JP6095837B1 - アルカリ金属塩含有成型体およびそれを用いた酸性水溶液の再生処理方法 - Google Patents

アルカリ金属塩含有成型体およびそれを用いた酸性水溶液の再生処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液からケイフッ化水素酸を分離して酸性水溶液を再生処理する操作を、作業環境を低下させることなく効率的に酸性水溶液を再生処理することが出来る材料および方法を提供する。【解決手段】アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を所定の割合で含むアルカリ金属塩含有成型体;前記アルカリ金属塩Aは、フッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種:前記アルカリ金属塩Bは、20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるナトリウム塩および20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるカリウム塩からなる群から選択される少なくとも一種:前記アルカリ金属塩Cは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される少なくとも一種。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ金属塩含有成型体およびそれを用いた酸性水溶液の再生処理方法に関する。具体的には、特定組成のアルカリ金属塩組成物から形成されるアルカリ金属塩含有成型体、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液から不純物であるケイフッ化水素酸を除去するために用いるアルカリ金属塩含有成型体、ならびにそれを用いた酸性水溶液の再生処理方法に関する。
フッ化水素酸(HF、フッ酸)は各種ガラスの主成分である珪酸(SiO)を溶かす性質を有している。したがって、フッ化水素酸はこの性質を利用して、装飾用ガラスの製造におけるガラス表面のエッチング加工、工業用のガラスパネルのエッチング加工、研磨や洗浄、またはシリコン基板等のケイ素含有材料の表面処理に使用されている。特に清浄な表面特性が要求されるガラス製品の製造においては、フッ化水素酸を用いた処理工程は必須となっている。
ガラス基板やシリコン基板等の各種のケイ素含有材料の表面をフッ化水素酸含有酸性水溶液で処理して清浄化やエッチング等の表面処理をする工程では、珪酸(SiO)成分とフッ化水素酸の反応によりケイフッ化水素酸(HSiF)が生成する。したがって、当該酸性水溶液を再使用または繰り返し使用すると、酸性水溶液中のフッ化水素酸濃度が低下するとともにケイフッ化水素酸(HSiF)が蓄積し、エッチング能力や洗浄能力(これらをまとめて「処理能力」という)が次第に低下する。
従来、処理能力が低下した酸性水溶液は定期的に交換され、使用後の不純物を含む酸性水溶液は産業廃棄物として処理されているが、環境負荷の観点では産業廃棄物として廃棄するのではなく、できる限り再生処理に供して酸性水溶液をリサイクルすることが好ましい。この対応策として、不純物を含む酸性水溶液を電気分解により再生する方法が知られているが、再生効率が低く実用的には課題が多い。
フッ化水素酸とケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液よりケイフッ化水素酸を除去してフッ化水素酸含有酸性水溶液をリサイクル使用する別の方法として、当該廃酸水溶液に下記の各種アルカリ金属化合物Mを添加して、下記式(1A)の反応に従い形成されるケイフッ化水素酸塩(MSiF)沈殿を分離して廃酸水溶液からケイフッ化水素酸を除去する方法が知られている。
SiF+2M→MSiF↓(沈殿)+2HX (1A)
:アルカリ金属カチオン(Na,Kなど)
:アニオン(F、Cl、HF 、NO 、HCO など)
上記式において、ケイフッ化水素酸除去反応に使用されるアルカリ金属化合物Mとしては、これまでに様々なアルカリ金属化合物が使用可能であることが報告されている。
例えば、特許文献1には、塩化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の各種のカリウムイオン供給種を水溶液にして添加する方法が開示されている。特許文献2では、硝酸ナトリウムを水溶液で添加する方法や、重炭酸ナトリウムを粉体で添加する方法が開示されている。
特許文献3や特許文献4には、炭酸ナトリウムや重炭酸ナトリウムを粉体状、スラリー状または水溶液で添加してケイフッ化水素酸塩を形成させる方法が開示されている。特許文献5〜7では、水酸化ナトリウムのような各種アルカリ金属水酸化物を添加する方法が開示されている。特許文献8や特許文献9では、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、塩化カリウムや塩化ナトリウムのような各種のアルカリ金属塩を粉体で添加する方法が開示されている。
特許文献10には、各種のアルカリ金属フッ化物を溶液で添加する方法が開示されている。特許文献11には、重フッ化ナトリウムや重フッ化カリウムのような各種の重フッ化物を粉体または水溶液として添加する方法が開示されている。
以上のように、これまでに上記式(1A)で表されるケイフッ化水素酸の除去反応に、多様な種類のアルカリ金属化合物が使用可能であることが報告されているが、それぞれ様々な問題を抱えている。
例えば、アルカリ金属化合物MのXが酸性水溶液中に含まれないアニオンである場合には、上記(1A)式の反応で不純物酸成分(HX)を酸性水溶液中に形成することになる。したがって、このようなアルカリ金属化合物を廃酸水溶液の再生処理に使用するアルカリ金属化合物の主要成分とすることは好ましくない。
また、アルカリ金属化合物Mがアルカリ性化合物である場合、すなわちXが水酸基や炭酸イオンあるいは重炭酸イオンである場合には、当該アルカリ金属化合物を廃酸水溶液に添加すると当該アルカリ金属化合物は直ちにフッ化水素酸と反応してフッ化水素酸が消費されてしまう。したがって、当該アルカリ性金属化合物を廃酸水溶液の再生処理に使用するアルカリ金属化合物の主要成分とすることは好ましくない。更に、アルカリ金属炭酸塩や重炭酸塩がアルカリ金属化合物の主要成分である場合には、それを廃酸水溶液へ添加した場合には炭酸ガスの発生による発泡が激しすぎるために反応制御が難しいという問題もある。
以上のようなアルカリ金属化合物に比べて、特許文献8〜11で使用されているアルカリ金属フッ化物MF(NaF、KF等)またはアルカリ金属重フッ化物MHF(NaHF、KHF等)は、下記の理由により廃酸水溶液の再生処理に使用されるアルカリ金属化合物Mの主要成分として好ましいと思われる。
すなわち、アルカリ金属化合物Mがアルカリ金属フッ化物MFまたはアルカリ金属重フッ化物MHFの場合には、下記式(1A−1)や(1A−2)のように、ケイフッ化水素酸塩沈殿の形成と同時にフッ化水素酸HFが形成される。
SiF+2MF→MSiF↓(沈降)+2HF (1A−1)
SiF+2MHF→MSiF↓(沈降)+4HF (1A−2)
この反応で形成されるフッ化水素酸HFは、ケイ素含有材料の表面処理工程においてシリカ成分SiOとフッ化水素酸HFの反応による下記のケイフッ化水素酸形成反応(2A)で消費されるフッ化水素酸HFを補充することになるので好ましい。
SiO+6HF→HSiF+2HO (2A)
特許文献12には、フッ化ナトリウム粉末とフッ化カリウム水溶液よりフッ化ナトリウムペレットを製造する方法が開示されている。ただし、特許文献12には、当該フッ化ナトリウムペレットの用途としてフッ化水素や6フッ化ウランの吸着剤としての用途が開示されているが、廃酸水溶液の再生処理剤としての用途については何も記載されていない。
特開2013−046888号公報 特開2011−162388号公報 特開2012−143734号公報 特開2011−201770号公報 特開2011−152541号公報 特開2011−131128号公報 特開2012−055841号公報 特開2014−113583号公報 特開2004−283736号公報 特開2000−072482号公報 特開2014−218416号公報 特開昭63−270310号公報
特許文献8〜11には、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液(廃酸水溶液)に粉末状または水溶液状のアルカリ金属フッ化物や重フッ化物(NaF、KF、NaHF、KHF等)を添加することによりケイフッ化水素酸塩の沈殿物を生成させ、それを分離することにより酸性水溶液を再生処理する方法が開示されている。
しかしながら、当該アルカリ金属フッ化物や重フッ化物(NaF、KF、NaHF、KHF)の粉末はいずれも容易に粉塵として飛散しやすい性質を有する。したがって、当該アルカリ金属フッ化物や重フッ化物(NaF、KF、NaHF、KHF)の粉末を廃酸水溶液の再生に工業規模で大量に用いる場合には、作業中に粉塵が舞い易く作業環境の保全が困難である。
一方、当該アルカリ金属フッ化物やアルカリ金属重フッ化物を水溶液として廃酸水溶液へ添加する場合には、廃酸水溶液への添加工程での粉塵飛散の問題はなくなるが、廃酸水溶液に当該アルカリ金属フッ化物水溶液やアルカリ金属重フッ化物の水溶液を添加すると廃酸水溶液が溶媒として使用される水で希釈されてしまうので、当該酸性水溶液を繰り返し使用することは困難である。
したがって、水溶液状のフッ化物を使用する場合の希釈化への対応策としては、アルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物の除去後に酸性水溶液を濃縮および組成調整をしてリサイクル使用する方法、または希釈廃液を廃棄する方法が挙げられる。しかしながら、前者の濃縮法では、工程が煩雑となる上にエネルギーコストも余分にかかるので実用的ではない。また、後者の方法は、多量の産業廃棄物を排出するので経済性、および環境保全の観点から好ましくない。
本発明は、以上のような背景を鑑みて、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液からケイフッ化水素酸の塩を分離して酸性水溶液を再生処理する操作を、作業環境を低下させることなく、更には環境負荷を増大させることなく、効率的に実施する新技術を提供することを目的とする。
本発明者はこのような目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のアルカリ金属フッ化物や重フッ化物を主要成分として含む特定組成のアルカリ金属塩組成物から形成されるアルカリ金属塩含有成型体をアルカリ金属塩として用いる場合には、粉塵飛散の問題を起こすことなく(すなわち、作業環境を低下させることなく)、迅速かつ効率的にケイフッ化水素酸塩の沈殿が形成されることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記のアルカリ金属塩含有成型体、酸性水溶液の再生処理方法に使用するアルカリ金属塩成型体、およびそれを用いた酸性水溶液の再生処理方法に関する。
