中での生体細胞の培養(増殖および/または分化)が行われ、例えば、細胞集合体(凝集体)および/または分化した細胞が形成される。
本発明は、通常技術と比較して、一連の利点を提供する。閉じた容器壁が動くことによって、培養容器が突然旋回することなく培養領域の形成または培養領域への液滴の配置が可能である。培養領域は、最小限に動くまたは静的な細胞懸濁液で濡らすことができる。懸滴の形成において、剪断力は、損傷を与えない程度に排除または最小化することができる。本発明による培養容器によって、懸濁状態から懸滴状態への細胞の穏やかな移行が可能になる。本発明による培養容器の別の利点は、容器壁が閉じた内部空間を形成することによって得られる。周囲からの影響が最小化される。内部空間における培養条件の調整は簡単になる。望ましくない汚染が排除される。最後に、本発明による培養容器によって、懸滴中での生体細胞の培養が自動化できる。培養の全プロセス(過程)は、細胞懸濁液の供給および懸滴の形成で、さらに懸滴中での細胞の増殖および/または分化で開始するものであり、自動化することができる。培養領域を形成または培養領域に液滴を配置するための培養容器の手動操作は可能であるが、作業者の技能に依存せず、従って容易に自動化できる。
本発明による培養容器の培養領域に、複数の懸滴の配置を決定する複数の保持要素が設けられる。本発明の好ましい実施形態によれば、複数の保持要素は、複数の疎水性表面領域によって互いに分離される培養領域の複数の親水性表面領域(親水性の島、親水性のスポット)を含んでいる。利点として、親水性表面領域によって、水媒体の液滴を高い信頼性で収集することができる。液滴の大きさ(サイズ)は、親水性表面領域の大きさによって影響され得る。
利点として、複数の保持要素の設計について種々の可能性がある。例えば、培養領域がフィルム(膜)の表面で形成される場合、親水性および/または疎水性表面領域は、フィルム表面を官能化する(Funktionalisierung)ことによって、形成される。代替的にまたは追加的に、別の変形例によれば、複数の保持要素は、複数の親水性段状要素を、特に、培養領域の非構造化表面領域におけるよりも毛細管力の効果が大きい培養領域の局所的な凹部または突部を、含むことができる。例えばプラスチック・パネル(板)またはフィルムの表面によって培養領域が形成される場合、親水性段状要素は、サブミリメートル範囲の典型的な寸法(断面、高さ)を有するリング状、正方形状、長方形状または円筒状の突起で形成することができる。親水性段状要素は、例えば、円周状の突起、例えばリング(環)状の突起を含むことが、特に好ましい。円周状の、例えばリング状の突起は二重の機能を果たすことができ、即ち、懸滴中での複数の細胞または複数の細胞集合体の培養の期間において、それらの突起部は隣接の各懸滴に対して区切りを形成し、および、接着状態(付着状態)で任意に行われる更なる培養の期間において上述の突起が培地用のレセプタクル(容器)を形成する。
複数の保持要素は、特に複数の親水性表面領域は、規則的なパターンで、例えば複数の保持要素の直線状の行と列のマトリックス配置で、配置されてることが、好ましい。それによって、利点として、本発明による個々の懸滴中での試料の識別および懸滴中での培養の自動化が、簡単化される。
利点として、培養領域を濡らすための容器壁は、培養容器全体を旋回させることなく動かすことができる。本発明の好ましい実施形態によれば、培養容器は変形可能な容器壁を有する。カバー部および底部は、互いに相対的に移動できる。容器壁の変形(培養容器の圧縮)の期間に、カバー部と底部の間の空間または間隔は、保持要素を有する培養領域が底部に接近するように動くことができるように、減少させることができる。利点として、容器壁の変形によって、培養領域および底部は、保持要素が底部上に収容された液体と接触するように、一方から他方に向けて動かすことができる。容器壁は、培養領域を底部上の液体で濡らすことができ、例えばその液体に浸漬できるように、変形可能である。
本発明のこの実施形態では、懸滴の形成は、保持要素を液体で濡らすように、まず、培養容器を圧縮することを含む。その後、容器壁は復元し、その際、カバー部と底部の間隔は、懸滴を収容するための両者間に所望の作動距離が形成される状態に達するまで、再び増大する。容器壁の復元の期間に、培養領域は、底部上の懸濁液から分離され、その際、細胞を有する懸濁液は、懸滴が保持要素上に形成されるように、保持要素上に収集される。
本発明による培養容器の容器壁は、カバー部および底部を形成するための複数の材料で形成でき、または代替的に単一の材料の一片で形成することができる。容器壁の所望の変形性を与えるために、材料選択の様々な可能性が存在する。本発明の好ましい実施形態によれば、容器壁は柔軟なまたは可撓性のフィルム材料で製造することができる。この場合、培養容器は、培養容器が使用されるときに実質的に水平方向に伸びる扁平な(abgeplateten:平坦な)クッションの形態の柔軟なバッグ(袋)を形成する。培養容器のカバー部および底部は、そのバッグの主要領域によって形成される。培養領域と底部の間の間隔(空間)、特に柔軟なフィルム材料で形成された培養容器の内部空間のクリア(空き)幅は、培養容器内の内部圧力の作用下でおよび/または折り畳み式内部支持部(キャリア)を使用して、調整することがとができる。内部圧力は、ポンプ装置によって、または、例えば培養容器の巻取り部または圧搾部で、内部空間の体積(容積)を減少させることによって、調整することができる。折り畳み式内部支持部は、培養容器の内部空間に折り畳み可能なフレームまたは枠を含むことができる。
本発明の代替的な実施形態によれば、容器壁は、弾性変形可能な材料で少なくとも部分的に製造される。この場合、カバー部と底部の間の作動距離は、弾性変形可能な材料の内部弾性復元力の影響の下で調整可能とすることができる。弾性変形可能な材料は、底部またはカバー部への接続が形成されるカバー部および/または底部における端部領域に設けられることが好ましい。弾性変形可能な材料が側部を形成することが好ましく、それによって、カバー部および底部が側部で、即ち培養領域、および底部における細胞懸濁液に対して横方向で、互いに連結される。
本発明の好ましい実施形態によれば、容器壁は、柔軟なフィルム材料および弾性変形可能な材料で形成することができる。例えば、柔軟なフィルム材料は、カバー部と底部の横方向の伸びまたは延長部に沿って設けることができ、一方、弾性変形可能な材料は、カバー部と底部間の間の、特に側部を形成する各端縁領域に設けることができる。さらに、容器壁は、全体的にまたは部分的に、弾性的な柔軟なフィルム材料で製造することができる。
本発明の別の変形例によれば、容器壁は、部分的に、剛性のプレート状(板状)の壁材料で製造することができる。プレート状の壁材料は、例えばその横方向の伸びまたは延長部に沿ってカバー部および/または底部を形成し、一方、カバー部および底部の各端縁領域は、弾性変形可能な材料および/または柔軟なフィルム材料で側部上に形成される。
底部は、液体が培養容器における底部を完全に覆うことができるように、形成されることが好ましい。これにより、培養容器の圧縮状態で、培養領域全体を濡らすことができる。懸滴の形成の有効性が改善される。本発明の変形実施形態によれば、底部は、培養容器の内部空間において培養領域とは反対側に底部領域を有することができ、底部領域は、各親水性表面領域上に液体を局所的に選択的に配置するよう構成され、各親水性表面領域は疎水性表面領域によって互いに分離される。底部領域の各親水性表面領域は、培養領域の保持要素と同じ幾何学的配置で配置される。底部領域の各親水性表面領域の位置は、培養領域の各保持要素の位置と一致する。利点として、その結果、懸滴を形成するときの液体消費量を大幅に減少させることができる。底部では、液体、特に細胞懸濁液は、各親水性表面領域のみに、従って培養領域に接近する期間に懸滴が形成できる各位置に、供給される。
