JP2018058748A - アルミニウム化合物溶液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルミニウムを含有するアルカリ排水から、凝集剤や各種反応薬剤、特にホウフッ化物の分解に用いられるアルミニウム化合物溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】
酸濃度が1.0〜3.0mol/Lの範囲にある酸溶液を保持した槽に、アルミニウムを含有するアルカリ排水を30分以上かけてpH4〜8になるように添加して水酸化アルミニウムを回収し、その回収物に塩酸及び/又は硫酸を混合することによりアルミニウム化合物溶液を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウムを含有するアルカリ排水から、凝集剤や各種反応薬剤、特にホウフッ化物の分解に用いられる薬剤としての、アルミニウム化合物溶液を製造する方法に関する。
従来、アルミニウム加工の分野において、製品の表面処理や金型・治具の洗浄に大量のアルカリ薬液が用いられ、使用済みのアルカリ薬液はアルミニウム含有アルカリ排水として排出されている。
このアルカリ排水のうち、アルカリ濃度が高く、また、アルミニウム含有量が低い排水に関しては、中和薬剤等として広く活用されている。しかしながら、アルミニウム含有量が高い排水については中和薬剤等として用いると、反応液の粘度が上昇し、目的とする反応が行えないばかりか、反応液がゲル化をおこし十分な液撹拌ができない、除熱を円滑に行えないなど安全性にも支障をおこしていた。しかも、反応後大量の汚泥が発生するためその処分に大きなコストが生じていた。このため、アルミニウムを多く含有するアルカリ廃液については有効に活用することができず、産業廃棄物として安定化処理後に埋め立て処分することがほとんどであった。
近年、資源リサイクルの観点から、アルミニウム含有アルカリ排水中のアルミニウムを抽出して、有益な化合物を得るための提案がなされている。たとえば、特許文献1に記載されるように、エッチングプロセスにおいてアルミニウムを含有するアルカリ廃液を連続的に抜き出し、そこに水酸化アルミニウムの結晶を添加することでアルミン酸イオンを加水分解し、固液分離することで水酸化アルミニウムを回収するとともに液をエッチング工程に戻す方法が提案されている。
この方法によれば、アルミニウム含有アルカリ廃液の中和工程を経ないため液のゲル化を抑えることが可能であるが、加水分解反応に時間がかかり生産性に問題があった。さらに、生成する水酸化アルミニウムの結晶粒が大きいため、他のアルミニウム化合物の原料として使用する場合の反応性が乏しくなる問題があった。
また、特許文献2には、水酸化アルミニウムを含む廃溶液に中和剤を加えて中和した後凝集し、さらに水酸化アルミニウムの種結晶を加えて連続的に水酸化アルミニウムの結晶を得る方法が提案されている。
この方法によれば、連続的に水酸化アルミニウムの結晶を得ることができるが、ゲル化を抑制するために溶液中のアルミニウム濃度を低下させて中和反応を行うことが必要であり、さらに、水酸化アルミニウムの種結晶をもとに水酸化アルミニウムの結晶化を促進することから、他のアルミニウム化合物の原料として使用する場合の反応性が乏しくなる問題があった。
一方、アルミニウム化合物の用途として排水中に含まれるホウフッ化物の分解薬剤としての利用がある。ホウフッ化物は、ホウケイ酸ガラス等のフッ化水素酸によるエッチングによって発生するイオンであり、極めてイオン安定性が高いため、ホウフッ化物を含有する排水を処理するためには、ホウフッ化物を分解し、フッ素およびホウ素を別々に処理する必要がある。その分解薬剤として、硫酸アルミニウム・塩化アルミニウムあるいはポリ塩化アルミニウムなどのアルミニウム化合物が用いられている。また、これらの化合物は、水処理における無機凝集剤として広く使用され、安価な製造方法が求められている。
これら硫酸アルミニウムあるいは塩化アルミニウムは、一般的にバイヤー法で製造された結晶水酸化アルミニウムに酸を反応させることで製造されている。例えば、特許文献3にはバイヤー法で得られた水酸化アルミニウムを原料とし、硫酸または塩酸に加熱溶解することでアルミニウム化合物溶液を製造する方法が提案されている。
この方法によれば、高純度な水酸化アルミニウムを原料としてアルミニウム化合物溶液を製造するために、不純物濃度が低いアルミニウム化合物溶液を得ることができる。しかしながら、バイヤー法で製造される水酸化アルミニウムは結晶性が高いため、硫酸または塩酸に溶解させるためには、反応温度を上げる、あるいは、反応時間を長くする必要があるなど、生産性に問題があった。