1.アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含むアルカリ金属塩含有成型体であって、
(1)前記アルカリ金属塩Aは、フッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
(2)前記アルカリ金属塩Bは、20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるナトリウム塩および20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるカリウム塩からなる群から選択される少なくとも一種であり、
(3)前記アルカリ金属塩Cは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
(4)前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、10質量%以上99質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上85質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上60質量%以下であり、
前記アルカリ金属塩Bは、アルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Cに含まれるアルカリ金属塩を除くものであり、
かつ、前記アルカリ金属塩Bと前記アルカリ金属塩Cの含有量の総和が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり1質量%以上である、
ことを特徴とするアルカリ金属塩含有成型体。
2.前記アルカリ金属塩Bが、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウムおよび酢酸カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする上記項1に記載のアルカリ金属塩含有成型体。
3.前記アルカリ金属塩Aが、フッ化ナトリウムおよび重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする上記項1または2に記載のアルカリ金属塩含有成型体。
4.(1)前記アルカリ金属塩Aは、フッ化ナトリウムおよび重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
(2)前記アルカリ金属塩Bは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、(3)前記アルカリ金属塩Cは、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種である、
ことを特徴とする上記項1〜3のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
5.前記アルカリ金属塩Aが、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする上記項1または2に記載のアルカリ金属塩含有成型体。
6.(1)前記アルカリ金属塩Aは、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムの少なくとも一種であり、
(2)前記アルカリ金属塩Bは、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウムおよび酢酸カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
(3)前記アルカリ金属塩Cは、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムの少なくとも一種である、
ことを特徴とする上記項1、2、または5のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成形体。
7.前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、25質量%以上98質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上60質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上50質量%以下であり、
かつ、前記アルカリ金属塩Bと前記アルカリ金属塩Cの含有量の総和が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり2質量%以上である、
ことを特徴とする上記項1〜6のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
8.前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、40質量%以上98質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、2質量%以上60質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上1質量%未満である、上記項1〜6のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
9.前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、50質量%以上98質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上1質量%未満であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、2質量%以上50質量%以下である、上記項1〜6いずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
10.前記アルカリ金属塩A、ならびに、前記アルカリ金属塩Bおよび前記アルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物の圧縮成型物である、上記項1〜9のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
11.前記アルカリ金属塩A、ならびに、前記アルカリ金属塩Bおよび前記アルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物と水からなる含水組成物の成型体およびその乾燥体からなる群より選択される、上記項1〜9のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
12.前記アルカリ金属塩A、ならびに、前記アルカリ金属塩Bおよび前記アルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物と水からなる含水組成物を成型および乾燥して製造される成型体である、上記項1〜9のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
13.粒状、ペレット状、タブレット状、板状、またはフレーク状である、上記項1〜12のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
14.フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液にアルカリ金属塩を添加することによりアルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を生成させ、前記沈殿物を前記酸性水溶液から分離することにより前記酸性水溶液を再生処理する方法において前記アルカリ金属塩として使用する、上記項1〜13のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
15.フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液にアルカリ金属塩を添加することによりアルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を生成させ、前記沈殿物を前記酸性水溶液から分離することにより前記酸性水溶液を再生処理する方法において前記アルカリ金属塩として使用する、上記項1〜4または上記項7〜14のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体であって、
当該アルカリ金属塩含有成型体に使用されるアルカリ金属塩Aがフッ化ナトリウムおよび重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
かつ、アルカリ金属塩Bがフッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とするアルカリ金属塩含有成型体。
16.フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液を再生させる方法であって、下記の工程1および2を含む方法;
(工程1)上記項1〜15のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体を前記酸性水溶液に添加して、アルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を含む反応液を得る工程、
(工程2)前記沈殿物を工程1で得た反応液から分離する工程。
17.前記酸性水溶液が3質量%以上の塩酸を含有する上記項16に記載の方法。
18.工程1において、上記項3または4に記載のアルカリ金属塩含有成形体を前記酸性水溶液に添加する、上記項17に記載の方法。
19.前記酸性水溶液が塩酸を含有しないかまたは塩酸の含有量が3質量%未満である、上記項16に記載の方法。
20.工程1において、上記項5または6に記載のアルカリ金属塩含有成形体を前記酸性水溶液に添加する、上記項19に記載の方法。
本発明のアルカリ金属塩含有成型体をフッ化水素酸と不純物であるケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液の再生処理に使用すると、作業環境を低下させることなく効率的に酸性水溶液を再生処理することが可能となった。