培養容器の培養領域は、カバー部の内側表面(内面)によって直接形成されることが好ましい。この場合、利点として、懸滴は、容器壁の内側に直接形成することができる。液滴の観察および可能性ある操作、および培養容器の構造が、簡単になる。代替形態として、培養領域は、培養容器の内部空間内の別の内部表面上に設けることができる。
本発明の別の有利な実施形態によれば、培養容器は、内部空間を少なくとも2つの水平チャンバ(室)に細分割する少なくとも1つの中間壁を有することができる。少なくとも2つの水平チャンバを設けることによって、培養容器の他の適用例および複雑な培養方法が可能になる。中間壁は、例えば、分子拡散、特に、例えば成長因子または分化因子のような生物活性分子の分子拡散を可能にする材料、多孔質材料および/または所定の破断位置または破壊位置を有する材料を含むことができる。利点として、その中間壁は、複数の水平チャンバの中の1つのチャンバに最初に排他的に存在する物質が、開始点でおよび/または培養期間中に、複数の孔および/または複数の所定の破断位置を通した、拡散および/または放出によって、他の水平チャンバへと移送されること、を可能にする。このようにして、生体細胞の培養のための追加的な自由度が得られる。例えば、分子分化因子は、懸滴中の生体細胞の分化に影響する中間壁を通して拡散することができる。
中間壁は、2つの別々の水平チャンバを形成するように、内部空間全体にわたって伸びることができる。この場合、中間壁は、所定の破断位置が開いた後にだけ底部内の液体を放出または解放するように、または生物活性物質を一時的に遅延して底部内の液体に加えるように、例えば底部の一部として、設けられる。代替形態として、中間壁は、カバー部の一部とすることができて、そこ(カバー部の一部)に底部を向く側に培養領域を形成するようになっている。この場合、生物活性物質は、中間壁によって培養容器の残りの内部空間から分離された水平チャンバから懸滴中に拡散することができる。
本発明の別の有利な実施形態によれば、培養容器には、下側で培養容器を支持する支持装置が設けられる。培養容器が使用中であるとき、支持装置は、重力方向を向く側に、特に、培養容器の底部に配置される。利点として、支持装置によって、例えば実験台のようなプラットフォーム上でまたは自動培養システムにおいて、培養容器の安定した位置決めまたは配置が可能になる。支持装置は、培養容器の底部に分散配置された複数の支持脚を含むことが好ましい。
本発明の別の変形例によれば、支持装置が、特に使用中に、底部またはその隣接部に、培養容器の重心を形成するための質量要素を有する場合、支持装置は、安定化機能を有することができるという利点がある。特に柔軟なフィルムで製造された容器壁の使用時において、培養容器は、支持装置の質量要素を有する下側で安定化される。例えば袋状の培養容器の望ましくない不規則な変形、従って細胞懸濁液の望ましくない動きが、回避される。
本発明によれば、培養容器は、可能性として側部との組み合わせで、カバー部および底部によって全ての方向で区切られた閉じた内部空間を有する。本発明の別の実施形態による閉じた内部空間において生体細胞の培養に対して簡単に影響を与えるようにするために、培養容器には、内部空間に対して液体および/またはガス状の媒体を供給しおよび取り出すよう構成された、少なくとも1つの閉鎖可能な媒体接点(インタフェース)、特に好ましくは少なくとも2つの媒体接点を有する媒介手段(Medien-Einrichtung)が設けられる。少なくとも1つの媒体接点は、例えば、チューブ・コネクタ、カバー部(蓋部)付き開口部、または液体状および/またはガス状の媒体用のライン(供給管)用の貫通孔を形成できる壁部を含んでいる。
本発明の別の変形例によれば、利点として、培養容器の容器壁は、複数の懸滴の中の少なくとも1つに対して光学的および/または機械的なアクセスを可能にする少なくとも1つの窓部が設けられる。変形例によれば、少なくとも1つの窓部は、少なくとも1つの懸滴を光学的に観察するよう構成することができる。この場合、少なくとも1つの窓部は、カバー部における光学的に透明な材料で形成された平坦なプレート状の領域を含んでいることが好ましい。代替的にまたは追加的に、少なくとも1つの窓部は、道具によって侵入性の貫通孔を形成するように構成することができる。このために、窓部は、例えば、培養領域上の保持要素の位置に隣接して配置されたカバー部における所定の破断(破壊)位置を有することができる。
変形可能な容器壁が使用される場合、培養容器の外部形状を機械的な影響によって変えることができる培養容器の実施形態が可能である。本発明の別の有利な実施形態によれば、望ましくない変形を回避するために、容器壁を収容するよう構成された培養容器用の外側の容器(レセプタクル)装置が設けられる。外側の容器装置は、例えば箱の形態であり、可能性として、媒体ライン(供給管)を通して供給するための穿孔を有する箱の形態であり、容器壁の保護および接触面を形成する。好ましくは、外側の容器装置は、培養装置の使用中にカバー部と底部の間の作動距離が調整されて細胞の培養が懸滴中で行われる場合に、カバー部が接触する位置に透明プレートを有する。透明プレートは、例えば剛性のフィルムの形態のカバー部の平面状の区切りを形成し、それによって、視覚的観察装置で懸滴の観察が容易になる。
代替的にまたは追加的に、本発明の別の変形例によれば、培養容器には外側のクランプ(締付け)装置を設けることができる。クランプ装置は、培養容器の内部空間の体積を調整するように、容器壁の端縁領域または端部領域に配置される。外側のクランプ装置の作動時、内部空間の体積は、例えば、容器壁の一部を巻き取りまたは押し込むもしくは絞ることによって、減少させることができ、それによって内部空間内の圧力が上昇する。
本発明の別の有利な実施形態によれば、カバー部および底部には、線(ライン)状の結合要素が設けられる。カバー部および底部が互いに接触するような培養容器の変形時に、線状の結合要素に沿ってカバー部および底部の連結または接続が形成される。これによって、利点として、培養容器の内部空間を、例えば異なる培養条件を設定できる複数の垂直チャンバに細分割することができる。
本発明による培養容器は、その使用の簡単さおよび閉じた系を設けることに関して、特定の利点を有する。内部空間を周囲から分離することによって、無菌培養条件、培養条件の正確で再現性のある制御、および培養手順の要件の実現(例えば、良好な製造実務−GMP)が可能になる。媒体の変更、培養細胞の採取、および各分化因子の追加を高速で行うことができ、複数の懸滴を同時に形成することができる。従って、本発明による技術は、高いスループット(処理能力)(“ハイ・スループット法”)での使用に適している。
本発明の他の詳細および利点を図面を参照して説明する。
図1Aおよび1Bは、本発明による培養容器の第1の実施形態の概略図である。 図2A〜2Cは、本発明による培養方法の好ましい実施形態による懸滴の形成の概略図である。 図3A〜3Eは、本発明による培養方法の変形例の他の図である。 図4A〜4Dは、支持装置が設けられている、本発明による培養容器の別の実施形態の概略図である。 図5A〜5Cは、本発明による方法の他の変形例の概略図である。 図6A〜6Fは、本発明による培養容器の他の実施形態の概略図である。 図7A〜7Cは、本発明による培養容器内の懸滴の光学的観察の概略図である。 図8A〜8Cは、外部の道具を用いた懸滴へのアクセスの概略図である。 図9A〜9Cは、チューブの形態の、本発明による培養容器の別の実施形態の概略図である。 図10Aおよび10Bは、水平チャンバを有する、本発明による培養容器の別の実施形態の概略図である。 図11A〜11Cは、本発明による方法の別の変形例の概略図である。 図12は、外部のクランプ装置の効果の概略図である。 図13A〜13Eは、本発明による方法の別の実施形態の概略図である。 図14Aおよび14Bは、本発明による方法の他の変形例の概略図である。 図15Aおよび15Bは、垂直チャンバ形成用の結合要素が設けられた、本発明による培養容器の他の実施形態の概略図である。 図16〜20は、垂直チャンバ形成用の結合要素が設けられた、本発明による培養容器の他の実施形態の概略図である。 . . . .