特開昭47−042436号公報 特開2005−272210号公報 特開2006−045053号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、アルミニウム含有量が高いアルカリ排水を処理することで、排水中に含まれるアルミニウムを抽出して、排水中に含まれるホウフッ化物を分解する薬剤や工場排水等の凝集剤であるアルミニウム化合物溶液を製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、酸にアルミニウム含有量が高いアルカリ排水を添加してアルミニウム化合物を分離し、そのアルミニウム化合物と塩酸及び/又は硫酸を反応させることで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、アルミニウムを含有するアルカリ排水において、
(1)酸濃度が1.0〜3.0mol/Lの範囲にある酸溶液を保持した槽に、当該排水を30分以上の時間をかけて添加し、pH4〜8になるように中和することで水酸化アルミニウムを析出させた後固液分離する第1工程
(2)(1)で分離した固体と塩酸および/又は硫酸を混合することにより塩化アルミニウムおよび/又は硫酸アルミニウムを合成する第2工程
からなる、アルミニウム化合物溶液の製造方法である
この構成によれば、第1工程において酸性領域で水酸化アルミニウムの析出反応を行うことができ、さらに、添加時間を調整することによって、反応液中に溶解しているアルミン酸イオンの量を上げることなく反応が行えるためゲル化を起こすことなく水酸化アルミニウムを得ることができる。また、第1工程の終点pHを酸側にすることで、用いる酸やアルカリ排水中に他の金属イオンが含まれていた場合でも、これらの金属塩や金属水酸化物が析出することを抑制できるため、最終的に得られるアルミニウム化合物溶液の純度を向上させることが可能となる。
第1工程で得られた固体は、第2工程で塩酸及び/又は硫酸と混合することで溶解し、アルミニウム化合物溶液を得ることができる。特に、第1工程で得られた固体はバイヤー法で製造される場合と異なり結晶化度が低いため、反応性に富み、常温で速やかに反応が進行する。
第1工程で用いられる酸は、塩酸、硫酸および硝酸といった鉱酸や、酢酸・シュウ酸およびパラトルエンスルホン酸等の有機酸から選ばれる少なくとも一つの酸であることが望まれる。これらの酸は副生物や再使用物、あるいは廃棄物であってもかまわない。これらの酸に不純物が含まれている場合は、第1工程の終点pHを調整することで析出する水酸化アルミニウム中の不純物濃度を低下させることが可能となる。これらの酸のうち、反応液の処理や処分を考えると、塩酸・硫酸あるいは生分解性の高い有機酸を用いることが望ましい。
これらの酸を使用することで、アルミン酸イオンとの反応が速やかに行われ、反応液中に溶解しているアルミニウム量を抑えることが可能となりゲル化を抑制できるとともに、アルカリ排水中に含まれるアルミニウムの大半を水酸化アルミニウムとして回収することが可能となる。
さらに、本発明で、第2工程において、製造されたアルミニウム化合物溶液の一部を水酸化アルミニウムの分散媒として用いて塩酸及び/又は硫酸を混合することが好ましい。
第2工程において製造されたアルミニウム化合物溶液の一部を返送し、水酸化アルミニウムの分散媒とすることで反応成分が希釈され、水酸化アルミニウムと塩酸及び/又は硫酸の反応の際に発生する熱を制御することが可能となり、安全に反応を行うことができる。さらに、あらかじめ水酸化アルミニウムが分散していることで塩酸及び/又は硫酸との接触が円滑に行われることから反応性が向上する。
また、本発明におけるアルカリ排水中のアルミニウム含有量は2wt%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、4wt%以上である。
アルカリ排水中のアルミニウム含有量が2wt%未満の場合、反応1回あたりに得られる水酸化アルミニウムの量が少なくなるばかりか、アルミニウム含有量が低いアルカリ排水は、一般的にアルカリ濃度が高くなる傾向があるため、中和に必要な酸が大量に必要となりコストアップの要因となる。より効率的に製造を行うためには、4wt%以上アルミニウムを含有していることが望まれる。
また、本発明ではアルミニウム化合物溶液がホウフッ化物の分解に用いられるものである。
本発明のアルミニウム化合物溶液はその製造過程から、ネットワーク構造をとりにくいと考えられる。このため、本発明によるアルミニウム化合物溶液をホウフッ化物含有排水に添加した場合、水処理にかかわる薬品として一般に用いられている、ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウムと比較して速い速度で拡散するため、ホウフッ化物の分解速度を向上させることが可能となる。
