JP5464374B2 - フッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法、およびフッ素およびケイ素を含む排水の処理設備 - Google Patents

フッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法、およびフッ素およびケイ素を含む排水の処理設備 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法、およびフッ素およびケイ素を含む排水の処理設備に関する。
従来、半導体製造工場、太陽電池製造工場、液晶工場、PFC(パーフルオロカーボン)ガス処理工程やシリコンエッチング工程のある工場などで発生するフッ素およびケイ素を含む排水は、例えば次のようにして処理されている。フッ素およびケイ素を含む排水にカルシウム化合物を添加するとともに排水をアルカリ性側に調整して反応させ、フッ化カルシウム(CaF)とシリカ(SiO)とを含む汚泥を生成させ、生成した汚泥を分離して産廃処理している。
ここで、汚泥の生成量を少なくすることができたならば、廃棄物(汚泥)処理コストを従来よりも低減することができる。
一方、フッ素含有排水からの汚泥の生成量を少なくするための方法として、例えば、特許文献1に記載されたような方法が提案されている。特許文献1に記載された方法は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを生成させるための反応槽を2つ直列に配置して、2段階でフッ化カルシウムを生成させている。最初にフッ化物イオンを粗取りすれば、次に残留するフッ化物イオンに対して当量以上のカルシウム化合物を添加しても微細なフッ化カルシウムの生成を抑制でき、その結果、含水率の低い汚泥を生成させることができる、と称されている。
特開2009−165990号公報
しかしながら、処理対象がフッ素だけでなくケイ素も含む排水の場合、前記したように、フッ化カルシウム(CaF)とシリカ(SiO)とを含む汚泥が生成する。シリカ(SiO)は脱水しても含水率が高く、酸素も結合しているため、フッ素だけでなくケイ素も含む排水の場合、廃棄物である汚泥の量が多くなってしまう。
また、特許文献1に記載された方法は、微細なフッ化カルシウムの生成を抑制することでフッ化カルシウム汚泥の含水率を低くし、その結果、汚泥の生成量を少なくしようとするものであるが、生成させる汚泥がフッ化カルシウム汚泥である以上、汚泥削減量には限界がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、フッ素およびケイ素を含む排水を処理することで生成する汚泥の量を、従来よりも削減することができる排水処理技術(特に前処理技術)を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フッ素およびケイ素を含む排水にカルシウム化合物を添加して当該排水を凝集沈殿処理する際、前処理として、アルカリ性ナトリウム化合物を排水に添加して、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF)としてケイ素およびフッ素を析出させることにより、前記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき本発明が完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、フッ素およびケイ素を含む排水にカルシウム化合物を添加して当該排水を凝集沈殿処理する排水処理の前処理方法であって、前記排水に水酸化ナトリウムを添加してケイフッ化ナトリウムを析出させる第1工程と、前記第1工程により析出したケイフッ化ナトリウムを固液分離して除去する第2工程と、を備えるフッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法である。
この構成によると、ケイ素およびフッ素をケイフッ化ナトリウム(NaSiF)として前段で析出させることにより、脱水しても含水率が高いシリカ(SiO)の析出量(生成量)、およびフッ化カルシウム(CaF)の析出量(生成量)をいずれも少なく抑えることができる。また、ケイフッ化ナトリウムはナトリウムとケイ素とフッ素から成っており、シリカの場合と異なり酸素が結合していないため、乾燥重量で比較した場合においても析出量を少なく抑えることができる。その結果、フッ素およびケイ素を含む排水を処理することで生成する汚泥の量を全体として従来よりも削減することができる。