すなわち、本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、酸性水溶液中に添加した際にはアルカリ金属フッ化物等の微粉末の飛散が防止されるだけでなく、その主要成分であるアルカリ金属塩A(NaF、KF、NaHF、KHF)のみからなる成型体と比べて、酸性水溶液中でより迅速に成型体が崩壊し、より速やかに高効率でケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成する。
更に驚くべきことには、本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、同一組成のアルカリ金属塩の粉体混合物と比べても、酸性水溶液中でより速やかに高効率でケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成するという画期的な効果が確認された。
以下、本発明のアルカリ金属塩含有成型体およびそれを用いた酸性水溶液の再生処理方法について詳細に説明する。
<アルカリ金属塩含有成型体>
本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含むアルカリ金属塩含有成型体であって、
(1)アルカリ金属塩Aは、フッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
(2)アルカリ金属塩Bは、20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるナトリウム塩および20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるカリウム塩からなる群から選択される少なくとも一種であり
(3)アルカリ金属塩Cは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
(4)アルカリ金属塩Aの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、10質量%以上95質量%以下であり、アルカリ金属塩Bの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上85質量%以下であり、アルカリ金属塩Cの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上60質量%以下である。
ただし、前記アルカリ金属塩Bは、アルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Cに含まれるアルカリ金属塩を除くものであり、且つ、前記アルカリ金属塩Bと前記アルカリ金属塩Cの含有量の総和が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり1質量%以上であることを特徴とする。
本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む。つまり、本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、1):アルカリ金属塩Aとアルカリ金属塩Bとアルカリ金属塩Cとの混合物、2):アルカリ金属塩Aとアルカリ金属塩Bとの混合物、そして3):アルカリ金属塩Aとアルカリ金属塩Cとの混合物、の3つの態様の発明を包含する。
以下、本発明のアルカリ金属塩含有形成体に含有されるアルカリ金属塩A、アルカリ金属塩B、およびアルカリ金属塩Cについて詳述する。
アルカリ金属塩A
アルカリ金属塩Aは、特に限定されない。具体的には、アルカリ金属フッ化物またはアルカリ金属重フッ化物等のフッ素原子を含むアルカリ金属塩等を挙げることができる。中でも、入手の容易性と価格の実用的な観点から、フッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウム等が好ましい。
これらのアルカリ金属フッ化物およびアルカリ金属重フッ化物は、ケイフッ化水素酸と反応して難溶性のアルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を生成する際にフッ化水素酸を発生する。すなわち、アルカリ金属塩Aは、アルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の形成と同時にフッ化水素酸の再生・補充にも資するものであり、本発明のアルカリ金属塩含有形成体に含有される各種アルカリ金属塩のなかでも特に重要なアルカリ金属塩である。
ただし、前記の各種のアルカリ金属塩Aはいずれも極めて容易に飛散して粉塵が舞い上がり易い特性を有し、工業的規模で大量に使用する場合には作業環境を著しく悪化させてしまう問題があった。それに対して、本発明のアルカリ金属塩Aを含有するアルカリ金属塩含有成型体を用いることにより粉塵の飛散を回避することが可能となり、さらに後述のように迅速な酸性水溶液の処理も可能となった。
アルカリ金属のフッ化物および重フッ化物の中でも、フッ化ナトリウムや重フッ化ナトリウムのようなナトリウム塩は、カリウム塩に比べて入手が容易であり価格も安価であるので工業材料としては魅力的である。しかしながら、フッ化ナトリウムや重フッ化ナトリウムのようなナトリウム塩はカリウム塩と比べて酸性水溶液への溶解度がはるかに低い。したがって、アルカリ金属塩Aがフッ化ナトリウムや重フッ化ナトリウムのようなナトリウム塩のみからなる成型体を酸性水溶液に添加しても、成型体の崩壊に時間がかかるためアルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物の生成速度が極めて遅く実用的ではない。
ところが、フッ化ナトリウムや重フッ化ナトリウムのようなナトリウム塩でも後述するアルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種と組み合わせた特定の組成の成型体を作製し、これを酸性水溶液に添加すると、斯かる成型体が短時間で崩壊し、その結果、水に溶解または微分散した各種アルカリ金属塩とケイフッ化水素酸との反応が速やかに進行して、アルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物が速やかに形成されるようになる。
また、比較的溶解性が良好なフッ化カリウムや重フッ化カリウムの場合でも、後述のアルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種と組み合わせた特定の組成の成型体を作製し、これを酸性水溶液に添加すると、フッ化カリウムまたは重フッ化カリウムの単独の成型体と比べて、より短時間でアルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物が形成されるようになる。
上記の各種のアルカリ金属塩Aは、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アルカリ金属塩B
アルカリ金属塩Bは、水または酸性水溶液に溶解し易いアルカリ金属塩であり、本発明のアルカリ金属塩含有成型体に含まれる場合には、当該成分が酸性水溶液中で迅速に溶解し、成型体の崩壊を促すことによりアルカリ金属塩Aの微分散を促進させる。その結果、難溶性のアルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物の生成を加速させる作用を発揮する。
当該アルカリ金属塩Bは、水に溶解しやすいナトリウム塩および水へ溶解しやすいカリウム塩から選択される少なくとも一種である。これらのナトリウム塩またはカリウム塩の20℃の水への溶解度は、それぞれ10g/100ml以上であり、好ましくは20g/100ml以上であり、特に好ましくは30g/100ml以上である。
アルカリ金属塩Bは無水物であってもよいし水和物であってもよいが、水和物の場合には、当該水和物中の無水物に相当する質量が上記の溶解度の要件を満たす必要がある。
本発明においてアルカリ金属塩Bとして使用されるアルカリ金属塩は、上記の水への溶解度の要件を満たせばよい。ただし、本発明のアルカリ金属塩含有成型体に使用するアルカリ金属Bには、前記のアルカリ金属塩Aに含まれるアルカリ金属化合物および後記のアルカリ金属塩Cに含まれるアルカリ金属化合物は含まれないものとする。
上記の水への溶解度の要件を満たすアルカリ金属塩Bの具体例としては、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、シュウ酸カリウムおよび酢酸カリウム等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
上記の各種のアルカリ金属塩Bの中でも、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウムおよび酢酸カリウムからなる群から選択される少なくとも一種が、入手が容易で安定性に優れているので特に好ましい。
上記の各種のアルカリ金属塩Bは、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アルカリ金属塩C
アルカリ金属塩Cは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ金属塩である。このようなアルカリ金属塩Cは、酸性水溶液中で溶解する際に、酸と反応しながら二酸化炭素(炭酸ガス)を発生する。したがって、このようなアルカリ金属Cの溶解作用、および二酸化炭素(炭酸ガス)の発生の二重の作用で、アルカリ金属塩含有成型体の崩壊を促すことにより、アルカリ金属塩Aの溶解または微分散を促進させる作用を発揮する。その結果、難溶性のアルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物の生成を加速させる作用を発揮する。
上記の各種のアルカリ金属塩Cは、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、アルカリ金属塩A、アルカリ金属塩B、およびアルカリ金属塩Cは無水物であっても良いし、水和物または吸湿体であっても良い。なお、本発明においては、これらのアルカリ金属塩が水和物または吸湿体である場合には、その中に含まれる無水物としての質量を基にアルカリ金属塩含有成形体の組成(質量%)やアルカリ金属塩の水への溶解度等が判断される。
以下、本発明のアルカリ金属塩含有成形体の組成について説明する。
本発明のアルカリ金属塩含有成形体は、アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含むものである。