本発明のアルミニウム化合物溶液でホウフッ化物を分解した後の排水は、従来公知の方法で処理することが可能であるが、カルシウム化合物と反応させて処理するプロセスにおいては、生成する沈殿量を抑制できるため、第2工程として塩酸を用いるほうが好ましい。
本発明による方法によれば、従来再利用が困難であったアルミニウム濃度が高かったり、シリコン等の不純物が含まれるアルミニウム含有アルカリ排水や、鉄等の金属イオンを含む廃酸を用いても、アルミニウム化合物溶液として再生することができる。得られたアルミニウム化合物溶液は難分解性化合物であるホウフッ化物イオンの分解剤として利用できるだけでなく、排水処理における凝集剤として用いることが可能となる。
本発明に係る、アルミニウムを含有するアルカリ廃液からアルミニウム化合物溶液の製造方法の一実施形態を示す処理フロー図である 本発明の製造方法に係る第1工程の一実施形態を示す処理フロー図である 本発明の製造方法に係る第2工程の一実施形態を示す処理フロー図である 本発明の製造方法に係る第2工程の別の実施形態を示す処理フロー図である 本発明によるアルミニウム化合物溶液によるHBFの分解率を示した図である
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明はアルミニウム含有のアルカリ廃液について、第1工程として特定の酸濃度の酸を保持した槽に当該排水を一定以上の時間をかけて投入することで水酸化アルミニウムを析出させた後固液分離を行う。次いで第2工程として、第1工程で得られた固体に、塩酸または硫酸を添加して溶解することでアルミニウム化合物溶液を得るものである。
(第1工程)
図2に示すように、第1工程においては、特定の酸濃度を示す溶液を保持した反応槽1に、アルミニウム含有アルカリ排水を供給し中和反応を行うことで、水酸化アルミニウムを析出させる。反応液は固液分離装置で固体と液体に分離され、液体は含有する成分と量を確認し再利用または廃液として適正処理を行う。固形分は洗浄後第2工程へ移送される。なお固液分離装置としては、一般的に使用されるものであれば特に制限を受けないが、フィルタープレス、遠心分離機、スクリューデカンターやシックナーなど、反応液の性状にあわせて適宜選択することができる。
(第2工程)
図3に示すように、第2工程では第1工程で得られた水酸化アルミニウムからなる固形物を反応槽2に供給するとともに、塩酸または硫酸を添加する。反応槽2に投入する順は限定されないが、図4に示すようにあらかじめ製造されたアルミニウム化合物溶液を第1工程で得られた水酸化アルミニウムの分散媒として使用することも可能である。この場合、反応槽2に第1工程で得られた水酸化アルミニウムとともに、アルミニウム化合物溶液を添加して撹拌し、そののち塩酸または硫酸を添加することで反応を行うことができる。アルミニウム化合物溶液の添加割合は水酸化アルミニウムの分散状態と生産性を鑑みて適宜選択することが可能であるが、最終反応液量の1/4〜1/2を目安とすることができる。アルミニウム化合物溶液の量が最終反応液量の1/4よりも少ないと水酸化アルミニウムを分散させることが困難であり添加効果に欠け、最終反応液量の1/2よりも多い場合は1回当たりで製造できるアルミニウム化合物溶液の量が少なくなるため、生産性に問題を及ぼす可能性がある。
これら2つの工程によって得られたアルミニウム化合物溶液は、そのままあるいは希釈してホウフッ化物分解剤や凝集剤として用いることが可能になる。
以下実施例で本発明をより具体的に説明する。なお本発明は以下の実施例の記載によって限定されるものではない。
・工程1
1000mL容ビーカーに硫酸濃度6.9wt%(酸濃度=1.5mol/L)に希釈した希硫酸400gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が7.8wt%、NaOH濃度が5.7wt%のアルミニウム含有アルカリ排水106gを60分かけて定量的に上記希硫酸へ添加した。反応液のpHが6になれば添加を止め、減圧濾過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(1)(含水率73.6wt%,Al=31.6wt%(dryベース))122gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(1)110gを準備し、卓上撹拌機を挿入する。このビーカーに35%塩酸110gを添加し、180分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(1)(Al=4.7wt%)220gを得た。なお、この際の最高温度は70℃であり、初期温度からの温度変化は44℃であった。
・工程1
