JP2016059886A - フッ素及びケイ素を含む排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フッ素及びケイ素を含む排水から高純度のフッ化カルシウムとしてフッ素を高回収率で回収すること。
【解決手段】フッ素及びケイ素を含む排水を処理する方法であって、フッ素及びケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加すると共に、pHを2以上6未満に調整してケイフッ化カリウムを析出させる第1反応工程と、前記第1反応工程で析出したケイフッ化カリウムを固液分離する第1固液分離工程と、前記第1固液分離工程で得られた分離液にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを析出させる第2反応工程と、前記第2反応工程で得られたフッ化カルシウムを固液分離する第2固液分離工程とを備えるフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
【選択図】図1
【解決手段】フッ素及びケイ素を含む排水を処理する方法であって、フッ素及びケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加すると共に、pHを2以上6未満に調整してケイフッ化カリウムを析出させる第1反応工程と、前記第1反応工程で析出したケイフッ化カリウムを固液分離する第1固液分離工程と、前記第1固液分離工程で得られた分離液にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを析出させる第2反応工程と、前記第2反応工程で得られたフッ化カルシウムを固液分離する第2固液分離工程とを備えるフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、フッ素およびケイ素を含む排水から、フッ素をフッ化カルシウムとして回収する排水処理方法に関する。
半導体デバイス製造工場、液晶ディスプレイ製造工場及び太陽電池製造工場などではシリコン基板やガラス基板の洗浄工程及びエッチング工程においてフッ化水素酸と塩酸や硝酸との混酸が多量に使用されている。これに伴ってフッ素及びケイ素を含む排水が増加している。
特許文献1にはフッ素を含む排水に水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )を加えて、フッ化カルシウムを含む汚泥を生成させ、この汚泥を分離することにより排水を処理することが記載されている。
特許文献2には、排水がフッ素と共にケイ素を含む場合には、前記特許文献1記載の方法ではフッ化カルシウム(CaF2)とシリカ(SiO2)とを含む汚泥が生成し、シリカ(SiO2)は脱水しても含水率が高く、また、酸素を含むため汚泥の量が多くなってしまうことに鑑みて、汚泥の生成量を低減する方法が提案されている。
特許文献2に記載の方法を図2に基づいて説明する。排水処理装置20は、処理工程の上流側から順に、第1反応槽21、第1沈殿槽22、第2反応槽23、および第2沈殿槽24を備えている。
第1反応槽21では、フッ素およびケイ素を含む排水に水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)を析出させる。第1沈殿槽22では、第1反応槽で析出したケイフッ化ナトリウムを槽底に沈殿させた後、槽底からケイフッ化ナトリウム汚泥を抜き出す。第2反応槽23では、第1沈殿槽22でケイフッ化ナトリウムが除去された排水に水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加してフッ化カルシウム(CaF2)およびシリカ(SiO2)を析出させる。
第2反応槽23で得られた反応液体(排水)は第2沈殿槽24に送られフッ化カルシウムおよびシリカを含有する汚泥を槽底に沈殿させた後、槽底から汚泥を抜き出す。
第1反応槽21では、フッ素およびケイ素を含む排水に水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)を析出させる。第1沈殿槽22では、第1反応槽で析出したケイフッ化ナトリウムを槽底に沈殿させた後、槽底からケイフッ化ナトリウム汚泥を抜き出す。第2反応槽23では、第1沈殿槽22でケイフッ化ナトリウムが除去された排水に水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加してフッ化カルシウム(CaF2)およびシリカ(SiO2)を析出させる。
第2反応槽23で得られた反応液体(排水)は第2沈殿槽24に送られフッ化カルシウムおよびシリカを含有する汚泥を槽底に沈殿させた後、槽底から汚泥を抜き出す。
この方法は、フッ素およびケイ素を含む排水にカルシウム化合物を添加して当該排水を凝集沈殿処理する際に、前処理として、アルカリ性ナトリウム化合物を排水に添加して、予めケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)としてケイ素およびフッ素を析出させることにより、カルシウム化合物を添加した際に生成されるフッ化カルシウム(CaF2)とシリカ(SiO2)の析出量を少なくするというものである。
ところで、我が国ではフッ酸等のフッ素化合物を製造する原料となる蛍石(フッ化カルシウム)がほとんど産出されないため、蛍石を輸入に依存している。フッ酸製造には高純度の蛍石が必要とされるが高純度の蛍石は値段が高いため製造コストが高くなる。このためフッ素を含む廃棄物などからケイ素化合物含有量の少ないフッ酸製造原料を回収する技術が強く求められている。