カルシウム添加によるフッ素の凝集沈殿処理の場合、次式の反応にてフッ化カルシウムとシリカが析出する。
SiF6 2−+ 3Ca(OH)2 → 3CaF2 + SiO2+ 2H2O + 2OH
従って、フッケイ酸1mol当たりの析出物は、フッ化カルシウム3mol(234g)とシリカ1mol(60g)の合計で、294gとなる。
一方、ケイフッ化ナトリウムを析出させる反応は次式の通りである。
SiF6 2−+ 2NaOH → NaSiF6 + 2OH
従って、フッケイ酸1mol当たりの析出物は、ケイフッ化ナトリウム1mol(188g)となり、カルシウム添加の場合に比べて少なくなる。また、シリカの脱水汚泥はケイフッ化ナトリウムの脱水汚泥と比較して一般に含水率が高いため、湿重量ではさらに生成量の差が大きくなる。
すなわち、カルシウム添加による凝集沈殿処理の前に、アルカリ性ナトリウム添加によりケイフッ化ナトリウム汚泥としてフッ素を析出(生成)させることで、ケイ素だけでなくフッ素においてもその汚泥生成量を削減することができる。
また本発明において、前記第1工程において、前記排水中のフッケイ酸に対して当量以上の水酸化ナトリウムを添加することが好ましい。
フッケイ酸として、ケイ素がフッ素よりも不足している場合、フッ素を中和するためのナトリウムが必要となる。この構成によると、フッ素を中和してケイフッ化ナトリウムの析出量を高めることができる。
さらに本発明において、前記第1工程において、前記排水のpHが3以上6以下となるようにアルカリ性ナトリウム化合物を添加することが好ましい。
第1工程において排水のpHを3以上6以下とすることで、ケイフッ化ナトリウムの析出量を高めることができる。これにより、シリカおよびフッ化カルシウムの析出量を抑えることができ、すなわち、生成する汚泥の量を全体として削減できる。
さらに本発明において、前記第1工程を行う前の前記排水中のケイ素がSiFとしてフッ素に対して当量未満の含有量であった場合、ケイ素がSiFとしてフッ素と当量になるように、前記第1工程を行う前の前記排水にケイ素化合物を添加することが好ましい。
処理対象である排水中のケイ素がSiFとしてフッ素に対して当量未満の含有量であった場合、あらかじめ、ケイ素がSiFとしてフッ素と当量になるようにケイ素化合物を排水に添加しておくことで、ケイフッ化ナトリウムとしてのフッ素汚泥生成量が増加し、フッ化カルシウムとしてのフッ素汚泥生成量は減少する。その結果、生成する汚泥の量を全体として削減できる。
(中性またはアルカリ性の排水の場合)
フッ素およびケイ素を含む排水が中性またはアルカリ性の場合は、当該排水に塩酸などの酸を加えて排水を一旦酸性にすることによりフッケイ酸を生成させ、その後、前記した処理を適用する。これにより、処理対象であるフッ素およびケイ素を含む排水が中性またはアルカリ性であっても、生成する汚泥の量を削減することができる。
また本発明の第2の態様は、フッ素およびケイ素を含む排水にカルシウム化合物を添加して当該排水を凝集沈殿処理するための排水処理設備であって、前記排水に水酸化ナトリウムを添加してケイフッ化ナトリウムを析出させる第1析出手段と、前記第1析出手段の下流側に設置され、析出した前記ケイフッ化ナトリウムを固液分離して除去する第1除去手段と、前記第1除去手段の下流側に設置され、当該第1除去手段からの分離液にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムおよびケイ素化合物(例えば、シリカ)を析出させる第2析出手段と、前記第2析出手段の下流側に設置され、析出した前記フッ化カルシウムおよびケイ素化合物(例えば、シリカ)を固液分離して除去する第2除去手段と、を備える排水処理設備である。
この構成によると、ケイ素およびフッ素をケイフッ化ナトリウム(NaSiF)として前段で析出させることにより、生成する汚泥の量を全体として従来よりも削減することができる。前記した通り、ケイ素については、シリカ(SiO)の場合脱水しても含水率が高く、また酸素も結合しているが、ケイフッ化ナトリウムの場合はそのいずれの面でも有利である。フッ素については、ケイフッ化ナトリウムの場合、フッ化カルシウムの場合よりも少量の薬品でフッ素を析出させることができるため、汚泥の量を削減できる。
また本発明において、アルカリ性ナトリウム化合物の添加により前記排水のpHが3以上6以下に調整されることが好ましい。