次に、本発明の好ましい実施形態を、培養容器の設計、および生体細胞を培養する方法を参照して説明する。培養方法の詳細は、特に懸滴中での増殖および/または分化のために生体細胞を培養する通常の方法で知られているので、説明しない。通常の培養方法で知られているように、培養条件、特に培地(培養基)の選択、培養手順の設計(特定の時間計画に従う特定の媒体または培地の供給および取出し)、および、例えば温度、圧力、空気湿度および照明のような物理的条件を与えることができる。本発明の使用は、特定のタイプ(種類)の細胞の培養に限定されることなく、広範な細胞タイプ、特に分化細胞、幹細胞または細胞群にも適用可能である。但し、ヒト胚性幹細胞の培養は保護の範囲から除外される。
本発明の実施形態を、例えば実験室などで手動操作で使用するよう構成された培養容器を例示的に参照して説明する。本発明は、説明する例示的な形態および大きさに制限されることなく、従って、例えば自動化された培養システムにおけるような他の用途に適合化された培養容器にも使用できる。
図1は、本発明による培養容器100の第1の実施形態を斜視図(図1A)で、およびその一部を断面図(図1B)で示している。培養容器100は、柔軟なまたは可撓性のプラスチック材料、例えばポリエチレンまたはエチレンビニルアセタートのような、特に生体適合性ポリマー・フィルムで形成された容器壁10を含んでいる。容器壁10は、培養容器100の使用時に、水平向に伸びる平坦で扁平な(flaechigen, abgeplatteten)形態の柔軟なまたは可撓性のバッグ(袋)を形成する。ポリマー・フィルムが、容器壁10の第1の側部(上側、上面)においてカバー部(Deckabschnitt:覆い部、天井部)11を形成し、第2の側部(下側、下面)において底部(Bodenabschnitt:床部)12を形成する。底部12は、液体3(細胞懸濁液)を収容するための平坦な盆地の形状を有する。カバー部11および底部12が互いに接続する位置にある湾曲した壁部は、側部(側面部)15と称する。内部空間20は、カバー部11、底部12および側部15によって全ての方向が包囲され、生体細胞の培養が上述の内部空間において複数の懸滴中で行われる。カバー部11および底部12は、相互間隔Dを有する実質的に面状または平坦に広がる壁部であり、それらは端縁部で側部15に向かって湾曲している。
カバー部11の内面は、複数の懸滴中で生体細胞を培養するのための培養領域または培養面13を形成する。培養領域13上に保持要素14が配置される。保持要素14は、液滴2を位置決めするよう構成され(図1B参照)、培養領域13全体上に分散配置されている(図1Aに部分的に示されている)。保持要素14の配置構成は、例えば、直線状の行および列の規則的なマトリックス配列を含んでいる。
図示された培養容器100の実施形態では、複数の保持要素14は培養領域13の複数の親水性表面領域を含み、複数の親水性表面領域は、培養領域13のそれ以外の疎水性表面によって互いに分離されている。局所的な各親水性表面領域は、培養領域(面)13に沿って疎水性面(領域)によって全方向が包囲されている。代替的にまたは追加的に、保持要素14は、液体吸引効果または液体引込み効果を有する段状の微細構造を含むことができる(図16〜20参照)。
培養容器100は、容器壁10の外側に、特に底部12の外側に配置された支持装置30が設けられている。支持装置30は、例えば、任意に金属挿入片を有するプラスチック材料で製造された環状の質量要素31を含んでいる。培養容器100は、質量要素31で、例えば実験台のような支持体上に載せられまたはホルダに(図示せず)固定または係止される。質量要素31は、培養容器100の重心が底部12にまたはその隣接部に位置するように、形成される。これによって、培養容器100は、変形可能な柔軟なバッグ(袋)で形成されるが、容易に、カバー部11が培養容器100の上向き(重力の方向とは反対向き)の側に位置するような、移動後の配置を取ることができる。
培養容器100には、さらに、図示の実施形態では、蓋(カバー)42付き注入開口41を含む媒介手段(Medien-Einrichtung:媒質装置)40が設けられている。蓋42は、マーク(Markierung)、例えば識別のための、例えば光学的コード(バーコード、QRコード(登録商標))を有することができる。注入開口41は、側部(側面部)15にしっかりと取り付けられかつ蓋42を支持する、例えばプラスチック材料製の、取付けパイプ要素(Ansatzrohrstueck:短管状部分)を含んでいる。
培養容器100は、2つの使用状態(Betriebszustaende:動作状態、運用状態)を有する。第1の使用状態(展開状態、広げた状態、膨張状態)では、容器壁10は、作動(可動)距離Dがカバー部11と底部12の間に形成される形態で広がる。作動距離Dは、懸滴2の直径の少なくとも2倍であり、特に5mmより大きく、例えば100mmである。培養容器100の展開状態では、生体細胞1を有する(含む)各液滴2は、カバー部11の下向きの培養領域13で自由に懸下しまたはぶら下がり、内部空間20内の他の部分に接触せず、特に底部12における液体3に接触することがない。第2の使用状態(圧縮状態、収縮状態)では、容器壁10は、培養領域13が底部12における液体3に接触するように変形する。圧縮状態では、培養領域13は液体3で濡れる。特に内部空間20または側部15において、容器壁10に作用する力を加えることによって、その2つの使用状態の間で切り替えることができる。圧縮状態では、培養領域13に液体3が配置(Beladung:装着、付着、装填)され、一方、展開状態では、懸滴中で細胞1が培養される。
本発明による、懸滴2中での生体細胞1の培養は、特に図1の培養容器100では、次の各工程を含む。培養容器100は支持台上に載っている(図示せず)。まず、液体3は、例えば培地におけるヒト多能性幹細胞の、細胞懸濁液を含むものであり、培養容器100の底部12上に配置される。細胞懸濁液は、底部12が、例えば10mmの厚さ(深さ)の液体層で覆われるように、注入開口41を通して底部12に供給される。その後、ガス状媒体、例えば5%のCOを含む空気とCOの混合物が、注入開口41を通して内部空間20に流入されて、培養容器100の展開状態が形成される。容器壁10のポリマー・フィルムの残留剛性によって、展開状態は注入開口41が蓋42で閉じられるまで保持される。
蓋42で注入開口41が圧密で閉じられた後、培養容器100の圧縮が、カバー部と底部12の間の距離が減少するように行われる。このために、例えば、圧力が、手でまたは道具(ツール)で培養容器100の上側に加えられる。容器壁10の材料の柔軟性および内部空間20内に存在する気体またはガスの圧縮率によって、培養領域13を液体3中に浸漬することができる。培養領域13が濡れた後、容器壁10の復元が行われ、内部空間20の内部圧力(内圧)の作用下で、カバー部11と底部12の間に作動距離Dが形成される。培養領域13へ付着する液体3は、保持要素14上に収集されて、そこ(保持要素)で懸滴2が形成される。その後、懸滴2中での細胞1の培養が、所望の培養手順に従って行われる。閉じた内部空間20において、水蒸気で飽和した雰囲気が液体3を覆って存在して、懸滴2中の細胞1が、数日または数週間にわたって、蒸気によって懸滴が小さくなることなく、培養される。
実際の例では、培養容器100は、次のような各寸法を有する。即ち、カバー部11と底部12:20cm・20cm、作動距離D:3cm、底部12における液体体積80ml、懸滴2の直径:3mm、懸滴2の数:150個。