そこで、前記の半導体デバイス製造工場等から排出される排水処理によって発生するフッ化カルシウムについてもこれをフッ素源として再資源化することが求められている。
特許文献2記載の方法で得られものはフッ化カルシウム(CaF2)中にシリカ(SiO2)が混入しており、CaF2からフッ酸を製造する工程で支障をきたすため有効利用できなかった。
特許文献2記載の方法で得られものはフッ化カルシウム(CaF2)中にシリカ(SiO2)が混入しており、CaF2からフッ酸を製造する工程で支障をきたすため有効利用できなかった。
特許文献3には、フッ素及びケイ素を含む排水を希釈して、該排水中のケイ素濃度をSiO2として500mg/リットル以下に調整し、pH4.5〜8.5において水溶性カルシウム化合物を反応させることによってフッ素含有率の高い高純度汚泥を生成させることが記載されている。
特許文献4には、特許文献3に記載されている方法では排水をあらかじめ希釈するため排水量が増大し、排水処理装置の設置スペース、製造コスト、維持管理コストなどが多大になるという問題があることに鑑み、この問題を解決する方法が提案されている。
特許文献4に記載の方法は、まず、フッ素およびケイ素を含む排水にアルカリを添加してpHを6以上とすることによって廃水中のフッケイ酸(H2SiF6)の分解を促進してケイ素をケイ酸ナトリウムとして排水中に析出させて分離し、次いで得られた分離液に水溶性カルシウムを添加してフッ化カルシウムとして析出させ、高純度のフッ化カルシウムとしてフッ素を高回収率で回収するというものである。
特許文献4に記載の方法は、まず、フッ素およびケイ素を含む排水にアルカリを添加してpHを6以上とすることによって廃水中のフッケイ酸(H2SiF6)の分解を促進してケイ素をケイ酸ナトリウムとして排水中に析出させて分離し、次いで得られた分離液に水溶性カルシウムを添加してフッ化カルシウムとして析出させ、高純度のフッ化カルシウムとしてフッ素を高回収率で回収するというものである。
特許文献4に記載された方法では、排水にアルカリを添加して排水中に含まれるフッケイ酸(H2SiF6)の分解を促進してアルカリ金属ケイ酸塩(Na2SiO3又はK2SiO3)としてケイ素分を分離している。しかしながら、Na2SiO3は比較的水によく溶けるためCaF2析出工程においてCaF2析出物にケイ素分が移行するという問題があり、これはK2SiO3についても同様である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、フッ素及びケイ素を含む排水から高純度のフッ化カルシウムとしてフッ素を高回収率で回収することができる技術を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、フッ素およびケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加して当該排水中に存在するフッケイ酸(H2SiF6)をケイフッ化カリウム(K2SiF6)として析出させて分離した後、分離液にカルシウム化合物を添加してフッ素をフッ化カルシウム(CaF2)として回収することにより、前記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の記載する通りのフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法に係る。
(1)フッ素及びケイ素を含む排水を処理する方法であって、
フッ素及びケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加すると共に、pHを2以上6未満に調整してケイフッ化カリウムを析出させる第1反応工程と、
前記第1反応工程で析出したケイフッ化カリウムを固液分離する第1固液分離工程と、
前記第1固液分離工程で得られた分離液にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを析出させる第2反応工程と、
前記第2反応工程で得られたフッ化カルシウムを固液分離する第2固液分離工程と
を備えるフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
(2)前記第2反応工程においてpH調整のために水酸化ナトリウムを添加することを特徴とする(1)に記載のフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
(3)前記第2固液分離工程で得られたフッ化カルシウムケーキを水酸化ナトリウム溶液及び/又は温水で洗浄する洗浄工程を備えたことを特徴とする(1)または(2)に記載のフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
(1)フッ素及びケイ素を含む排水を処理する方法であって、
フッ素及びケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加すると共に、pHを2以上6未満に調整してケイフッ化カリウムを析出させる第1反応工程と、
前記第1反応工程で析出したケイフッ化カリウムを固液分離する第1固液分離工程と、
前記第1固液分離工程で得られた分離液にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを析出させる第2反応工程と、