本発明のアルカリ金属塩含有成形体においては、アルカリ金属塩Aの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、10質量%以上99質量%以下であり、アルカリ金属塩Bの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上85質量%以下であり、アルカリ金属塩Cの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上60質量%以下である。
なお、アルカリ金属塩Bとアルカリ金属塩Cの含有量の総和は、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり1質量%以上であり、1質量%未満の場合には、アルカリ金属塩含有成型体の崩壊速度が遅く、その結果、アルカリ金属塩Aの溶解と微分散および難溶性のアルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物の生成速度が遅くなり実用的ではない。
また、アルカリ金属塩Cの含有量を、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、60質量%よりも多くした場合には、当該アルカリ金属塩含有成型体を酸性水溶液に添加した際に発泡が激しすぎて、反応系の制御が困難となるので好ましくない。
以下、本発明のアルカリ金属塩含有成形体に包含される代表的な3つの態様について詳述する。
1)アルカリ金属塩A、アルカリ金属塩B、およびアルカリ金属塩Cを含む場合
本発明のアルカリ金属塩含有成型体の構成成分が、アルカリ金属塩A、アルカリ金属塩B、およびアルカリ金属塩Cの混合物である場合の組成は、アルカリ金属塩Bによる成型体崩壊促進作用およびアルカリ金属塩Cによる成型体崩壊促進作用を相乗的に発揮し、かつ酸性水溶液中に十分な量のフッ化水素酸を供給することに鑑みて、アルカリ金属塩Aの含有量を、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、25質量%以上98質量%以下、アルカリ金属塩Bの含有量を、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上60質量%以下、そしてアルカリ金属塩Cの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。
ただし、前記アルカリ金属塩Bと前記アルカリ金属塩Cの含有量の総和が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり2質量%以上の組成とすることが好ましい。
2)アルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Bを含む場合
本発明のアルカリ金属塩含有成型体の構成成分がアルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Bを主成分とする混合物である場合の組成は、アルカリ金属塩Bによる成型体崩壊促進作用を発揮し、かつ酸性水溶液中に十分な量のフッ化水素酸を供給させることに鑑みて、アルカリ金属塩Aの含有量を、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、40質量%以上98質量%以下、そしてアルカリ金属塩Bの含有量を、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、2質量%以上60質量%以下の組成とすることが好ましい。
アルカリ金属塩Aの含有量は、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、通常は40質量%以上98質量%以下であるが、より好ましくは45質量%以上97質量%以下であり、とくに好ましくは50質量%以上96質量%以下である。アルカリ金属塩Bの含有量は、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、通常は2質量%以上60質量%以下であるが、より好ましくは、4質量%以上50質量%以下である。
アルカリ金属塩Bの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり2質量%未満の場合には、成型体の崩壊速度が遅く、その結果、アルカリ金属塩Aの微分散および難溶性のアルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物の生成速度が遅くなり実用的ではない。
なお、2)の態様では、アルカリ金属塩として実質的にアルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Bからなる態様のアルカリ金属塩含有形成体を特定するが、斯かるアルカリ金属塩含有形成体には、若干量の上記アルカリ金属塩Cが意図せずに含まれる事もある。この場合の具体的なアルカリ金属塩Cの含有量は、アルカリ金属塩含有形成体の固形分100質量%あたり、通常は0質量%以上1質量%未満とすることができる。
3)アルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Cを含む場合
本発明のアルカリ金属塩含有成型体の構成成分が、アルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Cを主成分とする混合物である場合の組成は、アルカリ金属塩Cによる成型体崩壊促進作用を発揮し、かつ酸性水溶液中に十分な量のフッ化水素酸を供給させることに鑑みて、アルカリ金属塩Aの含有量を、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、50質量%以上98質量%以下、そしてアルカリ金属塩Cの含有量を、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、2質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。
アルカリ金属塩Aの含有量は、アルカリ金属含有成型体の固形分100質量%あたり、通常は50質量%以上98質量%以下であるが、より好ましくは55質量%以上97質量%以下であり、特に好ましくは、60質量%以上96質量%以下である。
アルカリ金属塩Cの含有量は、アルカリ金属含有成型体の固形分100質量%あたり、通常は2質量%以上50質量%以下であるが、より好ましくは3質量%以上45質量%以下であり、特に好ましくは、4質量%以上40質量%以下である。
アルカリ金属塩Cの含有量が、アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、2質量%未満とした場合には、アルカリ金属塩含有成型体の崩壊速度が遅く、その結果、アルカリ金属塩Aの溶解と微分散および難溶性のアルカリ金属ケイフッ化金属酸塩の沈殿物の生成速度が遅くなり実用的ではない。
なお、3)の態様では、アルカリ金属塩として実質的にアルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Cからなる態様のアルカリ金属塩含有形成体を特定するが、斯かるアルカリ金属塩含有形成体には、若干量の上記アルカリ金属塩Bが意図せずに含まれる事もある。この場合の具体的なアルカリ金属塩Bの含有量は、アルカリ金属塩含有形成体の固形分100質量%あたり、通常は0質量%以上1質量%未満とすることができる。
本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、前記の酸性水溶液へ人力・非人力を問わず、これを安全に添加することが可能な形状の成型体であれば特にそれ以上の制約はない。
本発明で使用されるアルカリ金属塩含有成型体の形状の具体例としては、例えば、粒状、ペレット状、タブレット状、板状小片、フレーク状または破砕片状の成型体が挙げられるがこれに限定されるものではない。
上記のような各種の形状のアルカリ金属塩含有成型体は、以下のような様々な種類の成形機装置や造粒装置で製造することが出来る。その具体例としては、例えば、各種の圧縮成形機、粉体成型機、粉末成形プレス機、打錠成型機、ボール成型機、押し出し成型機、ペレタイザー、ロールグラニュレーター、混練造粒機、押出し造粒機、撹拌造粒機、流動造粒機、転動造粒機、圧縮造粒機、破砕造粒機、解砕造粒機、噴霧乾燥造粒機、鱗片型成型機等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のアルカリ金属塩含有成型体としては、各種の原料組成物から製造された各種の形状の成型体が使用可能であり、その例としては、例えば、以下のi)またはii)に示す成型体が挙げられる。
i)アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物の圧縮成型物
このような圧縮成型物は、いわゆるプレス成型物であり、具体的形状としては、粒状、ダブレット状、ペレット状、板状等の様々な形状の成型体を挙げることができる。
圧縮成形物を製造するための装置は、各種の圧縮成形装置が使用可能であり特に限定はされない。具体的には、単動式圧縮成型機、複動式圧縮成型機、またはロータリー式圧縮成型機等の圧縮成型装置等を挙げることができる。
なお、プレス条件等の圧縮形成条件は酸性水溶液に添加する時に形が崩れない程度の硬度の圧縮成形物が製造できる程度とすることができる。
具体的には、面圧(成型荷重÷成型体の接触面積)を、通常は0.1トン〜10トン程度のプレス圧とすることができ、好ましくは0.2トンから8トンである。
ii)アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物と水からなる含水組成物の成型体および/またはその乾燥体
この成型体の例としては、例えば、アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物と水からなる含水組成物を成型し、更に必要に応じて乾燥して製造される成型体を挙げることが出来る。その具体的な製造方法としては、例えば、前記混合物の含水ペースト、または前記混合物の湿潤組成物のような様々な含水率の含水組成物を、前記の各種の成形装置や造粒装置を用いて成型する方法が挙げられる。
また、このような含水組成物の成型体はあまり含水率が多すぎると当該成型体がもろくなり操作性が低下するし、同伴水分が酸性水溶液の含水率を増加させることにもなるので好ましくない。したがって、当該成型体の含水率が20質量%よりも多い場合には、乾燥処理を施して含水率を20質量%以下に下げた乾燥体として使用することが好ましい。
このような含水組成物の成型体またはその乾燥体の形状としては、粒状、ダブレット状、ペレット状、板状等の様々な形状を挙げることができる。