内部空間20内で上昇した内圧による培養容器100の展開状態の形成は、必ずしも必要ではない。代替形態として、展開状態は、特に側部15において、容器壁10の材料で形成される弾性復元力を利用して設定することができる。本発明のこの実施形態は、図2に概略的に示されている。図2Aおよび2Cは展開状態を示し、一方、図2Bは培養容器100の圧縮状態を斜視断面図で示している。
図2による培養容器100は、上述したように、懸滴2を収容する培養領域13を形成するためのカバー部11、液体3を収容するための底部12、および側部15を含んでいる。各部分11、12および15は内部空間20を包囲する。カバー部11および底部12は、展開状態において、それぞれ柔軟な材料の平面状の層、例えば変形可能なプラスチック・フィルムである。カバー部11および底部12の平面形状は、その形状保持能力によって形成され、それら(カバー部、底部)が側部15によって拡げられることによって形成される。側部15は、弾性材料、例えば、内的な予備張力を有し容器壁10に弾性復元力を与えるシリコーンで形成される。培養容器100には、図1による注入開口または図2に示されていない別の媒介接点(インタフェース、連絡部、接合部分)(以下参照)を含む得る媒介手段(または媒介装置)が設けられる。さらに、図2の培養容器100には、培養容器100を支持するための支持装置(図示せず)を設けることができる。
図2Aは、培養方法の開始時における培養容器100を示している。液体3、特に細胞懸濁液は、底部12に配置される。培養領域13は、側部15の拡張(スパン)効果により底部12から作動距離Dを有する。液体3は、その重力により底部12の内側に位置する。
図2Bは、培養容器100の圧縮状態を示している。カバー部11および底部12の少なくとも一方に作用する外力Fの作用下で、カバー部11の内側の培養領域13が液体3に浸漬される。培養領域13は濡らされて、液体3を複数の保持要素14(培養領域13の複数の親水性表面領域)上に収集することができる。
圧縮状態が形成されると、外部から作用する力Fが、例えば、手でまたは外部作動装置で(図示せず)加えられる。外部作動装置の使用には、圧縮中および復元中に制御された無段階の動きが可能になるという利点がある。無段階の動きには、復元する動きの期間中に液滴が落下するのを回避できるという有利な効果がある。
外力Fの作用がいったん除去されると、培養容器100の展開状態への復元が生じる(図2C)。その復元は、側部15の弾性的復元力によって生じる。生体細胞1を有する懸滴2は保持要素14上に収集された。展開状態において、細胞1の更なる培養が、懸滴2中で、所望の培養手順に従って行われる。
図2による実施形態の特定の利点として、特にカバー部11の、形状および張力(テンション)が弾性的に剛性の側部15によって形成される。これによって、カバー部11は、例えば透明ポリマー・フィルムを含むものであり、平坦になるように引っ張られて、水平方向に配置される。これは、例えば顕微鏡を用いた、懸滴の観測に有利であり、その理由は、光学的に透明なフィルムおよび大きい開孔付き対物レンズを用いるとき、懸滴中において細胞1を直接的に結像し(像形成し)観測することができるからである。また、任意に形成された気密性および底部12の水平配置には、培養容器を下側から照明できるという利点がある。さらに、液体3、特に底部12における細胞懸濁液中の細胞を、例えば顕微鏡で観察することができる。
図3は、異なる使用状態での袋状の培養容器100の別の実施形態を示している。培養容器100は、それぞれの端縁領域で互いに接続された平坦なカバー部11および底部12を有するプラスチック・フィルム製の容器壁10を含んでいる。また、カバー部11と底部12の間の湾曲した移行領域は、側部15として設計される。媒介手段40は、2つの媒介接点43(容器壁10を通るライン(供給)流路)を含んでいる。媒介接点43は、チューブ44を側部15に気密および圧密に結合するよう構成される。媒介接点43の各々によって、チューブ44の流路は、それぞれ制御弁(バルブ)45で培養容器100の内部空間20へと連通することができる。それらのチューブは、気体状または液体状の媒体用の外部貯留槽(図示せず)に通じている。図とは異なるが、単一のチューブ44または2つより多い(3つ以上の)チューブ44を設けることができる。
図3Aおよび3Bは、充填されていない無菌の開始状態での袋状の培養容器100を、平面図および断面斜視図で示している。内部空間20は空である。カバー部11の内側は、行および列のパターンで配置された複数の保持要素14を有する培養領域13を形成する。
本発明による生体細胞の培養の開始時、培養容器100は、図3Cに従って充填される。液体3は第1のチューブ44を通して底部12に供給され、一方、第2のチューブ(図示せず)を通してガス状媒体、例えばCOを5%含む空気とCOの混合物が供給される。ガス状媒体の影響下で、内圧が、培養容器100が展開状態に達するように、内部空間20内に蓄積される。
図3に示された方法は、培養容器100における懸滴が、必ずしも容器壁の変形によって実現される必要がなく、その全体の動きによって実現されることを示している。培養領域13に配置する(付着させる)ために、培養容器100は、図3Dのように旋回される。このために、各チューブ44は閉じることが好ましい。液体3は、懸滴2が保持要素14上に形成されるように、内部空間20において分散配置される(図3E)。図3Eによる展開状態では、必要なときに、各チューブが再び開かれて、補助的なガス状媒体が内部へ供給されるようにし、培養の期間に培養容器100の形状が維持されるようにする。
図3による培養容器100には、培養細胞の低温保存または凍結保存と培養の組合せに特に適している、というの特別な利点がある。容器壁は、低温安定な材料で製造することができて、培養容器100を、懸滴と共に、培養の期間にまたはその後で、他の中間工程なしで、直接凍結冷却することができるようになっており、保存冷却(低温での貯蔵)を行うことができるようになっている。
図4は本発明による方法の別の変形例を示しており、ここで、懸滴2は本発明による培養容器100の培養領域13上に形成される。図4Aによれば、培養容器100は、図3Bに示されてるように、柔軟な袋の形態で構成され、さらに、質量要素31を有する支持装置30が底部12上に設けられている。液体を充填または配置(付着)する前において、培養容器100は、無菌の折り重ねられた内部空間20を有する。チューブ44は制御弁45で閉じられる。質量要素31は、培養容器100の下側で安定化支持脚部として働く。
図4Aにおける培養容器100の状態は、カバー部11および底部12が互いに接近して閉じられる圧縮状態に対応する。従って、培養容器100に液体3を入れて、培養領域を図4Bに従ってカバー部11の内側に形成または配置することが、一般的な方法の工程で行える。液体3のみが、ガス状媒体で培養容器100を展開する(広げる)ことなく、内部へ供給される。
図4Bのように培養領域が濡らされた後、別の工程で、培養容器100の展開状態への移行が行われる(図4C)。そのために、ガス状媒体がチューブ44を通して培養容器100内に強制的に供給されて、バッグが膨張し、複数の保持要素14が底部12上の液体3から分離されて、複数の懸滴2が形成されるようになる。
膨張して充填された状態(図4D)では、培養容器100の所望の作動距離が達成される。この状態で、チューブ44は、気密に閉じた状態となる。その後、生体細胞を有する懸滴2の培養が、所望の培養手順に従って行われる。