1000mL容ビーカーに硫酸濃度6.9wt%(酸濃度=1.5mol/L)に希釈した希硫酸400gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が7.8wt%、NaOH濃度が5.7wt%のアルミニウム含有アルカリ排水106gを60分かけて定量的に上記希硫酸へ添加した。反応液のpHが6になれば添加を止め、減圧濾過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(2)(含水率74.2wt%,Al=31.8wt%(dryベース))125gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(2)100gと実施例1で得たアルミニウム化合物溶液(1)(Al=4.7wt%)200gを準備し、卓上撹拌機を挿入、アルミニウム化合物が分散するまで約30分攪拌する。このビーカーに35%塩酸100gを添加し、120分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(2)(Al=4.8wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は45.0℃であり、初期温度からの温度変化は17.1℃であった。
・工程1
500mL容ビーカーに硫酸濃度12.0wt%(酸濃度=2.6mol/L)に希釈した希硫酸200gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が7.8wt%、NaOH濃度が5.7wt%のアルミニウム含有アルカリ排水93gを60分かけて定量的に上記希硫酸へ添加した。反応液のpHが6になれば添加を止め、減圧濾過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(3)(含水率75.5wt%,Al=31.6wt%(dryベース))112gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(3)100gと実施例2で得たアルミニウム化合物溶液(2)(Al=4.8wt%)200gを準備し、卓上撹拌機を挿入、アルミニウム化合物が分散するまで約30分攪拌する。このビーカーに35%塩酸100gを添加し、120分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(3)(Al=4.7wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は44.3℃であり、初期温度からの温度変化は16.4℃であった。
・工程1
500mL容ビーカーに硫酸濃度12.0wt%(酸濃度=2.6mol/L)に希釈した希硫酸200gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が4.3wt%、NaOH濃度が11.0wt%のアルミニウム含有アルカリ排水84gを30分かけて定量的に上記希硫酸へ添加した。反応液のpHが6になれば添加を止め、減圧濾過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(4)(含水率76.5wt%,Al=31.0wt%(dryベース))116gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(4)100gと実施例3で得たアルミニウム化合物溶液(3)(Al=4.7wt%)200gを準備し、卓上撹拌機を挿入、アルミニウム化合物が分散するまで約30分攪拌する。このビーカーに35%塩酸100gを添加し、120分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(4)(Al=4.6wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は50.6℃であり、初期温度からの温度変化は16.6℃であった。
・工程1
1000mL容ビーカーに硫酸濃度6.9wt%(酸濃度=1.5mol/L)に希釈した希硫酸400gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が7.8wt%、NaOH濃度が5.7wt%のアルミニウム含有アルカリ排水104gを120分かけて定量的に上記希硫酸へ添加した。反応液のpHが6になれば添加を止め、減圧濾過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(5)(含水率72.8wt%,Al=30.5wt%(dryベース))110gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(5)100gと実施例4で得たアルミニウム化合物溶液(4)(Al=4.6wt%)200gを準備し、卓上撹拌機を挿入、アルミニウム化合物が分散するまで約30分攪拌する。このビーカーに35%塩酸100gを添加し、120分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(5)(Al=4.7wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は48.0℃であり、初期温度からの温度変化は18.2℃であった。