前記第2反応工程で得られたフッ化カルシウムを固液分離する第2固液分離工程と
を備えるフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
(2)前記第2反応工程においてpH調整のために水酸化ナトリウムを添加することを特徴とする(1)に記載のフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
(3)前記第2固液分離工程で得られたフッ化カルシウムケーキを水酸化ナトリウム溶液及び/又は温水で洗浄する洗浄工程を備えたことを特徴とする(1)または(2)に記載のフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
本発明の排水の処理方法によれば、フッ素及びケイ素を含む排水からケイ素含有量の少ない高品位のフッ化カルシウムを高い収率で回収することができる。
本発明のフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法は、以下に記載する第1反応工程、第1固液分離工程、第2反応工程及び第2固液分離工程を含む。
次の工程を含む。
次の工程を含む。
(1)第1反応工程
第1反応工程では、フッ素及びケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加し、pHを2以上6未満に調整してケイフッ化カリウム(K2SiF6)を析出させる。
前記カリウム化合物としてはKCl、KOH、製塩工程で発生する晶析ブロー水、にがり等を挙げることができる。
本工程における反応を反応式で示すと以下の通りである。
SiF6 2− + 2KCl → K2SiF6↓ + 2Cl−
または
SiF6 2− + 2KOH → K2SiF6↓ + 2OH−
第1反応工程では、フッ素及びケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加し、pHを2以上6未満に調整してケイフッ化カリウム(K2SiF6)を析出させる。
前記カリウム化合物としてはKCl、KOH、製塩工程で発生する晶析ブロー水、にがり等を挙げることができる。
本工程における反応を反応式で示すと以下の通りである。
SiF6 2− + 2KCl → K2SiF6↓ + 2Cl−
または
SiF6 2− + 2KOH → K2SiF6↓ + 2OH−
上記反応によって生成するケイフッ化カリウム(K2SiF6)は25℃における溶解度積Kspが8.6×10−7であり、25℃における溶解度は0.177[g/100g-H2O]である。
これに対し、ケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)の25℃における溶解度は0.75[g/100g-H2O]であり、ケイフッ化カリウム(K2SiF6)溶解度はケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)の溶解度の1/4程度である。
従って、ケイフッ化カリウムを析出させることにより、ケイフッ化ナトリウムを析出させる場合に比べてCaF2汚泥に移行するSiO2量を約70%削減できる。
これに対し、ケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)の25℃における溶解度は0.75[g/100g-H2O]であり、ケイフッ化カリウム(K2SiF6)溶解度はケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6)の溶解度の1/4程度である。
従って、ケイフッ化カリウムを析出させることにより、ケイフッ化ナトリウムを析出させる場合に比べてCaF2汚泥に移行するSiO2量を約70%削減できる。
(2)第1固液分離工程
第1固液分離工程においては、前記第1反応工程で析出したケイフッ化カリウムを固液分離装置で固液分離してケイフッ化カリウムを分離水から分離する。
固液分離手段としては、ろ過装置、フィルタープレス、遠心分離機等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
固液分離手段として遠心分離機とろ過装置とを組み合わせる場合には、遠心分離機で固液分離を行った後、ろ過装置で固液分離を行うことが好ましい。遠心分離機による分離はろ過装置による分離に比べて安価な固液分離が可能となるのでろ過装置の負荷を低減することができ、かつ、ろ過装置のみで固液分離する場合に比してろ過装置の維持管理費の負担を軽減することができる。
第1固液分離工程においては、前記第1反応工程で析出したケイフッ化カリウムを固液分離装置で固液分離してケイフッ化カリウムを分離水から分離する。
固液分離手段としては、ろ過装置、フィルタープレス、遠心分離機等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
固液分離手段として遠心分離機とろ過装置とを組み合わせる場合には、遠心分離機で固液分離を行った後、ろ過装置で固液分離を行うことが好ましい。遠心分離機による分離はろ過装置による分離に比べて安価な固液分離が可能となるのでろ過装置の負荷を低減することができ、かつ、ろ過装置のみで固液分離する場合に比してろ過装置の維持管理費の負担を軽減することができる。
(3)第2反応工程
第2反応工程においては前記第1固液分離工程において得られた分離液にカルシウム化合物を添加して分離液からフッ化カルシウムを析出させる。
