JP2009296898A - シート部材、培養容器、及び細胞培養方法 - Google Patents

シート部材、培養容器、及び細胞培養方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導入物質の使用量を極力低減すること。
【解決手段】細胞を培養するガラスベースディッシュ20内の細胞接着面22aに、観察部を形成するための開口部11が少なくとも1個設けられた被覆部12を備えるシート部材10を貼り付けた後に、上記ガラスベースディッシュ20内に細胞を撒き、培養液を入れて細胞を培養する。その後、上記ガラスベースディッシュ20中の培養液を抜き取り、細胞接着面22aから上記シート部材10を剥がして、そのシート部材10の開口部11のあった場所に導入物質の分散された溶液を滴下した後、上記ガラスベースディッシュ20を細胞操作装置にセットし、上記溶液が滴下されて溶液の液滴で覆われた細胞に対して所望の細胞操作を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、細胞を培養する培養容器に貼り付けるシート部材、培養容器、及び細胞培養方法に関する。
特許文献1には、細胞の細胞膜に孔を形成し溶液中に含まれる生理活性物質を細胞内に導入する装置が示されている。この装置によれば、細胞を浸しておく培養液中に細胞内に導入したい物質を予め混濁させておき、細胞に孔を形成する操作を行うことで、細胞内に導入することができる。
通常、細胞は培養容器内にて扱われる。一般に市販されている培養容器としては、カルチャーディッシュ、スライドガラスチャンバ、ウェルプレート、フラスコなどのタイプがあり、培養中は、およそ100μL以上の液量の培養液中に浸されている。
特開2007−319037号公報
従来、培養液中に所定の濃度で導入物質を混濁しなければならないため、何れの培養容器にて細胞操作を行ったとしても、多量の導入物質が必要である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、導入物質の使用量を極力低減することが可能なシート部材、培養容器、及び細胞培養方法を提供することを目的とする。
本発明のシート部材の一態様は、
細胞を培養する培養容器の細胞接着面上に貼り付けられた際に観察部を形成するための開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備え、細胞培養後に剥離可能であることを特徴とする。
また、本発明の培養容器の一態様は、
細胞を培養するための培養液を収容する本体と、
上記本体の細胞接着面上に貼り付けられ、細胞培養後に剥離される、開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備えるシート部材と、
を具備することを特徴とする。
また、本発明の細胞培養方法の一態様は、
細胞を培養する培養容器内の細胞接着面に、観察部を形成するための開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備えるシート部材を貼り付ける工程と、
上記培養容器内に細胞を撒き、培養液を入れて細胞を培養する工程と、
上記培養容器中の培養液を抜き取る工程と、
上記培養容器内の細胞接着面から上記シート部材を剥がす工程と、
上記シート部材の開口部のあった場所に導入物質の分散された溶液を滴下する工程と、
上記培養容器を細胞操作装置にセットし、上記溶液が滴下された場所の細胞に対して所望の細胞操作を行う工程と、
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、細胞操作時の培養液量を極力少なくすることにより、導入物質の使用量を極力低減することが可能なシート部材、培養容器、及び細胞培養方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係るシート部材10を示す図であり、図1(B)及び(C)は、本発明の第1実施形態に係る培養容器としてのガラスベースディッシュ20の上面図及び断面図である。
図1(A)に示すように、シート部材10は、培養容器の細胞接着面上に貼り付けられた際に観察部を形成するための開口部11が少なくとも1個設けられた被覆部12を備えている。このシート部材10は、培養容器の細胞接着面への密着性が良く且つ上記細胞接着面から剥離し易いと共に、培養容器から剥離した際に上記細胞接着面に粘着剤が残らない素材で構成されることが好ましい。例えば、シリコンゲルシートやウレタンゲルシート等のゲルシート13を型抜きして形成される。
このようなシート部材10は、図1(B)及び(C)に示すように、ガラスベースディッシュ20の底板部21に配された、細胞(図示せず)を付着させて培養するための細胞接着面22aとなる透明な板状ガラス部22の上面に貼り付けて使用される。