原料として使用される含水組成物中の水の含有量は特に制約は無く、幅広い範囲の含水量が採用可能である。この方法に使用される含水組成物の例としては、例えば前記混合物の水性スラリー、前記混合物の含水ペースト、または前記混合物の湿潤組成物等、様々な含水量の含水組成物が挙げられる。
なお、上記の含水組成物又はその乾燥体を問わず、これらの破砕物も本発明の成形体に包含される。
破砕の程度は特に限定はされないが、例えば、このような破砕物を酸性水溶液に添加する際に、微粉末が飛散しないようなサイズに破砕したものが好ましく、または、当該破砕物が酸性水溶液の表面に留まることなく沈降する程度に調整することが好ましい。
上記のii)を製造する際の中間体である含水組成物の乾燥方法は、特に限定はされず、通常使用される各種の乾燥装置による乾燥法が採用可能である。乾燥条件も特に限定はされない。具体的には、常圧下、減圧下、送風条件下、撹拌または回転条件下、静置条件下、搖動条件下等の各種の条件での乾燥法が採用可能である。乾燥温度は乾燥方式や時間的制約により適宜選択されるものであり、特に限定されない。たとえば、通常は50℃以上300℃以下とすることができ、好ましくは70℃以上250℃以下、特に好ましくは90℃以上200℃以下である。
なお、乾燥の程度は本発明のアルカリ金属塩含有成型体の使用条件、操作性や製造コスト等を勘案して適宜選択される。
上記のi)またはii)にて製造される本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、乾燥体であっても良いし多少の水を含む含水体であっても良い。ただし、あまり含水率が多すぎると当該成型体がもろくなり操作性が低下するし、同伴水分が酸性水溶液の含水率を増加させることにもなるので好ましくない。したがって、本発明のアルカリ金属塩含有成型体における含水率は通常は20質量%以下から選択され、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。なお、当該含水率は、当該成型体の全質量に対する水和水も含めた水の含有率(質量%)を示す。
上記のi)又はii)に示される含水組成物から製造されたアルカリ金属塩含有成型体は、酸性水溶液中に添加した際にアルカリ金属フッ化物等の微粉末の飛散が防止されるだけでなく、酸性水溶液中で成型体が迅速に崩壊し、速やかにケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成するので特に有用である。
すなわち、フッ化ナトリウムや重フッ化ナトリウムのような水への溶解度が低いアルカリ金属塩と水への溶解度が高いアルカリ金属塩Bまたはアルカリ金属塩Cを含む含水組成物から製造された成型体の場合には、当該成型体はこれと同一のアルカリ金属塩成分の粉体混合物と比べて、酸性水溶液中でより迅速にケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成するので有用である。
このような含水組成物から製造された形状の成型体による迅速なアルカリ金属塩Aのみからなる成型体と比べて、酸性水溶液中でより迅速に成型体が崩壊し、より速やかに高効率でケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成する。更に驚くべきことには、当該成型体は、アルカリ金属塩A単独の粉体、または同一組成のアルカリ金属塩の粉体混合物と比べても、酸性水溶液中でより速やかに高効率でケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成するという画期的な効果が確認された。当該成型体のこのような高い反応性は、成型体の反応性は粉体の反応性よりも低いという一般的な技術常識からは予期出来ないものであり、本発明により初めて確認された工業的に極めて重要な性質である。
当該成型体を使用した場合にケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成させる速度が速くなる作用機構は明らかではないが、例えば、ii)に記載のアルカリ金属塩含有成型体の場合には、ひとつの仮説として以下のようなメカニズムが推察される。
すなわち上記のii)に記載されている含水組成物を使用するアルカリ金属塩含有成型体の製造方法では、フッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウム等の水への溶解度が低い、アルカリ金属塩Aに相当するアルカリ金属塩の粉体である二次粒子の内部に、水に溶けやすいアルカリ金属塩Bおよび/またはアルカリ金属塩Cに相当するアルカリ金属塩が浸透し、更にはその二次粒子の表面が水に溶けやすいアルカリ金属塩Bおよび/またはアルカリ金属塩Cに相当するアルカリ金属塩によって被覆された構造の集合体を含むアルカリ金属塩含有成型物が形成される。
このようにして製造されたアルカリ金属塩含有成型体を酸性水溶液中へ添加すると、水に溶けやすいアルカリ金属塩Bおよび/またはアルカリ金属塩Cに相当するアルカリ金属塩が迅速に溶解するため、(更にはアルカリ金属塩Cが存在する場合には炭酸塩の発泡との相乗効果で)成型体が直ちに崩壊する。それと同時に水への溶解度が低い、アルカリ金属塩Aに相当するフッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウム等の二次粒子が一次粒子に微分散し、斯かる一次粒子がケイフッ化水素酸塩の沈殿を形成させる速度の加速に寄与することが推察される。
上記の通り、本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、例えば、粒状、ペレット状、タブレット状、板状、またはフレーク状等の中から形状を選択できる。これらの形状の中でも粒状、ペレット状またはタブレット状の成型体が、製造が容易であり、操作性も良好であるのでより好ましい。
本発明のアルカリ金属塩含有成形体は、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液に添加することにより、アルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を生成させることができ、斯かる沈殿物を酸性水溶液から分離することにより酸性水溶液を再生処理する方法に、特に好適に用いることができる。
なお、特許文献12には、フッ化ナトリウム粉末とフッ化カリウム水溶液よりフッ化ナトリウムペレットを製造する方法が開示されている。ただし、特許文献12には、当該フッ化ナトリウムペレットが高い圧縮強度を有するのでフッ化水素や6フッ化ウラン等のフッ化物ガスの吸着剤として有用であることが開示されているが、本発明のような酸性水溶液中での易崩壊性を利用した廃酸水溶液の再生処理剤としての用途については何も記載されていない。
一般的に、フッ化水素酸含有酸性水溶液を用いて各種のガラス材料やシリコン材料のエッチング、洗浄等の表面処理をすると、珪素成分とフッ化水素酸とが反応して生じるケイフッ化水素酸(HSiF、フルオロ珪酸)が酸性水溶液中に溶出する。このようなフッ化水素酸を含有する酸性水溶液を再使用または繰り返し使用すると、次第に酸性水溶液中のケイフッ化水素酸濃度が上昇し、その結果、表面処理能力が次第に低下する。
本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、ガラス等の表面処理工程で形成されるケイフッ化水素酸を不溶性塩として酸性水溶液中に析出させることができるので、これを不純物として酸性水溶液から除去して、酸性水溶液を再生する処理剤として有用である。
なお、当該フッ化水素酸含有酸性水溶液に含まれる酸成分は特に限定はされない。例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸等の有機酸等が挙げられる。これらの酸成分は、2種以上を組み合わせて酸性水溶液に含まれるものとすることができる。
<アルカリ金属塩含有成形体を用いた酸性水溶液の再生処理方法>
本発明のフッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液を再生させる方法は、以下の工程1および工程2を含むものである。
(工程1)本発明のアルカリ金属塩含有形成体をフッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液に添加して、アルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を含む反応液を得る工程、
(工程2)前記沈殿物を、工程1で得た反応液から分離する工程。
1)工程1について
本発明のフッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液を再生させる方法における工程1は、本発明のアルカリ金属塩含有形成体を、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液に添加して、アルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を含む反応液を得る工程である。
フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液にアルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cからなる群から選択される少なくとも一種を含むアルカリ金属塩含有成型体を添加すると、これらのアルカリ金属塩は下記の各式(1B)、(2B)および(3B)で示されるように、ケイフッ化水素酸と反応して不溶性のケイフッ化水素酸塩を形成する。
〔アルカリ金属塩Aの反応例〕
2MF+HSiF→MSiF↓+2HF (1B)
〔アルカリ金属塩Bの反応例(塩化物の例)〕
2MCl+HSiF→MSiF↓+2HCl (2B)
〔アルカリ金属塩Cの反応例〕
CO+HSiF→MSiF↓+HO+CO(3B)
なお、上記式(1B)〜(3B)におけるMは、Na原子またはK原子を表す。
したがって、酸性水溶液中に含有するケイフッ化水素酸から、不溶性のケイフッ化水素酸塩を形成させるために必要な、工程1にて添加する本発明のアルカリ金属塩含有成形体の量は、上記式(1)、(2)および(3)と酸性水溶液中のケイフッ化水素酸の量を基にして見積もることが出来る。
具体的には酸性水溶液に添加するアルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含むアルカリ金属塩含有成型体中のアルカリ金属イオンの総量に換算して、酸性水溶液中に含有するケイフッ化水素酸の全量を沈殿させるための理論量の40%以上100%以下程度とすることができる。
理論量より多いアルカリ金属イオンを添加した場合には、ケイフッ化水素酸塩を除去した酸性水溶液中に過剰のアルカリ金属イオンが残存するので、このようなアルカリ金属塩含有成型体を添加した処理後の酸性水溶液は再使用(リサイクル使用)には適さないため好ましくない。