カルシウム化合物としては、カルシウムイオンを遊離するものであればよく、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、および炭酸カルシウムなどを挙げることができる。また、必要に応じて反応液のpH値を調整するために、pH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリや、塩酸、硫酸などの酸を用いることができる。
カルシウム化合物として水酸化カルシウムを用いる場合には、水酸化カルシウムはカルシウム化合物とpH調整剤との両方を兼ねることができる。
第2反応工程においては前記第1固液分離工程において得られた分離液にカルシウム化合物を添加して分離液からフッ化カルシウムを析出させる。
カルシウム化合物としては、カルシウムイオンを遊離するものであればよく、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、および炭酸カルシウムなどを挙げることができる。また、必要に応じて反応液のpH値を調整するために、pH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリや、塩酸、硫酸などの酸を用いることができる。
カルシウム化合物として水酸化カルシウムを用いる場合には、水酸化カルシウムはカルシウム化合物とpH調整剤との両方を兼ねることができる。
反応系のpHは、pH4〜8.6の間に調整することが好ましい。
処理水の放流を考慮するとpH5.8〜8.6の間にpH調整することが好ましい。汚泥の凝集性 を高め、より高い処理水質を得ることを目的とする場合にはpHは4〜6.5程度とすることが好ましい。
また、排水やカルシウム化合物として添加される水酸化カルシウムにはアルミニウムなどの多価金属が含有されており、この多価金属の水酸化物がフッ化カルシウムの表面に析出し、フッ化カルシウムの成長を阻害して含水率の高い汚泥を生成する。アルカリを添加して反応系のpHを7〜10程度にするとフッ化カルシウム表面に吸着した水酸化アルミニウムなどの多価金属の水酸化物を溶解することができ、また、反応工程におけるフッ化カルシウム結晶の成長阻害を抑制してフッ化カルシウム粒子を大きく成長させることができ、含水率の低い汚泥が生成することができる。
処理水の放流を考慮するとpH5.8〜8.6の間にpH調整することが好ましい。汚泥の凝集性 を高め、より高い処理水質を得ることを目的とする場合にはpHは4〜6.5程度とすることが好ましい。
また、排水やカルシウム化合物として添加される水酸化カルシウムにはアルミニウムなどの多価金属が含有されており、この多価金属の水酸化物がフッ化カルシウムの表面に析出し、フッ化カルシウムの成長を阻害して含水率の高い汚泥を生成する。アルカリを添加して反応系のpHを7〜10程度にするとフッ化カルシウム表面に吸着した水酸化アルミニウムなどの多価金属の水酸化物を溶解することができ、また、反応工程におけるフッ化カルシウム結晶の成長阻害を抑制してフッ化カルシウム粒子を大きく成長させることができ、含水率の低い汚泥が生成することができる。
(4)第2固液分離工程
第2固液分離工程においては、前記第2反応工程で析出したフッ化カルシウムを固液分離装置で固液分離してフッ化カルシウムを分離水から分離する。
固液分離手段としては、ろ過装置、フィルタープレス、遠心分離機等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
第2固液分離工程においては、前記第2反応工程で析出したフッ化カルシウムを固液分離装置で固液分離してフッ化カルシウムを分離水から分離する。
固液分離手段としては、ろ過装置、フィルタープレス、遠心分離機等を単独でまたは組み合わせて使用することができる。
固液分離装置としては沈殿槽または凝集沈殿槽を用いることができる。
沈殿槽を用いる場合には、第2反応工程の反応液を沈殿槽に送ってフッ化カルシウムを沈殿槽の槽底に沈殿させた後、槽底からフッ化カルシウムを取り出し、沈殿槽の上澄みを処理排水として排出する。
また、凝集沈殿槽を用いる場合には、第2反応工程から排出される処理液にカルシウム化合物を添加して攪拌した後、凝集剤を添加して凝集沈殿処理を行う。前記カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、および炭酸カルシウムなどを用いることができる。また、前記凝集剤としては、例えばノニオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤などを用いることができる。
沈殿槽を用いる場合には、第2反応工程の反応液を沈殿槽に送ってフッ化カルシウムを沈殿槽の槽底に沈殿させた後、槽底からフッ化カルシウムを取り出し、沈殿槽の上澄みを処理排水として排出する。
また、凝集沈殿槽を用いる場合には、第2反応工程から排出される処理液にカルシウム化合物を添加して攪拌した後、凝集剤を添加して凝集沈殿処理を行う。前記カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸カルシウム、および炭酸カルシウムなどを用いることができる。また、前記凝集剤としては、例えばノニオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤などを用いることができる。
(5)洗浄工程