ここで、上記ガラスベースディッシュ20は、ポリスチレンなどの合成樹脂材からなる底板部21と周側部23とで円筒状に形成されており、その底板部21の中心部位には、円形を呈する透孔24が1個穿設されている。そして、底板部21には、下面21a側から透孔24の開口面24aを完全に覆うに足る板状ガラス部22がシリコン系接着剤やアクリレート系接着剤などからなる接着剤Sを介して接合されており、該板状ガラス部22により透孔24の開口面24aの全体が遮蔽されている。こうして、底板部21と板状ガラス部22とによって、ガラスベースディッシュ20の底部が構成され、該底部と上記周側部23とで、該ガラスベースディッシュ20の本体が構成される。
また、上記板状ガラス部22の細胞接着面22aには、細胞培養後に疎水性を維持したい部位に、疎水部25が設けられている。そして、上記シート部材10の被覆部12は、この疎水部25のパターンにほぼ合致するパターンを有している。
なお、上記シート部材10の観察部を形成する開口部11のサイズとしては、直径1乃至5mm程度であることが好ましい。その理由については後述する。
ここで、本第1実施形態に係るシート部材10が貼り付けられたガラスベースディッシュ20で培養した細胞に対し操作・観察を行うための細胞操作装置及び顕微鏡について、図2を参照して説明する。
本実施形態に係る細胞操作装置30は、細胞を観察するための倒立型顕微鏡40に備えられる。
倒立型顕微鏡40は、上記細胞を収容したガラスベースディッシュ20等を載置する培養容器ホルダ41と、該培養容器ホルダ41上の細胞を照明する照明装置42と、細胞において反射あるいは透過した光、あるいは細胞から発生した蛍光を観察する観察装置43と、上記培養容器ホルダ41をX方向及びY方向に移動する顕微鏡XYステージ44と、該顕微鏡XYステージ44を駆動制御する顕微鏡XYステージコントローラ45と、上記照明装置42及び観察装置43を制御する顕微鏡コントローラ46と、上記観察装置43により得られた画像を処理する画像処理装置47と、該画像処理装置47により処理された画像を表示するモニタ48を有し、上記細胞操作装置30及び該倒立型顕微鏡40の全体を制御する制御コンピュータ49と、を備えている。
また、上記照明装置42には、細胞に対して、上記観察装置43とは反対側から照明光を照射する透過照明光源42Aと、該透過照明光源42Aから発せられた照明光を細胞に集光するコンデンサレンズ42Bと、細胞に対して上記観察装置43と同一方向から照明光を照射する落射照明光源42Cとが備えられている。
一方、上記観察装置43には、図示しない対物レンズを含む観察光学系と、該観察光学系を介した細胞からの光を撮像して画像を取得するCCDカメラ43Aと、細胞からの光を直接観察する接眼レンズ43Bとが備えられている。
そして、細胞操作装置30は、上記倒立型顕微鏡40の培養容器ホルダ41近傍に配置され、細胞に対して挿入される導入針31と、該導入針31を保持する導入針保持具32と、該導入針保持具32を移動させることで上記導入針31を移動させる駆動ユニット33と、該細胞操作装置30を制御するコントロールボックス34と、を備えている。ここで、駆動ユニット33は、X,Y,Z方向に導入針31を移動させる、例えば、3軸の直線移動機構を備えている。
上記導入針31は、図3(A)に示すように、カンチレバー35の自由端側に、該カンチレバー35の長手方向に対して交差する方向に延びるように設けられている。カンチレバー35は取付部材36に固定され、該取付部材36は、Z軸アクチュエータ37を介して導入針保持具32のアーム32Aに固定されている。これにより、カンチレバー35は斜め下向きに保持され、導入針31はカンチレバー35の自由端において、先端を鉛直下方に向けて保持されている。
カンチレバー35は、図3(B)に示すように、可撓性を持つシリコンベース部35Aと、先端に微細な導入針31が形成されたレバー部35Bとから構成されており、上記取付部材36に対して交換可能に固定される。従って、このカンチレバー35を交換することで、コンタミネーションのおそれなく、該細胞操作装置30を繰り返し使用することができる。
上記取付部材36と導入針保持具32との間に配置されたZ軸アクチュエータ37は、例えば、積層された圧電素子により構成され、その印加電圧に応じて伸縮する。図3(A)に示すようにZ軸アクチュエータ37は取付部材36と導入針保持具32との間に垂直方向に配置されているので、印加電圧を調整することにより導入針保持具32に対して取付部材36を垂直方向に微小変位させ、該取付部材36に鉛直下向きに取り付けられている導入針31の先端を垂直方向に微小距離、移動させることができるようになっている。