一方、再使用する酸性水溶液に多少のケイフッ化水素酸が残留していても、ガラス材料やシリコン材料の表面処理能力を大きく損なうことはない。例えば、再使用する酸性水溶液中に、9質量%以下のケイフッ化水素酸を含有する場合でも、ガラス材料やシリコン材料の表面処理に使用可能である。
このような事情に鑑みて、工程1にて酸性水溶液に添加する本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、これに含まれるアルカリ金属イオンの総量に換算して、理論量の40モル%以上100モル%以下とすることができ、好ましくは45モル%以上98モル%以下、特に好ましくは50モル%以上95モル%以下である。
工程1にて添加する本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、フッ化水素酸またはケイフッ化水素酸と反応した際に、酸性水溶液に存在するイオン種と同じイオン種を生成するアルカリ金属塩を含有するものを使用すると、再生した酸性水溶液中のイオン種が変化しないので特に好ましい。したがって、アルカリ金属塩Aはケイフッ化水素酸と反応してフッ化水素酸を生成するので特に好ましい。
同じイオン種で無くとも、酸性水溶液中のイオン種を変化させないアルカリ金属塩を含有するアルカリ金属塩含有成型体を用いることが好ましい。具体的には、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸と反応して二酸化炭素を発生するアルカリ金属塩Cも、二酸化炭素が酸性水溶液外へ放出されアルカリ金属以外のイオン種が残留しないので、本発明のアルカリ金属塩含有成型体に含有されることが好ましい。
また、工程1にて用いられる本発明のアルカリ金属塩含有成型体に含まれるアルカリ金属塩Bとしては、各種の水への溶解性が高いアルカリ金属塩が使用可能であるが、酸成分としてフッ化水素酸およびケイフッ化水素酸以外の酸を含む場合には、アルカリ金属塩Bとしてはそれぞれの酸に対応したイオン種を含有するアルカリ金属塩を使用することが好ましい。
例えば、塩酸含有溶液に対しては塩化物を、硫酸含有溶液に対しては硫酸塩または硫酸水素塩を、硝酸含有溶液に対しては硝酸塩を使用することが好ましい。
再生処理対象の酸性水溶液がフッ化水素酸およびケイフッ化水素酸以外に、更に塩酸を含有する場合には、ケイフッ化水素酸カリウム塩はいったん沈殿を形成してもその沈殿が酸性水溶液に再溶解しやすいということが報告されている。一方、ケイフッ化水素酸ナトリウム塩は、対照的に塩酸含有酸性水溶液にも再溶解しにくいという特性を有する。このような性質に鑑みて、塩酸を含有する酸性水溶液の再生に使用するアルカリ金属塩含有成型体の構成成分は、ナトリウム塩が主成分であることが好ましい。
具体的には、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液が、3質量%以上の塩酸を含有する場合、工程1にて酸性水溶液に添加する本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、アルカリ金属塩Aとして、フッ化ナトリウムおよび重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むものであることが好ましい。
更に、アルカリ金属塩Aとして、フッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種、アルカリ金属塩Bとして、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種、およびアルカリ金属塩Cとして、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むアルカリ金属塩含有成型体であることが好ましい。上記のアルカリ金属塩Bの中でも、塩化ナトリウムまたは塩化ナトリウムを主成分とする混合塩を使用した場合には、再生される酸性水溶液中のイオン種の変化が無いか、または少ないので特に有用である。また、塩化ナトリウムは容易に入手可能で安価であるという点でも好ましい。
一方で、フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液が塩酸を含有しないかまたは3質量%未満の塩酸の含有量である場合、工程1にて酸性水溶液に添加する本発明のアルカリ金属塩含有成型体は、アルカリ金属塩Aとして溶解性に優れたフッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むものであることが好ましい。
更に、アルカリ金属塩Aとして、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも一種、アルカリ金属塩Bとして、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウムおよび酢酸カリウムからなる群から選択される少なくとも一種、およびアルカリ金属塩Cとして、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むアルカリ金属塩含有成型体であることが好ましい。
工程1では、通常は酸性水溶液を撹拌しながらアルカリ金属含有成型体を投入する。
このよう撹拌条件下では、撹拌しない場合に比べて添加したアルカリ金属塩含有成型体の崩壊が加速される。その結果、短時間でアルカリ金属塩とケイフッ化水素酸の反応が進行し、そしてケイフッ化水素酸塩の沈殿形成がより迅速に進行するので好ましい。
このような撹拌工程は、公知の方法が適用可能であり特に限定はされない。例えば、各種の形状の撹拌羽根による撹拌、または空気吹込み撹拌等が適用可能である。
なお、アルカリ金属塩含有成型体がアルカリ金属塩Cを含む場合、これを酸性水溶液中に添加した際に二酸化炭素ガスが発生して発泡するので、その気泡による撹拌効果を利用できる場合がある。例えば、アルカリ金属塩含有成型体中のアルカリ金属塩Cの含有量によっては、上記発泡による撹拌作用により外部動力による撹拌工程が無くとも、または軽度の撹拌工程に供することで、上記の撹拌工程を同様に、短時間でのアルカリ金属塩とケイフッ化水素酸との反応の進行、そしてケイフッ化水素酸塩の沈殿形成の迅速な進行が期待される。
2)工程2について
本発明のフッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液を再生させる方法における工程2は、工程1にて得られたアルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を、工程1によって得られた反応液から分離する工程である。
分離手段は特に限定されることはなく、公知の方法を採用することができる。例えば、遠心操作、濾過、膜分離等の固液分離の方法が挙げられる。
このような、上記工程(1)および工程(2)を含む方法によって得られる再生酸性水溶液は、そのままガラスまたはシリコン材料などの処理に再利用することが出来る。
以下に、本発明をより詳細に説明するための実施例を示す。ただし、本発明は斯かる実施例に限定されない。
実施例1 圧縮成型体と混合粉体〔HF―HCl廃液〕
NaF粉体、NaCl粉体およびNaCO粉体を、NaF:NaCl:NaCO=37.5:37.5:25の質量比(以下、組成比と呼ぶことがある)で混合して粉体混合物を作製し、これを手動プレス機(エヌピーシステム(株)テーブルプレス)を使用し、面圧3.4tの荷重をかけ成型して圧縮形成体を作製した。この時の成型体は1錠あたり約1gの丸型タブレット(14×14×1mm)である。
この圧縮成型体1錠の重量に合わせて、理論値計算でHSiFの50%除去当量になるように廃液量を調整し、上記圧縮成型体1錠(1.0g)を廃酸モデル水溶液(27.6g)に添加すると炭酸塩の反応による発泡が始まった。当該反応溶液を撹拌せずに3時間静置後、遠心分離(2000rpm、10分)を行い、上清を電位差滴定装置にて非水滴定および中和滴定分析に供し、各種濃度を求めた。その結果を基に、ケイフッ化水素酸の反応率と除去率を算出した。
また、比較例として、同じ組成比で同一質量の混合粉体を作製し、それを上記圧縮成型体の場合と同様の条件で廃酸モデル水溶液と反応および処理して評価した。その結果をまとめて表1に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、35%塩酸(工業用、巽合成化学(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している。
表1から表9において、除去率とは被処理廃液からのケイフッ化水素酸の除去率を表し
、除去効率とは、理論除去率(50%)対する実際の除去率の割合を表す。
表1から、圧縮成形体を使用した場合には混合粉体を使用した場合よりもケイフッ化水素酸の除去率および除去効率が大幅に高くなることが明らかとなった。さらに、廃液へ圧縮成形体を添加する場合には、混合粉体を添加する場合と比べてアルカリ金属塩微粉末の飛散も少ない事が明らかとなった。
実施例2 破砕体状成型体(湿潤組成物からの成型法:3成分)〔HF−HCl廃液〕NaF粉体、NaCl粉体、およびNaCO粉体をNaF:NaCl:NaCO=37.5:37.5:25の組成比で混合した粉体混合物100質量%に対して水を20質%添加し、湿潤させた組成物をバットに移し、200℃で2時間乾燥させデシケーターで放冷後破砕して破砕体状成型体を作製した。このようにして作製された破砕体状成型体の各破砕片の寸法(縦、横、高さ)は大部分が1mm以上であった。
被処理廃液25.0gに上記製造方法により作成した破砕体状成型体1.0gを添加し炭酸塩の反応による発泡が緩やかになったところで、ボルテックスミキサーで1分間強撹拌した。その後、遠心分離(2000rpm、10分)を行い、上清を電位差滴定装置にて非水滴定および中和滴定分析に供し、各種成分を求めた。
また、比較例として、上記の破砕体状成型体と同一組成で同一質量の混合粉体を廃液へ添加し、同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。結果を表2に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、35%塩酸(工業用、巽合成化学(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している。
表2から、当該破砕体状成型体を使用した場合には、混合粉体を使用した場合に比べてケイフッ化水素酸の除去率および反応率が上昇することが明らかとなった。また、当該破砕体状成型体を廃液へ添加する場合には、混合粉体を添加する場合と比べてアルカリ金属塩微粉末の飛散も少ない事が明らかとなった。