洗浄工程では前記第2固液分離工程で得られたフッ化カルシウムを水酸化ナトリウム溶液及び/又は温水で洗浄してフッ化カルシウムの表面に付着している不純物を除去し、フッ化カルシウムの純度を高める。この洗浄工程は必要に応じて付加される工程である。
洗浄工程では前記第2固液分離工程で得られたフッ化カルシウムを水酸化ナトリウム溶液及び/又は温水で洗浄してフッ化カルシウムの表面に付着している不純物を除去し、フッ化カルシウムの純度を高める。この洗浄工程は必要に応じて付加される工程である。
本発明を実施するための形態を図1に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法を実施するための装置の配置例を示す図である。
排水処理装置10は、処理工程の上流側から順に、第1反応装置11、第1固液分離装置12、第2反応装置13、および第2固液分離装置14をこの順に備えている。
第1反応装置11及び第2反応装置13はそれぞれ攪拌機を備えている。
以下では、カルシウム化合物として水酸化カリウム(KOH)を使用し、カルシウム化合物として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を用いた場合を例にとって説明する。
図1は、本発明に係るフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法を実施するための装置の配置例を示す図である。
排水処理装置10は、処理工程の上流側から順に、第1反応装置11、第1固液分離装置12、第2反応装置13、および第2固液分離装置14をこの順に備えている。
第1反応装置11及び第2反応装置13はそれぞれ攪拌機を備えている。
以下では、カルシウム化合物として水酸化カリウム(KOH)を使用し、カルシウム化合物として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を用いた場合を例にとって説明する。
(第1反応工程)
第1反応工程を行う第1反応装置11内のフッ素およびケイ素を含む排水にカリウム化合物を投入して排水を攪拌する。
このとき、反応系をpH2以上6未満に調整すると、フッ素およびケイ素は、排水中にフッケイ酸(H2SiF6)の状態で存在する。フッ素およびケイ素を含む排水に水酸化カリウムを添加して攪拌すると、ケイ素はフッケイ酸カリウム(K2SiF6)として排水中に析出してくる。
第1反応工程を行う第1反応装置11内のフッ素およびケイ素を含む排水にカリウム化合物を投入して排水を攪拌する。
このとき、反応系をpH2以上6未満に調整すると、フッ素およびケイ素は、排水中にフッケイ酸(H2SiF6)の状態で存在する。フッ素およびケイ素を含む排水に水酸化カリウムを添加して攪拌すると、ケイ素はフッケイ酸カリウム(K2SiF6)として排水中に析出してくる。
(第1固液分離工程)
第1固液分離工程を行う第1固液分離装置12では、第1反応工程で排水中に析出したフッケイ酸カリウム(K2SiF6)を固液分離しフッケイ酸カリウム(K2SiF6)を汚泥として排出する。
第1固液分離工程を行う第1固液分離装置12では、第1反応工程で排水中に析出したフッケイ酸カリウム(K2SiF6)を固液分離しフッケイ酸カリウム(K2SiF6)を汚泥として排出する。
(第2反応工程)
第1固液分離装置12において固液分離された分離液は第2反応工程を実施する第2反応装置13に送られる。
第2反応装置13では、第1固液分離装置12から送られてくる分離液に水酸化カルシウムを添加して、フッ素をフッ化カルシウムとして析出させる。
第1固液分離装置12において固液分離された分離液は第2反応工程を実施する第2反応装置13に送られる。
第2反応装置13では、第1固液分離装置12から送られてくる分離液に水酸化カルシウムを添加して、フッ素をフッ化カルシウムとして析出させる。
(第2固液分離工程)
第2固液分離工程を行う第2固液分離装置12では、第2反応装置で排水中に析出したフッ化カルシウム(CaF2)を固液分離してフッ化カルシウム(CaF2)を汚泥として排出し、分離液は処理水として排出する。
第2固液分離工程を行う第2固液分離装置12では、第2反応装置で排水中に析出したフッ化カルシウム(CaF2)を固液分離してフッ化カルシウム(CaF2)を汚泥として排出し、分離液は処理水として排出する。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す処理フローでフッ素及びケイ素を含有する排水を処理した。
原水水質は以下の通りとした。
純水にHFおよびH2SiF6 を溶解してフッ素濃度15000mg/リットルの原液を調製した。
この原液のSiO2 濃度をモリブデン青法により分析した結果、790mg/リットルであった。
第1反応装置11および第2反応装置13の容量は各20L、第1固液分離装置12としては沈殿分離を用い、第2固液分離装置としてはフィルタープレスを用いた。
第1反応装置11に添加するカリウム化合物としては水酸化カリウムを用い、第1反応装置11の処理水のpH、フッ化物イオン濃度及びSiO2濃度が表1に示す値となるようにKOHを添加し、ケイ素をケイフッ化カリウム(K2SiF6)として析出させた。
第2反応装置13に添加するカルシウム化合物としては水酸化カルシウムを用い、また、pH調整剤として水酸化ナトリウムを用い、第2反応装置の処理水のpH、フッ化物イオン濃度及びSiO2濃度が表1に示す値となるようにCa(OH)2を添加しフッ化カルシウム(CaF2)を析出させた。
図1に示す処理フローでフッ素及びケイ素を含有する排水を処理した。