この構成によると、ケイフッ化ナトリウムの析出量を高めることができる。これにより、シリカおよびフッ化カルシウムの析出量を抑えることができ、すなわち、生成する汚泥の量を全体として削減できる。
(中性またはアルカリ性の排水の場合)
フッ素およびケイ素を含む排水が中性またはアルカリ性の場合は、当該排水に塩酸などの酸を加えて排水を一旦酸性にすることによりフッケイ酸を生成させ、その後、前記第1手段において、当該排水に水酸化ナトリウムを添加してケイフッ化ナトリウムを析出させる。これにより、処理対象であるフッ素およびケイ素を含む排水が中性またはアルカリ性であっても、生成する汚泥の量を削減することができる。
本発明によると、本発明の構成要件、特に、フッ素およびケイ素を含む排水にまずアルカリ性ナトリウム化合物を添加してケイフッ化ナトリウムを析出させることにより、シリカ(SiO)の析出量(生成量)、およびフッ化カルシウム(CaF)の析出量(生成量)をいずれも少なく抑えることができる。その結果、フッ素およびケイ素を含む排水を処理することで生成する汚泥の量を、全体として、従来よりも削減することができる。
本発明に係る排水処理方法の一実施形態を示す処理フロー図である。 フッケイ酸(HSiF)が1%の排水にNaOHを添加していったときの排水のpHと、ろ液中のフッ素およびケイ素の濃度とを測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る排水処理方法(フッ素およびケイ素を含む排水の処理方法)の一実施形態を示す処理フロー図である。
図1に示すように、本実施形態に係る処理方法を実施するための排水処理設備100は、処理工程の上流側から順に、第1反応槽1、第1沈殿槽2、第2反応槽3、および第2沈殿槽4を備えている。第1反応槽1、第1沈殿槽2、第2反応槽3、および第2沈殿槽4は、それぞれ、相互に配管などで接続される。
第1反応槽1は攪拌機1aを備え、第2反応槽3は攪拌機3aを備える。なお、第1反応槽1、第1沈殿槽2、第2反応槽3、および第2沈殿槽4は、それぞれ、本発明に係る排水処理設備の第1析出手段、第1除去手段、第2析出手段、および第2除去手段に相当する。また、以下で説明する第1工程から第2工程までが、本発明のフッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法に相当する。
なお、処理対象であるフッ素およびケイ素を含む排水は、通常、酸性(酸性の排水)であり、酸性条件下では、排水中のフッ素はケイ素と反応してフッケイ酸(HSiF)として存在する。
(第1工程(アルカリ性ナトリウム添加工程))
第1工程では、フッ素およびケイ素を含む排水(原水、酸性)に水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してケイフッ化ナトリウム(NaSiF)を析出させる。図1に示したように、フッ素およびケイ素を含む排水(原水)を第1反応槽1に供給するとともに、水酸化ナトリウム溶液を第1反応槽1に投入して、攪拌機1aで排水を攪拌する。
フッ素およびケイ素を含む排水に水酸化ナトリウム溶液を添加して攪拌すると、フッ素およびケイ素は、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF)として排水中に析出する。
なお、フッ素およびケイ素を含む排水(原水)に添加するアルカリは、アルカリ性ナトリウム化合物であればよく、アルカリ性ナトリウム化合物として炭酸ナトリウム(NaCO)を水酸化ナトリウム(NaOH)の代わりに排水(原水)に添加してもよい。
(第2工程(第1除去工程))
第2工程では、第1工程により析出したケイフッ化ナトリウムを固液分離して除去する。第1反応槽1で十分に攪拌された排水を第1沈殿槽2に送り、ケイフッ化ナトリウム汚泥を槽底に沈殿させた後、槽底からケイフッ化ナトリウム汚泥を抜き出す(系外に排出する)。第1工程と第2工程と(前処理)が1段目の凝集沈殿処理である。
なお、析出したケイフッ化ナトリウムを固液分離して除去する第1除去手段として、ろ過装置、遠心分離機、遠心分離機+ろ過装置、フィルタープレスなどを用いてもよい。
(第3工程(カルシウム添加工程))
第3工程では、第2工程によりケイフッ化ナトリウムが除去された排水に水酸化カルシウム(Ca(OH))を添加してフッ化カルシウム(CaF)およびシリカ(SiO)を析出させる。第1沈殿槽2からの液体(排水)を第2反応槽3に送るとともに、水酸化カルシウム溶液を第2反応槽3に投入して、攪拌機3aで排水を攪拌する。