図5は、本発明による培養容器100の別の実施形態を示しており、その容器壁10は、カバー部11および底部12で内部空間20を包囲する。内部空間20は、中間壁22によって2つの水平チャンバ23、27に分割される。下側の水平チャンバ23は、底部12上に液体3を収容するように設けられる。上側の水平チャンバ27は、ガス状媒体を収容して培養容器100の展開状態を形成するように設けられる。中間壁22は、力学的な力が加わった時に中間壁22に複数の開口を形成できる所定の複数の破断位置(部位)24を含んでいる。
図5Aは、開始状態における培養容器100を示している。下側の水平チャンバ23には、液体3、例えば生体細胞用の培地のような無菌の溶液が予め充填される。液体3は、中間壁22によって残りの内部空間20から分離される。上側の水平チャンバ27は、上側の水平チャンバ27が部分的にまたは完全に展開される(開く)ように、チューブ44を通してガス状媒体を充填することができる。典型的には、培養容器100のみを使用するようになる直前に、上側の水平チャンバ27にガス状媒体が充填される。
懸滴中で生体細胞を培養するために、培養容器100は、外的に作用する力Fでその幅にわたって(を横切って)引っ張られて、カバー部11および底部12が互いに接近して、それと同時に中間壁22の所定の各破断位置24が破れて開く(図5B)。培養される細胞を有する細胞懸濁液は、液体3と混合するように、チューブ44を通して内部空間20内に勢いよく流される。カバー部11の内側の培養領域13は液体3と細胞懸濁液の混合物(液)で濡れて、複数の懸滴2が複数の保持要素14(親水性領域)上に形成されるようになる。その後、ガス状媒体を供給することによって、培養容器100は展開状態となり(図5C)、展開状態で所望の培養手順に従ってさらに培養が行われる。展開状態が形成された後、各チューブが閉じられて(例えば、締め付けられて)、外部貯留槽から分離される。
図6は、本発明による培養容器100の他の変形例を部分的に、部分断面斜視図(図6A)、仮想図(6B)または複数の断面図(図6C〜6F)で示している。
図6Aによれば、カバー部11、底部12および側部15を有する容器壁10は、複数の補強要素16を、例えば水平および/または垂直方向に伸びる複数のロッドまたは棒状の形態で含んでいる。底部12は、例えば、液体3を収容するための剛性の底槽部(Bodenwanne:トラフ部、桶状部)を含んでいる。底槽部の下面上には、複数の質量要素31が配置されている。カバー部11および側部15の領域において、容器壁10は、複数の補強要素16が張られたまたは渡されたプラスチック・フィルム材料を含んでいる。補強要素16は、弾性変形可能なプラスチック材料、例えば変形時に弾性復元力を生じるシリコーンからなる。内部空間20の形状は、実際の使用条件に応じて、補強部材16の形状および配置によって決定することができる。培養容器100の圧縮状態を形成するために、カバー部11は、カバー部11の内側の培養領域13が液体3で濡れて複数の懸滴2が形成されるまで、補強要素16による弾性復元力に抗して底部12に近接される。
図6Bによれば、補強部材16は、弾性材料で環状またはリング状に形成される。各リングは、容器壁10の内側に、例えば溶着または溶接で、固定される。展開状態での培養容器100の形状は、補強要素16の形状および配置によって決定される。培養容器100を圧縮するために、外力が、容器壁10、および特に補強要素16が変形するように加えられる。
図6Cおよび6Dにおいて、本発明による培養容器100の実施形態が示され、内部空間20に折畳み式の内部支持部21が設けられている。折畳み式の内部支持部21は、例えば、生体適合性材料製の弾性変形可能なワイヤ・メッシュまたは弾性変形可能なプラスチック・メッシュからなる。培養容器100の圧縮状態において(図6C)、内部支持部21は共に圧縮されて、上述のように、カバー部11の内側の培養領域が底部12上の液体(図示せず)で濡れるようにすることができる。内側支持部21の展開の後(図6D)、カバー部11と底部12の間に所望の作動距離が設定される。液体の各部分が、懸滴2の形態で培養領域13上に収集された。
図6Eおよび6Fによれば、例えば図3のような、本発明による培養容器100には、外部容器装置50が設けられる。容器装置50は、平面状の複数の箱型壁51を有する直方体状の箱(ボックス)の形状を有する。その箱は、圧縮状態(図6E)および展開状態(図6F)の容器壁10を収容するように構成されている。展開状態では、箱の壁は容器壁10用の支持面を形成して、特に懸滴2を有するカバー部11が、展開状態で平面状の水平の配置を形成するようになる。箱の各内部寸法は、内圧が培養容器に加えられカバー部11および底部12が上側および下側の箱の壁51上に配置されたときに、懸滴2を収容するように所望の作動距離が形成される形態で、選択される。
利点として、上側および下側の箱の壁51の少なくとも一方は、光学的に透明な透明材料で形成することができる。この場合、懸滴2の観察は、培養容器100が容器装置内に配置された状態で、特に顕微鏡を用いて、培養中にも行うことができる。
図7は、培養の顕微鏡観察および/または培養の自動化に重要な本発明の他の詳細を示している。図7Aには、例えば図3による培養容器100が展開状態で示されている。複数の懸滴2が、底部12から所望の作動距離でカバー部11の内側における培養領域13上に位置している。観察装置70、例えば顕微鏡(全体は図示されていない)は、底部12の下に照明装置71と、カバー部11の上に対物レンズ72とを含んでいる。カバー部11の外側には、光学的に透明な透明窓部51を有する平面状プレート52が設けられている。プレート52は、その各外側端縁上に面取りされた端縁部を有する。各端縁部は、利点として、カバー部11上でプレート52の位置を安定化する。外力Fが加えられたとき、プレート52は、横方向の変位が阻止されるように培養容器100の内向きに部分的に押圧される。カバー部11における容器壁の平坦度はプレート52で改善される。各懸滴2は、窓部51を通して観察装置70で光学的に検出することができる。代替形態として、プレート52は、例えば、図6Eの容器装置50の一部とすることができる。
培養領域13の各保持要素14が、所定の既知の位置を有し、特定の幾何学的、好ましくは規則的パターンを形成する場合、観察装置70を用いて観測を自動化するのに利点がある。複数の保持要素14が、例えば行間隔xおよび列間隔yで直線状の行および列の形態で配置される場合(図7Bおよび7C参照)、個々の懸滴3は、対物レンズ72(図7A参照)によって簡単な形態で接近することができる。観察装置70を用いて、例えば、増殖および/または分化プロセスの時間的進展の情報管理またはドキュメンテーションを行うことができる。図7Bは、懸滴2の顕微鏡観察がプレート52なしでも可能であることを示している。しかし、プレート(図7A、7Cを参照)が使用される場合、顕微鏡結像(像形成)のための焦点合せが改善される。
本発明の別の変形例によれば、光学要素の配置、例えばレンズ配置は、各懸滴の光学的観察を容易にするために、本発明による培養容器の容器壁の外側に、または容器壁上に配置されたプレート上に形成することができる。例えば、複数の懸滴の1つの上に焦点形成(焦点合わせ)された複数のレンズを含むレンズ配置を設けることによって、無レンズの顕微鏡のアレイ(配列)を一体化することができ、各懸滴における培養の永続的な監視が容易になる。
本発明による培養容器の重要な特徴は、内部空間20(例えば図1参照)が、周囲に対して閉じていることである。それにもかかわらず内部空間20へのアクセスを可能にするために、培養容器100には、図1および3の実施形態により培養容器100の可逆的に開閉するよう構成された媒介手段40が設けられることが好ましい。図8は、培養容器100を可逆的または不可逆的に開口するよう構成された媒介手段40の他の変形例を示している。