上記コントロールボックス34は、駆動ユニット33を制御する駆動ユニット制御回路34Aと、Z軸アクチュエータ37を制御するアクチュエータ制御回路34Bとを備えている。
細胞操作装置30による細胞操作、例えば細胞への遺伝子導入の操作は以下のようにして行われる。
即ち、上記ガラスベースディッシュ20内の培養液中に遺伝子導入物質を分散させた後、該ガラスベースディッシュ20を倒立型顕微鏡40の培養容器ホルダ41上に載置して、細胞操作を行うための細胞を選定し、駆動ユニット制御回路34Aの作動により駆動ユニット33を作動させて、カンチレバー35の導入針31を上記選定した細胞の上方から当該細胞に近接移動させる。ガラスベースディッシュ20の板状ガラス部22上に播種された細胞は、2μm〜10μm程度の厚みしかないため、この近接した位置からの微細な下降は、アクチュエータ制御回路34Bの作動によりZ軸アクチュエータ37を作動させることにより行う。
Z軸アクチュエータ37を作動させることにより、図4(A)に示すように、導入針31を下降させ板状ガラス部22へ近づけていく。これにより、導入針31の先端が下降していく途中において、ガラスベースディッシュ20内の遺伝子が分散された溶液(以下、DNA分散溶液50)内に進入し、ガラスベースディッシュ20の板状ガラス部22上に播種された細胞60に接触する。ここで、更に導入針31を下降させていき、細胞膜61及び核62に穿孔する。
そして、図5(B)に示すように、導入針31の先端が板状ガラス部22面と接触する位置まで導入針31を下降させたならば、板状ガラス部22面との接触位置よりも更に導入針31を降下させる。これにより、図5(C)に示すように、導入針31の先端は板状ガラス部22面に対して摺動し、この摺動により、底面側も破断し、細胞膜61の上面側及び底面側の2箇所の破断箇所70間を貫通する孔が空けられる。
こうして形成された貫通する孔をDNA分散溶液50が流通することにより、DNA分散溶液50中に分散した遺伝子が細胞60内に流入する。
なお、導入針31を上昇させて導入針31を細胞60から引き抜いた後は、ある一定時間が経過すると、細胞膜61は自己修復により回復し、細胞60内に遺伝子が取り込まれた状態となる。
このようにして、従来と同様に低侵襲で生存率は高いまま、更に、遺伝子を細胞60内に確実且つ高い導入効率で導入することができる。
なお、導入針31の摺動方法は、上記のように板状ガラス部22面との接触位置よりも更に導入針31を降下させることにより行う手法に限定されるものではなく、例えば、導入針保持具32のアーム32Aも上記Z軸アクチュエータ37と同様に積層された圧電素子により構成し、該アーム32Aを伸縮させることで、導入針31の先端が板状ガラス部22と接触した状態で導入針31を水平移動させることにより行うこともできる。
あるいは、上記特許文献1に開示されているように、導入針31を下降させてその先端がガラスベースディッシュ20内のDNA分散溶液50内に進入したとき、上記アーム32Aを作動させることにより、導入針31の先端を水平方向に振動させながら導入針31を下降させていくようにしても良い。これにより、導入針31の先端が下降していく途中において、細胞60に接触すると、導入針31の振動によって細胞膜61に切り込みが形成される。即ち、細胞膜61は流動性を有し、導入針31を単に長さ方向に移動させて刺す場合には、細胞膜61が導入針31に倣って変形するため細胞膜61を貫通することができないが、導入針31をその長手方向に交差する方向に振動させながら長さ方向に移動させることで、細胞膜61に切り込みを形成し、容易に細胞膜61を貫通することが可能となる。
その結果、導入針31を細胞膜61内の核62に確実に刺し入れることが可能となる。そして、導入針31を細胞60から引き抜き、所定時間にわたって培養することにより、核62内まで形成された孔にDNA分散溶液50中に分散した遺伝子がより確実に導入されることになる。
勿論、駆動ユニット33で微細なXYZ方向の調整が可能な場合には、Z軸アクチュエータ37やアーム32Aを圧電素子で構成することは不要となる。
以下、上記シート部材10、上記ガラスベースディッシュ20、上記細胞操作装置30及び上記倒立型顕微鏡40を用いた本発明の第1実施形態に係る細胞培養方法を、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、上記シート部材10を、ガラスベースディッシュ20の板状ガラス部22の細胞接着面22aに、上記被覆部12が上記疎水部25と重なるように貼り付ける(ステップS1)。
その後、ガラスベースディッシュ20内に細胞を撒き、図6(A)に示すように、培養液51を入れて細胞を培養する(ステップS2)。