第1沈殿槽2からの液体(排水)に水酸化カルシウム溶液を添加して攪拌すると、フッ素およびケイ素は、それぞれ、フッ化カルシウム(CaF)およびシリカ(SiO)として排水中に析出する。
なお、第1沈殿槽2からの液体(排水)に添加するカルシウム化合物は、アルカリ性のカルシウム化合物であればよく、炭酸カルシウムなどを、第1沈殿槽2からの液体(排水)に対して水酸化カルシウムの代わりに添加してもよい。
(第4工程(第2除去工程))
第4工程では、第3工程により析出したフッ化カルシウムおよびシリカを固液分離して除去する。第2反応槽3で十分に攪拌された液体(排水)を第2沈殿槽4に送り、フッ化カルシウムおよびシリカを含有する汚泥を槽底に沈殿させた後、槽底から汚泥を抜き出す(系外に排出する)。第3工程と第4工程と(後処理)が2段目の凝集沈殿処理である。フッ化カルシウムおよびシリカを含有する汚泥と、第2工程において第1沈殿槽2の槽底から抜き出されたケイフッ化ナトリウム汚泥とは、例えば産廃処理されることになる。
以上説明したように、本処理方法によると、ケイ素およびフッ素をケイフッ化ナトリウム(NaSiF)として前段(第2工程)で析出させることにより、脱水しても含水率が高いシリカ(SiO)の析出量(生成量)、およびフッ化カルシウム(CaF)の析出量(生成量)(後段の第4工程にて析出)をいずれも少なく抑えることができる。また、ケイフッ化ナトリウムはナトリウムとケイ素とフッ素から成っており、シリカの場合と異なり酸素が結合していないため、乾燥重量で比較した場合においても析出量を少なく抑えることができる。すなわち、排水中のフッ素およびケイ素を、すべて、フッ化カルシウム汚泥およびシリカ汚泥として処理するのではなく、ケイフッ化ナトリウム汚泥としても処理することにより、生成する汚泥の量を全体として従来よりも削減することができる。
(反応式を用いた汚泥削減効果の説明)
カルシウム添加によるフッ素の凝集沈殿処理の場合、次式の反応にてフッ化カルシウムとシリカが析出する。
SiF6 2−+ 3Ca(OH)2 → 3CaF2 + SiO2+ 2H2O + 2OH
従って、フッケイ酸1mol当たりの析出物は、フッ化カルシウム3mol(234g)とシリカ1mol(60g)の合計で、294gとなる。
一方、ケイフッ化ナトリウムを析出させる反応は次式の通りである。
SiF6 2−+ 2NaOH → NaSiF6 + 2OH
従って、フッケイ酸1mol当たりの析出物は、ケイフッ化ナトリウム1mol(188g)となり、カルシウム添加の場合に比べて少なくなる。また、シリカの脱水汚泥はケイフッ化ナトリウムの脱水汚泥と比較して一般に含水率が高いため、湿重量ではさらに生成量の差が大きくなる。
すなわち、カルシウム添加による凝集沈殿処理の前に、アルカリ性ナトリウム添加によりケイフッ化ナトリウム汚泥としてフッ素を析出(生成)させることで、ケイ素だけでなくフッ素においてもその汚泥生成量を削減することができる。
また、フッ素およびケイ素を含む排水(原水)に対して、直接、水酸化カルシウムを添加する処理方法では、排水(原水)をアルカリ性にするため(排水(原水)のpHを上げるため)、フッ素に対して過剰にカルシウムを添加する。これにより、過剰なカルシウムが炭酸カルシウムとして析出するので汚泥生成量が増加してしまう。一方、本発明に係る前処理を行うと、カルシウム添加の前にフッ素濃度が低減されているため過剰に添加すべきカルシウム量も少なくて済み、この観点からも、汚泥生成量を従来よりも削減できる。
(第1工程におけるアルカリ性ナトリウム化合物の添加量)
フッケイ酸(HSiF)が1%の排水(原水)に水酸化ナトリウム溶液(NaOH)を添加していったときの排水のpHと、ろ液(NaOH添加・攪拌後の排水を固液分離したあとの液体)中のフッ素およびケイ素の濃度とを測定した結果を図2に示す。
図2からわかるように、排水のpHが4以上6以下の領域において、フッ素濃度、ケイ素濃度とも、初期の排水(pH:2)と比較して濃度低下している。これは、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF)としてフッ素およびケイ素が排水中に析出するため、ろ過すると、排水中に遊離しているフッ素およびケイ素が減少するからである。
一方、pHが6より高いと、ケイ素濃度は減少するがフッ素濃度は上昇している。これは、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF)が分解して、ケイ素はシリカ(SiO)として析出し、フッ素はフッ化ナトリウム(NaF)として溶解しているためである。