図8Aによれば、容器壁10は、特にカバー部11に、カニューレまたは排管47によって液体またはガス状媒体を通して導入しまたは取り出すことができる隔壁46を含んでいる。例えば、隔壁46は、底部12に液体を供給するために、シリンジ(注射器状物)の注入カニューレで貫通することができる。代替形態として、図8Bおよび8Cに示すように、カバー部11における対応する窓部17を通して各懸滴2にアクセスすることが可能である。特に、図8Cによれば、複数の所定の破断(破壊)位置を有する窓部17をカバー部11に一体化することができ、その各破断位置の配置は、カバー部11の内側の培養領域上の各保持要素の各位置と一致または整合するように選択される。他の物質を懸滴に供給しおよび/または懸滴から試料を取り出すために、各破断位置は、道具、例えばカニューレで貫通することができる。
本発明による培養容器100の形状は、図1または3を参照して上述したような平坦(扁平)なクッションまたは直方体形状に限定されない。代替形態として、培養容器は、図9の部分断面斜視図に概略的に示されるように、管形状を有することができる。図9Aによれば、培養容器100は平坦な変形可能なチューブを含み、そのチューブは、例えば、プラスチック製の、各端部が閉鎖可能なものであり、長手方向に伸び、第1の長手方向の側部(上側)に懸滴2を収容するためのカバー部11を有し第2の長手方向の側部(下側)に液体3を収容するための底部12を有するものである。図9Bによれば、チューブは、複数のクランプ手段54で長手方向に沿って分割することができる。複数のクランプ手段54は、第1に、例えば実験台のような支持体上でチューブの位置を安定化する機能と、第2に、各懸滴2用の別々の領域を形成する機能とを含む二重の機能を果たす。
カバー部11の内側への培養領域13の配置または形成は、例えば図1または2を参照して上述したチューブの変形によって行われる。代替形態として、図9Cに示されているように、各保持要素14を液体3で濡らすために容器壁10を移動させることができる。チューブの長手方向の軸の周りに回転させることによって(湾曲矢印参照)、液体3は、各保持要素14を通って流れ、更に回転させると、各保持要素14において液滴が懸下状態を保つ。
図10には、懸滴に影響を与える別の自由度が存在する、発明による培養容器100の更なる詳細が示されている。図10Aによれば、培養容器100の内部空間は、2つの中間壁22、26によって3つの水平チャンバ23、27、28に分割されている。上側の水平チャンバ23は、媒介手段40によって液体4が充填される。中間の水平チャンバ27は、ガス状の媒体が充填され、一時的に下側の水平チャンバ28から入る液体を含む。下側の水平チャンバ28は液体3を含んでいる。展開状態での培養容器100の形状は、例えば、側部15の弾性によって決定される。
培養領域13は、上側の中間壁22の下側に設けられる。上側の中間壁22によって、液体4から各懸滴2中への各物質の分子拡散が可能になる。拡散物質は、例えば、イオン、分化因子、またはホルモン、等を含んでいる。下側の中間壁26は、下側の水平チャンバ28内の液体3を水平チャンバ27から分離する有孔フィルムを含んでいる。下側の中間壁26は、底部12における望ましくない液体の動きに対して各懸滴2を保護する。培養容器100の動きに起因して液体の飛沫(splashes)が上向きに飛ぶ場合、それらの飛沫は下側の中間壁22によって収集される。
本発明による培養方法は、図10Aの実施形態で使用され、最初に液体3が底部12に供給される。また、上側の水平チャンバ23には液体4が充填される。上側の中間壁22の下側の培養領域13は、培養容器100の変形によって、上述のように、濡らされる。外力によって、カバー部11および底部12が、互いの方向に向けて押圧される。液体3は、下側の中間壁26を通って中間の水平チャンバ27へと突き抜けまたは浸透し、水平チャンバ27において培養領域13が濡れる。液体3は培養領域13の各保持要素上に収集されて、培養容器100の後続の展開後に各懸滴2が形成される。液体4からの物質が懸滴2中に、培養中での拡散によって加えられる。例えば、懸滴2中の細胞の分化は、分化因子による影響を受ける。
代替形態として、培養容器100は、カバー部11に隣接する単一の中間壁22を有することができる。各懸滴2を収容するための培養領域13が中間壁22の下側に形成される。図10Bは、培養プロセスの終了時における中間壁22上の懸滴2の状態を示している。培養された細胞が収集された場合、残留液体は最初に底部12からチューブ44を通して取り出される。必要な場合には、フラッシュ(Spuelvorgaenge:洗浄)プロセス用の緩衝液または塩溶液を、チューブ44を通して内外に供給することができる。その後、内部に位置する複数の細胞または複数の細胞集合体を有する複数の懸滴2は、底部12中に落下するように中間壁22から振り落とされる。そこで、それら(懸滴)は、チューブ44を通して内外に供給される緩衝液で洗浄して出される(abgespuelt)。また、収集された細胞または細胞集合体は、チューブ44を通して培養容器100から取り出すことができる。
中間壁22が、本発明による培養容器100の内部空間20で一部だけ伸びている場合、図11に概略的に示されているように、懸滴からの培養細胞の収集(採取、収穫)法を変えることができる。図11Aは、垂直方向に向いたカバー部11および底部12を有する袋状の培養容器100を、概略的断面斜視図で示している。中間壁22は、内部空間20の一部、例えばその半分にわたって伸びている。複数の保持要素14は、中間壁22が伸びていない領域のみにおける培養領域13に設けられる。
培養領域13への(液滴の)配置および懸滴中での細胞の培養は、例えば図1または2を参照して上述したように行われる。培養(図11B)の終了後、培養容器100は回転される(矢印参照)。複数の細胞または複数の細胞集合体を収集(採取、収穫)するために、これら(細胞または細胞集合体)は、培養領域13から中間壁22の一側部上の小(サブ)チャンバ内に狙いを定めて勢いよく流し出され、一方、元々存在する細胞懸濁液は中間壁22の反対側に残留する(図11C参照)。
図12は、本発明による培養容器100の内部空間20の体積に影響を与えることができるクランプ装置80を示している。例えば図3Cにより、内圧が培養容器100に加えられて展開状態を形成した場合、培養が続く数日または数週間の期間中にガスの減失(減少)が生じる。その結果、培養容器100は、望ましくない形態で潰れまたは崩れ得るであろう。これを防止するために、例えばスプリング駆動装置81を含むクランプ(締付け)装置80を用いて、一定の圧力が培養容器100における容器壁10の押圧(絞り)部分18に加えられる。これによって、バッグのピンと張った形態、および底部12上の液体3からの各懸滴2の充分な間隔が、ガスの減失が生じた場合でも確保される。図12における変形例の代替形態として、培養容器の一側部の巻取り部分によって、クランプ装置が作用する別個のバッグ部分によって、または、チューブを通して取り付けられた追加的なバッグ(袋)(図示せず)によって、一定の圧力を維持することができる。
図13は、一例として、懸滴中で細胞を低温保存または凍結保存するための方法の手順を示している。低温または凍結保存は、例えば、得られた細胞を永続的に貯蔵するために、懸滴中で培養した後で行われる。基本的に図2に示すように組み立てられた培養容器100が使用される。さらに、培養容器100は、疎水性表面領域によって互いに分離された複数の親水性表面領域19を、底部12の内側に有する。複数の親水性表面領域19は、カバー部11上の培養領域13上の各保持要素14の幾何学的配置と一致または整合するように配置される。