・工程1
500mL容ビーカーにHCl濃度が8.2wt%(酸濃度=2.7mol/L)、Fe濃度が6.0wt%の塩化鉄水溶液200gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が10.9wt%、NaOH濃度が8.0wt%のアルミニウム含有アルカリ排水78gを60分かけて定量的に上記酸性水溶液に添加した。反応液のpHが4になれば添加を止め、減圧ろ過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(6)(含水率74.9wt%,Al=30.7wt%(dryベース),Fe=9.7wt%(dryベース))106gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(6)100gと実施例4で得たアルミニウム化合物溶液(4)(Al=4.6wt%)100g及び実施例5で得たアルミニウム化合物溶液(5)(Al=4.7wt%)100gを準備し、卓上撹拌機を挿入、アルミニウム化合物が分散するまで約30分攪拌する。このビーカーに35%塩酸100gを添加し、120分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(6)(Al=4.0wt%,Fe=0.5wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は49.0℃であり、初期温度からの温度変化は12.8℃であった。
・工程1
1000mL容ビーカーに濃度37.0wt%(酸濃度=2.4mol/L)のp‐トルエンスルホン酸水溶液400gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が8.6wt%、NaOH濃度が6.0wt%のアルミニウム含有アルカリ排水126gを120分かけて定量的に上記酸性水溶液へ添加した。反応液のpHが8になれば添加を止め、減圧濾過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(7)(含水率68.8wt%,Al=32.2wt%(dryベース))138gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(7)100gと実施例5で得たアルミニウム化合物溶液(5)(Al=4.7wt%)200gを準備し、卓上撹拌機を挿入、アルミニウム化合物が分散するまで約30分攪拌する。このビーカーに35%塩酸100gを添加し、120分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(7)(Al=5.0wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は47.5℃であり、初期温度からの温度変化は15.2℃であった。
・工程1
500mL容ビーカーに硫酸濃度5.0wt%(酸濃度=1.0mol/L)に希釈した希硫酸200gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が8.3wt%、NaOH濃度が5.8wt%のアルミニウム含有アルカリ排水74gを120分かけて定量的に上記希硫酸へ添加した。反応液のpHが6になれば添加を止め、減圧濾過によって反応液を固液分離し、水酸化アルミニウム(8)(含水率68.1wt%,Al=30.0wt%(dryベース))130gを得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た水酸化アルミニウム(8)130gを準備し、卓上撹拌機を挿入する。このビーカーに35.0%硫酸100gを添加し、300分攪拌することで、アルミニウム化合物溶液(8)(Al=3.6wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は52.8℃であり、初期温度からの温度変化は15.8℃であった。
HBF含有フッ酸廃液を10%水酸化カルシウム溶液によりpH=6に中和後、F濃度が3000mg/Lとなるように希釈した処理原液(F=3000mg/L,HBF=3466mg/L)1000mLを準備する。200mL容プラスチックビーカーにこの処理原液100mLを採取し、アルミニウム化合物溶液(1)を、試験液のF;1molに対してAl;0.5molの割合で添加する。同様にしてアルミニウム化合物溶液(2)〜(8)を添加したもの、および硫酸によってpH=3とした後PAC(ポリ塩化アルミニウム:Al=5.4wt%)を添加したものをそれぞれ準備する。それぞれを3時間撹拌した後、10wt%水酸化カルシウム液でpH=8.5まで中和して固液分離し、ろ液のF濃度を分析する。結果を表1に示す。いずれもPACと同等以上のHBF分解性能を有していることが分かる。