次に、表1は、フッ素濃度:5.5%、ケイ素濃度:1.4%の排水に、当該排水中のフッケイ酸(HSiF)に対して水酸化ナトリウム(NaOH)をNaとして当量添加してケイフッ化ナトリウム(NaSiF)を析出させ、当該排水を固液分離した場合の処理水の水質分析結果を示す表である。ここで、当量とはモル当量のことをいう。
表1からわかるように、処理水(第2工程後の排水)のpHが3.1でも、フッ素が0.4%、ケイ素が0.2%まで低減されている。また、これより、フッ素およびケイ素がケイフッ化物(ケイフッ化ナトリウム)としてほぼ当量、析出していることがわかる。
次に、表2は、排水中のフッケイ酸(HSiF)に対して水酸化ナトリウムをNaとして当量添加してケイフッ化ナトリウムを析出・除去(第1・第2工程)したのち水酸化カルシウム添加による凝集沈殿処理(第3・第4工程)を行った場合(前処理組合せ)と、排水に水酸化カルシウムを添加する凝集沈殿処理のみを行った場合(直接Ca凝沈)との汚泥生成量(発生量)の比較計算結果を示す表である。排水(原水)中のフッ素濃度およびケイ素濃度は、それぞれ、5.5%、1.4%とした。また、処理排水量は1mとした。
表2からわかるように、Na凝沈(ナトリウム添加処理)とCa凝沈(カルシウム添加処理)とを組み合せることにより、汚泥生成量(発生量)を約1/2まで低減できた。
次に、表3は、フッ素およびケイ素を含む排水(原水)に添加するナトリウム化合物が、水酸化ナトリウム(NaOH)である場合と、塩化ナトリウム(NaCl)である場合との比較実験結果である。いずれの実験結果も、排水(原水)中のフッケイ酸(HSiF)に対して薬品をNaとして当量添加してケイフッ化ナトリウムを析出させている。
表3からわかるように、フッ素およびケイ素を含む排水(原水)に水酸化ナトリウム(NaOH)を添加した場合のほうがケイフッ化ナトリウムの析出量が多い。
図2、および表1〜表3に示した結果から、第1工程において、フッ素およびケイ素を含む排水にアルカリ性ナトリウム化合物を添加することにより、排水のpHを3以上6以下に調整することが好ましいことがわかる。これにより、ケイフッ化ナトリウムの析出量を高めることができ、その結果、シリカおよびフッ化カルシウムの析出量を抑えることができ、すなわち、生成する汚泥の量を全体として削減できる。
なお、第1工程において、排水中のフッケイ酸に対して当量以上のアルカリ性ナトリウム化合物を添加することが好ましい。フッケイ酸としてケイ素がフッ素と当量以上含まれている場合は、ナトリウムの添加量はフッケイ酸として当量とすればよいが、フッケイ酸としてケイ素がフッ素よりも不足している場合は、フッ素を中和するためのナトリウムが必要となる。排水中のフッケイ酸に対して当量以上のアルカリ性ナトリウム化合物を添加することにより、フッ素を中和してpHを上昇させ、ケイフッ化ナトリウムの析出量を高めることができる。
なお、図2より、第1工程における排水のpHの調整範囲は、4以上6以下、さらには、4以上5.5以下であることが好ましく、さらに好ましいpH調整範囲は、4以上5以下である。
(ケイ素化合物添加試算結果)
第1工程を行う前の排水中のケイ素がSiFとしてフッ素に対して当量未満の含有量であった場合、ケイ素がSiFとしてフッ素と当量になるように、第1工程を行う前の排水にケイ素化合物、例えば、ケイ酸ナトリウム(NaSiO)を添加することが好ましい。
表4は、ケイ素がSiFとしてフッ素と当量になるように第1工程を行う前の排水にケイ酸ナトリウムを添加したのち、第1・第2工程を行ってケイフッ化ナトリウムを析出・除去し、その後、第3・第4工程を行った場合(前処理組合せ)と、排水にカルシウムを添加する凝集沈殿処理のみを行った場合(直接Ca凝沈)との汚泥生成量(g-汚泥生成量/フッ素6モル)の比較計算結果を示す表である。フッ素およびケイ素を含む排水(原水)中のケイ素濃度(フッ素6モルに対する排水(原水)中のSi含有割合)が、ゼロの場合(0%)〜フッ素と当量含まれる場合(100%)について、10%きざみで比較計算を行った。
なお、表4の左欄において、例えば、100[%]とは、フッ素6モルに対してケイ素1モルの場合を示す。また、本発明に係る「前処理組合せ」における汚泥生成量の計算においては、表2に示したようにフッ化カルシウムおよびシリカの生成量は少ないためこれらの生成量は無視し、すべてケイフッ化ナトリウムとして析出するものとして計算した。また、汚泥生成量は水分込みの実生成量である。ケイフッ化ナトリウム、フッ化カルシウム、およびシリカの含水率は、それぞれ、40%、40%、および80%とした。