図13Aは、懸滴2が培養領域13に配置され底部12が液体3で覆われた展開状態での培養容器100を示している。懸滴2の低温保存または凍結保存を用意するために、凍結防止剤、例えばDMSOが、チューブ44を通して液体3に加えられ、または液体3が凍結防止剤の溶液で置き換えられる(図13B)。その後、内部空間20内の液体が媒体接点(媒介連結部)43へと流れてチューブ44を通して流れ出ることができるように、培養容器100が傾斜される。ここで、凍結保護剤を有する液滴5は、底部12の各親水性表面領域19上に残留する(図13C)。
その後、培養容器100は圧縮状態にされる(図13D)。カバー部11および底部12は、生体細胞が培養された液滴2と液滴5とが一緒にブレンド(混合)するまで、共に外力Fの影響下に置かれる。液滴2、5は互いに正確に反対向き(反対側)にあり液滴間の横方向の間隔が充分大きいので、各細胞は再現可能な(reproduzierbare:生殖または繁殖可能な)配置で液滴中に残る。
低温保存または凍結保存は、培養容器100の、圧縮状態で(図13D)またはその後の再度の展開状態(図13E)で行うことができる。このために、培養容器100は、例えば液体窒素または窒素タンク内の液体窒素上の冷蒸気中のような、低下した温度の周囲環境(雰囲気)中に置かれる。凍結状態では、液滴を支持する壁領域は、培養容器100の残りの各部分から分離することができる。
本発明による培養容器100の容器壁には、冷却剤が加えられ(塗布され)たときに冷却を促進すために、熱伝導性要素、例えば金属被覆を設けることができる。さらに、培養容器100には、例えば容器壁に一体化される複数の抵抗性加熱素子のような加熱素子を設けることができる。加熱素子は、冷却保存の終了後に、迅速で均等な解凍を支援することができる。
図14は、本発明による培養容器100の別の変形例を示しており、その内部空間20は中間壁22によって上側(23)および下側(28)の水平チャンバに分割されている。中間壁22は、規定のサイズ(100μm未満)の複数の細孔25を有するプラスチック・フィルムである。
複数の懸滴2の形成およびそれらの培養は上述のように行われる。培養容器100の圧縮状態において、培養領域13が濡らされ懸滴2が複数の保持要素上に収集されるように、底部12からの液体3が中間壁22を突き抜けまたは浸透する。培養された細胞を採取する期間において、細胞集合体を個々の細胞から分離するように作業することができる。そのために、培養領域13から懸滴2を勢いよく流すために、培地(培養基)または緩衝液がチューブ44を通して内部へ供給される。液体および個々の細胞は中間壁22中の複数の細孔を通過することができ、一方、細胞集合体6は中間壁22上に固定化されまたは静止させられる(図14B)。その後、中間壁22は、培養容器100から所定の破断位置で解放されて、更なる調査のためにその収集された細胞集合体を通過させて次へ送るようにする。
図15は、本発明による培養容器100の別の実施形態を示しており、カバー部11および底部12には、線(ライン)状の複数の結合要素90が設けられている。各結合要素90は、外圧に対する反作用で互いに結合されたカバー部11および底部12の各内側に、例えばポリエチレン、ポリプロピレンのような複合材料を含んでいる。図15の培養容器100の使用は、上述のように最初に生体細胞1を有する懸滴2が形成されるように行われる。特定の培養期間後に、培養容器100の一部が分離され、例えば、低温保存もしくは凍結保存または更なる分化を行いまたは別の貯蔵を行うために、外力Fが複数の結合要素90に加えられて(図15B)、複数の結合要素90が互いに合体するようになる。このようにして、2つの垂直チャンバ29は互いに分離できるように形成される。
図16乃至20に示された本発明による培養容器の変形例では、複数の保持要素14は、培養領域13上に位置しかつ培養領域13の親水性表面部分14.2をそれぞれ包囲する円周リング14.1の形態の親水性段状要素を含んでいる。各リング14.1は、例えば500μm乃至1mmの高さおよび例えば5乃至20mmの直径を有するプラスチックで製造される。培養容器100の容器壁には、側部15の領域に回転式取付け手段60およびチューブ44が設けられる。回転式取付け手段60は横方向に突出する2つのポストまたは支柱61を含み、培養容器100は、2つのポスト61で支持体(図示せず)にぶら下げることができ回転させることができる。媒体は、チューブ44を通して培養容器100の内部空間に、特に底部12内に供給することができる。
図16の培養容器100における培養は、上述のように、最初に複数の保持要素14に、細胞を有する複数の懸滴2をそれぞれ配置(付着)して行われる。培養の結果、細胞が細胞集合体1へと増殖する。培養領域13の一部の平面図が図17に示されている。細胞集合体1を有する各液滴2は、リング14.1で区切られた各親水性表面部分14.2内に配置される。また、親水性表面部分14.2は、特定の、例えば蛍光標識化された抗体(Antikoerpern)(図19参照)で占有させることができる。
さらに、接着培養のために、培養容器100の底部12からチューブ44を通して液体が引き出される。その後、図18に示されているように、培養容器100は、回転式取付け手段60の助けで180°回転される。次いで、細胞集合体1は、定着し、リング14.1で区切られた培養領域上の各領域内に接着または付着することができる。接着の後、チューブ44を通して内部に培地を注ぎ込むことができて、液滴2における細胞集合体1のその後の接着培養が可能になる。
各表面部分14.2が特定の抗体14.3によって占有される場合、細胞集合体1との抗原−抗体結合が形成される(図19)。これは最初に細胞分離に使用することができ、結合していない細胞集合体がチューブによって液体流7で勢いよく流し出されるようにされる(図19、右下参照)。抗体にさらに蛍光標識(マーカ)が付されている場合、特定の細胞の検出が培養容器内で、例えば蛍光測定によって行うことができる。さらに、それぞれの空洞(キャビティ)中のリング14.1内で空間的に互いに部分的に分離して存在する複数の細胞集合体1をスクリーニングに用いて、異なる物質が各空洞にピペットの助けで手でまたは自動的に加えられる(図20)。
上述の説明、図面および特許請求の範囲に開示された発明の特徴は、その種々の実施形態において本発明を実現するために個々にまたは組合せでも重要であり得る。

Claims (24)

  1. 懸滴(2)中で生体細胞(1)を培養するよう構成された培養容器(100)であって、
    − カバー部(11)および底部(12)を有する容器壁(10)を含み、
    − 前記カバー部(11)は培養領域(13)を配置するよう構成され、前記底部(12)は液体(3)を収容するよう構成され、
    − 前記容器壁(10)は、前記培養容器の内部空間(20)を全ての方向で包囲し、
    − 前記培養領域(13)は、前記懸滴(2)を位置決めするよう構成された複数の保持要素(14)を有し、前記内部空間(20)において自由に懸下する前記懸滴(2)を収容することができ、
    − 前記容器壁(10)は、前記保持要素(14)が前記底部(12)からの前記液体(3)で濡れるように動くことができ、
    − 前記複数の保持要素(14)は、疎水性表面領域によって互いに分離された前記培養領域(13)の複数の親水性表面領域を含むものである、
    培養容器。
  2. − 前記複数の親水性表面領域は規則的パターンを形成し、