原水水質は以下の通りとした。
純水にHFおよびH2SiF6 を溶解してフッ素濃度15000mg/リットルの原液を調製した。
この原液のSiO2 濃度をモリブデン青法により分析した結果、790mg/リットルであった。
第1反応装置11および第2反応装置13の容量は各20L、第1固液分離装置12としては沈殿分離を用い、第2固液分離装置としてはフィルタープレスを用いた。
第1反応装置11に添加するカリウム化合物としては水酸化カリウムを用い、第1反応装置11の処理水のpH、フッ化物イオン濃度及びSiO2濃度が表1に示す値となるようにKOHを添加し、ケイ素をケイフッ化カリウム(K2SiF6)として析出させた。
第2反応装置13に添加するカルシウム化合物としては水酸化カルシウムを用い、また、pH調整剤として水酸化ナトリウムを用い、第2反応装置の処理水のpH、フッ化物イオン濃度及びSiO2濃度が表1に示す値となるようにCa(OH)2を添加しフッ化カルシウム(CaF2)を析出させた。
第2固液分離装置で分離された汚泥中のCaF2 含有量(CaF2純度)はフッ素蒸留分離−トリウム滴定法(JIS K1468のウイラード/ウインター法)で分析すると共に、収率として原水および処理水のフッ素濃度からフッ素の回収率を求め、結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、第1反応装置にKOHに代えてNaOHを添加し、第1反応装置の反応系のpHを2.2として、ケイ素をケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として析出させたことを除いて実施例1と同様にして排水を処理した。
実施例1と同様に汚泥を分析した結果を表1に示す。
実施例1において、第1反応装置にKOHに代えてNaOHを添加し、第1反応装置の反応系のpHを2.2として、ケイ素をケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として析出させたことを除いて実施例1と同様にして排水を処理した。
実施例1と同様に汚泥を分析した結果を表1に示す。
表1に示された結果から、第1反応装置においてKOHを添加してケイ素をケイフッ化カリウム(K2SiF6)として析出させた実施例の汚泥は、第1反応装置においてNaOHを添加してケイ素をケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として析出させた比較例の汚泥に比べて、CaF2汚泥の純度は高いものとなった。
10:排水処理装置
11:第1反応装置
12:第1固液分離装置
13:第2反応装置
14:第2固液分離装置
20:排水処理装置
21:第1反応槽
22:第1沈殿槽
23:第2反応槽
24:第2沈殿槽
11:第1反応装置
12:第1固液分離装置
13:第2反応装置
14:第2固液分離装置
20:排水処理装置
21:第1反応槽
22:第1沈殿槽
23:第2反応槽
24:第2沈殿槽
Claims (3)
- フッ素及びケイ素を含む排水を処理する方法であって、
フッ素及びケイ素を含む排水にカリウム化合物を添加すると共に、pHを2以上6未満に調整してケイフッ化カリウムを析出させる第1反応工程と、
前記第1反応工程で析出したケイフッ化カリウムを固液分離する第1固液分離工程と、
前記第1固液分離工程で得られた分離液にカルシウム化合物を添加してフッ化カルシウムを析出させる第2反応工程と、
前記第2反応工程で得られたフッ化カルシウムを固液分離する第2固液分離工程と
を備えるフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。 - 前記第2反応工程においてpH調整のために水酸化ナトリウムを添加することを特徴とする請求項1に記載のフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
- 前記第2固液分離工程で得られたフッ化カルシウムを水酸化ナトリウム溶液及び/又は温水で洗浄する洗浄工程を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素及びケイ素を含む排水の処理方法。
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JP2014190798A JP2016059886A (ja) | 2014-09-19 | 2014-09-19 | フッ素及びケイ素を含む排水の処理方法 |
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US10437399B2 (en) | 2015-03-31 | 2019-10-08 | Fujifilm Corporation | Conductive film, display device having the same, and method of evaluating conductive film |
JP7422534B2 (ja) | 2019-12-23 | 2024-01-26 | オルガノ株式会社 | フッ化カルシウム回収装置及びフッ化カルシウム回収方法 |
-
2014
- 2014-09-19 JP JP2014190798A patent/JP2016059886A/ja active Pending
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