第1工程を行う前の排水中のケイ素がSiFとしてフッ素に対して当量未満の含有量であった場合、ケイ素がSiFとしてフッ素と当量になるように、第1工程を行う前の排水にケイ素化合物を添加することにより、添加したケイ素分だけ汚泥生成量は増加するが、表4からわかるように、それでもなお、直接Ca凝沈処理に比して汚泥生成量は減少する。
処理対象である排水中のケイ素がSiFとしてフッ素に対して当量未満の含有量であった場合、あらかじめ、ケイ素がSiFとしてフッ素と当量になるようにケイ素化合物を排水に添加しておくことで、ケイフッ化ナトリウムとしてのフッ素汚泥生成量が増加し、後段のフッ化カルシウムとしてのフッ素汚泥生成量は減少する。その結果、生成する汚泥の量を全体として削減できる。
(中性またはアルカリ性の排水の場合)
前記した実施形態では、フッ素およびケイ素を含む処理前の排水が酸性であることを前提としている。フッ素およびケイ素を含む処理前の排水が中性またはアルカリ性である場合には、当該排水に塩酸などの酸を加えて一旦酸性とすることでフッケイ酸を生成させた後、第1反応槽1においてアルカリ性ナトリウム化合物を添加してケイフッ化ナトリウムを析出させる。以降の処理工程は、前記した第2〜第4工程のとおりである。
ここで、排水に酸を加えて一旦酸性とすることでフッケイ酸を生成させる手段(フッケイ酸生成手段)としては、酸を添加する装置(不図示)をさらに付属する第1反応槽1を挙げることができる。なお、図1に示した第1反応槽1の上流側に、第1反応槽1(攪拌機を備える槽)と同様の反応槽(フッケイ酸生成槽(フッケイ酸生成手段に相当する))を設け、当該反応槽(フッケイ酸生成槽)に塩酸などの酸を添加する構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
1:第1反応槽
2:第1沈殿槽
3:第2反応槽
4:第2沈殿槽
100:排水処理設備

Claims (5)

  1. フッ素およびケイ素を含む排水にカルシウム化合物を添加して当該排水を凝集沈殿処理する排水処理の前処理方法であって、
    前記排水に水酸化ナトリウムを添加してケイフッ化ナトリウムを析出させる第1工程と、
    前記第1工程により析出したケイフッ化ナトリウムを固液分離して除去する第2工程と、
    を備える、フッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法。
  2. 前記第1工程において、前記排水中のフッケイ酸に対して当量以上の水酸化ナトリウムを添加することを特徴とする、請求項1に記載のフッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法。
  3. フッ素およびケイ素を含む中性またはアルカリ性の排水に酸を加えて酸性とすることでフッケイ酸を生成させた後、請求項1または2に記載の処理を行うことを特徴とする、排水の前処理方法。
  4. フッ素およびケイ素を含む排水にカルシウム化合物を添加して当該排水を凝集沈殿処理するための排水処理設備であって、
    前記排水に水酸化ナトリウムを添加してケイフッ化ナトリウムを析出させる第1析出手段と、
    前記第1析出手段の下流側に設置され、析出した前記ケイフッ化ナトリウムを固液分離して除去する第1除去手段と、
    前記第1除去手段の下流側に設置され、当該第1除去手段からの分離液にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムおよびケイ素化合物を析出させる第2析出手段と、
    前記第2析出手段の下流側に設置され、析出した前記フッ化カルシウムおよびケイ素化合物を固液分離して除去する第2除去手段と、
    を備える、排水処理設備。
  5. フッ素およびケイ素を含む中性またはアルカリ性の排水に酸を加えて酸性とすることでフッケイ酸を生成させた後、前記第1析出手段において、当該排水に水酸化ナトリウムを添加してケイフッ化ナトリウムを析出させることを特徴とする、請求項4に記載の排水処理設備。
JP2011085713A 2011-04-07 2011-04-07 フッ素およびケイ素を含む排水の前処理方法、およびフッ素およびケイ素を含む排水の処理設備 Active JP5464374B2 (ja)

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