    − 前記複数の親水性表面領域は、前記培養領域(13)の表面官能化によって形成され、および/または
    − 前記複数の親水性表面領域は、前記培養領域(13)上の複数の段状要素によって形成されるものである、
    請求項1に記載の培養容器。
  3. − 前記容器壁(10)は変形可能であり、前記カバー部(11)および前記底部(12)は、互いの距離が減少して前記保持要素(14)が前記底部(12)に接近できるように、互いに相対的に移動可能である、請求項1または2に記載の培養容器。
  4. − 前記容器壁(10)は柔軟なフィルム材料で形成され、前記カバー部と前記底部(11、12)の間の距離は、前記培養容器における内圧の効果でおよび/または折畳み可能な内部支持21)で調節可能なものである、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の培養容器。
  5. − 前記容器壁(10)は部分的に弾性変形可能な材料で形成され、前記カバー部と前記底部(11、12)の間の距離は、前記弾性変形可能な材料の弾性復元力の効果で調節可能なものである、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の培養容器。
  6. − 前記容器壁(10)は弾性変形可能な材料で形成された側部(15)を有し、前記側部によって前記カバー部(11)および前記底部(12)が互いに連結される、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の培養容器。
  7. − 前記底部(12)は、前記培養領域(13)とは反対側の底部領域を有し、この底部領域は、疎水性表面領域によって互いに分離されかつ前記培養領域(13)の前記複数の親水性表面領域の各位置と一致するように配置された複数の親水性表面領域(19)を有するものである、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の培養容器。
  8. − 前記培養領域(13)は、前記カバー部(11)の内面によって直接形成されるものである、
    請求項1乃至7のいずれかに記載の培養容器。
  9. − 少なくとも1つの中間壁(22、26)を含み、
    前記中間壁によって前記内部空間(20)が2つの水平チャンバ(23、27、28)に分割されるものである、
    請求項1乃至8のいずれかに記載の培養容器。
  10. 前記少なくとも1つの中間壁(22、26)は、
    − 前記少なくとも1つの中間壁(22、26)が、分子分散を可能にする材料で製造されている、
    − 前記少なくとも1つの中間壁(22、26)が、複数の細孔を有する、
    − 前記少なくとも1つの中間壁(22、26)が、複数の所定の破断位置(24)を有する、
    − 前記少なくとも1つの中間壁(22、26)が、前記内部空間(20)の部分領域に制限されている
    という特徴の中の少なくとも1つの特徴を有するものである、請求項9に記載の培養容器。
  11. − 前記少なくとも1つの中間壁(22、26)は前記カバー部(11)の一部であり、前記培養領域(13)は、前記底部(12)を向く前記少なくとも1つの中間壁(22、26)の表面で形成され、または
    − 前記少なくとも1つの中間壁(22、26)は前記底部(12)の一部である、
    請求項8または9に記載の培養容器。
  12. 前記培養容器の下側に前記培養容器を支持する支持装置(30)を含む、請求項1乃至11のいずれかに記載の培養容器。
  13. − 前記支持装置(30)は質量要素(31)を有し、前記質量要素で前記培養容器の重心が前記底部(12)にまたはその近隣に形成されるものである、
    請求項12に記載の培養容器。
  14. 液体状および/またはガス状の媒体を前記内部空間(20)の内外へ供給しおよび/または取り出すよう構成された少なくとも1つの閉鎖可能な媒体接点(41、43)を有する媒介手段(40)を含む、請求項1乃至13のいずれかに記載の培養容器。
  15. − 前記容器壁(10)は、光学的観察および道具による侵入的貫通の少なくとも一方のために構成された少なくとも1つの窓部(17)を有するものである、
    請求項1乃至14のいずれかに記載の培養容器。
  16. − 前記少なくとも1つの窓部(17)は、光学的に透明な材料で形成された前記カバー部(11)の平面状領域を含むものである、
    請求項15に記載の培養容器。
  17. − 前記カバー部(11)と前記底部(12)の間の作動距離が調整される場合に前記カバー部(11)が接して位置する透明プレートおよび前記容器壁(10)を収容するための外側の容器装置(50)、および/または
    − 前記内部空間(20)の体積を調整可能とする外側のクランプ装置(80)
    を含む、請求項1乃至16のいずれかに記載の培養容器。
  18. − 前記カバー部(11)および前記底部(12)は線状の結合要素(90)を有し、前記結合要素で、前記内部空間(20)が複数の垂直チャンバ(20)に分割されるように前記カバー部(11)と前記底部(12)が互いに結合できるものである、
    請求項1乃至17のいずれかに記載の培養容器。
  19. 請求項1乃至18のいずれかに記載の培養容器(100)において、懸滴(2)中で生体細胞(1)を培養する方法であって、
    − 前記培養容器の前記底部(12)に前記生体細胞(1)を含む懸濁液を供給する工程と、
    − 懸濁液で前記培養領域(13)を濡らし、前記培養領域(13)に複数の懸滴(2)を形成する工程と、
    − 前記複数の懸滴(2)中で前記生体細胞(1)を培養する工程と、
    を含む方法。
  20. 前記培養領域(13)を濡らすことは、
    − 前記カバー部(11)と前記底部(12)の間隔が減少し、前記培養領域(13)が前記懸濁液に接触するように、前記培養容器を圧縮する工程と、
    − 前記カバー部(11)と前記底部(12)の間隔が増大し、前記懸濁液の自由に懸下する前記懸滴(2)が前記培養領域(13)の前記保持要素(14)上に形成されるように、前記容器壁(10)を復元する工程と、
    を含むものである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記容器壁(10)の圧縮および復元は、
    − 前記培養容器における内圧の調節、
    − 前記培養容器における折り畳み可能な内部支持部(21)の作動、および/または
    − 前記容器壁の材料の弾性復元力の効果による変形
    を含むものである、請求項20に記載の方法。
  22. − 液体状および/またはガス状の媒体を前記内部空間(20)の内外に供給し取り出す工程を含む、請求項19乃至21のいずれかに記載の方法。
  23. − 前記容器壁(10)における少なくとも1つの窓部(17)を通して前記懸滴(2)を光学的に観察する工程、および
    − 前記容器壁(10)における少なくとも1つの窓部(10)を道具で侵入的に貫通し、前記懸滴(2)へアクセスする工程
    のうちの少なくとも1つの工程を含む、請求項19乃至22のいずれかに記載の方法。
  24. − 前記培養容器の前記内部空間(20)を複数の水平チャンバ(23、27、28)に細分割する工程、および
    − 前記培養容器の内部空間(20)を複数の垂直チャンバ(29)に細分割する工程
    のうちの少なくとも1つの工程を含む、請求項19乃至23のいずれかに記載の方法。
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