さらに、アルミニウム化合物溶液(2)に関して、添加量を2倍にした条件で同様にHBF分解試験を行うと98.7%のF減少率となった。
Figure 2018058748
アルミニウム化合物溶液(2)とPACを用い攪拌時間を1時間とした条件において、実施例9と同様の方法でHBF分解試験を行い、Al添加量に対するF減少率を測定した。その結果を図5に示す。PACに比べて本発明のアルミニウム化合物溶液を用いた系の方がF減少率は大きく、短時間反応でもアルミニウム化合物溶液は効率的にHBF分解に作用した。
(比較例1)
1000mL容ビーカーにAl濃度が7.8wt%、NaOH濃度が5.7wt%のアルミニウム含有アルカリ排水100gを入れ、卓上撹拌機およびpH計を挿入する。滴下ロートから硫酸濃度6.9wt%(酸濃度=1.5mol/L)に希釈した希硫酸を60分かけて定量的に、上記アルカリ廃液への添加を試みた。しかし、およそpH=10で反応液がゲル化し攪拌できなくなった。
(比較例2)
500mL容ビーカーに硫酸濃度24.7wt%(酸濃度=5.0mol/L)に希釈した希硫酸200gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が4.3wt%、NaOH濃度が10.1wt%のアルミニウム含有アルカリ排水を60分かけて定量的に、上記希硫酸への添加を試みた。しかし、およそpH=3.5で反応液がゲル化し撹拌できなくなった。
(比較例3)
1000mL容ビーカーに硫酸濃度6.9wt%(酸濃度=1.5mol/L)に希釈した希硫酸400gを入れ、卓上撹拌機・pH計を挿入する。滴下ロートからAl濃度が7.8wt%、NaOH濃度が5.7wt%のアルミニウム含有アルカリ排水106gを10分かけて定量的に上記希硫酸へ添加した。添加終了後約1分を経過した時点で反応液がゲル化し攪拌ができなくなった。
(比較例4)
・工程1
最終pH=10とする以外は実施例6工程1と同様の方法で水酸化アルミニウムの合成を行い、比較水酸化アルミニウム(2)(含水率70.76wt%,Al=25.6wt%,Fe=25.9wt%)を得た。
・工程2
500mL容ビーカーに上記工程1で得た比較水酸化アルミニウム(2)100gと[実施例2]工程2で得たアルミニウム化合物溶液(2)(Al=4.8wt%)100g及び[実施例3]工程2で得たアルミニウム化合物溶液(3)(Al=4.7wt%)100gを準備し、卓上撹拌機を挿入、水酸化アルミニウムが分散するまで約30分攪拌する。このビーカーに35%塩酸100gを添加し、120分攪拌することで、比較アルミニウム化合物溶液(1)(Al=4.0wt%,Fe=1.7wt%)400gを得た。なお、この際の最高温度は44.1℃であり、初期温度からの温度変化は12.0℃であった。この比較アルミニウム化合物溶液(1)を実施例9と同様にHBF分解薬品として使用したところ、Fe濃度が高いため、分解処理後の中和によって水酸化鉄汚泥が多量に発生した。

Claims (4)

  1. アルミニウムを含有するアルカリ排水において、
    (1)酸濃度が1.0〜3.0mol/Lの範囲にある酸溶液を保持した槽に、当該排水を30分以上の時間をかけて添加し、pH4〜8になるように中和することで水酸化アルミニウムを析出させた後固液分離する第1工程
    (2)(1)で分離した固体と塩酸及び/又は硫酸を混合することにより塩化アルミニウム及び/又は硫酸アルミニウムを合成する第2工程
    からなる、アルミニウム化合物溶液の製造方法。
  2. 第2工程において、製造されたアルミニウム化合物溶液の一部を水酸化アルミニウムの分散媒として用いて塩酸及び/又は硫酸を混合することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム化合物溶液の製造方法。
  3. アルカリ排水中のアルミニウム含有量が2wt%以上である請求項1または請求項2に記載のアルミニウム化合物溶液の製造方法。
  4. アルミニウム化合物溶液がホウフッ化物の分解に用いられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム化合物溶液の製造方法。
JP2016209046A 2016-10-05 2016-10-05 アルミニウム化合物溶液の製造方法 Active JP6467651B2 (ja)

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