そして所定期間経過後、培養液交換時と同様の周知の方法で、ガラスベースディッシュ20中の培養液51を抜き取る(ステップS3)。例えば、図6(B)に示すように、ピペット80を使って、まずガラスベースディッシュ20の底板部21の培養液51を抜き取り、その後に、上記底板部21より1段低くなっている開口面24aの細胞接着面22a上の培養液51を抜き取る。
培養液51の抜き取りが終わったならば、図6(C)に示すように、例えばピンセット81を用いてガラスベースディッシュ20内の細胞接着面22aから上記シート部材10を剥がす(ステップS4)。このとき、シート部材10の開口部11のあった場所には微量の培養液51が残り、細胞60が死滅することを防止できる。
その後、図6(D)に示すように、上記シート部材10の開口部11のあった場所に、導入物質を含む溶液、つまりDNA分散溶液50を滴下する(ステップS5)。
その後、上記DNA分散溶液50が滴下されたガラスベースディッシュ20を、倒立型顕微鏡40の培養容器ホルダ41上に載置して、上述したように、上記溶液が滴下された場所の細胞に対して、所望の細胞操作、例えば遺伝子導入操作を行う(ステップS6)。 そして、遺伝子の導入操作が行われたならば、ガラスベースディッシュ20を倒立型顕微鏡40の培養容器ホルダ41上から取り外し、培養液51を追加して、更に培養を行うこととなる(ステップS7)。
以上のように、細胞操作時に、従来は図7(A)に示すように、開口面24a全体にDNA分散溶液50を入れなければならなかったのに対し、本第1実施形態によれば、図7(B)に示すように、DNA分散溶液50を液滴とすることができるので、導入物質の使用量を極力低減することが可能なシート部材、培養容器、及び細胞培養方法を提供することができる。
例えば、図7(A)において、DNA分散溶液50の深さを1mmとすると、開口面24aの直径Aが14mmの場合は160μL、10mmの場合は80μL、5mmの場合でも20μLのDNA分散溶液50が必要であった。これに対して、本第1実施形態によれば、液滴の直径Bが5mmあっても8μLしかDNA分散溶液50を必要としない。DNA分散溶液50の濃度は、およそ0.1μg/μLで導入が確認されており、0.8μgのDNAしか必要としない。そして、更に小さな液滴を形成することが可能であり、液滴の直径Bが3mmであれば4μLのDNA分散溶液50(この場合は0.4μgのDNA)、2mmであれば2μLのDNA分散溶液50(この場合は0.2μgのDNA)しか必要とせず、直径Bを1mmとすれば1μ以下のDNA分散溶液50しか使用せずに、細胞操作を行うことができる。
また、本実施形態では、観察部となる開口部11に対応する位置以外には疎水部25を設けており、該疎水部25がシート部材10の被覆部12の密着により保護されるため、培養後でも撥水性が維持され、より濡れ角の大きい液滴形成ができ、細胞操作が安定して行える。
なお、シート部材10における観察部つまり開口部11の個数は、図1(A)及び(B)に示すような4個に限定されるものではなく、更に多数であって良いし、また逆に、4個よりも少なくても良い。即ち、シート部材10には、開口部11が少なくとも1個設けられていれば良い。
[第2実施形態]
上記第1実施形態は、培養容器としてガラスベースディッシュを例に説明したが、本発明は、そのようなガラスベースディッシュに限定されるものではなく、カバーガラスチャンバ,スライドガラスチャンバ,ウェルプレートなど、各種、培養容器に適用可能である。
例えば、図8は、スライドガラスチャンバ90に上記シート部材10を適用した例を示す断面図である。
このスライドガラスチャンバ90は、1枚の透明なガラス板91からなる底部92上にポリスチレンなどの合成樹脂材からなる囲繞隔壁93を立設して仕切られた複数個の隔室94を有して形成されている。これにより、各隔室94の別に底部92に、細胞を付着させるための透明な板状ガラス部95が細胞接着面として構成されることとなる。
そして、その各板状ガラス部95つまり細胞接着面に、上記シート部材10がそれぞれ貼り付けられる。
このように、どのような培養容器であっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
(1) 細胞を培養する培養容器の細胞接着面上に貼り付けられた際に観察部を形成するための開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備え、細胞培養後に剥離可能であることを特徴とするシート部材。
(対応する実施形態)
この(1)に記載のシート部材に関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。それらの実施形態において、例えば、ガラスベースディッシュ20、スライドガラスチャンバ90が上記培養容器に、細胞接着面22a、板状ガラス部95が上記細胞接着面に、開口部11が上記開口部に、被覆部12が上記被覆部に、シート部材10が上記シート部材に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(1)に記載のシート部材によれば、開口部により形成される観察部にのみ培養した細胞及び培養液を残すことができ、導入物質が分散された溶液として液滴しか必要としなくなるので、導入物質の使用量を極力低減することが可能となる。