実施例3 破砕体状成型体(湿潤組成物からの成型法:2成分)〔HF−HCl廃液〕
NaF粉体とNaCl粉体をNaF:NaCl=50:50の組成比で混合した粉体混合物100質量%に対して水を33質量%添加し、湿潤させた組成物をバットに移し、200℃で2時間乾燥させデシケーターで放冷後破砕して破砕体状成型体を作製した。このようにして作製された破砕体状成型体の各破砕片の寸法(縦、横、高さ)は大部分が1mm以上であった。
被処理廃液25.0gに上記製造方法により作成した破砕体状成型体1.0gを添加し炭酸塩の反応による発泡が緩やかになったところで、ボルテックスミキサーで1分間強撹拌した。その後、遠心分離(2000rpm、10分)を行い、上清を電位差滴定装置にて非水滴定および中和滴定分析し各種成分を求めた。
また、比較例として、上記の破砕体状成型体と同一組成で同一質量の混合粉体を廃液へ添加し、同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。結果を表3に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、35%塩酸(工業用、巽合成化学(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している。
表3から、当該破砕体状成型体を使用した場合には、混合粉体を使用した場合に比べてケイフッ化水素酸の除去率および反応率が上昇することが明らかとなった。また、当該破砕体状成型体を廃液へ添加する場合には、混合粉体を添加する場合と比べてアルカリ金属塩微粉末の飛散も少ない事が明らかとなった。
実施例4 圧縮成型体(圧縮成型法)3成分〔HF−HCl廃液〕
NaF粉体(A)、NaCl粉体(B)、およびNaCO粉体(C)を下記表4に示す組成比で混合して粉体混合物を作製し、これを手動プレス機(エヌピーシステム(株)テーブルプレス)を使用し、面圧3.4tの荷重をかけ成型して圧縮形成体を作製した。この時の成型体は1錠あたり約1gの丸型タブレット(14×14×1mm)である。
この圧縮成型体1錠の重量に合わせて、理論値計算でHSiFの50%除去当量になるよう廃液量を調整し、上記成型体をスターラー(MAGNESTER MGM−66)で撹拌中(スピード目盛3)の廃液に投入した。5分間の撹拌後、これを固液分離し、その上清を電位差滴定装置にて非水滴定および中和滴定分析に供して、各種成分を求めた。
また、比較例として、NaFのみの圧縮成形体(上記の3成分系成型体と同一成型条件、同一形状)を作製し、それを廃酸モデル液へ添加し、上記の3成分圧縮成型体の場合と同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。その結果をまとめて表4に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、35%塩酸(工業用、巽合成化学(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している。
表4から、NaFのみの圧縮成型体よりも3成分の圧縮成型体の方がケイフッ化水素酸の除去率および反応率が上昇することが明らかとなった。
実施例5 圧縮成型体(湿潤体の圧縮成型法)3成分〔HF−HCl廃液〕 NaF粉体(A)、NaCl粉体(B)、およびNaCO粉体(C)を下記表5に示す組成比で混合した混合粉体100質量%に5質量%の水を添加し湿潤させた湿潤混合体を作製した。これを手動プレス機(エヌピーシステム(株)テーブルプレス)を使用し、面圧3.4tの荷重をかけ成型して圧縮形成体を作製した。成型物は24時間以上大気圧化に放置後、検証に使用した。この時の成型体は1錠あたり約1gの丸型タブレット(14×14×1mm)である
この圧縮成型体1錠の重量に合わせて、理論値計算でHSiFの50%除去当量になるよう廃液量を調整し、上記成型体をスターラー(MAGNESTER MGM−66)で撹拌中(スピード目盛3)の廃液に投入した。5分間の撹拌後、これを固液分離し、その上清を電位差滴定装置にて非水滴定および中和滴定分析に供して、各種成分を求めた。
また、比較例として、NaFのみの圧縮成形体(上記の3成分系成型体と同一成型条件、同一形状)を作製し、それを廃酸モデル液へ添加し、上記の3成分圧縮成型体の場合と同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。その結果をまとめて表5に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、35%塩酸(工業用、巽合成化学(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している。
表5から、NaFのみの圧縮成型体よりも3成分の圧縮成型体の方がケイフッ化水素酸の除去率および反応率が大幅に上昇することが明らかとなった。
実施例6 圧縮成型体(湿潤体の圧縮成型法:2成分)〔HF−HCl廃液〕
NaF粉体(A)およびNaCl粉体(B)を下記表6に示す各組成比で混合した混合粉体100質量%に5質量%の水を添加し、湿潤させた湿潤混合体を作製した。これを手動プレス機(エヌピーシステム(株)テーブルプレス)を使用し、面圧3.4tの荷重をかけ成型して圧縮形成体を作製した。成型物は24時間以上大気圧化に放置後、検証に使用した。この時の成型体は1錠あたり約1gの丸型タブレット(14×14×1mm)である。
この圧縮成型体1錠の重量に合わせて、理論値計算でHSiFの50%除去当量になるよう廃液量を調整し、上記成型体をスターラー(MAGNESTER MGM−66)で撹拌中(スピード目盛3)の廃液に投入した。5分間の撹拌後、これを固液分離し、これを固液分離し、その上清を電位差滴定装置にて非水滴定および中和滴定分析に供して、各種成分を求めた。
また、比較例として、NaFのみの圧縮成形体(上記の2成分系成型体と同一成型条件、同一形状)を作製し、それを廃酸モデル液へ添加し、上記の2成分圧縮成型体の場合と同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。その結果をまとめて表6に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、35%塩酸(工業用、巽合成化学(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している。
表6から、NaFのみの圧縮成型体よりも2成分の圧縮成型体の方がケイフッ化水素酸の除去率および反応率が大幅に上昇することが明らかとなった。
実施例7 圧縮成型体(湿潤体の圧縮成型法:2成分)〔HF−HCl廃液〕
NaF粉体(A)およびNaCO粉体(C)を下記表7に示す各組成比で混合した混合粉体100質量%に5質量%の水を添加し、湿潤させた湿潤混合体を作製した。これを手動プレス機(エヌピーシステム(株)テーブルプレス)を使用し、面圧3.4tの荷重をかけ成型して圧縮形成体を作製した。成型物は24時間以上大気圧化に放置後、検証に使用した。この時の成型体は1錠あたり約1gの丸型タブレット(14×14×1mm)である。
この圧縮成型体1錠の重量に合わせて、理論値計算でHSiFの50%除去当量になるよう廃液量を調整し、上記成型体をスターラー(MAGNESTER MGM−66)で撹拌中(スピード目盛3)の廃液に投入した。5分間の撹拌後、これを固液分離し、その上清を電位差滴定装置にて非水滴定および中和滴定分析に供して、各種成分を求めた。
また、比較例として、NaFのみの圧縮成形体(上記の2成分系成型体と同一成型条件、同一形状)を作製し、それを廃酸モデル液へ添加し、上記の2成分圧縮成型体の場合と同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。その結果をまとめて表7に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、35%塩酸(工業用、巽合成化学(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している
表7から、NaFのみの圧縮成型体よりも2成分の圧縮成型体の方がケイフッ化水素酸の除去率および反応率が格段に向上することがわかった。
実施例8 圧縮成型体(圧縮成型法:3成分)〔HF−HNO 廃液〕
NaF粉体、NaCl粉体およびNaCO粉体をNaF:NaNO:NaCO=37.5:37.5:25の組成比で混合した粉体混合物を手動プレス機(エヌピーシステム(株)テーブルプレス)を使用し、面圧3.4tの荷重をかけ成型して圧縮形成体を作製した。この時の成型体は1錠あたり約1gの丸型タブレット(14×14×1mm)である。
この圧縮成型体1錠の重量に合わせて、理論値計算でHSiFの50%除去当量になるよう廃液量を調整し、上記成型体をスターラー(MAGNESTER MGM−66)で撹拌中(スピード目盛3)の廃液に投入した。5分間の撹拌後、これを固液分離し、その上清をイオンクロマト分析により各種成分を求めた。
また、比較例として、NaFのみの圧縮成形体(上記の3成分系成型体と同一形状、同一質量)と圧縮成形前の混合Na塩粉体を作製し、NaF圧縮成型体は廃酸モデル液Iへ添加し、圧縮成形前の混合Na塩粉体は廃酸モデル液IIへ添加して上記の圧縮成型体の場合と同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。結果を表8に示す。
なお、廃酸モデル水溶液I・II(被処理廃液I・II)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、42°ボーメ硝酸(工業用宇部興産)、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している。
表8から、被処理液Iに添加した比較例5NaF単成分のみの圧縮成型体よりも実施例
8の3成分の圧縮成型体の方がケイフッ化水素酸の除去率および反応率が格段に向上することがわかった。
また、被処理液IIに添加した比較例6の混合紛体を添加した時の結果と比較しても除去率・除去効率が高いことが確認され、成型加工しても粉体添加時と同等以上の効果を得られることが分かった。さらに、圧縮成型体の方が、反応時の飛沫の飛散が少ないことが明らかとなった。
実施例9 圧縮成型体(圧縮成型法:3成分)〔HF−H SO 廃液〕
KF粉体、KSO粉末およびKCO粉末を、KF:KSO:KCO=29:46:25の組成比で混合した粉体混合物を手動プレス機(エヌピーシステム(株)テーブルプレス)を使用し、面圧3.4tの荷重をかけ成型して圧縮形成体を作製した。
この時の成型体は1錠あたり約1gの丸型タブレット(14×14×1mm)である。