(2) 該シート部材は、上記培養容器の細胞接着面への密着性が良く且つ上記細胞接着面から剥離し易いと共に、上記培養容器から剥離した際に上記細胞接着面に粘着剤が残らない素材で構成されることを特徴とする(1)に記載のシート部材。
(対応する実施形態)
この(2)に記載のシート部材に関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。
(作用効果)
この(2)に記載のシート部材によれば、培養容器の細胞接着面への密着性が良く且つ細胞接着面から剥離し易いと共に、培養容器から剥離した際に細胞接着面に粘着剤が残らない。
(3) 細胞を培養するための培養液を収容する本体と、
上記本体の細胞接着面上に貼り付けられ、細胞培養後に剥離される、開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備えるシート部材と、
を具備することを特徴とする培養容器。
(対応する実施形態)
この(3)に記載の培養容器に関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。それらの実施形態において、例えば、底板部21,板状ガラス部22及び周側部23、囲繞隔壁93及び板状ガラス部95が上記本体に、細胞接着面22a、板状ガラス部95が上記細胞接着面に、開口部11が上記開口部に、被覆部12が上記被覆部に、シート部材10が上記シート部材に、ガラスベースディッシュ20、スライドガラスチャンバ90が上記培養容器に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(3)に記載の培養容器によれば、シート部材の開口部にのみ培養した細胞及び培養液を残すことができ、導入物質が分散された溶液として液滴しか必要としなくなるので、導入物質の使用量を極力低減することが可能となる。
(4) 上記本体の細胞接着面上の細胞培養後に疎水性を維持したい部位に設けた疎水性パターンを更に具備し、
上記シート部材の被覆部は、上記疎水性パターンにほぼ合致するパターンを有することを特徴とする(3)に記載の培養容器。
(対応する実施形態)
この(4)に記載の培養容器に関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。それらの実施形態において、例えば疎水部25が上記疎水性パターンに対応する。
(作用効果)
この(4)に記載の培養容器によれば、疎水性パターンがシート部材の被覆部の密着により保護されるため、培養後でも撥水性が維持され、より濡れ角の大きい液滴形成ができ、細胞操作が安定して行える。
(5) 細胞を培養する培養容器内の細胞接着面に、観察部を形成するための開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備えるシート部材を貼り付ける工程と、
上記培養容器内に細胞を撒き、培養液を入れて細胞を培養する工程と、
上記培養容器中の培養液を抜き取る工程と、
上記培養容器内の細胞接着面から上記シート部材を剥がす工程と、
上記シート部材の開口部のあった場所に導入物質の分散された溶液を滴下する工程と、
上記培養容器を細胞操作装置にセットし、上記溶液が滴下された場所の細胞に対して所望の細胞操作を行う工程と、
を具備することを特徴とする細胞培養方法。
(対応する実施形態)
この(5)に記載の細胞培養方法に関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。それらの実施形態において、例えば、ステップS1が上記シート部材を貼り付ける工程に、ステップS2が上記細胞を培養する工程に、ステップS3が上記培養液を抜き取る工程に、ステップS4が上記シート部材を剥がす工程に、ステップS5が上記溶液を滴下する工程に、ステップS6が上記細胞操作を行う工程に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(5)に記載の細胞操作方法によれば、シート部材の開口部により形成される観察部にのみ培養した細胞及び培養液を残すことができ、導入物質が分散された溶液として液滴しか必要としなくなるので、導入物質の使用量を極力低減することが可能となる。
(6) 上記細胞操作の終了後、上記培養容器を上記細胞操作装置から取り外し、培養液を追加して更に培養を行う工程を更に具備することを特徴とする(5)に記載の細胞培養方法。