この圧縮成型体1錠の重量に合わせて、理論値計算でHSiFの50%除去当量になるよう廃液量を調整し、上記成型体をスターラー(MAGNESTER MGM−66)で撹拌中(スピード目盛3)の廃液に投入した。2.5分間の撹拌後、これを固液分離し、その上清を滴定分析に供して各種成分を求めた。
また、比較例として、上記の圧縮成型体の同一組成、同一質量の混合粉体とKFのみの同一質量の圧縮成型体を作製し、それを廃液へ添加し、上記の圧縮成型体の場合と同一条件で反応および処理してケイフッ化水素酸の除去率と反応率を評価した。結果を表9に示す。
なお、廃酸モデル水溶液(被処理廃液)の調製には55%フッ化水素酸(工業用、森田化学工業(株))、50°ボーメ硫酸(工業用関東電化工業(株))、ヘキサフルオロけい酸(鹿一級、関東化学(株))を使用し、表中の濃度になるよう調製している
表9から、比較例7のKF単成分のみの圧縮成型体よりも3成分の圧縮成型体の方がケイフッ化水素酸の除去率および反応率が上昇することが明らかとなった。また、比較例8の混合粉体添加時の結果と比較しても除去率が高いことが確認され、成型加工しても粉体添加時よりも優れたケイフッ化水素酸除去効果を得られる。さらに、圧縮成形体の方が、混合粉体と比べて反応時に飛沫の飛散が少ないことが明らかとなった。

Claims (18)

  1. アルカリ金属塩A、ならびに、アルカリ金属塩Bおよびアルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含むアルカリ金属塩含有成型体であって、
    (1)前記アルカリ金属塩Aは、フッ化ナトリウム、重フッ化ナトリウム、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    (2)前記アルカリ金属塩Bは、20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるナトリウム塩および20℃の水への溶解度が10g/100ml以上であるカリウム塩からなる群から選択される少なくとも一種であり、
    (3)前記アルカリ金属塩Cは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    (4)前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、10質量%以上99質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上85質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上60質量%以下であり、
    前記アルカリ金属塩Bは、アルカリ金属塩Aおよびアルカリ金属塩Cに含まれるアルカリ金属塩を除くものであり、
    かつ、前記アルカリ金属塩Bと前記アルカリ金属塩Cの含有量の総和が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり1質量%以上であり、
    フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液にアルカリ金属塩を添加することによりアルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を生成させ、前記沈殿物を前記酸性水溶液から分離することにより前記酸性水溶液を再生処理する方法において前記アルカリ金属塩として使用することを特徴するアルカリ金属塩含有成型体。
  2. 金属塩Bが、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウムおよび酢酸カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  3. 前記アルカリ金属塩Aが、フッ化ナトリウムおよび重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  4. (1)前記アルカリ金属塩Aは、フッ化ナトリウムおよび重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    (2)前記アルカリ金属塩Bは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硝酸ナトリウムおよび酢酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    (3)前記アルカリ金属塩Cは、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種である、ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  5. 前記アルカリ金属塩Aが、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  6. (1)前記アルカリ金属塩Aは、フッ化カリウムおよび重フッ化カリウムの少なくとも一種であり、
    (2)前記アルカリ金属塩Bは、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硝酸カリウムおよび酢酸カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    (3)前記アルカリ金属塩Cは、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムの少なくとも一種である、ことを特徴とする、請求項1、2、または5のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成形体。
  7. 前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、25質量%以上98質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上60質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上50質量%以下であり、
    かつ、前記アルカリ金属塩Bと前記アルカリ金属塩Cの含有量の総和が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり2質量%以上である、ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  8. 前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、40質量%以上98質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、2質量%以上60質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上1質量%未満である、請求項1〜6のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  9. 前記アルカリ金属塩Aの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、50質量%以上98質量%以下であり、前記アルカリ金属塩Bの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、0質量%以上1質量%未満であり、前記アルカリ金属塩Cの含有量が、前記アルカリ金属塩含有成型体の固形分100質量%あたり、2質量%以上50質量%以下である、請求項1〜6いずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  10. 前記アルカリ金属塩A、ならびに、前記アルカリ金属塩Bおよび前記アルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物の圧縮成型物である、請求項1〜9のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  11. 前記アルカリ金属塩A、ならびに、前記アルカリ金属塩Bおよび前記アルカリ金属塩Cの少なくとも一種を含む混合物と水からなる含水組成物の成型体およびその乾燥体からなる群より選択される、請求項1〜9のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  12. 粒状、ペレット状、タブレット状、板状、またはフレーク状である、請求項1〜11のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体。
  13. フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液にアルカリ金属塩を添加することによりアルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を生成させ、前記沈殿物を前記酸性水溶液から分離することにより前記酸性水溶液を再生処理する方法において前記アルカリ金属塩として使用する、請求項1〜4または7〜1のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体であって、
    当該アルカリ金属塩含有成型体に使用されるアルカリ金属塩Aがフッ化ナトリウムおよび重フッ化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    かつ、アルカリ金属塩Bがフッ化カリウムおよび重フッ化カリウムからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とするアルカリ金属塩含有成型体。
  14. フッ化水素酸およびケイフッ化水素酸を含有する酸性水溶液を再生させる方法であって、下記の工程1および2を含む方法;
    (工程1)請求項1〜1のいずれかに記載のアルカリ金属塩含有成型体を前記酸性水溶液に添加して、アルカリ金属ケイフッ化水素酸塩の沈殿物を含む反応液を得る工程、
    (工程2)前記沈殿物を工程1で得た反応液から分離する工程。
  15. 前記酸性水溶液が3質量%以上の塩酸を含有する請求項1に記載の方法。
  16. 工程1において、請求項3または4に記載のアルカリ金属塩含有成形体を前記酸性水溶液に添加する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記酸性水溶液が塩酸を含有しないかまたは塩酸の含有量が3質量%未満である、請求項1に記載の方法。
  18. 工程1において、請求項5または6に記載のアルカリ金属塩含有成形体を前記酸性水溶液に添加する、請求項1に記載の方法。
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