(対応する実施形態)
この(6)に記載の細胞培養方法に関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。それらの実施形態において、例えば、ステップS7が上記更に培養を行う工程に対応する。
(作用効果)
この(6)に記載の細胞操作方法によれば、更に培養を続けることができ、細胞操作による経時変化を後で観察できる。
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係るシール部材を示す図であり、図1(B)及び(C)は、本発明の第1実施形態に係る培養容器としてのガラスベースディッシュ20の上面図及び断面図である。 図2は、ガラスベースディッシュで培養した細胞に対し操作・観察を行うための細胞操作装置及び倒立型顕微鏡の構成を示す図である。 図3(A)は、カンチレバー近傍の構造を示す拡大図であり、図3(B)は、カンチレバーの構造を示す拡大図である。 図4は、細胞操作としての遺伝子導入の方法を説明するための、カンチレバーに設けた導入針の一連の状態を示す図である。 図5は、本発明の第1実施形態に係る細胞培養方法を説明するためのフローチャートを示す図である。 図6は、細胞培養方法を説明するための、ガラスベースディッシュの一連の状態を示す図である。 図7(A)は、細胞操作時における従来のDNA分散溶液の必要量を説明するための図であり、図7(B)は、細胞操作時における第1実施形態でのDNA分散溶液の必要量を説明するための図である。 図8は、本発明の第2実施形態に係る培養容器としてのスライドガラスチャンバの断面図である。
符号の説明
10…シート部材、 11…開口部、 12…被覆部、 13…ゲルシート、 20…ガラスベースディッシュ、 21…底板部、 22…板状ガラス部、 22a…細胞接着面、 23…周側部、 24…透孔、 24a…開口面、 25…疎水部、 30…細胞操作装置、 31…導入針、 40…倒立型顕微鏡、 41…培養容器ホルダ、 42…照明装置、 43…観察装置、 50…DNA分散溶液、 51…培養液、 60…細胞、 80…ピペット、 81…ピンセット、 90…スライドガラスチャンバ、 91…ガラス板、 92…底部、 93…囲繞隔壁、 94…隔室、 95…板状ガラス部、 S…接着剤。

Claims (6)

  1. 細胞を培養する培養容器の細胞接着面上に貼り付けられた際に観察部を形成するための開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備え、細胞培養後に剥離可能であることを特徴とするシート部材。
  2. 該シート部材は、上記培養容器の細胞接着面への密着性が良く且つ上記細胞接着面から剥離し易いと共に、上記培養容器から剥離した際に上記細胞接着面に粘着剤が残らない素材で構成されることを特徴とする請求項1に記載のシート部材。
  3. 細胞を培養するための培養液を収容する本体と、
    上記本体の細胞接着面上に貼り付けられ、細胞培養後に剥離される、開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備えるシート部材と、
    を具備することを特徴とする培養容器。
  4. 上記本体の細胞接着面上の細胞培養後に疎水性を維持したい部位に設けた疎水性パターンを更に具備し、
    上記シート部材の被覆部は、上記疎水性パターンにほぼ合致するパターンを有することを特徴とする請求項3に記載の培養容器。
  5. 細胞を培養する培養容器内の細胞接着面に、観察部を形成するための開口部が少なくとも1個設けられた被覆部を備えるシート部材を貼り付ける工程と、
    上記培養容器内に細胞を撒き、培養液を入れて細胞を培養する工程と、
    上記培養容器中の培養液を抜き取る工程と、
    上記培養容器内の細胞接着面から上記シート部材を剥がす工程と、
    上記シート部材の開口部のあった場所に導入物質の分散された溶液を滴下する工程と、
    上記培養容器を細胞操作装置にセットし、上記溶液が滴下された場所の細胞に対して所望の細胞操作を行う工程と、
    を具備することを特徴とする細胞培養方法。
  6. 上記細胞操作の終了後、上記培養容器を上記細胞操作装置から取り外し、培養液を追加して更に培養を行う工程を更に具備することを特徴とする請求項5に記載の細胞培養方法。
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CN112481126A (zh) * 2020-12-01 2021-03-12 江苏中慧元通生物科技有限公司 一种新型冠状病毒肺炎疫苗研发用培养及分离的装置

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